JP3387710B2 - 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法 - Google Patents
電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法Info
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Description
その応用である表示装置等の画像形成装置にかかわり、
特に表面伝導型電子放出素子を多数個備える電子源基
板、その製造方法、及びそれを組み込んだ表示装置等の
画像形成装置に関する。
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には、電界放出型(以下、FEと記す)、金属/絶縁層
/金属型(以下、MIMと記す)や表面伝導型電子放出
素子等がある。
an, “Field emission”, Advancein Electron Physici
s, 8, 89 (1956)或いはC.A.Spindt, “Physical Proper
ties of thin-film field emission cathodes with mol
ybdenium ”, J.Appl.Phys., 47, 5248 (1976) 等が知
られている。
tunnel-emission amplifier, J. Appl. Phys., 32, 646
(1961) が知られている。
I.Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, (1965)]
等がある。
れた小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる現象を利用するものである。この
表面伝導型電子放出素子としては、前記Elinson 等によ
るSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.
Dittmer:“Thin Solid Films", 9, 317 (1972)]、In2
O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.
Fonstad: “IEEE Trans. ED Conf.”,519 (1975)]、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第
1号、22ページ(1983)]等が報告されている。
な素子構成として、前述のM.Hartwellの素子構成を図5
に示す。同図において1は、基板である。2は電子放出
部形成用薄膜で、スパッタリングで形成されたH型形状
の金属酸化物薄膜等からなり、後述するフォーミングと
呼ばれる通電処理により電子放出部3が形成される。な
お、図中の素子電極間隔L1は、0.5〜1.0mm、
W’は、0.1mmで設定されている。又、電子放出部
3の位置及び形状については、不明であるので模式図と
して表わした。
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成用薄膜2
を予めフォーミングと呼ばれる通電処理することによっ
て、電子放出部3を形成するのが一般的であった。すな
わち、通電フォーミングとは、前記電子放出部形成用薄
膜2の両端に直流電圧、或いは非常にゆっくりとした昇
電圧、例えば1V/分程度を印加通電し、導電性薄膜を
局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵
抗な状態にした電子放出部3を形成することである。な
お電子放出部3は電子放出部形成用薄膜2の一部に亀裂
が発生し、その亀裂付近から電子放出が行われる。以
下、フォーミングにより発生した電子放出部を含む電子
放出部形成用薄膜を電子放出部を含む薄膜4と呼ぶ。
子放出素子は、上述の電子放出部を含む薄膜4に電圧を
印加し、素子表面に沿って電流を流すことにより、上述
の電子放出部3より電子を放出せしめるものである。
に、「活性化」と呼ばれる工程が導入されている。この
目的は、フォーミングにより高抵抗化された表面伝導型
電子放出素子に一定の電圧を一定時間通電し続けること
によって、電子放出量を増加せしめることである。
製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子
を配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を生かせ
るようないろいろな応用が研究されている。例えば、荷
電ビーム源、画像形成装置等の表示装置等が挙げられ
る。
明したような表面伝導型電子放出素子を多数配列して画
像形成装置として大面積化するには以下のような問題点
がある。前記表面伝導型電子放出素子の製造工程におい
て電極や配線パターンを加工する場合、基板上に電極及
び配線材料の金属薄膜を成膜し、これを通常のフォトリ
ソグラフィー、エッチング技術を用いてパターン加工し
て電極や配線パターンが形成される。しかしながら、例
えば、40cm角以上の大型基板上にフォトリソグラフ
ィー、エッチング技術により電子放出素子を製造する場
合、蒸着装置をはじめ、露光装置、エッチング装置等を
含む大型製造設備が必要となり、このために莫大な費用
がかかるだけでなく、基板を大型化する場合、製造装置
自体の大型化が困難で製造方法上、或いはコスト上の問
題がある。
て、印刷法を用いて配線等を形成することが考えられ
る。この場合、配線を構成する導体層等が多孔質にな
り、表面積が非常に大きくなる結果、配線から多量の放
出ガスが発生し、電子源基板の動作に必要な真空度を得
ることが困難になる等の問題がある。この問題は、特に
電子放出素子を高密度に配置するときに深刻な問題にな
る。又、電子放出部形成用薄膜の製法としては、後述す
るように有機金属溶液を基板に塗布して焼成する方法が
簡便であるが、配線等の導体層が多孔性であると有機金
属溶液がこれに吸収されてしまい、所望の薄膜が得られ
ない等の問題がある。
素子を複数設置した電子源基板及び画像形成装置の製造
方法において、安価で、工程数が少なく、より高密度な
画素配列による高品位な画像が実現可能な表面伝導型電
子放出素子を複数設置した電子源基板、その製造方法、
