JP4010037B2 - 印刷情報用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のオンデマンドデジタル印刷機、複写機、プリンター等に用いられる印刷情報用紙に関するものであり、詳しくは、電子写真方式のオンデマンドデジタル印刷機、複写機、プリンター等に適した電子写真適性を有し、製本品質に優れた印刷情報用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用転写紙を主体とするオフィス用紙は、PC化・ネットワーク化に牽引されるOA化の進展に伴い、複写機、プリンター、ファクシミリ等の普及が進み、さらに、電子写真のカラー化、高画質化、高速化に伴い、その用途範囲が拡大している。さらに、最近のデジタル処理技術の進歩により、電子写真方式のオイデマンドデジタル印刷機が社内の小ロット印刷や印刷会社のショートラン印刷等への用途を拡大しつつある。また、このようなショートラン印刷市場でマニュアル等の簡易製本のニーズが高まり、従来の印刷から電子写真方式の複写機、プリンター等への移行が進んでいる。
【0003】
しかしながら、電子写真方式の複写機、プリンターからの電子写真用転写紙で印字したものを製本すると、熱定着工程で発生したカールや紙折れによって背糊接着不良や、製本後の周囲環境の影響による波打ち(高湿環境では顕著となる)が発生し、製本品質が損なわれる。周囲環境の影響による波打ちは、印刷においても問題にされるが、特に、熱定着工程を有する電子写真方式においては大きな問題となる。
【0004】
波打ちは、特に製本後の周囲環境に影響される。電子写真方式の複写機やプリンターは、トナー転写画像を熱ロール等で定着するため、その際の加熱により用紙の含有水分が減少し、周囲環境湿度との間に大きな差が生じ、紙の吸湿量を増加させる。吸湿量の増加に伴い、用紙の伸びは大きく、特に、用紙横方向の伸びが顕著である。製本で積層されると、積層周辺部は吸湿により伸びが発生し、中央部は吸湿が殆どなく伸びも殆どない。このような不均一吸湿から波打ちが発生して製本品質が損なわれる。
【0005】
従来、熱定着後カール(コピー後カール)に起因する問題を解決するために、種々の改善策が提案されている。例えば、特公昭48−96801号公報、特公昭51−102107号公報、及び特公昭54−96107号公報では、無機繊維を配合することが提案されているが、強度の大幅な低下に伴って断紙トラブル等の抄造上の問題や引裂強度や破裂強度等の強度低下及び曲げこわさ低下などの品質上の問題が生ずる。また、合成繊維を配合することが提案されているが、耐熱性が低く、熱定着時に変形や収縮等が生ずる。さらに、何れの方法においても、木材パルプよりも高価な繊維を使用するため、コストを大幅に増加させるという問題がある。
【0006】
また、特開平3−287894号公報、特開平3−287895号公報及び特開平4−18188号公報では、平衡水分などの用紙特性や機械パルプの配合量などを制御することにより、機械パルプ含有紙のカールを改善する方法が提案されている。また、特開昭57−204057号公報では、填料を多く配合してカールを改善する方法が提案されている。しかし、坪量を多くすると、こわさが低下し、紙粉発生量を増加させるなどの問題が発生する。
【0007】
さらに、特開平3−236062号公報には、紙の表裏伸縮率差を制御する方法が、特開平3−243953号公報には、残留曲率を制御する方法が、特開平4−5662号公報には、パルプの繊維長を制御する方法が、また、特開平6−209897号公報、特開平8−184983号公報には、填料配合量と厚み方向の灰分分布制御によるカール解決手段を提案している。しかし、これらの方法はいずれも製本後の周囲環境の影響(例えば、高湿)による波打ちを十分に防ぐことはできなかった。
【0008】
用紙の吸水、吸湿による波打ち等の問題を解決するために、特開平3−199081号公報では、記録用紙のMD(マシン方向)/CD(クロス方向)の水中伸度比率を制御する方法が提案されている。特開平6−171207号公報には、特定のガラス転移点を有する合成高分子ラテックスを配合した塗工層を用紙の裏面に塗工する方法が提案がされている。しかし、これらの方法はいずれもインクジェット方式印字における印字インク部の波打ち防止であり、製本後の周囲環境の影響による波打ち発生を十分に解決することはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消し、電子写真適性を有するとともに、熱定着工程を経て排出された印刷情報用紙の製本時の品質特性、及び製本後の周囲環境の影響による波打ち発生のない、製本品質性に優れた印刷情報用紙を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、熱定着工程を経て機器から排出される印刷情報用紙の製本時の品質特性、及び、製本後の環境による製本品質性について鋭意検討を重ねた結果、次の構成を採用することにより、上記の問題を解消することに成功した。
