JPH09300586A - オフセット印刷装置、それに用いるブランケット、それらを用いたオフセット印刷方法及びそれらを用いた画像形成装置の製造方法 - Google Patents

オフセット印刷装置、それに用いるブランケット、それらを用いたオフセット印刷方法及びそれらを用いた画像形成装置の製造方法

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JPH09300586A
JPH09300586A JP11891396A JP11891396A JPH09300586A JP H09300586 A JPH09300586 A JP H09300586A JP 11891396 A JP11891396 A JP 11891396A JP 11891396 A JP11891396 A JP 11891396A JP H09300586 A JPH09300586 A JP H09300586A
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Yasuo Mukai
康雄 向井
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅方向及び印刷方向に位置ずれのないオフセ
ット印刷装置、該印刷装置に用いる周辺部まで均一な形
状で印刷が可能なブランケット、発塵なく印刷の繰返し
により延びのないブランケット及びそれらを用いたオフ
セット印刷方法を提供する。 【解決手段】 印刷版よりインキパターンを受理したブ
ランケットと被印刷物が接触することにより該インキパ
ターンを被印刷物へ転移するオフセット印刷装置におい
て、該接触時における該ブランケットの中心軸と平行方
向の印刷版及び被印刷物の長さが該印刷版及び被印刷物
と該ブランケットとの接触領域の長手方向の長さ長さよ
りも長いこと及びインクの受理・転移に利用される中心
部分は平坦でその左右幅方向は外側に向けてテーパー状
に徐々に肉厚が薄くなり、かつその開始点が版および被
印刷物の左右端面に対応する部分より内側にあることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷版に形成された
原版パターンを被印刷物の上に高精度に転写印刷形成す
る際に使用するオフセット印刷装置、それに用いるブラ
ンケット、それらを用いたオフセット印刷方法及びそれ
らを用いた画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来オフセット印刷はグラフィックス印
刷用として主に多く用いられている。また近年、電子機
器への応用として記録用サーマルヘッドの電極や液晶表
示装置のカラーフィルター等を作製するための技術開発
が成されている。
【0003】図6は平台校正機型オフセット印刷装置を
示す図である。本図において101はインキローラー1
04でインキ107を展開するインキ練り台であり、1
02は凹版105を固定する版定盤である。また103
は被印刷物であるワーク106を固定するワーク定盤で
あり本体フレーム108の上に固定配置されている。こ
の一列に並んだ3つの定盤の両側に2本のラックギヤー
109、110を配置し、そのラックギヤー109、1
10の上にギヤー111、112を噛み合わせたブラン
ケット113が配置されている。ブランケット113は
その軸を両端のキャリッジ114、115で固定され、
このキャリッジ114、115が本体下部からのクラン
クアーム116のクランク動作によって前後進し、ブラ
ンケット113はインキ練り台101、凹版(印刷版)
105、ワーク(被印刷物)106の上を順次回転摺動
する。ブランケット113の表面はゴム状のブランケッ
トラバーが取付けてある。
【0004】図14(a)〜(d)はオフセット印刷工
程を示す図である。本図に於て141はインキ練り台、
145は凹版、146はワークとなるガラス基板であり
同一平面に直列に配置されている。144はインキロー
ルでありインキ練り台141上で練ったインキ147を
凹版145上に転移させる(図14(a))。148は
ブレードであり凹版145上面を摺動して転移したイン
キ147のうち、凹部に充填されたインキ以外をかきと
る(図14(b))。149はブランケットであり凹版
145、ガラス基板146上面を順に回転接触すること
により、凹版145の凹部に充填されたインキを受理し
(図14(c))、ガラス基板146上に凹版145の
有するパターン状にインキ147を転移する(図14
(d))。以上により印刷工程が終了する。印刷インキ
147は作製するパターンの機能によって適宜選択する
ことができる。即ち記録用サーマルヘッド等の電極には
主にAuレジネートペーストと呼ばれる有機Au金属か
ら成るインキを用い、また、カラーフィルターであれば
R、G、B各色の顔料を分散したインキや有機色素を含
んだインキ等が用いられる。
【0005】また従来、平面型表示装置を実現する表示
装置としては、液晶表示装置(LCD)、プラズマディ
スプレイ(PDP)、低速電子線蛍光表示管(VF
D)、マルチ電子源フラットCRT等の平面型表示装置
技術がある。
【0006】これらの表示装置の例として、マルチ電子
源を用い蛍光体を発光させる発光素子及びこれを用いた
平面型表示装置について説明する。
【0007】従来より電子源としての電子放出素子には
大別して熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた
2種類のものが知られている。冷陰極電子放出素子には
電界放出型(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁
層/金属型(以下、「MIM型」という。)や表面伝導
型電子放出素子等がある。FE型の例としてはW.P.
Dyke & W.W.Doran”Field Em
ission”,Advance in Electr
on Physics,8,89(1956)あるいは
C.A.Spindt”Physical Prope
rties of thin−film field
emission cathodeswith mol
ybdenium cones”,J.Appl.Ph
ys.,47,5248(1976)等に開示されたも
のが知られている。
【0008】MIM型ではC.A.Mead,”Ope
ration of Tunnel−Emission
Devices”,J.Appl.Phys.,3
2,646(1961)等に開示されたものが知られて
いる。
【0009】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson,Radio Eng.Ele
ctron Phys.,10,1290(1965)
等に開示されたものがある。
【0010】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子と
しては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いた
もの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:Th
in Solid Films,9,317(197
2)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M.H
artwell andC.G.Fonstad:IE
EE Trans.ED Conf.,519(197
5)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、
第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告され
ている。
【0011】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図8に
模式的に示す。同図において201は基板である。20
4は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形
