JPH029177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポリエチレン管等の軟質な合成樹脂管
と鋳鉄管や鋼管等の鉄管との接続部の構造に関
し、特に鋼管接続用捻子フランヂと接するパツキ
ング接合面に同心円状の突出部を数重に設けるこ
とによりパツキングとフランヂ接合面との密着性
を向上させると共に合成樹脂管接続用テーパーコ
アーの外周面にパツキング一側に延出した形外
周壁を被冠してテーパーコアー側の漏洩抵抗を大
ならしめかつ両管の分解及び接続作業を迅速正確
に行えるようにしたものである。

２本の軟質合成樹脂管相互の接続部構造として
提案された実開昭52−131557号公報にありては、
両側に弯曲状突出部を形成したパツキングの両側
に、合成ゴム質管の端部を嵌合したテーパーコア
ーを配置し該テーパーコアーの内側面に形成した
弯曲状凹欠をテーパーコアーの弯曲状突出部を嵌
合したものである。この構造は軟質合成樹脂管相
互の接続構造として用いられるが、軟質合成樹脂
管とねじ付鉄管との接続に用いることはできな
い。また、実開昭57−119161号公報にありては、
ボールトで接合するフランヂの間に介挿されるパ
ツキングの一側面にフランヂのボールト挿通用穴
に挿入される円筒状突起を設け、パツキングの両
面にフランヂの内側面に接合される円環状突起を
それぞれ形成したものである。このパツキングは
フランヂに組付けるとき円筒状突起をフランヂの
ボールト挿通用穴に挿入したものであるため、所
定位置においてのみパツキングをフランヂに組立
てなければならず方向性があり、フランヂをパツ
キングの両面に当て締付けると、パツキングのボ
ールト挿通用穴の周面とボールトとの間及び両フ
ランヂの端面とパツキングの円筒状突起との間に
隙間が生じパツキングにひだを生じ易く、その隙
間より漏水するおそれがあり、軟質合成樹脂管と
ねじ鉄管との接続には使用できず分解及び組立の
作業性が悪い欠点がある。

本考案は前記の欠点を除去するために、柔軟な
合成樹脂管８の端部内側に嵌合したテーパーコア
ー７の外側外周段部７ａの外周部に嵌め込まれる
肉薄の外周壁４と、テーパーコアー７の外側端面
に形成した弯曲内周面７ｂに密着する円弧状凸壁
３とを、一側面に設け、他側面に鉄管１１をねじ
付けた捻子フランヂ１０の係止部１０ａ及び軸直
角凹端面１３に嵌め込まれる複数の同心円状の断
面円弧状突出部２，２，２を設けたパツキング接
合面６とよりなるパツキング１と、パツキング１
の外周壁４内に嵌め込まれる外側外周段部７ａ
と、パツキング１の円弧状凸壁３に密着する弯曲
内周面７ｂを形成し外周に柔軟な合成樹脂管８を
被冠し該被冠部の外側面をテーパーフランヂ９に
て圧着したテーパーコアー７と、パツキング１の
他側端面に形成した複数の同心円状の断面円弧状
突出部２，２，２を接合した軸直角凹端面１３及
び係止部１０ａを設け鉄管１１をねじ付けた捻子
フランヂ１０とよりなり、前記テーパーフランヂ
９と捻子フランヂ１０とをボールトナツト１２に
て接続してなることを特徴とする合成樹脂管と鉄
管との接続部の構造を提供しようとするものであ
る。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。図面において、１はパツキング、２，２，２
はパツキング１の他側面に形成した複数の同心円
状の断面円弧状突出部、３はパツキング１の一側
内側面に突設した円弧状凸壁であつて、テーパー
コアー７の弯曲内周面７ｂと嵌合する。４は円弧
状凸壁３の側においてパツキング１の外周に設け
た肉薄の外周壁であつて、テーパーコアーの外周
部７ｃと密着する。５はパツキング１において断
面円弧状突壁３と外周壁４との間に形成した環状
溝であつて、テーパーコアー７の外周段部７ｃの
端面と嵌合する。８はテーパーコアー７を端部に
強く嵌合して密着した合成樹脂管であつてその端
部８ａをテーパーコアー７の外周段部７ｃに衝止
させる。９は合成樹脂管８の外周よりテーパーコ
アー７に嵌合したテーパーフランヂ、１０は捻子
フランヂであり、その一側に鉄管１１を捻付けて
ある。捻子フランヂ１０の他側面に係止部１０ａ
と軸直角凹端面１３を形成し、これらの係止部１
０ａと軸直角凹端面１３にパツキング１の断面円
弧状突出部２，２，２を接触して嵌合し、フラン
ヂ９と捻子フランヂとをボールトナツト１２にて
緊締し、合成樹脂管８と鉄管１１とを接続する。

