JP3122349B2 - オフセット印刷方法、装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

オフセット印刷方法、装置及びこれを用いた画像形成装置

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JP3122349B2 JP25005795A JP25005795A JP3122349B2 JP 3122349 B2 JP3122349 B2 JP 3122349B2 JP 25005795 A JP25005795 A JP 25005795A JP 25005795 A JP25005795 A JP 25005795A JP 3122349 B2 JP3122349 B2 JP 3122349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷によ
って電子機器のパターンを形成する方法に関し、さらに
はこのオフセット印刷によって作製される画像形成装
置、主に平面型表示装置に関して、精密かつ大面積化を
実現する製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来オフセット印刷はグラフィックス印
刷用として主に人間の視覚に感知されるパターンの印刷
に多く用いられている。また近年、電子機器への応用と
して記録用サーマルヘッドの電極や液晶表示装置のカラ
ーフィルター等を作製するための技術開発が成されてい
る。
【0003】図9は平台校正機型印刷装置を示す図を示
す図であるである。本図において101はインキローラ
ー104でインキ107を展開するインキ練り台であ
り、102は凹版105を固定する版定盤である。また
103は被印刷物であるワーク106を固定するワーク
定盤であり本体フレーム108の上に固定配置されてい
る。この一列に並んだ3つの定盤の両側に2本のラック
ギヤー109,110を配置し、そのラックギヤー10
9,110の上にピニオンギヤー111,112を噛み
合わせたブランケット113が配置されている。ブラン
ケット113はその軸を両端のキャリッジ114,11
5で固定され、このキャリッジ114,115が本体下
部からのクランクアーム116のクランク動作によって
前後進し、ブランケット113はインキ練り台101、
凹版105、ワーク106の上を順次回転摺動する。ま
たブランケット表面はゴム状のブランケットが取り付け
てある。
【0004】第10(a)〜(d)図はオフセット印刷
工程を示す図である。本図において101はインキ練り
台、105は凹版、106はワークとなるガラス基板で
あり同一平面に直列に配置されている。104はインキ
ロールでありインキ練り台101上で練ったインキ10
7を凹版105上に転移させる(102(a))。11
7はブレードであり凹版105上面を摺動して転移した
インキ107のうち、凹部に充填されたインキ以外をか
きとる(102(b))。113はブランケットであり
凹版105、ガラス基板106上面に順に回転接触する
ことにより、凹版105の凹部に充填されたインキを受
理し(102(c))、ガラス基板106上に凹版10
5の有するパターン状にインキ107を転移する(10
2(d))。
【0005】以上により印刷工程が終了する。印刷イン
キ107は作製するパターンの機能によって適宜選択す
ることができる。すなわち記録用サーマルヘッド等の電
極には主にAuレジネートペーストと呼ばれる有機Au
金属から成るインキを用い、また、カラーフィルターで
あればR,G,B各色の原料を分散したインキや有機色
素を含んだインキ等が用いられる。
【0006】また従来、平面型表示装置を実現する表示
技術としては、単純マトリックス液晶表示装置(LC
D)、薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT/LC
D)、プラズマディスプレイ(PDO)、低速電子線蛍
光表示管(VFD)、マルチ電子源フラットCRT等の
平面型表示装置技術がある。
【0007】これらの表示技術の例として、マルチ電子
源を用い蛍光体を発光させる発光素子及びこれを用いた
平面型表示装置について説明する。
【0008】従来、簡単な構造で電子の放出が得られる
素子として、M.I.Elison, Radio Eng. Electron Pys.,
10,(1965) 等によって発表された表面伝導形電子放出素
子が知られている。これは基板上に形成された小面積の
薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出
が生ずる現象を利用するものである。
【0009】この表面伝導形電子放出素子としては、前
記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au
薄膜によるもの[G.Dittmer:“Thin Solid Films”, 9,
317(1972)],In23 /SnO2 薄膜によるもの
[M.Hartwell and C.G.Fonstad: “IEEE Trans. ED Con
f.”,519 (1975) ]、カーボン薄膜による[荒木久他:
真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報
告されている。
【0010】これら表面伝導形電子放出素子の典型的な
素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を図
11に示す。同図において201は絶縁性基板、202
は電子放出部形成用薄膜で、スパッタで形成されたH型
形状金属酸化物薄膜等からなり、後述のフォーミングと
呼ばれる通電処理により電子放出部203が形成され
る。204は電子放出部を含む薄膜と呼ぶ。
【0011】従来、これらの表面伝導形電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2
02を予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電
