JP3184840B2 - 耐熱性滑り軸受 - Google Patents
耐熱性滑り軸受Info
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Description
し、更に詳しくは複写機、レーザービームプリンターな
どの電子写真装置の加熱定着部に適用される耐熱性滑り
軸受に関する。
リンタ等は、帯電画像を用いて原画像の情報を記録物質
たる転写材に伝達する機構を有しており、電子写真装置
として総称されるが、その装置内の加熱定着部には、図
3に例示するように、転写材上にそのトナー像を加熱定
着させる加熱ローラ10と、転写材を加熱ローラ10に
押圧して回転駆動する加圧ローラ11が装着されてい
る。前者の加熱ローラ10は、アルミニウム合金で形成
されたものが多く、ヒータ12で約170〜230℃の
温度に加熱される。後者の加圧ローラ11は、シリコー
ンゴム等で被覆された鉄材からなり、加熱ローラ10か
らの伝熱により約70〜100℃にまで加熱される。
は、合成樹脂製のラジアル軸受13、14で支持される
が、その材料としては、耐熱性が良く機械的強度の優れ
た熱可塑性合成樹脂であるポリフェニレンサルファイド
(以下、PPSと略称する)樹脂が用いられている。
脂は自己潤滑性が乏しいため、たとえば黒鉛、四フッ化
エチレン樹脂、潤滑油、金属酸化物、芳香族ポリアミド
樹脂等の潤滑剤を用いた複合材料として用いる必要があ
るが、このような複合材料は高温、高負荷条件のもとで
良好な摩擦摩耗特性を発揮させるという点で決して充分
であるとは言えない。
およびPPS樹脂より耐熱性のある合成樹脂粉末を添加
した複合材料では、相手材が硬質の材料である場合に
は、良好な摩擦摩耗特性を発揮するものの、相手材がア
ルミニウム合金の場合は、これを傷つけてしまう。一
方、炭素繊維を配合した複合材料は初期においては良好
な摩擦摩耗特性を示すが、相手材が硬質でもこれを損傷
させ、その損傷にともない摩擦摩耗特性が悪化する恐れ
がある。
定着部用の軸受材料および複合材料からなる従来の軸受
では、低摩擦特性、耐摩耗性、アルミニウム合金等の軟
質合金に対する非攻撃性が充分でなく、また、安全性の
面でも不燃性であるものがないという問題点があり、充
分な耐熱性を具備すると共に摩擦摩耗特性、軟質金属に
対する非攻撃性にも優れた耐熱性滑り軸受とすることが
課題であった。
め、この発明においては、電子写真装置の加熱定着部に
装着されたアルミニウム合金製加熱ローラの支持用滑り
軸受または鉄材からなる加圧ローラの支持用滑り軸受に
兼用の耐熱性滑り軸受において、この軸受がポリフェニ
レンサルファイド樹脂に、四フッ化エチレン樹脂5〜4
0重量%と、溶融フッ素樹脂3〜20重量%と、芳香族
ポリエステル樹脂5〜30重量%とを必須成分として添
加した樹脂組成物からなる耐熱性滑り軸受としたもので
ある。
須成分として、PTFE、溶融フッ素樹脂および芳香族
ポリエステル樹脂を前記所定の配合割合で添加した材料
から成形することにより、高温雰囲気でも転移膜を相手
材上に形成してこれを損傷することなく、耐熱性、摩擦
摩耗特性にも優れた軸受となる。このような耐熱性滑り
軸受は、電子写真装置の加熱定着部に装着されたアルミ
ニウム合金製加熱ローラの支持用滑り軸受として使用で
きると共に、鉄材からなる加圧ローラの支持用滑り軸受
としていずれの用途にも兼用できるものになる 。
・ペトローリアム社から「ライトン」の商標で市販さ
れ、その製造方法は米国特許第3,354,129号
(対応特許特公昭45−3368号)に開示されてい
る。それによると、ライトンはN−メチルピロリドン溶
媒中、160〜250℃、加圧条件下にp−ジクロルベ
ンゼンと二硫化ソーダとを反応させることによって製造
され、樹脂中に交差結合が全くないものから部分的交差
結合を有するものに至るまで各種重合度のものを後熱処
理工程にかけて自由に製造することができるので、目的
の溶媒ブレンドに適正な溶融粘度特性を有するものを任
意に選択使用することが可能である。また、架橋構造を
とらない、上記ライトン以外の直鎖状PPS樹脂も使用
できる。
樹脂(以下、PTFEと略称する)は、成形用の粉末で
あっても、また、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末であっ
てもよく、たとえば三井・デュポンフロロケミカル社
製:テフロン7J、TLP−10、旭硝子社製:フルオ
ンG163、ダイキン工業社製:ポリフロンM15、ル
ブロンL5などを例示することができる。
TFE以外のフッ化オレフィンの重合体または共重合体
であって溶融成形可能なものの意であり、たとえばテト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFAと略称する)、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEPと
略称する)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFEと略称する)、テトラフルオロエチレン−
フルオロアルキルビニルエーテル−フルオロオレフィン
共重合合体(EPEと略称する)、ポリトリクロロフル
オロエチレン、およびポリフッ化ビニリデンなどであ
る。これらのうちPFA、FEP、ETFE、EPEそ
れぞれ単独もしくはこれらの混合物が特に好ましく、具
体的にはたとえばPFAとしては三井・デュポンフロロ
ケミカル社製:テフロンPFA−J、MP−10、ヘキ
スト社製:ホスタフロンTFA、ダイキン工業社製:ネ
オフロンPFAを、FEPとしては三井・デュポンフロ
ロケミカル社製:テフロンFEP−J、ダイキン工業社
製:ネオフロンFEPを、ETFEとしては三井・デュ
ポンフロロケミカル社製:テフゼル、旭硝子社製:アフ
ロンCOPを、また、EPEとしては三井・デュポンフ
ロロケミカル社製:テフロンEPE−J、などを挙げる
ことができる。
脂は、PPS樹脂の融点286℃でも溶けない周知の耐
熱性樹脂であり、具体列としては市販品の住友化学工業
社製:エコノールを挙げることができる。
ン樹脂の量を5〜40重量%に限定する理由は、5重量
%より少ないと潤滑特性が悪く、40重量%をこえると
著しく成形性がそこなわれるからであり、さらに溶融フ
ッ素樹脂の量を3〜20重量%に限定する理由は、3重
量%未満の少量では潤滑特性が悪く、20重量%をこえ
ると溶融粘度が高くなって成形性が悪化したり、機械的
強度が低下して好ましくないからである。さらに、耐熱
性合成樹脂の量を5〜30重量%に限定する理由は、こ
の範囲外では潤滑性が悪く、30重量%を越えると極端
にもろくなるからである。
合する方法は特に限定するものではなく、通常広く用い
られている方法、たとえば主成分となる樹脂、その他の
諸原料をそれぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、
ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適
宜乾式混合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしく
は溶融押出成形機に供給するか、または、予め熱ロー
ル、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶
融混合するなどの方法を利用すればよい。さらに、この
発明の組成物を成形するにあたっても、特にその方法を
限定するものではなく、圧縮成形、押出成形、射出成形
等の通常の方法、または組成物を溶融混合した後、これ
をジェットミル、冷凍粉砕機等によって粉砕し、所望の
粒径に分級するか、または分級しないままで、得られた
粉末を用いた流動浸漬塗装、静電粉体塗装などを行なう
ことも可能である。また、得られた粉末を溶剤に分散さ
せて、スプレー塗装または浸漬塗装を行なうことも可能
である。
る潤滑性組成物に対して、潤滑特性を悪化させない範囲
内において各種添加剤を配合することもできる。
形状を限定するものでなく、加熱・加圧ローラの形状
や、周辺装置、ハウジングに合わせた形態をとればよ
い。また図1に示すように、軸受は、単独材料で成形す
るのみならず二色成形の手法を採用し、軸受部1と固定
用金属部2とからなる複合材としてもよい。また、図2
に示すように、この発明の軸受部3と、PPS、ポリア
ミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)等の耐熱性
および断熱性のある樹脂またはこれに無機充填剤もじく
は有機充填剤等を添加した樹脂部4とから二色成形され
た軸受であってもよい。これら軸受は、成形時のひずみ
を除いて高温使用時の寸法安定性を確保するため、10
0〜250℃で0.5〜24時間程度のアニール熱処理
をしておくことが望ましい。
原材料を一括して示すとつぎのとおりである。なお各成
分の配合割合は、すべて重量%である。
製:PPS#160)、 (2)PPS樹脂(クレハ化学社製 KPS−W20
5) 、 (3)四フッ化エチレン樹脂A(三井デュポン・フロロ
ケミカル社製:テフロン7J)、 (4)四フッ化エチレン樹脂B(喜多村社製:KT30
0M、焼成粉) (5)溶融フッ素樹脂 ETFE(旭硝子社製:アフロ
ンCOP Z−8820) (6)溶融フッ素樹脂 PFA(三井・デュポンフロロ
ケミカル社製:MP-10) (7)芳香族ポリエステル樹脂(住友化学工業社製:エ
コノールE101S2) (8)カーボンブラック(ライオン社製:ケッチェンE
C−X)、 (9)グラファイト(日本黒鉛社製:Acp) [実施例1〜4] 表1に示す割合で諸原材料を配合した。そして組成物の
成形にあたっては、まず原材料をヘンシェルミキサーで
充分混合し、二軸溶融押出機に供給し、シリンダー温度
300℃、回転数毎分100回転の溶融混合条件で押出