本考案は前記した如く、パツキング１の円弧状
凸壁３はテーパーコアー７の弯曲内周面７ｂと密
着し、パツキング１の外周壁４は全域にわたつて
テーパーコアーの外周段部７ａと密着するため、
パツキング１は均一の緊張力にてテーパーコアー
７の端面に嵌合されると共にテーパーコアー７を
合成樹脂管８の開口端部に叩き込み、テーパーコ
アー７の外側外周段部７ａにパツキング１を嵌合
したものを鉄管１１側の捻子フランヂ１０の係止
部１０ａと軸直角凹端面１３内にパツキング１の
断面円弧状突出部２，２，２を接合し、フランヂ
９と１０とをボールトナツト１２にて接続するこ
とができて、その接続作業中、パツキング１はテ
ーパーコアー７と密着して変形したり、テーパー
コアーより脱離することがなく、高い水圧に対し
てもパツキング１が容易に外部へ抜け出すことが
なく、テーパーコアー７とパツキング１との水密
性が優れていて、パツキング１と捻子フランヂ１
０とは、パツキング接合面である捻子フランヂの
軸直角凹端面１３ａに同心円状の断面円弧状突出
部２，２，２が嵌合接触していることにより３重
に密着されているために優れた水密性を発揮する
ことができる。さらに、３つのボールトナツトに
よつて締着するときに生じる締着力の差は、３つ
の同心円状の突出部２によつて吸収することがで
きる。すなわち、締着力の強いボールトナツト１
２の周辺では、強い締着力によるパツキング１の
変形が、同心円状の断面円弧状突出部２の放射線
方向への変形として吸収されることになる。ま
た、締着力の弱い場合については、３重の断面円
弧状突出部２のみがフランヂの軸直角凹端面１３
に接合するため、単位面積当りに働く力が大きく
なり、さらに、断面円弧状突出部２が３重に密着
しているために弱い締着力に対しても高い水密性
を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における合成樹脂管継手用パツ
キングの平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面
図、第３図は本考案に係る合成樹脂管と鉄管との
接続部の断面図、第４図の左半は第３図のＢ−Ｂ
線断面図であり右半は同じくＣ−Ｃ線断面図であ
る。 １……パツキング、２，２，２……パツキング
の断面円弧状突出部、３……パツキングの円弧状
凸壁、４……パツキングの外周壁、５……環状
溝、６……パツキング接合面、７……テーパーコ
アー、７ａ……テーパーコアーの外側外周段部、
７ｂ……テーパーコアーの弯曲内周面、８……合
成樹脂管、９……テーパーフランヂ、１０……捻
子フランヂ、１０ａ……捻子フランヂの係止部、
１１……鉄管、１２……ボールトナツト、１３…
…捻子フランヂの軸直角凹端面、１４……管継
手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟な合成樹脂管８の端部内側に嵌合したテー
   パーコアー７の外側外周段部７ａの外周面に嵌め
   込まれる肉薄の外周壁４と、テーパーコアー７の
   外側端面に形成した弯曲内周面７ｂに密着する円
   弧状凸壁３とを、一側面に設け、他側面に、鉄管
   １１をねじ付けた捻子フランヂ１０の係止部１０
   ａ及び軸直角凹端面１３に嵌め込まれる複数の同
   心円状の断面円弧状突出部２，２，２を設けたパ
   ツキング接合面６とよりなるパツキング１と、パ
   ツキング１の外周壁４内に嵌め込まれる外側外周
   段部７ａと、パツキング１の円弧状凸壁３に密着
   する弯曲内周面７ｂを形成し外周に柔軟な合成樹
   脂管８を被冠し該被冠部の外側面をテーパーフラ
   ンヂ９にて圧着したテーパーコアー７と、パツキ
   ング１の他側端面に形成した複数の同心円状の断
   面円弧状突出部２，２，２を接合した軸直角凹端
   面１３及び係止部１０ａを設け鉄管１１をねじ付
   けた捻子フランヂ１０とよりなり、前記テーパー
   フランヂ９と捻子フランヂ１０とをボールトナツ
   ト１２にて接続してなることを特徴とする合成樹
   脂管と鋼管との接続部の構造。