JP7289338B2 - カプセルベッド及びカプセルベッド結合体 - Google Patents
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Description
ここで、菌類は、細菌類、卵菌類、変形菌類、及び、真菌類を含む意味で用いている。
ここで、送風部を動作した状態でロールスクリーンを閉じたときに、カプセルベッド内の圧力が大気圧よりも高い圧力に維持可能としつつ、適度に客室内の空気を客室外に逃がせる構造であることが好ましい。
(第1実施形態)
<カプセルベッド結合体>
図1、図2、及び、図3に示すようにカプセルベッド10は、左右方向(図1、図2の左右方向)に複数並べられて互いに結合されたものが、上下方向(図2、図3の上下方向)に積み重ねられて互いに結合され、カプセルベッド結合体100を構成する。カプセルベッド10は、図1と図3に示すように、左右方向及び上下方向に直交する前後方向(図1の上下方向、図3の左右方向)に延びる、全体直方体状の外形形状を有する。ここで、カプセルベッド結合体100において、左右方向に並べられるカプセルベッド10の数、及び、上下方向に積み重ねられるカプセルベッド結合体の数は、図1~図3に示す例に限定されない。
図4に示すように、カプセルベッド10は、左右方向において互いに対向する2つの側面パネル11、12と、上下方向において互いに対向する天井パネル13及び床パネル14と、前後方向の後側において、2つの側面パネル11、12、天井パネル13、及び、床パネル14に略直交する後方パネル15と、前側において開閉可能に設けられた入口部16と、によって、前後方向に延びる略直方体形のカプセル状の寝室として形成される。それぞれのパネルは、カプセルベッド10を形成するにおいて十分強固となり、隣り合うカプセルベッド10との間のプライバシーを確実に保つことができ、かつ、外気との通気を可能とした略密閉状態で、互いに結合される。カプセルベッド10においては、後方パネル15に取り付けた送風部17と入口部16を設けることで、外気との通気を可能としている。送風部17及び入口部16の構造については別途詳細に説明する。
送風部17→副調整空間10b→導入部19a、19b、19c→寝室空間10a→入口部16
という向きとなり、カプセルベッド10の内部空間の気圧に応じて、一部が入口部16を経て室外へ流れ出る。この空気の流れを作り出すために、送風部17の動作によって外部から空気を取り入れている状態における、カプセルベッド10内の各部の空気圧は次式(A)のような関係となる。
副調整空間10b内の気圧>寝室空間10a内の気圧>入口部16外側の気圧 (A)
ここでは、大気圧(1013.25hPa)が0Paとなるように1013.25を減算した相対気圧で示しており、例えば、相対気圧0.2Paは絶対気圧では1013.45hPaである。
副調整空間10b内の気圧0.6Pa~0.4Pa>寝室空間10aの中央部の気圧0.08a~0.03Pa>入口部16近傍の寝室空間10a内の気圧0.02Pa~0.0Pa>入口部16の外部の空間の気圧(大気圧)0Pa (B)
副調整空間10b内の気圧0.6Pa~0.5Pa>寝室空間10aの中央部の気圧0.43Pa~0.35Pa>入口部16近傍の寝室空間10a内の気圧0.34Pa~0.25Pa>入口部16の外部の空間の気圧(大気圧)0Pa (C)
カプセルベッド10内の環境としては、例えば、風量センサ23と温度センサ24による検知結果に基づいて算出された、空気の流れや温度分布が挙げられる。送風部17による送風条件としては、例えば、送風部17から送り出される空気の風量、風速、風向が挙げられる。
ここで、一般に塵埃測定における測定値の単位として“個/CFM”(個/Cubic Feet per Minute)が現在でも広く使用されている。図8の数値はその単位で計測した値である。前述の「単位体積(空気の)当たりの個数」の単位は“個/CFM”を意味する。すなわち、空気の単位体積に含まれる塵埃の個数を表すものである。
本来の実測値である塵埃個数の意味を損ねないように可能な限りSI単位系に近い表現をすると“個/((0.3048)3m3/M)”という事になる。ここで、M は時間の単位で分を表す。
(変形例1~5)
図10(a)は第1実施形態に係るカプセルベッド10における調整壁部18の構成を示す平面図、図10(b)、(c)と図11(a)、(b)、(c)は変形例1、2、3、4、5における調整壁部の構成をそれぞれ示す平面図である。図10(a)は、図1中の1つのカプセルベッド10において左右の側面パネル11、12、後方パネル15、及び、調整壁部18の関係を明確にするために、これら以外の部材の図示を省略して概略形状を示している。図10(b)、(c)と図11(a)、(b)、(c)についても、図10(a)と同様の形式で示しており、また、後方パネル15において、第1実施形態のカプセルベッド10と同じ位置に送風部17が設けられている。
第1実施形態においては、カプセルベッド10の中の空気の流れが、
送風部17→副調整空間10b→導入部19a、19b、19c→寝室空間10a→入口部16
という向きとなるようにそれぞれを配置していた。これ以外の配置・構成とすることも可能であるが、寝室空間10aにおける入口部側への流れを確保できるように、カプセルベッド10の内部空間の各所における、風圧、気圧を検知するセンサを設け、検知結果にしたがって、空気の流入量を制御することが好ましい。
