JPH088868B2 - Dna配列、その調製法、該配列を含むプラスミドおよび原核細胞における真核細胞遺伝子生産物の合成のためのそれらの利用 - Google Patents

Dna配列、その調製法、該配列を含むプラスミドおよび原核細胞における真核細胞遺伝子生産物の合成のためのそれらの利用

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JPH088868B2 JP58243626A JP24362683A JPH088868B2 JP H088868 B2 JPH088868 B2 JP H088868B2 JP 58243626 A JP58243626 A JP 58243626A JP 24362683 A JP24362683 A JP 24362683A JP H088868 B2 JPH088868 B2 JP H088868B2
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Description

【発明の詳細な説明】 バクテリア中での遺伝子発現の前提条件として、バク
テリアRNAポリメラーゼの結合認識配列、いわゆるプロ
モーターの存在がある。その結果、プロモーターはその
下流域に位置する配列の転写を可能にする。その生産物
がいつでも合成されるような遺伝子は、RNAポリメラー
ゼ分子の結合が常に可能であるようなプロモーターを有
する。バクテリアのある遺伝子またはオペロンは調節さ
れており、それらのプロモーターは特有の機構により結
合できたり、できなかつたりする。
目的遺伝子産物の合成のための前提条件としてさら
に、バクテリアのリボゾームでのRNA転写物の効率よい
翻訳がある。従つて、バクテリアに於いて、mRNAの5′
未満のヌクレオチド配列がリボゾームへの結合を担つて
いることがShineおよびDalgarnoにより明かにされてい
る(Nature254巻、34−38頁:1975年参照)。
そこで、本発明の目的は、新規のリボゾーム結合/リ
ンカー配列を介して既知のプロモーターを構造遺伝子に
結合することにより、バクテリアにとり異種たん白質の
遺伝的生産を改良することにある。
従つて、本発明の対象は、リボゾーム結合配列の次に
任意にリンカー配列を含む、下記の式で表わされるDNA
配列である。本配列は文献上知られているプロモーター
配列と、文献上知られているリボゾーム結合配列との新
規な組み合せを表わす。
しかしながら、本発明の望ましい対象は、次の式で表
わされるDNA配列と、 新しいリンカー配列5′AGCTTAAAGATGである 3′ ATTCTAC. さらに本発明の対象は、これらの配列を含み、その配
列の後にプラスミド中で一つのHind III間隔を有する発
現プラスミドであり、それに望む特別の遺伝子を挿入し
て生産プラスミドを作成し、得られる生産プラスミド
を、原核細胞中で真核細胞遺伝子の産物を生産するた
め、特に白血球インタフエロン生産のために使用するこ
とである。
本発明に係る目的を達成するため、以下の手法が例と
して用いられる。
適当なバクテリアプロモーター配列の選択: 本目的のためにはオペレーター配列と組み合わせて誘
発されたり抑制されたりするようなプロモーターが好ん
で使用される。この種のプロモーターはバクテリアにと
つて異種の目的たん白質の合成をバクテリアの生育サイ
クル後期にのみ開始されるという利点がある。たとえば
トリプトフアンオペロンの場合(HallewellおよびEmtag
e,Gene6巻、27−47頁:1980年参照)培養液からトリプト
フアンを抽出除去し、培養培地にトリプトフアンオペロ
ンの誘発剤としてインドール−(3)−アクリル酸を加
えることにより、バクテリアの増殖を影響しないででき
る。好ましくは、発現プラスミドを構成するのに用いら
れるプロモーター/オペレーター系は文献で知られる非
常に強く、調節可能なものであり、下記の式で表わされ
るSerretia marcescens(セラチア・マルセツセンス)
のトリプトフアンオペロンの系(MiozzariおよびYanofs
ky;Nature276巻、684−689頁:1978年)である。これは
文献で知られる方法により調製される。
リボゾーム結合配列の構成: 本発明の目的のために、特に有効であることが記載さ
れている式、 5′TAAGGAGGTTTAなる配列(von Jayら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.,78巻、5543−5548頁:1981年)が使用され
る。
下記の式で示されるリボゾーム係合配列の 構成は、5′TCCTTA(6員体)、5′AGCTTAAACC(10員
体)および5′TAAGGAGGTTTA(12員体)の3つの合成オ
リゴヌクレオチドを文献で知られる方法により組立てる
ことにより、好ましく行なえる。6員体オリゴヌクレオ
チドは前もつて適当に放射標識しておく。
続くプロモーター/オペレーターとリボゾーム結合配
列との結合は、文献で知られる方法により行う。
発現プラスミドの構成: 90bpの長さのプロモーター/オペレーター配列を、制
限酵素EcaRIおよびHae IIIを用いて、例えばプラスミド
pBP101のようなSerratiamarcescensのトリプトフアンオ
ペロンを含むプラスミドより切り出す。次にこの断片を
酵素DNAリガーゼを用いて、合成したRBSと結合させ、こ
のようにして得られ、プロモーター/オパレーターの前
部にEco RI末端を有し、RBSの後にHind III末端を有す
るプロモーター/オペレーターRBS断片をプラスミドrBR
322の29bp.の長さのEco RI−Hind III断片の代りに挿入
する。このようにして得られる発現ベクター(pER103)
のHind III間隔に挿入された遺伝子の発現に関する有効
性を、白血球インタフエロン、サブタイプA(IFN−α
A)の例で示す。
pER103中でのIFN−αAの発現: 細胞外に搬出しようとする他のたん白質と同様、イン
タフエロンはヒト細胞内でプレたん白として、即ち、リ
ーダー配列をもつたたん白として合成される。たん白分
子が細胞から出る時にのみ、このリーダー配列はそこに
存在する特有の酵素により切断され、その結果、成熟し
たたん白質が生産される。バクテリア内で成熟インタフ
エロンを合成する一つの可能性は、DNAの段階でリーダ
ー配列を除くことであり、それは、成熟たん白の配列の
みをコードする遺伝子を作製することです。
IFN−αAのためのインタフエロン生産プラスミドの作
製: たとえば、白血球インタフエロンは23個のアミノ酸か
ら成るプレ配列を有し、それにシステインが続き、プレ
インタフエロンが切断した後、成熟インタフエロンのポ
リペプチドの第一番目のアミノ酸となる。バクテリア中
で成熟インタフエロンの合成を行なうことのできるプラ
スミドを作製するためには、このシステインの暗号から
正確に開示するようなインタフエロン遺伝子断片を単離
する必要がある。たん白合成を開始するのに、このシス
テインのコドンの前にATGのメチオニンコドンをつけな
ければならない。このようにして作製したものを適当な
方法で、例えば発現プラスミドpER103に挿入し、ATG開
