JPH0842700A - Oリングの保持構造 - Google Patents

Oリングの保持構造

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JPH0842700A
JPH0842700A JP18106394A JP18106394A JPH0842700A JP H0842700 A JPH0842700 A JP H0842700A JP 18106394 A JP18106394 A JP 18106394A JP 18106394 A JP18106394 A JP 18106394A JP H0842700 A JPH0842700 A JP H0842700A
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ring
ring groove
groove
convex portion
space
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JP18106394A
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Inventor
Kingo Kamiya
欣吾 神谷
Hiroaki Miyazaki
洋彰 宮嵜
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Oリング溝に嵌合したOリングが、その嵌合
後、部品組付け時までの間に脱落しないようにその保持
力を高める。この脱落防止を図るために設けた凸部によ
って、Oリングの極部圧縮による切断が起らないように
する。 【構成】 Oリング溝の外側壁面35に凸部32を設け
てOリング31の直径より短い幅の狭窄空間38を形成
する。該狭窄空間38部に膨出用空間37を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部品間に介在するOリ
ングの保持構造に関するもので、より詳しくは、Oリン
グを備えた部品を組付ける前に、そのOリングがOリン
グ溝から脱落しないように保持する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁弁、ポンプ、その他の装置に
おいて、その部品相互の接合面間の水密性、気密性を保
持するために、その接合面間に弾性材、例えばゴム材な
どからなるOリングを圧縮介在する場合がある。
【0003】このようなOリングを使用する1例とし
て、例えば図15に示すような電磁弁がある。この電磁
弁の構造の概略を説明する。1はボデー、2は電磁式の
駆動部、3は上記ボデー1と駆動部2間に介在したプレ
ートである。
【0004】ボデー1は、第1ポート4と第2ポート5
を有し、第2ポート5にはシート面6を有する。駆動部
2は、ボビン7に巻設されたコイル8と、ボビン7に固
設したステータ9と、該ステータ9に昇降可能に備えら
れ、下端にプランジャ10を固着し、上端にバルブ11
を備えたロッド12とから概略構成されている。そし
て、駆動部2を被覆するケース13の上部13aをボデ
ー1の外面にかしめて、ボデー1と駆動部2とプレート
3が図15のように組付けられている。
【0005】そして、コイル8の非通電時は、図15の
ようにスプリング14によってバルブ11が下降し、制
御すべき液体や気体などの流体がポート4からバルブ室
15を通じてポート5から流出する。コイル8に通電す
ると、プランジャ10が上方へ吸引されてロッド12が
上動し、バルブ11がシート面6に当接して、ポート4
からポート5への流体の流れを遮断する。
【0006】このような流体を制御する電磁弁において
は、バルブ室15内の流体がボデー1とプレート3との
接合部から外部へ漏出することを防止したり、また負圧
制御の場合には接合部から外気の流入を防止する必要が
ある。そのため、ボデー1側の接合面1aにOリング溝
16を、上記ロッド12を中心とする環状に形成してこ
のOリング溝16にOリング17を嵌合し、ボデー1と
駆動部2の組付時にプレート3によってOリング17を
圧縮し、この接合面の水密性、気密性を確保している。
【0007】ところで、このような電磁弁において、そ