及び画像形成装置を提供することを目的とする。
関する。 (1)複数個配列された電子放出素子と、前記電子放出
素子を順次選択すると共に前記電子放出素子に通電する
配線とを少なくとも基板上に配設してなる電子源基板の
製造方法において、前記配線に静電スプレー法を用いて
コーティング液を塗布することを特徴とする電子源基板
の製造方法。 (2)静電スプレー法がコーティング液と配線との間に
電位勾配を与えて行なう上記(1)に記載の電子源基板
の製造方法。 (3)配線を印刷法で形成した上記(1)又は(2)に
記載の電子源基板の製造方法。 (4)電子放出素子が電子放出部形成用薄膜に通電処理
を施すことにより電子放出部が形成される表面伝導型電
子放出素子である上記(1)乃至(3)のいずれかに記
載の電子源基板の製造方法。 (5)電子源基板と、前記電子源基板のそれぞれの電子
放出素子と対向する位置に電子ビームの照射により可視
光を発する蛍光体を配設することで画素を形成して成る
画像形成装置の製造方法であって、前記電子源基板は上
記(1)乃至(4)のいずれかに記載の方法にて製造さ
れることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
造する際に、ガス放出をし易い部分、特に多孔質になり
易く、このためガス放出量の多い配線にコーティングを
施すことにより、放出ガスを抑制することができるもの
である。即ち、電子源基板の導電性部分にバイアスをか
けて静電スプレー法を用いることにより。電子源基板の
導電部分に集中的にコーティング液を塗布できるもので
ある。多孔質の部分をコーティングすることにより、真
空中におけるガスの放出や、導体層に有機金属溶液が吸
収されることを抑制することができる。
する。
方法の概念を示す。図中20はスプレー用ノズル、21
はコーティング液を入れるタンク、22はコーティング
液、23は加圧用コンプレッサー、24は微粒化装置、
25は高圧電源、26は基板、27は導電性ステージ、
28は導体層である。
ー23によって加圧され、微粒化装置24内で微粒子に
され、不図示の窒素ガス供給装置により供給された窒素
ガスによって噴射ノズル20に運ばれる。噴射ノズル2
0に運ばれたコーティング液中の微粒子は、高圧電源2
5によって電荷を付与されてノズルから噴射される。電
荷を付与された微粒子は噴射ノズル20と導電性ステー
ジ27(接地されている)との間の電位勾配によって基
板26に飛来する。ここで、導電層28を接地しておく
ことにより、導電層28に飛来した微粒子によってもた
らされる電荷はアースを通って除去されるが、他の導電
性のない部分では飛来した微粒子による電荷が蓄積され
る。導電層以外では、この蓄積された電荷により噴射ノ
ズル20との電位差が減少するために、飛来してくる微
粒子の附着が妨げられ、結果的に導電層に集中して微粒
子を飛来させることができる。
トリクス構成の電子源基板を構成した例を示している。
図中、10、11は素子電極、12は第1の配線層(走
査側若しくは信号側)、13は第2の配線層、14は第
1の配線層と第2の配線層とを電気的に分離するための
絶縁層、15は電子放出部形成用薄膜である。コーティ
ング液の配線層へのコーティングは各配線層の形成毎に
行なっても良いし、第2の配線層が形成された後に一括
して行なっても良い。
ロピオン酸や酢酸とアルコールとのエステル、例えば酢
酸ブチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオ
ン酸ブチル等が好ましい。
ばNi,Cr,Ag,Au,Pd,Pt,Mo,W,T
i,Al,Cu等が好ましい。
に0.1〜0.5重量%とすることが好ましい。
〜60g/m2となることが好ましい。
g/cm2が好ましい。
kvが好ましい。
子放出素子の基本的な構成と製造方法及びその特徴(例
えば、特開平2−56822等を参考にして)について
概説する。
構成、及び製法の特徴は、次のようなものが挙げられ
る。
行なう前の電子放出部形成用薄膜は、微粒子分散体を分
散し形成された微粒子からなる薄膜、或いは、有機金属
等を加熱焼成し形成された微粒子からなる薄膜等で、基
本的には、微粒子より構成される。
の電子放出部を含む薄膜は、電子放出部、電子放出部を
含む薄膜とともに基本的には微粒子より構成される。
係わる基本的な表面伝導型電子放出素子の構成を示す平
面図及び断面図である。図6を用いて、本発明に係わる
素子の基本的な構成を説明するが、本発明の電子源基板
及び画像形成装置では後述するように、この表面伝導型
電子放出素子を多数個、同一基体上に配線電極とともに
形成しているものである。
出部、4は電子放出部を含む薄膜、5と6は素子電極で
ある。
ス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラ
ス、青板ガラス上にスパッタ法等によりSiO2 (絶縁
層)を積層したガラス基板等及びアルミナ等のセラミッ
ク等が挙げられる。
般的な導電体が用いられ、例えばNi,Cr,Au,M
o,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或いは
合金及びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の
金属或いは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導
体、In2 O3 −SnO2 等の透明導電体及びポリシリ
コン等の半導体材料が挙げられる。素子電極間隔L1
は、数オングストロームより数百マイクロメートルであ
り、素子電極の製法の基本となるフォトリソグラフィー
技術、すなわち、露光機の性能とエッチング法等、及び
素子電極間に印加する電圧と電子放出し得る電界強度等
により設定されるが、好ましくは、数マイクロメートル
より数十マイクロメートルである。素子電極長さW1、
素子電極5,6の膜厚dは、電極の抵抗値、後述する
X,Y配線との結線、多数配置された電子源の配置等の
観点から適宜設計され、通常は素子電極長さW1は、数
マイクロメートルより数百マイクロメートルであり、素
子電極5,6の膜厚dは,数百オングストロームより数
千オングストロームである。
子電極5,6上に形成された電子放出部を含む薄膜4
は、電子放出部3を含むものであるが、図6(b)に示
された場合に限られず、素子電極5,6上に形成されな