成された金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォー
ミングと呼ばれる通電処理により電子放出部205が形
成される。尚、図中の素子電極間隔Lは0.5〜1m
m、W’は0.1mmで設定されている。
【0012】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜204をあら
かじめ通電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電
子放出部205を形成するのが一般的であった。即ち、
通電フォーミングとは前記導電性薄膜204両端に直流
電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電
し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部205を形
成することである。尚、電子放出部205は導電性薄膜
204の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出
が行われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導
型電子放出素子は、上述導電性薄膜204に電圧を印加
し、素子に電流を流すことにより上述の電子放出部20
5より電子を放出せしめるものである。
【0013】上述の表面伝導型放出素子は構造が単純で
製造も容易であることから、大面積にわたって多数素子
を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を活かし
た荷電ビーム源、表示装置等の応用研究がなされてい
る。多数の表面伝導型放出素子を配列形成した例として
は、後述する様に梯型配置と呼ぶ並列に表面伝導型電子
放出素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配線
とも呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した電
子源があげられる。(例えば、特開昭64−03133
2、特開平1−283749、2−257552等)ま
た、特に表示装置等の画像形成装置においては、近年、
液晶を用いた平板型表示装置がCRTに替わって普及し
てきたが、自発光型でないためバックライトを持たなけ
ればならない等の問題点があり、自発光型の表示装置の
開発が望まれてきた。自発光型表示装置としては表面伝
導型放出素子を多数配置した電子源と電子源より放出さ
れた電子によって、可視光を発光せしめる蛍光体とを組
み合わせた表示装置である画像形成装置があげられる。
(例えば、USP5066883)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の表面伝
導型電子放出素子を複数個配列形成するためにフォトリ
ソグラフィー技術を用いていたが、より大面積に表面伝
導型電子放出素子を形成するにはコスト的、装置的に難
しい点が多い。
【0015】そこで、上記素子の素子電極部分をオフセ
ット印刷法を用いて作製することが考えられる。
【0016】しかしながら、以上説明したような画像形
成装置の表面伝導形電子放出素子の一対の素子電極を従
来のオフセット印刷装置を用いて形成した場合には、以
下に述べるような問題点が存在する場合があった。
【0017】図9(b)に一対の素子電極の形状を示す
が、長方形の片側素子電極17−1および17−2が平
行な素子電極間隔18を隔て存在するのが望ましい。ま
た図9(a)に示すように、実際の画像形成装置におい
ては、被印刷物たるガラス基板15上に、画像表示部1
6が存在し、この領域内に一対の素子電極17が多数個
規則正しく並んでいる。この画像形成装置が全面にわた
って均一に点灯するためには、多数個存在する一対の素
子電極17の全てが均一な形状で印刷されている必要が
ある。
【0018】しかしながら従来のオフセット印刷装置を
用いて単純に一対の素子電極17を印刷形成した場合、
画像表示部16の中心部付近では図9(b)の理想的形
状に近い形で印刷されるが、周辺部付近では形状に乱れ
が生じる場合があった。特に左右周辺付近即ちブランケ
ット幅方向左右端付近では、図9(c)に示したよう
に、本来長方形であるべき片側素子電極17−1および
17−2に太りが生じ、電極間隔18が狭くなり平行度
が損なわれ、ひどい場合は左右の片側素子電極17−1
および17−2が短絡し機能しなくなる(図9(c)右
図)。また画像表示部16の下端部付近即ちブランケッ
トの進入箇所周辺では、図9(d)に示すように、印刷
方向に大きな変形を生じる。上記のような素子電極の変
形は、画像形成装置においては、輝度むらを生じ、ひど
い場合は特定の画素が点灯せず、大きな問題となる。
【0019】印刷物外周付近のパターンの形状変形の発
生理由は、図15(b)に示すように、印刷中ブランケ
ット153と版及び被印刷物154との接触領域おい
て、版および被印刷物154にブランケット(胴)15
3からの押圧がかかった場合、ブランケット表面のゴム
層(粘弾性体)156が変形し、中心部のゴム厚が外周
部へ逃げ、外周付近の印圧が中心部に比べ大きくなるた
めである。図15(c)には、この時のニップ幅155
(接触領域)を示してある。このように外周付近は大き
な圧力を受けるため、パターンの形状変形が大きくな
る。また、印刷方向の周辺付近即ちブランケットの進入
・離脱付近においても、ブランケットゴム層の局所的変
形により印圧が高くなるため、パターンの形状変形が大
きくなることによるものである。
【0020】また前記のオフセット印刷に使用するブラ
ンケット表面の構造は図3(a)に示す様に、数層の織
布203とスポンジ204からなる基布202に表面ゴ
ム201が接着されているのが一般的であり、このブラ
ンケットをオフセット印刷機のブランケット胴に張力を
加えて巻き上げて使用する。しかしながら、印刷時には
ブランケットは印圧を受けた状態で回転するために、ブ
ランケットの基布裏面とブランケット胴表面間で摩擦が
発生し発塵が起こる。また、ブランケットの側面からは
基布の繊維が離脱することがある。このため、この様な
従来の一般的構造のブランケットを使用して、画像形成
装置の電極パターンやカラーフィルターを印刷すると、
ブランケット表面の他、版や被印刷物にも、基布から発
生する繊維ゴミが付着し、歩留りが大きく低下するとい
う問題が生じる。最近では、この繊維ゴミ発生を回避す
るために、図3(b)に示す様な構造のブランケット、
即ち布素材を一切使用せず、スポンジ204の上に強度
増のためのフィルム205を接着し、この上に表面ゴム
201を接着した構造のブランケットが登場している。
しかしながら、確かに発塵による歩留り低下を改善する
には大きな効果があるが、新たな問題として、印刷回数
を重ねると経時的に位置精度が悪化する現象が起こる。
これは、ブランケットを構成する素材が、ゴム−フィル
ム−スポンジという合成高分子のみであるため、張力を
加えると経時的に永久延びが発生し張力が低下し、ブラ
ンケットがゆるむことに起因する。
【0021】画像形成装置の電極パターンやカラーフィ
ルターには、20μm以下の高精度の絶対位置精度が必
須なため、ブランケットには、経時的な張力低下(延
び)および、歩留りの観点から発塵は許されない。
【0022】更に、以上に説明した画像形成装置の表面
伝導型電子放出素子の一対の素子電極の集合体をオフセ
ット印刷法を用いて形成するには以下のような問題が存
在する場合があった。
【0023】(1)高精度に設計されたオフセット印刷
装置においても、版、ワークに接触摺動するブランケッ
ト胴の直進走行のメカ的繰り返し誤差精度は20ミクロ
ン程度発生する。この直進走行誤差20ミクロンでブラ
ンケット胴が蛇行し印刷進行したとすると、ブランケッ
ト表面と版の摺動接触位置関係とワークの摺動接触位置
関係がずれてしまう。この時、印刷されたパターンはブ
ランケットの蛇行に従って、印刷位置の変形が生じる。
