JP3923667B2 - 圧力スイッチのシール部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルにおける冷媒等の圧力の変化に応じて開閉する圧力スイッチのシール部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、冷凍サイクルにおいては、冷媒圧力の異常上昇による冷媒配管の損傷や、コンプレッサオイル漏れによる圧縮機の焼き付きを防止するために、或は、これらに加えて、熱交換器のファンのオンオフ状態を切り換えるために、圧縮機の吐出側の冷媒圧力に応じてオンオフ状態が切り換わる、2動作型や3動作型の圧力スイッチを用いている。
【0003】
このような状況で用いることができる圧力スイッチでは、一般に、筒状を呈するスイッチボックスの内部に、外部から加わる力の変化に応じて発生するスナップ動作により反転する反転板を収容して、スイッチボックスの一方の環状端面に張設されたダイヤフラムの一方の面を反転板に接触させると共に、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を外側から嵌着して、ダイヤフラムの他方の面に臨む圧力室を継手の内部に画成させている。
【0004】
そして、圧力室に導入される冷凍サイクルの冷媒の圧力により、ダイヤフラムを変位させ、ひいては、その変位により反転板を反転させて、この反転板の反転状態に応じて、スイッチボックスの内部に収容したメカスイッチを開閉させている。
【0005】
また、上述したような圧力スイッチでは、圧力室内に導入した冷媒が、スイッチボックスと継手との嵌着部分からスイッチボックスの外部にリークすると、冷凍サイクルの冷媒圧力に応じてダイヤフラムを変位させることができなくなるので、そうならないように、ダイヤフラムと継手との間で挟持させた環状のシール部材によって、圧力室とスイッチボックスの外部との間をシールしている。
【0006】
尚、上述したように一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を外側から嵌着しつつ、ダイヤフラムと継手との間に環状のシール部材を挟持させるとなると、ダイヤフラム自身は薄膜でありシール部材を挟持するだけの硬度を有していないので、実際には、このダイヤフラムが張設されるスイッチボックスの一方の環状端面と継手とによって、ダイヤフラムもろともシール部材を挟持することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を外側から嵌着して、一方の環状端面と継手とによりダイヤフラムもろともシール部材を挟持すると、ダイヤフラムの一方の面にはシール部材が圧接し他方の面にはスイッチボックスの一方の環状端面が密着すると共に、スイッチボックスに対する継手の取り付けが外側からの嵌着であることから、この嵌着部分においてはスイッチボックスの外周面に継手が圧接することになる。
【0008】
そのため、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を外側から嵌着する際に、シール部材の外側と継手との間に空気が存在していると、その空気は、シール部材と継手との間から圧力室側に抜けることができず、かといって、スイッチボックスと継手との嵌着部分からスイッチボックスの外部に抜けることもできず、その結果、シール部材の外側と継手との間に存在する空気は、スイッチボックスに継手を嵌着した後にも依然として蓄積されたままとなる。
【0009】
しかも、一方の環状端面と継手とによりダイヤフラムもろともシール部材を挟持するために、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を外側から嵌着する際には、シール部材をかなり押しつぶすようなことになるが、そうすると、シール部材の外側と継手との間に蓄積された空気が圧縮されてその圧力が高まり、その空気圧が外側からシール部材に作用するので、シール部材を内側に変形させてしまい、圧力室とスイッチボックスの外部との間におけるシール度を損ねてしまう恐れがある。
【0010】
また、圧力スイッチが高温の雰囲気下に配置されると、その熱によってシール部材の外側と継手との間に存在する空気が膨張し、一方、圧力室内の冷媒圧力が上昇して圧力室内の冷媒からシール部材の内側部分に加わる圧力が高まると、シール部材が外方に変形してシール部材の外側と継手との間に存在する空気が圧縮され、どちらにしても、シール部材の外側と継手との間に蓄積された空気の圧力が高まって、シール部材を内側に変形させてしまい、圧力室とスイッチボックスの外部との間におけるシール度を損ねてしまう恐れがある。
【0011】
そして、以上は、高低の2動作型の圧力スイッチにも、高中低の3動作型の圧力スイッチにも、共通する問題であった。