い場合もある。すなわち、絶縁性基板1上に、後述する
電子放出部形成用薄膜2、対向する素子電極5,6の順
に設置されない場合もある。すなわち、絶縁性基板1上
に、図6(b)に示された場合だけでなく、電子放出部
形成用薄膜を設け、次いで素子電極5,6を形成するよ
うに層構成した場合である。また、対向する素子電極5
と素子電極6間の全部が、製法によっては、電子放出部
として機能する場合もある。この電子放出部を含む薄膜
4の膜厚は、数オングストロームより数千オングストロ
ームである。この膜厚は素子電極5,6へのステップカ
バレージ、電子放出部3と素子電極5,6間の抵抗値及
び電子放出部3の導電性微粒子の粒径、後述する通電処
理条件等によって、適宜設定される。その抵抗値は10
3 より107 オーム/□のシート抵抗値を示す。電子放
出部を含む薄膜4を構成する材料の具体例を挙げるなら
ば、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,C
u,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金
属、PdO,SnO2 ,In2 O3 ,PbO,Sb 2 O
3 等の酸化物、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB 4 等のホウ化物、TiC,ZrC,
HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,Z
rN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カー
ボン等が挙げられる。
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子の互いに
隣接、或いは重なり合った状態(島状も含む)の膜を指
しており、微粒子の粒径は数オングストロームから数千
オングストロームであり、好ましくは10オングストロ
ームから200オングストロームである。
一部に形成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミン
グ等により形成される。また、亀裂内には数オングスト
ロームから数百オングストロームの粒径の導電性微粒子
を有することもある。この導電性微粒子は電子放出部を
含む薄膜4を構成する物質の少なくとも一部の元素を含
んでいる。また、電子放出部3及びその近傍の電子放出
部を含む薄膜4は炭素及び炭素化合物を有することもあ
る。
方法としては様々な方法が考えられるがその一例を図7
に示す。2は電子放出部形成用薄膜で、例えば微粒子膜
が挙げられる。
び図7に基づいて説明する。
機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等
により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技
術により該絶縁性基板1の表面に素子電極5,6を形成
する(図7(a))。
電極5と6の間の、素子電極5と6を形成した絶縁性基
板上に有機金属溶液を塗布して放置することにより、有
機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液とは、前記
Pd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,F
e,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属を主元素とす
る有機化合物の溶液である。この後、有機金属薄膜を加
熱焼成処理し、リフトオフ、エッチンッグ等によりパタ
ーニングし、電子放出部形成用薄膜2を形成する(図7
(b))。
説明したが、これに限るものではなく、真空蒸着法、ス
パッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、デッピング
法、スピナー法等によって形成される場合もある。
通電処理を行う。通電フォーミングは素子電極5,6間
に不図示の電源によって電圧を加えることにより通電を
行い、電子放出部形成用薄膜2を局所的に破壊、変形も
しくは変質せしめ、構造を変化させた部位を形成させる
ものである。この局所的に構造変化させた部位を電子放
出部3と呼ぶ(図7(c))。さきに説明したように、
電子放出部3は導電性微粒子で構成されていることを本
出願人らは観察している。
例を図8に示す。
ルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合
(図8(a))とパルス波高値を増加させながら、電圧
パルスを印加する場合(図8(b))とがある。まず、
パルス波高値の一定電圧とした場合(図8(a))につ
いて説明する。
波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1マイクロ
秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜100ミリ秒
とし、三角波の波高値(通電フォーミング時のピーク電
圧)は表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選択
し、適当な真空度、例えば10-5torr程度の真空雰
囲気下で、数秒から数十分印加する。なお、素子の電極
間に印加する波形は三角波に限定することはなく、矩形
波等所望の波形を用いても良い。その波高値及びパルス
幅、パルス間隔等についても上述の値に限ることなく、
電子放出部が良好に形成されるような所望の値を選択す
ることができる。
(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)を、例えば0.1Vステップ程度ず
つ増加させて適当な真空雰囲気下で印加する。なお、こ
の場合通電フォーミング処理はパルス間隔T2中に、電
子放出部形成用薄膜2を局所的に破壊、変形しない程度
の電圧、例えば0.1V程度の電圧を印加しながら素子
電流を測定してその抵抗値を求め、例えば1Mオーム以
上の抵抗を示したときに通電フォーミングを終了する。
性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化工程
とは、例えば10-4〜10-5torr程度の真空度で、