ブランケット胴の蛇行は直進走行誤差精度内でブランケ
ット胴に外から加わる力の変化によって発生する。
【0024】(2)上記に加え、オフセット印刷装置の
ブランケット胴には、版や被印刷物(ガラス基板等)か
ら受けるブランケットの圧縮応力が数百kgfもかかり
ながら印刷が行なわれるため、版や被印刷物の幅方向両
端面にブランケットが喰い込み、ブランケット胴は端部
に倣いながら走行しようとする。このため、印刷物には
版や被印刷物の端面精度に応じた蛇行が発生する。
【0025】(3)また、ブランケットは版や被印刷物
に進入・離脱する際は、版や被印刷物の印刷方向両端面
により局所的に変形を受けるため、印刷方向両端面近傍
では印刷物に伸縮が発生する。
【0026】以上問題点を列挙したが、画像形成装置を
製造する上では、配線の接続、バックプレートとフェー
スプレートの合せ等の関係から素子電極のオフセット印
刷に関しては位置ずれをできるだけ抑えることが望まれ
る。印刷パターンの位置ずれを最小にするためには、高
精度に設計されたオフセット印刷装置を使用した上で、
前記問題点(2)(3)を解決する必要がある。
【0027】従って上述したように、本発明の第1の発
明の目的は中心部のみならず周辺部までも均一な印刷が
可能であり、輝度むらを大幅に低減できるブランケット
及び該ブランケットを装着したオフセット印刷装置を提
供しようとするものである。
【0028】また本発明の第2の発明の目的は発塵がな
く印刷を繰返しても延びの発生のないブランケット及び
該ブランケットを装着してなるオフセット印刷装置を提
供しようとするものである。
【0029】更に本発明の第3の発明の目的は幅方向の
位置ずれ等がなく高精度の印刷ができ、輝度むら、クロ
ストークを大幅に低減できるオフセット印刷法及び画像
形成装置を提供しようとするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0031】すなわち、本発明は印刷版とブランケット
が接触することにより、該印刷版から該ブランケットが
該印刷版に形成されたインキパターンを受理し、該イン
キパターンを受理したブランケットと被印刷物が接触す
ることにより該インキパターンを被印刷物へ転移するオ
フセット印刷装置において、該接触時における該ブラン
ケットの中心軸と平行方向の該印刷版および該被印刷物
の長さが、該印刷版および該被印刷物と該ブランケット
との接触領域の長手方向の長さよりも、長いことを特徴
とするオフセット印刷装置を提案するものである。ま
た、本発明はインクの受理・転移に利用される中心部分
は平坦で、その左右幅方向は外側に向けてテーパー状に
徐々に肉厚が薄くなり、かつその開始点が、版および被
印刷物の左右端面に対応する部分より内側にあることを
特徴とするブランケット及びインクの受理・転移に利用
される中心部分は平坦で、印刷方向であるその前後は外
側に向けてテーパー状に徐々に肉厚が薄くなり、かつそ
の開始点が、版および被印刷物の前後端面に対応する部
分より内側にあることを特徴とするブランケットを提案
するものであり、前記のテーパー形状の傾きが、中心部
分の平坦面である印刷基準面に対して、1/100以上
1/0.2以下であることを含む。
【0032】また本発明は、織布を用いた基布構造を有
するブランケットにおいて、布面が外面に露出しない構
造であることを特徴とするブランケットを提案するもの
であり、前記ブランケットが、裏面及び側面の布面を樹
脂フィルムでラミネートした構造であること、前記ブラ
ンケットが、裏面及び側面の布面に樹脂溶液を含浸させ
乾燥又は硬化させた構造であることを含む。
【0033】また本発明は、前記のブランケットを装着
したことを特徴とするオフセット印刷装置、前記ブラン
ケット及びオフセット印刷装置を用いたことを特徴とす
るオフセット印刷方法及び版および被印刷物に接触する
部分の横幅が、版および被印刷物の横幅より短いブラン
ケットを使用し、かつブランケットが版および被印刷物
の幅方向両端に接触しないことを特徴とするオフセット
印刷法及び版および被印刷物に接触する部分の縦幅であ
る周長が、版および被印刷物の縦幅である印刷方向の幅
より短いブランケットを使用し、かつブランケットが版
および被印刷物の印刷方向両端に接触しないことを特徴
とするオフセット印刷法を提案するものである。
【0034】更に本発明は、前記のブランケット、オフ
セット印刷装置及び印刷方法を用いたことを特徴とする
画像形成装置の製造方法を提案するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面を参照して説明
する。
【0036】図1(a)は本発明の一例を示すブランケ
ットの上面図及びブランケットの横断面図及び縦断面図
である。図1(b)はブランケット側面図であり、図1
(c)はニップ幅(ブランケットと版及び被印刷物との
接触領域)の状態を示す図である。
【0037】本発明のブランケットは、図1(a)に示
すように、インクの受理・転移に使用される中心部1に
比べ、外周部2を徐々に薄くしたテーパー形状のブラン
ケットをオフセット印刷機に装着する。この場合、図1
(b)に示すように印刷中に版および被印刷物4にブラ
ンケットからの押圧が加わった場合、ブランケットゴム
層は変形し中心部のゴム厚が外周部へ逃げるが、外周部
はあらかじめテーパー形状で薄くなっているため、この
部分で押圧時に中心部から移動してきた余分なゴム厚を
吸収することができる。よって、中心部も外周部にも均
一な印圧がかかり、図1(c)に示すようにニップ幅5
も均一である。また本発明では、印刷方向についても、
外周部付近がテーパー形状に薄くなっているため、版や
被印刷物にブランケットが進入・離脱する際のブランケ
ットゴムの局所的変形も極めて小さい。つまり、印刷物
外周付近も中心部付近と同様に、パターンの形状変形が
ほとんどない良好な印刷が可能となる。
【0038】なお、上記のテーパー形状の傾き及び範囲
をどの程度に設定するかは、印刷時のブランケットの押
圧量(印圧)、印刷速度、およびブランケットゴムのポ
アソン比等によって異なるが、印刷基準面(ブランケッ
ト平坦面)に対してテーパー形状の傾き(厚み変位/範
囲)が1/100以上1/0.2以下のときがおおむね
良好である。
【0039】以上説明したような本発明のオフセット印
刷装置およびオフセット印刷法を用い、画像形成装置の
表面伝導形電子放出素子の素子電極を印刷形成した場
合、画像表示部全域にわたって均一でかつ理想形状に近
い素子電極が得られるため、全画素の均一性に優れた性
能の良い画像形成装置の製造が可能となる。
【0040】図2(a)は本発明のブランケットの別の
例を示す部分断面図であり、図2(b)は本発明のブラ
ンケットのさらに他の例を示す部分断面図である。
【0041】本発明のブランケットは布面が外面に露出
しないシール構造のブランケットとしたもので、第1番
目の方法として、図2(a)の様に、ブランケット裏面
及び側面に樹脂フィルム8をラミネートする。この際、
基布7の裏面及び側面まで完全に被覆することが重要で
あり、表面ゴム6の印圧を受けない外周部分が同時に被
覆されていてもさしつかえない。樹脂フィルム8は、布
面にラミネート可能なものであれば何れでも使用可能で
あるが、柔軟性のあるEVA、EPDM等が好ましい。
第2番目の方法として、図2(b)の様に、ブランケッ
ト裏面及び側面に、樹脂溶液を含浸させ乾燥又は硬化さ
せ、樹脂乾燥又は硬化層9を形成させる。樹脂溶液とし
ては、種類に制限はないが、この場合も、乾燥又は硬化
後の柔軟性を考慮すると、フェノール樹脂やポリスチレ
ン等の硬いものよりは、ニトリルゴムやイソプレンゴム
等の軟らかいものの方が好ましい。樹脂含浸された裏面
及び側面の布面の繊維は、樹脂分がバインダーとして働
くため、印刷中にブランケットより離脱し繊維くずとな
ることは決してない。以上述べたように第1番目の樹脂
フィルムラミネート、第2番目の樹脂溶液含浸のどちら
の方法を用いても、織布を用いた基布構造を有するブラ
ンケットからの繊維の離脱、発塵は起こらない。また、
織布を用いた基布構造のため、経時的な張力低下(延
び)も非常に少ない。