【0011】
(1)木材パルプを主原料とする、電子写真適性を有する印刷情報用紙であって、坪量が65〜90g/m2の範囲にあり、紙中の灰分量が15〜30%の範囲にあり、超音波パルスの縦波伝播速度比が1.10〜1.40の範囲にあり、熱定着工程後直後から25℃、55%RHの環境下に30分間放置した時のCD伸び変化率が0.50%以下である印刷情報用紙において、でんぷんを主成分とする表面サイズ剤を前記用紙表面の両面に1〜3g/m2の範囲で塗布したことを特徴とする印刷情報用紙。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、製本した後、25℃、55%RHの環境下に30分間放置したときの平均波打ち高さと、CD伸び変化率の関係を示したグラフである。図1より明らかなように、平均波打ち高さは、CD伸び変化率が0.50%のポイントで大きな変化を示すことを見出した。即ち、CD伸び変化率を0.50%以下に制御すれば、平均波打ち高さを極めて良好に維持できることが分かる。
【0013】
図2は、坪量75g/m2 の用紙を用い、用紙のCD伸び変化率と灰分(JISP8128に準じて、灰化する強熱温度を575℃±25℃に設定)の関係を示したグラフである。図2から明らかなように、灰分を15%以上にすれば、CD伸び変化率が0.50%以下になることが分かる。
【0014】
本発明におけるCD伸び変化率とは、用紙の横方向(用紙の走行方向に直角な方向)において幅50mm、長さ100mmの試料を等比交換式伸縮計を用い、用紙の坪量の約半分の張力を被検用紙にかけて測定して得たもので、温度を20℃に保持して、「65%RH→25%RH→65%RH→90%RH」の湿度サイクルを3回吸を繰り返して脱湿処理を行い、最終の25%RH→65%RHに変化させた時の寸法変化率を湿度25%RH→65%RHの含有水分変化率で除して、水分1%当りの寸法変化率(製本から特定の環境下に放置した時の水分変化量を積算した値であり、その環境における伸び変化量を表す)をCD伸び変化率という。
【0015】
即ち、本発明でいう熱定着工程直後から25℃、55%RHの環境下に30分間放置した時のCD伸び変化率とは、電子写真方式の複写機やプリンターの熱定着工程を経て排出された直後の用紙の含有水分とその用紙を25℃、55%RHの環境下に30分間放置した時の含有水分との差に対し、水分1%当りの寸法変化率を積算した値を意味する。
【0016】
本発明における平均波打ち高さとは、図3(ア)に示すように、くるみ製本を行い、背のり部を紙のMD方向に設けた時の図3(イ)中の(a)天側、(b)地側(いずれもCD方向)の波打ちの山高さ(h)の合計を波の数で除した値を平均波打ち高さ(H)とした。
【0017】
本発明における灰分は、15%〜30%、好ましくは15%〜25%の範囲が望ましい。15%未満になると、CD伸び変化率が0.50%を超え、波打ち改善効果を大きく減少させる。また、30%を超えると、用紙のこわさが減少して走行性不良や紙粉による画質不良等の支障を来す。特にこわさの減少は坪量65g/m2 付近で顕著である。
【0018】
さらに、灰分増加によるこわさの減少や画質不良を改善するために、紙表面にでんぷんを主成分とする表面サイズ処理を両面で1.0〜3.0g/m2 の範囲で施すことが好ましい。灰分増加による繊維間結合力は低下するが、繊維の縦横方向のネットワーク構造をでんぷんで補強することにより、こわさの維持と紙粉発生の抑制が可能であると考えられる。でんぷんを主成分とする表面サイズ剤の塗布量が1.0g/m2 未満では、繊維のネットワーク構造を十分に補強することができない。また、前記塗布量が3.0g/m2 を超えると、トナー定着強度が低下してドキュメント品質が低下する。
【0019】
さらにまた、灰分増加に伴うCDこわさの低下は、超音波パルスの縦波伝播速度比を1.10〜1.55の範囲に調整することにより、でんぷん補強効果を一層効果的に引き出すことができる。縦波伝播速度比が1.55を越すと、CDこわさが急激に低下し、走行性に問題を生じる。しかし、縦波伝播速度比を1.55以下にすると、繊維の配列に対する縦横方向の良好なネットワーク構造が形成されるためと考えられる。また、1.55以下にすると、用紙が吸湿した時のカールの問題も改善できる。1.10未満にすると繊維の配向がランダムになり、カール軸がまちまちになってカール形状が安定化しないため、ソーティングのトレイ収容性等に支障を来すことがある。なお、縦波伝播速度比の好ましい範囲は、1.10〜1.40である。
【0020】
