JPH09118824A - 耐熱・潤滑性樹脂組成物 - Google Patents
耐熱・潤滑性樹脂組成物Info
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- JPH09118824A JPH09118824A JP8169773A JP16977396A JPH09118824A JP H09118824 A JPH09118824 A JP H09118824A JP 8169773 A JP8169773 A JP 8169773A JP 16977396 A JP16977396 A JP 16977396A JP H09118824 A JPH09118824 A JP H09118824A
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Abstract
特性、耐摩耗性及びアルミニウム合金等の軟質合金に対
する非攻撃性を発揮する耐熱・潤滑性樹脂組成物を提供
し、耐熱・潤滑性能に優れた耐熱性滑り軸受を提供する
ことである。 【解決手段】 下記の化15の式で表わされる熱可塑性
ポリイミド樹脂を主要成分として、四フッ化エチレン樹
脂8〜38容量%と、芳香族ポリエステル樹脂3〜25
容量%とを必須成分として添加した耐熱・潤滑性樹脂組
成物とする。 【化15】 (式中、Xは直結または炭素数1〜10の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、塩素または臭素を表わし、互いに同じであって
も異なっていてもよい。Yは炭素数2以上の脂肪族基、
環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、
芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非
縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を
表わす)
Description
用いられる耐熱・潤滑性樹脂組成物及び耐熱性滑り軸受
に関し、特に電子写真装置の加熱定着装置用の摺動部材
にも適用できる耐熱・潤滑性樹脂組成物および耐熱性滑
り軸受に関する。
が拡大するにつれて、軸受の使用条件のうち、特に高温
雰囲気下において、良好な摩擦摩耗特性を発揮できる耐
熱性に優れた滑り軸受が要求されている。そのような耐
熱性の滑り軸受の具体例としては、複写機やレーザービ
ームプリンタ等の加熱定着装置用の軸受が挙げられる。
質のアルミニウム合金等が採用されることが多くなり、
軸受にはそのような摺動相手材を傷つけない特性も要求
されている。
定着装置用の滑り軸受の使用状態について、以下に説明
する。帯電画像を利用して原画像の情報を記録物質たる
転写材に伝達する複写機またはレーザービームプリンタ
等は、電子写真装置とも総称されるが、そのような装置
の加熱定着部には、図3に例示するような転写材上にそ
のトナー像を加熱定着する加熱ローラ10と、転写材を
加熱ローラ10に押圧して回転駆動する加圧ローラ11
が装着されている。
ミニウム合金で形成されたものが多く、ヒータ12で約
150〜230℃の温度に加熱される。後者の加圧ロー
ラ11は、シリコーンゴム等で被覆された鉄材からな
り、このものも加熱ローラ10からの伝熱によって約7
0〜150℃にまで加熱される。
たものとは別の機構を有し、すなわち金属製の加熱ロー
ラに代えて、耐熱性合成樹脂フィルムに離型剤をコーテ
ィングした無端環状の定着フィルム15を採用し、この
定着フィルム15を介してセラミックヒータ16を加圧
ローラ11に圧接し、熱伝導効率を高めたものである。
この場合、加圧ローラ11は、金属製加熱ローラ10を
採用した定着装置よりいっそう高温で使用される。
の端部は、合成樹脂製の滑り軸受13、14(図4の装
置では14に相当する軸受)で支持されているが、軸受
材料としては、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファ
イド(以下、PPSと略称する)樹脂が用いられてい
た。PPS樹脂は、優れた耐熱性があると共に機械的強
度にも優れた熱可塑性合成樹脂であるが、自己潤滑性が
乏しく、たとえば黒鉛、四フッ化エチレン樹脂、潤滑
油、金属酸化物、芳香族ポリアミド樹脂等を潤滑剤とし
て添加されることが多い。
の摺動材料を用いた電子写真装置の性能向上のため、複
写または印刷速度をいっそう高めるにはトナーを急速に
溶融しかつ定着させる必要があり、そのためには前記し