の組付け作業は一般に、先ずボデー1の接合面1aに形
成したOリング溝16にOリング17を嵌合して備え、
次でこのボデー1をそのOリングを嵌合した接合面1a
を下向きにして駆動部2のプレート3上に載置し、次で
ケース13の上部13aをボデー1にかしめて組付ける
工程を採っている。
【0008】そのために、Oリング溝16が、図15に
示すような単なる断面凹状の形状で全周に亘って形成さ
れているもの(第1の従来の構造)では、上記のように
ボデー1を、その接合面1aを下向きにして組付ける場
合に、Oリング17がその自重によってOリング溝16
から脱落し組付け作業が困難になることがある。
【0009】また、構成部品を部品製造工場から出荷、
搬送し、別の組立工場にて他の部品と組付ける場合にお
いて、その出荷される構成部品に付設されるOリング
が、上記のようなOリング溝16に嵌着されていると、
上記出荷、搬送中にそのOリングがOリング溝から脱
落、紛失して組付作業の効率が低下する問題がある。
【0010】そこで、組付前にOリングの脱落を防止す
る構造として図16に示すような構造のものが実開平3
−105762号公報に開示されている(この構造を第
2の従来の構造という)。
【0011】この第2の従来の構造は、図16に示すよ
うに、断面凹状のOリング溝18における一方の内側面
に押圧突出部19を形成するとともに他方の内側面に上
記押圧突出部19を中心とする左右に位置して補助突出
部20,20を形成し、該両補助突出部20,20によ
ってOリング21を押圧突出部19側へ押し返すように
して、Oリング21と押圧突出部19の接触圧を大きく
し、Oリング21の脱落を防止している。
【0012】更に、Oリングの脱落防止として図17に
示すような構造のものが特開昭63−47591号公報
に開示されている(この構造を第3の従来の構造とい
う)。この第3の従来の構造は、図17に示すように、
Oリング溝22の外側面に、Oリング溝22の深さより
短い背丈に形成した板ばね23を取り付け、その屈曲先
部23aによりOリング溝22内に嵌合したOリング2
4の外側を弾性的に押圧して、Oリング24の脱落を防
止している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記第2の従来の構造
においては、Oリング21を補助突出部20,20によ
って有効に押圧突出部19側へ押圧するためにはその押
圧突出部19と補助突出部20,20を、環状のOリン
グ溝のうちの図16に示すような直線状のOリング溝1
8部に形成する必要があり、上記図15のような円形の
Oリング溝には適用できない。すなわち、環形状が円形
のOリング溝にこの構造を採用した場合には、Oリング
がOリング溝の内側面に接触して嵌合することから、上
記押圧突出部19においてOリングが単に外方へ屈曲す
るのみで上記補助突出部20,20による上記の作用を
発揮することはできず、この円形のOリング溝において
は、Oリングの脱落を確実に防止することができない問
題がある。
【0014】また、その押圧突出部19の突出長D4
長くして、これと対向面間の隙間長D5 をOリング21
の直径よりかなり短くして、該部でのOリングの保持力
を大きくすることも考えられるが、このようにすると、
押圧突出部19の外面が接合面1aと同一面であること
から、組付け時に、Oリング21の膨出部が、この押圧
突出部19と他の部品間に喰い込み、Oリング21が損
傷したり、密封能力が低下する。したがって、上記D5
の寸法をOリング21の直径より短くすることができな
いため、上記のような補助突出部20,20を設けた構
造を採用する必要がある。
【0015】また、上記第3の従来の構造のものにおい
ては、円形のOリング溝に嵌合したOリングの脱落の防
止はできるが、組付け時において、Oリング24が他の
部品に押されて圧縮変形した場合に、そのOリング24
の一部が板ばね23と他の部品間に膨出し、その膨出部
が板ばね23のエッジ部と他の部品間で極部的に強く挟
み付けられて切断するおそれがある。そのため、この構
造は実用的ではない。更に、Oリング溝22の成形とは
別に板ばねの製造、組付けを要する問題もある。
【0016】そこで本発明は、上記の各課題を解決する
