JPH0643421U - 弁装置用シールパッキン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルターを備えるシールパッキンを得るこ
と。 【構成】 弁装置本体２のガス流入口３に挿着される環
状のシールパッキン１の内周面にフィルター挿着溝５を
設け、その挿着溝５にフィルター４を挿着したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はガス制御弁の弁装置等の弁装置に使用するシールパッキンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ガス制御弁等の弁装置のガス流入口とこれに接続するガス管等の接続部 には、該接続部からのガス漏れを防ぐためのシールパッキンと、該弁装置内に異 物が入って弁シール面に異物が付着し、シール不良が発生するのを防ぐためフィ ルターの取付けを必要とする。

【０００３】 そこで従来の弁装置では、実開平１−１７０８２６号公報の第３図に見られ、 図６に示すごとく、弁装置本体ａのガス流入口ｂにフィルター挿着用段部ｃとシ ールパッキン挿着用段部ｄを接近して２段に設け、該弁装置本体ａにガス管ｅ等 を接続する際に、該フィルターｆとシールパッキンｇを順に挿着した後、該弁装 置本体ａにガス管ｅ等をビス止めして固定していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、フィルターｆとシールパッキンｇを別々に挿着するためその作業が煩 わしく、特に主として用いる金網、樹脂網等からなる小さく（約直径１２mm）し かも薄いシールパッキンｇは持ち難く該段部に正しくセットすることが難ずかし い。

【０００５】 又フィルターｆの挿着ミスで、シールパッキン挿着用段部ｄに乗り上げた状態 で、シールパッキンｇを挿着すると、シールパッキンｇがシールパッキン挿着用 段部ｄから浮き上がって、シール不良（ガス漏れ）が生じる恐れがあった。又従 来のものでは、弁装置本体ａのガス流入口ｂに上述のように２段に段部を設ける 必要があり、このためフィルターｆ並びにシールパッキンｇを施す弁装置本体ａ の加工が煩わしい。そこで、これら不具合を解決するため、フィルターｆを該シ ールパッキンｇに埋め込むインサート成形によって該シールパッキンｇを形成す ることが考えられるが、試作を行った所、該フィルターｆを埋め込んだ部分に気 密不良を生じ易く、シールパッキンとしての機能が劣るの不具合がある。

【０００６】 本考案はかゝる不具合のない弁装置用シールパッキンを得ること目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案はかゝる目的を達成するため、弁装置本体のガス流入口に挿着される環 状のシールパッキンにおいて、該シールパッキンの内周面にフィルター挿着溝を 設け、該挿着溝にフィルターを挿着して成る。

【０００８】

【作用】

上記のとおりの構成を有する弁装置用シールパッキンにあっては、該シールパ ッキンを弁装置本体のガス流入口に取り付けるだけで、フィルターを設置できる 。

【０００９】

【実施例】

本考案を図に示すガス弁装置に適用した実施例につき説明する。 図で１は弁装置本体２のガス流入口３に挿着される外径１７mm，内径９mm，厚 み４mm程度の環状のシールパッキン、４は該シールパッキン１の内周面に挿着し た直径１２mm程度のフィルターを示す。シールパッキン１は合成ゴム等からなる 弾性体で環状に構成し、図２に示すごとく、その内周面に沿って断面Ｖ字上の溝 を設けてこれをフィルター挿着溝５とし、この中に合成樹脂網からなるフィルタ ー４をその周縁で挿着支持させた。即ち、フィルター４の外径をシールパッキン １の内径より大きく且つフィルター挿着溝５の底径より若干小さく形成し、装着 の際にはフィルター４を変形させてフィルター挿着溝５内に嵌め込む。尚フィル ター挿着溝５の両側は丸みを有する凸形状として嵌め込を容易にした。そして該 シールパッキン１の上下のシール面１ａ，１ａに周方向に沿った環状の凸状１ｂ を２条設けて、該シールパッキン１が該弁装置本体２とガス管（図示しない）と の間に圧着挟持されるとき、該凸状１ｂに圧着力を集中させてシール効果を高め るようにした。又該シールパッキン１の外周面には複数個の突起１ｃを設けて、 該シールパッキン１を弁装置本体２のガス流入口３の周縁に設けたシールパッキ ン挿着用段部３ａに挿着したとき、該挿着用段部３ａの周壁に該突起１ｃが圧着 して、簡単に抜けでないようにした。 即ち、突起１ｃの外端部を結んだ径は、挿着用段部３ａの周壁径より大きく設 定し、装着したときには突起１ｃが変形して弾性力を保持し周壁に対して圧着す るようにした。

【００１０】 これによれば、突起１ｃを設けず、シールパッキン１の外径を周壁径より若干 大きくして装着によって、外径全体が周壁に圧着する構成に比べ装着が行い易い 長所がある。

【００１１】 尚上記シール面１ａ、１ａに設けた凸状１ｂは上記する２条のものに限るもの でなく図示しないが１条であっても良く、又は３条以上であっても良い。

【００１２】 又シールパッキン１の内周面に設けたフィルター挿着溝５は、上記実施例のご とく内周面に沿った連続する溝に限るものでなく図４，図５に示すごとく内周面 に沿った環状の凸部５ａと内周面から内方に突出する３個以上の突片５ｂとの間 に形成させるものであっても良く、更に凸部５ａに代えて内周面から内方に突出 する３個以上の突片５ｂを対にして設け、その突片５ｂ間に形成した溝であって も良い。

【００１３】 弁装置本体２はアルミダイカストにより製造される。この場合構成が簡単なほ ど鋳巣の発生も少なくなる。従って段部を１段とすることで鋳巣の発生も少なく なりシール性が向上する。しかも鋳造後の切削加工も行い易い。

【００１４】 尚、シールパッキン１、フィルター挿着溝５及びフィルター４は円形に限らず 四角形等の多角形、楕円等の形状であっても良いこと申すまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

上記のとおりの構成を有する弁装置用シールパッキンにあっては次のような効 果がある。

【００１６】 該シールパッキンを弁装置本体のガス流入口に取り付けるだけで、フィルター を設置できて、その組付けが簡単となる。

【００１７】 しかも該フィルターはシールパッキンに組み込まれるため、両者の間に位置ず れを生じることがなく従来例のように両者の間の位置ずれによって互いに重なり 合ってシール不良を起こすことがない。

【００１８】 しかも該フィルターをシールパッキンの内周面の該挿着溝に挿着したことで、 該シールパッキンのシール機能を損なうこともない。

【００１９】 又、従来のもののように弁装置本体にフィルターとシールパッキン取付用の段 部を別個に設けるものに比しシールパッキン取付用の一段の段部を設けるだけで よく、弁装置本体の加工が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施の１例を示す製品を拡大した平面
図

【図２】 図１の截断側面図

【図３】 弁装置本体に組付けた状態の截断側面図

【図４】 他の実施例の平面図

【図５】 図４の截断側面

【図６】 従来例を示す分解截断側面図

【符号の説明】

１ シールパッキン ２ 弁装置本体 ３ ガス流入口 ３ａ シール挿着溝 ４ フィルター ５ フィルター挿着溝 ６ ガス管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁装置本体のガス流入口に挿着される環
   状のシールパッキンにおいて、該シールパッキンの内周
   面にフィルター挿着溝を設け、該挿着溝にフィルターを
   挿着して成る弁装置用シールパッキン。