JP5943284B2 - 高清浄環境システムおよび睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性の測定方法 - Google Patents

高清浄環境システムおよび睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性の測定方法 Download PDF

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Description

この発明は高清浄環境システムに関し、特に、有害ガス、粉塵等がシステム内で発生しても、速やかに外部に排出することが可能であり、粉塵や菌などのダスト微粒子の数を一定値以下に維持したり、あるいは外部からこれらの混入のないクリーンエア(空気)環境であり、かつ酸素濃度が適正に保持される環境の実現に適用して好適なものである。
電子工業・精密機械工業・精密印刷などの用途の精密製品の高品質化と歩留まり向上とを図るために塵埃を除去するクリーンルームが必要とされている。また、清浄環境は、医療環境、特に、インフルエンザなどの空気感染性の疾病の予防、花粉症の抑制、傷んだ呼吸器官の回復などの上からも重要となってきている。国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductor, ITRS)によれば、局所クリーン化の進展により2018年には通常の大気レベルの環境までクリーンルームの要求清浄度は緩和されるとしているが、現時点ではまだそれからはほど遠い。また、空気清浄機等の市場導入はなされているものの、定量的に評価されたクリーンエア(空気)環境の家庭住環境への導入は、未だ進行しているとはいいがたい。
クリーンルームを用いることなくクリーンな作業空間を提供する技術については従来より提案されている。例えば、クリーンな環境での作業を可能とする作業台として、作業空間の開口部から外気を取り入れ、この空気をフィルターでろ過して作業空間の上部から作業空間内に吹き出す作業台であって、作業空間の側面または背面に作業空間と外部とを連通する連通路を設け、この連通路に物体収納空間を形成し、物体空間の両側に外部と作業空間とを仕切る開閉手段を設けたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、単位室体毎に、その内部において清浄な空気を循環させる空気循環手段および粉塵除去手段を備え、清浄空間と遮断して空調手段設置空間を設けた連結式クリーン空間装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、空気循環手段と粉塵除去手段および空調手段とをそれぞれ備えて単位室体を順次連結して、全体として一定容積の清浄空間を構成する連結式クリーン空間装置において、上記単位室体の内部空間を連結する開口部に、上記開口部を横切る方向に空気が吹き出るように空気吹き出し口を設け、あるいは、上記単位室体の内部空間を連結する開口部に開閉自在な扉を設けることが提案されている(特許文献3参照)。
また、上方に外気を取り入れ下面の空気吹き出し口から作業域内に清浄空気を吹き出す空気浄化部を備え、下方にこの空気浄化部を支える脚を有する移動可能な清浄作業室において、作業室同士の脚を互いに結合する脚部結合手段と、作業室同士の空気浄化部を互いに結合する空気浄化部結合手段とを備え、上記空気浄化部結合手段は空気浄化部の側面に設けられ、該側面の幅方向全長にわたり上下方向に結合する1対の結合部材からなり、上記結合部材の少なくとも一方はその上下方向の結合部を圧縮可能な密封材で構成され、作業室同士の結合、分離が自在である清浄作業室が提案されている(特許文献4参照)。
また、フィルターを通して清浄な空気を吹き出すブロウユニットと、ブロウユニットから供給される空気をフィルターを通して吸い込むドレンユニットとを間隔をおいて対向配置することでクリーンベンチを構成することが提案されている(特許文献5参照)。
また、完全循環型で密閉された構造を持つクリーンユニットおよび連結クリーンユニットが提案されている(特許文献6参照)。これによれば、クリーンな環境に維持することができる作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部を設けたクリーンユニットの作業室の上部に送風動力を有する塵埃フィルター(HEPA(high efficiency particulate air)フィルター)を一つ設けるとともに、作業室の側面などに気密性を有する管を直結し、かつ上述の塵埃フィルターの入り口に繋げることにより気体が循環するように構成する。このクリーンユニットの清浄度の平均値および最高値はクラス10並の値が得られている。また、このクリーンユニットは、その連結部を利用して、実行しようとするプロセスに応じて、折れ線状配置、ループ状配置などで複数連結することにより所望のクリーンユニットシステムを容易に構成することができる。上述のようにクリーンユニットを循環型に構成することにより高い清浄度が達成されるメカニズムについては報告されている(非特許文献1、2参照)。
このクリーンユニットを図31示す。図31に示すように、このクリーンユニットにおいては、作業室311の上面に送風動力を有する塵埃フィルター312が取り付けられ、この塵埃フィルター312の入口と作業室311とを連結するように循環ダクト313が取り付けられており、作業室311の内部を例えばクラス0.00001〜0.1程度の高清浄環境に維持することができるようになっている。
しかしながら、図31に示す従来のクリーンユニットは、完全に密閉された構造となっているため外気の供給がなされず、作業室311内に生物や細胞などを入れて酸素が消費されると、作業室311内の酸素濃度が減少してしまうという問題点があった。即ち、密閉循環系では、その密閉性故に、内部のガス成分の消費がなされたり、新たなガス成分の発生があった場合、内部環境のガス成分が設置環境のガス成分からかけ離れていく問題があった。このため、このクリーンユニットを通常のクリーンブースの規模に拡張して、作業室311内に人が入って長時間安全に作業をするといったことは不可能であった。
また逆に、人が入れるような従来型のクリーンルーム、クリーンブースでは、その清浄度を高くすることが非常に難しいか、あるいは極めて高いコストがかかっていた。特に、密閉循環型のクリーンユニットに比べ、著しく低い清浄度しか得られなかった。
この問題を解消するために、本発明者は、密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、この作業室に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターと、この作業室に設けられた通風孔と塵埃フィルターの入口とを気密性を持って接続する気体流路とを有し、この作業室の通風孔から流出する気体の全てが気体流路を通って塵埃フィルターの入口に入るように構成され、作業室の少なくとも一つの壁の一部に、ダスト微粒子を通さず、気体分子は通す隔壁が取り付けられているクリーンユニットを提案した(特許文献7参照)。
特開平2−15984号公報 特開平5−106888号公報 特開平5−223300号公報 特開昭63−123937号公報 特開2003−90576号公報 国際公開第04/114378号パンフレット 国際公開第08/136215号パンフレット
A.Ishibashi, H.Kaiju, Y.Yamagata and N.Kawaguchi : Electron. Lett.41,735(2005) H.Kaiju, N.Kawaguchi and A.Ishibashi : Rev. Sci. Instrum. 76, 085111(2005)
しかしながら、特許文献7で提案されたクリーンユニットでは、人の治療、診察、静養などの手段としての使用に関して具体的な提案はなされていない。一方、NOx やSOx などの排気ガス由来の粉塵に晒されたり、喫煙者の近傍での生活における副流煙に晒されたりする人は、肺や気管を休める必要があるところ、簡易にかつ低コストでこの目的を達成することはできなかった。
また、特許文献7で提案されたクリーンユニットでは、循環ダクトが装置の壁面に組み込まれていることから、塵埃フィルターの吸気口と排気口の絶対位置および相対位置は完全に固定されたものとなっており、内部に格納する装置や実験の特性に応じて、塵埃フィルターの吸気口の位置を変えることができないという問題があった。このため、このクリーンユニットの内部に格納する装置によっては、クリーンユニットの清浄能力を100%生かした上で作業することが不可能であった。
また、在来型のスーパークリーンルームは、陰圧または陽圧の開放系のシステムであった為、清浄環境内での細菌の爆発的な増殖が起こった際など、ハザード発生時の緊急事態抑制機構が複雑になるという問題があった。
一方で、組込み型および据置き型の空気清浄機が商品化され市場に流通して久しく、同装置を導入した室内清浄環境システムは、現在に至るまで一般に広く使用されている。しかし、同システムの清浄特性および性能は、空気清浄機についてのみ評価されることはあっても、システム全体、即ち空気清浄機が置かれた部屋全体については、部屋の密閉性、部屋内部の空気循環などを考慮に入れた上で評価されることはなかった。
また、空気清浄性能を向上するために、光触媒による化学物質等(化学物質および細菌、ウィルスなどの有機物を示す。以下同じ)の分解効果を利用した塵埃フィルターを用いた空気清浄装置があるが、長期間運転すると塵埃によるフィルター目詰まりが起こり、その結果として光触媒に対し充分な光が照射されなくなり、光触媒による化学物質等の分解効果を長時間維持することは難しかった。また従来の光触媒を利用した塵埃フィルターを用いた空気清浄装置では、清浄される気体の光触媒部の通過が一回のみであったので、分解効率も高くなかった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い空気清浄度の清浄空間を得ることができ、清浄能力が部屋内部に格納する装置や実験の特性によらず、部屋全体が常に高い空気清浄性能を維持することができるような空気清浄システムを構築することで、高清浄環境を必要とするあらゆる状況への適用を簡易かつ低コストで実現することができる高清浄環境システムを提供することである。特に、人が内部に入ることが可能な高清浄環境システムにおいては、従来の内部における酸素濃度維持と低塵埃密度性が両立可能な、密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる作業室と、この作業室に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターと、この作業室に設けられた通風孔と塵埃フィルターの入口とを気密性を持って接続する気体流路とを有する構成(以下密閉循環フィードバック系)を更に進化させ、塵埃フィルターに防塵機能と共に光触媒機能とを併せ持つことで、作業者が高清浄環境システムの内部で安全に活動できるのみならず、塵埃フィルター自身が自浄能力を持つ究極の高清浄環境システムを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、
密閉可能な閉空間を構成し、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
上記閉空間内に配置された吸入口と排出口と送風動力とを有する塵埃フィルターとを有し、
上記塵埃フィルターの吸入口と排出口の内の少なくとも一方が、上記閉空間に対する相対位置を変えることができるように構成され、
上記塵埃フィルターの吸入口と排出口との間隔の最大値、あるいは排出口の大きさの何れか大きい方をxとし、
上記xが定義される方向の上記閉空間の長さをXとしたとき、
比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあることを特徴とする高清浄環境システムである。
上記高清浄環境システムは、典型的には、
上記高清浄環境システムの閉空間内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵を閉空間外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段と、
この排気流量に応じて閉空間外部から閉空間内部へ空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段、および給気流路を有する構成である。
また、上記吸気手段における塵埃フィルターが給気流路に対して直列に入っておらず、給気の流れに対して側面から浄化することを特徴とする高清浄環境システムである。
ここで、上記塵埃フィルターのダスト微粒子の阻止率(透過率)は、好適には、少なくとも90%以上(10%以下)、より好適には99%以上(1%以下)である。
更に、上記塵埃フィルターのダスト微粒子の阻止率(透過率)はフィルターの形状、およびその装着方法によっても飛躍的に向上させることも可能であって、その解決手段は
上記塵埃フィルターが、平面が折り込まれたフィルターであり、