子放出部203を形成するのが一般的であった。すなわ
ち、フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜202
の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局
所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗
な状態にした電子放出部203を形成することである。
なお、電子放出部203は電子放出部形成用薄膜202
の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行わ
れる場合もある。
【0012】また、本発明者等は、USP5,066,
883において素子電極間に電子を放出せしめる微粒子
を分散配置した新規な表面伝導形電子放出素子を技術開
示した。この電子放出素子は上記従来の表面伝導形電子
放出素子に対し、電子放出位置を精密に制御でき、より
高精密に電子放出素子を配列することができる。この表
面伝導形電子放出素子の典型的な素子構成を図12に示
す。本図において、301は絶縁性基板、302,30
3は電気的接続を得るための素子電極、304は分散配
置された微粒子電子放出材からなる薄膜、305は電子
放出部である。この表面伝導形電子放出素子において、
前記一対の電極302,303の電極間隔は0.01ミ
クロン〜100ミクロン、薄膜204の電子放出部のシ
ート抵抗は1×103 Ω/□〜1×109 Ω/□が適当
である。
【0013】以上説明してきた表面伝導形電子放出素子
を電子放出素子として用いる際には、電子ビームを飛翔
させるため真空容器内に配置する必要がある。真空容器
内の本素子の略垂直上にフェースプレートを設けて電子
放出装置とし、電極間に電圧を印加して、電子放出部か
ら得られた電子線を蛍光体に照射することによって蛍光
体を発光させ、発光素子や平面形表示装置として用いる
ことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明したように平台校正機印刷装置は以下のような問題点
が生じる。
【0015】1)ガラスのようなインキの吸収が無くか
つ表面が平滑でブランケットに対する摺動摩擦抵抗が小
さいワークヘレジネートペースト等のインキを転移させ
るためにはブランケット上のインキをワークに押し付け
るだけでは転移が不十分で印刷パターンの欠陥の発生が
多い。
【0016】さらにはオフセット印刷法を用いないで平
面型画像表示装置を作製するには以下に示す問題点があ
った。
【0017】2)前記表面伝導形電子放出素子や、単純
マトリックス液晶表示装置(LCD)、薄膜トランジス
タ液晶表示装置(LFT/LCD)等、薄膜表示素子の
電子回路加工工程において被加工物に機能薄膜を成膜
し、これをパターン加工することが行われる。例えば、
基板上にAl材を成膜した後、ホトリソ、エンイングに
より配線パターンが形成される。
【0018】しかしながら、例えば、40cm角以上の
大型基板上に微細なパターンをホトリソ技術により製造
する場合、大型露光装置を含む大型製造装置が必要とな
り莫大な費用がかかる。
【0019】さらに、1m程度の大面積基板では、製造
装置自体の大型化が困難であり、また、露光装置等の大
型装置が実現できたとしても、一基板当たりの処理時間
が長くなり、製造コストが膨大になるという欠点があ
た。
【0020】3)プラズマディスプレイ(PDP)表示
素子のように厚膜による電子回路の加工工程において
は、スクリーン印刷法で、導電性ペーストや絶縁性ペー
ストを直接パターン印刷した後、焼成して電極配線パタ
ーンや絶縁層を形成する方法が行われている。印刷法に
よるパターニングは比較的大面積基板に対応可能であ
り、一基板当たりの処理時間もホトリソ技術に比べて短
い。
【0021】しかしながら、レジストインキや導電性ペ
ースト、絶縁性ペーストの流動性、印刷版からの抜け
性、転写性、及び版圧力等に起因して印刷パターンが変
形しやすく、パターンの寸法精度、形状及び位置制御
性、再現性に限界がある。したがって、印刷法では欠陥
の少ない精密で微細なパターン加工を行うことが非常に
困難であり、100ミクロン程度以下の精密微細パター
ンを再現性よく形成する方法としては適していない。こ
のため平面型表示装置画面の画素を高精細化することが
難しいという欠点があった。したがって、薄膜トランジ
スタ液晶表示装置(TFT/LCD)や表面伝導形電子
放出素子を微細に製作することが難しい。
【0022】
【問題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決したオフセット印刷装置及び印刷方法を提供すること
が可能となった。特に本発明は画像表示装置に用いられ
る電極や、電子回路、電子機器の電極、LCD等のに用
いられるカラーフィルター等をオフセット印刷によって
パターン印刷する際、ガラスのようなインキの吸収が無
く、平滑で表面接触抵抗も小さいワークに対してでも良
好なインキ転移により欠陥が少なく、かつ、パターン形
状の変形の小さい印刷を可能とするものである。
【0023】さらに印刷に介在するブランケットとパタ
ーンの原形である印刷版との摺動接触時にはブランケッ
トラバー表面と印刷版表面の接触がスリップ無く行われ
ると特にブランケットラバー表面に受理されたインキパ
ターンは変形が小さい。
【0024】一方、ブランケットとワークガラスの接触
ではブランケットラバー表面とワークガラス表面の押圧
力を高くするか、あるいは、相対的にスリップを生じさ
せてインキの転移が良好になされることによる。このと
きブランケットラバーの高圧力あるいは、相対的スリッ
プはワーク上に転移するインキパターンの形状変形に大
きく関与しないためガラスワーク上に印刷されたインキ
パターンは良好な形状となる。本発明では相対的なスリ
ップを振動によって発生させるものである。
【0025】即ち本発明は、印刷版の原形パターンに配
置されたインキをブランケット表面に受理した後、この