始コドンとRBSとの距離が翻訳に最適になるようにす
る。バクテリア中でこのようなプラスミドにより製造さ
れたインタフエロンは、成熟ポリペプチドのアミノ酸配
列にさらにアミノ末端にメチオニンを有する。
本発明によると、IFN−αAをコードするインタフエ
ロン生産プラスミドpER33は、例えば、以下の基本に基
づいて作製される。(その作製方法を第4図に図示す
る。) a)アミノ末端システインのコドンを除いて、成熟イン
タフエロンをコードする遺伝子の作製 インタフエロンの情報として用いる出発材料は、例え
ば、IFN−αAをコードするcDNAクローン1F7であり、本
クローンは1982年5月17日付けで寄託機関“German Col
lection of Microorganisms,Griesebachstrasse 8,D340
0 Gttingen(ドイツ連邦共和国)にDNS番号2362とし
て寄託されており、ブタペスト条約第7規則に基づく国
際寄託受託証(DSM2362)を受けている。又ドイツ特許
出願P32 20116.8(1982年5月28日)参照。本クローン
はpBR322のPstI間にインタフエロン遺伝子を挿入したも
のである。IFN−αAは(他の白血球インタフエロンサ
ブタイプと同様)アミノ末端システインをコードするTG
Tのすぐ後ろにSau3Aのギヤツプを有する。このギヤツプ
が存在することにより適当な制限酵素断片、例えばプラ
スミド1F7のインタフエロン特有の646bpのAva II断片お
よび34bpのSan3A−Ava II断片、から成熟インタフエロ
ン遺伝子を作製する方法の基本が成る。
b)オリゴヌクレオチド複合体の調製 次に、このようにして作製した遺伝子の欠けているシ
ステインコドンの5′末端に、その前に、ATGメチオニ
ンコドンをつけなければならない。また、発現プラスミ
ドpER103のHind IIIギヤツプに結合するよう結合断片が
必要である。このために、4つのオリゴヌクレオチドを
合成する;14塩基体の5′TGTGATCTGCCTCA、12塩基体の
5′AGCTTAAAGATG、9塩基体の5′CAGATCACA、および
8塩基体の5′CATCTTTAである。結合し、Sau3Aで再切
断すると、これらのオリゴヌクレオチドはインタフエロ
ン遺伝子のSau3A末端をpER103Hind III末端に結合する
望ましい断片となる。
本発明によると、オリゴヌクレオチドの合成に際し、
開始コドンATGとシステインコドンTGTは別の断片にくる
ようにしてある。そのため、12塩基体(および8塩基
体)はpER103に遺伝子を挿入する際一般に使用できる。
従つて、システインコドンを有するオリゴヌクレオチド
は少なくとも9塩基の長さが必要である。例えば次のよ
うなヌクレオチドが使用できる。
5′TGTGATCTG、 5′TGTGATCTGC、 5′TGTGATCTGCC、 5′TGTGATCTGCCTまたは 5 TGTGATCTGCCTC. そこで、例えば、14塩基体により得られる結合オリゴ
ヌクレオチドをSau3Aで消化して、インタフエロンに適
合するSau3Aをつくる。
続くインタフエロン遺伝子とオリゴヌクレオチド複合
体の結合、そのプラスミドへの挿入およびバクテリア宿
主、例えばEscherichia coli HB101、の形質転換は文献
で知られる方法により行う。
真核細胞遺伝子の生産物の製造収量をさらに増加する
ためには、その生産プラスミドが発現に必要なDNA配列
を複数、例えば2倍、含んでいることが有利である。例
えばバクテリアの調節配列を含む、成熟インタフエロン
αAの全遺伝子の2倍である。この目的のために、バク
テリアをプロモーター、原核細胞のリボゾーム結合部位
およびATG開始コドンを伴なう成熟インタフエロンの遺
伝子を、本発明により作製した生産プラスミド、例えば
pER33から単離し、このDNAの一方の端を変えてから、本
発明により作製した完全に同一のプラスミドをたとえば
Eco RIなどの制限酵素により線状にしたものに挿入す
る。
本発明によりこのように作製したプラスミドでトリプ
トフアンオペロンを有するもの、例えばプラスミドpER3
3がpar部位を含んでいると又有利である。即ち、アンピ
シリンのような抗生物質など、選択指標の非存在下で、
バクテリアの生育中プラスミドを孫細胞に均一に輸送す
る役割のDNA配列です(P.M.Meaco ck,S.N.Cohen:cell 2
0巻、529−542(1980年)参照)。この目的のため、par
部位を先ず上記引用の文献記載のプラスミドpPM31から
単離し、本発明により作製したインタフエロン生産プラ
スミドに挿入した。
このように、本発明によれば、Serratia marcescens
のトリプトフアン プロモーター/オペレーター部分お
よび合成RBSを含む発現プラスミドを作製することが可
能となつな。たん白質の遺伝的生産のための本プラスミ
ドの有効性は、白血球インタフエロンの例で示された。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
A. 一般的方法の説明 1. 制限酵素による消化 制限エンドヌクレアーゼ、例えばBethesda Research
Laboratoriesより購入のものは、以下の条件で使用し
た:Eco RI、Hind III Pst IおよびAva II消化はTA緩衝
液(33mMトリ酢酸、pH7.9、66mM酢酸カリ、10mM酢酸マ
グネシウム、100μg/ml BSA)中で行つた。Hae III消
化はTM緩衝液(70mMトリス−塩酸、pH7.5、7mM塩化マグ
ネシウム)中で行ない、Sau3A消化は10mMトリス−塩
酸、pH7.4、10mM塩化マグネシウム、75mM NaCl中で行な
つた。
2. プラスミドの調製とゲル電気泳動 プラスミドの調製は、BirnboimおよびDoly(Nucleic
Acids Res.7巻、1513−1523頁(1979年))の指示に従
い、25μg/mlのテトラサイクリン又は100μg/mlのアン
ピシリン含有のL−ブロス中の一晩培養物1.5mlまたは1
00−300mlより行なつた。さらにプラスミドの精製は、
イソプロパノール沈でん(後述)および(大量な場合に
は)フアルマシアのセフアロース4Bクロマトグラフイー
により実施した。より多量のプラスミドはClewellおよ
びHelsinki(Biochemistry9巻、4428−4440頁:1970年)
の“クリヤーライゼート”法により調製し、続いて臭化
エチジウムCsCl密度勾配遠心分離を行なつた。
プラスミドおよびその制限酵素消化産物の電気泳動は
40mMトリ酢酸pH7.8、20mM酢酸ナトリウム、2mM EDTA中
の0.8−1.4%アガロースゲルまたは6%ポリアクリルア
ミドゲルで行なつた。制限酵素断片の調製は、目的断片
を含むゲル区分を切り出し、ゲルよりDNAを電気泳動溶
出により透析チューブへ溶出することで行なつた。
3. キナーゼおよびフオスフアターゼ反応およびリガー
ゼ反応 5′−りん酸化反応(末端標識)は、Bethesda Resea
rch Laboratoriesより入手したT4ポリヌクレオチドキナ
ーゼ5単位を用い、TM緩衝液(70mMトリス−塩酸、pH7.