【0042】従って、本発明のブランケットを装着した
オフセット印刷装置を使用して画像形成装置の電極パタ
ーンやカラーフィルターを印刷形成した場合、印刷回数
を重ねても安定した高位置精度が得られ、かつ発塵によ
る歩留り低下も最小限に留めることが可能となる。
【0043】さらに、本発明は版や被印刷物のサイズよ
りも横も縦も小さいブランケットを装着し、ブランケッ
トが版や被印刷物の各端面には接触せず、内面のみで接
触するオフセット印刷法を使用して素子電極を印刷する
ようにしたものである。図4はブランケットの幅長、周
長と凹版及びワーク(被印刷物)の関係を示した模式図
である。
【0044】図5において上図のブランケット胴11の
表面に装着されたブランケット10が中図、下図の版1
2および被印刷物14の上を横断する軌跡を10’(斜
線部)で示した。また13は版上のパターン部分で、1
3’(格子線部)は被印刷物上に印刷されたパターン部
分である。図4は、図5と同じ番号を用いて、本発明の
特徴を表記した模式図である。図4、図5より明らかな
様に、従来のオフセット印刷法では、ブランケット10
は版12および被印刷物14の4辺の端に当って走行す
るが、本発明のオフセット印刷法では、ブランケット1
0は版12および被印刷物14上で必要なパターン部分
には接触するものの、端面には一切接触しない。このた
め、図4、図5の最下部に示した様に、従来のオフセッ
ト印刷法では、ブランケット10が版12および被印刷
物14の幅方向端面に喰い込みながら走行するため、端
面精度に応じた蛇行を生じるが、本発明のオフセット印
刷法では、ブランケット端面が版12および被印刷物1
4の内面にあり自由端となっているため蛇行の発生はほ
とんどない。また、図示はしていないが、従来のオフセ
ット印刷法では、版および被印刷物に対しブランケット
が進入・離脱する際、印刷方向端面から力を受け、ブラ
ンケットの局所的変形が起こり印刷部位の端面近傍では
伸縮が発生してしまうが、本発明のオフセット印刷法で
は、ブランケットが端面に当らないためこの伸縮も発生
しない。
【0045】以上説明した様な本発明のオフセット印刷
装置およびオフセット印刷法を用い、画像形成装置の表
面伝導型電子放出素子の素子電極を印刷形成した。この
場合、印刷位置ずれは画面内全域に渡ってオフセット印
刷装置の版、ワークに接触摺動するブランケット胴の直
進走行のメカ的繰り返し誤差精度以内しか生じない。こ
のため、結果的に、高精度かつ高精細な画像形成装置の
製造が可能となる。
【0046】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0047】実施例1 図6に示す平台校正機形のオフセット印刷装置を用意
し、ブランケット胴の表面に幅380mm×長さ320
mm×厚み2.0mmのブランケットを貼り付けた。
【0048】但し、このブランケットの厚みは、外周部
4辺の各々端から20mmの範囲で1/20の傾斜角を
もちながら外周部にいくにしたがって薄くなっている。
(端部厚みは1.0mmである。)また、使用した版は
外寸法360mm×300mmの金属製凹版で、中心部
260mm×200mmの範囲に240個×180個の
素子電極対を刻んであり、その深さは約8μmである。
また被印刷物として、版と同寸法の青板ガラスを使用
し、中心部に凹版上のパターンを印刷できるようにセッ
ティングした。なお、上記においてブランケット、版、
印刷物の中心は一致している。また、ブランケットの版
および被印刷物に対する押し込み量(印圧)は200μ
mとした。
【0049】以上によりガラス基板上に電子放出素子の
素子電極を印刷転写した。本実施例においてインキは有
機金属から成るPtレジネートペーストを用いている。
ガラス基板上に転移されたインキは約80℃の乾燥と約
580℃の焼成によってPtから成る素子電極として利
用できる。印刷乾燥後のガラス基板上のインキ転写厚み
は約2ミクロン程度と小さく印刷電極パターン幅の太り
は非常に小さかった。さらに、焼成後のPt電極厚みは
約400オングストロームと薄く形成することができ
た。ここで、素子電極の印刷形状としては導電性薄膜を
配置する素子電極間隔を有し、その寸法を約20ミクロ
ンに設定した。
【0050】以上のようにして形成した素子電極に対し
て素子を駆動するための配線と、PdO導電性薄膜を形
成することによって電子源基板を作製した。以下図を用
いて上記電子源基板を画像形成装置に適用したので、こ
れを説明する。
【0051】図10において、401は青板ガラスから
成る電子源基板。402、403、404は本発明によ
ってオフセット印刷形成された素子電極である。40
7、408、409はAgペーストインキのスクリーン
印刷、焼成で得られた厚み約7ミクロンの印刷配線であ
る。素子電極402、403、404は印刷配線40
7、408、409と各々接続してる。405、406
は有機金属溶液の塗布焼成で得られた厚み約200オン
グストロームのPdO微粒子から成る薄膜であり、素子
電極402、403、404及びその電極間隔部に配置
するようにCr薄膜のリバースエッチ法によってパター
ニングした。410、411、412はメッキ配線で、
印刷配線407、408、409上に厚み約50ミクロ
ン、幅400ミクロンのCuメッキによって形成した。
【0052】また415は青板ガラスから成るガラス基
板で、電子源基板401と5ミリメートル隔たれて対向
している。416、417は蛍光体で、基板415上に
配置されており、対向した電子源基板401上に配置さ
れた素子電極402、403、404から成る電極間隔
部に対応した位置に形成されている。蛍光体416、4
17は感光性樹脂を蛍光体を混ぜてスラリー状とし、塗
布乾燥した後ホトリソグラフィ法によってパターニング
形成したものである。418は蛍光体416、417上
にフィルミング行程を施した後、真空蒸着によって厚み
約300オングストロームのAl薄膜を成膜し、これを
焼成してフィルム層を焼失することによって得られたメ
タルバックである。以上の、蛍光体及びメタルバックを
ガラス基板415上に形成したものをフェースプレート
と呼ぶ。
【0053】419は素子基板とフェースプレート間に
配置されたグリッド電極である。以上を真空外囲器の中
に配置した後、メッキ配線410、411、412間に
電圧を印加して薄膜405、406の通電処理を行い電
子放出部413、414を得た。この後、電子の引き出
し電極であるメタルバック418に3kVを印加し、メ
ッキ配線410、411、412間を通して素子電極4
02、403から電子放出部413へ14Vの電圧を印
加したところ、電子が放出された。この放出電子をグリ
ッド419の電圧を変化させることによって変調し、蛍
光体416へ照射される放出電子量を調整することがで
きた。これにより蛍光体416を任意に発光させること
ができた。同様に素子電極403、404から電子放出
部414へ14Vの電圧を印加したところ、電子が放出
された。この放出電子をグリッド419の電圧を変化さ
せることによって変調し、蛍光体417へ照射される放
出電子量を調整することができた。これにより蛍光体4
17を任意に発光させることができた。
【0054】またこの時、素子電極の形状変形によって
生じる輝度むらおよび発光しない素子はほとんど発生し
なかった。
【0055】以上のことから、印刷形成された素子電極
402、403、404に短絡は存在せず、均一な形状
で印刷されていることがわかった。
【0056】実施例2 第1の実施例と同様な印刷方法、印刷装置によってガラ
ス基板上に電子放出素子の素子電極を印刷転写した。
【0057】図7(a)〜(f)にオフセット印刷によ
って作製した表面伝導形電子放出素子とマトリックス配
線を組み合わせた図を示す。
【0058】図7は本実施例の素子基板の製造行程を示
した上面図である。図7(f)において不図示の青板ガ
ラス基板上に対して、多数の電子放出素子をマトリック
ス状に配線と共に形成した例で示す。本図において50
1は下層印刷配線、502は下層印刷配線501に並列
した印刷パッドであり、下層印刷配線501と同一行程
