JP2000158799A - インクジェット記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及びその再生方法

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JP2000158799A
JP2000158799A JP33429298A JP33429298A JP2000158799A JP 2000158799 A JP2000158799 A JP 2000158799A JP 33429298 A JP33429298 A JP 33429298A JP 33429298 A JP33429298 A JP 33429298A JP 2000158799 A JP2000158799 A JP 2000158799A
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Nobutaka Osada
延崇 長田
Kakuji Murakami
格二 村上
Akihiko Goto
明彦 後藤
Tetsuya Kaneko
哲也 金子
Tomoko Sekine
朋子 関根
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録方法により画像を形
成された記録媒体が不用になった場合に、画像の除去が
容易であると共に、形成される画像特性が良好であり、
特にインクの吸収速度が速く、高速記録が可能で、繰り
返し再利用できる記録媒体を提供する。 【解決手段】 着色剤と樹脂が水中に分散または重合さ
れたエマルジョンおよび水を含有するIJインクを使用
し、記録媒体に像を形成するインクジェット記録におい
て、表面近傍がインク中のエマルジョン粒子より小さな
径からなる多孔性の材料からなる記録媒体と、画像を記
録し不用となったとき、画像に機械的擦過を与えまたは
/および画像を他の材料に圧着して除去する再生方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピエゾ方式、バル
ブ方式、サーマル方式などのオンディマンド法や荷電制
御方式などの連続噴射法などのインクジェット法により
記録し再生可能な記録媒体、記録媒体上に形成された画
像を除去し再生するための再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方式は装置の
構成が比較的簡素なため、本体が小型で価格が安く、低
ランニングコスト、低騒音といった利点から急速に普及
しており、普通紙に印刷可能なインクジェットプリンタ
も市場に投入されており、紙が大量に使用されている。
【0003】ところが、記録媒体としては一般に用いら
れる紙は木材より得られるパルプを原料とするため、紙
を大量に消費することは、森林の伐採、地球環境の悪化
につながることになり、近年、社会問題となってきつつ
ある。更に、これらの画像形成方法により画像が形成さ
れた記録材が大量に廃棄されて、ごみの処分が困難とな
るという問題も生じている。
【0004】これらの問題に対処するため、不要になっ
た用紙やフィルムを回収し、一旦、パルプの状態まで離
解したり、再溶融したりして再利用する方法が従来行わ
れている。しかしながら、この方法では、再生のための
エネルギー効率が悪く、再生された製品は、新しい原料
を用いるよりも割高になったり、質の悪いものになって
しまうという欠点があった。
【0005】インクジェット記録方法により画像が記録
された記録材から画像を除去して、記録材を再利用する
ために、光や熱の作用により化学構造が変化して無色に
なる染料をインクに使用する方法が提案されている。し
かしながら、このような機能を有する染料は、画像記録
に適する色調が得られなかったり、水などの溶媒に対す
る溶解性に乏しいものであったりといった問題があり、
いまだ実用に至っていない。
【0006】特開平8−230315号公報には、アミ
ド基をペンダント基として有する樹脂成分を架橋してな
る被覆を設けたことを特徴とする再利用可能な水性イン
ク用記録材が開示されている。ここには、水性インクで
形成された画像を水で水洗除去する方法も開示されてい
る。同公報に開示されている技術は、前記の光や熱の作
用により化学構造が変化して無色になる染料を用いた場
合に生じる、上記の問題を解決するものである。しかし
ながら、記録材に形成された画像を完全に除去できなか
ったり、記録材にインクが浸透する速度が小さいため
に、見かけ上の乾燥速度が遅く、高速の記録に耐えられ
ないという課題が残っていた。