上記送風動力の吸気口部と同一の円形の形状を有し、回転対称性の軸を上記送風動力と共有し、
この軸と折りたたみの山と谷が非平行であることを特徴とする構成である。
上記塵埃フィルターは、典型的には、
平面が折り込まれたフィルターであり、
シロッコファンの吸気口部と同一の円形の形状を有し、回転対称性の軸をシロッコファンと共有し、
この軸と折りたたみの山と谷が非平行であることを特徴とする構成である。
上記塵埃フィルターは、更に典型的には、
上記塵埃フィルターが、平面が折り込まれたフィルターであり、
上記送風動力の吸気口部と同一の円形の形状を有し、望ましくは回転対称性の軸を上記送風動力と共有し、
上記送風動力の吸気口部を完全に閉塞して装着され、
この軸と折りたたみの山と谷が非平行であり、
この軸の周りに放射状に、折りたたまれた塵埃フィルターの山と谷が開いていくことを特徴とする構成である。
送風動力を有する塵埃フィルター(以下ファン・フィルターユニット)とは、塵埃フィルターが、ろ材を用いた塵埃フィルター自体を意味するところ、特にこの塵埃フィルターが送風動力を伴っていることを規定するものであり、具体的には、塵埃フィルターの外部に、この塵埃フィルターと一体的に、あるいは、この塵埃フィルターが置かれた気体流路の途中にこの塵埃フィルターから離れて送風ファンが設けられ、この送風ファンによる送風動力を有することを意味するものである。
以下、必要に応じて、塵埃フィルターから流出する気体を塵埃フィルターの吸入口に導くための気密性の気体流路をフィードバック気体流路と称する。このフィードバック気体流路内を流れる気体は、基本的に、ダスト微粒子を100%は通さない隔壁を貫くようなマクロなマスフローを生じないため、包囲体の外部から包囲体の内部へのダスト微粒子の侵入が防止され、包囲体の内部の清浄度は悪化することがない。
この発明において、ダスト微粒子密度をn(t)、単位面積・単位時間当たりのダスト微粒子の脱離レートをσ、HEPAフィルターのダスト捕集効率をγとすると、閉空間内の流れが均一ではなく場所依存性がある場合には、ダスト微粒子密度n(t)は場所の関数となり、同じく単位面積・単位時間当たりのダスト微粒子脱離レートσも最も一般的に場所の関数と考えられる。この時注目している閉空間Vの内部で、塵が発生したり、消滅したりすることはなく、閉空間V内の位置ベクトルx0における時刻tのダスト微粒子密度n(x0、t)は、閉空間内側、即ち包囲体内壁面からの影響が伝播することで、その変化が決まり、
Figure 0005943284
なる微分方程式を満たす。
ここで、ベクトルx'sは、閉空間の内表面に対応する位置ベクトルである。おなじく、ファン・フィルターユニットに対する吸入口にあたる部分に対応する位置ベクトルをx'inlet、排出口にあたる部分に対応する位置ベクトルをx’outletとする。G(x,x',t)は、位置x'における塵の発生あるいは消失が、主に気体の流れによる伝播と、拡散による伝播により、位置xへ影響を及ぼすことを表す伝播関数である。finは、ファン・フィルターユニットの吸入口における風速を、foutは、ファン・フィルターユニットの排出口における風速を表す。
ここで、クリーン空間、即ち包囲体内部の閉空間の体積をV、その閉空間の内面積をS、高清浄環境システムの設置環境(即ち外気)のダスト微粒子密度をN0、風量をFとし、ファン・フィルターユニットにより引き起こされるところの、閉空間V内の空気の流れが至るところ均一で場所依存性が無い場合は、式(1)の各項は、
Figure 0005943284
にそれぞれ収束し、式(1)は
Figure 0005943284
という時間のみ関数となる。このとき、密閉循環系では、その設置環境によらず、
Figure 0005943284
なる究極の清浄度が得られることが発明者により示されている(非特許文献1)。
ここで、ファン・フィルターユニットに使用されるフィルターは、塵埃フィルターに対し光触媒機能フィルターを組み合せたフィルターとすること、あるいは塵埃フィルターに対し光触媒による機能を併せ持たせることで、フィルターに複数の機能を併せ持たせる多機能フィルターとすることが有効である。
多機能フィルターを実現するにあたり、フィードバック気体流路内における気体の流れに留意し、塵埃フィルターの上流側に光触媒による有機物の分解機構を配置することで、十分な光照射を受けつつ、かつ清浄空間への光触媒材料の流入を防ぐことができる。
即ち、本発明のフィードバック気体流路を備え、流出する気体の全てが気体流路を通って塵埃フィルターの入口に流入するように構成されたもの(以下100%循環フィードバック系)において、更に塵埃除去機能と光触媒機能とを併せ持つ多機能フィルターを用いることにより、化学物質濃度も極限まで下げることができる。これは、塵埃および細菌などに対し式(1)から式(2)への収束が成り立つと共に、式(2)のnを気体中の化学物質濃度、σを化学物質の発生レート、γを、光触媒による化学物質分解効率と読み替えた式もまた成り立つことから言うことができる。
一方で、通常のシステムに光触媒機能を付加した場合では、外気を外部空間からフィルターを介して取り込んだのち、これを外部空間へ放出するので、取り込まれた外気がフィルターを通る回数は一回に限られ、化学物質等の光触媒効果による分解も一回限りの通過でしかなされない。
これに対し、本発明では、100%循環フィードバック系により、外気が取り込まれた後に何度も光触媒機構を通過することで、光触媒効果による化学物質等の分解効率を従来例に比べ飛躍的に高めることができる。
従来型クリーンルームにおいて、特に、常に高ダスト雰囲気に接している塵埃フィルターを備える空気清浄システムにおいては、単に塵埃フィルターに光触媒機能を付加した場合、高ダスト雰囲気に接している側の集塵フィルター面には激しい目詰まりが起こり、この塵埃フィルターの目詰まりが光触媒に対しての充分な光の照射を妨げることで、光触媒効果による化学物質等の分解効率が著しく低下する。
本発明の、密閉循環フィードバック系は塵埃フィルターを外部空間から隔離された場所に設置するので、直接外気に触れることがない。更に、密閉循環フィードバック系に塵埃フィルターを組み込むことで、密閉循環フィードバック系の特徴である複数回の循環によって塵埃数を数桁のオーダーで低減させることができる特性を生かし、塵埃フィルターの目詰まりの割合を従来の数千〜1万分の一以下に落とすことができ、これは同時に、フィルターの目詰まりによる光触媒の化学物質等の分解機能低下の問題を解決することができる。
また、本発明の特徴である集塵効率γが必ずしも1に極めて近い必要のないことを利用し、集塵効率γの値を抑えることで目詰まりを回避し、高い清浄度と化学物質等の分解効率の両立を図ることができる。
この集塵効率γの条件が緩和されたことにより、酸化チタン、あるいは白金、パラジウムを担持した酸化タングステンなどよりなるポーラス形状の光触媒セラミックフィルターのみを用いて、光触媒による化学物質等の分解機能と塵埃除去機能を統合しても低塵埃環境の実現が可能となり、これは即ち、ポーラス形状の光触媒セラミックフィルターのみで、光触媒による低有害物質環境と塵埃フィルターによる超清浄環境が同時に実現できるということである。従来のようにHEPAと光触媒フィルターのタンデム配置などを取らずとも済むので、システムのコンパクト化が図れると同時に、フィルターによる圧力損失を小さく抑えることができ、非常に効率的であるとともに、送風動力の負荷を減少させることで、省エネルギー化にも貢献できる。また、チタニアやタングステンオキサイドなどの光触媒材料を含浸させた不織布(ポリエステル、モダアクリルなどを成分とする)よりなる高密度フィルターを用いることもできる。
特に、単に光触媒を壁などに用いた場合に比べ、本システムは、閉空間内の気体を、塵埃除去機能と光触媒による機能を併せ持ったフィルターに、能動的に通過せしめるので、気体中の汚染物質の分解効率が飛躍的に高まる。また、塵埃フィルター表面に光触媒機能を付加することにより、塵埃フィルターに捕獲された菌や塵などを二酸化炭素と水に分解することができるので、塵埃フィルターの清掃および交換が不要となり、半永久的に使用可能な塵埃フィルターとすることもできる究極のシステムとなる。
また、塵埃フィルターに対し光触媒機能フィルターを組み合せたフィルターとする構成は上述の形態に限られず、例えば、図31に示すような密閉循環フィードバック系においても有効である。即ち、
密閉可能に構成され、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
上記包囲体に設けられた送風動力を有する塵埃フィルターとを有し、
上記塵埃フィルターに光触媒機能が組み込まれており、
上記光触媒機能が組み込まれている塵埃フィルターから流出する気体の全てが気密性の気体流路を通って上記塵埃フィルターの入り口に入るように構成されたことを特徴とする高清浄環境システムである。
具体的には、縦、横、奥行き、各1mの閉空間を風量F=1m3/分の風量で密閉循環させると場合を考えると、V/F=1m3/(1m3/分)〜1分となるので、1分毎に、粒子数は約2.8分の一に減っていくことがわかる。また、縦、横、奥行き、各2mのクリーンブースの場合、風量8m3/分のファンユニットを一台用いる(あるいは、風量2m3/分のファンユニットを4台用いるなどの)ことにより、同じタイムスケールで、内部の清浄度を上げていくことができる。
特に、従来のクリーンルームの定常状態のダスト微粒子密度は環境のダスト微粒子密度N0に依存し、かつこの為できるだけダストの捕集効率γが1に近い高品質の塵埃フィルターが必要であったのに対し、本発明では、定常状態のダスト微粒子密度n(t)はN0に依存せず、かつγが分母に入っているので、設置環境を選ばず安価な塵埃フィルターでも非常に高い清浄度を実現できる。また、側壁の一部が塵・粒子の通過を抑制し、空気の成分分子は透過させる膜からなる場合には、内部のガス成分と設置環境のガス成分の交換が効率的に行われるため、粒子に関しては、完全密閉環境を、ガス成分に対しては、拡散による交換可能な環境を実現することができる。
一方、閉空間内の気体の流れが一様ではなく時間の関数として変化している場合、つまり閉空間内の気体の流れが非定常な場合には、式(1)は式(2)に収束しない。式(1)は、右辺第1項の包囲体内表面からこぼれ落ちてくる塵埃成分を、右辺第2項と第3項の作用によって、減じていくことによって、ダスト微粒子密度nを下げていくことが可能であることを示すものであるが、ファン・フィルターユニットによる吸入と排出が閉空間内の小さな局所領域で行われる、所謂ショートサーキットが起きているような場合には、閉空間全体に亘って、粒子数を下げることは極めて時間が掛かり、この間に閉空間内表面からの塵の湧き出しが閉空間内に蓄積(ビルドアップ)するということであるので、結局、式(2)には収束せずに式(1)によって支配される。これは、式(1)の級数が低い項数の段階で収束することで、清浄度が下げ止まってしてしまうことを意味しており、これ以上ファン・フィルターユニットを連続運転させて清浄化を続けたとしても、到達清浄度は向上しない。
しかし、式(1)の右辺第2項が働く場所、即ちファン・フィルターユニットに対する吸入口の位置と、式(1)の右辺第3項が働く場所、即ち排気口の位置を、離れた位置にあるように設定した場合、つまり、閉空間内に、吸入口と排出口を有する可動なファン・フィルターユニットが配置されており、吸入口と排出口との間隔(あるいは、両口が有限の広がりを有する場合は、吸入口と排出口の間隔の分布の最大値x)が、間隔が定義される方向の閉空間の長さXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にあるとき、x/Xがそれらより小さい範囲である場合と比較して、式(1)の級数が高い項数において収束、あるいは式(2)のような無限級数となることで、ファン・フィルターユニットを連続運転させたときの閉空間内での塵粒子数密度の減少率が格段に大きくなり、その結果、格段に到達清浄度を高くすることができる。
これは閉空間内において、(原点を、fin、fout が存在する地点の中点として)fin、fout が存在するところの位置ベクトルをrとすると、閉空間内の空気を掻き混ぜるのに寄与する実効的な距離は、構成するシステムの大きさに応じて、適宜、区分して考えて、離散的に扱うこと、即ち、式(1)の第2項と第3項からの寄与をfで正規化(ノーマライズ)した量、
Figure 0005943284
を考えることにより、近似的に与えられる。区分数は、当然多いほど精度が向上するが、注目する領域が、一般に十〜数十に分割されていれば十分である。また、dの値が大きいほど、ファン・フィルターユニットの吸入口と排出口の間の実効的な距離が長いということあるから、ファン・フィルターユニットによって生じる気流が循環する空間体積の割合が全閉空間体積に対して大きくなり、式(1)の左辺ごみ密度の減少率が大きくなる。つまり、ファン・フィルターユニットによっては、清浄されるべき全体積に対して循環する空気の積算流量の割合が高くすることができるということである。つまり、排出口から出た空気が、閉空間内の空気をより多く巻き込んだ上で吸入口に戻るので清浄効率が高いといえる。以下、清浄されるべき全体積に対する単位時間当たりの全循環流量の割合を「循環効率」と定義する。実際において、閉空間の3つの軸方向の内、もっとも奥行きが小さいものをLとすると、