インキをワーク表面に転移してパターンを形成するオフ
セット印刷装置であって、ブランケット表面とワーク表
面の接触界面ではブランケット本体とワーク本体の少な
くとも一方の振動により相対的なスリップを生じさせて
インキの転移を行う機能を有することを特徴とするオフ
セット印刷装置を提供することである。また本発明は、
印刷版の原形パターンに配置されたインキをブランケッ
ト表面に受理した後、このインキをワーク表面に転移し
てパターンを形成するオフセット印刷装置であって、ブ
ランケット表面と、印刷版表面の接触にはブランケト本
体と印刷版本体の接触界面には相対的なスリップがなく
インキが受理され、ブランケット表面とワーク表面の接
触界面ではブランケット本体とワーク本体の少なくとも
一方の振動により相対的なスリップを生じさせてインキ
の転移を行う機能を有することを特徴とするオフセット
印刷装置を提供することである。
【0026】また、本発明はブランケット胴及びワーク
固定定盤の少なくとも一方に振動素子が取り付けてあ
り、ブランケット表面とワーク表面の接触時に該振動素
子が振動するように制御されたオフセット印刷装置及び
オフセット印刷方法を提供するものである。
【0027】さらに本発明は上記オフセット印刷装置が
平台校正機型オフセット印刷装置でり、また円筒輪転機
型オフセット印刷装置またこれを用いたオフセット印刷
方法である。
【0028】また本発明は、基板上に設けられた一対の
電極間に電圧を印加することで電子を放出する電子放出
素子の製造方法において、前記一対の電極を請求項1〜
5のいずれか記載のオフセット印刷装置を用いて製造す
ることを特徴とする電子放出素子の製造方法を提供する
ことである。また本発明は上記方法によって製造された
電子放出素子、さらに前記電子放出素子が、更に前記一
対の電極をつなぐ導電性薄膜と該導電性薄膜の一部に電
子放出部とを有することを特徴とする電子放出素子、並
びに表面伝導型電子放出素子である前記電子放出素子を
提供することである。さらに本発明は、前記の電子放出
素子を基板上に複数配列形成した電子源基板と、該電子
放出素子から放出された電子が照射することで発光する
蛍光体とを有する基板とを対向して配置してなる画像形
成装置を提供することである。
【0029】
【発明を実施するための態様】以下本発明の実施態様に
ついて述べる。本発明に用いたオフセット印刷は一般に
は紙上にインキを転写するグラフィック印刷に用いられ
る。また、オフセット印刷は厚膜電子回路の形成に用い
られるスクリーン印刷に比べてインキの転写膜厚を薄く
できるという特徴がある。
【0030】今、高精細印刷を実施するためには印刷原
版の精細化、印刷工程におけるインキ転写パターンの維
持、等の実現が必要であるが、転写するインキの厚みが
薄いほど、解像力を上げることができる。これはインキ
のパターン幅に対する厚みのアスペクト比が小さいほど
転写後のインキのダレ、ニジミによるパターン幅の太り
が小さくできるためである。したがって、転写膜厚を薄
くできるオフセット印刷は高精細印刷のためのパターン
太りに対する制御の可能性を有している。
【0031】ここでオフセット印刷におけるブランケッ
トラバー表面と印刷版及びワーク表面の摺動接触と、イ
ンキのブランケットへの受理及びワークへの転移につい
て述べる。
【0032】今、一般的な平台校正機型オフセット印刷
装置を図9に示す。実際の印刷手順は前項に説明した通
りである。ここで印刷版は金属板の表面をホトリソエッ
チングによってパターンを食刻した金属凹版を用てい
る。この金属凹版の凹部に充填されたインキを摺動接触
してきたブランケットが受理し、さらにブランケットが
ガラスワークに摺動接触することにより、インキはガラ
スワーク上で転移され、印刷パターンが形成される。
【0033】なお、ブランケットの摺動面に対する金属
凹版、ガラスワークの高さは調整可能な機構を有してい
る。この機構によってブランケットラバーの金属凹版へ
の押し込み量で決定される版圧、及びガラスワークへの
押し込み量で決定される印圧が調整可能となる。実際の
印刷工程において版圧、印圧は適宜決定される。
【0034】この一連の工程の中のブランケット摺動は
ブランケット胴の両単に固定されているギヤーと印刷版
とワークステージの両端に配置されたラックギヤーの噛
み合いによって運動する。一般にラックとギヤーの噛み
合いで生じる回転運動の径寸法、すなわち、ピッチ円は
一つに決定される。前述したように、このピッチ円半径
に対し、ブランケットラバー外周半径を同一にしたと
き、両者の周長差は発生しない。このためブランケット
ラバー表面は印刷版のワーク表面と回転摺動する際、ブ
ランケットラバーの表面は印刷版、またはワーク表面に
対して表面面内方向のスリップを発生せずに回転させる
ことができる。
【0035】上記方法以外の方法として図4に示すよう
に、ブランケット胴の回転とブランケットの前後進運動
を個別のモーターで駆動し、このモーター相互の同調を
合わせることにより印刷版表面及びワーク表面とブラン
ケットラバー表面の回転摺動接触に際して表面面内方向
のスリップを発生せずに回転させることができる。
【0036】さらには図3、5に示すように、円筒輪転
方式のオフセット印刷装置においても、ギヤー駆動、モ
ーター駆動共に同様な方法により、平台校正機方式と同
様な表面面内方向のスリップを発生せずに回転させるこ
とが可能である。
【0037】上記のようにスリップの発生がない回転摺
動接触条件でガラスのようなインキの吸収がなく、平滑
で表面接触抵抗も小さいワークにレジネートペースト等
のインキを転移させるためにはブランケット上のインキ
をワークに押し付けるだけでは転移が不十分で印刷パタ
ーンの欠陥の発生が多い。
【0038】本発明では上記条件の印刷においても十分
なインキ転移を行うため、ブランケット表面とワーク表
面の接触界面ではブランケット本体とワーク本体の少な
くとも一方の振動により相対的なスリップを生じさせて
インキの転移を行うオフセット印刷方法である。この振
動により発生するスリップをマイクロスリップと呼ぶ。
【0039】このマイクロスリップはブランケット胴及