5、7mM MgCl2)+5mM DTT+0.2−0.5mM ATP(10−20μC
r 32P−ATP)中、37℃60分間行なつた。続いて酵素不活
化のため70℃で10分間インキュベートした。
リガーゼ反応はBethesda Research Laboratoriesから
入手できるT4DNA0.1単位(平滑末端の結合)、又は0.00
5単位のリガーゼ(末端の結合)を用い、TM緩衝液+5mM
DTT+0.25mM ATP中で14℃一晩で行なつた。酵素はその
後70℃10分の加熱で失活させた。
キナーゼおよびリガーゼ反応の連続反応は同一の反応
液中で行なつた。第一の酵素を熱失活させた後、5mM DT
Tおよび0.25−0.5mM ATPを再び添加し、第二の反応を行
なつた。
フオスフアターゼ反応は制限消化用緩衝得(TA緩衝
液)中、1単位のアルカリフオスフアターゼ(仔牛の腸
より調製したシグマ製)を制限酵素消化物に添加し、37
℃、15分間のインキュベーションで行なつた。続いて、
1〜2回のフエノール抽出、エーテル抽出およびアルコ
ール沈でんを行なつた。DNA断片は多くの場合電気泳動
で分離し、ゲルより溶出してから次の操作に用いた。
DNAの大きい断片(500bp以上)の小さい断片(結合し
ていないリンカー断片または小さい制限消化産物)から
分離するにはイソプロパノール沈澱を用いた。反応は2N
の酢酸アンモニウム(終濃度)で開始し、沈でんは0.6
容量のイソプロパノールを用いて室温10〜20分で行なつ
た。エツペンドルフ型遠心分離機で5分間遠心分離した
後、上澄を除去し、沈でんを冷70%エタノールで洗滌後
再び遠心分離した。得られるペレツトを乾燥し、次の操
作に用いた。
B. オリゴヌクレオチドの作製 略称: DMTr=p,p′−ジメトキシ−トリフエニルメチル ibu =イソブチリル bz =ベンゾイル(塩基窒素上の) B =チミン、又は N2−イソブチリル−グアニン、又は N4−ベンゾイルシトシン、又は N6−ベンゾイルアデニン THF=テトラヒドロフラン <実施例 I> 高分子担体物質の官能基導入 高分子担体物質は文献上知られている方法に従つて官
能基導入した。HPLCシリカゲル(Macherey5Nagel,粒子
の大きさ20mm、孔径200A)を担体として用いた。コハク
酸化のステツプを無水ピリジン中無水コハク酸で行なう
他は、MatteucciおよびCaruthers記載の方法(M.D.Matt
eucci,M.H.Caruthers,Tetrahydron Letters21巻、719
頁:1981年,J.Am.Chem.Soc.103巻、3185頁:1981年および
T.Tanaka,R.L.Letsinger,pucleic Acids Research10
巻、3249頁:1982年)に従つて誘導体化を行なつた。保
護したヌクレオサイドを次の式に従つてシリカゲルに共
役結合した。
1グラムの担体に対して68〜104μmolのヌクレオサイ
ドの濃度を用いた。
<実施例 II> 5′−ジメトキシトリチル−デオキシチミジン−3′−
クロロメトキシ亜りん酸 完全保護したヌクレオシド−3′−クロロメトキシ亜
りん酸は文献に記載される方法(M.D.Matteucci,M.H.Ca
ruthers,J.Am.Chem.Soc.103巻、3185頁:1981年およびT.
Tanaka,R.L.Letsinger,Nucleie Acids Research10巻、3
249頁:(1982年)により合成した。
544.6mg(1.0m MOl)の5′−ジメトキシトリチルチ
ミジン(DMTr dT)を1.0mlの純粋THFに溶解し、この溶
液を−78℃、15分間、アルゴン下で0.5mlの純粋ピリジ
ンおよび2.0mlの純粋テトラヒドロフランに0.9m molの
メチル−ジクロロ亜りん酸を溶解した溶液に撹拌下で滴
下する。さらに10分撹拌後、反応液を室温に温め、遠心
分離する。上澄液をアルゴン充填し、乾燥した25mlの先
細共栓フラスコにピペツトを用いて移す。本溶液を室温
で真空下蒸発させ、トルエンおよびテトラヒドロフラン
各0.5mlを加え、蒸発を再び行ない、無色の発泡性固体
を生成物として得る。この生産物の純度は分析しなかつ
たが、10.0mlの純粋ピリジンに溶解し、この溶液をアル
ゴン下−20℃で保存して使用したが、保存期間は一週間
以内とした。
<実施例 III> 5′−ジメトキシトリチル−N2−イソブチル−デオキシ
グアノシン−3′−クロロメトキシ亜りん酸 実施例IIと同様に、640.0mg(1.0m mol)の5′−ジ
メトキシトリチル−N2−イソブチル−デオキシグアノシ
ンより、10.0mlのピリジン中で本ヌクレオシドフオスフ
オロクロリダイトを調製した。
<実施例 IV> 5′−ジメトキシトリチル−N6−ベンゾイル−デオキシ
シチジン−3′−クロロメトキシ亜りん酸 実施例IIと同様に、633.7mg(1.0mmol)の5′−ジメ
トキシ−トリチル−N4−ベンゾイル−デオキシシチジン
より、10.0mlのピリジン中で本ヌクレオシドフオスフオ
ロクロリダイトを調製した。
<実施例 V> 5′−ジメトトキシトリチル−N6−ベンゾイル−デオキ
シアデノシン−3′−クロロメトキシ亜りん酸 実施例IIと同様に、10.0mlのピリジン中657.7mg(1.0
m mol)の5′−ジメトキシトリチル−N6−ベンゾイル
−デオキシアデノシンより本ヌクレオシドフオスフオロ
クロリダイトと調製した。
<実施例 VI> d−TCCTTAの合成 DMTrdAbzをつけた高分子担体(実施例1)をガラスフリ
ツトに注ぐ。下記のリストに従つて種種の溶媒および試
薬溶液を添加し、目的の反応を終了後、フリツト上部よ
りアルゴンガス蒸気により押し通すことにより溶液を再
び除去する。
a) 500mlのニトロメタンと5mlの水に70gの臭化亜鉛
を溶解した溶液3mlによりDMTr基を切断する。反応時間
は10分。
b) n−ブタノール−ルチジン−THFの4:1:5混合液3m
lで4回洗滌。
c) 純粋ピリジン4mlで4回洗滌。
d) 次のヌクレオチドモジユールの縮合:5′−ジメト
キシトリチル−デオキシチミジン−3′−クロロメトキ
シ亜りん酸(例B)(およそ100μmol)のピリジン溶液
1mlをアルゴン下でフリツト中、高分子担体に添加し、
振つて溶液とする。反応時間10分。
e) 絶対ピリジン3mlで3回洗滌。
f) テトラヒドロフラン、ルチジンおよび水の2:2:1
混合液3mlに溶解した100mgの沃素で三亜りん酸を酸化す
る。反応時間、7分。
g) テトラヒドロフラン4mlで3回洗滌。
h) 未反応の5′−OH基を150mgのジメチルアミノピ
リジン、0.3mlのコリジン、0.25ml無水酢酸および2.5ml
のテトラヒドロフランでアセチル化する。反応時間、5
分。
i) ニトロメタン3mlで4回洗滌。
a)からi)までのサイクルをあと4回くり返えし、