た滑り軸受13、14が250〜270℃の加熱に耐え
る素材で形成されている必要がある。
動材料では、その融点が280℃程度であり、上記した
用途に求められるような耐熱性のある摺動材料がないと
いう問題点がある。
動特性を改良する技術として、特開昭63−8455号
公報には、ポリイミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂を添
加することが開示されている。
は、ポリイミド樹脂に四フッ化エチレン樹脂およびフェ
ノール樹脂硬化物を添加した樹脂組成物では、耐摩耗性
が改善されることが開示されている。
の摺動材料は、室温で硬質の相手材料に対しては良好な
摺動特性を示すが、高温でアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金のような軟質金属を相手に摺動すると、相手材
を著しく損傷するという問題点がある。
を配合した場合も軟質のアルミニウム合金を損傷させ、
その損傷にともなって摩擦・摩耗特性が悪化する恐れが
あるのは勿論である。
点を解決して250〜270℃の加熱に耐えて低摩擦特
性、耐摩耗性およびアルミニウム合金等の軟質合金に対
する非攻撃性を発揮する耐熱・潤滑性樹脂組成物であっ
て、公知のポリイミド樹脂を主要材料とする従来の組成
物より優れた特性を有するものを提供し、またそのよう
な耐熱・潤滑性樹脂組成物からなる高性能の耐熱性滑り
軸受を提供することである。
め、この発明においては、下記の化4の式で表わされる
熱可塑性ポリイミド樹脂を主要成分として、四フッ化エ
チレン樹脂8〜38容量%と、芳香族ポリエステル樹脂
3〜25容量%とを必須成分として添加してなる耐熱・
潤滑性樹脂組成物としたのである。
炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カ
ルボニル基、チオ基およびスルホン基からなる群より選
ばれた基を表わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、塩素または臭素を表わし、互い
に同じであっても異なっていてもよい。Yは炭素数2以
上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多
環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互
に連結された非縮合多環式芳香族基からなる群から選ば
れた4価の基を表わす) または、上記の耐熱・潤滑性樹脂組成物に、さらにパラ
系芳香族ポリアミド繊維を2〜20容量%添加したので
ある。
さらに鱗片状の黒鉛を2〜15容量%添加したのであ
る。
さらにポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂およびポリエーテルスルフォン樹脂からなる群から選
ばれる1種以上の耐熱性樹脂を5〜40容量%添加した
のである。
記化5の式で表わされる反復単位を含む樹脂を採用でき
る。
しては、下記化6の式で表わされる反復単位を含むパラ
系芳香族ポリアミド繊維を採用できる。
成形してなる耐熱性滑り軸受としたのである。
熱性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂を主要成分として
おり、限界PV値の大きい芳香族ポリエステル樹脂を添
加すると共に、摺動性に優れた四フッ化エチレン樹脂を
所定量添加しているので、所要の耐熱性、摺動性および
機械的特性が備わる。また、射出成形可能な熱可塑性ポ
リイミド樹脂を主要成分とし、その物性を阻害しないよ
うに他の成分を添加したので、射出成形も可能である。
族ポリアミド繊維は、繊維軸方向に分子鎖が配列してい
るので、軸方向に高弾性・高強度であるが、直角方向に
は分子間力が弱い。
は、軸方向の強度によって配合された樹脂組成物の耐摩
耗性を向上させるが、直角方向に圧縮されると分子鎖が
座屈し易いので、軟質の摺動相手材を損傷しないものと
考えられる。
ミド樹脂は、前記した化4に示される構造を有するもの
であって、ジアミン成分として下記の化7で示されるエ
ーテルジアミンを使用し、これと一種以上のテトラカル
ボン酸二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸を
脱水環化して得られる。そのうち特に典型的なもの(R
1 〜R4 が全て水素原子であるもの)は、三井東圧化学
社から「AURAM」の商標で市販されており、その製
造方法は特開昭61−143478号公報、特開昭62
−68817号公報、特開昭62−86021号公報に