【0007】特開平8−324103号公報、特開平8
−224954号公報には、それぞれ、基体上にヒドロ
キシプロピルセルロースを樹脂成分として含む記録材、
親水性樹脂を放射線架橋してなる表面層を有する記録材
が開示されている。これらの従来例にも、水性インクで
形成された画像を水で水洗除去するための記録材が開示
されているが、特開平8−230315号と同様に、浸
透速度が不十分であり、特にOHPシートのように高速
の記録を要求されない場合には問題がないとしても、高
速記録が要求される白色シートとしては、十分なもので
はなかった。
【0008】更にこれらは再生する際水等の溶液を使用
するため記録媒体を再生するための装置を考えた場合、
溶液を記録媒体に付着させる工程や乾燥させる工程等が
必要となり、機構が複雑となる。また水洗により再生す
る場合には、使用した水を廃棄や再利用する際に浄化装
置が必要となってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところはイ
ンクジェット記録方法により形成された記録媒体が不用
になった場合に、記録媒体からの画像の除去が容易であ
ると同時に、形成される画像特性が良好であり、特に、
インクの吸収速度が早く、高速記録が可能である繰り返
し再使用が可能な記録媒体やインクジェット用記録媒体
の再生方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一に
着色剤と樹脂が水中に分散または重合されたエマルジョ
ンおよび水を含有するIJインクを使用し、記録媒体に
像を形成するインクジェット記録において、インク中の
微粒子より小さな径からなる多孔性の材料からなること
を特徴とする繰り返し再利用するためのインクジェット
用記録媒体が提供される。
【0011】第二にIJインク中の着色剤より小さな径
からなる多孔性の記録媒体がC.S.F200ml以下
のパルプ繊維からなることを特徴とする第一の記録媒体
が提供される。
【0012】第三に着色剤と樹脂が水中に分散されたエ
マルジョンおよび水を含有するIJインクを使用し、記
録媒体に像を形成するインクジェット記録において、イ
ンク中の着色剤より少なくとも一方の面が小さな径から
なる多孔性の層を有することを特徴とする繰り返し再利
用するためのインクジェット用記録媒体が提供される。
【0013】第四にIJインク中の着色剤より少なくと
も一方の面が小さな径からなる多孔性の層の下層にイン
ク中のビヒクルを吸収する層を有する第三の記録媒体が
提供される。
【0014】第五にビヒクル吸収する層がパルプ繊維で
あることを特徴とする第四の記録媒体が提供される。
【0015】第六にIJインク中の着色剤より小さな径
の多孔性の層がC.S.F200ml以下のパルプ繊維
からなることを特徴とする第三から第五のいずれかに記
載の記録媒体が提供される。
【0016】第七にIJインク中の着色剤より小さな径
の多孔性の層の付着量が1〜30g/m2であることを
特徴とする第三から第六の記録媒体が提供される。
【0017】第八に第一から第七の記録媒体を使用し
て、IJ記録方法により記録媒体上に画像を記録し、該
記録媒体が不用となった際に該記録媒体上の画像に機械
的擦過を与えてまたは/および画像を他の材料に圧着し
て除去することを特徴とするIJ記録用記録媒体の再生
方法が提供される。
【0018】
【作用】従来の普通紙では、記録媒体にインクが吐出さ
れ像が形成された際、インク中の着色剤の微粒子が繊維
の間に入り込み、その後拭き取りによって消去を試みて
もこれら繊維間に入り込んだ微粒子は取り除くことがで
きないのに対し、記録媒体の多孔性の材料がインク中の
着色剤の微粒子より小さな径からなることで、孔間に着
色剤の微粒子が入り込むことはなく、機械的擦過を与え
て、または他の材料に圧着して除去することによって容
易に像を消去することが可能となる。
【0019】記録媒体の多孔性の材質はインクジェット
で記録するのに支障のない材料であればいずれも使用す
ることができる。例えば、ポリエチレン、塩化ビニル樹
脂、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリ
ビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニトリル−
スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS(AS
A)樹脂、AES樹脂、繊維素誘導体樹脂、熱可塑性ポ
リウレタン、ポリビニルブチラール、ポリ−4−メチル