配列に必要なヌクレオチドモジユールをd)のステツプ
に入れる。
収量の測定: 最後のヌクレオチドモジユールを縮合した後、担体物
質をオイルポンプ真空下で乾燥し、およそ1mgのサンプ
ルを正確に秤量して0.1Mトルエンスルフオン酸アセトニ
トリル溶液10mlと混合する。ジメトキシトリチル陽イオ
ンの開裂の結果、橙赤色溶液が得られ、その498nmにお
ける吸収を測定する。下記の式に従つて担体のジメトキ
シトリチル保護基による荷重を計算できる。
43μ mol/gが得られる。これは縮合の各ステツプの平
均収量85%に相当する。
三りん酸基からのメチルラジカルの開裂: 担体物質をチオフエノール、トリエチレアミンおよび
ジオキサンの1:1:2混合溶液4ml中で45分間振り、続いて
エタノール、さらにエーテルで洗う。
塩基保護基の開裂および高分子担体からのヘキサヌク
レオチド鎖の同時開裂:担体を濃アンモニア水10ml中50
℃に14時間加熱し、水溶液を吸引濾過して得られる濾液
をおよそ2mlまで蒸発させる。
生産物の精製: このようにして得られ、5′末端にジメトキシトリチ
ル保護基をまだつけている粗生産物を逆相HPLCにかけ
る。カラム:μボンダパツクC18(Waters);溶出液:25
%のアセトニトリル含有0.1Mのトリエチルアンモニウム
酢酸緩衝液、pH7;流量2ml/min;溶出時間14分。集めた溶
出画分を約1mlに濃縮し、80%酢酸10mlを加え、室温で3
0分放置する。それを真空下、50℃で濃縮乾固し、残留
物を25mlの水に溶解し、開裂したジメトキシトリタノー
ルを15mlのエーテルで3回抽出する。水層を再び蒸発乾
固し、残渣を2.5mlの水に溶かし、Biogel p2(カラム:6
0×1.7cm)で脱イオン化し、凍結乾燥する。
生成物の分析: 純度検定としては分析用HPLC図を用いた(カラム:300
×3.9mm、μボンダパツクC18、Waters;溶出液:12%アセ
トニトリル中0.1Mトリエチルアンモニウム酢酸緩衝液、
pH7;流速:1.5ml/min;溶出時間:3.7分)。
<実施例 VII> d−TAAGGAGGTTTAの合成 実施例VIと同様な方法を用い、300mg(30μ mol)のD
MTrdAbz〜より合成される。
生成物のHPLCダイアグラム: カラム;300×3.9mm、μボンダパツクC18(Waters); 溶出液:12%アセトニトリル中、0.1Mトリエチルアンモ
ニウム酢酸緩衝液、pH7 流速:1.5ml/min 溶出時間:4.4分 <実施例 VIII> d−AGCTTAAACCの合成 実施例VIと同様に、200mg(16μ mol)のDMTrdCbz
より合成される。
生産物のHPLCダイアグラム: カラム:300×3.9mm、μボンダパツクC18(Waters) 溶出液:12%アセトニトリル中、0.1Mトリエチルアンモ
ニウム酢酸緩衝液、pH7 流速:1.5ml/min 溶出時間:3.4分 <実施例 IX> d−CATCTTTAの合成 実施例VIと同様に、150mg(1.32μmol)のDMTrdAbz
より合成した。
生成物のHPLCのダイアグラム: カラム:300×7.8mm、μボンダパツクC18(Waters) 溶出液:20%アセトニトリル中、0.1M酢酸トリエチルア
ンモニウム緩衝液、pH7 流速:1.5ml/min 溶出時間:7.7分 <実施例 X> d−AGCTTAAAGATGの合成 実施例VIと同様に、200mg(16.2μmol)のDMTrdGibu
〜から合成した。
生成物のHPLCダイアグラム: カラム:300×7.8mm、μボンダパツクC18(Waters) 溶出液:26%アセトニトリル中、0.1M酢酸トリエチルア
ンモニウム緩衝液、pH7 流速:1.5ml/min 溶出時間:5.2分 <実施例 XI> d−TGTGATCTGCCTCAの合成 実施例VIと同様に、250mg(22μmol)のDMTrdAbz
より合成した。
生成物のHPLCダイアグラム: カラム:300×7.8mm、μ−ボンダパツク、C18(Waters) 溶出液:25%アセトニトリル中、0.1M酢酸トリエチルア
ンモニウム緩衝液、pH7 流速:1.5ml/min 溶出時間:6.1分 <実施例 XII> d−CAGATCACAの合成 実施例VIと同様に、150mg(13.2μmol)のDMTrdAbz
から合成した。
生成物のHPLCダイアグラム: カラム:300×7.8mm、μ−ボンダパツクC18(Waters) 溶出液:20%アセトニトリル中、0.1M酢酸トリエチルア
ンモニウム緩衝液、pH7 流速:0.2ml/min 溶出時間:5.2分 オリゴデオキシヌクレオチドの分析 合成的に生成したオリゴデオキシヌクレオチドの配列
分析は、インタフエロン生産プラスミドpER33に組み込
んでから後に行なつた(実施例2:インタフエロンプラス
ミドpER33の配列分析の項参照)。この分析でオリゴデ
オキシヌクレオチドの塩基配列の正しさも同時に証明さ
れる(第5図参照)。
<実施例 1> 発現プラスミドpER103の作製 発現プラスミドpER103の作製は第1図に図示する。
a) プロモータ/オペレータ断片の単離 Serratia marcescensのトリプトフアンオペロンのお
よそ1000bpを含むプラスミドpBR101を出発原料としてプ
ロモータ/オペレータ部位を単離した。この調節部位は
90bpの長さのEcoRI−Hae III内に位置し、その中でプロ
モータはEcoRI→Hae IIIの方向に指向している。
およそ25μgのプラスミドpBP101を制限酵素EcoRIで
消化し、得られる2つの断片をゲル電気泳動(1.4%ア
ガロース)を用いて分離し、200bpの長さの断片をゲル
より電気泳動的に溶出する。この断片をHae IIIで消化
し、2つの消化産物を6%のポリアクリルアミドゲルで
分離し90bpの長さの断片(プロモータ/オペレータ)を
再びゲルから単離する。
b)リボゾーム結合配列(RBS)の作製 RBSは3つの合成オリゴヌクレオチドより成る:6量体
5′−TCCTTA、10量体5′−AGCTTAAACCおよび12量体
5′−TAAGGAGGTTTAである。500pmoleの6量体を酵素ポ
リヌクレオチドキナーゼによりりん酸化し、放射活性標
識を行なう(PartA参照)。反応液はキナーゼを失活さ
せるため70℃10分間加熱し、等モル量の10量体および12
量体(りん酸化していない)を添加後、オリゴヌクレオ
チド混合物を95℃に加熱してから徐々に(約3時間以
上)30−35℃に冷却してオリゴヌクレオチドを互いにハ
イブリダイズする: 0.25mMのATPおよび5mM DTTを添加することにより、6
量体と10量体を酵素DNAリガーゼにより共役結合する(P
art A参照)。12量体と10量体の5′末端にりん酸基が
ないため重合体の合成は阻止される。反応後リガーゼを