で印刷金属ペーストの焼成によって形成される。503
は印刷ガラスペーストの焼成によって形成された下層印
刷配線に対して直交した短冊状の絶縁層であり、印刷パ
ッド502との交差中央部で504のコンタクトホール
の開口を有している。505は上層印刷配線であり、メ
ッキ配線506の下層となるため図面上は露出していな
い。上層印刷配線505は絶縁層503上の短冊状であ
り、コンタクトホール504によって印刷パッド502
と電気的に接続しており、印刷金属ペーストの焼成によ
って形成される。507、508は素子電極であり、下
層印刷配線501と印刷パッド502とに各々接続して
おり、レジネートペーストインキのオフセット印刷、焼
成によって形成される。素子電極507、508は相互
の隣接部で電極間隔20ミクロン、電極幅200ミクロ
ンの形状を構成している。509はPdO微粒子から成
る導電性薄膜であり素子電極507、508及び電極間
隔に配線形成される。510はこの電極間隔部の薄膜部
位を示しており、後述する電子放出部となる部分であ
る。506はメッキ配線であり上層印刷配線505上に
短冊状でメッキ法によって形成される厚み約100ミク
ロンの金属配線である。
【0059】以下本図(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)、(f)を用いて本素子基板の製造方法
を順に説明する。
【0060】まず、良く洗浄した青板ガラスから成る基
板上にレジネートペーストインキを用いて本発明に沿っ
たオフセット印刷を行い、焼成によって厚み約400オ
ングストロームのPt素子電極507、508をパター
ン形成した(図7(a))。
【0061】次にAgペーストインキをスクリーン印刷
し、焼成して幅300ミクロン、厚み7ミクロンの下層
印刷配線501及び印刷パッド502を形成した。この
時、配線501及び印刷パッド502は素子電極50
7、508と各々電気的に接続される(図7(b))。
【0062】次に、ガラスペーストインキをスクリーン
印刷し、焼成して幅500ミクロン厚み約20ミクロン
の絶縁層503と、開口寸法100ミクロン角のコンタ
クトホール504を形成した(図7(c))。
【0063】更に、絶縁層503上にAgペーストイン
キをスクリーン印刷し、焼成して幅300ミクロン厚み
10ミクロンの上層印刷配線505を形成した。この時
コンタクトホール504を通じて上層印刷配線505と
印刷パッド502は電気的に導通する。また、後工程の
メッキ配線形成によって、コンタクトホールでの充分な
ステップカバーが実現される(図7(d))。
【0064】次に導電性薄膜509を配置したくない部
分にスパッタ法によりCrを成膜した後、ホトリソエッ
チング法によってCrパターンを作製し、その後有機パ
ラジュウム溶液(奥野製薬(株)キャタペーストCCP
4230)を塗布、焼成してPdO微粒子膜を得る。更
に、Crパターンをリバースエッチして導電性薄膜50
9を素子電極507、508と電極間隔部にパターニン
グ形成する(図7(e))。
【0065】次に、上層印刷配線505を露出させた形
にメッキレジストをホトリソグラフィ法により形成し、
上層印刷配線505に通電してこの部分にCuの電解メ
ッキを厚み100ミクロン形成する。メッキレジストを
剥離することによって素子基板が製造される。この時、
コンタクトホール504部分においてCuメッキ膜は充
分にコンタクトホール504内にも堆積成長して、印刷
パッド502と上層印刷配線506とは充分な電気的導
通が得られた(図7(f))。
【0066】本素子基板を360mm×300mm角基
板上に、240個×180個の電子放出素子をマトリッ
クス状に配置してR、G、Bに対応する各蛍光体を有す
るフェースプレートと共に真空外囲器内に配置した。こ
の後、電子放出素子の通電処理を行った後、本素子基板
の上層印刷配線には14Vの任意の電圧信号を下層印刷
配線には0Vの電位を順次印加走査しそれ以外の下層印
刷配線は7Vの電位とした。フェースプレートのメタル
バックに3kVのアノード電圧を印加したところ、任意
の画像を表示することができた。
【0067】またこの時、画像表示部全体にわたり、素
子電極の形状変形によって生じる輝度むらおよび発光し
ない素子はほとんど発生しなかった。
【0068】以上のことから、印刷形成された素子電極
507、508に短絡は存在せず、全面均一な形状で印
刷されていることがわかる。
【0069】実施例3 図2(a)は本発明のブランケットを最もよく表す図画
であり、6はインクの受理・転移に使用される表面ゴ
ム、7はブランケットの強度を保つための基布、8は基
布7の裏面及び側面からの発塵を防止するための樹脂ラ
ミネートフィルムである。本実施例では、表面ゴム6に
はシリコンゴム0.35mm厚、基布7には織綿の3プ
ライ構造1.4mm厚、ラミネートフィルム8にはEV
A0.15mm厚の構造のブランケットを使用した。画
像形成装置の素子電極パターン480個×480個が刻
れた40cm角の金属製凹版を用意し、図6の一般的な
平台校正機型オフセット印刷装置のブランケット113
を上記の本発明のブランケットに変更したオフセット印
刷装置を用いて、40cm角ガラス基板上に480個×
480個の素子電極を印刷形成した。
【0070】本実施例においてインキは有機金属から成
るPtレジネートペーストを用いている。ガラス基板上
に転移されたインキは約80℃の乾燥と約580℃の焼
成によってPtから成る素子電極として利用できる。印
刷乾燥後のガラス基板上のインキ転写厚みは約2ミクロ
ン程度と小さく印刷電極パターン幅の太りは非常に小さ
かった。さらに、焼成後のPt電極厚みは約400オン
グストロームと薄く形成することができた。ここで、素
子電極のパターン形状としては導電性薄膜を配置する素
子電極間隔を有し、その寸法を約20ミクロンに設定し
た。
【0071】以上のようにして形成した素子電極に対し
て駆動するための配線と、主としてPdO微粒子から成
る導電性薄膜を形成することによって電子源基板を実施
例1と同様の工程に従い作製することができた。
【0072】実施例1と同様の工程により作成された電
子源基板の上に配置されたメタルバック418をアノー
ド電極として電圧5kVを印加し、メッキ配線410、
411、412間を通して素子電極402、403から
電子放出部413へ14Vの電圧を印加したところ、電
子が放出された。この放出電子をグリッド419の電圧
を変化させることによって変調し、蛍光体416へ照射
される放出電子量を調整することができた。これにより
蛍光体416を任意に発光させることができた。
【0073】同様に素子電極403、404から電子放
出部414へ14Vの電圧を印加したところ、電子が放
出された。この放出電子をグリッド419の電圧を変化
させることによって変調し、蛍光体417へ照射される
放出電子量を調整することができた。これにより蛍光体
417を任意に発光させることができた。
【0074】本実施例の表示画素数は480個×480
個である。従って、配線とグリッドをマトリックス状に
形成し、多数個の電子放出素子を配置、駆動することに
よって多数個の表示画素によって任意の画像表示を可能
とすることができる。
【0075】以後印刷を100回繰り返し、100枚の
画像形成装置を製作した。
【0076】この時の電子放出素子と蛍光体の位置ズレ
によって生ずる蛍光輝点のクロストークは1枚も無かっ
た。すなわち電子放出部をほぼ決定する、素子電極のギ
ャップ位置と、ホトリソグラフィ法で形成されたフェー
スプレートの蛍光体位置との相対位置が高精度であるこ
とを示している。ここでスクリーン印刷によって形成さ
れた配線の位置精度は電気的な導通と絶縁が保たれる範
囲で位置ずれしても良く、直接、蛍光輝点のクロストー
クには影響しない。
【0077】実施例4 図2(b)は本発明のブランケットを最もよく表わす図
画であり、9は基布の裏面及び側面で樹脂溶液が含浸さ
れ乾燥した層である。本実施例では、表面ゴム6にはシ
リコンゴム0.35mm厚、基布7には織綿の4プライ
構造1.6mm厚、樹脂含浸層9は基布の表面から0.