図12(a)に示すように、第2実施形態に係るカプセルベッドでは、第1実施形態のカプセルベッド10に対し、後方パネル15において、送風部17の下方にランプ部120、送風部17よりも上方で送風部17よりも右側の位置に第1の循環ファン141をそれぞれ設け、さらに、床パネル14上であって、ランプ部120の下方の位置に第2の循環ファン142を設けている。図5において破線で示すように、ランプ部120は制御部20に接続されており、制御部20によって動作制御される。第1の循環ファン141と第2の循環ファン142は、オンオフのみの切り替えとしてもよいが、制御部20の制御によって、送風部17及びランプ部120の動作状況に応じて、空気の流れの量、強さなどを調整と、高いレベルでの殺菌・不活性化を効率よく実現することができる。
なお、これら以外の構成は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
また、その他の作用、効果、変形例は第1実施形態と同様である。
図13に示すように、第3実施形態に係るカプセルベッドでは、第1実施形態のカプセルベッド10の構成に対して、後方パネル15上にケーシングユニット150を設けている。図13では送風部17の図示を省略している。これ以外の構成は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
UVランプの殺菌効率について一般的に次のことが知られている。一般に人工光源として用いられるUV光は、その作用と効果の点で、UV-A、UV-B、UV-Cの波長域に分類されて呼ばれる。それぞれの波長域、及び、作用と効果は下記のように分類される。
・UV-A:波長315nm~400nm、色素が沈着し、皮膚が黒くなる日焼けを起こす。
・UV-B:波長280nm~315nm、皮膚が赤くなり痛む日焼けを引き起こす。
・UV-C:波長100nm~280nm、強い殺菌効果がある。
前述のように99.9%の菌類やウイルスを殺菌又は不活化をするためには、少なくとも照度30J/m2で空気にUVーC光を照射する必要があることから、その場合の最低照度(必要な照度の下限)を計算すると次のようになる。
= 30J/m2÷(1.817s×1本×80%)
= 20.7W/m2
となり、図15(a)のグラフから、UV-Cランプからの距離d(図14(b)参照)が7cm以内の範囲を通過する空気に対して、前記99.9%を保証できることになる。
従って、図14(b)のダクト170のd=7cmとすることとした。
(14cm×21/2)2=98cm2=0.0098m2となり、
”断面積×空気速度”で表される空気の処理量は、
0.0098m2×0.24m/s=0.002352m3/s≒8.5m3/h
となり、一つのカプセルベッドの室内容量が約2.4m3(図9参照)であるとき、約17分程度で室内の空気を処理できることになり、十分実用的であると言える。
またダクト170の排気口側の一部または全部を伸ばすことにより紫外線漏れを防ぐことも可能である。
また、ダクト170内のUVランプ180の付近の風速を遅くすることによっても、殺菌又は不活化の効果をより向上させることができる。
なお、その他の作用、効果、変形例は第1実施形態と同様である。
図16(a)に示すように、第4実施形態に係るカプセルベッドでは、第1実施形態のカプセルベッド10に対して、後方パネル15上に2つのケーシングユニット190と、寝室空間10a内の側面パネル12上に1つのケーシングユニット190と、を設けている。図16(a)では送風部17の図示を省略している。これ以外の構成は第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
副調整空間10b→導入部19a、19b、19c→寝室空間10a→入口部16、
という向きの流れを確実に実現することができる。また、副調整空間10bにおいて、第1導入部19a側へ、菌類が殺菌され、又は、ウイルスが不活性化された空気を向かわせることで、寝室空間10aへ清浄度の高い空気を供給できる。さらに、寝室空間10a内でも空気を清浄化することができる。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
10a 寝室空間
10b 副調整空間
11、12 側面パネル
13 天井パネル
14 床パネル
15 後方パネル
16 入口部
16a フレーム部
16b スクリーン部
16c グリップ
17 送風部
18 調整壁部
18a 基端部
18b 右端部
18c 上端部
18d 下端部
18e 固定具
18f 平板部
18r 湾曲部
19a 第1導入部(開口部)
19b 第2導入部(開口部)
19c 第3導入部(開口部)
20 制御部
21 入力部
22 表示部
23 風量センサ
24 温度センサ
31、32、33 被係止材
31a、32a、33a 被係止材基部
31b、31c、32b、32c、33b、33c、 被係止材固定部
41、42、43 係止フック
41a、42a、43a 係止フック固定部
41b、42b、43b フック部
100 カプセルベッド結合体
100a 上側のカプセルベッド結合体
100b 下側のカプセルベッド結合体
101 足場部
102 化粧板
120 ランプ部
121、122、123 UVランプ
130 シュラウド
131 上部覆い
132 下部覆い
141、142 循環ファン
150 ケーシングユニット
160 送風部
160a 送風口
160b 開口部
170 ダクト
180 UVランプ
181、182 ソケット
190 ケーシングユニット
191 管体
192、193 UVランプ
194 吸気口
195 排気口
200 調整壁部
210 調整壁部
211、212 平板部
220 調整壁部
221、222、223、224 平板部
230 調整壁部
240 調整壁部
Claims (15)
- 上下方向において互いに対向する天井パネル及び床パネルと、
