JPH09207306A - オフセット印刷方法、装置及び画像形成装置 - Google Patents

オフセット印刷方法、装置及び画像形成装置

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JPH09207306A
JPH09207306A JP2137496A JP2137496A JPH09207306A JP H09207306 A JPH09207306 A JP H09207306A JP 2137496 A JP2137496 A JP 2137496A JP 2137496 A JP2137496 A JP 2137496A JP H09207306 A JPH09207306 A JP H09207306A
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blanket
ink
work
gear
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JP2137496A
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Tetsuya Kaneko
哲也 金子
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキの吸収がなく、かつ、ブランケットに
対する摺動摩擦抵抗が小さいワークに対しても良好にイ
ンキを転移させる。 【解決手段】 ブランケットラバー17が巻かれたブラ
ンケット胴12は、凹版26及びガラス基板27に回転
しながら接触移動可能に設けられる。ブランケット胴1
2の回転軸には、ブランケットラバー17の外径とピッ
チ円の大きさが等しい第1のギア6,7と、第1のギア
6,7よりもピッチ円が小さい第2のギア8,9が固定
される。本体フレーム1上には、ブランケット胴12が
凹版26上を移動する位置に、第1のギア6,7と噛み
合う第1のラック2,3が配置されるとともに、ブラン
ケット胴12がガラス基板27上を移動する位置に、第
2のギア8,9が噛み合う第2のラック4,5が配置さ
れ、ブランケットラバー17はガラス基板27に対して
はスリップしつつ移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷方
法及び装置に関し、さらに、オフセット印刷によりガラ
ス基板上に素子電極を形成した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフセット印刷は、グラフィック
ス印刷用として主に人間の視覚に感知されるパターンの
印刷に多く用いられている。また近年、電子機器への応
用として記録用サーマルヘッドの電極や液晶表示装置の
カラーフィルタ等を作成するための技術開発がなされて
いる。
【0003】図10は、従来の平台校正機型オフセット
印刷装置の平面図である。図10において、本体フレー
ム108上には、インキローラ104でインキ107を
展開するインキ定盤101と、凹版105を固定する印
刷版定盤102と、被印刷物であるワーク106を固定
するワーク定盤103とが、一列に並んで配置され、固
定されている。これらインキ定盤101、印刷版定盤1
02及びワーク定盤103の両側にはラック109,1
10が配置される。また、本体フレーム108の上方に
は、各ラック109,110に噛み合う2つのギア11
1,112が軸に固定されたブランケット113が配置
される。ブランケット113の軸は、その両端部がキャ
リッジ114,115に固定されている。キャリッジ1
14,115には、このブランケット113の他に、前
述したインキローラ104及びブレード117が固定さ
れている。
【0004】キャリッジ114,115は、本体フレー
ム108下部からのクランクアーム116に連結され、
このクランクアーム116のクランク動作で前進及び後
退される。そして、キャリッジ114,115の移動に
より、ブランケット113は凹版105、ワーク106
の上を順次接触しながら転がる構成となっている。ブラ
ンケット113の表面には、ゴム状のブランケットラバ
ーが取り付けられている。
【0005】次に、上述したオフセット印刷装置による
印刷工程を図11を参照して説明する。
【0006】まず、インキローラ104により、インキ
定盤101上でインキ107練る(図11(a))。次
いで、インキローラ104で練ったインク107を凹版
105上に転移させ、さらに、ブレード117が凹版1
05上を摺動し、転移したインキ107のうち凹部に充
填されたインキ以外をかきとる(図11(b))。そし
て、ブランケット113が、凹版105及びワーク10
6の上面を順に回転接触することにより、凹版105の
凹部に充填されたインキ107を受理し(図11
(c))、ワーク106上に凹版105の凹部のパター
ン状にインキ107を転移する(図11(d))。
【0007】以上により印刷工程が終了する。インキ
は、作製するパターンの機能によって適宜選択すること
ができる。例えば、記録用サーマルヘッド等の電極に
は、主にAuレジネートペーストと呼ばれる有機Au金
属からなるインキを用い、また、カラーフィルターであ
ればR、G、B各色の顔料を分散したインキや有機色素
を含んだインキ等が用いられる。
【0008】一方、平面型表示装置を実現する表示技術
としては、単純マトリックス液晶表示装置(LCD)、
薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT/LCD)、プ
ラズマディスプレイ(PDP)、低速電子線蛍光表示管
(VFD)、マルチ電子源フラットCRT等の平面型表
示装置技術がある。
【0009】これらの表示技術の例として、マルチ電子
源を用い蛍光体を発光させる発光素子及びこれを用いた
平面型表示装置について説明する。
【0010】従来、簡単な構造で電子の放出が得られる
素子として、M. I. Ekinson, RadioEng. Elecrton Py
s., 10, (1965) 等によって発表された表面伝導型電子
放出素子が知られている。これは基板上に形成された小
面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電
子放出が生ずる現象を利用するものである。
【0011】この表面伝導型電子放出素子としては、前
記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au
薄膜によるもの[G. Dittmer: "Thin Solid Firms", 9,
317(1972)]、In2 3 薄膜によるもの、[M. Hartw
ell and C. G. Fonstad: "IEEE Trans. ED Conf.", 519
(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告
されている。
【0012】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図12に示す。同図において、201は絶縁性基板、2
02は電子放出部形成用薄膜で、スパッタで形成された
H型形状金属酸化物薄膜等からなり、後述のフォーミン
グと呼ばれる通電処理により電子放出部203が形成さ
れる。204は電子放出部を含む薄膜と呼ぶ。
【0013】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2
02を予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電
子放出部203を形成するのが一般的であった。すなわ