2mmの深さまで樹脂分を含んでいる構造のものを使用
した。後は同様な方法でガラス基板上に素子電極のパタ
ーンをオフセット印刷で形成した。
【0078】形成した素子電極に導電薄膜を形成し、配
線を形成することによって電子源基板を作成することが
できる。更に蛍光体を配したフェースプレートを電子源
基板に対向配置させた後、真空容器を形成させることに
よって画像形成装置を形成することができる。以下順に
図11を用いて説明する。
【0079】図11は本発明の印刷装置を用いて形成し
た画像形成装置の表面伝導型電子放出素子基板の製造工
程を示した図である。図11(e)において不図示の青
板ガラス基板上に対して、電子放出素子を3個×3個、
計9個のマトリックス状に配線と共に形成した例で示す
が本実施例では480×480個の電子放出素子をマト
リクス状に配置している。
【0080】本図において501は上記オフセット印刷
によって形成された素子電極である。この素子電極パタ
ーンは本実施例においては20μmのギャップを隔てた
一方の電極が500μm×150μm、他方が350μ
m×200μmの長方形状の一対の電極がマトリクス状
に配置されている。502は印刷Agペーストの焼成に
よって形成された下層印刷配線、503は印刷ガラスペ
ーストの焼成によって形成された下層印刷配線に対して
直交した短冊状の絶縁層である。絶縁層503は一対の
素子電極501の片側の電極位置に切りかき状の開口5
04を有している。
【0081】505は印刷Agペーストの焼成によって
形成された上層印刷配線であり、絶縁層503上で短冊
状に配置形成されており、絶縁層503の開口504部
分で素子電極501の片側の電極と電気的に接続してい
る。下層配線502、絶縁層503、上層配線505は
ともにスクリーン印刷法で形成されている。509はP
dO微粒子から成る導電性薄膜であり素子電極501及
び、電極間隔部に配線形成される。
【0082】以下本図(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)を用いて本素子基板の製造方法を順に説
明する。
【0083】上述のようにで作成した一対の素子電極が
多数配置された40cm角の電子源基板を準備する(図
11(a)。その基板上にまず第一の配線(下層配線)
を形成する。
【0084】導電性ペーストに銀ペーストを用い、スク
リーン印刷法により印刷、焼成を行幅100μm、厚み
12μmの下層配線を形成した(図11(b))。
【0085】次に下層配線と直交する方向に層間絶縁膜
をスクリーン印刷法により形成する。ペースト材料は酸
化鉛を主成分としてガラスバインダー及び樹脂を混合し
たガラスペーストである。このガラスペーストをスクリ
ーン印刷法により印刷、焼成を2回繰り返し行いストラ
イプ状に層間絶縁を形成した図11(c))。
【0086】次に層間絶縁上に第二の配線(上層配線)
を形成した。下配線と同様な方法により幅100μm、
厚さ12μmの上層配線をスクリーン印刷法により形成
し層間絶縁膜を介しストライプ状の下層配線とストライ
プ状の上層配線が直交したマトリクス配線が形成される
(図11(d))。
【0087】次に導電性薄膜を形成する。まず素子電
極、配線が形成された基板上に有機パラジウム(CCP
4230奥野製薬工業(株))を塗布後、300℃、1
0分間の加熱処理を行い、PdOからなる導電性薄膜を
形成する。その膜厚は10nmであった。ここでの微粒
子膜は複数の微粒子が集合した膜であり、微粒子が個々
に分散配置された状態のものばかりでなく、微粒子が互
いに隣接、あるいは重なりあった状態(島状も含む)の
膜を指し、その粒径は前記状態で認識可能な微粒子につ
いての径をいう。このパラジウム膜をフォトリソグラフ
ィ法を用いてパターニングすることによりフォーミング
前までの電子源基板が完成する(図11(e))。
【0088】つぎに、以上のようにして作成した電子源
を用いて表示装置を構成した例を、図12を用いて説明
する。
【0089】以上のようにして多数の平面型表面伝導電
子放出素子を作製した基板1をリアプレート81上に固
定した後、基板1の5mm上方に、フェースプレート8
6(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック
85が形成されて構成される)を支持枠82を介して配
置し、フェースプレート86、支持枠82、リアプレー
ト81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で4
00℃で10分焼成することで封着した(図12)。ま
たリアプレート81への基板1の固定もフリットガラス
で行った。
【0090】図12において、74は電子放出素子、7
2、73はX方向及びY方向の素子配線である。
【0091】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。ブ
ラックストライプの材料としては、通常良く用いられて
いる黒鉛を主成分とする材料を用いた。
【0092】ガラス基板83に蛍光体を塗布する方法は
スラリー法を用いた。
【0093】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製
後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミン
グと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0094】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けた。
【0095】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。
【0096】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ない
しDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素
子74の素子電極間に電圧を印加し、導電性薄膜をフォ
ーミング処理を行った。
【0097】フォーミング処理は、約1×10の−5乗
torrの真空雰囲気下で行った。
【0098】次に、波高値14V、パルス幅30usの
フォーミングと同様の波形の電圧を素子電極間に印加
し、活性化処理を行った。尚、真空度2×10の−5乗
の真空度で、素子電流If、放出電流Ieを測定しなが
ら、活性化処理を実行した。
【0099】以上のようにフォーミング工程、活性化工
程を行い、電子放出部を形成し電子放出素子74を作製
した。
【0100】次に10のマイナス6乗トール程度の真空
度まで排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱する
ことで溶着し外囲器の封止を行った。
【0101】最後に封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行った。
【0102】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1な
いしDxm、Dy1ないしDynを通じ、走査信号及び
変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ、印加す
ることにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メ
タルバック84、あるいは透明電極(不図示)に5kV
以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84
に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示したと
ころ、ほとんどの画素において、蛍光体の画素中心と電
子ビーム中心がほぼ一致しており、輝度ムラの少ない品
位の高い表示がなされた。また、この時の無効電流も非
常に少なく、駆動電力を抑えた高品位な画像形成装置を
提供可能であることが示された。
【0103】尚、本実施例では、電子源基板を40セン
チメートル角基板上に、480個×480個の電子放出
素子をマトリックス状に配置してR、G、Bに対応する
各蛍光体を有するフェースプレートと共に真空外囲器内
に配置した。この時の蛍光輝点のクロストークは見受け
られなかった。すなわち電子放出部をほぼ決定する、素
子電極のギャップ位置と、ホトリソグラフィ法で形成さ
れたフェースプレートの蛍光体位置との相対位置が高精
度であることを示している。ここでスクリーン印刷によ