通電フォーミング同様、パルス波高値が一定の電圧パル
スを繰り返し印加する処理のことであり、真空中に存在
する有機物質に起因する炭素もしくは炭素化合物を電子
放出部形成用薄膜上に堆積させ、素子電流If、放出電
流Ieを著しく変化させる処理である。活性化工程は素
子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、例えば放出
電流Ieが飽和した時点で終了する。また、印加する電
圧パルスは動作駆動電圧で行うことが好ましい。
グラファイト(単、多結晶双方を指す)、非晶質カーボ
ン(非晶質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合物
を指す)であり、その膜厚は500オングストローム以
下が好ましく、より好ましくは300オングストローム
以下である。
ング工程、活性化工程における真空度よりも高い真空度
の雰囲気下において動作駆動させることが好ましい。ま
た、さらに高い真空度の雰囲気下で80℃〜150℃の
加熱後、動作駆動させることが望ましい。なお、フォー
ミング工程、活性化処理した真空度より高い真空度と
は、例えば約10-6以上の真空度であり、より好ましく
は超高真空系であり、新たに炭素もしくは炭素化合物が
電子放出部形成用薄膜上に殆ど堆積しない真空度であ
る。このようにすることによって素子電流If、放出電
流Ieを安定化させることが可能になる。
って作成された本発明に係わる電子放出素子の基本特性
について図9及び図10を用いて説明する。
子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成図
である。図9において1は絶縁性基板、5,6は素子電
極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部を示
す。また、91は素子に素子電圧Vfを印加するための
電源、90は素子電極5,6間の電子放出部を含む薄膜
4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、94
は素子の電子放出部3より放出される放出電流Ieを捕
捉するためのアノード電極、93はアノード電極94に
電圧を印加するための高圧電源、92は素子の電子放出
部3より放出される放出電流Ieを測定するための電流
計である。電子放出素子の上記素子電流If、放出電流
Ieの測定にあたっては、素子電極5,6に電源91と
電流計90とを接続し、該電子放出素子の上方に電源9
3と電流計92とを接続したアノード電極94を配置し
ている。また、本電子放出素子及びアノード電極94は
真空装置内に配置され、その真空装置には排気ポンプ及
び真空計等の真空装置に必要な機器が具備されており、
所望の真空下にて本素子の測定評価を行えるようになっ
ている。なお、アノード電極の電圧は1〜10kV、ア
ノード電極と電子放出素子との距離Hは3〜8mmの範
囲で測定できる。
る放出電流Ie及び素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を図10に示す。なお、図10は任意単位
で示されており、放出電流Ieは素子電流Ifのおよそ
1000分の1程度である。
子は放出電流Ieに対して3つの特性を有する。
ぶ、図10中のVth)以上の素子電圧を印加すると、
急激に放出電流Ieが増加する。一方、閾値電圧以下で
は放出電流Ieが殆ど検出されない。すなわち、放出電
流Ieに対する明確な閾値電圧Vthをもった非線形素
子である。
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御でき
る。
係わる電子放出素子は他方面への応用が期待される。ま
た、素子電流Ifは素子電圧Vfに対して単調に増加す
る(M1)特性の例を図10に示したが、この他にも、
素子電流Ifが素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵
抗(VCNR)特性を示す場合もある。この場合も電子
放出素子は上述した3つの特性を有する。なお、予め導
電性微粒子を分散して構成した表面伝導型電子放出素子
においては、前記本発明の基本的な素子構成の基本的な
製造方法の一部を変更しても構成できる。
置について述べる。
数の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列することに
より形成される。表面伝導型電子放出素子の配列の方式
には表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素
子の両端を配線で接続する梯子型配置(以下梯子型配置
電子源基板と呼ぶ)や、表面伝導型電子放出素子の一対
の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続し
た単純マトリクス配置(以下マトリクス型配置電子源基
板と呼ぶ)が挙げられる。なお、梯子型配置電子源基板
を有する画像形成装置には電子放出素子からの電子の飛
翔を制御する電極である制御電極(グリッド電極)を必
要とする。
の構成について図11を用いて説明する。111は絶縁
性基板、112はX方向配線、113はY方向配線、1
14は表面伝導型電子放出素子、115は結線である。
同図において、絶縁性基板111は、前述したガラス等
であり、その大きさ及びその厚みは、表面電導型電子放
出素子の個数及び個々の素子の設計上の形状、及び電子
源の使用時の容器の一部を構成する場合には、その容器
を真空に保持するための条件等に依存して適宜設定され
る。
2,・・・・,Dxmからなり、絶縁性基板111上
に、所望の形状のパターンニングされた導電性金属等か
らなり、多数の表面伝導型素子にほぼ均等な電圧が供給
されるように、材料、膜厚、配線幅等が設定される。Y
方向配線113は、Dy1,Dy2,・・・,Dynの
n本の配線よりなり、X方向配線112と同様に、所望
のパターンニングされた導電性金属等からなり、多数の
表面伝導型電子放出素子にほぼ均等な電圧が供給される
ように、材料、膜厚、配線幅等が設定される。これらm
本のX方向配線112とn本のY方向配線113間に
は、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分離され