Oリングの保持構造を提供することを目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するもので、第1の発明は、ボデー(1)に形成した
環状のOリング溝(30)にOリング(31)を嵌合す
るものにおいて、Oリング溝(30)の内側壁面(3
4)と外側壁面(35)のいずれか一方又は双方の面
に、ボデー(1)と一体成形した凸部(32,32f,
32h,32i,32j,32k)を設けて、Oリング
溝(30)の一部に、嵌合するOリング(31)の直径
より短い幅の狭窄空間(38)を設け、該狭窄空間部
(38)におけるOリング溝(30)の溝方向と直交す
る方向の一方又は双方に、底面が平滑面で他の組付け部
品との接合面側が開口する膨出用空間(37,37a,
37b,37c)を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第2の発明は、ボデー(1)に形成した環
状のOリング溝(30)にOリング(31)を嵌合する
ものにおいて、Oリング溝(30)の外側壁面(35)
に、ボデー(1)と一体成形した凸部(32)を設け
て、Oリング溝(30)の一部に、嵌合するOリング
(31)の直径より短い幅の狭窄空間(38)を設け、
しかも、上記凸部(32)をOリング溝(30)の深さ
より短い背丈に設定し、該凸部(32)の外側に底面が
平滑面で他の組付け部品との接合面側が開口する膨出用
空間(37)を形成したことを特徴とするものである。
【0019】
【作用】請求項1記載の第1の発明においては、凸部
(32,32f,32h,32i)を設けてOリング
(31)の直径より短い幅の狭窄空間(38)を形成し
たので、該狭窄空間(38)内にOリング(31)を圧
入することにより、凸部(32,32f,32h,32
i)と、これに対向するOリング溝(30)の壁面とに
よってOリング(31)の一部が強く挾持される。ま
た、狭窄空間(38)以外の部分は、Oリング(31)
がOリング溝(30)の内壁に若干圧接される。
【0020】また、上記狭窄空間(38)にOリング
(31)を圧入嵌合すると、該部でのOリング(31)
は変形されて、他の部分よりも外部への突出量は大きく
なる。そのため、この嵌合状態で他部品に組付けた場
合、該部でのOリング(31)の内圧は他の部分より高
くなり、Oリング(31)の直径方向へ膨出力は高くな
る。しかし、凸部(32)が位置する部分に膨出用空間
(37,37a,37b,37c)を設けたことによ
り、狭窄空間(38)部のOリング(31)の一部が膨
出用空間(37,37a,37b,37c)内に膨出し
て逃げ込み、その内圧の上昇が吸収されて、極部的な過
圧が防止され、かつ他部品との接合面間にOリング(3
1)の一部が喰い込むことが防止される。
【0021】また、他部品との組付け後において、Oリ
ング(31)が制御液体や温度により膨脹(膨潤)した
場合には、Oリング(31)の一部が膨出用空間(3
7,37a,37b,37c)内へ更に膨出して、上記
と同様にOリング(31)の過圧の防止と喰い込みの防
止がなされる。
【0022】更に、膨出用空間(37,37a,37
b,37c)の底面の全面を平滑面に形成したので、上
記のように該膨出用空間内に膨出したOリング(31)
の一部を他部品で押圧しても、その膨出部が損傷したり
切断されることがない。
【0023】更に、狭窄空間(38)でOリング(3
1)を保持する構造であるから、Oリング溝の環状形状
に制限されず、円形のOリング溝であってもOリングを
確実に挾持できる。
【0024】請求項2記載の第2の発明においては、上
記の発明の作用に加え更に、凸部(32)をOリング溝
(30)の外側壁面(35)に設けたので、外圧用Oリ
ングの場合、すなわち、Oリング(31)がOリング溝
(30)の内側壁面(34)に密着して嵌合される場合
には、そのOリング(31)を引き延ばすことなく嵌合
できる。すなわち、仮りに、凸部(32)を内側壁面
(34)側に設けたとすると、該凸部(32)において
はOリング溝(30)の内径よりも大径になり、該凸部
(32)においてOリング(31)を更に引き延ばして
凸部(32)の先部空間に嵌合する必要があり、その嵌
合操作が行えにくいことになるが、凸部(32)を外側
壁面(35)側に設けることにより、狭窄空間(38)