って形成された配線の位置精度は電気的な導通と絶縁が
保たれる範囲で位置ずれしても良く、直接、蛍光輝点の
クロストークには影響しない。
【0104】実施例5 図6の平台校正機形のオフセット印刷装置を用意し、図
4に示した形態で、幅700mm×周径196mmのブ
ランケット胴の表面に、300mm×300mm角、厚
み2.0mmのブランケットを貼り付けた。また、使用
した版は外寸法500mm×400mmの金属製凹版
で、中心部260mm×200mmの範囲に240個×
180個の素子電極対のパターンを刻んでありその深さ
は約8μmである。また、被印刷物として外寸法460
mm×360mmの青板ガラスを使用し、中心部に凹版
上のパターンを印刷できるようセッティングした。な
お、上記凹版および青板ガラスの端面は切断後未研摩の
ため、外寸法に対して±100μm程度のうねりを有し
ていた。また、ブランケットの版および被印刷物に対す
る押し込み量(印圧)は200μmとした。
【0105】オフセット印刷により形成された電子放出
素子の素子電極を用いた画像形成装置の製造方法につい
て以下に述べる。
【0106】上記実施例で説明した印刷方法、印刷装置
によってガラス基板上に電子放出素子の素子電極を印刷
転写した。本実施例においてインキは有機金属から成る
Ptレジネートペーストを用いている。ガラス基板上に
転移されたインキは約80℃の乾燥と約580℃の焼成
によってPtから成る素子電極として利用できる。印刷
乾燥後のガラス基板上のインキ転写厚みは約2ミクロン
程度と小さく印刷電極パターン幅の太りは非常に小さか
った。さらに、焼成後のPt電極厚みは約400オング
ストロームと薄く形成することができた。ここで、素子
電極のパターン形状としては電子放出材を配置する素子
電極間隔を有し、その寸法を約20ミクロンに設定し
た。
【0107】以上のようにして形成した素子電極に対し
て配線及び導電性薄膜を実施例1のように形成すること
によって電子放出素子基板を作製することができる。
【0108】図10において以上のように形成した電子
源基板を用いて図10のような画像形成装置を作成し
た。メタルバック418をアノード電極として電子の引
き出し電圧3kVを印加し、メッキ配線410、41
1、412間を通して素子電極402、403から電子
放出部413へ14Vの電圧を印加したところ、電子が
放出された。この放出電子をグリッド419の電圧を変
化させることによって変調し、蛍光体416へ照射され
る放出電子量を調整することができた。これにより蛍光
体416を任意に発光させることができた。同様に素子
電極403、404から電子放出部414へ14Vの電
圧を印加したところ、電子が放出された。この放出電子
をグリッド419の電圧を変化させることによって変調
し、蛍光体417へ照射される放出電子量を調整するこ
とができた。これにより蛍光体417を任意に発光させ
ることができた。
【0109】この時の電子放出素子部と蛍光体およびグ
リッド電極の位置ずれによって生じるクロストークおよ
び輝度むらは大幅に低減された。
【0110】なお別途、素子基板上に本発明のオフセッ
ト印刷によって形成された素子電極の位置を測長機で計
測したところ、基板全面において、設計値からの位置ず
れは20μm以内であった。
【0111】実施例6 実施例5と同様な印刷方法、印刷装置によってガラス基
板上に240個×180個の電子放出素子の素子電極を
印刷転写した。
【0112】図13a〜fにオフセット印刷によって作
製した表面伝導形電子放出素子とマトリックス配線を組
み合わせた図を示す。なお、説明の簡略化のため、図1
3では3個×3個の電子放出素子しか図示していない。
【0113】図13は本実施例の素子基板の製造行程を
示した上面図である。図13(f)において不図示の青
板ガラス基板上に対して、電子放出素子を3個×3個、
計9個のマトリックス状に配線と共に形成した例で示
す。本図において501は下層印刷配線、502は下層
印刷配線501に並列した印刷パッドであり、下層印刷
配線501と同一工程で印刷金属ペーストの焼成によっ
て形成される。503は印刷ガラスペーストの焼成によ
って形成された下層印刷配線に対して直交した短冊状の
絶縁層であり、印刷パッド502との交差中央部で50
4のコンタクトホールの開口を有している。505は上
層印刷配線であり、メッキ配線506の下層となるため
図面上は露出していない。上層印刷配線505は絶縁層
503上の短冊状であり、コンタクトホール504によ
って印刷パッド502と電気的に接続しており、印刷金
属ペーストの焼成によって形成される。507、508
は素子電極であり、下層印刷配線501と印刷パッド5
02とに各々接続しており、レジネートペーストインキ
のオフセット印刷、焼成によって形成される。素子電極
507、508は相互の隣接部で電極間隔20ミクロ
ン、電極幅200ミクロンの形状を構成している。50
9はPdO微粒子から成る導電性薄膜であり素子電極5
07、508の間隔に配線形成される。510は電子放
出部である。506はメッキ配線であり上層印刷配線5
05上に短冊状でメッキ法によって形成される厚み約1
00ミクロンの金属配線である。
【0114】以下本図(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)、(f)を用いて本素子基板の製造方法
を順に説明する。
【0115】まず、良く洗浄した青板ガラスから成る基
板上にレジネートペーストインキを用いて本発明に沿っ
たオフセット印刷を行ない、焼成によって厚み約400
オングストロームのPt素子電極507、508をパタ
ーン形成した(図13(a))。
【0116】次にAgペーストインキをスクリーン印刷
し、焼成して幅300ミクロン、厚み7ミクロンの下層
印刷配線501及び印刷パッド502を形成した。この
時、配線501及び印刷パッド502は素子電極50
7、508と各々電気的に接続される(図13
(b))。
【0117】次に、ガラスペーストインキをスクリーン
印刷し、焼成して幅500ミクロン厚み約20ミクロン
の絶縁層503と、開口寸法100ミクロン角のコンタ
クトホール504を形成した(図13(c))。
【0118】更に、絶縁層503上にAgペーストイン
キをスクリーン印刷し、焼成して幅300ミクロン厚み
10ミクロンの上層印刷配線505を形成した。この時
コンタクトホール504を通じて上層印刷配線505と
印刷パッド502は電気的に導通する。また、後工程の
メッキ配線形成によって、コンタクトホールでの充分な
ステップカバーが実現される(図13(d))。
【0119】次に導電性薄膜509を配置したくない部
分にスパッタ法によりCrを成膜した後、ホトリソエッ
チング法によってCrパターンを作製し、その後有機パ
ラジュウム溶液(奥野製薬(株)キャタペーストCCP
4230)を塗布、焼成してPdO微粒子膜を得た。更
に、Crパターンをリバースエッチして薄膜509を素
子電極507、508と電極間隔部にパターニング形成
する(図13(e))。
【0120】次に、上層印刷配線505を露出させた形
にメッキレジストをホトリソグラフィ法により形成し、
上層印刷配線505に通電してこの部分にCuの電解メ
ッキを厚み100ミクロン実施する。メッキレジストを
剥離することによって素子基板が製造される。この時、
コンタクトホール504部分においてCuメッキ膜は充
分にコンタクトホール504内にも堆積成長して、印刷
パッド502と上層印刷配線505とは充分な電気的導
通が得られた(図13(f))。
【0121】以上のように460×360mm角基板上
に、240個×180個の電子放出素子をマトリックス
状に配置しR、G、Bに対応する各蛍光体を有するフェ
ースプレートと共に真空外囲器内に配置した。この後、
電子放出素子の通電処理を行った後、本素子基板の上層
印刷配線には14Vの任意の電圧信号を下層印刷配線に
は0Vの電位を順次印加走査しそれ以外の下層印刷配線
は7Vの電位とした。フェースプレートのメタルバック
に5kVのアノード電圧を印加したところ、任意の画像
を表示することができた。このときの電子放出素子と蛍
光体の位置ズレによって生ずる蛍光輝点のクロストーク
は大幅に低減された。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、オフセット印刷装置に
装着されたブランケットが、4辺の端面近傍で徐々に厚
みが薄くなるテーパー形状であるため、印刷中に版や被
印刷物上で加圧された場合、加圧により生じるゴム厚が
この部分へ逃げるため、全面で均一な印圧を維持でき