ち、フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜202
の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜20
2を局所的に破壊、変形もしくは変質させ、電気的に高
抵抗な状態にした電子放出部203を形成することであ
る。なお、電子放出部203は電子放出部形成用薄膜2
02の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が
行われる場合もある。
【0014】また、本発明者らは、米国特許第5066
883号において、素子電極間に電子を放出させる微粒
子を分散配置した新規な表面伝導型電子放出素子を技術
開示した。この電子放出素子は、上記従来の表面伝導型
電子放出素子に対し、電子放出位置を精密に制御でき、
より高密度に電子放出素子を配列することができる。こ
の表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成を図13
に示す。同図において、絶縁性基板301上には、一対
の素子電極302,303が形成される。各素子電極3
02,303は、分散配置された微粒子電子放出材から
なる薄膜304で接続されている。そして、この薄膜3
04に、電子放出部305が形成される。この表面伝導
型電子放出素子において、各素子電極302,303の
電極間隔Lは0.01〜100μm、薄膜304の電子
放出部305のシート抵抗値は、1×103 〜1×10
9 Ω/□が適当である。
【0015】以上説明してきた表面伝導型電子放出素子
を電子放出素子として用いる際には、電子ビームを飛翔
させるため真空容器内に配置する必要がある。真空容器
内の本素子の略垂直上に、蛍光体を有するフェースプレ
ートを配置して電子放出装置とし、電極間に電圧を印加
して、電子放出部から得られた電子線を蛍光体に照射す
ることによって蛍光体を発光させ、発光素子や平面型表
示装置として用いることができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の平台校正機型印刷装置では、ガラスのようなワ
ークに印刷する場合、以下のような問題点があった。従
来の平台校正機型印刷装置は、ブランケットをワークに
押し付けることによってブランケット上のインキをワー
クに転移させるので、ガラスのようにインキの吸収がな
く、かつ、表面が平滑でブランケットに対する摺動摩擦
抵抗が小さいワークにレジネートペースト等のインキを
転移させようとしても、転移が不十分で印刷パターンの
欠陥が多発してしまう。
【0017】一方、オフセット印刷法を用いないで平面
型画像表示装置を作製する際には、以下に示す問題点が
あった。
【0018】a) 表面伝導型電子放出素子や、単純マ
トリックス液晶表示装置(LCD)、薄膜トランジスタ
液晶表示装置(TFT/LCD)等、薄膜表示素子の電
子回路加工工程においては、被加工物に機能薄膜を成膜
し、これをパターン加工することが行われる。例えば、
基板上にAl材を成膜した後、フォトリソグラフィ、エ
ッチングにより配線パターンが形成される。しかし、例
えば40cm四方以上の大型基板上に微細なパターンを
形成する場合、大型露光装置を含む大型の設備が必要と
なり、莫大な費用がかかる。さらに、1m程度の大面積
基板では、製造装置自体の大型化が困難であり、また、
露光装置等の大型化が実現できたとしても、1枚の基板
あたりの処理時間が長くなり、製造コストが膨大になっ
てしまう。
【0019】b) プラズマディスプレイ(PDP)表
示素子のように厚膜による電子回路の加工工程において
は、スクリーン印刷法で、導電性ペーストや絶縁性ペー
ストを直接パターン印刷した後、焼成して電極配線パタ
ーンや絶縁層を形成する方法が行われている。印刷法に
よるパターニングは比較的大面積基板に対応可能であ
り、1枚の基板あたりの処理時間もフォトリソグラフィ
技術に比べて短い。しかし、レジストインキや導電性ペ
ースト、絶縁性ペーストの流動性、印刷版からの抜け
性、転写性、及び版圧力等に起因して印刷パターンが変
形しやすく、パターンの寸法精度、形状及び位置制御
性、再現性に限界があるので、印刷法では、100μm
程度以下の精密微細パターンを再現性よく形成するのは
困難であった。このため、平面型表示装置画面の画素の
高精細化が難しく、従って、薄膜トランジスタ液晶表示
装置(TFT/LCD)や表面伝導型電子放出素子を微
細に製作するすることが難しかった。
【0020】そこで本発明は、インキの吸収がなく、か
つ、ブランケットに対する摺動摩擦抵抗が小さいワーク
でも良好にインキを転移することができるオフセット印
刷方法及び装置を提供することを目的とする。また本発
明は、オフセット印刷により電極を形成することで画素
がより高精細に形成された画像形成装置を提供すること
を第2の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のオフセット印刷方法は、印刷版とブランケット
とを接触させて前記印刷版上に配置されたインキを前記
ブランケットの表面に受理した後、前記ブランケットと
ワークとを接触させて前記受理したインキを前記ワーク
の表面に転移させることによって、前記ワークに印刷パ
ターンを形成するオフセット印刷方法において、前記印
刷版と前記ブランケットとの接触を、前記印刷版の表面
と前記ブランケットの表面との間でスリップさせずに行
い、前記ブランケットと前記ワークとの接触を、前記ブ
ランケットの表面と前記ワークの表面との間でスリップ
させながら行うことを特徴とする。
【0022】上記のとおり構成された本発明のオフセッ
ト印刷方法では、ブランケット表面へのインキの受理の
際には、印刷版の表面とブランケットの表面との接触を
スリップなく行うので、印刷版上に配置されたインキの
パターンが変形することなく、ブランケットの表面にイ
ンキが受理される。次いで、ブランケットの表面に受理
されたインキをワークの表面に転移させるが、この際
は、ブランケットの表面とワークの表面との接触をスリ
ップさせながら行う。これにより、ガラスのようなイン
キの吸収がなく、かつ、ブランケットに対する摺動摩擦
抵抗が小さいワークであっても、インキはワークに良好
に転移する。しかも、ブランケットの相対的なスリップ
はワークに転移するインキパターンの変形に大きく関与
しないため、ワーク上に転移したインキパターンの変形
は小さいものとなる。
【0023】なお、ワークへのインキの転移の際には、
ブランケットとワークとをスリップさせるので、その量
に応じて、実際の印刷パターンの寸法が印刷版上のイン
キの配置パターンの寸法と異なるので、印刷版上に配置
するインキのパターンを予めリサイズしておくことが望
ましい。
【0024】また、本発明のオフセット印刷装置は、表
面にインキが配置される印刷版と、前記印刷版に接触し
て前記印刷版の表面のインキを受理した後、ワークに接
触して前記受理したインキを前記ワークの表面に転移さ
せるために、表面にブランケットラバーが巻かれたブラ
ンケット胴とを有するオフセット印刷装置において、イ
ンキの受理の際には、前記印刷版の表面と前記ブランケ
ットラバーの表面との間にスリップを生じさせずに前記
印刷版と前記ブランケット胴とを相対的に駆動させ、か
つ、インキの転移の際には、前記ブランケットラバーの
表面と前記ワークの表面との間にスリップを生じさせな
がら前記ブランケット胴と前記ワークとを相対的に駆動
させる駆動手段を有することを特徴とする。
【0025】これにより、本発明のオフセット印刷方法
の実施が可能となる。オフセット印刷装置の種類として
は、平台校正機型のものでもよいし、円筒輪転機型のも
のでもよい。また、インキの受理の際にはスリップを生
じさせずに、インキの転移の際にはスリップを生じさせ
