JPH09170190A - 記録用紙および記録方法 - Google Patents

記録用紙および記録方法

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JPH09170190A
JPH09170190A JP7329319A JP32931995A JPH09170190A JP H09170190 A JPH09170190 A JP H09170190A JP 7329319 A JP7329319 A JP 7329319A JP 32931995 A JP32931995 A JP 32931995A JP H09170190 A JPH09170190 A JP H09170190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色々な記録方式に共用も可能な記録用紙を提
供する。具体的には、水性液体を用いた記録方法におい
て、画像のにじみがなく、発色性、解像性等に優れ、乾
式電子写真方式、特にその方式のフルカラー記録の場合
においても、ライン画像のシャープさに優れ、むら等が
なく、熱転写記録方式でのライン品質不良、画像むら等
を防止できる記録用紙及び記録方法を提供する。 【解決手段】 記録用紙であって、その両表面部の少な
くとも一方は、混在した親水性繊維と疎水性繊維とを主
原料とする。また、2層構造の記録用紙であって、第1
の層31が混在した親水性繊維と疎水性繊維とを主原料
とし、第2の層32が第1の層とは異なる層である。第
1の層を有する3層以上の記録用紙であってもよい。こ
れらを用いて、記録を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性液体によるフ
ルカラー又はモノクローム記録法、複写機やプリンター
を利用した電子写真方式のフルカラー又はモノクローム
記録法等、各種の記録法に用いられ得る記録用紙と、こ
の記録用紙を用いた記録方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、記録方法として各種が知られてい
る。例えば、水を主体とした溶媒に染料や顔料を着色剤
として溶解あるいは分散した液体を、電気信号に従って
紙上に噴射し可視画像を形成するインクジェット記録方
法、また、電子写真方式を利用する記録方法、具体的に
は、光導電性感光体に形成された静電潜像を乾式現像又
は湿式現像で顕像化し、これらの可視画像を静電気力や
圧力、熱により紙に転写及び定着する乾式電子写真記録
方法や湿式電子写真記録方法が、知られている。
【0003】このような記録法でも、幾つかの問題が存
在する。例えば、湿式電子写真記録方法では、湿式現像
に用いる現像剤中、トナーのキャリアとなる溶媒とし
て、絶縁性炭化水素系を利用するのが一般的であるが、
炭化水素蒸気の発生による安全上の大きな問題がある。
このため、水を主体とした溶媒中に、染料、顔料又は着
色粒子を分散又は溶解した現像剤やインクを用いて、紙
上に画像を形成するための記録方法がインクジェット記
録法以外にも検討されている。このようなことから、記
録方式は、今後も、益々多様性を帯びることが予想され
る。
【0004】こうした記録方式に対して、最良の画質を
得て、なおかつ記録装置の信頼性を損なうことなく、経
済的な記録用紙が従来要望されてきており、今後も要望
され続けるはずである。そのため、記録用紙は、各種の
課題を克服することが要求されている。
【0005】水性液体を使用した記録方式に利用する記
録用紙では、ライン品質不良(にじみ、シャープネス不
良)、混色にじみ、発色性不良(低彩度)を防ぐことが
主な課題とされている。例えば、インクジェット記録方
式に利用するに専用紙では、特公昭58−72495号
公報や特開平2−16079号公報に代表されるよう
に、多孔質の白色顔料を紙表面に塗工して、インクの吸
収性を高めて、上記課題を克服することを図っている。
しかし、非塗工のタイプの記録用紙では、前述した課題
を十分に改善できるものは提案されていない。
【0006】乾式電子写真記録に利用する記録用紙で
は、ライン品質不良、転写効率や熱効率の悪さに起因す
る画像むら、粒状性不良(画像のざらつき感)、及びカ
ールを防止することが主な課題とされている。そのよう
な課題に対して、例えば乾式の電子写真記録方式の転写
用紙では、特開平6−11880号公報、特開平4−5
341553号公報、特開平3−161760号公報、
特開平3−180599号公報に示されているように、
表面の平滑性を、キャレンダー処理や表層への微細木材
繊維の使用により向上させ、画質の向上や、トナー定着
時のトラブルを改善するための提案が存在する。この平
滑処理は、トナーの転写定着の効率化に対しては幾らか
効果がある。しかし、その効率化向上にも限界がある。
また、他の欠点を十分には克服できない。
【0007】熱転写記録に利用する記録用紙では、ライ
ン不良、画像むら、粒状性不良を防止することが課題と
されている。それに対し、例えば、特開平7−2373
66号公報等に示されているように、均一で微細な空隙
を持ち、高平滑な塗工層を少なくとも片面に設けること
によりインクの吸水性と鮮明性を向上させる提案が存在
する。しかしながら、塗料を用いているため、いわゆる
普通紙性が損なわれたり、筆記性などにも限界があり、
水性インク等の記録に対しても十分な適正をもたない。
【0008】また、多くの記録方式に共用できる記録用
紙も期待されているが、これに関しての課題も多い。
【0009】例えば、水系の現像剤を用いる記録方法
や、水系のインクを紙に転移する記録方法において、従
来の間接乾式電子写真方式の複写機、プリンターに使用
されていた従来の電子写真用転写紙を用いた場合には、
繊維に沿った画像のにじみや、発色性不良、色間のにじ
み、混色、解像性不良などの問題が避けがたい。
【0010】また、乾式電子写真方式のフルカラー複写
機、プリンターに対して、従来のインクジェット用専用
紙を使用すると、紙表面に施された白色顔料層等のた
め、トナー像の紙に対する定着強度が弱かったり、紙表
面抵抗率および体積抵抗率の調整がなされていないため
に、トナーの紙への静電転写時に画像が乱れたり、さら
に、インクジェット用専用紙では熱付与が想定されてい
ないために、トナーの加熱定着時に生じるカールやぼこ
つきが際立つ等の問題があった。
【0011】さらに、従来の乾式電子写真用の転写紙
を、特にフルカラーの間接乾式電子写真用記録装置に使
用した場合においても、ライン画像のエッジ部のシャー
プネスが悪かったり、写真画像等に多く存在する中間調
領域で、粒状性が悪く(つまり、ざらつき感を呈し)、
高画像密度部、低画像密度部ともに、低周波のむら(つ
まり、空間周波数の低いむら)が目立つという問題点が
あった。
【0012】インクジェット記録と乾式の電子写真記録
方式で共通して使用できる非塗工紙タイプの記録用紙と
して、特開平7−125405号公報、特開平7−12
5414号公報、特開平7−125417号公報等に、
アンモニウムイオンを吸着する物質を処理した普通紙
や、浸透遅延剤を処理した普通紙によって、ドット形状
の改善や、画像の変色防止、耐水性改善を狙った提案が
なされている。しかし、これらの公報では、カラーイン
ク間の色にじみなどのカラーインク適性や、フルカラー
乾式電子写真画像の向上などについては触れられていな
い。また、特開平5−177921号公報、特開平5−
221113号公報、特開平6−92007号公報、特
開平6−99655号公報では、各種表面処理剤や、内
添サイズ剤、填料の工夫による画質向上の提案がなされ