の内側面が内側壁面(35)と同一円周上に位置し、O
リング(31)を引き延ばすことなくそのまゝ狭窄空間
(38)へ押圧して嵌合でき、その嵌合操作が極めて容
易に行える。
【0025】更に、凸部(32)をOリング溝(30)
の深さより短い背丈に形成したので、この凸部(32)
の成形と同時に膨出用空間(37)も成形できる。
【0026】
【実施例】次に本発明を負圧制御用の電磁弁に適用した
図1乃至図6に示す第1実施例について説明する。
【0027】図1は、前記図15に示す構造の電磁弁に
おけるボデー1とプレート3間の密封構造としてのOリ
ング溝に本発明を適用した電磁弁の全体図を示す。この
図1において、30は本発明のOリング溝で、該Oリン
グ溝30以外の他の部品及び構造は、前記図15で説明
した部品、構造と同一である。そのため、図1におい
て、前記図15と同一の部品には同一符号を付してその
説明は省略し、本発明の要旨であるOリング溝30とこ
れに嵌合するOリング31との関係について、図2乃至
図6により詳述する。
【0028】Oリング溝30は図2に示すように本体1
の接合面1aに、ボデー1の軸心Oを中心とする真円の
無端の環状に形成され、そのOリング溝30を構成する
外側壁面35には、上記軸心Oを中心とする対称位置に
凸部32が2箇形成されている。
【0029】該Oリング溝30の上記凸部32以外の部
分における縦断面形状は、図3に示すように底面33が
水平面で、内側壁面34及び外側壁面35が鉛直面で、
下面の全面が開口する凹状溝に形成されている。しかも
その溝深さH1 は、これに嵌合するOリング31の圧縮
前の直径φdより短く設定され、その溝幅D1 はOリン
グ31の直径φdより長く設定され、Oリング31と外
側壁面35間に空間36が形成されるようになってい
る。更に、該Oリング溝30における内側壁面34の上
記軸心Oからの半径は、Oリング31をOリング溝30
に嵌合した場合に、そのOリング31の内径側面が内側
壁面34に接触する径に設定されている。
【0030】Oリング溝30の上記凸部32が存在する
部分における縦断面形状は、図4に示すように形成され
ている。凸部32は、上記底面33から溝内への所定の
高さ(背丈)H2 と、外側壁面35から溝内への所定の
長さD2 と、周方向の所定の長さL1 とで占める範囲に
おいてボデー1と同一材料によりボデー1と一体成形さ
れており、その下面32a、周方向の両側面32b,3
2cは、その全面が平滑面に形成され、内面32dは上
記軸心Oを中心とする円弧面に形成されている。尚、O
リング溝30を形成する本体1及び凸部32は、金属、
樹脂等の剛体で一体成形されている。
【0031】上記H2 とD2 の寸法は、該凸部32の下
面32aとボデー1の接合面1aとの間に所定長H3
空間37が存在し、内面32dと溝の内側壁面34との
間に所定幅D3 の狭窄空間38が存在するように設定さ
れている。そして上記各寸法は次のような関係に設定さ
れている。
【0032】 H1 =H2 +H3 1 >H2 ≧φd/2 D1 =D2 +D3 3 <φd 上記の構成により凸部32の下面に膨出用空間37が形
成されるが、この膨出用空間37のH3 及びD2 の長さ
は、使用するOリング31の圧縮率、熱膨脹率等に適合
した値に設定するもので、図6に示すように部品組付時
におけるOリング31の圧縮時にそのOリング31の一
部が実線31cのように膨出し、また組付後におけるO
リング31の熱膨脹等においてそのOリング31の一部
が鎖線31dのように更に膨出(膨潤)し、凸部32に
位置するOリング31の内圧を吸収して過圧を防止でき
るように設定する。
【0033】上記凸部32の内側頂部32eは、所定の
半径Rの曲面に形成されており、Oリング31の圧縮時
に、該内側頂部32eの当りによってOリング31が損
傷又は切断しないようにしてある。また上記Oリング溝
30と凸部32を形成する各隅部も図6に示すように曲
面に形成されている。
【0034】更に凸部32の周方向の長さL1 は、図2
に示すように、Oリング溝30の全長に対して極めて短
い長さに形成されているが、この長さL1 は、図2記載
の比率に限るものではなく、所望値に設定するものであ
る。
【0035】次に本第1実施例の作用について説明す
