JPH11309836A - オフセット印刷方法およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

オフセット印刷方法およびそれを用いた画像形成装置

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JPH11309836A
JPH11309836A JP12116998A JP12116998A JPH11309836A JP H11309836 A JPH11309836 A JP H11309836A JP 12116998 A JP12116998 A JP 12116998A JP 12116998 A JP12116998 A JP 12116998A JP H11309836 A JPH11309836 A JP H11309836A
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pattern
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JP12116998A
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Kazunari Yonemoto
一成 米元
Nobuyuki Ishikawa
信行 石川
Masako Midorikawa
理子 緑川
Nobuyuki Nakahara
伸之 中原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット印刷方法およびそれを用いた画像
形成装置において、凹版パターン部へのインキ充填量、
使用効率を高め、従来必須の工程であったドクタリング
の工程を省略することを課題とする。 【解決手段】 凹版パターン毎にインクジェット装置の
インクジェットノズルまたはディスペンサ装置のディス
ペンサノズルを設け、該ノズルより直接インキを定量吐
出し、凹版パターン部に供給充填することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷版に形成された
原版パターンを被印刷物上に高精度に転写印刷形成する
オフセット印刷方法、および転写印刷形成した印刷パタ
ーンを用いた画像表示装置に関するもので、詳しくは凹
版におけるインキの供給・充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大きく重いブラウン管に代わる画
像形成装置として、薄型の平板状画像形成装置が注目さ
れている。平板状画像形成装置としては液晶表示装置が
盛んに研究開発されているが、液晶表示装置には画像が
暗い、視野角が狭いといった課題が依然として残ってい
る。また、液晶表示装置に代わるものとして、自発光型
のディスプレイ、すなわち、プラズマディスプレイ、蛍
光表示管、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子
を用いたディスプレイなどがある。自発光のディスプレ
イは液晶表示装置に比べ明るい画像が得られると共に視
野角も広い。
【0003】一方、最近では30インチ以上の画面表示
部を有するブラウン管も登場しつつあり、さらなる大型
化が望まれている。しかしながらブラウン管は大型化の
際にはスペースを大きくとることから適しているとは言
い難い。このような大型で明るいディスプレイには自発
光型の平板状のディスプレイが適している。本出願人は
自発光型の平板状画像形成装置の中でも電子放出素子を
用いた画像形成装置、特に簡単な構造で電子の放出が得
られるM.I. Elinsonらによって発表された(Radio. En
g. Electron. Phys., 10, 1290, (1965))表面伝導型電
子放出素子を用いた画像形成装置に着目している。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子と
しては、前記エリンソンなどによるSnO2 薄膜を用い
たもの、Au薄膜によるもの[G. Dittmer: Thin Solis
Films, 9, 317 (1972)] 、In23 /SnO2 薄膜に
よるもの[M. Hartwell and C.G. Fonstad: IEEE Tran
s. ED Conf., 519 (1975)] 、カーボン薄膜によるもの
[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(19
83)]などが報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図6に
模式的に示す。同図において1001は基板である。1
004は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタ
で形成された金属酸化物薄膜などからなり、後述の通電
フォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部10
05が形成される。なお、図中の素子電極間隔Lは0.