本発明における坪量は65g/m2 〜90g/m2 、好ましくは65g/m2 〜85g/m2 の範囲が望ましい。坪量が65g/m2 未満になると、上記のように用紙のこわさが減少して走行性に支障を来す。また、90g/m2 を超えると繊維総量が増加し、波打ち防止効果が減少する。
【0021】
本発明では、ワイヤーパートでの紙層形成において超音波パルスの縦波伝播速度比を1.10〜1.55の範囲になるように調整するが、これは繊維を縦横方向に適度に分散させ、MD方向にのみ繊維が配列することを防ぐのに有効であると考える。抄紙機の原料噴出速度とワイヤー比を小さくする方向に調整すると、縦波伝播速度比をこの範囲に制御することができる。
【0022】
本発明において超音波パルスの縦波伝播速度比(T/Y比)とは、下記式で示される値を意味する。
T/Y比=(MDの超音波伝播速度)/(CDの超音波伝播速度)
MD:抄紙機の進行方向、CD:MDの直角方向
【0023】
本発明のサイズプレスで紙に付与されるでんぷんは、繊維の縦横方向の良好なネットワーク構造を補強し、こわさの維持と紙粉発生の抑制に大きく寄与する。ここで使用されるでんぷんは、酸化でんぷん、カチオン化でんぷん、ヒドロキシエチルエーテルでんぷん、酸素変性でんぷんなどを挙げることができる。ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びその他の樹脂ポリマーなどの表面サイズ剤を加えても良い。このでんぷんを主成分とする表面サイズ剤をサイズプレスで用紙の両面に1〜3g/m2 、好ましくは1〜2.5g/m2 の範囲で塗布する。
【0024】
また、本発明の印刷情報用紙には、抄紙工程中のサイズプレスで用紙の表面に、でんぷんを主成分とする水溶性接着剤とともに、臭酸ナトリウム、蟻酸カリウム等の有機塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩、スチレン−マレイン酸コポリマーの塩、ポリスチレンスルホン酸塩等の高分子電解質、アルミナ、モンモリロナイト等の無機導電性物質、石けん、燐酸塩等の界面活性剤等の導電剤、顔料、染料などを塗布してもよい。
【0025】
サイズプレス工程の塗布には、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、及びメタリングブレード方式のサイズプレス、ビルブレード、ショートドウェルコーター等を用いることができる。また、必要に応じて、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンイミンなどの紙力増強剤を内添することもできる。
【0026】
本発明において使用するパルプは、▲1▼バージンのケミカルパルプ(CP)、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されるパルプや、▲2▼バージンの機械パルプ(MP)、例えば、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ、セミケミカルパルプ等木材及びその他の繊維原料を主に機械的に処理して作成されるパルプを含有させてもよい。
【0027】
また、▲1▼製本、印刷工場、裁断所等において発生する裁落、損紙、幅落しした古紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、及び、▲2▼上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙などに対して、平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録方式、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、及び、▲3▼水性インク、油性インク、鉛筆等で筆記された古紙、及び、▲3▼新聞古紙など、を離解した後、脱墨したパルプ(以下、DIPと略記する)なども使用できる。
【0028】
本発明の印刷情報用紙に用いる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、パイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類等、無機填料、及び、尿素樹脂等の有機顔料を挙げることができる。なお、電子写真方式における画質維持性を確保するためには炭酸カルシウムが最も適している。
【0029】
本発明の印刷情報用紙に用いる内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサイズ剤が挙げることができる。硫酸バンド、カチオン化澱粉等の適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