ているが、やはりカラーインク適性や前述したフルカラ
ー乾式電子写真画像の改善などについては不十分であっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の記録用紙が有していた欠点を克服するためになさ
れたものであり、その目的は、各種の記録方式の欠点を
克服可能であり、従って、色々な記録方式に共用も可能
な記録用紙を提供することにある。
【0014】具体的には、本発明の目的は、染料、顔料
又は着色微粒子を含む水性液体を用いた記録方法におい
て、ライン画像がシャープで繊維に沿った画像のにじみ
がなく、発色性、解像性、色間にじみに優れる記録用紙
を提供することにある。
【0015】本発明の別の目的は、乾式電子写真方式、
特にそのような方式のフルカラー複写機、プリンターで
記録された場合においても、ライン画像のシャープさに
優れ、画像の中間調領域での粒状性に優れ、高画像密度
部から低画像密度部でのむらがない等、画質に優れ、カ
ール、ぼこつきなどの変形の少ない記録用紙を提供する
ことにある。
【0016】本発明の更に別の目的は、熱転写記録方式
でのライン品質不良、画像むら、及び粒状性不良を防止
できる記録用紙を提供することにある。
【0017】さらに、本発明の他の目的は、上述した各
々の課題を解決しうる記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、用紙表面に親
水性繊維と疎水性繊維を混在させることにより、染料、
顔料又は着色微粒子を含む水性液体を用いた記録方法
や、乾式電子写真方式の記録等、各種の記録方法におい
て、上述した課題の解決に成功したものである。
【0019】即ち、本発明は、記録用紙であって、その
両表面部の少なくとも一方は混在した親水性繊維と疎水
性繊維とを主原料とする、記録用紙である。
【0020】本発明の記録用紙が以下で明らかとなるそ
の作用効果を発揮するかぎり、親水性繊維と疎水性繊維
以外に任意の添加剤を所望に応じて含むことを許容する
意図で、上記「主原料」という言葉が使用されている。
したがって、そのような添加剤が全く存在しない記録用
紙も、本発明に当然含まれる。
【0021】また、本発明は、2層構造の記録用紙であ
って、第1の層が混在した親水性繊維と疎水性繊維とを
主原料とし、第2の層が第1の層とは異なる層である記
録用紙、あるいは、3層以上の記録用紙であって、その
両最表面層の少なくとも一方が、混在した親水性繊維と
疎水性繊維とを主原料とし、その他の層が、隣接した層
とは、異なる層である記録用紙に係わる。なお、上記第
2の層、また、上記他の層の種類は任意であるが、以下
で好ましい材料が理解されるであろう。
【0022】これらの記録用紙に、染料、顔料若しくは
着色微粒子の色材;粉体トナー;又は着色微粒子を含有
する熱溶融性インクを用いて、画像を記載する方法が、
本発明の記録方法である。
【0023】以下、本発明を発明完成の経緯に触れつ
つ、説明する。本発明者は、上記課題を解決するため
に、まず第1に、染料を溶解した水性液体で従来の電子
写真用転写紙に画像を形成した時の画質を注意深く観察
した。水性液体により作成された画像は、紙表面で、繊
維に沿った不均一な画像流れが生じており、さらに画像
が作られるべき紙上の位置に対して、拡散した画像とな
っていた。また、紙の断面を確認すると浸透状態も不均
一となっており、さらに細かく観察すると、紙の繊維同
士によって生じている粗大な空隙の繊維壁に水性液体が
流れこんでいることと、繊維が凝集している部分に水性
液体による浸透の集中があることを確認した。その浸透
の集中は、繊維の凝集部分に多く存在する水酸基の影響
と考えられる。また、各色の水性液体により2次色の画
像を作成した部分や、異なる色の境界部では、水性液体
の溢れだし現象による画像にじみや混色によるむらが観
察され、さらに繊維に沿ってできる画像流れが顕著であ
った。即ち、紙の主構成単位であるセルロース繊維が水
系液体に対する親和性が強いため、繊維の構造により、
画像が変動していることを見い出した。
【0024】第2に、デジタル方式のフルカラー乾式電
子写真記録において従来の電子写真用転写紙を利用した
場合、ライン画像のシャープさ不良、中間調領域での粒
状性(画像のざらつき感)の悪さ、高画像密度部から低
画像密度部でのむらが発生する原因について本発明者は
鋭意検討した。フルカラー乾式電子写真記録では、紙へ
のトナー現像像の転写には、各色を順次静電的または、
静電的かつ圧力により転写する方法と、感光体上の現像
像を一担中間転写体に一次転写し、紙に静電的または、
静電的かつ圧力により二次転写する方法が知られてい
る。さらに、紙への転写時に熱を付与し、転写定着を同
時に行う方法もある。いづれの方法においても、転写像
を紙に定着する際には、ロール、ベルトもしくはオーブ
ンなどの熱によりトナーを溶融し定着させる。本発明者
は、これらの画像形成方法における紙上での画像構造と
画質に着目し検討した。紙表面層に不規則に存在する粗
大な空隙や露出した繊維により、基本画像構造である万
線像や網点像の途切れと、転写時や定着時での繊維に沿
った画像の流れとが発生し、その結果、ライン像のエッ
ジがざらついたり、ライン像が途切れる等の乱れが生じ
ることと、万線像や網点像が不規則になり、特に中間調
部の粒状性(ざらつき)が悪化することとを突き止め
た。また、これらのトナー現像像の転写方法(順次転写
及び中間体を用いた一括転写)で、本発明者が検討する
と、高画像密度部から低画像密度部でのむらの原因は、
第1に、紙平面ではその質量分布等に応じて静電容量分
布が生じ、そのため転写時の電界強度が紙平面各所で異
なり、これにより、転写されるトナー量にも分布ができ
ること、第2に、定着時に溶融したトナーが繊維間の粗
大な凹部に流れ込むため、紙表面層でのトナーの不均一
な分布が生じることであるのを突き止めた。
【0025】そこで、本発明者は、かかる画像不良の改
善手段を非塗工タイプの記録用紙で鋭意検討した。水性
液体の記録においても、乾式の電子写真方式の記録にお
いても、紙を構成している繊維の構造により、画像の変
動が生じていることに照らして、繊維自体の構成を試行
錯誤し、驚くべきことに記録用紙の表面を親水性の繊維
と、疎水性の繊維とを混在した構造、特に、それら繊維
ができるだけ方向性なくランダムに絡まり有った、いわ
ゆるマトリックス状構造とすることにより、上記問題点
が解決された。
【0026】即ち、水性液体による記録では、親水性の
繊維と疎水性の繊維により水性液体の濡れ・浸透の異な
る構造を用紙表面層に作成することにより、水性液体
が、用紙上に付与された場合、親水性の繊維によって水
性液体を吸収し、かつ疎水性繊維によるはっ水能により
液体の平面上の拡散と用紙内部への過剰浸透とを防止な
らしめる。かくして、不必要な液体の滲み出しと、着色
粒子、顔料又は染料が水性液体と同時に浸透することに
よる濃度低下や濃度むらとが防止される。
【0027】一方、乾式の電子写真記録方式において
は、記録用紙を親水性繊維と疎水性繊維を混在させた構
造、特にマトリックス状構造とすることにより、親水性
繊維のOH基による水素結合等により生成される繊維間
結合を疎水性繊維が阻害することにより、繊維同士の水
素結合が適度に切断され、繊維同士がすべることにより
紙構造体にクッション性を持たせることを可能ならしめ
る。この点を、図2に模式的に示した、従来のクッショ
ン性がない用紙21へトナー保持体22からトナー23
が転写される様子と対比して、図1に、クッション性の
ある用紙11へトナー保持体12からトナー13が転写
される様子を模式的に示す。