て、マトリクス配線を構成する。なお、このm,nは、
共に正の整数である。 不図示の層間絶縁層は、SiO
2 等であり、X方向配線112を形成した絶縁性基板1
11の全面或いは一部に所望の形状で形成され、特に、
X方向配線112とY方向配線113の交差部の電位差
に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定され
る。また、X方向配線112とY方向配線113は、そ
れぞれ外部端子として引き出されている。なお、m本の
X方向配線112の上にn本のY方向配線113を、層
間絶縁層を介して設置した例で説明したが、n本のY方
向配線113の上にm本のX方向配線112を、層間絶
縁層を介して設置する場合もある。
子放出素子114の対向する素子電極(不図示)のそれ
ぞが、Dx1,Dx2,・・・Dxmのm本のX方向配
線112と、Dy1,Dy2,・・・Dynのn本のY
方向配線113とに、結線115によって電気的に接続
されているものである。
方向配線113と結線115と素子電極の導電性金属
は、その構成元素の一部或いは全部が同一であっても、
またそれぞれ異なってもよく、Ni,Cr,Au,M
o,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或いは
合金、及びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等
の金属、或いは金属酸化物とガラス等から構成される印
刷導体、In2 O3 −SnO2 等の透明導体、及びポリ
シリコン等の半導体材料等より適宜選択される。また表
面伝導型電子放出素子は、絶縁性基板111或いは、不
図示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよい。
に配列する表面伝導型電子放出素子114の行を任意に
走査するための走査信号を印加する不図示の走査信号印
加手段と電気的に接続されている。一方、Y方向配線1
13には、Y方向に配列する表面伝導型電子放出素子1
14の列の各列を任意に変調するための変調信号を印加
する不図示の変調信号発生手段と電気的に接続されてい
る。
される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変
調信号の差電圧として供給されるものである。上記の構
成により、単純なマトリクス配線だけで個別の素子を選
択して独立に駆動可能になる。
リクス配置の電子源を用いた画像形成装置について、図
3、図4を用いて説明する。図3は画像形成装置の基本
構成図であり、図4は該画像形成装置に用いられ、画素
を構成する蛍光膜のパターンである。
放出素子を基板上に作成した電子源基板、34は電子放
出素子、35,36は表面伝導型電子放出素子の一対の
素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線であ
る。32は電子源基板31を固定したリアプレート、4
0はガラス基板37の内面の蛍光膜38とメタルバック
39等が形成されたフェースプレート、33は支持枠で
あり、リアプレート32、支持枠33及びフェースプレ
ート40にフリットガラス等を塗布し、大気中或いは窒
素中で400〜500℃で10分以上焼成することで封
着して外囲器41を構成する。
ート40、支持枠33、リアプレート32で構成したが
リアプレート32は主に電子源基板31の強度を補強す
る目的で設けられるため、電子源基板31自体で十分な
強度を持つ場合は別体のリアプレート32は不要であ
り、電子源基板31に直接、支持枠33を封着し、フェ
ースプレート40、支持枠33、電子基板31、外囲器
41を構成してもよい。
ート32間にスペーサーと呼ばれる耐大気圧支持部材を
設置することで大気圧に対する十分な強度をもつ外囲器
41にすることもできる。
は、モノクロームの場合は蛍光体のみからなる。カラー
の蛍光膜38の場合は、図4に示されるように蛍光体4
3の配列と、その間隙を埋めるブラックストライプ或い
はブラックマトリクス等と呼ばれる黒色部材42とで構
成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが
設けられる目的は、カラー表示の場合、必要となる三原
色蛍光体の各蛍光体43間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくすることと、蛍光膜38における
外光反射によるコントラストの低下を抑制することにあ
る。ブラックストライプの材料としては、通常よく用い
られている黒鉛を主成分とする材料だけではなく、光の
透過及び反射が少ない材料であればこれに限られるもの
ではない。
法はモノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法等
が用いられる。
バック39が設けられる。メタルバック39の目的は、
蛍光体43に照射された電子が帯電するのを防止するこ
と、蛍光体43の発光のうち内面側へ向かう光をフェー
スプレート40側へ鏡面反射することにより輝度を向上
すること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極と
して作用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突
による蛍光体43のダメージからの保護等である。メタ
ルバック39は、蛍光膜38作成後、蛍光膜38の内面
側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を
行い、その後Alを真空蒸着法等で堆積することにより
作成できる。フェースプレート40には、さらに蛍光膜
38の導電性を高めるため、蛍光膜38の外面側に透明
電極(不図示)を設けてもよい。
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはならないた
め、十分な位置合わせを行う必要がある。
-7torr程度の真空度にされ、封止が行われる。ま
た、外囲器41の封止後の真空度を維持するためにゲッ
ター処理を行う場合もある。これは外囲器41の封止を
行う直前、或いは封止後の抵抗加熱、或いは高周波加熱
等の加熱法により、外囲器41内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターは通常、Ba等が主成分であり、