ペンテン−1、ポリブテン−1等の熱可塑性樹脂や不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、フッ素樹脂、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリイミド等のエンジニアリ
ングプラスチック、NR天然ゴム、SBRスチレン−ブ
タジエンゴム、BRブタジエンゴム等の天然ゴム、IR
イソプレンゴム、NBRニトリルゴム、CRクロロプレ
ンゴム、IIRブチルゴム、EPDMエチレン−プロピ
レンゴム、ACMアクリルゴム、CSM塩素化ポリエチ
レンゴム、FKMフッ素ゴム、Qシリコーンゴム、AU
ウレタンゴム、T多硫化ゴム等の合成ゴム等がある。
【0020】また各種繊維も使用でき、ナイロン、アク
リル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン等
の合成繊維、アセテート、トリアセテート、プロミック
ス等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、
これらの繊維に性能改良を施した改質繊維等がある。
【0021】アクリル酸誘導体、アクリルアミド誘導
体、アクリル酸エステル誘導体、アクリロニトリル誘導
体、アセチレン誘導体、ジエン誘導体、オレフィン誘導
体、スチレン誘導体、ハロゲン化エチレン誘導体、ビニ
ルアミン誘導体、ビニルエステル誘導体、ビニルエーテ
ル誘導体、ビニルケトン誘導体、マレイン酸誘導体、マ
レイミド誘導体、メタクリル酸誘導体、メタクリル酸エ
ステル誘導体、メタクリルアミド誘導体、メタクリロニ
トリル誘導体、複素環を持つモノマー類、多環式炭化水
素モノマー類、開環性モノマー類、ジアミン誘導体、ジ
イソシアナート誘導体、ジイソチオシアナート誘導体、
ジカルボン酸誘導体、ジカルボン酸エステル誘導体、ジ
オール誘導体、ポリオール誘導体、フェノール誘導体、
メラミン類誘導体、尿素誘導体、含硫黄モノマー類、含
リンモノマー類、含金属モノマー類等からなるポリマ
ー、油脂等を塗布した加工紙、ステンレス、アルミニウ
ム等の金属も用いることができる。
【0022】多孔性の層の形成方法としては、中性子を
ポリマーフィルムに照射し、その後エッチングし細孔を
形成させるトラックエッチング法や結晶性ポリマーに熱
をかけたり、可塑剤を添加し可塑化したりした後、直角
方向に延伸し、ひずみを与え、結晶領域の周辺に存在す
る非結晶領域を広げて細孔を形成させる延伸法、高温で
は溶媒となるが低温では非溶媒となるような溶媒と結晶
性ポリマーを高温で溶融し、均一溶液とし成膜した後、
冷却し、溶媒を抽出し細孔を形成させる溶融相分離方
法、ポリマーに無機塩、シリカ、可塑剤、界面活性剤、
ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース
等を均一に混合分散させ、成膜した後、水、酸、アルカ
リ等でこれら物質を抽出し、細孔を形成させる抽出法、
ポリマー、良溶媒及び貧溶媒を混合して均一溶液とし成
膜、乾燥などにより良溶媒を選択的に除外し、非溶媒中
に浸漬し、溶媒交換によりポリマーのゲル化をおこなわ
せて形成させる相転換法等の従来から公知の細孔形成方
法を用いることができる。
【0023】特に好ましいのはパルプ繊維である。パル
プ繊維からなる記録媒体とすることで、もし該記録媒体
が傷、破れ等で拭き取り再生が困難になった場合でも他
の普通紙を同様に古紙再生に回すことができ、それに伴
い利用者が他の普通紙と分別する手間がなくなる。また
生産上も基本的に現有の抄紙機で生産可能であり、設備
投資を最小限に押さえることができる。
【0024】本発明に使用するパルプ繊維の材料として
は、インクジェットプロセスに影響ないものであればパ
ルプの種類、処理方法は問わず適宜に使用できる。また
非木材パルプ(ケナフ、亜麻、竹、海草等)や古紙パル
プを用いても良いしこれを主体としても良い。好ましく
はLBKPやNBKPに代表される化学パルプである。
これらパルプ繊維のカナディアン・スタンダード・フリ
ーネス(C.S.F)を200ml以下好ましくは10
0ml以下にすることによりインク中の着色剤の微粒子
より小さな径からなる多孔性の記録媒体を得ることがで
き、孔間に着色剤の微粒子が入り込むことはなく、機械
的擦過を与えてまたは他の材料に圧着して除去すること
によって容易に像を消去することが可能となる。カナデ
ィアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)と
は、カナダ標準形の方法により求めたものであり、C.