Figure 0005943284
において、D<0.3のとき、好ましくはD=0.35、最も好ましくはD=0.4のとき、それよりもDが小さい条件のときと比較して格段に高い清浄度が得られる。式(5)においても、区分数は、当然多いほど精度が向上するが、注目する領域が、一般に十〜数十に分割されていれば十分である。また、量|Σr×fout|/|fout|は、吸入口、あるいは排出口における流速分布および面広がりが無視できる近似においては、吸入口と排出口の間の距離となることは容易に導き出せる。吸入口、あるいは排出口における流速分布が無視できないときは、次元解析から分かるように、式(3)で与えられる上述した量は、吸入口と排出口の間の実効的な距離を与える。
また、式(1)の右辺第3項について式(4)を考慮にいれた上で検討すると、循環効率を高くする方法は、式(1)の右辺第3項が働く場所つまり排出口において、式(4)のdが0.3を超えるようなfoutを定めることである。これは、つまりfoutの値を大きくすることのみならず、排出口の方向を変えることでΣr×foutの値を大きくすることも有効である。第1の典型的な例では、ファン・フィルターユニット自体を可動にして、閉空間に対する吸気口あるいは排出口の相対位置を可変とする。第2の典型的な例では、ファン・フィルターユニット本体は不動であるが、吸入口と排出口の間の距離を可変にする。第3の典型的な例では、ファン・フィルターユニット本体は不動で、吸入口と排出口の間の距離も不動であるが、ファン・フィルターユニットの排出口からの流速ベクトルの向きを可変にする。第4の典型的な例では、ファン・フィルターユニットの排出口を上向きにして、天井に排出気流を衝突させ分散させることによって閉空間内空気の循環効率を上昇させることは、いずれも有効である。
ここで、特に、吸入口、排出口が有限の広がりを有するファン・フィルターユニットが、閉空間に設置されている場合について考える。
図1は包囲体11によって作られた閉空間10内に吸入口14、排出口15および送風機13を備えたファン・フィルターユニット12が設置されている。この場合xのとるべき値は、吸入口と排出口の間隔の分布の最大値であり、図1中であればxmaxである。また、xmaxに対応する閉空間の距離XはXmaxである。
ここで、xmax/Xmaxを考えると、xmaxとXmaxは同一の方向成分を有しており、
x=xmaxcosθ、X=Xmaxcosθであるので、
Figure 0005943284
となり、結局、吸入口、排出口が有限の広がりを有する場合であっても、吸入口、排出口の最大距離の垂直成分の比であるx/Xというパラメーターにより、良い近似で議論ができる。
ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁は、典型的には、包囲体の側壁に設けられ、好適には側壁のほぼ全部がこの隔壁により構成される。塵埃フィルターの設置位置は必要に応じて選ばれるが、第1の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の上部の壁に取り付けられ、この場合、気体流路は包囲体の側壁の下部に設けられた通風孔と塵埃フィルターの入口とを接続するように包囲体の外部に設けられる。第2の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の内部の下部に取り付けられ、この場合、気体流路は塵埃フィルターの出口と包囲体の上部の壁に設けられた通風孔とを接続するように包囲体の内部および外部に設けられる。第3の典型的な例では、塵埃フィルターは包囲体の内部の下部に取り付けられ、この場合、気体流路は塵埃フィルターの出口と包囲体の内部の空間の上部とを接続するように包囲体の内部に設けられる。第4の典型的な例では、包囲体の底部の壁の上に気密性の第1の気体流路、塵埃フィルターおよび気密性の第2の気体流路が順次設置され、第1の気体流路の側壁の下部に吸気口が設けられ、第2の気体流路の側壁の上部に吹出口が設けられる。隔壁は、例えば、塵埃フィルター、ガス透過性フィルム、塵埃フィルターとガス透過性フィルムとの複合膜などからなる。塵埃フィルターは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をろ材に用いたULPA(ultra low penetration air)フィルターやガラス繊維をろ材に用いたHEPAフィルターなどである。
包囲体の壁に設けられる開閉機構としては種々のものを用いることができ、必要に応じて選ばれるが、例えば、ファスナー(ジッパー)、着脱自在の布製テープ(マジックテープ(登録商標))、両面テープ留め機構、アコーディオン−カーテンの開閉機構などを用いることができる。包囲体の大きさは、高清浄環境システムの用途などに応じて適宜選ばれるが、一つの典型的な例では、内部に人が入ることができる大きさを有する。例えば、包囲体の内部に人が入り、椅子に座ったり、車椅子に乗ったり、ベッドの上で横になったりする場合には、包囲体はこれらの椅子、車椅子、ベッドを設置することができる大きさを有する。他の物品を包囲体の内部に収容する場合には、包囲体はその物品が入る大きさとする。包囲体の側壁の全部または一部をカーテン状に構成してもよい。必要に応じて、包囲体の壁、特に側壁の全部または一部を凹凸、例えばひだ状に構成してもよい。
包囲体の内部に人に加えて椅子、車椅子、ベッドなどの物品を設置する場合、塵埃フィルターは、好適には、包囲体の内部の下部に取り付けられる。この場合、椅子、車椅子、ベッドなどの物品は、塵埃フィルターの上側に設置される。言い換えれば、これらの物品の下側に塵埃フィルターが設置される。
包囲体の形状は、種々の形状であってよく、必要に応じて選ばれるが、具体例を挙げると、円筒状、直方体状(立方体状を含む)、直方体を変形した形状、競技場のトラックの形状(直線と半円とを組み合わせた形状)の断面形状を有する柱状などであってよい。包囲体の内壁からの発塵を抑えるために、例えば、この内壁の全部または一部にポリテトラフルオロエチレンのコーティングを施すようにしてもよい。包囲体は、この包囲体を構成する材料の強度などに応じて、自立式に構成しても吊り下げ式に構成してもよい。
包囲体は、底部の壁を非通気性のフィルムで形成して外部との遮断を行ってもよいし、包囲体の側壁の底辺(包囲体が置かれる床と接する部分)にパッキンなどのシール部材を設けて外部との遮断性を高めるようにしてもよい。この場合は、包囲体の底部の壁として高清浄環境システムが設置される部屋の床そのものを使うことができる。
閉空間外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段とは、高清浄環境システムの閉空間内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵を閉空間外に排出するための手段であって、排気手段には送風装置、送風機構などが必要に応じて選ばれ、塵埃フィルターは前述したものに限られず必要に応じて選ばれる。
また、閉空間外部から閉空間内部へ空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段は、排気手段による空気の排気流量に応じて、閉空間外から閉空間内に空気を供給するものであり、給気手段には送風装置、送風機構などが必要に応じて選ばれ、塵埃フィルターは前述したものに限られず必要に応じて選ばれる。
また、閉空間内で行う作業などによって発生する有害ガスあるいは粉塵を閉空間外に排出する際は、塵埃フィルター付き排気手段を通過する気流に対するインピーダンスZoutと、その排気流量に応じて、閉空間外から閉空間内に空気を供給する塵埃フィルター付き給気手段を通過する気流に対するインピーダンスZinについて
Figure 0005943284
であることが望ましい。式(6)の条件を満たしていれば、停電などで送風能力が停止した場合においても、空気の逆流を最小に抑えることができる。優れたフェイルセーフ機構となる。
また、閉空間外部から閉空間内部へ空気を供給する給気流路には、給気流路に対して側面から浄化する方向で装着されたファン・フィルターユニット(以下カウンターバランス用給気浄化ファン・フィルターユニット)を複数備えることもでき、給気浄化ファン・フィルターユニットの運転を排気手段と同期させ、複数の給気浄化ファン・フィルターユニットのうちいずれかの運転を停止させることで、給気側の塵埃フィルターに必要以上に負担をかけることが無く、給気側塵埃フィルターの消耗を抑制可能な給気システムとすることができる。
また、包囲体との側壁の一部であるガス交換膜を通して酸素を外部から取り込むことができ、給気システムも包囲体とガス交換用インレットを介して側壁の一部であるガス交換膜を通して酸素を外部から取り込むことが可能なように装着することができる。これにより、密閉された閉空間であっても、閉空間内部の酸素の濃度を非密閉環境におけるそれらの濃度と同じに維持することができる。
気体流路は、一般的には管状に構成され、その管を構成する材料も必要な強度を得ることができ、しかも発塵が少ないものが選ばれる。この気体流路は、好適には、金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹からなる。この場合、この金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹を介して熱交換を行うことにより包囲体の内部の温度を調整することができる。特に、この金属製の管またはアルミニウム製の蛇腹に対してファンにより強制的に風を送って冷却することにより、包囲体の内部の気体と十分に熱交換を行って適度に冷却することができ、包囲体の内部に人が入った場合、快適に過ごすことができる。
この高清浄環境システムは、必要に応じて、複数、互いに連結することができる。連結は典型的には高清浄環境システムの側壁同士を結合することにより行うことができる。この連結された複数の高清浄環境システムの間の側壁には、これらの高清浄環境システムの用途などに応じて、開口部やグローブなどが設けられる。例えば、医師が感染症の診断や治療などを行う場合、一つの高清浄環境システムの包囲体の内部に医師が入り、この高清浄環境システムに連結された高清浄環境システムの包囲体の内部に診断や治療を受ける患者が入ることにより、外部から隔離された環境でしかも医師も患者から隔離された環境で患者の診断や治療などを行うことができる。
高清浄環境システムの包囲体の内部で各種の作業(プロセスの実行、クリーニングなどのメンテナンスの実施など)を行う場合は、包囲体の内部に外部から手を入れて作業空間のほぼ全体に届く大きさであることが望ましく、一般的には通常の室内に格納されうる大きさの範囲内で選ばれる。しかし一方で、包囲体の大きさがあまりに小さすぎると、内部に人が入ったり、生命体を配したり、あるいは内部で作業を行うに際して支障を来すおそれがあるため、一般的には1m程度以上に選ばれるが、これに限定されるものではない。包囲体の内部に人が入って作業を行う必要がない場合、例えば作業を自動化する場合、あるいは、高清浄環境システムを試料などを入れたまま携帯する場合などには、包囲体の大きさをより小さくすることが可能である。この高清浄環境システムは、例えば、材料処理、養鶏、養蚕、微生物培養などに用いることができる。この材料処理には、無機材料、有機材料、生体材料などの各種の材料の処理が含まれる。複数の高清浄環境システムを連結する場合、例えば、上述した複数の高清浄環境システムにループ状配置で高清浄環境システムが連結された部分を設けることにより、トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロセスを、同一の高清浄環境システムにおいて実行可能となる。
高清浄環境システムを物品などの製造に用いる場合、その包囲体の内部には、使用目的に応じて、各種のプロセス装置、ラッピング装置、解析装置(例えば、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)などの走査プローブ顕微鏡(SPM)など)、反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、メディカルデバイス、内視鏡部品、コンタクトレンズ作製機器、透析機器、医療用ディスポーザル製造装置、製薬装置などを収容することができる。人工光源は、例えば、細胞系の育成、植物体の育成、遺伝子実験などを行う場合に用いられる。細胞系の育成や植物体の育成を行う場合、人工光源としては、好適には、スペクトル半値幅が30nm以下の発光ダイオードや半導体レーザ、特にパルス駆動半導体レーザが用いられる。
また、高清浄環境システムの包囲体の内部環境は様々な方式で制御することができる。この内部環境の制御手段は、例えば、温度制御装置、湿度制御装置、気体成分制御装置、吸着装置、除害装置、特定波長照明器、密閉/開球環境選択機構などである。内部環境は、例えばコンピュータにより制御することができる。また、この包囲体の内部のガス濃度を制御して医療に利用することもできる。この高清浄環境システムは、治療用プラットフォーム、無菌室、無菌動物飼育環境などとしても利用することができる。さらに、包囲体を小型化して手で持つことができる(ハンドキャリーできる)ボックス状に構成することにより、例えば無菌動物輸送環境を実現することができる。