5〜1[mm]、W’は0.1[mm]で設定されてい
る。
【0006】また本出願人は先に米国特許5,066,
883において一対の素子電極間に電子を放出せしめる
微粒子を分散配置させて表面伝導型電子放出素子を提案
した。この電子放出素子は上記従来の表面伝導型電子放
出素子に対し、電子放出位置を精密に制御できる。この
表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成を図7に示
す。図7(a)の素子構成の平面図、図7(b)は素子
構成の断面図を示す。本図において1101は絶縁性基
板、1102,1103は電気的接続を得るための素子
電極、1104は分散配置された微粒子導電材からなる
導電薄膜である。この表面伝導型電子放出素子において
前記一対の素子電極の間隔L1は0.01μm〜100
μm、導電薄膜34の電子放出部のシート抵抗は1×1
-3Ω/□〜1×10-9Ω/□が適当である。また素子
電極は微粒子導電材からなる薄膜と電気的な接続を保つ
ためにその膜厚dを200nm以下に薄く形成するのが
望ましい。
【0007】本発明者らはこの表面伝導型電子放出素子
を多数、基板上に配置させた画像形成装置の大面積化に
ついて検討を行っている。電子放出素子および配線を基
板上に配置させた電子源基板を作成する方法については
様々な方法が考えられ、その一つとして素子電極、配線
などの全てをフォトリソグラフィー法で作成する方法が
ある。
【0008】一方、スクリーン印刷、オフセット印刷な
どの印刷技術を転用してこの表面伝導型電子放出素子お
よびそれらを含む電子源基板を作成する方法が考えられ
る。印刷法は大面積のパターンを形成するのに適してお
り、表面伝導型電子放出素子の素子電極を印刷法により
作成することによって、多数の表面伝導型電子放出素子
を基板上に形成することが可能となる。またコスト的に
も有利である。印刷法による素子電極の形成において
は、薄膜の形成に適しているオフセット印刷技術が素子
電極を形成するのに適している。このオフセット印刷技
術を回路基板に応用した例としては特開平4−2902
95号公報に開示されたものがある。この公報に開示さ
れた基板は、印刷時のパターン伸縮を原因とする電極ピ
ッチ寸法のばらつきによる接合不良をなくすために、回
路部品に接続される複数の接合電極の角度を変化させた
ものである。そして当該特開平4−290295公報に
は電極パターンをオフセット印刷により形成することが
記載されている。
【0009】以下に電極パターンやカラーフィルターな
どを形成するための一般的なオフセット印刷装置および
印刷方法について説明する。
【0010】図101はオフセット印刷法を行う平台校
正機型オフセット印刷装置を示す図である。本図におい
て101はインキローラー104でインキ107を展開
するインキ練り台であり、102は凹版105を固定す
る版定盤である。また103は被印刷物であるワーク1
06を固定するワーク定盤であり本体フレーム108の
上に固定配置されている。この一列に並んだ3つの定盤
の両側に2本のラックギャー109,110を配置し、
そのラックギャー109,110の上にギャー111,
112を噛み合わせたブランケット113が配置されて
いる。ブランケット113はその軸を両端のキャリッジ
114,115で固定され、このキャリッジ114,1
15が本体下部からのクランクアーム(図示せず)のク
ランク動作によって前後進し、ブランケット113はイ
ンキ練り台101、凹版105、ワーク106の上を順
次回転摺動する。ブランケット113の表面はゴム状の
ブランケットラバーが取付けてある。
【0011】図9(a)〜(d)はオフセット印刷工程
を示す図である。本図において101はインキ練り台、
105は凹版、106はワークとなるガラス基板であり
同一平面に直列に配置されている。104はインキロー
ルでありインキ練り台101上で練ったインキ107を
凹版105上に転移させる(図9a)。117はドクタ
ーブレードであり凹版105上面を摺動して転移したイ
ンキ107のうち、凹部に充填されたインキ以外をかき
とる(図9b)。113はブランケットであり凹版10
5、ガラス基板106上面を順に回転接触することによ
り、凹版105の凹部に充填されたインクを受理し(図
9c)、ガラス基板106上に凹版105を有するパタ
ーン状にインキ107を転移する(図9d)。
【0012】以上により印刷工程が終了す。印刷インキ
107は作製するパターンの機能によって適宜選択する
ことができる。すなわち記録用サーマルヘッドなどの電