る駆動手段としては、ラックとギアの噛み合せによるも
のや、モーターの回転の制御によるものや、これらの組
み合せによるものがある。
【0026】そして、本発明の画像形成装置は、一対の
電極間に電圧を印加することで電子を放出する電子放出
素子が複数個形成された絶縁性基板と、前記絶縁性基板
に対向配置され、電子の照射により発光する蛍光体とを
有する画像形成装置において、前記電極が、上記本発明
ののオフセット印刷方法によって、前記電極を構成する
材料からなるインキを前記絶縁性基板にオフセット印刷
して形成されていることを特徴とするものである。
【0027】このように、本発明のオフセット印刷方法
により電子放出素子の電極を形成することで、微細なパ
ターンでも変形なく形成される。
【0028】
【発明の実施の形態】オフセット印刷法は、一般には紙
上にインキを転写するグラフィック印刷に用いられるも
のであるが、厚膜電子回路の形成に用いられるスクリー
ン印刷法に比べて、インキの転写膜厚を薄くできるとい
う特長がある。これは、印刷原版に選択的に配置された
厚みの制御されたインキを、ブランケットと呼ばれるベ
タ状のラバーに一度転移させてから、被印刷物(ワー
ク)の表面に転写させるためである。
【0029】高精細印刷を実施するためには、印刷原版
の精細化、印刷工程におけるインキ転写パターンの維
持、等の実現が必要であるが、転写するインキの厚みが
薄いほど、解像力を上げることができる。これは、イン
キのパターン幅に対する厚みのアスペクト比が小さいほ
ど、転写後のインキのダレ、ニジミによるパターン幅の
太りを小さくできるためである。従って、転写膜厚を薄
くできるオフセット印刷は、高精細印刷のためのパター
ン太りに対する制御の可能性を有している。
【0030】ここで、オフセット印刷におけるブランケ
ットラバー表面と、印刷物、ワーク表面との接触、及び
インキのブランケットへの受理、ワークへの転移につい
て、図10に示した一般的な平台校正機型オフセット印
刷装置を用いて説明する。
【0031】実際の印刷手順は、従来の技術で説明した
とおりである。ここで、印刷版は金属板の表面をエッチ
ングによってパターンを食刻した凹版105を用いてい
る。この凹版105の凹部に充填されたインキ107
を、接触回転してきたブランケット113が受理し、さ
らにブランケット113がガラスからなるワーク106
に接触回転することにより、インキ107はワーク10
6上に転移され、印刷パターンが形成される。
【0032】なお、ブランケット113の外周面に対す
る、凹版105及びワーク106の高さは不図示の調整
機構により調整可能となっている。この調整機構によっ
て、ブランケットラバーの凹版105への押し込み量で
規定される版圧、及び、ワーク106への押し込み量で
規定される印圧が調整可能となる。実際の印刷工程で
は、版圧及び印圧は適宜決定される。
【0033】この一連の工程の中のブランケット113
の移動は、ブランケット胴の両端に固定されているギア
111,112と、本体フレーム108の両端部に配置
されたラックギア109,110との噛み合いによって
なされる。
【0034】一般に、ラックとギアの噛み合いで生じる
回転運動の径寸法、すなわちピッチ円は一つに決定され
る。このピッチ円半径よりもブランケットラバー外周が
大きな半径であるとき、ギアのピッチ円半径よりも大き
な値をオーバーベアラ量と呼ぶ。今、オーバーベアラ量
が300μm、ギア111,112のピッチ円直径が2
00mmの場合、ブランケットラバーがブランケット1
13の全外周面に装着されているとすると、ブランケッ
ト113の周長は約630.203mm、ギア111,
112のピッチ円の周長は約628.319mmであ
り、その周長差は約1884μmとなる。この周長差の
ため、ブランケットラバー表面が凹版105やワーク1
06上を移動する際、1mm移動ごとに約3μmの割合
でブランケットラバー表面が凹版105またはワーク1
06の表面に対してスリップを起こし、ブランケット胴
自身を正しいピッチ円径で回転運動させている。このよ
うにして生じるスリップをマイクロスリップと呼ぶこと
とする。
【0035】マイクロスリップを生じさせる方法として
は、上記のようにオーバーベアラ量の設定によるものの
他に、図4に示すように、凹版73及びワークであるガ
ラス基板74を本体フレーム71上に往復移動可能に設
けられたステージ72表面に固定し、ブランケット胴7
6の回転とステージ72の往復運動を、個別のブランケ
ットモータ77及びステージモータ75で相互の同調を
ずらしながら駆動する方法もある。また、円筒輪転方式
のオフセット印刷装置においても、平台校正機方式と同
様にしてマイクロスリップを発生させることが可能であ
る。これらの構成、動作については後に詳述する。
【0036】本発明は、以上説明してきた印圧、版圧及
びマイクロスリップを適宜調整利用することにより良好
な印刷パターンを得るものである。以下にその内容を説
明する。
【0037】いま、平台校正機型オフセット印刷装置を
用いて、表1に示す条件でガラス基板(ワーク)上に平
面型画像表示装置における素子電極の印刷を行った。
【0038】
【表1】 表1の各条件による印刷結果を表2に示す。
【0039】
【表2】 表2より、条件3で最も良好な結果が得られ、次いで、
条件4で良好な結果が得られた。
【0040】また、図9に、本発明で作製される平面型
画像表示装置における素子電極のパターン形状を示す。
図1において、(a)は原版となる凹版のパターン、
(b)はマイクロスリップを発生させたときのブランケ
ット上に受理されたインキ形状、(c)はマイクロスリ
ップを発生させたときのガラス基板上に転移されたイン
キ形状、(d)はマイクロスリップがないときのブラン
ケット上に受理されたインキ形状、(e)はマイクロス
リップがなく、印圧が300μmのときのガラス基板上
に転移されたインキ形状、(f)は凹版上でマイクロス
リップがなく、ガラス基板上でマイクロスリップを発生
させたときのガラス基板上のインキ形状を示す。なお、
図中の矢印は、印刷方向を示す。
【0041】図9から容易にわかるように、ブランケッ
ト上に受理されたインキ形状は、マイクロスリップの有
無によって異なっている。すなわち、マイクロスリップ
があるとインキ形状は変形するが、マイクロスリップが
ない場合にはインキ形状の変形はない。さらに、この変
形のないブランケット上のインキをガラス基板上に転移
させたときのインキ形状は、マイクロスリップがある場
合(f)でも、変形はごく微小である。なお、マイクロ
スリップがなく印圧が500μmと大きい場合には、イ
ンキ形状の変形は小さいが、大きな印圧はブランケット
や装置に大きな負荷がかかるため実用的ではない。
【0042】以上の結果より、本発明者らは以下のこと
を見出した。
【0043】ガラスのような、インキの吸収がなく、か
つ、表面が平滑でブランケットに対する摺動摩擦抵抗が
小さいワークにレジネートペースト等のインキを転移さ
せるためには、インキをワークに押し付けるだけでは転
移が不十分で欠陥の発生が多い。
【0044】ワークへのインキ転移を十分に行うには、
ブランケットはワークに対してインキを擦りつけるよう
な面内方向の運動を行うことが必要である。この擦りつ
ける運動、すなわちマイクロスリップを実現するために
は、平台校正機型オフセット印刷装置におけるブランケ
ットの外周円をブランケット胴のピッチ円よりも大きく
することで達成できる。このブランケットの外周円をブ
ランケット胴のピッチ円よりも大きくした量が、前述し
たオーバーベアラ量である。しかし、従来の装置構成で
は、ピッチ円を決定しているラックとギアはただ一種の
み使用されているため、ギアのピッチ円が凹版上とワー
ク上とで変更できない。従って、オーバーベアラ量によ