高清浄環境システムを連結する場合、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、植物工場技術などの分野に亘ってトータルな一連のプロセスフローに対応して各種の材料の処理プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行可能な材料処理方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して無機材料または有機材料を用いた各種の素子(LSI、発光ダイオード、半導体レーザなど)の製造プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行可能な素子製造方法、トータルな一連のプロセスフローに対応して植物体育成プロセスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行可能な植物体育成方法などの実現が可能となる。また、空気感染性の病原菌を排除した養鶏や養豚などが可能となり、人獣共通感染症による人類社会への脅威を低減することができる。また、近隣でSARS(サーズ)などが発生した場合でも、養鶏中の鶏の処分などを行う必要がなくなる。また、この高清浄環境システムはインフルエンザ対策にも用いることができる。特に、この高清浄環境システムを病院の緊急外来の待合室に利用することで、無用の院内感染を極力抑えることができる。さらに、この高清浄環境システムを航空機内に用いることで、キャビン内での相互感染を有効に抑制することができる。
在来型のスーパークリーンルームは、陰圧または陽圧の開放系のシステムであった為、清浄環境内での細菌の爆発的な増殖が起こった際などの、所謂ハザード発生時における緊急事態抑制機構が複雑になるという問題に対しては、設置環境と等圧な密閉系である本発明の高清浄環境システムに、更にハザード抑制機構をビルトインしたことで上述した問題を解決した。よって本発明の高清浄環境システムによって清浄された閉空間内は極めて安全であるといえる。
この発明によれば、包囲体内部に可動な状態で設置されている送風動力を有する塵埃フィルターの吸入口と排出口の絶対位置および相対位置を選択可能とし、吸入口と排出口の絶対位置および相対位置が、塵埃フィルターから排出される気体のすべてを塵埃フィルターに吸入されるように構成されていることにより、包囲体内部の包囲体の内部のダスト微粒子の数を極限的に減少させることができ、包囲体の内部を高清浄環境に維持することができる。更に、閉空間内から閉空間外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段と、排気手段による空気の排気流量に応じて、閉空間外から閉空間内に空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段を設けることにより、閉空間内で行う作業などによって発生する有毒ガスあるいは粉塵を速やかに閉空間外へ排気せしめることができ、塵埃フィルター付き排気手段を通過する気流に対するインピーダンスZoutと、その排気流量に応じて、閉空間外から閉空間内に空気を供給する塵埃フィルター付き給気手段を通過する気流に対するインピーダンスZinを同一の値にしたことで、停電などで送風能力が停止した場合においても、空気の逆流が最小に抑えることができる。
一方で、これまでの防塵機能に加えて、内部で発生する有害化学物質等を光触媒効果によって分解する機能も統合したので、塵埃・菌数のみならず、ガス成分中の化学物質等をも僅少にすることができ、かつフィルターの自浄機能も有する本発明の高清浄環境システムは、究極の清浄環境を恒久的に得ることができる。
特に、本発明では、化学物質等の分解の為に専用の新たな装置を増設するのではなく、送風動力を有する塵埃フィルターに光触媒機能をも併せ持たせることで、極めて低コストに高清浄環境を得ることができる。さらに、この統合された機能により、フィルター自体の目詰まり(クロッギング)をも分解除去することができ、これにより、連続運転をしても殆どメンテナンスフリーで、かつ、経年劣化の極めて小さい、究極の高清浄度・低環境負荷・エコシステムを実現することができる。
開示された技術的思想により、現状で進んでいる空気清浄機などの市場導入と相まって、定量性を持ったクリーン環境の家庭住環境への導入が実現する。また、受動喫煙防止の簡便にして高性能なシステムが可能となる。禁煙条例の施行に伴い、苦戦を強いられている中小の居酒屋などの経営効率向上に寄与する。
また従来型のクリーンルーム技術では、対応が難しい、パンデミックな蔓延が危惧される感染症対策が、本技術により可能となり、空気感染抑制機能を有する公共輸送機関、たとえばバス、タクシー、電車・列車・地下鉄・モノレール・ケーブルカーなどが可能となる。今後は、航空機を含め、許容できる価格帯にて全公共輸送機関に防塵・防菌機能を付与し、空気感染を防止することができる。かかる防塵機能は、個人所有の車、いわゆるマイカーに設けることも可能となる。排気ガスなどに起因する車内の粉じんを低減できるため、特に乳幼児を乗せた各家庭の車、幼稚園・保育園の送迎バスなども実現する。
特に、防塵・防菌機能は、救急車に用いると救護隊員の健康を守る意味で大変効果的であり、廉価で高性能なクリーンルーム機能付きの救急車が可能となる(怪我人あるいは急病人が、空気感染性の病気に感染していた場合などに、救急隊員を無用の感染から守ることができる)。また、密室で撮影を行っているエックス線技師・医師・看護師を、結核菌をはじめとする空気感染症から守ることのできる診察室、巡回式のレントゲン撮影車などが低価格に実現する。
空港や港などにおける検疫を、効率化ならびにより安全にすることができる。さらに公共スペース、特に不特定多数が利用する官公庁の建物、ホテル、展示会会場、ドーム球場、屋内プール、体育館、地下通路、地下街、地下駐車場、予備校ビデオ個人学習室などの、密閉空間あるいは空気の入れ替えが小さい準密閉空間における空気感染症対策、防塵対策を行い、より安心・安全にすることができる。
本技術により、無塵・無菌スペースをモバイル化することができるので、震災などの災害発生現場における廉価かつ高性能で、軽くて機動力に富むクリーン環境システムが可能となる。特に、巨大な設備投資の負担に耐えることのできない、発展途上国や貧困国の通常の医療活動が飛躍的に進歩すると期待される。先進国においても、本発明の無塵・無菌スペースは、在宅医療用のクリーンスペースを提供できる。
更に、花粉症対策や都市部においては排気ガス由来の粉塵、ハウスダストの空気中への舞い上がり状態などを低減することができる。一般家庭の玄関などに十分な特性を以て、導入することができる。花粉症対策としては、特に、玄関スペース並びに玄関にあるコート掛けを包むように用いることも可能となる。
花粉症対策や都市部においては排気ガス由来の粉塵、空気中への舞い上がったハウスダストの低減を、マンションや戸建ての部屋へ、障子様などの日本に馴染んだ室内景観を維持しながら、実現できる。特に。オフィス、戸建て住宅の複数の部屋の総合空調技術を飛躍的に進化させることができる。
無塵・無菌スペースは、病院の診療室・処置室など、いわばプロユースの場所に、得意中小の一般の病院・診療所へ展開できるようになる。患者にとって朗報となる。
防塵・防菌機能が、部屋のレベルではなく、布団の周りの局所空間に適用することができるようになる。(断食が消化器系を休める意味で、健康上有効であることの、呼吸器系版として「吸引する空気中の菌・塵埃密度をほぼゼロにした」いわば“肺断食”のシステム)が実現する。
特に、生後間もない、乳児の過ごす環境、たとえばベビーベッドと結合し、抵抗力の弱い新生児や環境弱者を守ることが、より廉価かつ容易にできるようになる。
人の周りの局所空間の空気清浄化を、エステやリラクゼーションあるいは、酸素リッチボックスにおける休息、カプセルホテルなどに適用して、より効果的な施術を可能とする(本発明の、高清浄環境は、アロマ効果、マイナスイオン効果、加湿効果など、人体をリラックスさせる機能と相乗効果を醸し出すことができる)。
また、科学技術上、精密部品加工・組み立て上とても重要な、装置の周りのみを無菌・無塵化することも可能となる。
さらに、上述したような科学技術への応用以外にも、たとえば、無菌化により、低塩分で干物を作る装置、あるいは、東京都内の排気ガス由来の粉塵が多い環境でも、天日干しの状態で干物をつくるといった、主に、食品・加工分野での応用も可能となる(東京など大都市のビル街の屋上でも、排気ガスの粉塵を気にすることなく、安心・安全なおいしい日干しをつくることができる)。
卓上の食品(例えば朝の残りを昼や晩まで保つなど)を冷蔵庫を使うことなく、常温で守るという目的にも有効となる。また、コンビニエンスストアなどで行われているおでんなどの販売なども、衛生状況が格段に向上することができる。宝飾品や時計などの物品の展示箱においても、ゴミや埃による見かけの悪さに陥ることのない展示が可能となる。
有機材料の取り扱い現場、有機反応プロセスの現場、歯科技工作業、歯科治療の現場、喫煙ルームの副流煙による受動喫煙防止などに有効な局所排気システムと密閉循環式清浄システムの結合が、イニシャルコストおよびランニングコストを抑制しつつ可能となる。
最後に、国境や人種を超えて21世紀の地球環境のすみずみまで恩恵をもたらす無塵・無菌システムの基幹原理を小型、軽量、モバイルにデモするミニチュアシステムが実現する。
以上により、巨大なクリーンルームを用いることなく、極めて簡単な構成でクラス1またはそれ以上の極めて高い清浄度の清浄空間を得ることができ、かつその清浄空間を設置環境と同一の酸素濃度に維持することができ、人の治療、診察、静養などへの適用を簡易かつ低コストで実現することができる高清浄環境システムを得ることができる。
この発明の測定位置を示した模式図である。 この発明の第1の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第1の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第1の実施の形態に対する比較例による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第1の実施の形態に対する比較例による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第2の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第3の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第3の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図の拡大図である。 この発明の第4の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第5の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第6の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第6の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第6の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である。 この発明の第6の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を時定数で割り出しした略線図である。 この発明の第7の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第8の実施の形態による高清浄環境システムを示す正面図である。 この発明の第9の実施の形態による高清浄環境システムを示す正面図である。 この発明の第9の実施の形態による高清浄環境システムを示す側面図である。 この発明の第10の実施の形態による高清浄環境システムを示す正面図である。 この発明の第10の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である この発明の第3の実施の形態と、第10の実施の形態とを組み合わせた高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システムに使用するフィルターと、それを利用したフィルターエレメントの形態を示す斜視図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システム使用するフィルターエレメントの形態を示す上面図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システム使用するシロッコファンにフィルターエレメントを装着した形態を示す斜視図および上面図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システムを示す斜視図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システムに使用するファン・フィルターユニットの形態を示す正面図である。 この発明の第11の実施の形態による高清浄環境システムの包囲体の内部のダスト微粒子数の時間依存性を調べる実験を行った結果を示す略線図である この発明の第12の実施の形態による高清浄環境システムを示す正面図である。 従来のクリーンユニットの正面図である。 比x/Xと閉空間内の清浄度の関係を調べる実験を行った結果を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について図面を参照しながら説明する。