る。先ず、Oリング溝30にOリング31を嵌合する場
合には、ボデー1の接合面1a側を上向きにして、凸部
32が存在しない部分においてはOリング31を若干押
圧し、凸部32が存在する部分においてはOリング31
を凸部32の内面32dとOリング溝30の内側壁面3
4間の狭窄空間38部内に強く押圧して嵌合する。これ
により、凸部32が存在しない部分においては、Oリン
グ31の弾性力により、その内周面がOリング溝30の
内側壁面34に若干圧着し、凸部32が存在する部分に
おいては、Oリング31が図4に示すように変形してそ
の復元力により凸部32の内面32dとOリング溝30
の内側壁面34に強く圧着し、その強い圧着力によりそ
のOリング31が強く挾持される。
【0036】この嵌合時において、凸部32が外側壁面
35側に設けられているので、本実施例のようにOリン
グ31を内側壁面34に密着して組付けられる外圧用O
リングにおいては、凸部32において、Oリング31を
引き延ばすことなく、単に押圧するのみでよい。すなわ
ち、凸部32を後述する図9のように内側壁面34側に
設けると、Oリング31をその凸部の内面まで手で引き
延ばす必要があるが、凸部32を外側壁面35側に設け
ると、このような引き延ばし作業が不要になり、Oリン
グ31の組付性が容易になる。
【0037】次で、上記ボデー1の接合面1a側を下向
きにして、その接合面1aを、駆動部2の上面に載置し
たプレート3上に載置接合する。この接合に際して接合
面1aを下向きにしても、Oリング31は、上記のよう
に強い力で挾持されているため、Oリング溝30から脱
落しない。
【0038】次で、ボデー1をプレート3へ押圧した状
態でケース13の上部13aをボデー1の外面にかしめ
付ける。このように組付けられると、Oリング31が圧
縮され、プレート3とOリング溝30の底面33と内側
壁面34とに密着し、接合部の水密性、気密性が確保さ
れる。
【0039】このOリング31の圧縮時において、凸部
32が存在しないOリング溝30部においては、図3の
鎖線31aに示すように、Oリング31が外側壁面35
との空間36へ膨出し、凸部32が存在する部分におい
ては、図6の実線31cで示すように凸部32の下面に
形成された膨出用空間37内へ膨出する。このように、
Oリング31の一部が膨出用空間36,37内へ逃げる
ことにより、Oリング31の一部がボデー1の接合面1
aとプレート3間に膨出して喰い込むことが防止され、
喰い込みによりこれが押し潰されて密封能力が低下した
り損傷や切断を招くことが防止される。
【0040】また、凸部32の内側頂部32eが曲面に
形成されているので、この内側頂部32eにOリング3
1が強く押し付けられても、この部分での損傷や切断が
防止される。
【0041】上記のようにボデー1を組付けた電磁弁の
使用状態において、Oリング31が熱等により更に膨脹
した場合には、凸部32が存在しないOリング溝30部
においては、Oリング31が更に空間36内へ図3の鎖
線31bのように膨出し、また、凸部32が存在する部
分においては、図6の鎖線31dで示すように更に膨出
用空間37内へ膨出する。これにより、Oリング31内
の昇圧が吸収され、過圧による耐久性の低下が防止され
る。
【0042】また、本第1実施例によれば、凸部32の
成形型により膨出用空間37も成形できるので、後述す
る図7,8及び図11,12に示すように凸部と膨出用
空間を別の金型で成形するものに比べて、金型の製作が
容易である。
【0043】次に図7及び図8に示す本発明の第2実施
例について説明する。本第2実施例は、上記第1実施例
における凸部32において、その下面に上記のような膨
出用空間37を設けることなく、下面を接合面1aと面
一にした凸部32fとし、該凸部32fと対向するOリ
ング溝30における内側壁面34側に上記第1実施例に
おける膨出用空間37と同一形状の膨出用空間37aを
形成したものである。図8において、D1 〜D3 及びH
1 〜H3 は上記第1実施例と同様の寸法関係に設定され
ている。その他の構造は上記第1実施例と同様であるた
めその説明は省略する。
【0044】本第2実施例においても、凸部32fと内
側壁面34とで形成される狭窄空間38内にOリング3
1を圧入することにより、第1実施例と同様にOリング
