JPH0545912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は管継手に関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

一般に、外面に雄ネジ部が設けられると共に一
端面にパツキン用凹周部が凹設された第１部材
と、該第１部材のパツキン用凹周部に嵌込まれる
パツキンと、上記第１部材のパツキン用凹周部に
嵌込まれて上記パツキンを押圧する円形突隆部を
有すると共に外面に外鍔部が突設された第２部材
と、内周面のネジ部が上記第１部材の雄ネジ部に
螺合すると共に内鍔部が上記第２部材の外鍔部に
係合して該第１部材と該第２部材とを連結する袋
ナツトと、を備えた管継手では、パツキンの位置
ずれを少なくするために外径位置決めが一般的で
あり、また、パツキンはその横断面が偏平の矩形
とされる。

しかして、このようなものでは、パツキン用凹
周部外周へのパツキンの逃げ空間は少ないか又は
無であり、第１・第２部材とが連結されてパツキ
ンが締め付けられれば、不均一な当りを生じるこ
とになり、確実にシールすることができなかつ
た。また、給水分野ではゴム製のパツキンを使用
する場合が多く、この不均一な当りによつてパツ
キンの通水側へのフロー（はみ出し）が発生し、
通水性を悪くしたり、（はみ出したパツキンの部
分的な剥離に伴う）不純物混入のトラブルが発生
することがある。

そこで、本考案では不均一な当りを生ずること
なく全周均一な当りとなつてシール性能の向上を
図ることができる管継手を提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するために、本考案に係る一
の管継手は、外面に雄ネジ部が設けられると共に
一端面にパツキン用凹周部が凹設された第１部材
と、該第１部材のパツキン用凹周部に嵌込まれる
パツキンと、上記第１部材のパツキン用凹周部に
嵌込まれて上記パツキンを押圧する円形突隆部を
有すると共に外面に外鍔部が突設された第２部材
と、内周面のネジ部が上記第１部材の雄ネジ部に
螺合すると共に内鍔部が上記第２部材の外鍔部に
係合して該第１部材と該第２部材とを連結する袋
ナツトと、を備えた管継手において；パツキン締
め付け状態で、複数の空隙部が上記パツキン用凹
周部の内面とパツキン外周面との間に周方向に沿
つて所定ピツチにて形成されるように、該パツキ
ン外周面にセンタリング用小突出子を周方向に沿
つて所定ピツチにて突設したものである。また、
他の管継手は、パツキン締め付け状態で、上記パ
ツキン用凹周部の内面とパツキン外周との間に複
数の空隙部が形成されるように、上記パツキンの
外周を、各角部が該パツキン用凹周部部の内面に
当接する多角形としたものである。

〔作用〕

パツキンを第１部材のパツキン用凹周部に嵌込
むと共に第２部材の円形突隆部を該凹周部に嵌込
み、袋ナツトのネジ部を第１部材の雄ネジ部に螺
合させ、第１部材の外鍔部に該袋ナツトの内鍔部
に係合させて、第１部材と第２部材とを連結すれ
ば、該パツキンは締め付けられるが、この場合、
パツキンには空隙部にて逃げ部が形成されている
ことにより、パツキンの内周縁及び中央部から面
圧が上昇し、次に逃げ部のある外周縁方向へ該パ
ツキンが広がつてゆき、結果として、内側（内周
縁）へフローすることがないと共に、パツキンは
全周に沿つて均一な当りとなる。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
説する。

第１図は本考案に係る管継手を示し、この管継
手は、第１・第２部材１，２と、該第１部材１と
該第２部材２との間に嵌込まれるパツキン３と、
該第１部材１と該第２部材２とを連結する袋ナツ
ト４と、からなる。

しかして、第１部材は、内部プラスチツク部５
と、外部金属部６と、からなり、その外面７に雄
ネジ部８が設けると共に、一端面９にはパツキン
用凹周部１０が凹設されている。また、金属部６
の内周面にはネジ部１１が設けられ、プラスチツ
ク部５の外周面にはネジ部１２が設けられてい
る。即ち、ネジ部１１，１２間には隙間１３が設
けられている。なお、プラスチツク部５の一端面
の内径部には、円形突隆部１４が設けられてい
る。そして、凹周部１０のパツキン当接面１５の
中央部に、プラスチツク部５と金属部６との境目
１６が設けられる。

また、第２部材２は、第１部材１と同様、内部
プラスチツク部１７と外部金属部１８とからな
り、その他端面１９に第１部材１の凹周部１０に
嵌込まれる円形突隆部２０を有している。そし
て、この円形突隆部２０の端面２１の中央部に、
プラスチツク部１７と金属部１８との境目２２が
設けられる。また、この第２部材２の外面２３に
は、外鍔部２４が突設され、金属部１８の内周面
にはネジ部２５が設けられ、プラスチツク部１７
の外周面にはネジ部２６が設けられている。即
ち、ネジ部２５，２６間には隙間２７が設けられ
ている。

しかして、パツキン３は横断面が偏平の矩形と
される円環状体からなり、第２図に示す様にその
外周面３２に周方向に所定ピツチ（図例では、
90°ピツチ）にて小突出子２８……が突設されて
いる。この場合、小突出子２８は半円盤状とされ
ている。即ち、この小突出子２８は、センタリン
グ用であり、第１図に示す様に、凹周部１０内に
嵌込まれた際には、この突出子２８先端が該凹周
部１０の内面２９に当接する。