して造粒し、得られたペレットを樹脂温度310℃、射
出圧力800kg/cm2 、金型温度140℃の射出成形条
件下で外径35mm、内径25mm、幅6mmのリング状試験
片を成形し、この試験片を用いて以下に示す高温ラジア
ル摩擦摩耗試験を行なった。
00℃の雰囲気下で駆動される回転軸に、同軸外周にア
ルミニウム合金(A5056)製筒形の相手材を嵌め、
この相手材の外周に回転自在に嵌めたリング状試験片を
相手材周面に対して2.7kgf/cm2 の圧力で押圧し、
前記回転軸には、トルクメータを取り付け、周速が3m
/分であるよう168時間連続回転した後、試験片の摩
耗量(mg)、回転軸のトルク(kgf・cm)を測定し、
かつ相手材の損傷度を観察した。損傷度については、損
傷しない(○印)、やや損傷する(△印)または損傷す
る(×印)の三段階評価で表わした。得られた結果は表
2にまとめた。
料を配合したこと以外は実施例1と全く同様にして試験
片を作り、諸特性を求め、得られた結果を表2に併記し
た。
ては、いずれも摩耗量、回転トルクが大きく、また、比
較例1、2および3では相手材の損傷が大きかった。ま
た、比較例5では、材料の溶融粘度が著しく高くなっ
て、成形できなかった。
ルクとも小さく、しかも相手材のアルミニウム合金を損
傷させないことが明らかになった。
ころ、4×105 Ωcmと半導電性であった。
受は、高温でも優れた低摩擦および耐摩耗性を有してお
り、しかもアルミニウム合金等の軟質相手材を損傷しな
いので、複写機およびレーザービームプリンターなどの
電子写真装置の加熱定着部におけるアルミニウム合金製
加熱ローラの支持用滑り軸受として使用でき、しかも鉄
材からなる加圧ローラの支持用滑り軸受としても兼用で
きる耐熱性滑り軸受となって、省エネ化、コンパクト
化、高信頼性化、メンテナンスフリー化に多大に貢献で
きる。また、この発明の軸受は射出成形で加工でき、成
形も容易であることから、この発明の意義はきわめて大
きいということができる。
断面図
Claims (1)
- 【請求項1】 電子写真装置の加熱定着部に装着された
アルミニウム合金製加熱ローラの支持用滑り軸受または
鉄材からなる加圧ローラの支持用滑り軸受に兼用の耐熱
性滑り軸受において、この軸受がポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂に、四フッ化エチレン樹脂5〜40重量%
と、溶融フッ素樹脂3〜20重量%と、芳香族ポリエス
テル樹脂5〜30重量%とを必須成分として添加した樹
脂組成物からなることを特徴とする耐熱性滑り軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28472391A JP3184840B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 耐熱性滑り軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28472391A JP3184840B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 耐熱性滑り軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117678A JPH05117678A (ja) | 1993-05-14 |
JP3184840B2 true JP3184840B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=17682154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28472391A Expired - Lifetime JP3184840B2 (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | 耐熱性滑り軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3184840B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102549281B (zh) | 2009-09-29 | 2016-08-03 | Ntn株式会社 | 滑动轴承 |
WO2012117938A1 (ja) | 2011-03-01 | 2012-09-07 | Ntn株式会社 | 滑り軸受 |
-
1991
- 1991-10-30 JP JP28472391A patent/JP3184840B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05117678A (ja) | 1993-05-14 |
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