極パターンには主にAuレジネートペーストと呼ばれる
有機Au金属を含むインキを用い、また、液晶表示装置
などに用いられるカラーフィルターであれば、R,G,
B各色の顔料を分散したインキや有機色素を含んだイン
キなどが用いられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明した平面型
画像表示装置の画面を大面積化するには以下のような問
題点がある。
【0014】前記単純マトリックス液晶表示装置(LC
D)、薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT/LC
D)、マルチ電子源フラットCRTなどの薄膜画像形成
素子の電子回路加工工程においては、被加工物に機能薄
膜を成膜し、これをパターン加工することが行われる。
例えば、基板上にAl材を成膜した後、ホトリソ、エッ
チングにより配線パターンが形成される。
【0015】しかしながら、例えば、40cm角以上の
大型基板上に微細なパターンをホトリソ技術により製造
する場合、大型露光装置を含む大型装置が必要となり莫
大な費用がかかる。また、シリコン半導体用の露光装置
と異なり、大面積基板対応露光装置では、解像力の低下
や、一基板当たりの処理時間が長くなるという製造上の
問題点がある。また、プロセス工程中のハンドリングも
難しくなり、大面積基板上に電子放出素子および配線を
作成するのは容易ではなかった。
【0016】さらに、1m程度の大面積基板で高精度の
ホトリソを行うことは、製造装置自体の大型化が困難で
あり、製造コストが膨大になるという欠点があった。
【0017】一方、プラズマディスプレイ(PDP)表
示装置のように厚膜による電子回路の加工工程において
は、スクリーン印刷法で、導電性ペーストや絶縁性ペー
ストを直接パターン印刷した後、焼成して電極配線パタ
ーンや絶縁層を形成する方法が行われている。印刷法に
よるパターニングは比較的大面積基板に対応可能であ
り、一基板当たりの処理時間もホトリソ技術に比べて短
い。
【0018】しかしながら、レジストインキや導電ペー
スト、絶縁ペーストの印刷版から基板への転写時にスク
リーン版の変形が生じ、印刷パターンが変形しやすく、
パターンの位置精度に限界がある。このスクリーン版の
変形は印刷面積が広いほど大きくなる傾向にある。
【0019】さらには、上記のオフセット印刷装置を用
いて大面積にわたって高精度印刷パターンを形成する場
合のドクタリング工程においては、凹版パターン部にイ
ンキを完全充填することが必要で、これによりその後の
ブランケットへのパターン受理、そして基板への転移を
経て完全な印刷パターンが得られる。しかしながら、従
来のオフセット印刷方法におけるドクタリング方法で
は、深さ8μの凹版パターン形状部においては20〜4
0%程度しかインキを残すことができなかった。したが
って、実際に形成される印刷パターンも膜厚が不足しま
た形状も不完全なものしか得られていなかった。
【0020】本発明は上記した従来法の問題点を解決し
ようとするもので、凹版パターン部へのインキ供給方法
を直接行うことによりインキ充填量を増加し、インキ使
用効率100%を目標とし無駄防止を図ると共に、ドク
タリング工程そのものを不要とする装置の簡略化および
プロセス省略によるコストの削減、さらに印刷パターン
の膜厚確保により、形状安定化した高精細印刷を可能と
するオフセット印刷法およびそれを用いた画像形成装置
を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、インク
吐出部を設け、該インク吐出部より直接インクを吐出
し、凹版パターン部に供給充填することを特徴とするオ
フセット印刷方法の提供によって達成される。
【0022】上記した本発明においては、前記インク吐
出部はインクジェット方式によりインクを吐出するイン
クジェットノズルであることが好ましい。
【0023】また、前記インク吐出部はディスペンサノ
ズルであることが好ましい。
【0024】また、前記インク吐出は複数の吐出部から
概略同時に行うことが好ましい。
【0025】本発明は、更に凹版パターン毎にインクジ
ェット装置のインクジェットノズルまたはディスペンサ
装置のディスペンサノズルを設け該ノズルより直接イン
キを定量吐出して凹版パターン部に供給充填するオフセ
ット印刷方法により基板上に電子放出素子の素子電極を
印刷形成し、該素子電極に導電薄膜と配線を形成して得
られる電子源基板を組込んでなる画像形成装置をも提供
するものである。
【0026】また、本発明は、凹版パターンと、該凹版