S.Fの調整方法についても通常の紙製造工程で使用で
きるものであれば、適宜使用できる。
【0025】これらパルプの抄紙は一般の普通紙同様公
知のサイズ剤、填料、その他抄紙助剤を必要に応じて用
い、常法により抄紙される。但しC.S.Fが小さいの
で必要に応じワイヤーパートで細かいワイヤーを使用し
たり、平滑性を得るためにカレンダーロールに通常使わ
れている鉄ロールの何本かを樹脂ロールに取り替えたり
といった対策を施すのが好ましい。またワイヤーでの脱
水した水の中に含まれるパルプを回収する手段にも通常
の回収手段ではC.S.Fが小さいパルプは回収が困難
なため、セットリングタンクと呼ばれるパルプを沈殿さ
せて回収する方法等を用いることが好ましい。
【0026】サイズ剤としてはロジンサイズ、AKD、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、スチレン−マレイン酸
コポリマー、第4級アンモニウム塩、アルニケル無水コ
ハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドン、カチオ
ン澱粉、アクリルアミド等がある。
【0027】填料としてはクレー、炭酸カルシウム、タ
ルク、二酸化チタン、合成シリカ等が挙げられる。
【0028】さらに紙力増強剤、歩留まり向上剤、定着
剤、染料、その他抄紙助剤が添加される。
【0029】また、本発明の記録媒体はインク中の着色
剤より少なくとも一方の面が小さな径からなる多孔性の
層を有する構造についても提供される。この構造の記録
媒体でも従来の普通紙では記録媒体にインクが吐出され
像が形成された際、インク中の着色剤の微粒子が繊維の
間に入り込み、その後拭き取りによって消去を試みても
これら繊維間に入り込んだ微粒子は取り除くことができ
ないのに対し、記録媒体の面がインク中の着色剤の微粒
子より小さな径からなる多孔性の層を有する材料とする
ことで、孔間に着色剤の微粒子が入り込むことはなく、
拭き取りによって容易に像を消去することが可能とな
る。このような記録媒体に使用できる材料はインクジェ
ットで記録するのに支障のない材料であればいずれも使
用することができる。具体的には上記したような合成樹
脂、加工紙、ゴム、化学繊維、ポリマー、金属等が挙げ
られる。
【0030】インク中の着色剤より小さな径からなる多
孔性の層の形成方法としては、例えばインク中の着色剤
より大きな径の多孔性の材料を、キャレンダー等を使用
し記録媒体の表面を潰すことで、表面の孔をインク中の
着色剤より小さな径とする方法や、インク中の着色剤よ
り少なくとも一方の面が小さな径からなる多孔性のシー
トを基材に貼り付けて形成する方法や、インク中の着色
剤より少なくとも一方の面が小さな径からなる多孔性の
構造を形成しうる材料を基材に塗工や含浸、噴霧する方
法等が挙げられる。
【0031】上記方法の中で基材を用いる場合、その材
料はインク中の着色剤より小さな径からなる多孔性の層
が、容易に剥離や脱落といった不具合が発生しない材料
であればいずれも使用することができる。好ましくはイ
ンク中のビヒクルを吸収する材料からなる。この材料に
することで、多孔性の層によって着色剤は表面に残され
それ以外のビヒクルが基材に速やかに吸収される。その
ためドットを形成するインク滴同士が記録媒体上で集合
して球形になりドットが大きくなって発生する解像度の
低下や正確な位置に像が形成されないという不具合を防
止することができる。また、隣接した異なる色相のイン
クが印字された際、インク滴同士が集合し色の境界部分
がぼけるといった問題も防止できる。
【0032】基材の材料として特に好ましいのはパルプ
繊維である。基材となりうる他の材料に比べ、パルプ繊
維は比較的安価であり、ビヒクルの吸収性も十分であ
る。本発明に使用するパルプ繊維の材料としてはインク
ジェットプロセスに影響ないものであればパルプの種
類、処理方法は問わず適宜に使用できる。また、非木材
パルプ(ケナフ、亜麻、竹、海草等)や古紙パルプを用
いても良いし、これを主体としても良い。好ましくはL
BKPやNBKPに代表される化学パルプである。
【0033】インク中の着色剤より小さな径からなる多
孔性の層に用いられる材質はインクジェットで記録する
のに支障のない材料であればいずれも使用することがで
き、上記したような合成樹脂、加工紙、ゴム、化学繊
維、ポリマー、金属等が挙げられる。特に好ましいのは
パルプ繊維である。基材となりうる他の材料に比べ、パ
ルプ繊維は比較的安価であり、ビヒクルの吸収性も十分
である。これらパルプ繊維のカナディアン・スタンダー
ド・フリーネス(C.S.F)を200ml以下好まし
くは100ml以下にすることによりインク中の着色剤
の微粒子より小さな径からなる層を得ることができ、孔
間に着色剤の微粒子が入り込むことはなく、拭き取りに
よって容易に像を消去することが可能となる。
【0034】これら基材と多孔性の層を共にパルプ繊維
とすることがより好ましい。もし該記録媒体が傷、破れ
等で拭き取り再生が困難になった場合でも他の普通紙と
同様に古紙再生に回すことができ、それに伴い利用者が
他の普通紙と分別する手間がなくなる。また、生産上も