【0028】上記クッション性のため、トナーを記録用
紙に静電転写する際に生ずる圧力に対応し、該記録用紙
ではそのクッション特性により変形が生じ、誘電体とし
ての記録用紙の厚さが減少する。このため、静電転写時
の誘電膜厚の低下現象が生じ、転写電界が大きくなり、
その結果、トナーの記録用紙への転写効率が大きくな
る。このことにより、驚くべきことに、従来のカラー記
録における多重転写や、順次転写する場合において、大
きな課題であった画像のむらを消失させ得る。この効果
は、バイアス転写ロールを用いた転写方法において、よ
り効果的であり、転写と同時に熱圧による定着を行う方
法においても効果がある。
【0029】また、本発明の記録用紙に転写されたトナ
ーを定着する場合においても、そのクッション効果によ
り、特に両面加熱ロールでは、熱源間距離が近くなる。
このため、より効率的な加熱が実施され、結果的に効果
的な定着が得られ、記録用紙上での部分的な定着不良を
防止する事が可能となる。かくして、濃度むら、光沢む
ら等の画質不良を改善できる。
【0030】また、顔料が分散されたワックスを含む熱
転写フィルム(ドナーフィルム)に対して、熱および圧
力により記録用紙に転写定着する熱転写記録方式におい
ても、乾式電子写真方式による記録と同様に、親水性繊
維と疎水性繊維の構造(特にマトリックス構造)を持ち
クッション性能がある本発明の記録用紙は、微細な画像
の抜けによる粒状性の悪化や、濃度むらを低減できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面を参照しつ
つ、実施の形態によって詳細に説明する。
【0032】図3は、2層構造である本発明の記録用紙
の好ましい一形態を示す。この記録用紙は、第1層31
が、混在した親水性繊維と疎水性繊維を主原料としてい
る。第2層32は、第1層31とは異なり、セルロース
繊維層から実質的に構成されている。その平均長さは、
第1層31の親水性繊維の平均長さ、また疎水性繊維の
平均長さよりも大きい。
【0033】第1層31における親水性繊維は、当業界
で親水性樹脂として知られている繊維ならば任意の種類
から選択できる。その例としては、絹、羊毛、カットガ
ット、コラーゲン等のポリぺプチド系繊維、セルロース
系繊維、アルギン酸カルシウム等のアルギン酸類、キチ
ン等の多糖類繊維が挙げられる。水性液体記録における
吸水性の観点から、セルロース系の繊維が好ましい。セ
ルロース系繊維としては、針葉樹、広葉樹を基にした木
材繊維や、綿、リンター、カポック等の種毛繊維や、亜
麻、大麻、ラミー、こうぞ、みつまた、がんぴ等の靭皮
繊維や、マニラ麻、サイザル麻、エスパルト等の葉繊
維、バガス、わら、竹等の茎繊維等の植物繊維、さらに
は、バロニアセルロースなどの緑藻類繊維、バクテリア
セルロース等のバクテリア繊維、ホヤなどが使用でき
る。さらに、古紙パルプについても使用することができ
る。
【0034】さらに、更に第1層31における疎水性繊
維としては、当業界で疎水性樹脂として知られている繊
維ならば任意の種類から選択できる。
【0035】なお、親水性、疎水性境界域の性質を示す
繊維は、第1層31で使用する他方がより親水性なら
ば、疎水性繊維と定義でき、第1層31で使用する他方
がより疎水性ならば、親水性繊維と定義できる。つま
り、親水性繊維、疎水性繊維は、他方の繊維の性質を勘
案して相対的に定義されてよい。
【0036】疎水性繊維の例として、ポリエステル系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコー
ル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニリ
デン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル・ポ
リビニルアルコール共重合体系繊維、ポリアルキレンパ
ラオキシベンゾエート系繊維、フルオロカーボン系繊
維、ポリアミド系繊維などの合成繊維や、ガラス質繊
維、チラノ繊維などの非晶質繊維、アルミナ繊維、ジル
コニア繊維などの多結晶質繊維、アルミナウィスカ、チ
タン酸カリウム繊維、石綿等の単結晶質繊維などの無機
繊維が挙げられる。
【0037】第2層32のセルロース繊維層の平均長さ
と、第1層31の親水性繊維の平均長さ、また疎水性繊
維の平均長さとの比較から明らかなように、第1層31
の親水性繊維及び疎水性繊維は共に微細化されている。
【0038】上記のように、本発明の記録用紙の表面部
又は表面層を構成する繊維は、微細化したものを用いる
ことが望ましい。微細化された繊維により表面層を構成
する事により、繊維により形成される表面の空隙が、小
さくなると同時に、親水性繊維と疎水性繊維のマトリッ
クスも小さな単位で形成できる。水性液体記録の場合に
は、粗大な毛細管に沿った液体の流れを防止する事が可
能となり、さらに親水性繊維を微細化することによりそ
の比表面積が増大し、単位面積あたりのOH基量が増加
することにより吸水能も大きくなる。また、水性液体を
吸収するマトリックス単位も小さくできることより、着
色粒子、または染料若しくは顔料の浸透のむらや、不均
一な平面方向の拡散、さらには色間の混色にじみを防ぐ
事ができる。このため、よりラインがシャープで解像性
が高く、また、発色性に優れ、更に画像のむらのない画
質を達成できる。また、乾式の電子写真方式において
も、転写、定着時に粉体のトナーが、粗大な繊維間空隙
に落ち込んだり、溶融したトナーが繊維間の粗大な空隙
に流れる事を防止し、特にライン画像のシャープさや、
中間調領域の粒状性をより向上させる事が可能である。
【0039】親水性繊維の粗さ又は細かさは、JIS
P 8121によるカナダ標準ろ水度で好適に表され
る。この値が、大きいほど親水性繊維が粗いことを意味
する。第1層の親水性繊維の微細化の程度は、カナダ標
準ろ水度で、300ml以下50ml以上が好ましく、
さらに望ましくは、250ml以下100ml以上であ
る。カナダ標準ろ水度が、300ml以上の場合には、
水性液体のにじみ防止、紙表面層でのクッション性向上
による画像ムラ防止などに効果はあるものの、繊維が粗
く、繊維間にできる空隙も粗大になるため、前述したよ
うに、にじみ防止の効果があまり大きくなく、乾式電子
写真記録などでのラインのシャープさの向上効果や中間
調領域の粒状性が若干劣るものとなる。カナダ標準ろ水
度が、50mlを下回ると、湿式抄紙法による紙製造時
に、保水性が大きくなりすぎるため、水切れが悪く、製
造が困難になり、紙の不透明性も低下するため、好まし
くない。
【0040】また、疎水性繊維の粗さまたは細かさは、
カナダ標準ろ水度を利用するよりも、太さおよび長さに
より好適に表される。第1の層の疎水性繊維としては、
太さ2デニール以下、繊維長4mm以下が好ましい。よ
り好ましくは、太さ1デニール以下、繊維長2mm以下
である。2デニール以上、4mm以上の時は、繊維間空
隙拡大の影響により、上述した親水性繊維の場合と同
様、にじみ防止や、ラインのシャープさ、粒状性向上効
果が若干劣るものとなる。
【0041】第1層31での親水性繊維と疎水性繊維と
の配合割合は、親水性繊維100重量部に対して、疎水
性繊維10重量部から100重量部が好ましい。さらに
好ましくは、15重量部から70重量部に設定する。疎
水性繊維の配合割合が100重量部を越えると、疎水性
領域が大きくなりすぎて、水性液体の浸透性が阻害さ
れ、色間のにじみだしや、画像ムラを生じやすくなる。
また、親水性繊維のOH基で形成される水素結合による
繊維間結合が切断されやすくなるため、特に紙の表面強