って生じるワーク面内方向の運動が凹版上でも同様に生
じるため、凹版からブランケットにインキが受理される
時点でインキパターンが版形状に対してブランケットの
回転接触方向に変形する問題が生じる。その結果、変形
したブランケット上のインキはワーク上にほぼ同様の形
状で転移され、ワークには変形パターンが印刷されてし
まう。
【0045】ブランケットへのインキの受理は、凹版表
面がブランケット表面に対して適当な摺動摩擦抵抗を有
していれば、ブランケットの凹版面内方向の運動は必要
ない。また、ブランケット上の受理インキはワーク面内
方向の運動の有無にかかわらず、ほぼ同一形状でブラン
ケットからワークへ転移される。
【0046】従って、印刷に介在するブランケットとパ
ターンの原形である凹版との摺動接触時にはブランケッ
トラバー表面と凹版表面との接触をスリップなく行い、
ブランケットラバー表面に受理されたインキパターンの
変形をなくする。一方、ブランケットとワークとの接触
ではブランケットラバー表面とワーク表面との間に相対
的なスリップを生じさせてインキの転移を良好に行う。
このとき、ブランケットラバーの相対的なスリップはワ
ーク上に転移するインキパターンの形状変形に大きく関
与しないため、ワーク上に印刷されたインキパターンは
良好な形状となる。
【0047】上述したオフセット印刷方法は、画像形成
装置に用いられる基板への電極の形成に適している。そ
れは、画像形成装置に用いられる基板は、大面積のガラ
ス基板が用いられ、しかも微細パターンの電極を必要と
するからである。画像形成装置に用いられる基板の電極
を上述したオフセット印刷方法で形成することで、微細
なパターンの電極も再現性よく形成でき、その結果、よ
り高精細な画像を表示する画像形成装置が達成可能とな
る。しかも、ホトリソグラフィ技術により電極を形成す
る場合に比較して、基板の製造処理時間が短くて済み、
大型の設備も必要としないため、製造コストを低減する
ことができる。
【0048】ここで、ブランケットのオーバーベアラ量
を途中変更する方法は、大きく分けて以下の3種類の方
法がある。 1)ブランケット胴のピッチ円を変更する。このために
は、ブランケットが凹版上を移動するときとワーク上を
移動するときとで、ブランケットを駆動させるためのラ
ックとギアを変える方法が考えられる。実質的には、2
種類のクランク及びギアを設け、これらを凹版上の移動
時とワーク上の移動時とで切り替える。 2)独立して駆動可能なブランケットと凹版、ワークの
摺動接触運動の同調を相対的にずらす。 3)ブランケットの径を途中変更する。
【0049】なお、マイクロスリップを途中変更制御す
ることにより、凹版とワークとでブランケットとの接触
長さが互いに異なる、すなわち印刷寸法長さが異なると
いう現象が生じる。しかし、この点に関しては、前もっ
て凹版をリサイズしておくことで容易に解決できる。
【0050】
【実施例】以下に、詳細な実施例を示す。
【0051】(実施例1)図1は、本発明のオフセット
印刷装置の実施例1の平面図であり、平台校正機型オフ
セット印刷装置を示している。
【0052】図1において、本体フレーム1の上面の両
側部には、第1のラック2,3及び第2のラック4,5
が配置されている。第1のラック2,3は本体フレーム
1上に固定された印刷版定盤10を挟む位置に対向して
配置され、第2のラック4,5は本体フレーム1上に固
定されたワーク定盤11を挟む位置に対向して配置され
る。また、第1のラック2,3と第2のラック4,5と
は、互いに本体フレーム1の幅方向(印刷方向と直交す
る方向)にずらされて配置される。印刷版定盤10及び
ワーク定盤11は、それぞれ本体フレーム1上での高さ
が調整可能な構造となっている。
【0053】本体フレーム1の両側方には、それぞれキ
ャリッジ13,14が設けられている。キャリッジ1
3,14は、本体フレーム1に設けられた動力源(不図
示)の駆動力でクランク運動を行うクランクアーム18
により、図示左右方向に移動される。キャリッジ13,
14には、ブランケット胴12の回転軸の両端部が、そ
れぞれベアリング15,16を介して軸支されている。
ブランケット胴12の回転軸には、それぞれ第1のラッ
ク2,3と噛み合う第1のギア6,7及び第2のラック
4,5と噛み合う第2のギア8,9が固定されている。
ブランケット胴12の外周面には、シリコーンゴムから
なるブランケットラバー17が巻き付け固定されてい
る。
【0054】さらに、キャリッジ13,14には、イン
キローラ20,21、ドクターブレード22及びブラン
ケット胴昇降用エアシリンダ32,33が設けられてい
る。インキローラ20,21は、ベアリング(不図示)
によりキャリッジ13,14に軸支され、インキ定盤1
9及び印刷版定盤10に接触するが、ワーク定盤11上
では上昇して接触しない構造となっている。ドクターブ
レード22は薄板状の鋼からなり、キャリッジ13,1
4に固定された昇降用のエアシリンダ23,24に支持
されて固定されている。エアシリンダ23,24の昇降
運動により、ドクターブレード22は印刷版定盤10の
表面を任意に接触摺動することができる。ブランケット
胴昇降用エアシリンダ32,33は、ブランケット胴1
2を任意の位置で昇降させるためのものである。
【0055】印刷版定盤10の上面には、凹版26が固
定されている。凹版26は、真鍮板をエッチングして所
望の印刷パターンの形状に凹部を形成したもので、凹部
の形成後、クロームメッキを施してある。凹部の深さ
は、約10μmとした。ワーク定盤11の上面には、ワ
ークとして、ガラス基板27が固定されている。ガラス
基板27は、洗浄された青板ガラスからなる。
【0056】ブランケット胴12の回転軸の両端部に
は、本体フレーム1の両側部に固定されたレール30,
31上を移動する円筒状のベアラ28,29が設けられ
ている。レール30,31は、印刷方向と平行に配置さ
れ、このレール30,31の表面を基準面として、印刷
版定盤10、ワーク定盤11及びインキ定盤19は、そ
れらの表面を平行に調整して固定されている。
【0057】また、ブランケットラバー17の外周面の
径に対して、第1のギア6,7のピッチ円径及びベアラ
28,29の外周面の径を同一寸法とし、さらに、第2
のギア8,9のピッチ円径を半径で0.3mm小さくし
ている。従って、ブランケットラバー17のオーバーベ
アラ量は、凹版26上すなわち第1のギア6,7と第1
のラック2,3との噛み合せにおいてはゼロであり、ガ
ラス基板27上すなわち第2のギア8,9と第2のラッ
ク4,5との噛み合せにおいては0.3mmとなる。こ
れにより、ブランケットラバー17の表面と凹版26の
表面との接触回転時には相互間のオーバーベアラによる
マイクロスリップは発生せず、ブランケットラバー17
の表面とガラス基板27の表面との接触回転時には相互
間のオーバーベアラによるマイクロスリップが生じる。
【0058】ここで、ブランケット胴12を降下させ
て、ブランケットラバー17を凹版26及びガラス基板
27に接触させる場合、ベアラ28,29がレール3
0,31に接触するように、レール30,31の高さを
調整した。また、第1のギア6,7のピッチ円径に対し
て第2のギア8,9のピッチ円径が小さいため、第2の
ラック4,5は第1のラック2,3よりもレール30,
31を基準として高い位置に設定しておき、第1のギア
6,7と第1のラック2,3及び第2のギア8,9と第
2のラック4,5が噛み合うように調整されている。
【0059】本実施例では、ブランケットラバー17の
直径を200mm、上述のようにガラス基板27上での
オーバーベアラ量を0.3mm、ブランケットラバー1
7の、凹版26への押し込み量すなわち版圧は0.2m
m、ガラス基板27への押し込み量すなわち印圧も0.