パターンに付与されたインクを受理して被印刷物に転移
するための部材とを有する印刷装置であって、前記凹版
パターンにインクを付与するインク吐出部を有すること
を特徴とする印刷装置をも提供するものである。
【0027】
【発明の実施の形態および作用】本発明のオフセット印
刷方法による場合は、凹版パターン各部に多くのインキ
を安定して供給充填させることができる。
【0028】すなわち、通常のインキングとドクタリン
グ動作では、ブレードの変形侵入によるインキのかきだ
しや、ドクタリングに伴う摺動時のブレード面と版面と
の抵抗とそのインキ自身の凝集力により、凹部からイン
キが引張り出されてしまうために凹部に残るインキ量に
は限界がある。また、ドクタリング工程では不要インキ
をかきとるため、インキの使用効率やインキ材料リサイ
クルの問題やまたドクターブレードに付着したインキの
クリーニング問題、ドクターブレードそのものの動作安
定性、耐久性もコスト面から制約が大きかった。
【0029】これに対して本発明では、インキ供給充填
を直接行うことにより、完全なインキの充填および良好
な印刷パターンが全面で転写可能になると共に、インキ
使用効率を100%に向上させかつドクタリング工程そ
のものを不要にしてコスト低減し、高精細、大面積の画
像形成装置を実現するものである。
【0030】
【実施例】以下本発明のオフセット印刷方法および画像
形成装置について図面を参照しながら説明する。
【0031】実施例1 図1(a)〜(e)は本発明でのインキング方法を使用
したオフセット印刷方法の第1の実施態様を示す印刷工
程図である。ここで105はガラスあるいは金属基材
(しんちゅうにNi−Crをコーティングしたもの)の
凹版であり、1は凹版パターン部である。ここで凹版パ
ターン部は幅150μm、長さ300μm、深さ8μm
の矩形パッドパターンであり、多数個整列配置されてい
る。
【0032】また、3はインクジェット装置のノズル先
端部、107はインキである。なお、本実施例において
インキ107は有機金属から成るPtレジネートペース
ト(エヌ・イー・ケムキャット(株)社製、エム・オー
・ペーストのE−3100)をBCA溶剤にて希釈して
用いている。
【0033】まず印刷用凹版105のパターン部1にお
いてインクジェット装置(キャノン製バブルジェットB
C−01ヘッド)を使いインキを90×-12l吐出し
た。(図1(a),(b)) 吐出を4回繰り返すことでパターン容量360×10
-12lに必要な充填インキ量が供給される。(図1
(c)) その後数秒でインキレベリングされる。(図1(d)) その後ブランケット113によりインキパターン4を受
理し(図1(e))、さらに、ガラス基板上に転移させ
て印刷パターンを得た(図1(f))。
【0034】この場合の凹版内インキ量は、レーザー顕
微鏡でのインキ液反射面測定により8μm厚みの100
%充填であることが確認でき、これにより受理転移して
良好な形状の印刷パターンが得られた。また、この場合
の供給インキの使用効率は100%であった。
【0035】なお、ここでは1パターン部でのインキ充
填方法を説明したが、多数個整列配置したパターン部へ
の供給時は1ヘッドのノズルを多数個配置し、またヘッ
ド数も並列配置することで、同時に多数パターン部に対
してのインキ供給充填が可能である。
【0036】比較例1 実施例1の深さ8μmの印刷用凹版を使用して従来のよ
うにインキング(図2(a))とドクタリング動作を行
った。(図2(b)) その後ブランケット113によりインキパターンを受理
し(図2(c))、さらに、ガラス基板上に転移させて
印刷パターンを得た。(図2(d)) ここでドクタリング直後の凹版内インキ量は、レーザー
顕微鏡でのインキ液反射面測定により、厚み3μと充填
率40%の少ないインキ充填であった。そしてこのとき
は中央部のインキ量が少なく、厚さむらの大きい印刷パ
ターンであった。
【0037】また、このときドクタリング工程後には凹
版上およびドクターブレードに付着した不要インキのク
リーニング作業が必要で、供給インキの使用効率は10
%以下であった。
【0038】実施例2 実施例1と同様の印刷用凹版105のパターン部1にお
いて、ディスペンサ装置を使いノズル5よりインキを3
60×-12l吐出した。(図3(a)) これによりパターン容器360mlに必要な充填インキ
量が供給される。(図3(b)) その後数秒でインキレベリングされる。(図3(c)) その後ブランケット113によりインキパターン4を受
理し(図3(d))、さらにはガラス基板上に転移させ