基本的に現有の抄紙機で生産可能であり、設備投資を最
小限に押さえることができる。また多孔性の層に用いる
C.S.Fの低いパルプ繊維は透明度が上がる傾向にあ
るので、通常の普通紙と同様なC.S.Fであるパルプ
繊維を基材にすることで記録媒体の十分な不透明度を得
ることができる。
【0035】インク中の着色剤より小さな径の多孔性の
層の付着量は1〜30g/m2であることが好ましい。
1g/m2より少ないと十分な多孔性の層を形成するこ
とができず、拭き取りによる像の消去が十分行えない。
30g/m2より大きくしても拭き取りの消去性に変化
はなく塗工や含浸、噴霧で層を形成する場合、それが困
難になったり、コストアップになる。
【0036】本発明の記録媒体に使用されるインクは、
着色剤と樹脂が水中に分散または重合されたエマルジョ
ンおよび水を含有するインクである。このインクの粘度
は8mPa・s以下であることが好ましい。8mPa・
sより大きいとインクジェットにて十分な吐出が行え
ず、画像不良の問題が発生する。これらに用いる着色剤
は、従来公知の顔料が使用される。使用し得る顔料の例
としてはカラーインデックスにおいて、ピグメントブラ
ック1、6、7、9、11;ピグメントイエロー1、
5、12、14、17、83;ピグメントレッド1、
3、4、5、7、12、22、101;ピグメントブル
ー1、2、15、16、27、28、29等が挙げられ
る。また、これ以外のグリーン等についても必要ならば
用いることができる。
【0037】樹脂としては共役ジエン系化合物とビニル
化合物からなるものなどが挙げられる。更に必要に応じ
て従来公知のインクジェットインクに用いられる各種添
加剤を添加してもよい。例えば水溶性有機溶媒、浸透
剤、pH調製剤、防腐剤、防錆剤、防黴剤、目詰まり防
止剤等が挙げられる。
【0038】インクジェットプリンタは従来公知のもの
が使用できる。記録ヘッドはインク色の数だけ別個にあ
るいは一体型で形成される。記録ヘッドの方式は従来公
知のいずれの方式でもよく、例えば圧電材料を使用して
電気パルスによりインクに圧力を加え、記録ヘッドに設
けたノズルからインクを液滴として吐出し記録媒体に付
着させる型式のインクジェット記録ヘッドや発熱体を使
用してインク中に気泡を発生させ、その圧力によりイン
クを液滴として記録媒体に吐出させる形式のインクジェ
ット記録ヘッドを挙げることができる。
【0039】画像の除去方法としては、被記録媒体の像
に機械的擦過を与えて除去する方法が挙げられる。例え
ば、布や紙、ゴム、金属等で擦過を加え、画像に剪断力
を加えることにより画像を除去する方法等が挙げられ
る。また別の方法として画像を他の材料に圧着して除去
する方法が挙げられる。例えば平面やローラー等を画像
に圧着してその平面やローラー等に画像を転写させそれ
を回収することで消去する方法等が挙げられる。除去は
上記の除去方法を備えた装置を用いて行うことが好まし
い。これら作業を手で行うとすると、画像が小さい範囲
に記録されている場合は良いが、広範囲に記録されてい
る場合や複数枚行う場合、その作業は大変な労力を必要
とする。それに対し装置を用いれば、簡便にしかも確実
に消去することが可能である。これら装置としては上記
したような画像の除去機構を有した装置を記録媒体に押
し付けたりすることで除去できる構成で可能だが、好ま
しい形態としては画像の除去機構、除去した画像の回収
機構、記録媒体の搬送機構を最低限有し、自動で行う形
態にすることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例によって説
明する。
【0041】記録媒体例1 パルプとしてLBKPとNBKPを混合比率50:50
で混合し、離解および叩解処理によりC.S.F.18
0mlに調製した。更に炭酸ソーダ、アルキルケテンダ
イマー系サイズ剤(AS202;日本PMC社製)、炭
酸カルシウムを添加し紙料を調製した。
【0042】この紙料を用いて長網抄紙機で90メッシ
ュのワイヤーを用い、通常の中性紙の条件で抄造し、塩
化ナトリウムをサイズプレスした後、前半では表面に金
属ロールがあたり裏面には樹脂ロールがあたるように配
列し、後半はその逆になるよう配列された温度120
℃、圧力180kgのマシンカレンダーを通し米坪62
g/m2、密度0.7g/cm3の紙を得た。
【0043】記録媒体例2 市販の上質紙に延伸法で0.20μmの多孔質構造を形
成された厚さ100μmの浸水化処理を施したポリテト
ラフルオロエチレンを両面にそれぞれ張り合わせ、記録
媒体2を得た。
【0044】記録媒体例3 パルプとしてLBKPとNBKPを混合比率50:50
で混合し、離解および叩解処理によりC.S.F.45
0mlに調製した。更に炭酸ソーダ、アルキルケテンダ
イマー系サイズ剤(AS202;日本PMC社製)、炭
酸カルシウムを添加し紙料を調製した。
【0045】この紙料を用いて長網抄紙機で70メッシ
ュのワイヤーを用い、通常の中性紙の条件で抄造し、プ
レスパートに入る前に記録媒体1と同様に調製したパル
プを表面に10g/m2の付着量となるよう上記紙料上
にのせ、塩化ナトリウムをサイズプレスした後、金属ロ
ールの温度120℃、圧力150kgのマシンカレンダ