記載されているように周知である。
ド樹脂固有の耐熱性を保ちながら熱可塑性を示すので、
圧縮成形、射出成形または押出成形その他の溶融成形方
法によって比較的容易に成形することができる。
具体例として、以下に示すものが挙げられる。すなわ
ち、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メ
タン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2−〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3
−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3
−メチルフェニル〕プロパン、2−〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕−2−〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)−3,5−ジ
メチルフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4′−
ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−
ビス(3−アミノフェノキシ)−3−メチルビフェニ
ル、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3
´−ジメチルビフェニル、4,4′−ビス(3−アミノ
フェノキシ)−3,5−ジメチルビフェニル、4,4′
−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3′,5,5′
テトラメチルビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、こ
れらは単独または二種以上混合して用いられる。
流動性をそこなわない範囲で他のジアミンを混合して用
いることもできる。混合して用いることとのできるジメ
チルアミンとしては、たとえば、m−アミノベンジルア
ミン、p−アミノベンジルアミン、3,3′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4′−ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′
−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベ
ンゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、
4,4′−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′−ビス(4−
アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−
アミノフェノキシ)ケトン、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン等が挙げられ、こ
れらのジアミンは通常30%以下好ましくは5%以下混
合して用いることができる。
熱可塑性ポリイミド樹脂は、前記ジアミンとテトラカル
ボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させ脱水閉環して
得られる。この方法で用いられるテトラカルボン酸二無
水物は、下記の化8の式(式中Yは前記した化4の場合
と同じ)で表わされるテトラカルボン酸二無水物であ
る。
ラカルボン酸二無水物の具体例としては、たとえば、エ
チレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンカルボ
ン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,2´,3,3´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二
無水物、3,4,9,10−ベリレンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラ
カルボン酸二無水物、4,4´−(p−フェニレンジオ
キシ)ジフタル酸二無水物、4,4´−(m−フェニレ
ンジオキシ)ジフタル酸二無水物等が挙げられる。そし
て、これらテトラカルボン酸二無水物は単独または2種
以上混合して用いる。
脂(以下、PTFEと略記する。)は、これが成形用の