図2は第1の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境システムを示す。
図2に示すように、この高清浄環境システムは、直方体状の包囲体21を有し、この包囲体21の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体21の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境システムが設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。閉空間20の大きさは包囲体21の内寸と同一である。
この高清浄環境システムでは、閉空間20内に、吸入口24と排出口25を有するファン・フィルターユニット22が配置されており、この吸入口24と排出口25の間隔分布のうち最も距離が長いものxが、xが定義される方向の閉空間20の距離Xに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあるように構成されていることを特徴とするものである。
比x/Xが0.3より大きい場合、閉空間20内において、空気の流れが局所的な領域ではなく、全体の領域を通る形でファン・フィルターユニット22による吸入と排出が行われることとなるため、閉空間20内の粒子のフィルターによる捕捉が効率的に行われ、ダスト微粒子密度nの減少率が大きくなり、その結果、到達清浄度も高くすることができる。
第1の実施の形態を例に挙げて説明する。包囲体21によって形成される閉空間20の外寸は、幅0.80m、奥行き0.60m、高さ0.80mとなっている。ファン・フィルターユニット22は、TwinBird社の空気清浄機(AC−4317)で、その外寸は幅約0.34m、奥行き0.12m、高さ0.28mで、閉空間20内で設置位置を変更することが可能である。ファン・フィルターユニット22内の塵埃フィルターは、ファン・フィルターユニット22の正面(0.34m×0.28m)中央部に約0.2m×0.2mの領域を占めており、これが同時に吸気口の大きさに対応している。他方、排出口は、上面(0.34m×0.12m)のうち、約0.1m×0.05mを占める。
閉空間20内に設置されている、吸入口24と排出口25とを有するファン・フィルターユニット22の、吸入口24と排出口25の間隔xは約0.27mであり、xが定義される方向の閉空間20の内寸の長さX(約0.74m)に対して、その比x/X(約0.365)が0.3よりも大きい。
図3は上述した条件の下でこの高清浄環境システムを通常環境の部屋に設置し、ファン・フィルターユニット22の風量Fを約0.8m3 /分で運転したときの、閉空間20内の内部のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った結果を示したものである。
上述した測定は、高清浄環境システムの閉空間20内にダストカウンター(図示せず)を設置することで行う。ダストカウンターは、Particle Measuring Systems Inc.社製のLASAIR(登録商標)310を使用した。
図3の縦軸は1cf当たりの粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和、横軸は高清浄環境システムの運転開始時からの経過時間である。
図3に示すように運転開始後、約5分経過後に0.5μm以上の粒子の総和が1立方フィートあたり約200個(クラス200)となり、その後もダスト微粒子の減少は続き、最終的にはクラス100級の清浄度を得ることができる。また、この結果は、塵埃除去機構と光触媒による機能とを併せ持ったフィルターに対しては、塵埃・菌に対し式(1)から式(2)への収束が成り立つと共に、式(2)のnを気中の化学物質濃度、σを化学物質の発生レート、γを、光触媒による化学物質分解効率と読み替えた式もまた成り立つので、化学物質濃度に関しても迅速に下げうることを示唆している。即ち、本発明が可能とした100%循環フィードバックにより、何度も光触媒部分を通過することで、化学物質等の分解の効率が従来例に比べ飛躍的に高めることができる。
図4は第1の実施の形態に対する比較例を示したものであり、以下に例に挙げて説明する。
図4に示すように、この高清浄環境システムは、人が入ることができる大きさの縦長の直方体状の包囲体41を有し、この包囲体41の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体41の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境システムが設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体41の内寸は、幅約0.60m、奥行き約1.0m、高さ1.8mであって、包囲体41内部には、包囲体41の内寸と同一の大きさの閉空間40を構成している。閉空間40内には、吸入口44と排出口45と、塵埃フィルターと、その上に設けられた送風機用のファンとからなる象印マホービン株式会社の空気清浄機(型番PA−WB08)なるファン・フィルターユニット42(寸法:幅0.24m×奥行0.235m×高さ0.245m)が設置されている。風量は、約0.7m3/分である。吸入口44と排出口45とは閉空間40内に設けられ、その間隔xは、もっとも大きく見積もっても0.3m(実質0.25m程度)である。また、このファン・フィルターユニット42の塵埃フィルターは包囲体41の外部環境と接触していない。
上述した条件の下で、ファン・フィルターユニット42を運転し、第1の実施の形態と同様の方法で閉空間40内の内部のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った。この高清浄環境システムの閉空間40内にダストカウンター(図示せず)を設置してこの閉空間40内の内部のダスト微粒子のカウント数の時間依存性の測定を行った結果を図5に示す。
図5の縦軸は1cf当たりの粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和、横軸は高清浄環境システムの運転開始時からの経過時間である。
図5に示すように、ファン・フィルターユニット42の運転開始から3分後には粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和が1立方フィートあたり400個程度で下げ止まってしまい、これ以降ファン・フィルターユニット42を連続運転しても第1の実施の形態における測定結果ほどには到達清浄度は向上しないことが分かる。
この理由としては、前述した閉空間40内における吸入口44と排出口45との間隔xはもっとも大きく見積もっても0.30m(実質0.25m程度)であり、他方、間隔xが定義される方向の閉空間40の長さXは、少なくとも閉空間40の高さ1.8mであるので、その比x/X〜1/6=0.17が、第1の実施の形態での比x/X(約0.31)よりも小さく、ファン・フィルターユニット42による吸入と排出が閉空間40内の局所的な領域で行われる、所謂ショートサーキットが起きており、閉空間40内の空気が有効に循環されない。このため、第1の実施の形態と比較して閉空間40内の全空気が塵埃フィルターを通過するのに要する実効的な時間が長くなり、これは、この間の閉空間40の内表面からの塵の湧き出しが閉空間40内に蓄積(ビルドアップ)するということであるので、結局、閉空間40内における最終的な粒子数密度が大きく、到達清浄度が高くないという状況が生まれるからであると考えられる。
図6は第2の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境システムを示す。
図6に示すように、この高清浄環境システムは図4に示した実施の形態と同一形態のダスト微粒子を通さない包囲体61を有し、包囲体61の内寸は、幅約0.60m、奥行き約1.0m、高さ1.8mであって、包囲体61内部には包囲体61の内寸と同一の大きさの閉空間60を構成している。また、包囲体61の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体61の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境システムが設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体61によって囲まれる閉空間60の大きさは包囲体61の内寸と同一である。
閉空間60内には、吸入口64と排出口65と、塵埃フィルターと、その上に設けられた送風機用のファンとからなるファン・フィルターユニット62が設置されている。
吸入口64と排出口65は閉空間内60に設けられ、この吸入口64と排出口65のうち少なくとも一方に、気流を案内すると共に閉空間60から隔絶するダクト63が取り付けられ、ファン・フィルターユニット62の閉空間60に対する、吸入口64或は排出口65の間隔が延長されており、この延長された吸入口64と排出口65との間隔分布のうち最も距離が長いものの大きさxが、間隔xが定義される方向の閉空間60の長さ、または閉空間60の高さ・幅・奥行きの長さのうち最も値が大きいXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあるように構成されていることを特徴とするものである。
第2の実施の形態を例に挙げて説明する。包囲体61によって形成される閉空間60の外寸は、幅0.60m、奥行き1.0m、高さ1.8mとなっている。ファン・フィルターユニット62の外寸はおよそ、幅0.24m、奥行0.235m、高さ0.245mで、閉空間60内で設置位置を変更することが可能である。ファン・フィルターユニット62内の塵埃フィルターは、ファン・フィルターユニット62の正面(約0.24m×0.245m)の中央部に約0.2m×0.2mの領域を占めており、これが同時に吸気口の大きさに対応している。他方、排出口65は、上面(0.235m×0.24m)のうち、約0.16m×0.1mの領域を占めており、高さ方向には、排出口65の面積がファン・フィルターユニット62の排出口65部の面積と同一で、高さが1.6mのダクト63が取り付けられている。
ここで、吸入口64と排出口65との間隔が、間隔が定義される方向の閉空間60の長さX=1.8mに対してその比がx/X=0.9と大きく、0.3よりも大きいとの条件を満たしている。
上述した条件の下で、ファン・フィルターユニット62を連続運転させた時の、閉空間60内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を図7示す。測定条件、測定装置および測定方法は第1の実施の形態と同一である。図7の縦軸は1cf当たりの粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数の総和、横軸は高清浄環境システムの運転開始時からの経過時間である。図7に示すように運転開始後、3分を経過しても閉空間60内のダスト微粒子の減少は続き、最終的には数分後に0.5μm以上の粒子の総和が1立方フィートあたり約200個(クラス200)となり、図4に対応する第1の実施の形態に対する比較例と全く同じ包囲体61を用いたにもかかわらず、清浄度は約2倍に向上していることが分かる。
このように吸入口64と排出口65が離れることで閉空間60内において、空気の流れが局所的な領域ではなく、全体的な領域を通った上でファン・フィルターユニット62による空気の吸入と排出が行われることとなるため、閉空間60内の空気をより多く掻き回すことなり、それにより閉空間60内全体における空気循環効率が向上し、その結果として、ダスト微粒子数密度nの減少率が大きくなり、その結果、到達清浄度も高くなる。つまり閉空間60内部のより大きな領域に対して、ファン・フィルターユニット62による吸入と排出が行われることとなるため、閉空間60内の空気循環効率が向上することで、閉空間60内の粒子の清浄効率が大幅に向上し、結果として、到達清浄度を大幅に向上させることができる。
図8は第3の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境システムを示す。