2mmに設定した。
【0060】次に、本実施例での印刷工程を説明する。
【0061】まず、インキ定盤19上にPtレジネート
ペーストインキを供給し、インキローラ20,21でイ
ンキ定盤19上にインキを展開し、同時に凹版26の全
面にインキを転移させる。
【0062】次に、ドクターブレード22によって、凹
版26の凹部に充填されたインキ以外をかきとる。
【0063】ここへ、ブランケット胴12を接触回転移
動させてブランケットラバー17の表面へ凹版26の凹
部に充填されたインキを受理する。このときブランケッ
トラバー17上に受理されたインキの形状を観察したと
ころ、凹版26のパターンとほぼ同一であった。
【0064】受理したインキはブランケットラバー17
がガラス基板27とマイクロスリップを生じながら接触
回転することによって転移され、ガラス基板27上に所
望の印刷パターンが形成できた。このとき、インキの転
移は有効パターン全面で良好に行われ、ガラス基板27
上に転移したインキの形状は凹版26のパターンとほぼ
同一であった。
【0065】ここで、ガラス基板27上の印刷パターン
の印刷方向における寸法は、凹版26の同一部分の寸法
よりも約1mm程度小さく転写印刷された。この計測数
値分を、凹版26の該当寸法のリサイズにより印刷パタ
ーンの必要な寸法精度を得ることができた。また、この
リサイズ寸法は、オーバーベアラ量から計算されるギア
ピッチ円径から計算した外周長さとブランケットラバー
17の外周長さの単位長さ当たりの差を算出した値とほ
ぼ一致する。従って、オーバーベアラ量を決定すれば、
事前に凹版26のリサイズを実施することができる。
【0066】(実施例2)図2は、本発明のオフセット
印刷装置の実施例2の平面図であり、円筒輪転機型オフ
セット印刷装置を示している。また、図3は、図2に示
したオフセット印刷装置の側面図である。
【0067】図2及び図3において、本体フレーム41
上には、2本のリニアガイド43,44が印刷方向に沿
って平行に配置され、これらリニアガイド43,44に
ワークステージ42が図示左右方向に移動可能に支持さ
れている。ワークステージ42は、本体フレーム41の
図示左端部に設けられたモータを駆動源とするボールね
じ45の回転によって往復移動される。
【0068】ワークステージ42の上面の両側部には、
それぞれラック46,47が、ワークステージ42の移
動方向と平行に配置されている。また、ワークステージ
42の上面のほぼ中央には、ワーク定盤48が固定され
る。ワーク定盤48は、高さ方向の調整が可能な構造を
有している。さらに、ワーク定盤48の上に、ワークと
してガラス基板49が固定されている。ガラス基板49
は、洗浄された青板ガラスからなる。
【0069】本体フレーム41の両側部には、キャリッ
ジ58,59が固定されている。キャリッジ58,59
には、ブランケット胴50及び円筒凹版55が、それぞ
れベアリングにより軸支されている。ブランケット胴5
0の外周面には、シリコーンゴムからなるブランケット
ラバー60が巻き付け固定されている。円筒凹版55
は、エアシリンダ61,62により平行移動可能となっ
ており、エアシリンダ61,62の駆動により必要に応
じてブランケットラバー60に押圧接触される。また、
キャリッジ58,59には、それぞれドクターブレード
昇降用エアシリンダ64,65が設けられており、これ
らドクターブレード昇降用エアシリンダ64,65に、
薄板状の鋼からなるドクターブレード63が取り付けら
れている。ドクターブレード昇降用エアシリンダ64,
65の駆動により、ドクターブレード63は、円筒凹版
55の表面に摺動接触する。
【0070】ブランケット胴50の回転軸には、第1の
ギア51,52及び第2のギア53,54が固定されて
いる。第1のギア51,52は、円筒凹版55がブラン
ケットラバー60と押圧接触した際に、円筒凹版55の
回転軸に固定された第3のギア56,57と噛み合うも
のであり、第2のギア53,54は、ラック46,47
と噛み合うものである。
【0071】ここで、第1のギア51,52のピッチ円
径及び第3のギア56,57のピッチ円径は、ブランケ
ットラバー60の外周径と同一に設定した。また、第2
のギア53,54のピッチ円径は、ブランケットラバー
60の外周径に対して0.3mm小さく設定した。従っ
て、ブランケットラバー60のオーバーベアラ量は、円
筒凹版55との接触時すなわち第1のギア51,52と
第3のギア56,57との噛み合せにおいてはゼロであ
り、ガラス基板49上すなわち第2のギア53,54と
ラック46,47との噛み合せにおいては0.3mmと
なる。これにより、ブランケットラバー60の表面と円
筒凹版55の表面との接触回転時には相互間のオーバー
ベアラによるマイクロスリップは発生せず、ブランケッ
トラバー60の表面とガラス基板49の表面との接触回
転時には相互間のオーバーベアラによるマイクロスリッ
プが生じる。
【0072】本実施例では、ブランケットラバー60の
直径及び円筒凹版55の直径を200mm、上述のよう
にガラス基板49上でのオーバーベアラ量を0.3m
m、ブランケットラバー60の、円筒凹版55への押し
込み量すなわち版圧は0.2mm、ガラス基板49への
押し込み量すなわち印圧も0.2mmに設定した。
【0073】次に、本実施例での印刷工程を説明する。
【0074】まず、円筒凹版55にドクターブレード6
3を接触させ、その状態でPtレジネートペーストイン
キを円筒凹版55のドクターブレード63の接触部近傍
に供給する。ガラス基板49をワーク定盤48上に固定
する。
【0075】次いで、ボールねじ45の回転駆動により
ワークステージ42を図示左方に移動させると、ラック
46,47と第2のギア53,54との噛み合い、及び
第1のギア51,52と第3のギア56,57との噛み
合いにより、ブランケット胴50及び円筒凹版55が、
互いに接触して回転する。回転の進行に従い、インキは
円筒凹版55の凹部に充填され、それ以外の不要なイン
キはドクターブレード63でかきとられる。凹部に充填
されたインキは、ブランケットラバー60と接触するこ
とによりブランケットラバー60の表面に受理される。
このときブランケットラバー60上に受理されたインキ
形状を観察したところ、円筒凹版55のパターン形状と
ほぼ同一であった。
【0076】受理したインキはブランケットラバー60
の回転に伴って移動してくるガラス基板49とマイクロ
スリップを生じながら接触回転することによって転移さ
れ、ガラス基板49上に所望の印刷パターンが形成でき
た。このとき、インキの転移は有効パターン全面で良好
に行われ、ガラス基板49上に転移したインキの形状は
円筒凹版55のパターンとほぼ同一であった。
【0077】ここで、ガラス基板49上の印刷パターン
の印刷方向における寸法は、円筒凹版55の同一部分の
寸法よりも約1mm程度小さく転写印刷された。この計
測数値分を、円筒凹版55の該当寸法のリサイズにより
印刷パターンの必要な寸法精度を得ることができた。ま
た、このリサイズ寸法は、オーバーベアラ量から計算さ
れるギアピッチ円径から計算した外周長さとブランケッ
トラバー60の外周長さの単位長さ当たりの差を算出し
た値とほぼ一致する。従って、オーバーベアラ量を決定
すれば、事前に円筒凹版55のリサイズを実施すること
ができる。
【0078】(実施例3)図4は、本発明のオフセット
印刷装置の実施例3の平面図であり、平台校正機型オフ
セット印刷装置を示している。
【0079】本実施例の平台校正機型オフセット印刷装
置は実施例1の構成とは異なり、本体フレーム71上に
はステージ72が、ステージモータ75を駆動源とする
ボールねじの回転により往復移動可能に設けられてい
る。このステージ72上に、凹版73及びガラス基板7
4が、それぞれ印刷版定盤及びワーク定盤を介して固定
される。
【0080】また、ブランケット胴76の回転について
も、ブランケットモータ77により独立して駆動され
る。ブランケット胴76を支持するキャリッジは本体フ
レーム71に固定されており、ブランケット胴76は図
示左右方向へ移動されない。従って、ブランケット胴7
6はエアシリンダの駆動による版圧及び印圧の制御動作