粉末であっても、また、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末
であってもよく、両者を併用すればより好ましい結果が
得られる。
ンフロロケミカル社製:テフロン7J、TLP−10、
旭硝子社製:フルオンG163、ダイキン工業社製:ポ
リフロンM15、ルブロンL5、ヘキスト社製:ホスタ
フロン TF9205などを例示できる。また、アルキ
ルビニルエーテルで変性されたPTFEであってもよ
い。
の量を8〜38容量%に限定する理由は、8容量%より
少ないと潤滑特性が悪く、38容量%を越えると著しく
成形性がそこなわれるからであり、このような傾向から
みてより好ましい配合割合は、10〜35容量%であ
る。
ル樹脂は、前記した化5に示すポリオキシベンゾイルポ
リエステルのホモポリマーであって、通常610℃付近
に融点を有するものである。このような芳香族ポリエス
テル樹脂の製造方法は、特公昭46−6796号公報、
特公昭47−47870号公報、特開昭54−4628
7号公報、特開昭54−46291号公報に開示されて
いるように周知であり、化5に示したポリオキシベンゾ
イルポリエステルの市販品としては、住友化学工業社
製:スミカスーパーE101などが例示できる。
量%に限定する理由は、3容量%未満の少量では潤滑特
性が悪く、25容量%をこえると溶融粘度が高くなって
成形性が悪化したり、機械的強度が低下して好ましくな
いからであり、このような傾向からみてより好ましい配
合割合は、3〜20容量%である。
アミド繊維は、前記した化6に示す反復単位を含む重合
体からなり、メタ系芳香族ポリアミド樹脂とは分子構造
が異なるものである。パラ系芳香族ポリアミド繊維の市
販品としては、デュポン・東レ・ケブラー社製:ケブラ
ー、日本アラミド社製:トワロン、帝人社製:テクノー
ラが挙げられる。
は、繊維長0.15〜3mm、アスペクト比10〜23
0のものを採用して好ましい結果を得ている。さらに好
ましくは、繊維長0.15〜1.5mmである。
未満の繊維長では、耐摩耗性が不充分となり、上記範囲
を越える繊維長では組成物中の分散不良で好ましくな
い。また、上記範囲未満のアスペクト比では、粉末形状
に近くなって耐摩耗性改善効果が不充分となり、上記範
囲を越えるアスぺクト比では組成物中の均一分散が困難
で好ましくない。
配合割合を2〜20容量%に限定する理由は、この2容
量%未満では潤滑性が悪く、20容量%を越えると耐摩
耗性が悪化するからである。
鉛、人造黒鉛のいずれであってもよいが、平均粒径が1
0μm程度の大きさであるものは摩擦・摩耗特性及び成
形加工性の点で好ましい。このような粒径の鱗片状黒鉛
としては、日本黒鉛社製:ACP(固定炭素99.5
%)、LONZA社製:KS−6またはKS−10(固
定炭素99.5%)などを例示できる。
%であれば、組成物の耐摩耗性が改善されると共に、組
成物からなる成形品を熱処理によって結晶化させる場合
に、結晶化前後での収縮を小さくすることができる。し
かし、2容量%未満の少量では、収縮抑制の効果が現れ
ず、15容量%を越える多量では成形品が脆くなって好
ましくない。
に、さらに添加される耐熱性樹脂のうち、ポリエーテル
ケトン樹脂としては、下記の化9〜11で示される繰り
返し単位を有する重合体が挙げられる。それらの市販品
としては、化9(VICTREX社製:PEEK)、化
10(VICTREX社製:PEK)、化11(BAS
F社製:Ultrapek)が挙げられる。
脂組成物に添加されるポリエーテルイミド樹脂は、下記
の化12で表わされる繰り返し単位を有する重合体が挙
げられる。その市販品としては、ゼネラルエレクトリッ
ク社製:ULTEMが挙げられる。
脂組成物に添加されるポリエーテルスルフォン樹脂とし
ては、下記の化13で表わされるような繰り返し単位を
有する重合体が挙げられる。その市販品としては、BA
SF社製:Ultrason、Amoco社製:RAD
EL、住友化学工業社製:VICTREX PESなど
が挙げられる。
ポリエーテルイミド樹脂およびポリエーテルスルフォン
樹脂からなる群から選ばれる1種以上の耐熱性樹脂は、
この発明の耐熱・潤滑性樹脂組成物に5〜40容量%添
加すると機械的特性のうち強度や疲労特性を改善するこ
とができる。しかし、5容量%未満の少量添加では強度
の改善効果がなく、40容量%を越える多量を添加して
も熱可塑性ポリイミド本来の耐熱性が損なわれて好まし
くない。このような傾向からみて、より好ましい配合割
合は、5〜30容量%である。
の溶融成形時の流れ性を改善するために、下記の化14