上下方向に直交する左右方向において互いに対向する2つの側面パネルと、
上下方向及び左右方向に直交する前後方向の後側において、前記天井パネル、前記床パネル、及び、前記2つの側面パネルに略直交する後方パネルと、
前後方向の前側において開閉可能に設けられた入口部と、によって、前後方向に延びるカプセル状の空間として形成されるカプセルベッドであって、
前記後方パネルに配置され、外部からの空気を取り入れて前記カプセルベッド内の空間へと送り込む送風部を備え、
前記カプセルベッド内において、前記入口部側の前方領域に前記入口部から出入りする利用者が横たわる主室部分を構成するカプセル状の寝室空間と、前記後方パネルの前方の2つの前記側面パネルのうちの一方の前記側面パネルにその基端部を接する状態とし、先端部を他方の前記側面パネル側に延設させて該先端部と他方の前記側面パネルとの間に間隙を形成可能とする調整壁部を配設し、前記カプセルベッド内の前記入口部側の寝室空間に対する奥部側の左右の前記側面パネル間に前記後方パネル、前記調整壁部、前記床パネル、前記天井パネルとにより囲繞され、前記送風部から取り入れられた空気を滞留させた後、前記調整壁部と前記他方の側面パネルとの間の間隙より前記送風部から取り入れられた空気を前記カプセルベッド内の前記入口部側の寝室空間へと送出可能とする副調整空間と、をそれぞれ画成し、
前記送風部により、外部から取り入れられた空気を前記副調整空間内で滞留させた後に、カプセル状の寝室空間へと送出させて寝室空間の圧力を大気圧よりも高く維持する所定の送風条件で送り込むことを可能としてなるカプセルベッド。 - 前記送風部には、外部から取り入れた空気を透過して、所定粒径以上の粒子を捕集可能なフィルタ部を備えることとしてなる請求項1に記載のカプセルベッド。
- 前記フィルタ部は、粒径0.3μmの粒子を99.99%以上捕集可能なHEPAフィルタ、または、粒径0.1~0.2μmの粒子を99.999%以上捕集可能なULPAフィルタを有する請求項2に記載のカプセルベッド。
- 前記副調整空間内には、1または2以上のUVランプが配設され、前記送風部により外部から取り入れられた空気を前記副調整空間内で滞留させ、前記UVランプの照射光により菌類やウイルスを死滅あるいは不活化させた後に、カプセル状の寝室空間へと送出可能としてなる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記副調整空間内に備えられる前記UVランプは、ケーシングユニット内に配設されるものである請求項4に記載のカプセルベッド。
- 前記ケーシングユニット内に配設される前記UVランプは、内部に換気ファンを備える請求項5に記載のカプセルベッド。
- 前記副調整空間内に備えられる前記UVランプは、シュラウドにより覆われている請求項4に記載のカプセルベッド。
- 前記副調整空間内には、前記送風部から取り入れられた空気を前記副調整空間内において対流させ、前記UVランプの照射光により菌類やウイルスを死滅または不活化させる状態で外部から取り入れられた空気を前記副調整空間内で滞留させることを可能とする1または2以上の循環ファンを備えることとしてなる請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記調整壁部は、左右方向の一方の前記側面パネルにその基端部を接する状態で固定され、先端部を他方の前記側面パネル側に対して前記後方パネル側へと湾曲または屈曲させるように近接させ、他方の前記側面パネルとの間に間隙を形成するように延設させることとしてなる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記調整壁部は、その上端部の全領域または前記上端部のうち前記側面パネルに接する基端部側の一部領域を前記天井パネルに支持させることとし、その下端部の全領域または前記下端部のうち前記側面パネルに接する基端部側の一部領域を前記床パネルに支持させることとしてなる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記調整壁部は、少なくとも前記送風部が発生する音波に対する吸音性能を有する吸音部を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記入口部は上下に開閉可能なロールスクリーンを有し、前記ロールスクリーンを閉じたときに、前記カプセルベッド内の圧力が大気圧よりも高い圧力に維持可能となる請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 前記カプセルベッド内の寝室空間に横たわる利用者の生体情報、及び、前記カプセルベッド内の環境に基づいて、前記送風部における前記送風条件を調整する制御部を備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のカプセルベッド。
- 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の前記カプセルベッドが、左右方向において複数並んで配置されてなるカプセルベッド結合体であって、
隣り合う2つの前記カプセルベッドは共通の前記側面パネルによって互いに仕切られることを含むカプセルベッド結合体。 - 左右方向において複数並んで配置されてなるカプセルベッド結合体が、上下方向に複数積み重ねられ、
上側の前記カプセルベッド結合体の複数の前記床パネルの左右方向のそれぞれの略中間位置に下側の前記カプセルベッド結合体の複数の前記側面パネルがそれぞれ配置されている請求項14に記載のカプセルベッド結合体。
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