る。従って本発明を用いれば、中心部ばかりでなく周辺
部でも均一な形状で印刷が可能となる。また、本発明の
オフセット印刷装置とオフセット印刷法を用いて表面伝
導形電子放出素子を作製し、画像形成装置を製造すれ
ば、全画素の均一性に優れた性能の良い製品ができる。
また、素子電極の短絡による、一部分発光しないという
不良品も発生しないため、歩留りも向上する。
【0123】また本発明によれば、織布を用いた基布構
造のブランケットの布面が外面に露出しない様に、ブラ
ンケットの裏面及び側面に樹脂フィルムをラミネートす
るか、もしくは、樹脂溶液を含浸させ乾燥又は硬化させ
た構造であるため、ブランケットからの発塵がほとんど
ない。また、織布を用いた基布であるため、印刷を重ね
てもブランケットの延びもほとんど発生しない。従っ
て、このブランケットを装着したオフセット印刷装置を
使用して、画像形成装置の電極パターンやカラーフィル
ターを形成すれば、歩留りが向上し、かつ位置精度に優
れた製品の製造が可能である。
【0124】更に本発明によれば、オフセット印刷装置
に装着されたブランケットが版および被印刷物の外寸法
より小さい。このため、幅方向両端面にブランケットが
喰い込まず、幅方向の位置ずれ(蛇行)の発生がほとん
どなく、更にブランケットの進入・離脱時に印刷方向両
端面にも接触しないため、この両端面近傍での位置ずれ
(伸縮)もほとんど発生しない。従って本発明を用いれ
ば、版の寸法とほとんど同じ高精度な印刷ができる。ま
た、本発明のオフセット印刷法を用いて表面伝導形電子
放出素子を作製し、画像形成装置を製造すれば、素子電
極と蛍光体との合わせ精度が良くなるため輝度むら、ク
ロストークが大幅に低減された性能の良い製品ができ
る。また、研摩等の端面処理をした高価な版、ガラス基
板等を用いる必要がないため、結果的に製品コストを下
げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は本発明のブランケットの
一例を示す模式図である。
【図2】図2(a)、(b)は本発明のブランケットの
別の例を示す部分断面図である。
【図3】図3(a)、(b)は従来のブランケットの断
面図である。
【図4】本発明のブランケットのサイズを示す図であ
る。
【図5】従来のブランケットのサイズを示す図である。
【図6】平台校正機型印刷装置を示す上面図である。
【図7】図7(a)〜(f)は実施例2の素子基板の製
造工程を示す上面図である。
【図8】表面伝導型電子放出素子の構成を示す上面図で
ある。
【図9】図9(a)〜(d)は素子電極の形状を示す模
式図である。
【図10】本発明の画像形成装置の断面図である。
【図11】図11(a)〜(e)は実施例4の素子基板
の製造工程を示す上面図である。
【図12】本発明の画像形成装置の一例を示す一部切欠
き斜視図である。
【図13】図13(a)〜(f)は実施例6の素子基板
の製造工程を示す上面図である。
【図14】図14(a)〜(d)は従来のオフセット印
刷工程を示す断面図である。
【図15】従来のブランケットの模式図である。
【符号の説明】
1 ブランケットの平坦部 2 ブランケットのテーパ部 3 ブランケット胴 4 版又は被印刷物 5 ニップ幅 6 表面ゴム 7 基布 8 樹脂フィルム 9 乾燥又は硬化層 10 ブランケット 10’ 版及び被印刷物上を横断する軌跡部分 11 ブランケット胴 12 版及び被印刷物 13 版上のパターン部分 13’ 被印刷物上のパターン部分 14 被印刷物 15 ガラス基板 16 画像表示部 17 一対の素子電極 17−1、17−2 片側素子電極 18 素子電極間隔 19 喰い込み部 401 電子源基板 402、403、404 素子電極 405、406 Pd微粒子からなる薄膜 407、408、409 印刷配線 410、411、412 メッキ配線 413、414 電子放出部 415 ガラス基板 416、417 蛍光体 418 メタルバック 419 グリッド電極 501 下層印刷配線 502 印刷パッド 503 絶縁層 504 開口(コンタクトホール) 505 上層印刷配線 506 メッキ配線 507、508 素子電極 509 PdO微粒子からなる薄膜 510 電極間隔部の薄膜部位

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷版とブランケットが接触することに
    より、該印刷版から該ブランケットが該印刷版に形成さ
    れたインキパターンを受理し、該インキパターンを受理
    したブランケットと被印刷物が接触することにより該イ
    ンキパターンを被印刷物へ転移するオフセット印刷装置
    において、該接触時における該ブランケットの中心軸と
    平行方向の該印刷版および該被印刷物の長さが、該印刷
    版および該被印刷物と該ブランケットとの接触領域の長
    手方向の長さよりも、長いことを特徴とするオフセット
    印刷装置。
  2. 【請求項2】 インクの受理・転移に利用される中心部
    分は平坦で、その左右幅方向は外側に向けてテーパー状
    に徐々に肉厚が薄くなり、かつその開始点が、版および
    被印刷物の左右端面に対応する部分より内側にあること
    を特徴とするブランケット。
  3. 【請求項3】 インクの受理・転移に利用される中心部
    分は平坦で、印刷方向であるその前後は外側に向けてテ
    ーパー状に徐々に肉厚が薄くなり、かつその開始点が、
    版および被印刷物の前後端面に対応する部分より内側に
    あることを特徴とするブランケット。
  4. 【請求項4】 前記のテーパー形状の傾きが、中心部分
    の平坦面である印刷基準面に対して、1/100以上1
    /0.2以下である請求項2または3に記載のブランケ
    ット。
  5. 【請求項5】 織布を用いた基布構造を有するブランケ
    ットにおいて、布面が外面に露出しない構造であること
    を特徴とするブランケット。
  6. 【請求項6】 前記ブランケットが、裏面及び側面の布
    面を樹脂フィルムでラミネートした構造である請求項5
    に記載のブランケット。
  7. 【請求項7】 前記ブランケットが、裏面及び側面の布
    面に樹脂溶液を含浸させ乾燥又は硬化させた構造である
    請求項5に記載のブランケット。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至7のうちいずれか1項に記
    載のブランケットを装着した請求項1に記載のオフセッ
    ト印刷装置。
  9. 【請求項9】 前記ブランケット及びオフセット印刷装
    置を用いたことを特徴とするオフセット印刷方法。
  10. 【請求項10】 版および被印刷物に接触する部分の横
    幅が、版および被印刷物の横幅より短いブランケットを
    使用し、かつブランケットが版および被印刷物の幅方向
    両端に接触しないことを特徴とするオフセット印刷法。
  11. 【請求項11】 版および被印刷物に接触する部分の縦
    幅である周長が、版および被印刷物の縦幅である印刷方
    向の幅より短いブランケットを使用し、かつブランケッ
    トが版および被印刷物の印刷方向両端に接触しないこと
    を特徴とするオフセット印刷法。
  12. 【請求項12】 前記のブランケット、オフセット印刷
    装置及び印刷方法を用いたことを特徴とする画像形成装
    置の製造方法。
JP11891396A 1996-05-14 1996-05-14 オフセット印刷装置、それに用いるブランケット、それらを用いたオフセット印刷方法及びそれらを用いた画像形成装置の製造方法 Pending JPH09300586A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001264962A (ja) * 2000-03-17 2001-09-28 Dainippon Printing Co Ltd オフセット印刷版
JP2002223095A (ja) * 2001-01-24 2002-08-09 Dainippon Printing Co Ltd 電磁波シールド材の製造方法、並びにパターン形成方法
JP2019116006A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 株式会社Screenホールディングス 印刷装置、転写ローラ

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