に示される基本構造(I)〜(III )を有する共重合体
であるサーモトロピック液晶ポリマーを1〜5容量%の
範囲で添加することは好ましい。そのようなサーモトロ
ピック液晶ポリマーの市販品としては、日本石油化学社
製:ザイダーSRT300またはSRT500、住友化
学工業社製:スミカスーパーLCP E4000または
E5000などが挙げられる。
各種の添加物を添加混合する方法は、特に限定した方法
ではなく、通常広く用いられているように、主成分とな
る樹脂を含む諸原料をそれぞれ個別にまたは一括して、
ヘンシェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー
等の混合機によって乾式混合し、その後、溶融混合性の
よい射出成形機もしくは溶融押出成形機に供給するか、
または予め、熱ロール、ニーダ、バンバリーミキサー、
溶融押出機などで溶融混合する方法を採用すればよい。
は、圧縮成形、押出成形、射出成形等の通常の方法、ま
たは組成物を溶融混合した後、これをジェットミル、冷
凍粉砕機等によって粉砕し、所望の粒径に分級し、また
は分級せずに流動浸漬塗装、静電粉体塗装などを行なう
ことも可能である。また粉末を溶剤に分散させて、スプ
レー塗装または浸漬塗装を行なうこともできる。
ミド樹脂を主要成分とする潤滑性組成物に、各種の添加
剤を配合してもよい。例えば、組成物の潤滑性をさらに
改良するためには、耐摩耗性の改良剤を配合する。耐摩
耗性改良剤の具体例としては、カーボン、マイカ、タル
ク、ウォラストナイト、金属酸化物の粉末、チタン酸カ
リウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、
炭酸カルシウム、グラファイト、硫酸カルシウムなどの
ウィスカ、二硫化モリブデン、リン酸塩、炭酸塩、ステ
アリン酸塩、PFA、FEP、ETFE、EPEなどの
溶融フッ素樹脂などを例示することができる。
ける耐熱性滑り軸受は、その形状を限定するものでな
く、加熱・加圧ローラの形状や、周辺装置、ハウジング
に合わせた適当な形態を採用すればよい。例えば、図1
に示すように、軸受は、単独材料で成形するのみなら
ず、二色成形の手法を採用してもよく、軸受部1と固定
用金属部2とからなる複合材としてもよい。
性滑り軸受は、軸受部3と、PPS、ポリアミドイミド
(PAI)、熱可塑性ポリイミド(PI)等の耐熱性及
び断熱性のある樹脂、またはこれに無機充填剤もしくは
有機充填剤等を添加した樹脂部4とからなる二色成形さ
れた軸受であってもよい。
は、成形した後の熱処理によって熱可塑性ポリイミド樹
脂を結晶化させることにより、摺動特性および機械的強
度を向上させることができる。その際、望ましい熱処理
条件は、220℃〜340℃で0.5〜24時間程度加
熱することである。
材料を一括して示すと次の通りである。なお、各成分の
配合割合は、全て容量%である。
(三井東圧化学社製:AURAM#450) (2)ポリエーテルケトン樹脂〔PEK〕(VICTR
EX社製:PEEK 150P) (3)ポリエーテルイミド樹脂〔PEI〕(ゼネラル・
エレクトリック社製:ULTEM1000) (4)ポリエーテルスルフォン樹脂〔PES〕(BAS
F社製:Ultrason E2010P) (5)サーモトロピック液晶ポリマー〔LCP〕(住友
化学工業社製:スミカスーパーLCP E5000) (6)四フッ化エチレン樹脂〔PTFE〕(喜多村社
製:KTL610) (7)芳香族ポリエステル樹脂〔OBP〕(住友化学工
業社製:スミカスーパーE101S2) (8)パラ系芳香族ポリアミド繊維〔アラミド〕(日
本アラミド社製:トワロン 1010カットファイバー
繊維長0.25mm) (9)パラ系芳香族ポリアミド繊維〔アラミド〕(デ
ュポン・東レ・ケブラー社製:ケブラー49 カットフ
ァイバー繊維長1mm) (10)鱗片状黒鉛〔黒鉛〕(ロンザ社製:KS−6) (11)カーボンブラック(ライオン社製:ケッチェン
ブラック EC−600JD) (12)メタ系芳香族ポリアミド繊維〔アラミド〕
(帝人社製:コーネックス2デニール カットファイバ
ー繊維長1mm) 〔実施例1〜10〕表1に示した割合で諸原材料をヘン
シェルミキサーで充分混合し、二軸溶融押出機に供給
し、シリンダー温度:410℃、回転数:100rpm
の溶融混合条件で押出して造粒し、得られたペレットを
樹脂温度410℃、射出圧力800kgf/cm2 、金
型温度220℃の射出成形条件下で外径28mm、内径
20mm、幅5mmのリング状試験片を成形した。その