図8に示すように、この高清浄環境システムは、人が入ることができる大きさの縦長の直方体状の包囲体81を有し、包囲体81の内寸は、幅約0.60m、奥行き約1.0m、高さ1.8mであって、包囲体81内部には、包囲体81の内寸と同一の大きさの閉空間80を構成している。包囲体81の少なくとも一つの側面はダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁86で構成されており、隔壁86には、外殻がビニールシートである入退出用機密ファスナー87が備えられており、そこから人の出入りが可能である。更にこの包囲体81の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体81の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境システムが設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。
閉空間80内には、吸入口84と排出口85と、塵埃フィルターと、その上に設けられた送風機用のファンとからなるファン・フィルターユニット82(アズワン社のPureSpace(登録商標)[PS−100N])が設置されている。吐出風量は約1m3/分である。
この吸入口84と排出口85との間に気流を案内しつつ閉空間80から隔絶する気体流路であるフィードバック気体流路83が取り付けられ、ファン・フィルターユニット82の閉空間80に対する、実効的な吸入口84あるいは排出口85の間隔が拡大されており、この隔離された吸入口84と排出口85の間隔分布のうち最も距離が長いものの大きさxが、閉空間80の高さ・幅・奥行きの内、最も小さなものy、または間隔xが定義される方向の閉空間80の長さXに対して、その比x/yまたはx/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/yまたはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/yまたはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲である方向が少なくともひとつあり、閉空間80を囲む包囲体81の側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁86よりなるよう構成されていることを特徴とするものである。
上述した条件の下で、ファン・フィルターユニット82を連続運転させた時の、閉空間80内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を図9に示す。測定装置および測定方法は第1の実施の形態と同一である。図9に示されている下向きの矢印はそれぞれ、ファン・フィルターユニット82の運転を開始した時刻を90、閉空間80の密閉度を調整した時刻を91、患者の出入りがあった時刻をそれぞれ92a,b,c、ファン・フィルターユニット82の運転終了の時刻を93として示している。図10は図9の92aにおける拡大図であり、ファン・フィルターユニット82運転中に患者の入りがあったときのダスト微粒子の時間依存性の時間変化である。図9に示すように、人の出入り時には、閉空間80内の大きさ0.5ミクロン以上の粒子の総和が1立方フィート当たり1万個と、上昇するものの、入退出用ファスナー87を閉じて、数分たつと、図10に示すように、内部に平服の人が立っているにもかかわらず、安静時には、上記粒子密度が1立方フィート当たり100個(クラス100相当)になり、良好な清浄度が得ることができる。
このように、本実施の形態においては、特に平衡状態において約15分で、無人時においてはクラス1〜10を達成し、また、有人時においてはクラス100〜300を達成することができる。また、測定時における外部環境はクラス数百万の塵・菌密度なので、これと比較して、菌・塵の数を1000分の1〜10000分の1に減じた環境を実現することができ、例えば隔離が必要な患者の待機室として使用することができる。
図11(a),(b)は第4の実施の形態によるクリーンブース状の高清浄環境システムを示す。
図11(a)に示すように、この高清浄環境システムは、人が入ることができる大きさの縦長の直方体状の包囲体111を有し、包囲体111の内寸は、幅約0.60m、奥行き約1.0m、高さ1.8mであって、包囲体111内部には、包囲体111の内寸と同一の大きさの閉空間110を構成している。包囲体111の少なくとも一つの側面はダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁116で構成されており、隔壁116には、外殻がビニールシートである入退出用機密ファスナー117が備えられており、そこから人の出入りが可能である。更に、この包囲体111の上面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。この包囲体111の底面はダスト微粒子を通さない壁により閉塞してもよいし、この高清浄環境システムが設置される場所の床そのものを壁として閉塞してもよい。包囲体111および閉塞壁の材質については必要に応じて適宜選択する。また、包囲体111によって囲まれる閉空間110の大きさは包囲体111の内寸と同一である。
閉空間110内には、吸入口114と排出口115と、塵埃フィルターと、その上に設けられた送風機用のファンとからなるファン・フィルターユニット112が設置されている。
この吸入口114と排出口115との間に気流を案内しつつ閉空間110間から隔絶する気体流路であるフィードバック気体流路113が取り付けられ、ファン・フィルターユニット112の閉空間110に対する、実効的な吸入口114あるいは排出口115の間隔が拡大されており、この隔離された吸入口114と排出口115の間隔分布のうち最も距離が長いものの大きさxが、閉空間110の高さ・幅・奥行きの内、最も小さなものy、または間隔xが定義される方向の閉空間110の長さXに対して、その比x/yまたはx/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/yまたはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/yまたはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にあり、閉空間110を囲む包囲体111側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁116よりなるよう構成されており、閉空間110を構成する柱をはじめとする骨格の部分は図11(a)に示すように、弾力をもつチューブ118からなっており、その内部に空気などを注入口119より封入することにより張力を持って自身ならびに閉空間110の側面を支えることができることを特徴とするものである。また、x/yが1を超えた範囲の方向を考えないことから、結局、間隔xが定義される方向の閉空間110の長さXとの比x/Xの範囲と結果として同様な値となるので、閉空間110の形態が明らかであればxの値を測定するだけで、Xの値を測定することなく簡易に掻き回しの効果の有無の判断が可能となる。
また、本実施の形態であれば、閉空間110を極めてコンパクトに押しつぶした状態で、例えば鞄やアタッシュケースにいれて移動し、日常活動の現場やビジネス先でこれを立体化し、無菌・無塵環境を災害地医療、実験や解析に用いることができる。
また、このシステムをミニチュア化することができるので、無菌・無塵環境が、極めて簡便に低コストで実現できることを目の前で示すデモシステムが可能となるので、啓蒙活動を行う支援ツールとして有効利用できる。
図12は第5の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図12に示すように、この高清浄環境システムは、箱状の包囲体121を有し、この包囲体121によって囲まれない面および面の一部はダスト微粒子を通さない壁により閉塞されている。また、包囲体121によって囲まれる閉空間120の大きさは包囲体121の内寸と同一である。
閉空間120内には、吸入口124と排出口125とを有するTwinBird社の空気清浄機(AC−4317)がファン・フィルターユニット122として配置されている。吸入口124と排出口125の間隔xは約0.27mで、xが定義される方向の閉空間120の内寸の長さX(約0.38m)に対して、その比x/X(約0.7)が0.3よりも大きい。さらに、閉空間120内部に顕微鏡128などの機器を内包することにより、清浄空間において当該機器に纏わる作業を高効率かつ高品位におこなえることを特徴とするものである。
この条件の下で、ファン・フィルターユニット122を連続運転させた時の、閉空間120内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を図13に示す。図13に示すように、ファン・フィルターユニット122の運転開始後約1分で粒子数をほぼ0にすることができる。これは、試料出し入れ口127から試料を出し入れして、待つこと約60秒で、本格的な実験、細胞ハンドリングなどができることになり、有効性が極めて高い。また、この結果は、塵埃除去機構と光触媒による化学物質等の分解機能を併せ持ったフィルターに対しては、式(2)のnを気体中の化学物質濃度、σを化学物質の発生レート、γを、光触媒による化学物質分解効率と読み替えた式が成り立つので、よりコンパクトな系では、化学物質濃度に関しても、極めて迅速に下げうることを示唆している。
図14は第6の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図14に示すように、この高清浄環境システムは人が横向き寝ることができる大きさの扁平箱上状の包囲体141を有し、包囲体141の天井部あるいは側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁146よりなるよう構成されている。包囲体141の大きさの一例を挙げると、包囲体141の内寸は奥行き2.0m、幅0.90m、高さ(頭部側0.3m、脚部側0.6m)であって、包囲体141によって囲まれる閉空間140の大きさは包囲体141の内寸と同一である。
閉空間140の中に、吸入口144と排出口145を有するファン・フィルターユニット142が配置されており、ファン・フィルターユニット142における吸入口144と排出口145の配置が、包囲体141の長手方向に沿っており、排出口145が矩形のいわゆる平面噴流の場合、閉空間140内における気流の循環効率を決定するパラメーターは吸入口144と排出口145の間隔ではなく、排出口145のトランスバース方向長さxと、閉空間140の高さ・幅・奥行きのうち、最も大きなものXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあるように構成されていることを特徴とするものである。
本実施の形態においては、排出口145のトランスバース方向長さが約0.2mであり、閉空間140の高さ0.3mとほぼ同じであり、ファン・フィルターユニット142の形態は0.25mの立方体形状であり、送風量は、F=1m3/分である。排出口145のトランスバース方向長さxと、xが定義される方向の閉空間140の長さXに対する比は、x=0.22m、X=0.30mより、x/X=0.73と大きく、上述の理論のとおり、閉空間140内における空気循環効率を著しく高くすることができ、空気清浄効果を飛躍的に向上させることができる。
図15は、上述した条件で、ファン・フィルターユニット142を連続運転させた時の、閉空間140内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を示す。
図16は、図15における結果から被験者が特に安静であると考えられる時間帯の閉空間140内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を示す。
図15に示すように、寝返りなどを打った時は、パジャマなどの普通の生地の服を纏って寝ているので塵の発生が極めて大きいが、深い眠りの時(非REM睡眠時)には、清浄度は、ISOクラス1にさえ相当しうる時間帯があることが分かる。
また、図16は、図15の一部時間帯を切り取って対数プロットしたものであるが、ここに示すように、被験者が安静となった時点から約4分後に粒径0.5μm以上の大きさのダスト微粒子の数が1000分の1となり、約10分後においてはダスト微粒子数をほぼ0にすることができ、閉空間140内部の清浄度を短時間で飛躍的に向上させることができる。
図17は第7の実施の形態による建築物ビルトイン型の高清浄環境システムを示す。
図17に示すように、この建築物ビルトイン型の高清浄環境システムは、オフィスあるいは家屋の部屋を包囲体171とし、閉空間170は包囲体171によって囲まれる空間、ここでは部屋の内空間のことをいう。
閉空間170内には、吸入口174と排出口175を有するファン・フィルターユニット172が配置されており、排出口175の下には、好ましくは、空気流出面における単位面積当たりの流出流量を流出面全体において均一化することができる整流機構を備えた天井178が設置されている。この吸入口174と排出口175との間に気流を案内しつつ閉空間170から隔絶する気体流路であるフィードバック気体流路173が、取り付けられている。