びワーク固定定盤の少なくとも一方に振動素子が取り付
けてあり、ブランケット表面をワーク表面の接触時に該
振動素子が振動するように制御されたオフセット印刷装
置によって可能となる。
【0040】今、平台校正機型オフセット印刷装置を用
いて以下の条件で平面型画像表示装置における素子電極
の印刷を行った。
【0041】 条件1 条件2 版圧(ミクロン) 200 200 印圧(ミクロン) 200 200 ワーク上マイクロスリップ 無し 有り 印刷結果は以下の通りであった。
【0042】 インキ観察面 条件1 条件2 ブランケット上受理インキ インキ受理良好 インキ受理良好 ワーク上転移インキ インク転移欠陥多い インキ転移良好 図8(a),(b),(c)は本発明で作製される平面
型画像表示装置における素子電極のパターン形状を示し
たものである。(a)は原版となる凹版形状、(b)は
マイクロスリップを発生させたときのガラス基板上に転
移させたインキ形状、(c)はマイクロスリップがない
ときのガラス基板上に転移させたインキ形状を示す図で
ある。
【0043】本図から容易に判別できるようにワーク上
に受理されたインキ形状はマイクロスリップの有無によ
り異なっている。すなわち、マイクロスリップがない場
合ではインキ転移が不十分であるが、マイクロスリップ
がある場合ではインキ転移は良好である。
【0044】以上の結果より本発明者らは以下のことを
見いだした。ガラスのようなインキの吸収がなくかつ表
面が平滑でブランケットに対する摺動摩擦抵抗が小さい
ワークへレジネトペースト等のインキを転移させるため
にはインキをワークに押し付けるだけでは転移が不十分
で欠陥の発生が多い。ワークへのインキ転移を十分行う
には、好ましくはブランケットはワークに対してインク
をこすりつけるようなガラス面内方向の運動を行うこと
が必要である。本発明ではこの運動を、振動によって生
じさせている。以下詳細な実施例を示す。
【0045】実施例1 図1(a)〜(d)は本発明の実施例1を示す平台校正
機型オフセット印刷の工程を示す図である。本図におい
て1はインキ練り台、2は凹版、3はワークとなるガラ
ス基板、4はガラス基板3を吸着固定するワーク定盤で
同一平面に直列に配置されている。5は内部に振動子を
組み込んだ振動ユニットでありワーク定盤4の裏面に取
り付けてある。6はインキ供給のためのインキロール、
7はインキ、8は凹版2上の不要なインキ7をかきとる
ためのブレード、9はインキ7の転写を行うブランケッ
トである。本図において装置構成は従来例と同様で、工
程の中のブランケット摺動はブランケット胴の両端に固
定されているギヤーと印刷版とワークステージの両端に
配置されたラックギヤーの噛み合いによって運動する。
ブランケット径とギヤーのピッチ円径は同一にしてあり
ブランケットラバーの表面は印刷版またはワーク表面に
対して表面面内方向のスリップを発生せずに回転するよ
うにしてある。
【0046】しかし、ワーク定盤4は振動子を組み込ん
だ振動ユニット5が固定されており、ブランケット9か
らワークへのインキ転移の際に振動ユニット5の振動が
伝わり、ガラス基板3の振動により、ブランケットとの
間にマイクロスリップが発生し、インキ転移が良好に実
施される。
【0047】次に印刷工程を図1を用いて説明する。イ
ンキロール6の回転摺動接触によりインキ練り台1上で
練ったインク7を凹版2上に転移させる(1(a))。
ブレード8で凹版2の上面を摺動して転移したインク7
のうち、凹部に充填されたインキ以外をかきとる(1
(b))。ブランケット9が凹版2、ガラス基板3の上
面を順に回転接触することにより、凹版2の凹部に充填
されたインキをブランケット9上に受理する(1
(c))。ブランケット9に受理されたインキ7をガラ
ス基板3上に凹版2の有するパターン状に転移する。こ
の際振動ユニット5を電気的に振動させることによりイ
ンキの転移が良好に行われる(1(d))。以上により
印刷工程が終了する。
【0048】本工程において、凹版2は真鍮板をホトリ
ソエッチング法によって所望印刷パターンの形状に凹部
を形成した後クロームメッキを施してある。凹部の深さ
は約10ミクロンとした。ガラス基板3は洗浄された青
板ガラスからなる。ブランケット9はその表面にシリコ
ーンからなるブランケットラバーが巻き付けてある。イ
ンキ7はPtレジネートペーストインキを用いた。振動
ユニット5は圧電体からなる超音波振動子を有し、ワー
ク定盤4に振動が伝わるように固定してある。振動周波
数は1MHzとした。
【0049】印刷における版圧はブランケットの凹版へ
の押し込み量で100ミクロンとし、印圧もブランケッ
トのガラス基板への押し込み量で100ミクロンとし
た。印刷パターンは凹版2の凹部パターンと同形状でイ
ンキがガラス基板上に欠陥なく良好に転写された。
【0050】実施例2 図2(a)〜(d)は本発明の実施例2を示す平台校正
機型オフセット印刷の工程を示す図である。本図におい
て11はインキ練り台、12は凹版、13はワークとな
るガラス基板、14はガラス基板13を吸着固定するワ
ーク定盤で同一平面に直列に配置されている。15はイ
ンキ供給のためのインキロール、16はインキ、17は
凹版12の上の不要なインキをかきとるためのブレー
ド、18はインキ17の転写を行うブランケットであ
る。19は内部に振動子を組み込んだ振動ユニットであ
りブランケット18の同軸位置に配置固定してある。本
図において装置構成は従来例と同様で、工程の中のブラ
ンケット摺動はブランケット胴の両端に固定されている
ギヤーと印刷版とワークステージの両端に配置されたラ
ックギヤーの噛み合いによって運動する。ブランケット
径とギヤーのピッチ円径は同一にしてありブランケット
ラバーの表面は印刷版またはワーク表面に対して表面面
内方向のスリップを発生せずに回転するようにしてあ
る。しかし、ブランケット18は振動子を組み込んだ振
動ユニット19が固定されており、ブランケット18か
らワークへのインキ転移の際に振動ユニット19の振動
が伝わり、ガラス基板3の振動により、ブランケットの
間にマイクロスリップが発生し、インキ転移が良好に実