次に、袋ナツト４は、内周面のネジ部３４が第
１部材１の雄ネジ部８に螺合すると共に、内鍔部
３５が第２部材２の外鍔部２４に係合して、第１
部材１と第２部材２とを連結する。この場合、パ
ツキン用凹周部１０に嵌込まれたパツキン３は、
第２部材２の円形突隆部２０にて押圧され、パツ
キン当接面１５と突隆部２０の端面２１との間に
密着される。

従つて、第１図に示す様に、第１部材１と第２
部材２とが連結された際には、パツキン３は締め
付け状態となり、この場合、パツキン用凹周部１
０の内面２９とパツキン外周面３２との間に周方
向に沿つて複数の空径部３０……が形成されるこ
とになり、該パツキン３が、第１部材１のパツキ
ン当接面１５及び第２部材２の端面２１に対し
て、部分的に当ることがなくなり、全周に沿つて
均一な当りとなり、優れたシール機能を発揮す
る。

次に、第３図〜第５図はパツキン３の他の実施
例を示し、第３図に示すパツキン３では、小突出
子２８は平面視において三角形状とされ、周方向
に沿つて60°ピツチに６個が配設されている。ま
た、第４図に示すパツキン３では、小突出子２８
は平面視において矩形状とされ、周方向に沿つて
多数個が配設されている。次に、第５図，に
示すパツキン３は、その外周が多角形とされ、各
角部３１……がパツキン凹周部１０の内面２９に
当接し、パツキン締め付け状態では、第２図〜第
４図に示すパツキン３と同様空隙部３０……が形
成され、優れたシール機能を発揮する。

なお、本考案は上述の実施例に限定されず、本
考案の要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由であ
り、例えば、小突出子２８……が形成される場
合、その数は図例のものに限られるものではな
く、また、小突出子２８の形状としても、凹周部
１０の内面２９に当接するものであれば、種々の
形状とすることができる。さらに、第５図に示す
様に、パツキン３の外周が、多角形とされるもの
では、勿論、図例の８角形、６角形に限られるも
のではない。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く構成されるので、次に記載
する効果を奏する。

第１部材１と第２部材２とを連結すれば、パツ
キン３は締め付け状態となるが、この場合、形成
される各空隙部３０……にて、パツキン３は第１
部材１のパツキン当接面１５及び第２部材２の端
面２１に部分的に当ることがなく、全周均一に当
つて優れたシール機能を発揮する。さらに、内周
縁方向へパツキン３の一部がはみ出し（フロー）
して、管路抵抗を増大させたり、ちぎれて異物混
入等を生ずることを防止出来る。また、パツキン
３としてもあまり複雑な形状とする必要がないの
で、製造しやすく、コスト高とならない利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
パツキンの平面図、第３図と第４図と第５図は
夫々パツキンの他の実施例を示す平面図である。 １……第１部材、２……第２部材、３……パツ
キン、４……袋ナツト、７，２３……外面、８…
…雄ネジ部、９……一端面、１０……パツキン用
凹周部、２０……円形突隆部、２４……外鍔部、
２８……小突出子、２９……内面、３０……空隙
部、３１……角部、３２……外周面、３４……ネ
ジ部、３５……空鍔部、。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 外面７に雄ネジ部８が設けられると共に一端
   面９にパツキン用凹周部１０が凹設された第１
   部材１と、該第１部材１のパツキン用凹周部１
   ０に嵌込まれるパツキン３と、上記第１部材１
   のパツキン用凹周部１０に嵌込まれて上記パツ
   キン３を押圧する円形突隆部２０を有すると共
   に外面２３に外鍔部２４が突設された第２部材
   ２と、内周面のネジ部３４が上記第１部材１の
   雄ネジ部８に螺合すると共に内鍔部３５が上記
   第２部材２の外鍔部２４に係合して該第１部材
   １と該第２部材２とを連結する袋ナツト４と、
   を備えた管継手において、 パツキン締め付け状態で、複数の空隙部３０
   ……が上記パツキン用凹周部１０の内面２９と
   パツキン外周面３２との間に周方向に沿つて所
   定ピツチにて形成されるように、該パツキン外
   周面３２にセンタリング用小突出子２８を周方
   向に沿つて所定ピツチにて突設したことを特徴
   とする管継手。 ２ 外面７に雄ネジ部８が設けられると共に一端
   面９にパツキン用凹周部１０が凹設された第１
   部材１と、該第１部材１のパツキン用凹周部１
   ０に嵌込まれるパツキン３と、上記第１部材１
   のパツキン用凹周部１０に嵌込まれて上記パツ
   キン３を押圧する円形突隆部２０を有すると共
   に外面２３に外鍔部２４が突設された第２部材
   ２と、内周面のネジ部３４が上記第１部材１の
   雄ネジ部８に螺合すると共に内鍔部３５が上記
   第２部材２の外鍔部２４に係合して該第１部材
   １と該第２部材２とを連結する袋ナツト４と、
   を備えた管継手において、 パツキン締め付け状態で、上記パツキン用凹
   周部１０の内面２９とパツキン外周との間に複
   数の空隙部３０……が形成されるように、上記
   パツキン３の外周を、各角部３１……が該パツ
   キン用凹周部１０の内面２９に当接する多角形
   としたことを特徴とする管継手。