ーを通し米坪68g/m2、密度0.7g/cm3の紙を
得た。
【0046】インク処方例1 顔料を水と界面活性剤の存在下でビーズミルにて分散す
る。次に水と樹脂を充分に撹拌してエマルジョンとし、
顔料分散液、エマルジョン液及び下記各処方の組成物を
撹拌溶解し各色のインクを得た。
【0047】 <ブラック用インク> カーボンブラック(三菱化学(株)製;MCF88) 5.0wt% スチレン−ブタジエン系ゴム(日本ゼオン(株)製; NIPOL LX 112(Tg−58℃)) 20wt% ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸アンモニウム塩 5.0wt% グリセロール 5.0wt% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5.0wt% イオン交換水 残 量 得られたインクの粘度は3.52mPa・sであった。
【0048】 <イエロー用インク> C.I.ピグメントイエロー17 5.0wt% アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム (大日本インキ化学工業(株)製; ラックスター5215A(MFT<0℃)) 20wt% ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 5.0wt% グリセロール 5.0wt% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5.0wt% イオン交換水 残 量 得られたインクの粘度は3.47mPa・sであった。
【0049】 <マゼンタ用インク> C.I.ピグメントレッド122 5.0wt% アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム (大日本インキ化学工業(株)製; ラックスター68−073(MFT<0℃)) 20wt% ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 5.0wt% グリセロール 5.0wt% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5.0wt% イオン交換水 残 量 得られたインクの粘度は3.12mPa・sであった。
【0050】 <シアン用インク> 銅フタロシアニン 5.0wt% スチレン−ブタジエン系ゴム (大日本インキ化学工業(株)製; ラックスター2800(MFT<0℃)) 20wt% ポリオキシエチレンアルキルアミン 5.0wt% グリセロール 5.0wt% N−ヒドロキシエチルピロリドン 5.0wt% イオン交換水 残 量 得られたインクの粘度は3.32mPa・sであった。
【0051】実施例1 インク処方例1の各色のインクを、オンディマンド方式
のインクジェットプリンタのインクカートリッジに充填
し、記録媒体例1の記録媒体にカラー印字を行った。A
4で1枚/分であったが、画像滲みのない良好な画像を
得られた。
【0052】画像の形成された記録媒体に、シリコーン
ゴムのブレードを押しあて左右に振動することで機械的
擦過を加える機構を備えた装置を用いて擦過を加えたと
ころ、画像は完全に除去された。
【0053】実施例2 インク処方例1の各色のインクを、オンディマンド方式
のインクジェットプリンタのインクカートリッジに充填
し、記録媒体例2の記録媒体の両面にカラー印字を行っ
た。A4で1枚/分であったが、画像滲みのない良好な
画像を得られた。
【0054】画像の形成された記録媒体に市販の鉛筆用
消しゴム(MONO;TOMBO社製)で両面に擦過を
加えたところ、両面とも画像は完全に除去された。
【0055】実施例3 インク処方例1の各色のインクを、オンディマンド方式
のインクジェットプリンタのインクカートリッジに充填
し、記録媒体例3の記録媒体にカラー印字を行った。A
4で1枚/分であったが、画像滲みのない良好な画像を
得られた。
【0056】画像の形成された記録媒体に、SUS製の
スパイラルローラーを押しあて回転させることで機械的
擦過を加える機構を備えた装置を用いて擦過を加えたと
ころ、画像は完全に除去された。
【0057】比較例1 インク処方例1の各色のインクを、オンディマンド方式
のインクジェットプリンタのインクカートリッジに充填
し、市販の上質紙にカラー印字を行った。A4で1枚/
分であったが、画像滲みのない良好な画像を得られた。
【0058】画像の形成された記録媒体に市販の鉛筆用
消しゴム(MONO;TOMBO社製)で擦過を加えた
ところ、上質紙の表面にある着色剤については除去でき
たが繊維の間に入り込んだ着色剤は完全に除去すること
ができず、完全に像を消去することはできなかった。
【0059】比較例2 比較例1と同様にして得られた記録媒体にシリコーンゴ
ムのブレードを押しあて左右に振動することで機械的擦
過を加える機構を備えた装置を用いて擦過を加えたとこ
ろ、比較例1と同様に上質紙の表面にある着色剤につい
ては除去できたが繊維の間に入り込んだ着色剤は完全に
除去することができず、完全に像を消去することはでき