本発明の印刷情報用紙は、電子写真方式における静電気トラブルを防止するために、上記導電剤を用いることにより、温度20℃、湿度65%RHの表面電気抵抗率(JIS−K6911)を1×109 〜1×1012Ωの範囲にする必要がある。表面電気抵抗率が高すぎると、静電気帯電量が多くなり、画質欠陥が発生し、複写機での紙走行不良が生じ、また、低すぎると帯電量が少なくなり、画像転写不良等の問題が生ずる。
【0031】
さらに、コピー画像部の鮮鋭度を向上させるためには、キャレンダー処理等により表面の凹凸を少なくし、印刷情報用紙の平滑度(JISP8119)を10秒以上、好ましくは20秒以上にするのがよい。
また、開封直後の製品水分は、波打ちや熱定着後のカールの発生を抑えるために、適正水分の4.0〜6.5%になるように、抄紙機のドライヤー、キャレンダー工程や、断裁工程等において調整するのがよい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100%配合し、填料の重質炭酸カルシウムを灰分として15wt%、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(ASA)を0.1wt%、カチオン化でんぷんを0.2wt%配合して、縦波伝播速度比が1.20になるように抄紙した。
【0033】
さらに、間接電子写真適正を付与するため、2ロールサイズプレス処理により、澱粉を1.0g/m2 、ポリビニルアルコールを0.5g/m2 、塩化ナトリウム0.1g/m2 となるように塗工して実施例1の印刷情報用紙を得た。
この用紙の坪量は65g/m2 で、紙厚は93μm、平滑度はFSで22秒、表面電気抵抗率は7.3×109 Ω、CDこわさは31.8cm3 /100、CD伸び変化率は0.42%であった。
【0034】
この印刷情報用紙のCD伸び変化率は、富士ゼロックス社製パブリッシャーシステムDoch Tech Model−135を用いてコピーし、その直後と25℃、55%RHの環境下で30分間放置した後の水分変化量を測定し、先に等比交換式伸縮計を用いて求めた1%当りの寸法変化率を用いて算出した。
【0035】
製本後の平均波打ち高さの評価は、以下の手順で確認した。
(1)富士ゼロックス社製パブリッシャーシステムDoch Tech Model−135を用い、日本文字原稿を使用して両面コピーを100枚採取した。
(2)採取したコピー紙100枚を、Horizon社製の製本機BO−P6でくるみ製本を行った。表紙は、BO−P6専用表紙(A4Sマリン窓付)を使用した。
(3)製本した用紙を、25℃、55%RHの環境下に30分間放置した後、デジタルノギスを用いて、図3(イ)の波打ちの山高さ(h)を計り、その合計を波の数で除して平均波打ち高さを求めた。
【0036】
コピー適性は、次のようにして確認した。富士ゼロックス社製パブリッシャーシステムDoch Tech Model−135を用いて10000枚の印刷情報用紙を25℃、55%RHの環境中で両面コピーを行い、そのときの通紙不良発生回数を測定して走行性能を評価した。
また、その時の画質不良の有無を判定した。
走行性能は、通紙不良の発生回数が1回以下のものを○、2〜4回のものを△、5回以上のものを×とした。
さらに、画質は、良好なレベルを○、実用上問題にならないレベルを△、問題となるレベルを×とした。
【0037】
そして、それらの結果は表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1の印刷情報用紙は、製本波打ちは平均波打ち高さが0.68mmと良好で製本品質に優れ、走行性能も優れており、良好な画質を得ることができた。
【0038】
(実施例2)
表1に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を90%及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を10%を混合し、填料の軽質炭酸カルシウムを灰分として17wt%、内添サイズ剤としてアルケニル無水コハク酸(ASA)を0.1wt%、カチオン化でんぷんを0.2wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.51になるように抄紙した。
【0039】
また、間接電子写真適性を付与するために、2ロールサイズプレスで処理して、でんぷんを1.5g/m2 、ポリビニルアルコールを0.5g/m2 及び塩化ナトリウム0.15g/m2 となるように塗工して、実施例2の印刷情報用紙を得た。
この用紙の坪量は72g/m2 で、紙厚は100μm、平滑度はFSで32秒、表面電気抵抗率は1.1×109 Ω、CDこわさは33.8cm3 /100、CD伸び変化率は0.45%であった。
【0040】