施された。
【0051】印刷工程は実施例1と同様である。本工程
において、各部材、印刷条件は実施例1と同様に行っ
た。その結果、得られた印刷パターンは凹版12の凹部
パターンを同形状でインキ7がガラス基板13上に欠点
なく良好に転写された。
【0052】実施例3 図3は本発明の実施例3を示す円筒輪転機型オフセット
印刷装置の上面図、及び側面図である。本図において4
1は本体フレーム、42はワークステージで本体フレー
ム41上のリニアガイド43,44で支持され、かつ本
体フレーム41の左側に配置したモーターを駆動源とし
たボールねじ45で図中左右に走行する。46,47は
ワークステージ42の両側に配置固定されたラックギヤ
ーである。48はワークステージ42のほぼ中央に配置
されたワーク定盤であり、その裏面に実施例1と同様な
振動ユニットが固定されている。また、高さ方向の調整
が可能な構造を有している。49はワーク定盤48の上
に配置固定されたガラス基板である。ガラス基板49は
洗浄された青板ガラスからなる。
【0053】50はブランケット胴であり、その両端に
ギヤー51,52,53,54を固定してある。55は
円筒凹版であり、その両端にギヤー56,57を固定し
てある。58,59は本体フレーム41に固定されたキ
ャリッジであり、ブランケット胴50の軸と円筒凹版5
5の軸をベアリング軸受けを介して固定している。60
はシリコーンゴムからなるブランケットラバーであり、
ブランケット胴50に巻付け固定されている。円筒凹版
55はエアーシリンダ−61,62により必要に応じ
て、ブランケットラバー60に押圧接触させることがで
きる。63は薄板状の鋼からなるドクターブレードであ
り、キャリッジ58,59に固定されたドクターブレー
ド昇降用エアーシリンダー64,65に支持固定されて
いる。該エアーシリンダー64,65の降下により、ド
クターブレード63は円筒凹版55の表面を接触摺動す
ることができる。
【0054】ここで、ブランケットラバーの外周径に対
して、ブランケット胴50に固定されたギヤー51,5
2,53,54及び円筒凹版55に固定されたギヤー5
6,57のピッチ円径は同一に設定した。このピッチ円
径とブランケットラバー60の外周円径も同一に設定し
た。したがって、ブランケットラバー60の表面と円筒
凹版55表面の接触回転摺動及び、ブランケットラバー
60の表面とガラス基板49表面の接触回転摺動は相互
間の表面面内方向のスリップを発生せずに回転するよう
にしてある。
【0055】しかしワーク定盤48は振動子を組み込ん
だ振動ユニットが裏面に固定されており、ブランケット
ラバー60からワークへのインキ転移の際に振動ユニッ
トの振動が伝わり、ガラス基板49の振動が生じてブラ
ンケットとの間にマイクロスリップが発生し、インキ転
移が良好に実施される。ここで、円筒凹版55への押し
込み量、すなわち版圧は100ミクロン、ガラス基板4
9への押し込み量、すなわち印圧も100ミクロンに設
定した。
【0056】実際の印刷工程を以下に説明する。まず、
円筒凹版上のドクターブレード63を下降接触させ、次
にPtレジネートペーストインキを円筒凹版のドクター
ブレード接触部近傍に供給する。ガラス基板49をワー
ク定盤48上に固定配置する。次にワークステージ42
をボールねじ45を駆動回転することにより、図面左に
直進移動させると、ラックとギヤーの噛み合わせによ
り、ブランケット胴50、円筒シンリンダー55が各々
接触回転摺動運動を起こす。回転運動の進行により、イ
ンキは円筒凹版55の凹部に充填され、それ以外の不要
インキはドクターブレード63でかきとられる。凹部に
充填されたインキは接触回転摺動してブランケットラバ
ー60の表面に受理される。
【0057】受理したインキはブランケットラバー60
の回転と共に直進移動してくるガラス基板49と接触回
転摺動する。この際、ワーク定盤49の振動ユニットを
電気的に振動させることによりインキの転移が良好に行
われることによってガラス基板49上に所望の印刷パタ
ーンが形成できた。このとき転移は有効パターン全面で
良好に行われ、ガラス基板49上に転移したインキの形
状は円筒凹版55のパターンと同一であった。
【0058】以上により印刷工程が終了する。本実施例
において、実施例2と同様に振動ユニットをブランケッ
ト胴50の同軸位置に配置固定し、ブランケットラバー
60を振動させることによっても、同様な印刷が可能で
あった。
【0059】実施例4 図4は本発明の実施例4を示す平台校正機型オフセット
印刷装置の図である。本実施例の印刷装置構成は前述し
た実施例1の構成とは異なり、ブランケット胴の回転運
動は独立したモーター71によって駆動される。また、
印刷版定盤、ワーク定盤は本体フレームに設置されたリ
ニアガイドとボールねじによって左右に移動するステー
ジ72上に固定されており、このステージ72も独立し
たモーター74によって駆動される。ワーク定盤73は
その裏面に実施例1と同様な振動ユニットが固定されて
いる。
【0060】さらには、ブランケット胴は支持するキャ
リッジが本体フレームに固定されており、左右の移動運
動がない。したがって、ブランケット胴はエアーシリン
ダーの昇降運動による版圧、印圧の制御動作とモーター
71による回転運動のみが行われ、凹版、ガラス基板と
の摺動はステージ72の移動運動で行われる。また、版
へのインキ供給はインキローラーを用いないで、凹版上
に直接落したインキをドクターで展開し、凹版の凹部に
インキを充填しながら、かつ、不要部分のインキをかき
とることによる。
【0061】ここで、ブランケット胴の回転速度とステ
ージ72の移動速度は個別に制御可能である。ブランケ
ットラバー表面が凹版に接触回転摺動する速度及び、ブ
ランケットラバー表面がガラス基板に接触回転摺動する
速度はその外周長と凹版長さガラス基板長が同一になる
ように制御され、相互の接触にはスリップは発生しな
い。しかし、ワーク定盤73は振動子を組み込んだ振動
ユニットが裏面に固定されており、ブランケットラバー
からワークへのインキ転移の際に振動ユニットの振動が