て印刷パターンを得た。(図3(e)) このとき凹版内インキ量は、レーザー顕微鏡でのインキ
液反射面測定により8μm厚みの100%充填であるこ
とが確認でき、これにより受理転移の後良好な形状の印
刷パターンが得られた。またこの場合の供給インキの使
用効率は100%であった。
【0039】なおここでは1パターン部でのインキ充填
方法を説明したが、多数個整列配置したパターン部への
供給時はディスペンサ装置のノズルを多数個配置するこ
とで、同時に多数パターン部に対してのインキ供給充填
が可能である。
【0040】実施例3 オフセット印刷により形成された電子放出素子の素子電
極を用いた画像形成装置の製造方法について述べる。
【0041】上記実施例で説明したオフセット印刷方法
によって、ガラス基板上に電子放出素子の素子電極を印
刷形成した。本実施例においてインキは有機金属から成
るPtレジネートペースト(エヌ・イー・ケムキャット
(株)社製、エム・オー・ペーストのE−3100)を
用いている。ガラス基板上に転移されたインキは、約8
0℃の乾燥と約580℃の焼成によって、Ptからなる
素子電極として利用できる。印刷乾燥後のガラス基板上
のインキ転写厚みは約2ミクロン程度と小さく、印刷電
極パターン幅の太りは非常に小さかった。さらに、焼成
後のPt電極厚みは約400オングストロームと薄く形
成することができた。ここで、素子電極のパターン形状
としては電子放出材を配置する素子電極間隔を有し、そ
の寸法を約20ミクロンに設定した。
【0042】以上のようにして形成した素子電極に対し
て、配線とPd微粒子から成る薄膜を形成することによ
って、電子源基板を作製することができる。以下図を用
いて説明する。
【0043】図4において、401は青板ガラスから成
る電子源基板。402,403,404は本発明によっ
てオフセット印刷形成された素子電極である。407,
408,409はAgペーストインキのスクリーン印
刷、焼成で得られた厚み約7ミクロンの印刷配線であ
る。素子電極402,403,404は印刷配線40
7,408,409と各々接続している。405,40
6は有機金属溶液の塗布焼成で得られた厚み約200オ
ングストロームのPd微粒子から成る薄膜であり、素子
電極402,403,404およびその電極間隔部に配
置するようにCr薄膜のリバースエッチ法によってパタ
ーニングした。410,411,412はメッキ配線
で、印刷配線407,408,409上に厚み約50ミ
クロン、幅400ミクロンのCuメッキによって形成し
た。
【0044】また415は青板ガラスから成るガラス基
板で、電子源基板401と5ミリメートル隔たれて対向
している。416,417は蛍光体で、基板415上に
配置されており、対向した電子源基板401上に配置さ
れた素子電極402,403,404からなる電極間隔
部に対応した位置に形成されている。蛍光体416,4
17は感光性樹脂に蛍光体を混ぜてスラリー状とし、塗
布乾燥した後ホトリソグラフィ法にによってパターニン
グ形成したものである。418は蛍光体416,417
上にフィルミング工程を施した後、真空蒸着によって厚
み約300オングストロームのAl薄膜を成膜し、これ
を焼成してフィルム層を焼失することによって得られた
メタルバックである。以上の、蛍光体およびメタルバッ
クをガラス基板415上に形成したものをフェースプレ
ートと呼ぶ。
【0045】419は素子基板とフェースプレート間に
配置されたグリッド電極である。以上を真空外囲器の中
に配置した後、メッキ配線410,411,412間に
電圧を印加して薄膜405,406の通電処理を行い電
子放出部413,414を得た。この後メタルバック4
18をアノード電極として電子の引き出し電圧5kVを
印加し、メッキ配線410,411,412間を通して
素子電極402,403から電子放出部413へ14V
の電圧を印加したところ、電子が放出された。この放出
電子をグリッド419の電圧を変化させることによって
変調し、蛍光体418へ照射される放出電子量を調整す
ることができた。これにより蛍光体416を任意に発光
させることができた。同様に素子電極403,404か
ら電子放出部414へ14Vの電圧を印加したところ、
電子が放出された。この放出電子をグリッド419の電
圧を変化させることによって変調し、蛍光体417へ照
射される放出電子量を調整することができた。これによ
り蛍光体417を任意に発光させることができた。
【0046】なお図面上では2個の表示画素に対する構
成で説明したが、表示画素数はこれに限るものではな
い。したがって、配線とグリッドをマトリックス状に形