この印刷情報用紙の製本波打ちレベルとコピー適性は、実施例1と同様にして確認し、結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例2の印刷情報用紙は、製本の平均波打ち高さが0.78mmと良好で製本品質が優れ、走行性能も優れており、良好な画質を得ることができた。
【0041】
(実施例3)
表1に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100%配合し、填料の軽質炭酸カルシウムを灰分として22wt%、内添サイズ剤のアルキルケテンダイマー(AKD)を0.2wt%、カチオン化でんぷんを0.2wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.30になるように抄紙した。
【0042】
さらに、間接電子写真適性を付与するため、2ロールサイズプレスで処理して、でんぷんを2.0g/m2 、ポリビニルアルコールを0.5g/m2 、塩化ナトリウムを0.1g/m2 となるように塗工して、実施例3の印刷情報用紙を得た。
この用紙の坪量は80g/m2 で、紙厚は106μm、平滑度はFSで45秒、表面電気抵抗率は3.7×1010Ω、CDこわさは41.7cm3 /100、CD伸び変化率は0.47%であった。
【0043】
この印刷情報用紙の製本波打ちレベルとコピー適性は、実施例1と同様にして確認した、結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例3の印刷情報用紙は、製本の平均波打ち高さが0.91mmと良好で製本品質に優れ、走行性能も優れており、良好な画質を得ることができた。
【0044】
(実施例4)
表1に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100%配合し、焼成クレー70部及びカオリンクレー30部からなる填料を灰分として25wt%、内添サイズ剤としてロジン0.2wt%及び硫酸バンドを0.2wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.45になるように抄紙した。
【0045】
さらに、間接電子写真適性を付与するため、2ロールサイズプレスで処理することにより、でんぷんを2.0g/m2 、ポリビニルアルコールを0.5g/ m2 、塩化ナトリウムを0.08g/m2 となるように塗工して、実施例4の印刷情報用紙を得た。この用紙の坪量は75g/m2 で、紙厚は102μm、平滑度はFSで39秒、表面電気抵抗率は1.3×1011Ω、CDこわさは38.0cm3 /100、CD伸び変化率は0.43%であった。
【0046】
この印刷情報用紙の製本波打ちレベルとコピー適性は、実施例1と同様にして確認し、結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例4印刷情報用紙は、製本の平均波打ち高さが0.72mmと良好で製本品質に優れ、走行性能も優れており、良好な画質を得ることができた。
【0047】
(実施例5)
表1に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を80%及び上白古紙パルプを30%混合し、填料の軽質炭酸カルシウム60部及び焼成クレー40部を灰分として29wt%、内添サイズ剤のアルキルケテンダイマー(AKD)を0.2wt%、カチオン化でんぷんを0.2wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.40になるように抄紙した。
【0048】
さらに、間接電子写真適性を付与するため、2ロールサイズプレス処理により、でんぷんを2.0g/m2 、ポリビニルアルコールを0.8g/m2 、塩化ナトリウムを0.05g/m2 となるように塗工して実施例5の印刷情報用紙を得た。この用紙の坪量は90g/m2 、紙厚は115μm、平滑度はFSで61秒、表面電気抵抗率は1.0×1012Ω、CDこわさは47.4cm3 /100、CD伸び変化率は0.50%であった。
【0049】
この印刷情報用紙の製本波打ちレベルとコピー適性は、実施例1と同様にして確認し、結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例5の印刷情報用紙は、製本の平均波打ち高さが1.12mmと良好で製本品質に優れ、走行性能も優れており、良好な画質を得ることができた。
【0050】
【表1】
【0051】
(比較例1)