失活するため70℃に10分間加熱し、次に0.5mMのATPおよ
び5mMのDTTを添加後、12量体および10量体の5′末端も
続くキナーゼ反応(Part A参照)によりりん酸化してそ
の結果RBSが生成した。
c) プロモータとRBSの結合 90bpの長さのEcoRI−Hae IIIプロモータ/オペレータ
断片15pmoleを標準条件下(Part A参照)下で60pmoleの
RBSと結合する。Hae III切断で生成した90bp断片の平滑
末端のみがRBSの平滑末端とのみ結合できるので、RBSを
プロモータの下流域に正しい方向で持つ分子のみが得ら
れる。反応後、リガーゼを70℃10分間で失活させた後、
TA緩衝液濃度(Part A参照)に調整し、さらに200単位
のHind IIIおよび10単位のEco RIで消化する。これはリ
ガーゼ反応で得られた多重体(目的の反応に加えてEcoR
I末端およびHind III末端はいずれも互いに結合するか
ら)を単量体に再び変換するのに有利である。次にサン
プルを6%ポリアクリルアミドゲルで分離し、100bpの
長さのプロモータ/オペレータRBS断片(EcoRI末端とHi
nd III末端を有する)ゲルより切り出し、電気泳動的に
溶出して未結合の過剰RBSと分離する。その結果、発現
プラスミドの発現に関与する部分が作製された(第3図
参照)。
第3図に示すヌクレオチド配列は文献に知られるポリ
ヌクレオチド合成法により完成できる。
d) プロモータ/オペレータRBS断片のpBR322への挿
入 約2μgのプラスミドpBR322を制限酵素Eco RIおよび
Hind IIIにより切断して2つの断片を得る:4332bpの大
断片と29bpの小断片である。0.8%アガロースゲル電気
泳動により、大断片を小断片から分離し、ゲルより切り
出して溶出する。次にこの断片約0.4p moleを10p mole
のプロモータ/オペレータRBS断片(PartA参照)と結合
する。pBR322断片の両端にお互いに合わない−重鎖が出
ているため、この断片間で結合することは不可能であ
る。プロモータ/オペレータRBS断片はプラスミド中で
一方向にのみ結合されるため、pBR322のHind III部位か
らテトラサイクリン耐性遺伝子の方向に展開する。
e) 発現プラスミドpER103による大腸菌の形質転換 E.coli HB101を文献(DworkinおよびDawid,Deu,Biol.
76巻、435−448頁;1980年)に知られる方法に従い、最
後のリガーゼ反応液を用いて形質転換し、転換株はアン
ピシリン含有の寒天培地で選択する。この目的のため、
E.coli HB101をおよそ2×108cells/mlの濃度まで培養
する。細胞を集め、100mMの塩化カルシウム溶液にけん
濁する(0℃で20分間)。次に菌体をリガーゼ反応液と
0−4℃で5分間、さらに37℃5分間インキユベートす
る。0.5−1mlのL培地を添加後、さらに37℃で15−30分
間インキユベーシヨンを行なう。19の形質転換株を選択
し、制限酵素Hae IIIを用いてプロモータ/オペレータR
BS断片の有無を確認した。192bpの長さのpBR322/Hae II
I断片が欠失し、264bp断片と置き代つていた(pBR322中
のEcoRI部位の左側のHae III部位からの16bp+103bpプ
ロモータ/オペレータRBS断片+pBR322のHind III部位
から右側に次のHae部位までの145bp)。調べた19の形質
転換株中、18株が予想どおりの消化パターンを示した
(第2図参照)。
f) 発現プラスミドpER103のプロモータ/オペレータ
RBS部分の配列分析 作製した発現プラスミドが疑いもなく正しいことを証
明するために、この中の一つのプラスミド(pER103)を
分析しそのプロモータ/オペレータRBS部分の配列およ
びpBR322中での位置を確立した。塩基配列の分析はmaxa
mおよびGilbert(Proc.Nat.Acad.Sci 74巻、560−564
頁:1977年)による文献に知られる方法で行ない、EcoRI
部位からHind III部位の方向に(それ以上)行ない、ま
た、Hind III部位からEco RIの方向に(その先きまで)
行なつた。第3図に示す塩基配列が得られた。
従つて、pER103はSerratia marcescensのトリプトフ
アンオペレロンのプロモータ/オペレータ部分と合成RB
Sを有する発現プラスミドである。この新規な発現プラ
スミドは、そのHind III部位に挿入した遺伝子の転写を
促進し、この転写生成物の翻訳を効率よく可能にする。
以下の実施例2にそれを示す。
<実施例 2> インタフエロン生産プラスミドpER33の作製 a. アミノ末端システインのコドンを除いて成熟インタ
フエロンをコードする遺伝子の作製 1F7のPst I断片の約1μgを制限酵素Sau3Aで消化
し、アミノ末端のシステインの次のSau3A部位からAva I
I部位を含んで次のSau3Aまでの、177bpの長さの断片を
6%ポリアクリルアミドゲルから単離した。それを1単
位のアルカリフオスフアターゼで処理し(PartA参照)
フエノールおよびエーテル抽出でフオスフアターゼを除
去後エタノール沈でんを行なう。断片を続いてAva IIで
切断し、目的の34bpのSau3A−Ava II断片および143bpの
断片が得られた。
これと平行に、177bpのSau3A断片中のAva II部位から
終了コドンの後までの、インタフエロン特有の646bp Av
a II断片を、プラスミド1F7より調製する。この646bpの
Ava II断片約0.5μgと、34bpおよび143bpのSau3A−Ava
II断片混合物とを酵素DNA−リガーゼ(Part A参照)で
接着末端結合を行なう。その結果、共有結合し、Ava II
−Sau3A断片がくつついたAva IIが得られる。Ava II−S
au3A断片がAva II断片と結合すると、もはやそれ以上の
リゲーシヨンは起らない。それはSau3A末端が脱りん酸
されているからです。結合反応の後、酵素を失活させる
ために70℃、10分間加熱し、次に5mMのDTTおよび0.25mM
のATPを添加し、脱りん酸しているSau3A末端をりん酸化
する(Prt A)。反応液を6%ポリアクリルアミドゲル
で分離して700〜800bp区分(2このAva II−Sau3A断片
のついた646bpのAva II断片)と1300〜1500bp区分(2
この246bpのAva II断片が互いに結合し、Ava II−Sau3A
断片がついたもの)の分子を溶出する。
b. 下記式のオリゴヌクレオチド複合体の調製 4個の合成オリゴヌクレオチド、即ち、14塩基体5′
TGTGATCTGCCTCA、12塩基体5′AGCTTAAAGATG、9塩基体
5′CAGATCACAおよび8塩基体5′CATCTTTA、を以下の