成し、多数個の電子放出素子を配置、駆動することによ
って多数個の表示画素によって任意の画素表示を可能と
することができる。
【0047】このときの電子放出素子と蛍光体の位置ず
れによって生ずる蛍光輝点のクロストークはなかった。
すなわち、電子放出部をほぼ決定する、素子電極のギャ
ップ位置と、ホトリソグラフィ法で形成されたフェイス
プレートの蛍光体位置との相対位置が高精度であること
を示している。ここでスクリーン印刷によって形成され
た配線の位置精度は電気的な導通と絶縁が保たれる範囲
で位置ずれしてもよく、直接、蛍光輝点のクロストーク
には影響しない。
【0048】実施例4 オフセット印刷により形成された電子放出素子の素子電
極を用いた画像形成装置別の実施例を用いて説明する。
【0049】実施例1のようにして形成した素子電極に
導電薄膜を形成し、配線を形成することによって電子源
基板を作成することができる。さらに蛍光体を配したフ
ェースプレートを電子源基板に対向配置させた後、真空
容器を形成させることによって画像形成装置を形成する
ことができる。以下順に図5を用いて説明する。
【0050】図5は本発明の製造装置を用いて形成した
画像形成装置の表面伝導型電子放出素子基板の製造工程
を示した上面図である。図5(e)において不図示の青
板ガラス基板上に対して、電子放出素子を3個×3個、
計9個のマトリックス状に配線と共に形成した例で示
す。
【0051】本図において501は上記オフセット印刷
によって形成された素子電極である。この素子電極パタ
ーンは本実施例において20μmのギャップを隔てた一
方の電極が500μm×150μm、他方が350μm
×200μmの長方形状の一対の電極がマトリクッス状
に配置されている。502は印刷Agペーストの焼成に
よって形成された下層印刷配線、503は印刷ガラスペ
ーストの焼成によって形成された下層印刷配線に対して
直交した短冊状の絶縁層である。絶縁層503は一対の
素子電極501の片側の電極位置に切欠き状の開口50
4を有している。505は印刷Agペーストの焼成によ
って形成された上層印刷配線であり、絶縁層503上で
短冊状に配置形成されており、絶縁層503の開口50
4部分で素子電極501の片側の電極と電気的に接続し
ている。下層配線502、絶縁層503、上層配線50
5はともにスクリーン印刷法で形成されている。
【0052】509は電子放出材であるPd微粒子から
成る薄膜であり、素子電極501および電極間隔部に配
線形成される。
【0053】以下本図(a),(b),(c),
(d),(e)を用いて本素子基板の製造方法を順に説
明する。
【0054】(a)上記実施例で作成した一対の素子電
極が多数配置された40cm角の電子源基板を準備す
る。
【0055】(b)その基板上にまず第一の配線(下層
配線)を形成する。導電性ペーストに銀ペーストを用
い、スクリーン印刷法により印刷、焼成を行い、幅10
0μm、厚み12μmの下層配線を形成した。
【0056】(c)次に下層配線と直交する方向に層間
絶縁膜をスクリーン印刷法により形成する。ペースト材
料は酸化鉛を主成分としてガラスバインダーおよび樹脂
を混合したガラスペーストである。このガラスペースト
をスクリーン印刷法により印刷、焼成を2回繰り返し行
いストライプ状に層間絶縁を形成した。
【0057】(d)次に層間絶縁上に第二の配線(上層
配線)を形成した。下配線と同様な方法により幅100
μm、厚さ12μmの上層配線をスクリーン印刷法によ
り形成し、層間絶縁膜を介しストライプ状の下層配線と
ストライプ状の上層配線が直交したマトリックス配線が
形成される。
【0058】(e)次に電子放出部を形成する。まず素
子電極、配線が形成された基板上に有機パラジウム(C
CP4230奥野製薬工業(株))を塗布後、300
℃、10分間の加熱処理を行い、Pdからなる導電薄膜
を形成する。導電薄膜はPdを主元素とする微粒子から
構成され、その膜厚は10nmであった。ここでの微粒
子膜は複数の微粒子が集合した膜であり、微粒子が個々
に分散配置された状態のものばかりでなく、微粒子が互
いに隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の
膜を指し、その粒径は前記状態で認識可能な微粒子につ
いての径をいう。このパラジウム膜をフォトリソグラフ
ィ法を用いてパターニングすることによりフォーミング
前までの電子源基板が完成する。
【0059】電子源基板を40cm角基板上に、480
個×480個の電子放出素子をマトリックス状に配置し
てR,G,Bに対応する各蛍光体を有するフェイスプレ