とブランケットモータ77による回転のみが行われ、凹
版73及びガラス基板74との接触は、ステージ72の
移動運動で行われる。
【0081】さらに、凹版73へのインキ供給にはイン
キローラを用いず、凹版73上に直接落したインキをド
クターブレード78で展開し、凹版73の凹部にインキ
を充填しながら、かつ、不要部分のインキをかきとるこ
とによる。
【0082】ここで、ブランケット胴76の回転速度と
ステージ72の移動速度は個別に制御可能である。ブラ
ンケット胴76の外周面のブランケットラバーが凹版7
3に接触しているときは、ブランケットラバーの外周長
と等しい距離だけステージ72が移動される間にブラン
ケット胴76が1回転するように制御され、相互の接触
にはスリップは発生しない。一方、ブランケットラバー
がガラス基板74に接触しているときは、ブランケット
ラバーの外周長よりも短い所定の距離だけステージ72
が移動される間にブランケット胴76が1回転するよう
に制御され、相互の接触にマイクロスリップを発生させ
る。このように、ブランケット胴76の回転速度やステ
ージ72の移動速度を制御する方法として、ブランケッ
ト胴76の回転軸及びステージ72の移動軸に、それぞ
れ高分解能のエンコーダを搭載し、相互の位置を検出し
ながらステージモータ75及びブランケットモータ77
を制御し、設定した速度の調整を行う方法がある。
【0083】以上により、上記各実施例で説明したもの
と同様に変形のないインキ転写が可能となり、ガラス基
板74上に凹版73と同形状の印刷パターンを形成する
ことができた。
【0084】(実施例4)図5は、本発明のオフセット
印刷装置の実施例4の平面図であり、円筒輪転機型オフ
セット印刷装置を示している。
【0085】本実施例の円筒輪転機型オフセット印刷装
置は実施例2の構成とは異なり、ブランケット胴83及
び円筒凹版84は、それぞれ独立したブランケットモー
タ86及び凹版モータ87によって回転駆動される。ま
た、ガラス基板88は、本体フレーム81に図示左右方
向に往復移動可能に設けられたワークステージ82上
に、ワーク定盤を介して固定されており、このワークス
テージ83も、独立したステージモータ85によって駆
動される。
【0086】ここで、ブランケット胴83及び円筒凹版
84の回転速度と、ワークステージ82の移動速度と
は、個別に制御可能である。ブランケット胴83の外周
面のブランケットラバーが円筒凹版84に接触している
ときは、ブランケット胴83が1回転する間に円筒凹版
84が1回転するように制御され、相互の接触にはスリ
ップは発生しない。一方、ブランケットラバーがガラス
基板88に接触しているときは、ブランケットラバーの
外周長よりも短い所定の距離だけワークステージ82が
移動される間にブランケット胴83が1回転するように
制御され、相互の接触にマイクロスリップを発生させ
る。このように、ブランケット胴83、円筒凹版84の
回転速度やワークステージ82の移動速度を制御する方
法として、ブランケット胴83の回転軸、円筒凹版84
の回転軸及びステージ82の移動軸に、それぞれ高分解
能のエンコーダを搭載し、相互の位置を検出しながら各
々のモータ85,86,87を制御し、設定した速度の
調整を行う方法がある。
【0087】以上により、上記各実施例で説明したもの
と同様に変形のないインキ転写が可能となり、ガラス基
板88上に円筒凹版84と同形状の印刷パターンを形成
することができた。
【0088】(実施例5)図6は、本発明のオフセット
印刷装置の実施例5の平面図であり、円筒輪転機型オフ
セット印刷装置を示している。
【0089】本実施例の円筒輪転機型オフセット印刷装
置は実施例2の構成とは異なり、ブランケット胴93
は、ブランケットモータ97によって回転駆動される。
すなわち、ブランケット胴93の回転速度とワークステ
ージ91の移動速度とが個別に制御可能となっている。
【0090】ここで、ブランケット胴93のブランケッ
トラバーの外周径に対して、ブランケット胴93の回転
軸に固定されたギア95及び円筒凹版94の回転軸に固
定されたギア96のピッチ円径は同一に設定した。従っ
て、ブランケットラバーと円筒凹版94との接触回転時
には、相互間のオーバーベアラによるマイクロスリップ
は発生しない。一方、ブランケットラバーがガラス基板
92に接触しているときは、ブランケットラバーの外周
長よりも短い所定の距離だけワークステージ91が移動
される間にブランケット胴93が1回転するように制御
され、相互の接触にマイクロスリップを発生させる。こ
のように、ブランケット胴93の回転速度やワークステ
ージ91の移動速度を制御する方法として、ブランケッ
ト胴93の回転軸及びワークステージ91の移動軸に、
それぞれ高分解能のエンコーダを搭載し、相互の位置を
検出しながらステージモータ98及びブランケットモー
タ97を制御し、設定した速度の調整を行う方法があ
る。
【0091】以上により、上記各実施例で説明したもの
と同様に変形のないインキ転写が可能となり、ガラス基
板92上に円筒凹版94と同形状の印刷パターンを形成
することができた。また、ブランケット胴93の代わり
に円筒凹版94をモータで駆動し、ギア94,95を介
してブランケット胴93を回転させる装置構成でも、同
様な印刷パターンを形成することができた。
【0092】(実施例6)本実施例では、オフセット印
刷により素子電極を形成した電子放出素子を用いた画像
形成装置について説明する。
【0093】上記実施例で説明した印刷方法、印刷装置
によってガラス基板上に電子放出素子の素子電極を印刷
転写した。本実施例では、インキとして、有機金属から
なるPtレジネートペーストを用いている。ガラス基板
上に転移されたインキは約70℃での乾燥と580℃で
の焼成によって、Ptからなる素子電極として利用でき
る。印刷乾燥後のガラス基板上のインキ転写厚みは約2
μm程度と小さく、印刷電極パターン幅の太りは非常に
小さかった。さらに、焼成後のPt電極厚みは約100
0オングストロームと薄く形成することができた。ここ
で、素子電極のパターン形状としては電子放出材を配置
する素子電極間隔を有し、その寸法を約20μmに設定
した。
【0094】以上のようにして形成した素子電極に対し
て、配線及びPd微粒子からなう薄膜を形成することに
よって、電子源基板を作製することができる。以下、図
7を参照して説明する。
【0095】図7において、青板ガラスからなる電子源
基板401には、上述したオフセット印刷により素子電
極402,403が形成されている。素子電極402,
403は、それぞれAgペーストインキの印刷焼成で得
られた厚み約7μmの印刷配線405,406と接続し
ている。素子電極402,403の電極間をつないで、
有機金属溶液の塗布焼成で得られた厚み約200オング
ストロームのPd微粒子からなる薄膜404が、Cr薄
膜のリバースエッチ法によりパターニングされて形成さ
れている。印刷配線405,406上には、厚み約50
μm、幅400μmのCuメッキによるメッキ配線40
7,408が形成されている。
【0096】電子源基板401には、青板ガラスからな
るガラス基板409が対向配置される。電子源基板40
1とガラス基板409との間隔は、5mmとした。ガラ
ス基板409の、電子源基板401と対向する面には、
蛍光膜410が配置される。蛍光膜410は、感光性樹
脂に蛍光体を混ぜてスラリー状とし、塗布乾燥後にホト
リソグラフィ法によりパターニング形成したもので、素
子電極402,403の電極間隔部に対応した位置に形
成されている。蛍光膜410上には、メタルバック41
1が形成される。メタルバック411は、蛍光膜410
上にフィルミング工程を施した後、真空蒸着によって厚
み約300オングストロームのAl薄膜を成膜し、これ
を焼成してフィルム層を焼失することによって得られ
る。以上の、ガラス基板409上に蛍光膜410及びメ
タルバック411を形成したものを、フェースプレート
と呼ぶ。
【0097】電子源基板401とフェースプレートとの
間には、グリッド電極413が配置される。以上の各構
成を真空容器の中に配置した後、メッキ配線407,4
08間に電圧を印加して薄膜404の通電処理を行い、
電子放出部412を得た。その後、メタルバック411