この吸入口174と排出口175との距離は、閉空間170の高さ、つまり部屋の高さとほぼ同一であり、かつ、排出口175の幅が、当該部屋の天井の広がりとほぼ同一であり、閉空間170内における気流の循環効率の高さを示す比の大きさが、2つの方向において0.3を超えるという条件を満たしている。この閉空間170の一側面は、その一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁176よりなっている。また、これらの部屋を連ねて、全体的統一的空調システムへと拡張することも可能である。また、図17に示す高清浄環境システムを一般のオフィスや病院の病室に適用することもできる。特に、オフィスや病室を連ねたフロア全体を、この清浄化システムで低塵・低菌環境とすることができる。
具体的な例としては、鉄筋コンクリート工法における区画構造を利用することも挙げられる。即ち、閉空間170を区画する内壁を作るときに、一部を2重壁にすることで実現できる。建物を支えるコンクリート面である包囲体171と上記内壁との間に一定の間隔を用意し、その間隔によって作られる空間によって建物を包む外気との導通を確保し、望ましくは防湿などを行ったうえで、外気と閉空間170との空気の成分および濃度を、特に酸素濃度を近い、望ましくは等しい状態にすることができる。これは、当該内壁の一部にガス交換膜を有せしむ事により達成できる。この交換膜を通じて気体を交換することにより、内壁(側壁・天井を含む)と窓および床で囲まれた閉空間170の空気の成分および濃度を、特に酸素濃度を外気と近い、望ましくは等しい状態にすることができる。
閉空間170に上述の、空気循環効率の高い高清浄環境システムを組み合わせることで、粒子・塵・菌については密閉しつつも、気体成分および濃度に関しては非密閉環境と同等の系を実現することができる。
図18は第8の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図18に示すように、この高清浄環境システムは作業室などの部屋である包囲体181を有し、包囲体181の天井部あるいは側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁186よりなるよう構成されている。包囲体181によって囲まれる閉空間180の大きさは包囲体181の内寸と同一である。
閉空間180内には、吸入口184と排出口185を有するファン・フィルターユニット182が配置されており、吸入口184と排出口185との間隔の最大値、あるいは排出口185の開口部長さの最大値のいずれか大きい方xが、xが定義される方向の閉空間180の長さXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあり、また、隔壁186を備えない包囲体181の壁面のいずれか一面に、高清浄環境システムの閉空間180内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵等1810を閉空間180外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段187と、この排気流量に応じて閉空間180外部から閉空間180内部へ空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段188とを有する。
更に、包囲体181の側壁の一部にある隔壁186にガス交換膜を選ぶことで、酸素を外部から取り込むことができるので、包囲体181の内部の酸素濃度を非密閉環境と同等の濃度に維持することができる。
本実施の形態における塵埃フィルター付き給排気の実施に際しては、閉空間180内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵等1810を閉空間180外へ排気する塵埃フィルター付き排気手段187を通過する気流に対するインピーダンスZoutと、この排気流量に応じて外部から補う塵埃フィルター付きの給気手段188を通過する気流に対するインピーダンスZinについては
Figure 0005943284
の関係であることが望ましい。式(6)の条件を満たしていれば、停電などで送風能力が停止した場合においても、空気の逆流を最小に抑えることができる優れたフェイルセーフ機構となる。
図19は第9の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図20は第9の実施の形態による高清浄環境システムの給気側側面を示す。
図19に示すように、この高清浄環境システムは作業室などの部屋である包囲体191を有し、包囲体191の天井部あるいは側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁196よりなるよう構成されている。包囲体191によって囲まれる閉空間190の大きさは包囲体191の内寸と同一である。
閉空間190の中に、吸入口194と排出口195を有するファン・フィルターユニット192が配置されており、吸入口194と排出口195との間隔の最大値、あるいは排出口195の開口部長さの最大値のいずれか大きい方xが、xが定義される方向の閉空間190の長さXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあり、高清浄環境システムの閉空間190内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵等1910を閉空間190外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段197と、この排気流量に応じて閉空間190外から閉空間190内へ空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段198とを有する。
更に、包囲体191の側壁の一部にある隔壁196にガス交換膜を選ぶことで、酸素を外部から取り込むことができるので、包囲体191の内部の酸素濃度を非密閉環境と同等の濃度に維持することができる。
上記の系における塵埃フィルター付き給排気の実施に際しては、給気手段198に関して塵埃フィルターの消耗を緩和するべく、給気流路1918に対して側面から浄化する方向で複数の送風機構を備えた塵埃フィルター1915が装着されたカウンターバランス用給気浄化用ファン・フィルターユニット1914を取り付け、複数の送風機構を備えた塵埃フィルター1915の運転を排気手段197の排気運転と同期させ、排気手段197が停止する場合は、送風機構を備えた塵埃フィルター1915の複数装着されたうちのいずれか又は全ての運転を停止させることで、給気流路1918のみを気体流路として用いることもできるので、給気側の塵埃フィルターに必要以上に負担をかけることが無く、給気側塵埃フィルターの消耗を抑制可能な給気システムとすることができる。
また、内部で有害ガスや粉塵が発生したときは、排気手段197の排気運転を開始するので、閉空間190と外部との間に圧力差が生じ、ガス交換膜196を介して閉空間190内に外部から気体が流入する。この流入する気体の塵埃密度を下げるため、カウンターバランス用給気浄化用ファン・フィルターユニット1914に備えられた送風機構を備えた塵埃フィルター1915の運転を開始し、図20に示すように、流入する流れに対し側面から100%循環フィードバックをかけることにより、この内部を流れるエアの塵埃数を劇的に下げることができる。
また、カウンターバランス用給気浄化用ファン・フィルターユニット1914は、停電などで送風能力が停止した場合でも、空気の逆流が最小に抑えることが可能であり、優れたフェイルセーフ機構となっている。
図21は第10の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図21に示すように、この高清浄環境システムは作業室などの部屋である包囲体211を有し、包囲体211の天井部あるいは側面の一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁216よりなるよう構成されている。包囲体211によって囲まれる閉空間210の大きさは包囲体211の内寸と同一である。
閉空間210の中に、吸入口214と排出口215を有するファン・フィルターユニット212が配置されており、吸入口214と排出口215との間隔の最大値、あるいは排出口215の開口部長さの最大値のいずれか大きい方xが、xが定義される方向の閉空間210の長さXに対して、その比x/Xが0.3より大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が、少なくとも一つあり、高清浄環境システムの閉空間210内で行う作業によって発生する有害ガスあるいは粉塵等2110を閉空間210外へ排気せしめる塵埃フィルター付き排気手段207と、この排気流量に応じて閉空間210外部から閉空間210内部へ空気を供給する塵埃フィルター付きの給気手段218とを有する。
更に、包囲体211の側壁の一部にある隔壁216にガス交換膜を選ぶことで、酸素を外部から取り込むことができるので、包囲体211の内部の酸素濃度を非密閉環境と同等の濃度に維持することができる。
また、閉空間内210で行う作業などによって発生する有害ガスあるいは粉塵を閉空間210外に排出する際は、塵埃フィルター付き排気手段217を通過する気流に対するインピーダンスZoutと、その排気流量に応じて、閉空間210外から閉空間210内に空気を供給する塵埃フィルター付き給気手段218を通過する気流に対するインピーダンスZinについて
Figure 0005943284
の関係であることが望ましい。式(6)の条件を満たしていれば、停電などで送風能力が停止した場合においても、空気の逆流を最小に抑えることができる優れたフェイルセーフ機構となる。
図22は、本実施の形態における高清浄環境システムのダスト微粒子のカウント数と酸素残量の時間依存性の測定結果である。条件は閉空間210の体積は約8m3、ファン・フィルターユニット212の風量は0.2〜0.4m3/分である。測定装置および測定方法は第1の実施の形態と同一である。図22に示すように、塵の多い設置環境に閉空間210を置いているにもかかわらず、閉空間210外部へ排気および、それに伴う閉空間210内への給気を行いつつも、約50分で、クラス10の清浄度が得ることができる。
図23は、第3の実施の形態と第10の実施の形態とを組み合わせた高清浄環境システムの上位変形例を示す。
図23に示すように、図21に示すような実施の形態10の高清浄環境システムに、図8に示すような実施の形態3の高清浄環境システムを組み合わせた、多用途・多目的に適用が可能な高清浄環境システムであって、各々の包囲体により閉空間80からなる前室と、閉空間210からなる本体とからなる構成を有しており、上記前室と上記本体との間には、間仕切りのドア(図示せず)があり、上記前室を連結したことにより高い清浄度を保ったまま外部から本体、即ち閉空間210へ入ることができる。
このように、使用の用途・目的に応じて上述の実施の形態の高清浄環境システムを組み合わせて新たなシステムを構築することによって、従前では不可能であった、一般的な部屋環境に前室を備えた本格的クリーンルームを設置することが可能となり、専用のクリーンルームを建設することなしに、超高清浄環境を実現することができる。
これは、個別にシステムを構築するよりも設置の点で省スペース、送風動力を共通化することで省エネルギー化を図ることができ、また、組合せを変えることにより、容易に実験、測定目的に合わせたクリーンルームを構築することができる。更に一般的な部屋環境にクリーンルームを設置することが可能としたので、専用のクリーンルーム施設を建設する必要がなくなり、大幅な低コスト化を図ることができる。
実施の形態の組み合わせは、上述した実施の形態に限らず、本明細書で開示した全ての実施の形態において可能である。
図24(a),(b)および図25は第11の実施の形態による高清浄環境システムにおいて使用されるフィルターエレメントを示す。
図24(a)に示すように、このフィルターエレメント244は、通気性のない円柱241と、シート状のフィルター材が折り畳まれたフィルター242とが、通気性のない円柱241を内円とした同心円となるように構成され、フィルター242の折り目は同心円の中心軸と非並行であって、望ましくは同心円の半径方向に放射状に伸びており、図25に示すように同心円の内円を構成する円柱241の半径をr、フィルターの折りの総数(山折り、谷折り)をN、フィルターの厚みをdとすると、
Figure 0005943284
であり、同心円の内円を構成する円柱241の半径rは
Figure 0005943284
の関係を満たす。
更に、フィルター242は円筒243に格納され、円筒243で囲まれる閉空間を通過する気体、液体は全てフィルター242を通過するように、フィルター242と同心円の内円を構成する円柱241、および円筒243はそれぞれ密閉接合又は密閉接着され、図24(b)および図25に示すようなフィルターエレメント244を形成する。