なかった。
【0060】比較例3 比較例1と同様にして得られた記録媒体にSUS製のス
パイラルローラーを押しあて回転させることで機械的擦
過を加える機構を備えた装置を用いて擦過を加えたとこ
ろ、比較例1と同様に上質紙の表面にある着色剤につい
ては除去できたが繊維の間に入り込んだ着色剤は完全に
除去することができず、完全に像を消去することはでき
なかった。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェット記録方
法により形成された記録媒体が不用になった場合に、記
録媒体からの画像の除去が容易であると同時に、形成さ
れる画像特性が良好であり、特にインクの吸収速度が速
く、高速記録が可能である繰り返し再使用が可能な記録
媒体やインクジェット用記録媒体の再生方法を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 明彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金子 哲也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 関根 朋子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C056 EA19 FC06 2H086 BA14 BA21 4J039 AB02 BE01 BE22 CA06 EA46 FA03 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤と樹脂が水中に分散または重合さ
    れたエマルジョンおよび水を含有するIJインクを使用
    し、記録媒体に像を形成するインクジェット記録におい
    て、表面近傍がインク中のエマルジョン粒子より小さな
    径からなる多孔性の材料からなることを特徴とするイン
    クジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 IJインク中の着色剤より小さな径から
    なる多孔性の記録媒体がC.S.F200ml以下のパ
    ルプ繊維からなることを特徴とする請求項1記載の記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 着色剤と樹脂が水中に分散されたエマル
    ジョンおよび水を含有するIJインクを使用し、記録媒
    体に像を形成するインクジェット記録において、インク
    中の着色剤より少なくとも一方の面が小さな径からなる
    多孔性の層を有することを特徴とするインクジェット用
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 IJインク中の着色剤より少なくとも一
    方の面が小さな径からなる多孔性の層の下層にインク中
    のビヒクルを吸収する層を有する請求項3記載の記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 ビヒクル吸収する層がパルプ繊維である
    ことを特徴とする請求項4記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 IJインク中の着色剤より小さな径の多
    孔性の層がC.S.F200ml以下のパルプ繊維から
    なることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載
    の記録媒体。
  7. 【請求項7】 IJインク中の着色剤より小さな径の多
    孔性の層の付着量が1〜30g/m2であることを特徴
    とする請求項3から6のいずれかに記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の記録
    媒体を使用して、IJ記録方法により記録媒体上に画像
    を記録し、該記録媒体が不用となった際に該記録媒体上
    の画像に機械的擦過を与えてまたは/および画像を他の
    材料に圧着して除去することを特徴とするIJ記録用記
    録媒体の再生方法。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08300802A (ja) * 1995-05-10 1996-11-19 Canon Inc 画像記録方法
JPH09137107A (ja) * 1995-11-10 1997-05-27 Hitachi Maxell Ltd リサイクル被記録材用水性インクおよびこの水性インクを用いたリサイクル被記録材のリサイクル方法
JPH09170190A (ja) * 1995-12-18 1997-06-30 Fuji Xerox Co Ltd 記録用紙および記録方法
JPH10278416A (ja) * 1997-04-08 1998-10-20 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録紙

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