JP3009210B2 - 潤滑性組成物 - Google Patents

潤滑性組成物

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正樹 江上
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は軟質材に対する摺動部材料として利用され
るポリフェニレンサルファイド樹脂を主成分とする潤滑
性組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、合成樹脂滑り軸受の用途分野が拡大するにつれ
て、軸受の使用条件、特に高温雰囲気下において、良好
な摩擦摩耗特性を発揮するような耐熱性のある合成樹脂
製軸受が強く要望されるようになってきた。
また、軸受の相手材としても安価なアルミニウム合金
A5056等が使用されており、使用中に相手材を傷つけな
いような軸受の特性が要求されている。
従来、耐熱性が良く機械的強度の優れた熱可塑性合成
樹脂としてポリフェニレンサルファイド(PPSと略称す
る)樹脂が用いられていることはよく知られている。し
かし、このPPS樹脂は自己潤滑性が乏しいため、潤滑性
を必要とする部分の材料として使用するに際しては、潤
滑剤などを添加して別途潤滑性を付与しなければならな
い。そこで、このようなPPS樹脂に、たとえば黒鉛、四
フッ化エチレン樹脂、潤滑油、金属酸化物、芳香族ポリ
アミド樹脂等を添加した複合材料が開発されている。し
かし、このような複合材料は高温、高負荷条件のもとで
良好な摩擦摩耗特性を発揮させるとういう点で決して充
分であるとは言えない。また、PPS樹脂に四フッ化エチ
レン樹脂およびPPS樹脂より耐熱性のある合成樹脂粉末
を添加した複合材料も開発されているが、相手材が硬質
の材料である場合、良好な摩擦摩耗特性を発揮するもの
の、相手材がアルミニウム合金の場合は相手材を傷つけ
てしまう。一方、炭素繊維を配合した複合材料は初期に
おいては良好な摩擦摩耗特性を示すが、相手材が硬質で
も相手材を損傷させ、その損傷にともない摩擦摩耗特性
が急激に悪化する。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の技術においては良好な潤滑特性を
備えた耐熱性材料がなく世間の要望に対処し得ないとい
う問題点があり、これを解決することが課題となってい
た。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明は、PPS樹脂
に四フッ化エチレン樹脂5〜40重量%と、粒径0.1〜100
μmのタルク5〜30重量%とを必須成分として添加した
樹脂組成物からなり、軟質材に対する摺動部材料用の潤
滑性組成物とする手段を採用したものである。以下その
詳細に述べる。
まず、この発明におけるPPS樹脂は、一般式 Ph−S で示される合成樹脂である。ここで、式中−Ph−は であり、QはF、Cl、BrのハロゲンもしくはCH3であ
り、mは1〜4の整数を示す。これらのうち、特に典型
的なものは で示されるものであり、米国フィリップス・ペトローリ
アム社から「ライトン」の商標で市販され、その製造方
法は米国特許第3,354,129号(対応特許特公昭45−3368
号)に開示されている。それによると、ライトンはN−
メチルピロリドン溶媒中、160〜250℃、加圧条件下にp
−ジクロルベンゼンと二硫化ソーダとを反応させること
によって製造され、樹脂中に交差結合が全くないものか
ら部分的交差結合を有するものに至るまで各種重合度の
ものを後熱処理工程にかけて自由に製造することができ
るので、目的の溶媒ブレンドに適正な溶融粘度特性を有
するものを任意に選択使用することが可能である。ま
た、架橋構造をとらず直鎖状のものも使用できる。
また、この発明におけるフッ素樹脂は四フッ化エチレ
ン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロフルオロエ
チレン等があげられるが、特に四フッ化エチレン樹脂が
好ましい。そして、四フッ化エチレン樹脂は、四フッ化
エチレンの重合体であり、成形用の粉末であっても、ま
た、いわゆる固体潤滑剤用の微粉末であってもよく、た
とえば三井デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7
J、TLP−10、旭硝子社製:フルオンG163、ダイキン工業
社製:ポリフロンM15、ルブロンL5などを例示すること
ができる。
また、この発明におけるタルクは、マグネシウムの含
水ケイ酸塩であって、粉末状、鱗片状、繊維状のものが
好ましい。また、これらの粒径は0.1〜100μm、好まし
くは0.5〜60μmのものである。
なお、この発明において、フッ素樹脂の量を5〜40重
量%に限定する理由は5重量%より少ないと潤滑特性が
悪く、40重量%をこえると著しく成形性がそこなわれる
からである。また、タルクの量を5〜30重量%に限定す
る理由は、この範囲外では潤滑特性が悪く、30重量%を
越えると極端にもろくなるからである。
ここで、配合割合の決まった各添加物を混合する方法
は特に限定するものではなく、通常広く用いられている
方法、たとえば主成分となる樹脂、その他の諸原料をそ
れぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、ボールミ