度が低下し、紙粉発生などのトラブルとなりやすいため
好ましくない。10重量部を下回る場合には、前述して
きた疎水性繊維を混合する効果が少ないため、10重量
部以上配合することが望ましい。
【0042】第1層31の親水性繊維と疎水性繊維と
を、マトリックス状に効果的に設けるために、超音波伝
搬速度法による繊維配向比が1.0から1.4になるよ
うに調整することが好ましい。こうすることにより、紙
を構成する親水性と疎水性の繊維が抄紙機の進行方向に
並ぶことなく、比較的ランダムな方向に構成される。さ
らに好ましくは、繊維配向比は1.0から1.3に設定
する。このことにより、水性液体の親水性繊維に沿った
滲みが疎水性繊維により、分断されやすくなり、滲み防
止の効果が大きく、繊維の配向がランダムになることに
より、クッション性を保有する効果も大きい。
【0043】上記超音波伝播法による繊維配向比は、M
D(Machine Direction)とCD(C
ross Direction)の超音波伝播速度の比
を意味しており、次式で示される。
【0044】超音波伝搬法による繊維配向比=MDの超
音波伝播速度/CD超音波伝播速度超音波伝播法による
繊維配向比の測定方法は、図4に示す方法によって求め
る。すなわち、厚さ10mmの気泡入りゴム板A上に、
試料Bを載置し、150mmの間隔を開けて送波振動子
Cと受波振動子Dを接触させ、超音波パルスの縦波を送
波部Eから送り出し、受波部Fで受けて、送波振動子C
から試料を通過させてで受波振動子Dで受けるまでの時
間を測定し、伝播速度に変換する。試料について、それ
ぞれMD,CD両方向の伝播速度を測定し、伝播速度比
を求める。なお、上記に関係する演算は、演算素子Gに
より行われ、表示素子Hに結果が表示される。
【0045】図3に示した記録用紙の第2層32は、そ
のセルロース繊維の平均長さが、第1層の親水性繊維の
平均長さ、また疎水性繊維の平均長さよりも大きければ
よいが、好ましくは、カナダ標準ろ水度が400ml以
上、より好ましくは、450ml以上の叩解の程度の低
いセルロース繊維により抄造された層である。それによ
り、剛直な層を保有することが可能になり、紙の搬送性
や、カールにおいて重要な紙の曲げ剛度を向上させるこ
とができる。
【0046】図3に示した構成の記録用紙の第2層32
の表面上に、及び/又は第1層31と第2層32との間
に、他の任意の1以上の層が所望に応じて配されてもよ
い。
【0047】親水性繊維と疎水性繊維のマトリックス構
造を、多層構造を持つ多層用紙の両表面層として用いる
ことで、さらに一層有利となる。即ち、3層以上の両最
表層に該親水性繊維と疎水性繊維のマトリックス構造を
形成し、内部層として、それらとは異なる層、例えば、
セルロース繊維から実質的になる層を形成することは、
両面記録への適応性等の観点から好ましい。内部層とし
ては、好ましくは、カナダ標準ろ水度が400ml以上
の叩解の程度の低いセルロース繊維により抄造された層
が、前記したのと同じ理由から好ましい。
【0048】図5にこのような形態の一例を示す。この
記録用紙は、図3で示したのと同様な第1層51と第2
層52の構造体に、詳しくは、第2層52の、第1層5
1側とは反対の面上に、第3層53として、第1層51
と同様な層を設けた記録用紙である。
【0049】この第2層52のような内部層の撥水性を
サイズ剤添加によって制御すれば、水性液体の内部浸透
量を制御し、染料または、顔料あるいは着色粒子を表面
層近傍にとどめることにより、発色性の向上を計ること
ができる。しかるに、水性液体記録でのさらに一層の画
質の向上と、乾式電子写真方式を含めた、カール、紙送
り性能の向上が計れる。利用しうるサイズ剤も特に限定
されるものではない。ロジン系サイズ剤、合成サイズ
剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤が
使用でき硫酸バンド、カチオン化澱粉等、適当なサイズ
剤と繊維との定着剤を組み合せて使用する。このほか
に、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤や、疎水性繊維
と親水性繊維の結着を促進する目的等で、でんぷん系、
にかわ、カゼイン、ポリビニルアルコール系などの水溶
性接着剤、エチレン−酢ビ共重合体、ポリエチレン、ポ
リアミドなどのホットメルト系接着剤を添加しても構わ
ない。また、色調を調整するため染料や有色顔料を添加
したり、視感的白さを向上させるため蛍光染料を添加す
ることもできる。さらに、PH調整剤等を添加してもか
まわない。
【0050】本発明の記録用紙を製造する抄紙法は特に
限定するものではない。下記するような多層抄紙法また
は、従来知られている長網抄紙機や、円網抄紙機、ツイ
ンワイヤー方式などいづれも使用できる。酸性または中
性抄紙法いづれも構わない。抄造された記録用紙の超音
波伝搬速度法における繊維配向比は、すでに述べたよう
に1.0以上1.4以下が好ましいため、抄紙機のJe
t/Wire(原料噴出速度/抄紙機ワイヤー速度)比
を調整する方法が有効である。これ以外にも、プレス
時、ドライヤー乾燥時の紙流れに水平方向、垂直方向の
張力を調整することなどにより制御する。
【0051】多層の記録用紙を製造するための、多層抄
紙の方法としては、例えば石黒三郎著の「最新抄紙技術
−理論と実際」(製紙化学研究所,1984)に詳しく
記載されている。記載されている方法いずれを用いても
構わないし、さらには、これらの方法に限定されず、多
層を抄紙することができればよい。
【0052】本発明の記録用紙には、必要に応じて填料
が使用されてよい。その填料の種類は特に限定されるも
のではなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、チョーク等の炭酸カルシウム系填料や、カオリン、
焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、タルク、
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、
等のケイ酸類無機填料や、二酸化チタン、水酸化アルミ
ニウム、サチンホワイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機填料および、
尿素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、微小中空粒子等
の有機顔料が利用できる。電子写真方式における画質維
持性および白色度向上の観点から中性抄紙での炭酸カル
シウムの配合が好ましい。
【0053】本発明の記録用紙抄造時に、サイズプレ
ス、ゲートロールコータ等により、でんぷん類、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビ
ニルアルコール系、スチレンアクリル系、スチレンマレ
イン酸系、オレフィンマレイン酸系、アルキルケテンダ
イマー系などの表面サイズ剤を、表面強度向上等の観点
から水性液体の吸収を阻害しない程度に少量付与しても
構わない。
【0054】さらに、表面サイズ剤中及び/又は紙内部
に、電気抵抗率を調整する目的で塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化カリシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜
鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム等の無機物やアルキルリン酸エステル塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、スルホン酸ナトリウム塩、第4