ように反応させる。8塩基体、9塩基体および14塩基体
の各250p moleをりん酸化して(Part A参照)、反応後
キナーザを95℃に加熱して失活させた後、非りん酸化12
塩基体250p moleを添加してオリゴヌクレオチド混合物
を徐々に35℃に冷却し(およそ3時間余りかけて)、オ
リゴヌクレオチドのハイブリダイゼーシヨンを行なう。
次に、5mMのDTTおよび0.25mMのATPを添加後、オリゴヌ
クレオチドを互いに結合させる(平滑末端結合、Part A
参照)。12塩基体の5′末端にりん酸基がないため、2
量体の形成が阻害される。14塩基体の突出末端は相補性
がないため二量体形成を起さない。
結合オリゴヌクレオチド複合体の一部分(25p mole)
をSau3A80単位で消化し、インタフエロン遺伝子に結合
したSau3A末端を作製する。サンプルを75℃、10分間加
熱し、フエノールで抽出してからエタノール沈でんを行
なう。このようにしてインタフエロン遺伝子を本発明に
よるpER103のHind III部位と結合するリンカー断片を作
製する。
c. インタフエロン遺伝子およびオリゴヌクレオチド複
合体の係合とpER103への結合 およそ1p moleの分子に相当する単離したインタフエ
ロン断片をSau3Aの接着末端結合によりSau3A切断オリゴ
ヌクレオチド複合体(およそ25p mole)と連結する。こ
ゝでも、オリゴヌクレオチド複合体(12塩基体)のHind
III末端にりん酸基がないため、重合体の生成が阻害さ
れる。遊離したHind III末端を有するオリゴヌクレオチ
ド複合体を両端につけたインタフエロン分子が得られ
る。リガーゼを熱変性させ、5mMのDTTおよび0.25mMのAT
Pを添加後、これらの末端をりん酸化し(Part A参
照)、続いてイソプロパノール沈でんを行なつて(Part
A参照)、リガーゼ反応で生成したオリゴヌクレオチド
複合体の二量体を分離する。ここで生成物をフオスフア
ターゼ処理しpER103のHind III切断物0.05μgと結合す
る(接着末端結合についてはPart A参照)。プラスミド
のHind III切断物をフオスフアターゼ処理(Part A)す
ることにより、リガーゼ反応中の閉環を阻止できる。こ
のようにしてインタフエロン生産プラスミド(遺伝子の
開始点に646bpのAva II断片を結合した34bp Sau3A−Ava
II断片を獲得したプラスミド)を50%含むプラスミド
混合物が得られる−実施例2a参照。
d. E.coli HB101の形質転換およびインタフエロン生産
に関する分析 Escherichia coli HB101(Dworkin and Dawid,Dev.Bi
ol.76巻,435−448頁:1980年)の形質転換に、実施例1e
と同じように、実施例2cにより作製したプラスミド混合
物を用いた。得られた形質転換株の約20%が挿入部分を
有し、(残りは環状のpER103プラスミドである)そのい
くつかについてインタフエロン発現を分析した。そのた
めに、100mlのバクテリア培養をM9最少培地にトリプト
フアン以外の全てのアミノ酸(各アミノ酸当り20μg/m
l)、チアミン(1μg/ml)、グルコース(0.2%)およ
びトリプトフアンオペロンの誘発剤インドール−(3)
−アクリル酸(IAA,20μg/ml:HallewellおよびEmtage,G
ene.9巻,24−47頁:1980年)を添加し、ODが0.6−0.8と
なるまで培養する。バクテリアを7,000rpm10分間遠心分
離して集菌し、トリス塩酸緩衝液、pH8、30mM NaClにて
1回洗い、同緩衝液1.5mlにけん濁する。氷の中で1mg/m
lのリゾチームと30分間インキユベート後、菌体を5回
凍結、融解し、菌体区分を40,000rpm1時間の遠心分離で
除去する。上澄液を濾過滅菌し、V3細胞とVSVを用いた
プラーク阻止試験によりインタフエロン活性をテストす
る。全てのクローン(挿入を有する)の約半分がかなり
のインタフエロン発現を示した。培養物1リツトル当り
2×108単位(国際対照単位)。
e. インタフエロン生産プラスミドpER33の塩基配列分
析 インタフエロン生産クローンの一つ(pER33)を選ん
で作製したプラスミドの正しさを確立するため、プロモ
ータ/オペレータ部分から挿入遺伝子への配列に関して
分析した。配列の分析は、またmaxam and Gilbert(Pro
c.Nat Acad Sci.U.S.A.74巻,560−564頁:1977年)によ
つて行ない、3′末端を放射標識したEco RI部位からイ
ンタフエロン遺伝子の方向に実施した。予想どおりの配
列が得られ、その切り出し部分を第5図に示す。この部
分にpER33を作製するために使用して全てのヌクレオチ
ド断片が見られる。
以上の性質より、本発明により作製した発現プラスミ
ドpER103は、Serratia marcescensのトリプトフアンオ
ペロンの配列と合成リボソーム結合配列を有することが
示される。白血球インタフエロンの例から、発現プラス
ミドpER103に適当な形でとり込まれた遺伝子が高度な発
現率を示すことが明らかとなつた。
発現プラスミドpER103はEscherichia coli K12,HB101
に入れて、1983年10月27日にDSM27773として“German C
ollection of microorganisms;Grisebachstra Be8,D−3
400Gttingen(Fedral Requblic of Germany)”に寄
託され、ブタペスト条約第7規則に基づく国際寄託受託
証を受けている。
<実施例 3> インタフエロンプラスミドpER21/2の作製 プラスミドpER21/1の作製は第6図に図示してある。
a) pER33からのIFN αA遺伝子の調製 2μgのpER33を用い、制限酵素Eco RIおよびBam HI
で切断して、およそ1300bpおよび4000bpの長さの2つの
断片を得る。これらの断片を1.2%アガロースゲルで電
気泳動的に分離する。短い断片はゲルから電気溶出にて
単離しこのDNAの両端をdATP,dGTP,dCTPおよびdTTPの各
1.25n molと2単位のDNAポリメラーゼIのクレナウ断片
とを添加することにより平滑末端とする。DNAはフエノ
ール抽出およびエタノール溶液からの沈でんにて精製
し、15μの水に溶解する。
およそ15p molのEco RIリンカー(New England Biola
bs Inc.)の5′末端を5μの反応液中γ−32P−ATP
およびT4−ポリヌクレオチドキナーゼの添加により、り
ん酸化を行なう。キナーゼを熱失活させた後、DNA、5n
molのATPおよび0.1単位のT4リガーゼを加え、14℃16時
間インキユベードする。反応生成物をイソプロパノール
沈でんにより低分子物質から精製する。