該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5ないしは
1×10-7torrの真空度を維持するものである。な
お、表面伝導型電子放出素子のフォーミング以降の工程
は適宜設定される。
成装置において、各電子放出素子には、容器外端子Dx
1〜Dxm,Dy1〜Dynを通じ、電圧を印加するこ
とにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタル
バック39或いは透明電極(不図示)に数kV以上の高
圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜38に衝突さ
せ、励起、発光させることで画像を表示することができ
る。
る好適な画像形成装置を作成する上で必要な概略構成で
あり、例えば、各部材の材料等、詳細な部分は上述内容
に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適する
よう適宜選択する。
れを用いた画像形成装置について、図12、図13を用
いて説明する。
電子放出素子、122のDx1〜Dx10は前記電子放
出素子に接続する共通配線である。 電子放出素子12
1は基板120上に、X方向に並列に複数個配列される
(これを素子行と呼ぶ)。この素子行を複数個基板上に
配置し、梯子型電子源基板125となる。各素子行の共
通配線間に適宜駆動電圧を印加することにより、各素子
行を独立に駆動することが可能になる。即ち、電子を放
出させる素子行には電子放出閾値以上の電圧を、電子を
放出させない素子行には電子放出閾値医科の電圧を印加
すれば良い。又、各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9
を、例えばDx2,Dx3を同一配線とするようにして
も良い。
画像形成装置の構造を示す説明図である。
過する空孔、132はDox1,Dox2,・・・・D
oxmよりなる容器外端子、133はグリッド電極13
0と接続されたG1,G2,G3・・・Gnからなる容
器外端子、134は前述のように各素子行間の共通配線
を同一配線とした電子源基板である。なお、図3、図1
2と同一の符号は同一の部材を示す。前述の単純マトリ
クス配置の画像形成装置(図3)との違いは、電子源基
板134とフェースプレート40の中間にグリッド電極
130を備えていることである。
の中間にはグリッド電極130が設けられている。グリ
ッド電極130は、表面伝導型電子放出素子から放出さ
れた電子を変調するもので、梯子型配置の素子行と直行
して設けられたストライプ状の電極に電子を通過させる
ため、各素子に対応して一個ずつ円形の開口131が設
けられている。グリッドの形状や配置位置は必ずしも図
13のような物ではなくてもよく、開口としてメッシュ
状に多数の通過口を設けることもあり、また表面伝導型
電子放出素子の周囲や近傍に設けても良い。容器外端子
132、及びグリッド容器外端子133は、不図示の制
御回路と電気的に接続されている。本画像形成装置に於
いては、素子行を一列ずつ順次駆動して行くのと同期し
てグリッド電極列に画像の1ライン分の変調信号を同時
に印加することにより、各電子の蛍光体への照射を制御
し、画像を1ラインずつ表示することができる。
示装置のみならず、テレビ会議システム、コンピュータ
等の表示装置に適した画像形成装置を提供することがで
きる。更には、感光性ドラム等で構成された光プリンタ
としての画像形成装置としても用いることができる。
源基板を作成し、これを用いて画像形成装置を作成した
ものである。
る。図14は作成プロセスを説明する工程図である。
ライムガラス基板を使用)に、素子電極10,11を形
成する。本実施例では、膜の成膜方法としては、厚膜印
刷法を使用した。ここで使用した厚膜ペースト材料は、
MODペーストで、金属成分はAuである。印刷の方法
はスクリーン印刷法であった。印刷後、110℃で20
分間乾燥し、次に本焼成を実施した。焼成温度は580
℃で、ピーク保持時間は約8分間であった。印刷、焼成
後の膜厚は、0.3μmであった。
接続用引出電極(不図示)を形成した。このことにより
工程が1工程短縮された。
(b))。本実施例では厚膜スクリーン印刷法を用い
た。ペースト材料はノリタケ(株)NP−4028Aを
用いた。
第1の配線層と第2の配線層とを基板表面と垂直な方向
に分離するための絶縁層15を形成する(図14
(c))ペーストはPbOを主成分としてガラスバイン
ダーを混合したもので、焼成温度は580℃、ピーク保
持時間は8分間であった。充分な絶縁性を確保するため
に印刷、焼成を2回繰り返した。
3を基板表面に厚膜スクリーン印刷法を用いて形成した
(図14(d))。この第2の配線層は絶縁層に設けら
れた開口部を通して素子電極と接続している。
た。もちろんペースト材料、印刷方法等はここに記した
ものに限るものではない。
で導電体12、13をアースして、静電スプレー法によ
りコーティングを行なった。コーティング液としては、
有機パラジウムの1.0重量%酢酸ブチル溶液(奥野製
薬(株)社製 商品名 CCP4230の二倍希釈液)
を用いた。
cm2、高圧電源の電圧は90kvとし、ノズル、導電
性ステージを共に垂直の方向に移動させながらコーティ
ングを行ない、300℃で30分間焼成を行なった。本
実施例ではコーティング液として酢酸ブチルを主成分と
する有機パラジウム溶液を用いたが、これに限られるも
のではなく、配線材料などによって適宜選択することが
好ましい。電子源特性等への影響を考慮すると電子放出
部形成用薄膜の材料と同じ材料を用いることが好まし
い。また、液圧、高圧電源の電圧等の静電スプレー条件
も上記条件に限られないものである。
形成した(図14(e))。まず、上記印刷方法で形成
された、電子放出部へ通電用の素子電極10、11の上
層に有機パラジウム(CCP4230、奥野製薬(株)
製)をスピンナーにより回転塗布後、300℃で10分
間加熱処理を行いPdからなる電子放出部形成用薄膜1
6を形成した。このようにして形成された電子放出形成
用薄膜15は、Pdを主元素とする微粒子から構成さ
れ、その膜厚は10nm、シート抵抗値は5×104Ω