級アンモニウム塩などの有機系の材料を単独または混合
して使用することができる。
【0055】本発明の記録用紙の好ましい表面電気抵抗
率の範囲は、20°C65%R.H.の環境に完全調湿
された状態において、JIS K 6911に準拠し、
該環境で測定した表面電気抵抗率が、1×109 〜2×
1010Ωにあることが望ましい。2×1010Ωを越える
表面電気抵抗率の場合には、乾式電子写真方式の記録に
おいて、特に低湿環境下で、放電に関連する紙送りトラ
ブルや、画質不良を発生させる。具体的には、紙送りト
ラブルとして、感光体や、定着ロールへの静電的巻き付
きや、排紙トレイや、ソーターでの集積不良やジャムを
発生させる。画質不良としては、転写工程での剥離放電
現象によるトナー画像の飛び散りや、バックグランドの
かぶり、比誘電率が低くなることに起因する転写不良等
が発生するため好ましくない。また、1×109 Ωを下
回る表面電気抵抗率の場合には、特に高湿環境条件にお
いて、紙表面の抵抗率が低下しすぎるため、転写工程に
おいて、転写電界を得るために十分な電荷を紙表面に保
持することができず、転写不良が発生するため好ましく
ない。
【0056】本発明の記録用紙は、ベック平滑度で40
〜200秒となるように、マシンカレンダー、スーパー
カレンダー等により平滑化処理するのが好ましい。より
好ましくは、ベック平滑度で60〜150秒となるよう
に仕上げる。ベック平滑度が40秒に満たないものは、
良好な転写を行うには不十分となる可能性がある。一
方、ベック平滑度が200秒を超える高平滑表面にする
と、普通紙性を損ない、また、紙の厚さが減少し、十分
なこわさを保持できなくなり、紙送り性能などに障害を
きたす可能性があるからである。
【0057】本発明の記録用紙の坪量は特に限定するも
のではないが、64g/m2 以上110g/m2 以下に
することが望ましい。坪量が110g/m2 を上回るも
のは、定着時に熱伝導性が悪化するため、乾式電子写真
記録においては、トナーを均一に十分溶融することがで
きず、溶融むらが発生しやすくなり高画像密度部の濃度
むら、グロスむらや定着不良を発生させたり、紙のこし
が大きくなりすぎるために、走行不良を発生させる原因
となる可能性がある。また、64g/m2 未満では、乾
式電子写真記録においては、定着時にトナーが溶融しす
ぎるため、トナーの浸透むらが若干発生し、粒状性等を
悪化させることがあり、画像グロスが高くなりすぎる場
合もある。また、水性液体記録では水性溶媒が紙内部ま
で浸透するため、裏面への画像ぬけや、裏面から記録面
の画像が透けて見える裏写り現象が発生し、さらにカー
ルも発生しやすくなる傾向にあるため、好ましくない。
【0058】本発明の記録用紙の白色度は、特には限定
しないが、フルカラー複写機/プリンターに使用する場
合を想定し、ハンター白色度で80%以上、好ましくは
82%以上とすることが望ましい。ハンター白色度が8
0%を下回ると、カラー記録時に彩度、明度が低下し、
鮮やかな記録の再現が困難となり得るからである。
【0059】本発明の記録用紙を封入する場合、開封直
後の記録用紙水分は乾式電子写真記録での波打ちやコピ
ー後カールの発生を十分抑えるために適正水分の4.0
〜6.5%になるように調整するのが好ましい。また、
保管時に吸脱湿が発生しないように、ポリエチレンラミ
ネート紙等の防湿包装紙やポリプロピレン等で包装する
のが好ましい。
【0060】
【実施例】本発明を、表1〜3に示す記録用紙試料A−
1〜4、B−1、C−1〜2、D−1〜5、E−1、F
−1、G−1〜3、H−1〜3および、記録方法1、記
録方法2、記録方法3、記録方法4および、表4〜6に
示す記録用紙試料と記録方法との組み合わせによる実施
例および比較例の評価結果によって、具体的に説明する
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。 記録用紙試料 (本発明試料A−1〜4、表1)親水性の繊維として、
セルロース繊維である、広葉樹晒クラフトパルプ(LB
KP)をディスクリファイナーを用いて、カナダ標準ろ
水度で400mlとなるよう叩解した。また、疎水性繊
維として、長さ3mmで、幅0.5デニールのポリエス
テル繊維(クラレエステルEP053,クラレ)を、親
水性繊維100重量部に対して疎水性繊維を50重量部
の割合で配合した。この繊維試料に、内添サイズ剤とし
て、アルケニル無水コハク酸を0.07重量%添加し、
さらに、カチオン化でんぷんを内添サイズ剤の繊維への
定着剤として、0.1重量%添加した。また、填料とし
て、炭酸カルシウムを8重量%配合した。これらを配合
した紙料を実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業製)に
て、JET/WIRE比を調整することにより繊維配向
比が1.3となるよう坪量約80g/m2 弱となるよう
抄紙した。さらに、実験用サイズプレス(熊谷理機工業
製)により、酸化でんぷん(エースA、王子ナショナル
製)1.0g/m2とNaClを0.1g/m2塗工し
最終的に坪量80g/m2 とし、さらにカレンダー処理
により平滑度が70秒となるように仕上げ、本発明に係
わる記録用紙試料A−1とした。
【0061】また、デイスクリファイナーの条件を記録
用紙試料A−1から変更し、 LBKPのカナダ標準ろ
水度を300ml、250ml、150mlと替えた以
外は、記録用紙試料A−1と同様の方法で、本発明に係
わる、記録用紙試料A−2、A−3、A−4を作成し
た。
【0062】(本発明試料B−1、表1)記録用紙試料
A−2に対して親水性繊維の種類として、キチンとLB
KPを混合して用いた以外は、A−2と同様の方法で、
本発明に係わる記録用紙試料B−1を得た。
【0063】(本発明試料C−1〜2、表1)記録用紙
試料A−2に対して、疎水性繊維の種類を変更し、試料
C−1では、長さ4mm、幅1デニールのポリビニルア
ルコール(PVA)繊維(フィブリボンド, 三晶)を
用い、試料C−2では、長さ3mm、幅1.5デニール
のアクリル繊維(カシミロンA101、旭化成工業製)
を用いた以外は、本発明に係わる試料A−2と同様の方
法で記録用紙試料C−1、C−2を得た。
【0064】(本発明試料D−1〜3と本発明外比較試
料D−4、表2)記録用紙試料A−2に対して、疎水性
繊維の配合料を変更し、試料D−1では、親水性繊維1
00重量部に対して、120重量部、試料D−2では1
00重量部、試料D−3では10重量部、試料D−4で
は5重量部、試料D−5では疎水性繊維を使用せず親水
性繊維のみの配合とした以外は、試料A−2と同様の方
法で、本発明に係わる記録用紙試料D−1、D−2、D
−3、D−4、また、本発明外の記録用紙試料D−5を
得た。
【0065】(本発明外比較試料E−1、表2)記録用
紙試料A−2に対して、疎水性繊維を使用せず、さらに
親水性繊維のカナダ標準ろ水度を150mlとした以外
は試料A−2と同様の方法で、本発明外の記録用紙試料
E−1を得た。
【0066】(本発明試料F−1、表2)記録用紙試料
A−2に対して、疎水性繊維の長さを5mm、太さを3
デニールと異なるポリエステル繊維(クラレエステルE
P303,クラレ製)を用いた以外は、試料A−2と同
様の方法で、本発明に係わる記録用紙試料F−1を得
た。
【0067】(本発明試料G−1〜3、表2)記録用紙
試料A−2に対して、JET/WIREを変更すること
により繊維配向比を変更し、1.10、1.40、1.