31が強く保持され、Oリング31の脱落を防止でき
る。
【0045】また、ボデー1の組付時においては、狭窄
空間38部におけるOリング31が膨出用空間37a内
へ膨出し、また熱膨脹時等にも膨出用空間37a内に膨
出して、上記第1実施例と同様に、Oリング31の過圧
及び接合面間への喰い込みを防止できる。更に、第1実
施例と同様に外圧用Oリングの嵌合に有利である。
【0046】次に図9及び図10に示す本発明の第3実
施例について説明する。本第3実施例は、上記第1実施
例における凸部32を、Oリング溝30の内側壁面34
側に形成したものである。すなわち、図9及び図10に
示すように、上記第1実施例の凸部32と同一形状及び
寸法の凸部32hを内側壁面34に形成し、その凸部3
2hの下面に上記第1実施例の膨出用空間37と同一形
状及び寸法の膨出用空間37bを形状し、該凸部32h
と対向する溝壁は上記外側壁面35と同一面に形成した
ものである。その他の構造は上記第1実施例と同様であ
るためその説明は省略する。
【0047】本第3実施例においても、凸部32hと外
側壁面35とで形成される狭窄空間38内にOリング3
1を圧入することにより第1実施例と同様にOリング3
1が強く保持され、Oリング31の脱落を防止できる。
【0048】また、ボデー1の組付時においては、狭窄
空間38におけるOリング31が膨出用空間37b内へ
膨出し、また熱膨脹時等にも膨出用空間37b内に膨出
して、上記第1実施例と同様にOリング31の過圧及び
接合面間の喰い込みを防止できる。
【0049】更に、凸部32hの形成と同時に膨出用空
間37hも形成でき、第1実施例と同様に金型の製造が
容易である。尚、Oリング31を外側壁面35側に接触
するように嵌合する内圧用Oリングの場合には、本第3
実施例によれば、Oリング31を曲げることなく狭窄空
間38内へ押圧嵌合できる利点がある。
【0050】次に図11及び図12に示す本発明の第4
実施例について説明する。本第4実施例は、上記図7及
び図8に示す第2実施例における凸部32fと同一の凸
部32iをOリング溝30における内側壁面34に形成
し、空間37aと同一の空間37cを外側壁面35に形
成したものである。その他の構造は上記第1実施例と同
様であるためその説明は省略する。
【0051】本第4実施例においても、凸部32iと外
側壁面35とで形成される狭窄空間38内にOリング3
1を圧入することにより、第1実施例と同様にOリング
31の脱落を防止できる。
【0052】また、ボデー1の組付時においては、狭窄
空間38部におけるOリング31が空間37c内へ膨出
し、また、熱膨脹時等にも膨出用空間37c内に膨出し
て、上記第1実施例と同様に、Oリング31の過圧及び
接合面間への喰い込みを防止できる。
【0053】また、本第4実施例においても、上記第3
実施例と同様に、内圧用Oリングの嵌合に有利である。
次に図13及び図14に示す本発明の第5実施例につい
て説明する。
【0054】本第5実施例は、Oリング31をOリング
溝30の中央部に配置し、そのOリング31の内周面と
Oリング溝30の内側壁面34との間、及びOリング3
1の外周面とOリング溝30の外側壁面35との間に、
夫々空隙部を存在させたシール構造に適用したもので、
例えばダストシールとしてOリングを使用する構造に適
用したものである。
【0055】本第5実施例においては、Oリング溝30
の内側壁面34と外側壁面35とに、夫々凸部32jと
32kとを対向して設け、これら両凸部32jと32k
との対向間に、Oリング31の直径より短い幅D3 の狭
窄空間38を設けたものである。そして、外側の凸部3
2kに、上記第1実施例の膨出用空間37と同一の膨出
用空間37を形成したものである。その他の構造は上記
第1実施例と同様であるためその説明は省略する。
【0056】本第5実施例においても、狭窄空間38内
にOリング31を圧入することにより、第1実施例と同
様にOリング31の脱落を防止できる。尚、上記各実施
例においては、膨出用空間37,37a,37b,37
cを、狭窄空間部38におけるOリング溝31の溝方向
と直交する方向のいずれか一方に形成したが、溝方向と
直交する方向の双方に形成してもよい。
【0057】また、上記凸部32,32f,32h,3