伝わり、ガラス基板の振動が生じてブランケットとの間
にマイクロスリップが発生し、インキ転移が良好に実施
される。
【0062】上記のようにモーターの速度を変える方法
として、ブランケット胴回転軸、及びステージ移動軸に
高分解能のエンコーダーを搭載し相互の位置を検出しな
がら各々のモーターを制御し、設定した速度の調整を行
う。以上により、インキ転写が可能となり、ガラス基板
上に凹版と同形状の印刷パターンを形成することができ
た。
【0063】本実施例において、実施例2と同様に振動
ユニットをブランケット胴の同軸位置に配置固定し、ブ
ランケットラバー60を振動させることによっても、同
様な印刷が可能であった。
【0064】実施例5 図5は本発明の実施例5を示す円筒輪転機型オフセット
印刷装置の図である。本実施例の印刷装置構成は前述し
た実施例3の構成とは異なり、ブランケット胴及び、円
筒凹版の回転運動は独立したモーター81,82によっ
て駆動される。また、ワーク定盤は本体フレームに設置
されたリニアガイドとボールねじによって左右に移動す
るステージ83上に固定されており、このステージ83
も独立したモーター84によって駆動される。
【0065】ここで、ブランケット胴及び、円筒凹版の
回転速度をステージ83の移動速度は個別に制御可能で
ある。ブランケットラバー表面が円筒凹版に接触回転摺
動する速度、ブランケットラバー表面がガラス基板に接
触回転摺動する速度はブランケットラバー外周長と円筒
凹版外周長、ガラス基板長が同一になるように制御さ
れ、相互の接触にはスリップは発生しない。しかし、ワ
ーク定盤85は振動子を組み込んだ振動ユニットが裏面
に固定されており、ブランケットラバーからワークへの
インキ転移の際に振動ユニットの振動が伝わり、ガラス
基板の振動が生じてブランケットとの間にマイクロスリ
ップが発生し、インキ転移が良好に実施される。
【0066】上記のようにモーターの速度を変える方法
として、ブランケット胴回転軸、及び円筒凹版軸とステ
ージ移動軸に高分解能のエンコーダーを搭載し、相互の
位置を検出しながら各々モーターを制御し、設定した速
度の調整を行う。以上により、インキ転写が可能とな
り、ガラス基板上に凹版と同形状の印刷パターンを形成
することができた。本実施例において、実施例2と同様
に振動ユニットをブランケット胴の同軸位置に配置固定
し、ブランケットラバー60を振動させることによって
も、同様な印刷が可能であった。
【0067】実施例6 オフセット印刷により形成された電子放出素子の素子電
極を用いた画像形成装置の製造方法について以下に述べ
る。上記実施例で説明した印刷方法、印刷装置によって
ガラス基板上に電子放出素子の素子電極を印刷転写し
た。本実施例においては図6に示すものを用いた。
【0068】インキは有機金属からなるPtレジネート
ペーストを用いている。ガラス基板上に転移されたイン
キは約70℃の乾燥と約580℃の焼成によってPtか
らなる素子電極として利用できる。印刷乾燥後のガラス
基板上のインキ転写厚みは約2ミクロン程度と小さく印
刷電極パターン幅の太りは非常に小さかった。さらに、
焼成後のPt電極厚みは約1000オングストロームと
薄く形成することができた。ここで、素子電極のパター
ン形状としては電子放出材を配置する素子電極間隔を有
し、その寸法を約20ミクロンに設定した。以上のよう
にして形成した素子電極に対して配線を形成することに
よって電子放出素子基板を作製することができる。以下
順に図を用いて説明する。
【0069】以上のようにして形成した素子電極に対し
て配線とPd微粒子からなる薄膜を形成することによっ
て電子源基板を作製することができる。図6において、
401は青板ガラスからなる電子源基板。405,40
6はAgペーストインキの印刷焼成で得られた厚み約7
ミクロンの印刷配線である。素子電極402,403は
印刷配線405,406と各々接続している。404は
有機金属溶液の塗布焼成で得られた厚み約200オング
ストロームのPd微粒子から成る薄膜で素子電極40
2,403及びその電極間隔部に配置するようにCr薄
膜のリバースエッチ法によってパターニングした。40
7,408はメッキ配線で、印刷配線402,403上
に厚み約50ミクロン、幅400ミクロンのCuメッキ
によって形成した。また409は青板ガラスからなるガ
ラス基板で、電子源基板401と5mm隔てて対向して
いる。
【0070】410は蛍光体で、基板409上に配置さ
れており、対向した電子源基板409上に配置された素
子電極402,403からなる電極間隔部に対応した位
置に形成されている。蛍光体410は感光性樹脂を蛍光
体を混ぜてスラリー状とし、塗布乾燥した後ホトリソグ
ラフィ法によってパターニング形成したものである。4
11は蛍光体410上にフィルミング工程を施した後、
真空蒸着によって厚み約300オングストロームのAl
薄膜を成膜し、これを焼成してフィルム層を消失するこ
とによって得られたメタルバックである。以上の、蛍光
体及びメタルバックをガラス基板409上に形成したも
のをフェースプレートと呼ぶ。
【0071】413は素子基板とフェースプレート間に
配置されたグリッド電極である。以上を真空外囲器の中
に配置した後、メッキ配線407,408間に電圧を印
加して薄膜404の通電処理を行い電子放出部412を
得た。この後メタルバック411をアノード電極として
電子の引き出し電圧3kVを印加し、メッキ配線40
7,408間を通して素子電極402,403から電子
放出部412へ14Vの電圧を印加したところ、電子が
放出された。この放出電子グリッド413の電圧を変化
させることによって変調し、蛍光体410へ照射される
放出電子量を調整することができた。これにより蛍光体
410を任意に発光させ画像を表示できた。
【0072】実施例7 図7(a)〜(f)にオフセット印刷によって作製した
表面伝導形電子放出素子とマトリックス配線を組み合わ
せた図を示す。
【0073】図7本実施例の素子基板の製造工程を示し
た上面図である。図7(f)において不図示の青板ガラ
ス基板上に対して、電子放出素子を3個×3個、計9個