50とした以外は、試料A−2と同様の方法で、本発明
に係わる記録用紙試料G−1、G−2、G−3を得た。
【0068】(本発明試料H−1、2、本発明外比較試
料H−3、表3)試料A〜Gは単層の記録用紙試料であ
ったのに対し、多層(3層)の記録用紙試料の作成を試
みた。
【0069】親水性の繊維として、セルロース繊維であ
る、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリ
ファイナーを用いて、カナダ標準ろ水度で400mlと
なるよう叩解した。この繊維試料に、内添サイズ剤とし
て、アルケニル無水コハク酸を0.07重量%添加し、
さらに、カチオン化でんぷんを内添サイズ剤の繊維への
定着剤として、0.1重量%添加した。また、填料とし
て、炭酸カルシウムを8重量%配合した。これらを配合
した紙料を実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業製)に
て、JET/WIRE比を調整することにより繊維配向
比が1.3となるよう坪量約60g/m2 弱となるよう
抄紙し、内部層用試料とした。さらに、セルロース繊維
である、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディス
クリファイナーを用いて、カナダ標準ろ水度で300m
lとなるよう叩解した。また、疎水性繊維として、長さ
3mmで、幅0.5デニールのポリエステル繊維(クラ
レエステルEP053,クラレ製)を、親水性繊維10
0重量部に対して疎水性繊維を50重量部の割合で配合
した。この繊維試料に、内添サイズ剤として、アルケニ
ル無水コハク酸を0.07重量%添加し、さらに、カチ
オン化でんぷんを内添サイズ剤の繊維への定着剤とし
て、0.1重量%添加した。また、填料として、炭酸カ
ルシウムを8重量%配合した。これらを配合した紙料を
実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業製)にて、JET/
WIRE比を調整することにより繊維配向比が1.3と
なるよう坪量約10g/m2 弱となるよう抄紙し表面用
試料とした。裏面用試料も表面用と同様の方法で得た。
【0070】この様にして得られた内部用試料と表面、
裏面用試料をウェットの状態で、プレス時に合体させ、
3層構造とした。さらに、実験用サイズプレス(熊谷理
機工業製)により、酸化でんぷん(エースA、王子ナシ
ョナル製)1.0g/m2 とNaClを0.1g/m2
塗工し最終的に坪量80g/m2 とし、さらにカレンダ
ー処理により平滑度が70秒となるように仕上げ、本発
明に係わる記録用紙試料H−1とした。
【0071】記録用紙試料H−1に対して、内部層用L
BKPのカナダ標準ろ水度を300mlにした以外は、
試料H−1と同様の方法で、本発明に係わる試料H−2
を得た。
【0072】また、記録用紙試料H−1に対して、表裏
層用疎水性繊維を除去した以外は、試料H−1作成と同
様な方法で、H−3を得た。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】記録方法 (記録方法1)水性液体によるインクジェット記録方法
として、インクジェット記録装置MJ−5000C(セ
イコーエプソン社製)を用いて、イエロー、マゼンタ、
シアン、レッド、グリーン、ブルーのベタ、ハーフトー
ン、ハイライトの2cm×2cmのパッチを接触させて
間隔をおかず、上述した各記録用紙試料に記録した。ま
た、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、
ブルーの1ドットおよび4ドット幅のラインを上述した
各記録用紙試料に記録した。
【0077】記録方法1を図6を参照して具体的に説明
する。画像記録信号に従い、圧電体61に通電すること
により、圧電体61の寸法を変化させた。これによっ
て、染料が溶解しているインク62が押され、ノズル6
3から液滴状のインク64が吐出され、記録用紙65上
に記録がなされた。カラー画像は、シアン、マゼンタ、
イエロー、黒のインクを順次噴射することにより得られ
た。
【0078】(記録方法2)本記録方法に利用した記録
装置は、静電潜像担持体表面と微小間隙をもって対向す
る現像装置を持つ。その現像装置から顔料を含む水性の
現像剤を静電潜像に飛翔させることにより可視化させ
る。静電潜像担持体と対向して配された転写ロール間に
記録用紙を挟み込み、その圧力により、静電潜像担持体
上の該現像像を転写することにより、記録を行った。ま
た、本記録装置は、イエロー、マゼンタ、シアンの顔料
を含む水性の現像剤を持ち、各々別の静電潜像担持体と
現像装置および、転写ロールを持つ。この記録装置よ
り、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、
ブルーのベタ、ハーフトーン、ハイライトの2cm×2
cmのパッチを接触させて間隔をおかず、上述した記録
用紙試料に記録した。また、イエロー、マゼンタ、シア
ン、レッド、グリーン、ブルーの各120μm幅のライ
ンを上述した記録用紙試料に記録した。
【0079】記録方法2を図7を参照して具体的に説明
する。図7の(A)に示すように、画像信号に対応した
静電潜像を静電潜像担持体71上に形成し、その担持体
71に近接して配された現像ロール72上に、インク供
給ノズル75から供給され着色顔料を分散させた水性イ
ンク73を、ドクターブレード74で薄層に広げた。こ
のとき、現像ロール72上の水性インク73が、静電潜
像担持体71に接触しないように、50μmのギャップ
ができるような調製をなした。こうした状態で、図7の
(B)〜(D)に示すように、水性インク73は、静電
潜像に対して盛り上がり、潜像部に接触することで、潜
像を可視化した。これにより現像された画像を、転写ロ
ール76の圧力により、記録用紙77に画像を転写し
た。また、転写ロール76には、熱、バイアス電圧を印
加してもかまわない。カラー画像は、上記した方法で、
シアン、マゼンタ、イエロー、黒のインクの現像、転写
を繰り返すことにより得られた。
【0080】(記録方法3)記録方法3は、静電潜像担
持体に順次形成された各色に対応する静電潜像を各色の
乾式トナーで順次現像し、その現像像を、誘電体シート
よりなる転写紙保持部材上に保持された転写紙上に、静
電的に順次重ねて転写し、その後、このトナー像が転写
された転写紙を転写紙保持部材上から剥離して熱および
圧力により定着処理する乾式電子写真方式である。その
方式のカラー画像形成装置として、富士ゼロックス製の
A color635を用いて、イエロー、マゼンタ、
シアン、レッド、グリーン、ブルー、およびイエロー、
マゼンタ、シアンの混色ブラックの、各画像面積率1
0、20、30、40、50、60、70、80、9
0、100%の2cm×2cmのパッチおよび、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルーの約
100μm幅のラインを上述した記録用紙試料に転写、
定着することにより記録した。
【0081】記録方法3に利用した装置の構成と、作用
とを図8を参照して具体的に説明する。この装置は、装
置本体の下側から装置本体の略中央部にわたって設けら
れている記録用紙搬送系と、装置本体の略中央部に記録
用紙搬送系を構成している転写材ドラム10に近接して
設けられている潜像形成部と、この潜像形成部に近接し
て配設されている現像装置とに大別される。
【0082】記録用紙搬送系は、装置本体の下側に形成
されている供給用トレイ15及び16と、それらのトレ
イの略直上部に配設された供給用ローラ17及び18
と、これら供給用ローラに近接して配設された給紙ガイ
ド19及び20と、給紙ガイド20に近接して設けられ
た、外周面近傍に記録用紙分離帯電器21が配設されて
いる。その内周側には、転写装置11及び電極24が配
設され、矢印方向に回転自在な転写ドラム10と、その