DNAを20単位の制限酵素Eco RIにて切断し再びイソプ
ロパノール沈でんにて精製して10μの水に溶解する。
b) プラスミドpER33の線状化 約2μgのプラスミドpER33を制限酵素EcoRIで処理す
る。続いて、アルカリフオスフアターゼを加えて5′の
りん酸を取り除く。約5300bpの長さの線状DNAを1.2%ア
ガロースゲル電気泳動にて精製し、残る未切断pER33を
電気溶出する。DNAはフエノールおよびエーテルで抽出
し、エタノール溶液から沈でんし、10μの水に溶解す
る。
c) 線状pER33への追加IFN αA遺伝子の結合 Eco RIリンカーを有し、IFNαA遺伝子および調節要
素を含有するDNA部分4μを相互に、および0.5μの
Eco RIで線状化し、脱りん酸したpER33と、0.1単位のT4
リガーゼを用い20μの反応液中で結合させる。14℃で
16時間の反応後、酵素を68℃に加熱して失活させる。
d) E.coli HB101の形質転換、並びにインタフエロン
生産に関する分析 E.coli HB101を実施例3cで得られるDNAを用い、実施
例1eと同様な方法で形質転換する。このようにして得ら
れた2つのクローンを実施例2dと同様にインタフエロン
発現につき、プラーク阻止試験で調べた。クローンpER3
3が1リツトルの培養液当り200×106単位以下のインタ
フエロンを示したのに対し、pER21/1と命名した新しい
クローンの一つは300×106単位以上得られた。
e) pER21/1の制限酵素分析 プラスミドpER21/1を比較的多量に単離しHind IIIの
制限酵素消化により分析した。pER33のEco RI部位に挿
入されたDNAは2つの同じEco RI末端を有することか
ら、pER21/1中で2つの方向での挿入が考えられる。pER
21/1中でインタフエロン遺伝子が同一方向であるなら
ば、Hind IIIで制限消化すると約4100,950(2つの断
片)および450bpの大きさの断片が得られる筈である。
しかし、もし2個の遺伝子が逆方向にあるならば、約43
50,950(2つの断片)、および200bpの大きさの断片が
予想される。約2μgのpER21/1を制限酵素Hind IIIで
消化し、続いて1.4%アガロースゲル電気泳動を行なう
と、約4100,950および450bpの断片が得られた。従つ
て、2つの1FN αA遺伝子は互いに並行に結合している
(第6図参照)。
<実施例 4> インタフエロン生産プラスミドparpER33の作製 プラスミドpar pER33の作製は第7図に図示する。
a) par−部位の調製 およそ200p molのEco RIリンカー(New England Biol
abs Inc.)を9単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼおよ
び10n molのATPを含む20μの反応液中で、その末端を
りん酸化し反応後酵素を熱失活させる。
プラスミドpPM31の8μgを制限酵素Ava Iで切断す
る。線状にしたプラスミドの両端を、dATP,dGTP,dCTP,d
TTPおよびdCTPを各5n molとポリメラーゼIのクレナウ
断片4単位を加えて平滑末端に変換する。DNAをフエノ
ール抽出およびエタノール溶液からの沈でんにより精製
し、40μの水に溶解する。
Eco RIリンカーを、線状化して平滑末端にしたDNAと
共に、酵素を熱失活させた後、6n molのATPを含む70μ
の反応液中で14℃16時間処理し、溶液を50mM NaCl、
および50mMトリス−塩酸、pH7.6、に調整し、DNAを300
単位のEco RIで処理する。インキユベーシヨン2時間
後、制限酵素を熱変性し、DNAを1.4%のアガロースゲル
の電気泳動で分離する。およそ400bpの長さの、par部位
を含むDNA画分をゲルより電気溶出し、フエノール抽出
およびエタノール溶液からの沈でんで精製し、50μの
水に溶解する。このDNA画分はその両端にEco RI特有の
突出を有する。
b) プラスミドpER33の線状化 約2μgのpER33を制限酵素Eco RIで処理する。続い
てアルカリフオスフアターゼを添加して5′−りん酸基
を除去する。およそ5300bpの長さの線状DNAを1.2%アガ
ロースゲル電気泳動および電気溶出により、未切断のpE
R33と分離する。DNAをフエノールおよびエーテルで抽出
し、エタノール溶液から沈でんし、50μの水に溶解す
る。
c) 線状pER33とpar部位DNAとの結合 線状pER33 1μとpar部位DNA1μとを20μ反応
液中で0.1単位のT4リガーゼにより結合する。14℃16時
間インキユベーシヨン後、酵素を熱失活させる。
d) E.coli HB101の形質転換および形質転換株のプラ
スミド分析 E.coli HB101を実施例1eと同様に、実施例4cで得られ
るDNAを用いて形質転換する。約50のコロニーを得る。
これらのコロニーの10個より少量のDNAを単離し(Birnb
oim and Doly,Nucleic Acids Researclr7巻,1513−1523
頁:1979年)、制限酵素Pst Iにより切断する。アガロー
ス電気泳動による分析の結果、これらのプラスミド全て
がおよそ400bpの長さのpar部位を有することがわかつ
た。これらのプラスミドの一つを選んでpar pER33と命
名した。
e) par pER33のインタフエロン生産および安定性の
分析 実施例2dと同様に、pER33またはpar pER33を有するバ
クテリアを培養し、インタフエロン含量をプラーク阻止
試験によりテストした。両株ともほヾ同等のインタフエ
ロン発現を示した。
120世代を越える長期のテストで、選択標識のアンピ
シリンの非存在下、E.coli HB101中のプラスミドpER33
およびpar pER33の安定性を調べた。培養液より一定時
間毎にサンプルを取り出し、インタフエロン含量を測定
した。pER33を有するバクテリアでは約60世代後にイン
タフエロン生産は止まつた。しかしpar pER33を含有す
るバクテリアでは120世代後でもインタフエロンαAの
生産は低下しなかつた。
従つて、pER33にpar部位を導入することによりE.coli
HB101中のプラスミドの安定性が増加することが明かと
なつた。
4.用いた用語および略語 ATP:アデノシン三りん酸 塩基対:A−T、G−Cのような二つの相補的ヌクレオチ
ド 平滑末端:突出する一重鎖末端と区別して、完全に塩基
対を成すDNA二重鎖分子末端 bp:塩基対 BSA:仔牛血清アルブミンC DNA:mRNAに相補的なDNA コード:何かの情報を有する;DNAはそのヌクレオチド配
列にたん白質のアミノ酸配列のための情報を有する コドン:3コのヌクレオチドのグループで各コードが特定
のアミノ酸またはポリペプチド合成の中止を示す。