のマトリックス状に配線とともに形成した例で示す。本
図において501は下層印刷配線、502は下層印刷配
線501に並列した印刷パッドであり、下層印刷配線5
01と同一工程で印刷金属ペーストの焼成によって形成
される。503は印刷ガラスペーストの焼成によって形
成された下層印刷配線に対して直交した短冊状の絶縁層
であり、印刷パッド502との交差中央部で504のコ
ンタクトホールの開口を有している。505は上層印刷
配線であり、メッキ配線506の下層となるため図面上
は露出していない。
【0074】上層印刷配線505は絶縁層23上の短冊
状であり、コンタクトホール505によって印刷パッド
502と電気的に接続しており、印刷金属ペーストの焼
成によって形成される。507,508は素子電極であ
り、下層印刷配線501と印刷パッド502とに各々接
続しており、レジネートペーストインキのオフセット印
刷、焼成によって形成される。素子電極507,508
は相互の隣接部で電極間隔30ミクロン電極幅200ミ
クロンの形状を構成している。509は電子放出材であ
るPd微粒子からなる薄膜であり素子電極507,50
8及び電極間隔に配線形成される。510はこの電極間
隔部の薄膜部位を示しており、後述する電子放出部とな
る部分である。506はメッキ配線であり上層印刷配線
505上に短冊状でメッキ法によって形成される厚み約
100ミクロンの金属配線である。
【0075】以下本図(a),(b),(c),
(d),(e)及び(f)を用いて本素子基板の製造方
法を順に説明する。まず。よく洗浄した青板ガラスから
なる基板上にレジネートペーストインキのオフセット印
刷、焼成によって厚み1000オングストロームのPt
素子電極507,508をパターン形成した。(a) 次にAgペーストインキをスクリーン印刷し、焼成して
幅300ミクロン、厚み7ミクロンの下層印刷配線50
1及び印刷パッド502を形成した。このとき、配線5
01及び印刷パッド502は素子電極507,508と
各々電気的に接続される。(b) 次に、ガラスペーストインキをスクリーン印刷し、焼成
して幅500ミクロン厚み約20ミクロンの絶縁層50
3と、開口寸法100ミクロン角のコンタクトホール5
04を形成した。(c) さらに、絶縁層503上にAgペーストインキをスクリ
ーン印刷し,焼成して幅300ミクロン厚み10ミクロ
ンの上層印刷配線505を形成した。このときコンタク
トホール504を通じて上層印刷配線505と印刷パッ
ド502は電気的に導通する。また、後工程のメッキ配
線形成によって、コンタクトホールでの十分なステップ
カバーが実現される。(d) 次に薄膜509を配置したくない部分にスパッタ法によ
りCrを成膜した後、ホトリソエッチング法によってC
rパターンを作製し、その後有機パラジウム溶液(奥野
製薬(株)キャタペーストCCP4230)を塗布、焼
成してPd微粒子膜を得る。さらに、Crパターンをリ
バースエッチして薄膜509を素子電極507,508
と電極間隔部にパターニング形成する。(e) 次に、上層印刷配線505を露出させた形にメッキレジ
ストをホトリソグラフィ法により形成し、上層印刷配線
505に通電してこの部分にCuの電解メッキを厚み1
00ミクロン実施する。メッキレジストを剥離すること
によって素子基板が製造される。このとき、コンタクト
ホール504部分においてCuメッキ膜は十分にコンタ
クトホール504内にも堆積成長して、印刷パッド50
2と上層印刷配線505とは十分な電気的導通が得られ
た。(f) 本素子基板を40cm角基板上に、350個×350個
の電子放出素子をマトリックス状に配置してR,G,B
に対応する各蛍光体を有するフェイスプレートとともに
真空外囲器内に配置した。この後、電子放出素子の通電
処理を行った後、本素子基板の上層印刷配線には14V
の任意の電圧信号を下層印刷配線には0Vの電位を順次
印加走査しそれ以外の下層印刷配線は7Vの電位とし
た。フェースプレートのメタルバックに3kVのアノー
ド電圧を印加したところ、任意の画像を表示することが
できた。このときの電子放出素子と蛍光体の位置ズレに
よって生ずる蛍光輝点のクロストークはなかった。ま
た、メッキ配線506の配線抵抗は基板両端部間で約
0.5オーム程度と小さくでき、駆動信号の電圧降下や
遅延を大幅に改善することができた。
【0076】本工程において、印刷配線の印刷焼成前に
素子電極507,508を作製する。しかし、この素子
電極は印刷焼成工程を一度経ているため、同様な印刷配
線焼成では素子電極の熱ダメージは発生しなかった。ま
た、下層印刷配線501と印刷パッド502の基板上の
同一形成層であり、素子電極507,508とのコンタ
クトは素子電極507,508が段差のない基板上で形
成され、印刷配線501と印刷パッド502に接続する
ため途中で断線することはなかった。
【0077】
【発明の効果】以上説明したようにブランケットラバー
表面と印刷版表面、ワークガラス表面との接触回転摺動
の際の相互表面スリップを発生、抑制することにより、
ワークガラス表面へのインキの転写が良好となり印刷版
のパターン形状に対して欠陥のない印刷パターンを形成
することができた。これにより、本発明における電子放
出素子の安定化が可能となり、より高品質な画像を表示
する画像形成装置を実現することができた。さらには、
オフセット印刷によって素子電極を形成することによっ
て製造処理処理時間を短くすることができ画像表示装置
を安価に作製するという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の印刷工程を示す側面図。
【図2】本発明の実施例2の印刷工程を示す側面図。
【図3】本発明の実施例3の印刷装置を示す上面図。
【図4】本発明の実施例4の印刷装置を示す上面図。
【図5】本発明の実施例5の印刷装置を示す上面図。
【図6】本発明の実施例6の画像表示装置を示す断面
図。
【図7】本発明の実施例7の画像表示装置を示す上面
図。
【図8】素子電極パターン形状を示す上面図。
【図9】従来の平台校正機型印刷装置を示す図である。
【図10】従来のオフセット印刷工程を示す図である。