をアノード電極として電子の引出し電圧3kVを印加
し、メッキ配線407,408間を通して素子電極40
2,403から電子放出部412へ14Vの電圧を印加
したところ、電子放出部412から電子が放出された。
この放出電子をグリッド電極413の電圧を変化させる
ことによって変調し、蛍光膜410へ照射される電子放
出量を調整する。これにより、蛍光膜410の蛍光体を
任意に発光させることができた。ここで、図7では電子
放出素子は1つのみ示しているが、実際にはこれを面状
に複数配列することにより、画像を表示できた。
【0098】(実施例7)図8は、本発明の画像形成装
置の他の実施例の電子源基板を製造工程順に示した平面
図である。本実施例は、オフセット印刷によって作製し
た表面伝導型電子放出素子をマトリックス配線したもの
である。
【0099】図8において、501は下層印刷配線、5
02は下層印刷配線501に並列に配置された印刷パッ
ドであり、下層印刷配線501と同一工程で印刷金属ペ
ーストの焼成によって形成される。503は印刷ガラス
ペーストの焼成によって、下層印刷配線501に対して
直交して形成された短冊状の絶縁層であり、印刷パッド
502との交差中央部でコンタクトホール504の開口
を有している。505は上層印刷配線であり、後述する
メッキ配線506の下層となるため電子源基板の完成後
は露出していない。上層印刷配線505は、印刷金属ペ
ーストの焼成によって絶縁層503に短冊状に形成さ
れ、コンタクトホール504によって印刷パッド502
と電気的に接続している。507,508は素子電極で
あり、レジネートペーストインキのオフセット印刷、焼
成によって形成され、下層印刷配線501と印刷パッド
502とに各々接続している。素子電極507,508
は、相互の隣接部で、電極間隔30μm、電極幅200
μmの形状を構成している。510は、電子放出材であ
るPd微粒子からなる薄膜であり、素子電極507,5
08をつないで形成される。509はこの電極間隔部の
薄膜部位を示しており、電子放出部となる部分である。
メッキ配線506は、メッキ法によって上層印刷配線5
05上に短冊状に形成される、厚み約100μmの金属
配線である。
【0100】以下、図8に示した電子源基板の製造工程
について説明する。
【0101】まず、よく洗浄した青板ガラスからなる基
板上に、レジネートペーストインキのオフセット印刷、
焼成によって厚み1000オングストロームのPtから
なる素子電極507,508をパターン形成した(図8
(a))。
【0102】次に、Agペーストインキをスクリーン印
刷し、焼成して幅300μm、厚み7μmの下層印刷配
線501及び印刷パッド502を形成した。このとき、
下層印刷配線501及び印刷パッド502は、素子電極
507,508と各々電気的に接続される(図8
(b))。
【0103】次に、ガラスペーストインキをスクリーン
印刷し、焼成して、幅500μm、厚み約20μmの絶
縁層503と、開口寸法が約100μm角のコンタクト
ホール504を形成した(図8(c))。
【0104】さらに、絶縁層503上にAgペーストイ
ンキをスクリーン印刷し、焼成して幅300μm、厚み
10μmの上層印刷配線505を形成した。このとき、
コンタクトホール504を通じて上層印刷配線505と
印刷パッド502とが導通する。また、後工程のメッキ
配線形成によって、コンタクトホールでの十分なステッ
プカバーが実現される(図8(d))。
【0105】次に、薄膜510を配置したくない部分に
スパッタ法によりCr膜を成膜した後、ホトリソエッチ
ング法によってCrパターンを作製する。その後、有機
パラジウム溶液(奥野製薬(株)、キャタペーストCC
P4230)を塗布、焼成してPd微粒子膜を得る。さ
らに、Crパターンをリバースエッチして薄膜510を
素子電極507,508と電極間隔部にパターニング形
成する(図8(e))。
【0106】次に、上層印刷配線505を露出させた形
にメッキレジストをホトリソグラフィ法により形成し、
上層印刷配線505に通電してこの部分に厚み100μ
mのCuの電解メッキよりなるメッキ配線506を形成
する。そして、メッキレジストを剥離することによっ
て、電子源基板が製造される(図8(f))。このと
き、コンタクトホール504の部分においてCuメッキ
膜は十分にコンタクトホール504内にも堆積成長し
て、印刷パッド502と上層印刷配線505とは十分な
電気的導通が得られた。
【0107】上記の工程により、40cmの角基板上に
350行×350列の電子放出素子がマトリックス状に
形成された電子源基板を、R、G、Bに対応する各蛍光
体を有するフェースプレートとともに真空容器内に配置
した。この後、電子放出素子の通電処理を行った後、本
電子源基板の上層印刷配線505には14Vの任意の電
圧信号を、下層印刷配線501には0Vの電位を順次印
加走査し、素例外の下層印刷配線は7Vの電位とした。
フェースプレートのメタルバックに3kVのアノード電
圧を印加したところ、任意の画像を表示することができ
た。このときの電子放出素子と蛍光体の位置ずれによっ
て生ずる蛍光輝点のクロストークはなかった。また、メ
ッキ配線506の配線抵抗は基板両端部間で約0.5Ω
程度と小さくでき、駆動信号の電圧降下や遅延が大幅に
改善される。
【0108】上述した工程では、印刷配線の印刷焼成前
に素子電極507,508を作製する。しかし、この素
子電極507,508は、印刷焼成工程を一度経ている
ため、同様な印刷配線焼成では素子電極507,508
の熱ダメージは発生しなかった。また、下層印刷配線5
01と印刷パッド502は基板上の同一形成層であり、
素子電極507,508とのコンタクトは素子電極50
7,508が段差のない基板上で形成されて下層印刷配
線501と印刷パッド502に接続するため、途中で断
線することはなかった。
【0109】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明のオフセット
印刷方法は、ブランケット表面へのインキの受理の際に
は、印刷版の表面とブランケットの表面との接触をスリ
ップなく行い、ブランケットの表面に受理されたインキ
をワークの表面に転移させる際は、ブランケットの表面
とワークの表面との接触をスリップさせながら行うこと
により、ガラスのようなインキの吸収がなく、かつ、ブ
ランケットに対する摺動摩擦抵抗が小さいワークであっ
ても、印刷版のインキパターンに対して変形のない印刷
パターンをワーク上に形成することができる。
【0110】また、本発明のオフセット印刷装置は、移
動手段により、インキの受理の際には印刷版とブランケ
ットラバーとの間のスリップをなくす一方、インキの転
移の際にはブランケットラバーとワークとの間にスリッ
プを生じさせるので、本発明のオフセット印刷方法の実
施に適している。
【0111】本発明の画像形成装置は、絶縁性基板上に
形成される電極を上記本発明のオフセット印刷方法によ
って形成することにより、微細なパターンの電極も再現
性よく形成できるので、より高精細な画像を表示する画
像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフセット印刷装置の実施例1の平面
図である。
【図2】本発明のオフセット印刷装置の実施例2の平面
図である。
【図3】図2に示したオフセット印刷装置の側面図であ
る。
【図4】本発明のオフセット印刷装置の実施例3の平面
図である。
【図5】本発明のオフセット印刷装置の実施例4の平面
図である。
【図6】本発明のオフセット印刷装置の実施例5の平面
図である。
【図7】本発明の画像形成装置の断面の一部を示す図で
ある。
【図8】本発明の画像形成装置の他の実施例の電子源基
板を製造工程順に示した平面図である。
【図9】凹版またはワークでのマイクロスリップの有無
によるパターン形状の違いを示す図である。
【図10】従来の平台校正機型オフセット印刷装置の平
面図である。
【図11】図10に示したオフセット印刷装置による印
刷工程を説明するための図である。
【図12】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成