外周面に当接された当接用ローラ22と、搬送装置13
と、その搬送装置の搬送方向終端側に近接して配された
定着器14と、着脱可能な排出用トレイ22とから構成
されている。
【0083】潜像形成部は、外周面が前記転写ドラム1
0の外周面と当接して配設されている。矢印方向に回転
自在な静電潜像保持体(感光体ドラム)1と、その静電
保持体の外周面近傍に配設されている帯電器8と、その
静電潜像保持体の外周面上に静電潜像を形成するための
レーザビームスキャナのような像露光手段とポリゴンミ
ラーのような像露光反射手段を有する書き込み装置9
と、クリーニング装置12とを具備している。
【0084】現像装置は、現像剤担持体7及びハウジン
グ6から構成されており、静電潜像保持体の外周面と対
抗する位置に、静電潜像保持体の外周面上に形成された
帯電潜像を可視化(現像)するためのブラック現像機
2、マゼンタ現像機3、シアン現像機4及びイエロー現
像機5を有している。
【0085】上記構成からなる電子写真装置での記録方
法を、フルカラーモードの場合を例にとって、説明す
る。静電潜像保持体1が矢印方向に回転すると、その静
電潜像保持体表面が帯電器8により均等に帯電される。
すると、原稿(図示せず)のブラック画像信号にて変調
されたレーザ光により書き込み装置9を通して、静電潜
像保持体1上に静電潜像が形成され、ブラック現像機2
により前記静電潜像の現像が行われる。
【0086】一方、給紙用トレイ15又は16から給紙
ローラ17又18は、給紙ガイド19又は20を経由し
て搬送された記録用紙は、当接用ローラ23と対向して
いる電極24によって静電的に転写ドラムに巻き付けら
れる。転写ドラム10は、静電潜像保持体と同期して矢
印方向に回転し、ブラック現像機2で現像された顕画像
は、静電潜像保持体1の外周面と転写ドラム10の外周
面とが当接している部位で、転写ドラム10によって転
写される。転写ドラム10は、そのまま回転を継続し、
次の色の転写に備える。
【0087】静電潜像保持体1は、除電用帯電器(図示
せず)により除電され、クリーニング装置12によって
クリーニングされた後、再び帯電器8によって帯電さ
れ、次のマゼンタ画像信号により前記のような潜像光を
受ける。マゼンタ画像信号により像露光を受けて形成さ
れた静電潜像は、マゼンタ現像機3により現像され、顕
画像となる。引き続いて、上記したようなプロセスをそ
れぞれシアン色及びイエロー色に対しても実施し、4色
分の転写が終了すると、記録用紙に形成された多色顕画
像は帯電器21で除電され、用紙搬送装置13で定着器
14に送られる、熱と圧力により定着され、一連のフル
カラー画像形成シーケンスが終了する。
【0088】(記録方法4)静電潜像担持体に順次形成
された各色に対応する静電潜像を各色の乾式トナーで順
次現像し、該現像像を中間転写体上に静電的に順次重ね
て1次転写するとともに、この中間転写体上に多重転写
されたトナー像を記録用紙上に静電的かつ圧力で2次転
写し、熱および圧力により定着処理する乾式電子写真方
式のカラー画像形成装置を用いて、イエロー、マゼン
タ、シアン、レッド、グリーン、ブルー、およびイエロ
ー、マゼンタ、シアンの混色ブラックの、各画像面積率
10、20、30、40、50、60、70、80、9
0、100%の2cm×2cmのパッチおよび、約10
0μm幅のイエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリ
ーン、ブルーを上述した記録用紙試料に転写、定着する
ことにより記録した。
【0089】本記録方法4を図9を参照して詳細に説明
する。静電潜像担持体である感光体ドラム100の表面
には図示しない1次帯電器、画像露光手段や現像器等の
電子写真プロセスを実行する手段によってトナー像Tが
形成される。この感光体ドラム100の表面に形成され
たトナー像Tは、感光体ドラム100の回転動作に伴っ
て1次転写位置に送られる。複数のローラ間に掛けまわ
された無端ベルト状中間転写体101であって、1次転
写位置において感光体ドラム100の表面に当接または
近接するように配置されている中間転写体101に対し
て、その1次転写位置で、放電を行う。即ち、その1次
転写位置の背面側に配設された1次転写用コロナ放電器
102が、感光体ドラム100上のトナー帯電極性と逆
極性の電圧を印加して、中間転写体101に対して放電
を行う。次に、2次転写用バイアスロール(即ち、給紙
トレイ105から送り出された記録用紙104を中間転
写体101との間に保持するとともに、トナー帯電極性
と逆極性の転写電圧を印加しうるロール)103によっ
て、フィードローラ(即ち、給紙トレイ105上に載置
された転写用紙104を中間転写体101の方向に送り
出すローラ)106から送りだされた記録用紙に対し
て、画像を転写(二次転写)する。記録用紙は、剥離位
置において先端が中間転写体101に接離自在に設けら
れた剥離爪107によって剥離される。剥離された記録
用紙は、図示しない定着装置の方向に搬送ベルト108
で送られる。トナー像を転写された記録用紙は、この搬
送ベルトから図示しない熱圧ローラ定着装置に送られ、
トナー像が溶融定着され、画像記録が終了する。
【0090】また、2次転写用バイアスロール103に
替えて、熱圧を付与するロールとこれに対向するロール
に対しても熱圧を付与した場合においても、2次転写用
バイアスロールでの表4〜63に示す結果は同様であっ
た。
【0091】(記録方法5)熱転写記録方法として、M
D−2000S(アルプス電気製)を用いて、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルーのベ
タ、ハーフトーン、ハイライトの2cm×2cmのパッ
チを上述した記録用紙試料に記録した。また、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルーの1
ドットおよび4ドット幅のラインを上述した記録用紙試
料に記録した。
【0092】本記録方法5を図10を参照して具体的に
説明する。画像信号に対応し、サーマルヘッド101に
通電することにより、発熱体102を発熱させた。イン
クリボン103のインク層104が溶融し、プラテン1
07上に担持された記録用紙106に転写させ、転写さ
れたインク層105を形成した。
【0093】カラー画像は、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックのインクをこの方法により、順次記録用紙
に転写させて、形成した。 [画像記録評価]表1〜3に示した各記録用紙試料を記
録方法1、記録方法2、記録方法3、記録方法4を用い
てカラー画像を記録した。その結果を表4〜6に示す。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】これら記録方法で該記録用紙試料で作成さ
れた画像の画質評価およびカールおよび総合評価の尺度
を次に示す。
【0098】 ●: 非常に優れている ○: 優れている △: 許容できる ×: 許容できない [親水性繊維と疎水性繊維の混合による効果]記録用紙
試料D−5、E−1、H−3は、表面層には疎水性繊維
が混合されていない。これに対し、D−5、E−1、H
−3以外の記録用紙試料は、親水性繊維と疎水性繊維が
表面層に混合されており、その結果、記録方法1、2、
3、4のいずれにおいても画質、カール・ぼこつきが許
容レベルに達しており、D−5、E−1、H−3では、
記録方法1、2、3、4のいずれかが許容レベルには達
していない。 [親水性繊維がセルロース繊維である効果]記録用紙試
料B−1とA−2の比較でわかるように、表面層を形成
する親水性繊維として、セルロース繊維を使用すること
により、特に水性液体による画像のラインのシャープさ
や、発色性、色間のにじみに優れる。 [繊維の長さ・幅と親水性・疎水性繊維混合割合の影
響]記録用紙試料A−1とA−2、A−3、A−4で
は、親水性繊維であるセルロース繊維(LBKP)のろ