【図11】表面伝導型電子放出素子を示す上面図。
【図12】表面伝導型電子放出素子を示す上面図及び断
面図。
【符号の説明】
図1 1 インキ練り台 2 凹版 3 ワークとなるガラス基板 4 ガラス基板3を吸着固定するワーク定盤で同一平
面に直列に配置されている 5 内部に振動子を組み込んだ振動ユニットでありワ
ーク定盤4の裏面に取り付けてある 6 インキ供給のためのインキロール 7 インキ 8 凹版2上の不要なインキ7をかきとるためのブレ
ード 9 インキ7の転写を行うブランケットである 図2 11 インキ練り台 12 凹版 13 ワークとなるガラス基板 14 ガラス基板13を吸着固定するワーク定盤で同
一平面に直列に配置されている 15 インキ供給のためのインキロール 16 インキ 17 凹版12の上の不要なインキをかきとるための
ブレード 18 インキ17の転写を行うブランケット 19 内部に振動子を組み込んだ振動ユニットであり
ブランケット18の同軸位置に配置固定してある 図3 41 本体フレーム 42 ワークステージ 43,44 リニアガイド 45 ボールねじ 46,47 ラックギヤー 48 ワーク定盤 49 ワーク定盤の上に配置固定されたガラス
基板 50 ブランケット胴 51,52,53,54 ギヤー 55 円筒凹版 56,57 ギヤー 58,59 キャリッジ 60 ブランケットラバー 61,62 エアーシリンダ− 63 ドクターブレード 64,65 ドクターブレード昇降用エアーシリンダ 図4 71 モーター 72 ステージ 73 ワーク定盤 74 モーター 図5 81、82 モーター 83 ステージ 84 モーター 85 ワーク定盤 図6 401 ガラス基板 402,403 素子電極 403 印刷パッド 404 薄膜 405,406 印刷配線 407,408 メッキ配線 409 ガラス基板 410 蛍光体 411 メタルバック 413 グリッド電極 図7 501 下層印刷配線 502 印刷パッド 503 絶縁層 504 コントクトホール 505 上層印刷配線 506 メッキ配線 507,508 素子電極 509 電子放出材 510 電子放出部 図8 (a) 原版となる凹版形状 (b) マイクロスリップを発生させたときの
ガラス基板上に転移させたインキ形状 (c) マイクロスリップがないときのガラス
基板上に転移させたインキ形状 図9、図10 101 インキ練り台 102 版決盤 104 インキローラー 103 ワーク定盤 105 凹版 106 ワーク 107 インキ 108 本体フレーム 109,110 ラックギヤー 113 ブランケット 114,115 キャリッジ 116 クランクアーム 図11 201 絶縁性基板 202 電子放出部形成用薄膜で、スパッタで
形成されたH型形 203 電子放出部203 204 電子放出部を含む薄膜 図12 301 絶縁性基板 302,303 素子電極 304 分散配置された微粒子電子放出材から
なる薄膜 305 電子放出部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 3/20 B41F 3/34 B41F 17/14 B41M 1/06 G02F 1/1335 505 G02B 5/20 101 H05K 3/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷版の原形パターンに配置されたイン
    キをブランケット表面に受理した後、このインキをワー
    ク表面に転移してパターンを形成するオフセット印刷装
    置であって、ブランケット表面とワーク表面の接触界面
    ではブランケット本体とワーク本体の少なくとも一方の
    振動により相対的なスリップを生じさせてインキの転移
    を行う機能を有することを特徴とするオフセット印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 ブランケット表面と、印刷版表面の接触
    にはブランケット本体と印刷版本体の接触界面には相対
    的なスリップがなくインキが受理される請求項1に記載
    のオフセット印刷装置。
  3. 【請求項3】 ブランケット胴及びワーク固定定盤の少
    なくとも一方に振動素子が取り付けてあり、ブランケッ
    ト表面とワーク表面の接触時に該振動素子が振動するよ
    うに制御されたことを特徴とする請求項第1または2項
    に記載のオフセット印刷装置。
  4. 【請求項4】 オフセット印刷装置が平台校正機型オフ
    セット印刷装置であることを特徴とする請求項第1、2
    又は3項記載のオフセット印刷装置。
  5. 【請求項5】 オフセット印刷装置が円筒輪転機型オフ
    セット印刷装置であることを特徴とする請求項第1、2
    又は3項記載のオフセット印刷装置。
  6. 【請求項6】 基板上に設けられた一対の電極間に電圧
    を印加することで電子を放出する電子放出素子の製造方
    法において、前記一対の電極を請求項1〜5のいずれか
    記載のオフセット印刷装置を用いて製造することを特徴
    とする電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項第6記載の製造方法により製造さ
    れた電子放出素子。
  8. 【請求項8】 前記電子放出素子が、更に前記一対の電
    極をつなぐ導電性薄膜と該導電性薄膜の一部に電子放出
    部とを有することを特徴とする請求項7記載の電子放出
    素子。
  9. 【請求項9】 該電子放出素子が表面伝導型電子放出素
    子である請求項7または8記載の電子放出素子。
  10. 【請求項10】 請求項7または8に記載の電子放出素
    子を基板上に複数配列形成した電子源基板と、該電子放
    出素子から放出された電子が照射することで発光する蛍
    光体とを有する基板とを対向して配置してなる画像形成
    装置。
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