/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜としては複
数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造としては
微粒子が個々の分散配置した状態のみならず、微粒子が
互いに隣接、或いは、重なり合った状態(島状も含む)
の膜をも指し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認
識可能な微粒子についての径をいう。
法を用いて、パターニングすることによりフォーミング
前までの素子の製造工程が完了する。
ることができ、本実施例では、以下の条件とした(図8
参照)。図8中、T1及びT2は電圧波形のパルス幅と
パルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、T2
を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング時の
ピーク電圧)は14Vとし、フォーミング処理は約1×
10ー6torrの真空雰囲気下で60秒間実施した。こ
のようにして作成された電子放出部は、パラジウム元素
を主成分とする微粒子が分散配置された状態となり、そ
の微粒子の平均粒径は3nmであった。
板を用いて画像形成装置を構成した例を、図3と図4を
用いて説明する。
電子源基板31をリアプレート32上に固定した後、基
板31の5mm上方に、フェースプレート40(ガラス
基板37の内面に蛍光膜38とメタルバック39が形成
されて構成される)を支持枠33を介し配置し、フェー
スプレート40、支持枠33、リアプレート32の接合
部にフリットガラスを塗布し、大気中或いは窒素雰囲気
中で400℃ないし500℃で焼成することで封着した
(図3参照)。また、リアプレート32への基板31の
固定もフリットガラスで行った。
5,36はそれぞれX方向及びY方向の配線である。
体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状(図4参照)を採用し、先にブラックストライプ42
を形成し、その間隙部に各蛍光体43を塗布し、蛍光膜
38を作製した。ブラックストライプの材料は、通常よ
く用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。
スラリー法を用いた。
ルバック39が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作
製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着す
ることで作製した。
38の導電性を高めるため、蛍光膜38の外面側に透明
電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省
略した。
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、十分な位置合わせを行った。以上のようにして完成
したガラス容器内の雰囲気を排気管(図示せず)を通じ
真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器
外端子Dx1〜DxmとDy1〜Dynを通じ、電子放
出素子34の素子電極間に電圧を印加し、電子放出部形
成用薄膜2を通電処理(フォーミング処理)することに
より、電子放出部3を作成した。フォーミング処理の電
圧波形を図8に示す。
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、
T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング
時のピーク電圧)は14Vとし、フォーミング処理は約
1×10-6torrの真空雰囲気下で60秒間行った。
ジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態
となり、その微粒子の平均粒径は30オングストローム
であった。
示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着し外囲器
の封止を行った。
ゲッター処理を行った。これは封止後に抵抗加熱によ
り、画像形成装置内の所定の位置(不図示)に配置され
たゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲ
ッターはBaが主成分であった。該蒸着膜の吸着作用に
より、例えば1×10-5ないし1×10-7torrの真
空度を維持するものである。
置において、各表面伝導型電子放出素子には、容器外端
子Dx1〜Dxm,Dy1〜Dynを通じ、走査信号及
び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加
することにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じて
メタルバック39に数kV以上の高圧を印加し、電子ビ
ームを加速して、蛍光膜38に衝突させ、励起、発光さ
せることで画像を表示した。
X,Yマトリクス状に多数の表面伝導型電子放出素子を
配置することができ、大画面の画像形成装置の作成に適
している。
し、これを用いて画像形成装置を作成したものである。
する。図15は作成プロセスを説明する工程図である。
ライムガラス基板を使用)に、素子電極10,11を形
成する(図15(a))。本実施例では、膜の成膜方法
としては、厚膜印刷法を使用した。ここで使用した厚膜
ペースト材料は、MODペーストで、金属成分はAuで
ある。印刷の方法はスクリーン印刷法であった。印刷
後、110℃で20分間乾燥し、次に本焼成を実施し
た。焼成温度は580℃で、ピーク保持時間は約8分間
であった。印刷、焼成後の膜厚は、0.3μmであっ
た。
接続用引出電極(不図示)を形成した。このことにより
工程が1工程短縮された。
(b))。本実施例では厚膜スクリーン印刷法を用い
た。ペースト材料はノリタケ(株)NP−4028Aを
用いた。焼成温度は580℃で、ピーク保持時間は8分
間であった。
た。もちろん、ペースト材料、印刷方法等は上記のもの
に限られない。
体層12をアースして静電スプレー法によりコーティン
グを行なった。コーティング液としては、有機パラジウ