2i,32j,32kは、Oリング溝の周方向に対し
て、図2及び図7に示すような2箇所に限るものではな
く、1箇或いは2箇以上、必要により設けるもので、ま
た、膨出用空間37,37a,37b,37cも凸部に
対応して必要数設けるものである。
【0058】更に、上記実施例は電磁弁への適用例であ
るが、本発明は電磁弁に限るものではなく、Oリングを
必要とする他の装置に適用できることは勿論である。更
に、本発明は、Oリング溝の環形状が円形のものに限る
ものではなく、円形以外の方形状やその他の環状のOリ
ング溝に適用できることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】以上のようであるから、請求項1記載の
発明によれば、凸部による狭窄空間によってOリングの
保持力を高め、その脱落防止効果を向上できる。更にこ
のような凸部による保持であっても、該部にOリングが
膨出できる膨出用空間部を設けたことにより、凸部によ
るOリングの極部的な過圧や接合面間への喰い込みを防
止して、Oリングの損傷や切断を防止できる。更に、該
膨出用空間の底面が平滑面であるため、該部でのOリン
グの損傷や切断を防止できる。更に、Oリング溝の環形
状が円形であっても本発明を適用してOリングの脱落を
防止できる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、更に、外圧
用Oリングの場合におけるOリングの嵌合操作が容易に
なる。更に凸部と膨出用空間とが1つの金型で同時成形
できるので、金型の製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を適用した電磁弁の断面
図。
【図2】 図1におけるOリングを嵌合したボデーの下
面図。
【図3】 図2におけるA−A線拡大断面図。
【図4】 図2におけるB−B線拡大断面図。
【図5】 図4の凸部における下面図。
【図6】 Oリングの膨出状態を示す要部拡大断面図。
【図7】 本発明の第2実施例を示すボデーの下面図。
【図8】 図7におけるC−C線拡大断面図。
【図9】 本発明の第3実施例を示すOリング溝部の下
面図。
【図10】 図9におけるD−D線拡大断面図。
【図11】 本発明の第4実施例を示すOリング溝部の
下面図。
【図12】 図11におけるE−E線拡大断面図。
【図13】 本発明の第5実施例を示すOリング溝部の
下面図。
【図14】 図13におけるF−F線断面図。
【図15】 第1の従来の構造を示す電磁弁の断面図。
【図16】 第2の従来の構造を示すOリング溝部の平
面図。
【図17】 第3の従来の構造のOリング溝を示すもの
で、(a)は一部平面図、(b)は(a)におけるG−
G線断面図。
【符号の説明】
1…ボデー 30…Oリング溝 31…Oリング 3
2,32f,32h,32i,32j,32k…凸部
34…内側壁面 35…外側壁面 37,37a,37
b,37c…膨出用空間 38…狭窄空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボデーに形成した環状のOリング溝にO
    リングを嵌合するものにおいて、Oリング溝の内側壁面
    と外側壁面のいずれか一方又は双方の面に、ボデーと一
    体成形した凸部を設けて、Oリング溝の一部に、嵌合す
    るOリングの直径より短い幅の狭窄空間を設け、該狭窄
    空間部におけるOリング溝の溝方向と直交する方向の一
    方又は双方に、底面が平滑面で他の組付け部品との接合
    面側が開口する膨出用空間を形成したことを特徴とする
    Oリングの保持構造。
  2. 【請求項2】 ボデーに形成した環状のOリング溝にO
    リングを嵌合するものにおいて、Oリング溝の外側壁面
    に、ボデーと一体成形した凸部を設けて、Oリング溝の
    一部に、嵌合するOリングの直径より短い幅の狭窄空間
    を設け、しかも、上記凸部をOリング溝の深さより短い
    背丈に設定し、該凸部の外側に底面が平滑面で他の組付
    け部品との接合面側が開口する膨出用空間を形成したこ
    とを特徴とするOリングの保持構造。
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