ートと共に真空外囲器内に配置した。この後、電子放出
素子の通電処理を行った後、本素子基板の上層印刷配線
には14Vの任意の電圧信号を、下層印刷配線には0V
も電位を順次印加走査し、それ以外の下層印刷配線は7
Vの電位とした。フェースプレートのメタルバックに5
kVのアノード電圧を印加したところ、任意の画像を表
示することができた。
【0060】このときの電子放出素子と蛍光体の位置ず
れによって生ずる蛍光輝点のクロストークはなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればオ
フセット印刷時のインキング方法として凹版パターン各
部へのインキ供給をインクジェット装置、またはディス
ペンサ装置に付設したノズルから直接インクを定量吐出
することにより、完全なインキ充填により良好な印刷パ
ターンが全面で転写可能になると共に、インキ使用効率
が100%でありかつドクタリング工程そのものを不要
にしてコストを低減し、高精細、大面積の画像形成装置
を実現することができる。さらに本発明により得られる
高精度印刷パターンを使用することで、高精細SCEパ
ネルの製作が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフセット印刷工程を示す実施例1の
説明図。
【図2】従来例のオフセット印刷工程を示す比較例1の
説明図。
【図3】本発明のオフセット印刷工程を示す実施例2の
説明図。
【図4】本発明の実施例3の画像表示装置を示す断面
図。
【図5】本発明の実施例4の画像形成装置を示す上面
図。
【図6】表面伝導型電子放出素子を示す上面図。
【図7】表面伝導型電子放出素子を示す上面図。
【図8】従来例のオフセット印刷装置を示す上面図。
【図9】従来例のオフセット印刷工程を示す側面図。
【符号の説明】
1 凹版パターン部 3 インクジェットノズル 4 ワーク 5 ディスペンサノズル 105 凹版 106 ガラス基板 107 インキ 113 ブランケット 117 ドクターブレード 402,403,404 素子電極 405,406 薄膜 407,408,409 印刷配線 410,411,412 メッキ配線 413,414 電子放出部 415 ガラス基板 416,417,418 蛍光体 419 グリッド 501 素子電極 502 下層印刷配線 503 絶縁層 504 開口 505 上層印刷配線 509 薄膜 1001 基板 1004 導電性薄膜 1005 電子放出部
フロントページの続き (72)発明者 中原 伸之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出部を設け、該インク吐出部よ
    り直接インクを吐出し、凹版パターン部に供給充填する
    ことを特徴とするオフセット印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記インク吐出部はインクジェット方式
    によりインクを吐出するインクジェットノズルである請
    求項1に記載のオフセット印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記インク吐出部はディスペンサノズル
    である請求項1に記載のオフセット印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記インク吐出は複数の吐出部から概略
    同時に行う請求項1ないし3の何れかに記載のオフセッ
    ト印刷方法。
  5. 【請求項5】 インク吐出部を設け該インク吐出部より
    直接インキを吐出して凹版パターン部に供給充填するオ
    フセット印刷方法により基板上に電子放出素子の素子電
    極を印刷形成し、該素子電極に導電薄膜と配線を形成し
    て得られる電子源基板を組込んでなる画像形成装置。
  6. 【請求項6】 凹版パターンと、該凹版パターンに付与
    されたインクを受理して被印刷物に転移するための部材
    とを有する印刷装置であって、前記凹版パターンにイン
    クを付与するインク吐出部を有することを特徴とする印
    刷装置。
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JP2001264962A (ja) * 2000-03-17 2001-09-28 Dainippon Printing Co Ltd オフセット印刷版
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