ムの1.0重量%酢酸ブチル溶液(奥野製薬社(株)製
商品名 CCP4230の二倍希釈液)を用いた。
cm2、高圧電源の電圧は90kvとし、ノズル、導電
性ステージを共に垂直の方向に移動させながらコーティ
ングを行ない、300℃で30分間焼成を行なった。本
実施例ではコーティング液として酢酸ブチルを主成分と
する有機パラジウム溶液を用いたが、これに限られるも
のではなく、配線材料などによって適宜選択することが
好ましい。電子源特性等への影響を考慮すると電子放出
部形成用薄膜の材料と同じ材料を用いることが好まし
い。また、液圧、高圧電源の電圧等の静電スプレー条件
も上記条件に限られないものである。
形成した(図15(c))。まず、上記印刷方法で形成
された、電子放出部へ通電用の素子電極10、11の上
層に有機パラジウム(CCP4230、奥野製薬(株)
製)をスピンナーにより回転塗布後、300℃で10分
間加熱処理を行いPdからなる電子放出部形成用薄膜1
5を形成した。このようにして形成された電子放出形成
用薄膜15は、Pdを主元素とする微粒子から構成さ
れ、その膜厚は10nm、シート抵抗値は5×104Ω
/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜としては複
数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造としては
微粒子が個々の分散配置した状態のみならず、微粒子が
互いに隣接、或いは、重なり合った状態(島状も含む)
の膜をも指し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認
識可能な微粒子についての径をいう。
法を用いて、パターニングすることによりフォーミング
前までの素子の製造工程が完了する。
型電子放出素子を形成した梯子型電子源基板に対して、
実施例1と同様にしてフォーミング処理を行なった。上
記構成の電子源基板において、電子放出部を複数の短冊
配線の面上に配置し、この配線と直交して、電子放出部
の上部に開口を有する複数の短冊状グリッド電極を配置
させ、電子放出素子配線とグリッド電極に印加する駆動
電圧を制御して、任意の電子放出素子より電子放出をさ
せることができる。
源基板を真空容器内に複数配置し、フェースプレートを
対向させて、電子放出素子より放出された電子線を蛍光
体に選択的に照射することにより、画像形成装置とする
ことができた。
イン状に多数の表面伝導型電子放出素子を配置すること
ができ、大画面の画像形成装置の作成に適している。
及び実施例2の電子源基板の製造方法により、アレイ状
発光素子を作成し、感光性ドラム上に配置することによ
り、電子写真記録装置を構成することができた。加え
て、電子写真記録装置にアレイ状発光素子を形成した場
合においても、同様の効果を奏するものである。
要な真空度が容易に得られる。 (2) 配線からの放出ガスを抑制でき、電子源特性が
向上する。 (3) 配線からの放出ガスを抑制でき、高密度に配線
を行なっても電子放出に必要な真空度が容易に得られる
ため、単位面積当たりの画素数増やすことが可能とな
り、高解像度を有する画像形成装置を提供できる。
りの向上による製造コストの低減が図れる。
スプレー法の説明図で、(b)は同方法により製造する
単純マトリクス配線を有する電子源基板の概略構成図で
ある。
を示す平面図である。
き斜視図である。
置における蛍光膜の構成例を示す平面図である。
成図である。
施態様を示す概略構成図で、(a)は平面図、(b)は
側面図である。
伝導型電子放出素子の製造工程の一例を示す概略断面図
ある。
素子の通電フォーミングの電圧波形の一例を示すグラフ
である。
評価用回路を示す概略構成図である。
示すグラフである。
クス配線して構成した電子源基板の概略説明図である。
して構成した電子源基板の概略説明図である。
部切欠き斜視部である。
置電子源基板の製造方法の一例を示す工程図である。
基板の製造方法の一例を示す工程図である。
容器外端子 133 グリッド電極130と接続されたG1,G
2,・・・Gnからなる容器外端子 134 電子源基板
Claims (5)
- 【請求項1】 複数個配列された電子放出素子と、前記
電子放出素子を順次選択すると共に前記電子放出素子に
通電する配線とを少なくとも基板上に配設してなる電子
源基板の製造方法において、前記配線に静電スプレー法
を用いてコーティング液を塗布することを特徴とする電
子源基板の製造方法。 - 【請求項2】 静電スプレー法がコーティング液と配線
との間に電位勾配を与えて行なう請求項1に記載の電子
源基板の製造方法。 - 【請求項3】 配線を印刷法で形成した請求項1又は2
に記載の電子源基板の製造方法。 - 【請求項4】 電子放出素子が電子放出部形成用薄膜に
通電処理を施すことにより電子放出部が形成される表面
伝導型電子放出素子である請求項1乃至3のいずれかに
記載の電子源基板の製造方法。 - 【請求項5】 電子源基板と、前記電子源基板のそれぞ
れの電子放出素子と対向する位置に電子ビームの照射に
より可視光を発する蛍光体を配設することで画素を形成
して成る画像形成装置の製造方法であって、前記電子源
基板は請求項1乃至4のいずれかに記載の方法にて製造
されることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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JP28723795A JP3387710B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法 |
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JP28723795A JP3387710B2 (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 電子源基板の製造方法および画像形成装置の製造方法 |
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JPH09129124A JPH09129124A (ja) | 1997-05-16 |
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