図26(a),(b)は、第11の実施の形態による高清浄環境システムにおいて使用されるシロッコファン262にフィルターエレメント244を取り付けた構成を示している。
図26(a)に示すように、フィルターエレメント244はシロッコファン262の吸入口263の面に密着して装着され、フィルター部242がシロッコファン262の吸入口263を完全に塞ぎ、望ましくはフィルターエレメント244とシロッコファン262の吸入口263とが同心円上になるような配置で重ね合わせて取り付けられる。
また、図26(b)に示すように同心円の内円を構成する円柱241の半径rは、シロッコファン262がモーター内蔵型であったときのモーター又はモーターケーシング261の半径R0
Figure 0005943284
の関係を満たす。
このようにフィルターエレメント244とシロッコファン262、吸入口263の開口部面積に対して、フィルター部242の表面積を著しく大きくすることができ、空気清浄能力を飛躍的に向上することができる。
図27は第11の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図28は第11の実施の形態による高清浄環境システムに使用される、ファン・フィルターユニットを示す。
図27に示すように、この高清浄環境システムは直方体状の包囲体271を有し、包囲体271は直方体のいずれかの一面を開放とし、それ以外の面は外部から完全密閉となるように構成されている。包囲体271によって囲まれる閉空間270の大きさは包囲体271の内寸と同一である。また、包囲体271の開放された面には、ファン・フィルターユニット272が、外部から密閉され、閉空間270の一面を構成する形態で装着されている。
図28に示すように、ファン・フィルターユニット272は、外部から密閉された構成を持つ直方体状の筐体である包囲体271と、包囲体271の面のうち閉空間270を構成する面に吸入口274と排出口275と、筐体271の内部にシロッコファン262を備え、シロッコファン262の吸入口の面には、フィルターエレメント244が密着して装着されている。また、吸入口274と排出口275の位置は、吸入口274と排出口275の間隔の最大値、あるいは排出口275の開口部長さの最大値のいずれか大きい方xが、xが定義される方向の閉空間270の長さXに対して、その比x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲にある方向が少なくともひとつあるように構成されている。
図29は、フィルターエレメント244を装着したシロッコファン262を運転開始後の閉空間270内部のダスト微粒子の時間依存性の測定結果を示したものである。測定装置および測定方法は第1の実施の形態と同一である
図29に示すように、フィルターエレメント244を装着したシロッコファン262を使用することで、シロッコファン262運転開始後、4分後にはISOクラス1(大きさが0.1ミクロン以上の塵の総和が1m3当り10個)以下となり、在来型のスーパークリーンルーム(ISOクラス3)より数百倍清浄度が高い性能を実現することができ、高清浄環境システムの清浄性能を飛躍的に向上させることができる。
図30は第12の実施の形態による高清浄環境システムを示す。
図30に示すように、この高清浄環境システムはオフィスあるいは家屋などの部屋である包囲体301を有し、包囲体301によって囲まれる閉空間300の大きさは包囲体301の内寸と同一である。
閉空間300の中に、吸入口304と排出口305を有するエアコンディショナーあるいはファン・フィルターユニット302が配置されており、エアコンディショナーあるいはファン・フィルターユニット302の下部には、気体流路303が配置され、吸入口304と排出口305の間隔を大きくすることで、閉空間300の高さとほぼ同一となるように構成する。このように構成することで、吸入口304と排出口305との間隔xと、この間隔が定義される方向の部屋の大きさXとの比x/Xが約1.0となり、空気循環効率の高さを示す比x/Xの大きさが、0.3よりも大きいという条件を満たし、空気清浄度は飛躍的に向上するとともに、冷暖房の効率も向上させることができる。この閉空間300の一側面は、その一部が、ダスト微粒子を100%は通さず、気体分子は通す隔壁よりなっている構成でもよい。
また、これらの部屋を連結し、一軒家全体の統一的空調システムへと拡張することも可能である。また、本実施の形態の構成を一般のオフィスや病院の病室に適用することもできる。
図32は、ファン・フィルターユニットを、任意の閉空間内で運転させたときの、吸入口と排出口との間隔(あるいは、両口が有限の広がりを有する場合は、吸入口と排出口との間隔の分布の最大値x)と、上記間隔が定義される方向の上記閉空間の長さXとの比x/Xと上記閉空間内の清浄度の関係をそれぞれ示したものであり、本明細書において、これまでに開示した実施の形態における測定結果を総括したものとなっている。
図中の点ZJは象印マホービン株式会社の空気清浄機(型番PA−WB08:寸法 幅0.24m×奥行き0.235m×高さ0.245m:消費電力(急速)35/37W(標準)21W(静音)11/12W)のファンとフィルターに自作のフィルターを結合したファン・フィルターユニットを運転した時の、比x/Xと上記閉空間内の清浄度の関係である。
図中の点TBはTwinBird社の空気清浄機(型番AC−4317:寸法(約)幅0.34m×奥行0.12m×高さ0.28m:消費電力強:32/30W 弱:23/21W、風量強:0.8m3/分 弱:0.6m3/分、集じんフィルター寸法 幅0.19m・奥行0.013m・高さ0.19m)のファンとフィルターに自作のフィルターを結合したファン・フィルターユニットを運転した時の、比x/Xと上記閉空間内の清浄度の関係である。
図中の点PSはアズワン社のPureSpace(登録商標)(PS−100N)なるファン・フィルターユニットを運転した場合の、比x/Xと上記閉空間内の清浄度の関係である。
図32に示すとおり、各社ファン・フィルターユニットの性能により、到達清浄度に差があるが、任意の閉空間内の清浄度が明確に向上するのは、x/Xが0.3よりも大きく、好ましくはx/Xが0.35以上、最も好ましくはx/Xが0.4以上であって、1.0以下の範囲であるということが言える。
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
特に、この発明の実施の形態については、上記閉空間を形成するための壁の一部をエアカーテンにより構成することができる。このエアカーテンの噴流流下方向距離は、人間の典型的な身長(およそ2m)よりも長く、上記エアカーテンを平行多層の噴流群により構成することも有効である。また、上記噴流群の複数の噴流に挟まれた(仕切られた)上記閉空間に対して、残る固体壁の2側面を利用して、ファン・フィルターユニットを伴う100%循環フィードバック系を有する機構を設けることで、擬似的な前室として機能させることが有効である。
さらに、清浄される流体は気体に限ったものではなく、液体でも例えば水であっても可能である。
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、材料、形状、配置などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置などを用いてもよい。
10 閉空間
11 包囲体
12 ファン・フィルターユニット
14 吸入口
15 排出口
83 フィードバック気体流路
86 隔壁
127 試料出し入れ口
187 排気装置
188 給気装置
244 フィルターエレメント
1914 カウンターバランス用給気浄化用ファン・フィルターユニット

Claims (6)

  1. 密閉可能な閉空間を構成し、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
    上記閉空間内に配置された吸入口と排出口と送風動力とを有する塵埃フィルターとを有し、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口の内の少なくとも一方が、上記閉空間に対する相対位置を変えることができるように構成され、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口との間隔の最大値、或いは排出口の大きさの何れか大きい方をxとし、
    上記xが定義される方向の上記閉空間の長さをXとしたとき、
    比x/Xが0.4以上1.0以下である方向が少なくともひとつあり、
    上記包囲体内にダストカウンターを設置し、上記包囲体内で被験者が睡眠中のダスト微粒子数の時間依存性を測定することにより上記被験者の睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性を測定することを特徴とする高清浄環境システム。
  2. 密閉可能な閉空間を構成し、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
    上記閉空間内に配置された吸入口と排出口と送風動力とを有する塵埃フィルターとを有し、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口の内の少なくとも一方が、上記閉空間に対する相対位置を変えることができるように構成され、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口との間隔の最大値、或いは排出口の大きさの何れか大きい方をxとし、
    上記xが定義される方向の上記閉空間の長さをXとしたとき、
    比x/Xが0.4以上1.0以下であるように、上記包囲体に対し、上記塵埃フィルターが設置され
    上記包囲体内にダストカウンターを設置し、上記包囲体内で被験者が睡眠中のダスト微粒子数の時間依存性を測定することにより上記被験者の睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性を測定することを特徴とする高清浄環境システム。
  3. 上記塵埃フィルターは上記包囲体内に可動な状態で配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高清浄環境システム。
  4. 上記塵埃フィルターは上記包囲体の底面に可動な状態で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の高清浄環境システム。
  5. 密閉可能な閉空間を構成し、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
    上記閉空間内に配置された吸入口と排出口と送風動力とを有する塵埃フィルターとを有し、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口の内の少なくとも一方が、上記閉空間に対する相対位置を変えることができるように構成され、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口との間隔の最大値、或いは排出口の大きさの何れか大きい方をxとし、
    上記xが定義される方向の上記閉空間の長さをXとしたとき、
    比x/Xが0.4以上1.0以下である方向が少なくともひとつある高清浄環境システムの上記包囲体内にダストカウンターを設置し、上記包囲体内で被験者が睡眠中のダスト微粒子数の時間依存性を測定することにより上記被験者の睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性を測定することを特徴とする睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性の測定方法。
  6. 密閉可能な閉空間を構成し、内部をクリーンな環境に維持することができる包囲体と、
    上記閉空間内に配置された吸入口と排出口と送風動力とを有する塵埃フィルターとを有し、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口の内の少なくとも一方が、上記閉空間に対する相対位置を変えることができるように構成され、
    上記塵埃フィルターの吸入口と排出口との間隔の最大値、或いは排出口の大きさの何れか大きい方をxとし、
    上記xが定義される方向の上記閉空間の長さをXとしたとき、
    比x/Xが0.4以上1.0以下であるように、上記包囲体に対し、上記塵埃フィルターが設置されている高清浄環境システムの上記包囲体内にダストカウンターを設置し、上記包囲体内で被験者が睡眠中のダスト微粒子数の時間依存性を測定することにより上記被験者の睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性を測定することを特徴とする睡眠状態とダスト微粒子数の時間変化との相関性の測定方法。
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