を模式的に示す平面図である。
【図13】素子電極間に電子を放出させる微粒子を分散
配置した表面伝導型電子放出素子の構成を模式的に示す
平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1,41,71,81 本体フレーム 2,3 第1のラック 4,5 第2のラック 6,7,51,52 第1のギア 8,9,53,54 第2のギア 10 印刷版定盤 11,48 ワーク定盤 12,50,76,83,93 ブランケット胴 13,14,58,59 キャリッジ 17,60 ブランケットラバー 19 インキ定盤 20,21 インキローラ 22,63,78 ドクターブレード 26,73 凹版 27,49,74,88,92 ガラス基板 28,29 ベアラ 30,31 レール 42,82,91 ワークステージ 43,44 リニアガイド 45 ボールねじ 46,47 ラック 55,84,94 円筒凹版 56,57 第3のギア 72 ステージ 73,85,98 ステージモータ 77,86,97 ブランケットモータ 87 凹版モータ 95,96 ギア 401 電子源基板 402,403,507,508 素子電極 404,510 薄膜 405,406 印刷配線 407,408,506 メッキ配線 409 ガラス基板 410 蛍光膜 411 メタルバック 412 電子放出部 501 下層印刷配線 502 印刷パッド 503 絶縁層 504 コンタクトホール 505 上層印刷配線 413 グリッド電極

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷版とブランケットとを接触させて前
    記印刷版上に配置されたインキを前記ブランケットの表
    面に受理した後、前記ブランケットとワークとを接触さ
    せて前記受理したインキを前記ワークの表面に転移させ
    ることによって、前記ワークに印刷パターンを形成する
    オフセット印刷方法において、 前記印刷版と前記ブランケットとの接触を、前記印刷版
    の表面と前記ブランケットの表面との間でスリップさせ
    ずに行い、 前記ブランケットと前記ワークとの接触を、前記ブラン
    ケットの表面と前記ワークの表面との間でスリップさせ
    ながら行うことを特徴とするオフセット印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記印刷版上に配置するインキのパター
    ンを、前記ブランケットの表面と前記ワークの表面との
    間のスリップ量に応じて、予めリサイズしておく請求項
    1に記載のオフセット印刷方法。
  3. 【請求項3】 表面にインキが配置される印刷版と、前
    記印刷版に接触して前記印刷版の表面のインキを受理し
    た後、ワークに接触して前記受理したインキを前記ワー
    クの表面に転移させるために、表面にブランケットラバ
    ーが巻かれたブランケット胴とを有するオフセット印刷
    装置において、 インキの受理の際には、前記印刷版の表面と前記ブラン
    ケットラバーの表面との間にスリップを生じさせずに前
    記印刷版と前記ブランケット胴とを相対的に駆動させ、
    かつ、インキの転移の際には、前記ブランケットラバー
    の表面と前記ワークの表面との間にスリップを生じさせ
    ながら前記ブランケット胴と前記ワークとを相対的に駆
    動させる駆動手段を有することを特徴とするオフセット
    印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記印刷版及び前記ワークは平板上に直
    列に配置され、前記平板と前記ブランケット胴とを相対
    的に移動させることで、インクの受理及び転移が行われ
    る請求項3に記載のオフセット印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記平板は本体フレームであり、 前記駆動手段は、前記ブランケット胴の回転軸にそれぞ
    れ固定された、前記ブランケットラバーの外径とピッチ
    円の大きさが等しい第1のギア及び前記第1のギアより
    もピッチ円の大きさが小さい第2のギアと、前記本体フ
    レーム上にそれぞれ配置された、前記ブランケット胴が
    前記印刷版上を移動する位置において前記第1のギアと
    噛み合う第1のラック及び前記ブランケット胴が前記ワ
    ーク上を移動する位置において前記第2のギアと噛み合
    う第2のギアとを有する請求項4に記載のオフセット印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 前記平板は直線移動可能なステージであ
    り、 前記駆動手段は、それぞれ回転速度が個別に制御可能
    な、前記ステージを移動させるためのステージモータ及
    び前記ブランケット胴を回転させるためのブランケット
    モータを有する請求項4に記載のオフセット印刷装置。
  7. 【請求項7】 前記印刷版は回転可能に設けられた円筒
    形の版であるとともに、前記ワークが直線移動可能なス
    テージ上に配置され、前記印刷版と前記ブランケット胴
    との回転によりインクの受理が行われ、前記ステージの
    移動によりインクの転移が行われる請求項3に記載のオ
    フセット印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記移動手段は、前記ステージを移動さ
    せるためのモータと、前記ブランケット胴の回転軸にそ
    れぞれ固定された、前記ブランケットラバーの外形とピ
    ッチ円の大きさが等しい第1のギア及び前記第1のギア
    よりもピッチ円の大きさが小さい第2のギアと、前記印
    刷版の回転軸に固定されて前記第1のギアと噛み合う、
    前記第1のギアとピッチ円が等しい第3のギアと、前記
    ステージ上に配置されて前記第2のギアと噛み合うラッ
    クとを有する請求項7に記載のオフセット印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記移動手段は、それぞれ回転速度が個
    別に制御可能な、前記ステージを移動させるためのステ
    ージモータと、前記ブランケット胴を回転させるための
    ブランケットモータと、前記印刷版を回転させるための
    印刷版モータとを有する請求項7に記載のオフセット印
    刷装置。
  10. 【請求項10】 前記移動手段は、前記ステージを移動
    させるためのステージモータと、前記ブランケット胴ま
    たは前記印刷版を回転させるためのモータと、前記ブラ
    ンケット胴の回転軸及び前記印刷版の回転軸にそれぞれ
    固定されて互いに噛み合い、ピッチ円の大きさが等しい
    ギアとを有し、 前記ステージモータ及び前記モータはそれぞれ回転速度
    が個別に制御可能である請求項7に記載のオフセット印
    刷装置。
  11. 【請求項11】 前記印刷版は、配置されたインキのパ
    ターンが、前記ブランケットラバーの表面と前記ワーク
    の表面との間のスリップ量に応じてリサイズされている
    請求項3ないし10のいずれか1項に記載のオフセット
    印刷装置。
  12. 【請求項12】 一対の電極間に電圧を印加することで
    電子を放出する電子放出素子が複数個形成された絶縁性
    基板と、前記絶縁性基板に対向配置され、電子の照射に
    より発光する蛍光体とを有する画像形成装置において、 前記電極が、請求項1または2に記載のオフセット印刷
    方法によって、前記電極を構成する材料からなるインキ
    を前記絶縁性基板にオフセット印刷して形成されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記絶縁性基板はガラス基板である請
    求項12に記載の画像形成装置。
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