脱りん酸:りん酸基の除去 DNA:デオキシリボ核酸 DTT:デチオスライトール 電気泳動:電場中での(DNA)分子の分離 発現:遺伝子の情報を転写によりmRANに、さらに翻訳に
よりポリペプチドの配列に変換すること 発現プラスミド:その中に挿入された遺伝子の発現を可
能とするプラスミド 遺伝子:特定の転写物(RNA分子)へ、さらにたん白へ
変換する情報を有するDNAの部分 遺伝子産物:RNA(転写物)、たん白(翻訳産物) 核酸のハイブリダイゼーシヨン:互いに相補的なDNA鎖
間で安定な複合体を形成すること 混成プラスミド:異種DNA断片を含むプラスミド IFN−αA:白血球インタフエロン亜タイプA 開始コドン:メチオニンをコードし、翻訳開始を指令す
るATGコドン 挿入物:混成プラスミドに挿入された異種由来DNA部分 キナーゼ:DNAおよびRNA分子の5′−OH基をりん酸化す
る酵素 キナーゼする:5′−りん酸基を供給する クローン:一個のバクテリアから発生したコロニー 接着末端:互いにハイブリダイズできる、一重鎖の突出
したDNA分子末端 相補的:互いに適合している(DNA中のヌクレオチド:A
はTに相補的であり、GはCに相補的) リガーゼ:種々のDNA分子を共有結合させる酵素 リガーゼする:DNA分子を互いに共有的に結合する mRNA:伝令RNA、ポリペプチドをコードするRNA ヌクレオチド:DNAまたRNAの構成単位(A=アデノシ
ン、C=シチジン、G=グアノシン、T=チミジン、U
=ウラシル) ヌクレオチド配列:DNAまたはRNA分子中のヌクレオチド
の配列 オリゴヌクレオチド:フオスフオジエステル結合により
互いに結合しているいくつかのヌクレオチド(短い一重
鎖DNA断片) オペレータ:オペロンの制御部分の一部で、レプレツサ
ーが結合して転写が抑制される部分 オペロン:オペレータを形成し、調節を受ける遺伝子グ
ループ フオスフアターゼ:DNA分子から5′−りん酸基を除去す
る酵素 プラスミド:クロモゾーム外の環状DNA分子 プロモータ:酵素RNAポリミラーゼと結合できるDNA配列 RBS:リボゾーム結合配列の項参照 制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素):DNA二重鎖の特有
の対称配列で切断できる酵素 無限断片:制限エンドヌクレアーゼによる消化の結果得
られるDNA区分 リボゾーム結合配列:リボソームRNAと結合できるmRNA
の部分 RNA:リボ核酸 RNAポリメラーゼ:DNAに相補的RNA鎖を合成する酵素 配列:ヌクレオチド配列の項参照 形質転換株:形質転換の結果、外来DNA(プラスミド)
を取り込んだバクテリア 形質転換:バンテリアで外来(プラスミド)DNAをとり
こむこと 転写:DNAマトリツクスに相補的なRNAの合成 翻訳:mRNAの情報をポリペプチドに変換すること Tris:トリヒドロキシメチルアミノエタン
【図面の簡単な説明】
第1図は発現プラスミドpER103の作製図示したものであ
る。断片の大きさは実際の値を縮少したものでない。 第2図はプラスミドpBR322およびpER103のHae III消化
パターンを示す。pBR322の192bp断片がpER103では約270
bpの断片で置き代わつている。 第3図はpER103のEco RIとHind III部位の間のヌクレオ
チド配列を示す。プラスミドの残りの部分は、pBR322の
Hind IIIとEco RI断片の大きい部分に対応する。 第4図はインタフエロン生産プラスミドpER33の作製を
図示したものである。↓はPst I部位、 ↑はAva II部位を示す。1F7挿入部分の制限図を除い
て、断片の大きさは実際の縮少で示してない。 第5図はプロモータRBS−インタフエロン遺伝子の結合
を示すゲルの配列を表わす。pER33の作製に用いたオリ
ゴヌクレオチド断片全てが存在する。わかり易いよう
に、同じ配列を二重鎖として下部に示した。個々のオリ
ゴヌクレオチド構成部分も示してある。 第6図はインタフエロン生産プラスミドpER21/1の作製
を図示したものである。プラスミド断片は実際の大きさ
の縮少ではない。 第7図はインタフエロン生産プラスミドpra pER33の作
製を図示したものである。断片およびプラスミドは実際
の大きさを縮少したものではない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (72)発明者 ギユンタ−・アドルフ オ−ストリア国ウイ−ン・ヨハナガツセ20 −7 (72)発明者 ノルベルト・ハウエル ドイツ連邦共和国ビベラツハ1ハンデルス トラ−セ12 (72)発明者 ペ−タ−・マインドル オ−ストリア国ウイ−ン・ホツケガツセ63 −1 (72)発明者 ペ−タ−・スウエツトリイ オ−ストリア国ウイ−ン・ヒエトジンガ −・ハウプストラ−セ40ビ−−9 (72)発明者 ルドルフ・ハウプトマン オ−ストリア国ウイ−ン・ビクトルガツセ 25−8 (56)参考文献 特開 昭56−145221(JP,A) Nature,〔276〕(1978)P.684 −689 Proc.Natl.Acad.Sc i.U.S.A,〔78〕(1981)P.5543 −5548 Cell,〔20)(1980)P.529−542

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 を有するDNA配列。
  2. 【請求項2】式 を有するDNA配列の少なくとも一つおよび場合によりpar
    部位を含有する、バクテリア中で複製することができる
    プラスミド。
  3. 【請求項3】pER33と命名されており、プラスミドpBR32
    2の29bpの長さのEcoRI/Hind III断片が、 式 を有するDNA配列により置き換えられている特許請求の
    範囲第2項のプラスミド。
  4. 【請求項4】プラスミドpPM31から単離されたpar部位が
    プラスミドpER33のEcoRI部位に挿入されており、par pE
    R33と命名されている、特許請求の範囲第2項のプラス
    ミド。
  5. 【請求項5】プラスミドpER33を制限酵素EcoRIおよびBa
    mHIにより処理することによって得られる、約1300bpの
    長さを有する断片が、EcoRIによって線状化されているp
    ER33中に、EcoRI/BamHIリンカーによって挿入されてお
    り、pER21/1と命名されている、特許請求の範囲第2項
    のプラスミド。
  6. 【請求項6】式 を有するDNA配列の少なくとも一つおよび場合によりpar
    部位を含有する、バクテリア中で複製することができる
    プラスミドで形質転換したバクテリア。
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