表2に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を90%及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)を10%を混合し、填料の重質炭酸カルシウムを灰分として5wt%、内添サイズ剤のアルキルケテンダイマー(AKD)を0.2wt%、カチオン化でんぷんを0.15wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.60になるように抄紙した。
【0052】
さらに、間接電子写真適性を付与するため、2ロールサイズプレス処理により、でんぷんを1.0g/m2 、塩化ナトリウムを0.1g/m2 となるように塗工し、比較例1の印刷情報用紙を得た。この用紙の坪量は65g/m2 、紙厚は90μm、平滑度はFSで32秒、表面電気抵抗率は9.6×109 Ω、CDこわさは29.2cm3 /100、CD伸び変化率は0.73%であった。
【0053】
得られた印刷情報用紙について実施例1と同様の実験方法により製本波打ちレベルと走行性を確認し、結果を表2に示した。
表2から明らかなように、走行性能は優れていたが、製本の平均波打ち高さは2.10mmと非常に高く、製本品位が損なわれていることが分かった。
【0054】
(比較例2)
表2に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100%を配合し、填料の軽質炭酸カルシウムを灰分として10wt%、内添サイズ剤のアルケニル無水コハク酸(ASA)を0.1wt%、カチオン化でんぷんを0.15wt%を配合し、縦波伝播速度比が1.62になるように抄紙した。
【0055】
さらに、2ロールサイズプレス処理により、でんぷんを1.0g/m2 となるように塗工して、比較例2の印刷情報用紙を得た。
この用紙の坪量は75g/m2 、紙厚は100μm、平滑度はFSで47秒、表面電気抵抗率は5.9×1012Ω、CDこわさは37.2cm3 /100、CD伸び変換率は0.61%であった。
【0056】
得られた印刷情報用紙について実施例1と同様の実験方法により製本波打ちレベルと走行性を確認し、結果を表2に示した。
表2から明らかなように、製本の平均波打ち高さが1.90mmと非常に高く、電子写真機器では表面電気抵抗率が高く、そのため排紙部での静電トラブルが発生した。
【0057】
(比較例3)
表2に示す通り、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100%配合し、填料の焼成クレー50部及びカオリンクレー50部を灰分として35wt%、内添サイズ剤のロジンを0.2wt%、硫酸バンドを0.2wt%配合し、縦波伝播速度比が1.65になるように抄紙した。
【0058】
さらに、間接電子写真適性を付与するため、2ロールサイズプレス処理により、でんぷんを1.5g/m2 、塩化ナトリウムを0.05g/m2 となるように塗工し、比較例3の印刷情報用紙を得た。
この用紙の坪量は90g/m2 、紙厚は102μm、平滑度はFSで65秒、表面電気抵抗率は1.9×1011Ω、CDこわさは21.5cm3 /100、CD伸び変化率は0.53%であった。
【0059】
得られた印刷情報用紙について実施例1と同様の実験方法により製本波打ちレベルと走行性を確認し、結果を表2に示した。
表2から明らかなように、製本の平均波打ち高さが1.32mmと高く、電子写真機器ではCDこわさが低いため搬送トラブルが発生した。
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、熱定着工程を経て排出される印刷情報用紙の製本時の品質特性、及び製本後の周囲環境の影響による波打ち発生のない製本品質性に優れ、紙送りトラブルの発生がない、優れた画質を有する印刷情報用紙の提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】製本後、25℃、55%RHの環境下で30分間放置した後の平均波打ち高さとCD伸び変化率の関係を示したグラフである。
【図2】坪量75g/m2 の用紙のCD伸び変化率と灰分の関係を示したグラフである。
【図3】平均波打ち高さの算出方法を説明するための、くるみ製本の立体図である。
【図4】平均波打ち高さの算出方法を説明するための、地側からみた断面図である。
Claims (1)
- 木材パルプを主原料とする、電子写真適性を有する印刷情報用紙であって、坪量が65〜90g/m2の範囲にあり、紙中の灰分量が15〜30%の範囲にあり、超音波パルスの縦波伝播速度比が1.10〜1.40の範囲にあり、熱定着工程後直後から25℃、55%RHの環境下に30分間放置した時のCD伸び変化率が0.50%以下である印刷情報用紙において、でんぷんを主成分とする表面サイズ剤を前記用紙表面の両面に1〜3g/m2の範囲で塗布したことを特徴とする印刷情報用紙。
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