ル、タンブラーミキサー等の混合機によって適宜乾式混
合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶融押
出成形機に供給するか、または、予め熱ロール、ニー
ダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶融混合す
るなどの方法を利用すればよい。さらに、この発明の組
成物を成形するにあたっても、特にその方法を限定する
ものではなく、圧縮成形、押出成形、射出成形等の通常
の方法、または組成物を溶融混合した後、これをジェッ
トミル、冷凍粉砕機等によって粉砕し、所望の粒径に分
級するか、または分級しないままで、得られた粉末を用
いた流動浸漬塗装、静電粉体塗装などを行なうことも可
能である。また、得られた粉末を溶剤に分散させて、ス
プレー塗装または浸漬塗装を行なうことも可能である。
なお、この発明のPPS樹脂を主成分とする潤滑性組成
物に対して、潤滑特性を悪化させない範囲内において各
種添加剤を配合することもできる。またその他に、潤滑
性をさらに改良するために、各種耐摩耗性改良剤を配合
してもよい。そのような耐摩耗性改良剤の好ましい例と
しては、芳香族ポリアミド繊維、グラファイト、芳香族
ポリエステル樹脂等を例示できるが、これらに限定され
るものではない。
〔作用〕
以上述べたこの発明の組成物は、必須成分としてフッ
素樹脂、タルクを併用することによって、高温雰囲気中
でも良好な転移膜を相手材上に形成し、相手材がアルミ
ニウム合金でも傷つけることなく、良好な潤滑特性を示
す。
〔実施例〕
まず、実施例および比較例に用いた諸原材料を一括し
て示すとつぎのとおりである。なお各成分の配合割合
は、すべて重量%である。
PPS樹脂(東ソーサスティール社製:PPS#160) PPS樹脂(クレハ化学社製:KPS−W205) タルクA(松村産業社製:クラウン・タルクPP、鱗
片状) タルクB(富士タルク工業社製:タルクRF−B、繊
維状) 四フッ化エチレン樹脂A(三井デュポン・フロロケ
ミカル社製:テフロン7J) 四フッ化エチレン樹脂(喜多村社製:KT300M、焼成
粉) 芳香族ポリエステル樹脂(住友化学工業社製:エコ
ノールE101M) カーボンブラック(ライオン社製:ケッチェンEC−
X) グラファイト(日本黒鉛社製:ACP) 実施例1〜4: 第1表に示す割合で諸原材料を配合した。そして組成
物の成形にあたっては、まず原材料をヘンシェルミキサ
ーで充分混合し、二軸溶融押出機に供給し、シリンダー
温度300℃、回転数毎分100回転の溶融混合条件で抽出し
て造粒し、得られたペレットを樹脂温度310℃、射出圧
力800kg/cm2、金型温度140℃の射出成形条件下で外径35
mm、内径25mm、幅6mmのリング状試験片を成形し、この
試験片を用いて以下に示す高温ラジアル摩擦摩耗試験を
行なった。
高温ラジアル摩擦摩耗試験: 密閉された200℃の雰囲気下で駆動される回転軸に、
同軸外周にアルミニウム合金(A5056)製筒形の相手材
を嵌め、この相手材の外周に回転自在 に嵌めたリング状試験片を相手材周面に対して2.7kgf/c
m2の圧力で押圧し、前記回転軸には、トルクメータを取
り付け、周速が3m/分であるよう168時間連続回転した
後、試験片の摩耗量(mg)、回転軸のトルク(kgf/c
m2)を測定し、かつ相手材の損傷度を観察した。損傷度
については、損傷しない(○印)、やや損傷する(△
印)または損傷する(×印)の三段階評価で表わした。
得られた結果は第2表にまとめた。
比較例1〜5: 第1表に示した割合で原材料を配合したこと以外は実
施例1と全く同様にして試験片を作り、諸特性を求め、
得られた結果を第2表に併記した。
第2表に示す結果から、比較例1〜5においては、い
ずれも摩耗量、回転トルクが大きく、また、比較例1、
2および5では相手材の損傷が大きかった。一方、実施
例1〜4では、摩耗量、回転トルクとも小さく、しかも
相手材のアルミニウム合金を損傷させないことが明らか
になった。
〔効果〕
以上述べたように、この発明の組成物から得られる成
形体はアルミニウム合金等の軟質材相手でも優れた耐摩
耗性を有しており、しかも相手材を損傷しないので、相
手材を選ばず、軸受材として使用できる。また、PPS樹
脂の耐熱性を利用しているので、高温条件下、軟質材相
手で耐摩耗性を要求される用途には格好のものであると
いえる。また、この発明の組成物は射出成形を行ない得
て成形も容易であることから、この発明の意義はきわめ
て大きいということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10N 30:06 40:02 50:08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 169/04,107/46 C10M 107/38,125/26 C10N 40:02,50:08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンサルファイド樹脂に、四フ
    ッ化エチレン樹脂5〜40重量%と、粒径0.1〜100μmの
    タルク5〜30重量%とを必須成分として添加した樹脂組
    成物からなり、軟質材に対する摺動部材料用の潤滑性組
    成物。
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