後、試験片を280℃で10時間処理した。この試験片
を用いて以下に示す高温ラジアル摩擦摩耗試験を行なっ
た。
ム合金A5052(表面粗さ3.2S)製の回転軸を相
手材とし、この相手材の外周にリング状試験片を嵌め、
これを相手材周面に対して3.5kgfの荷重で押圧
し、前記回転軸は表面温度を250℃に制御すると共
に、これにトルクメータを取り付けて、周速9.0m/
分で50時間連続回転させた。この後、試験片の摩耗量
としての摩耗係数×10-10 cm 3/(kgf・m)
と、回転軸のトルク(kgf・cm)を測定すると共
に、相手材の損傷度を観察した。損傷度については、損
傷しない(○印)、やや損傷する(△印)または損傷す
る(×印)の三段階評価で表わし、結果は表2にまとめ
て示した。
料を配合したこと以外は、実施例1と全く同様にして試
験片を作り、前記高温ラジアル摩擦摩耗試験を行ない、
摩耗係数、回転軸のトルク、損傷度を求めて結果を表2
に示した。なお、比較例6は、射出成形の際、溶融状態
で著しく粘度が低下して成形できなかった。
例1〜5は、摩耗量、回転トルクが大きく、また、比較
例1、2および3では相手材の損傷が大きく、いずれも
好ましい物性ではなかった。
トルクがともに低く、しかも相手材のアルミニウム合金
(A5052)を損傷しなかった。
ころ、5.3×104 Ωcmであり、半導電性を示し
た。
ド樹脂を主要成分として、四フッ化エチレン樹脂と、芳
香族ポリエステル樹脂を所定量添加した組成物とした耐
熱・潤滑性樹脂組成物の発明は、射出成形性を備えてい
ることに加えて、優れた低摩擦特性、耐摩耗性を有し、
しかもアルミニウム合金等の軟質合金を摺動相手材とし
た場合に非攻撃性を有するという利点がある。
性滑り軸受に係る発明では、耐熱性、低摩擦特性、耐摩
耗性、非攻撃性といった諸特性を全て兼ね備えたもので
あるから、複写機およびレーザービームプリンター等の
定着装置における高性能の耐熱性滑り軸受として適用で
きるという利点がある。
する要部断面図
説明図
Claims (7)
- 【請求項1】 下記の化1の式で表わされる熱可塑性ポ
リイミド樹脂を主要成分として、四フッ化エチレン樹脂
8〜38容量%と、芳香族ポリエステル樹脂3〜25容
量%とを必須成分として添加してなる耐熱・潤滑性樹脂
組成物。 【化1】 (式中、Xは直結または炭素数1〜10の炭化水素基、
六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、
チオ基およびスルホン基からなる群より選ばれた基を表
わし、R1 〜R4 は水素、低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、塩素または臭素を表わし、互いに同じであって
も異なっていてもよい。Yは炭素数2以上の脂肪族基、
環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、
芳香族基が直接または架橋員により相互に連結された非
縮合多環式芳香族基からなる群から選ばれた4価の基を
表わす) - 【請求項2】 請求項1記載の耐熱・潤滑性樹脂組成物
に、さらにパラ系芳香族ポリアミド繊維を2〜20容量
%添加してなる耐熱・潤滑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の耐熱・
潤滑性樹脂組成物に、さらに鱗片状の黒鉛を2〜15容
量%添加してなる耐熱・潤滑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐
熱・潤滑性樹脂組成物に、さらにポリエーテルケトン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂およびポリエーテルスルフ
ォン樹脂からなる群から選ばれる1種以上の耐熱性樹脂
を5〜40容量%添加してなる耐熱・潤滑性樹脂組成
物。 - 【請求項5】 前記芳香族ポリエステル樹脂が下記化2
の式で表わされる反復単位を含む樹脂である請求項1〜
4のいずれか1項に記載の耐熱・潤滑性樹脂組成物。 【化2】 - 【請求項6】 前記パラ系芳香族ポリアミド繊維が、下
記化3の式で表わされる反復単位を含むパラ系芳香族ポ
リアミド繊維である請求項2または請求項3に記載の耐
熱・潤滑性樹脂組成物。 【化3】 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐
熱・潤滑性樹脂組成物を成形してなる耐熱性滑り軸受。
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