水度を変化させ、微細化させた時の影響を見た。カナダ
標準ろ水度が300mlである以下であるA−2、A−
3、A−4は、ラインのシャープさ、発色性、粒状性、
画像のむらに優れる記録用紙および、記録方法である。
ろ水度が150mlであるA−4では、特に乾式電子写
真記録方式において、カール・ぼこつきがあるが、許容
レベルである。
【0099】記録用紙試料F−1とA−2の比較でわか
るように、疎水性繊維の長さを短く、幅を小さくするこ
とにより、ラインのシャープさ、発色性、粒状性、画像
むらがより一層優れる。
【0100】また、疎水性繊維の配合割合を替えた記録
用紙試料D−1とD−2、A−2、D−3、D−4の比
較で解るように、疎水性繊維の配合割合は、親水性繊維
100重量部に対して、10重量部から100重量部で
あればより、記録方法1,2,3,4ともに画質、カー
ル・ぼこつきともに優れる。 [疎水性繊維の種類の影響]疎水性繊維の種類の影響を
記録用紙試料A−2、C−1、C−2で確認した。記録
方法によらず、疎水性繊維の種類の差はなく、画質に優
れる。 [多層構造紙の効果および内部層の高ろ水度化の影響]
記録用紙試料A−2とH−1およびH−2の比較によ
り、多層(3層)構造紙で、内部層のろ水度を高くした
効果として、カールやぼこつきにより優れる。
【0101】また、H−3のように、内部層にカナダ標
準ろ水度の大きい親水性繊維を用いても、表裏層がカナ
ダ標準ろ水度の小さい親水性繊維だけの場合には、画
質、カール・ぼこつきが劣るものとなり、許容レベルに
はない。 [繊維配向比の影響]記録用紙試料G1、G2、G3で
は、A−2試料をもとに繊維配向比を変化させた。繊維
配向比が1.40以下の試料ではラインのシャープさ、
発色性、色間のにじみ、粒状性、画像のむらがより優れ
るものとなるとなる。 [水性液体記録と乾式電子写真方式記録の共用性]記録
用紙試料D−5、E−1、H−3の表面層が親水性繊維
だけで構成されている試料以外の試料は、水性液体記録
と乾式電子写真方式記録のいずれにおいても、画質、カ
ール・ぼこつきが許容レベルになる。特に、共用性の観
点では、A−2、A−3、C−1、C−2、G−1、H
−1、H−2の試料が優れ、さらに優れるのは、H−1
の試料である。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録用紙
および記録方法は、染料、顔料又は着色微粒子を含む水
性液体記録では、発色性、色間のにじみ防止に優れ、ま
た、乾式電子写真方式による記録において、粒状性、画
像のむら防止に優れる。水性液体によるカラー記録や、
乾式電子写真方式によるカラー記録においても、ライン
のシャープさ、カール・ぼこつきなどの形状変化防止性
に優れる。また、熱転写方式の記録においても、ライン
のシャープさ、粒状性、画像のむら防止に優れる。従っ
て、本発明の記録用紙は、各種の記録に適し、また、色
々な記録方法に共用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録用紙に画像を形成する場合の模式
図である。
【図2】従来、記録用紙に画像を形成する場合の模式図
である。
【図3】本発明の記録用紙の好ましい一形態の模式図で
ある。
【図4】超音波伝搬法による繊維配向比の測定を実施す
る装置の概略構成図である。
【図5】本発明の記録用紙の好ましい他の形態の模式図
である。
【図6】本発明の記録方法の一形態(インクジェット記
録)を説明するための模式図である。
【図7】本発明の記録方法の一形態(水性インク転写記
録)を説明するための模式図である。
【図8】本発明の記録方法の一形態(順次転写による乾
式電子写真方式)を説明するための模式図である。
【図9】本発明の記録方法の一形態(中間転写体を用い
た一括転写による乾式電子写真記録方式)を説明するた
めの模式図である。
【図10】本発明の記録方法の一形態(熱溶融転写記録
方式)を説明するための模式図である。
【符号の説明】
11 本発明の記録用紙 12 トナー保持体 13 トナー 21 従来の記録用紙 22 トナー保持体 23 トナー 31 第1の層 32 第2の層 51 上記第1の層と同じ材質の層 52 上記第2の層と同じ材質の層 53 上記第1の層と同じ材質の層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録用紙であって、その両表面部の少な
    くとも一方は、混在した親水性繊維と疎水性繊維とを主
    原料とする記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記親水性繊維が、カナダ標準ろ水度が
    50ml以上300ml以下の親水性繊維であり、前記
    疎水性繊維が太さ2デニール以下で、かつ、長さ4mm
    以下の疎水性繊維である請求項1に記載の記録用紙。
  3. 【請求項3】 2層構造の記録用紙であって、 第1の層が混在した親水性繊維と疎水性繊維とを主原料
    とし、 第2の層が第1の層とは異なる層である記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記親水性繊維が、カナダ標準ろ水度が
    50ml以上300ml以下の親水性繊維であり、前記
    疎水性繊維が太さ2デニール以下で、かつ、長さ4mm
    以下の疎水性繊維である請求項3に記載の記録用紙。
  5. 【請求項5】 第2の層が、セルロース繊維からなるパ
    ルプを主原料とする請求項3又は4に記載の記録用紙。
  6. 【請求項6】 第2の層が、カナダ標準ろ水度400m
    l以上のセルロース繊維からなるパルプを主原料とする
    請求項5に記載の記録用紙。
  7. 【請求項7】 3層以上の記録用紙であって、 その両最表面層の少なくとも一方が、混在した親水性繊
    維と疎水性繊維とを主原料とし、 その他の層が、隣接した層とは、異なる層である記録用
    紙。
  8. 【請求項8】 前記両最表面層が、共に、混在した親水
    性繊維と疎水性繊維とを主原料とする請求項7に記載の
    記録用紙。
  9. 【請求項9】 前記親水性繊維が、カナダ標準ろ水度が
    50ml以上300ml以下の親水性繊維であり、前記
    疎水性繊維が太さ2デニール以下で、かつ、長さ4mm
    以下の疎水性繊維である請求項7に記載の記録用紙。
  10. 【請求項10】 内側の層の全て又は1部が、セルロー
    ス繊維からなるパルプを主原料とする請求項7、8又は
    9に記載の記録用紙。
  11. 【請求項11】 内側の層の全て又は1部が、カナダ標
    準ろ水度400ml以上のセルロース繊維からなるパル
    プを主原料とする、請求項10に記載の記録用紙。
  12. 【請求項12】 前記親水性繊維がセルロース繊維であ
    る請求項1、3又は7に記載の記録用紙。
  13. 【請求項13】 混在した親水性繊維と疎水性繊維とを
    主原料とする層の、超音波伝搬法による繊維配向比が、
    1.0以上1.4以下である請求項1、3又は7に記載
    の記録用紙。
  14. 【請求項14】 前記親水性繊維の含有量100重量部
    に対して、前記疎水性繊維の含有量が10重量部以上1
    00重量部以下である請求項1、3又は7に記載の記録
    用紙。
  15. 【請求項15】 染料、顔料又は着色微粒子の色材を含
    有する水性インクを用いて、請求項1、3又は7に記載
    の記録用紙に画像を形成する記録方法。
  16. 【請求項16】 粉体トナーを用いて、請求項1、3又
    は7に記載の記録用紙に画像を形成する記録方法。
  17. 【請求項17】 着色微粒子を含有する熱溶融性インク
    を用いて、請求項1、3又は7に記載の記録用紙に画像
    を形成する記録方法。
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