【0012】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、スイッチボックスに継手を外側から嵌着するのに伴って、スイッチボックスの一方の環状端面に張設されたダイヤフラムと継手とにより、一方の環状端面に対応する環状を呈するシール部材を挟持させて、シール部材の内側とスイッチボックスの外部との間をシールさせるに当たり、シール部材の外側と継手との間に存在した空気が継手をスイッチボックスに外側から嵌着した後にも、どこにも逃げ道がないために蓄積されてしまうのを、確実に防止することができる圧力スイッチのシール部構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造は、筒状を呈しており一方の環状端面寄りの外周面部分に環状の突出部が膨出されたスイッチボックスと、有底の筒状を呈しており開放された端部側に大径部が、閉塞された底部側に小径部がそれぞれ形成された継手とを有し、前記スイッチボックスを前記環状端面側から前記継手の内部に挿入して前記小径部と前記大径部とによる段差に前記突出部を突き当てた状態で、前記継手の開放端寄り部分の薄肉部を前記突出部に沿って折り曲げカシメ止めしてスイッチボックスの環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を取り付け固定し、前記一方の環状端面側に配されたダイヤフラムと前記小径部に配された環状のシール部材とを前記一方の環状端面と前記継手の底面との間に挟持して、前記シール部材により、前記ダイヤフラム及び前記継手によって画成される圧力導入用空間と前記スイッチボックスの外側との間をシールした圧力スイッチにおいて、
前記スイッチボックス及び前記継手のうち少なくとも一方に形成され、前記シール部材の外周面と前記継手の前記小径部の内壁で形成される空隙と前記スイッチボックスの外部とを連通させる排気通路を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造は、請求項1記載の圧力スイッチのシール部構造において、前記排気通路は、前記スイッチボックスの外側から前記空隙に至るように前記突出部に形成された凹溝を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項3に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造は、請求項1記載の圧力スイッチのシール部構造において、前記排気通路は、前記スイッチボックスの外部と連通された前記スイッチボックスの内部空間に前記空隙を連通させるように前記スイッチボックスに形成した通孔を有することを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、小径部と大径部とによる段差に突出部を突き当てた状態で、継手の開放端寄り部分の薄肉部を突出部に沿って折り曲げカシメ止めしてスイッチボックスの環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を取り付け固定し、一方の環状端面側に配されたダイヤフラムと小径部に配された環状のシール部材とを一方の環状端面と継手の底面との間に挟持して、ダイヤフラム及び継手によって画成される圧力導入用空間とスイッチボックスの外側との間をシール部材によりシールすることによって、シール部材の外周面と継手の小径部の内壁で形成される空隙とスイッチボックスの外部とを、スイッチボックス及び継手のうち少なくとも一方に形成され排気通路が連通させるので、空隙内の空気は排気通路を介してスイッチボックスの外部に排出される。
【0019】
このため、空隙内に蓄積された空気が圧縮され、その圧力によりシール部材を内側に変形させ、ダイヤフラム及び継手によって画成される圧力導入用空間とスイッチボックスの外部との間におけるシール度を損ねてしまうのを、確実に防止することが可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、排気通路は、スイッチボックスの外側から空隙に至るように突出部に形成された凹溝を有するので、突出部に形成された凹溝を介して空隙内の空気はスイッチボックスの外部に排出される。
【0021】
したがって、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分の突出部にその表面から凹溝を形成するだけで、貫通孔等の加工に手間がかかる構造をスイッチボックスに形成せずに、空隙とスイッチボックスの外部とを連通させる排気通路を容易に形成することが可能となる。
【0022】
さらに、請求項3に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、排気通路は、スイッチボックスの外部と連通されたスイッチボックスの内部空間に空隙を連通させるようにスイッチボックスに形成した通孔を有するので、スイッチボックスに形成した通孔及びスイッチボックスの内部空間を介して空隙内の空気はスイッチボックスの外部に排出される。
【0023】
したがって、スイッチボックスの内部空間に空隙を連通させるように通孔をスイッチボックスに形成するだけで、空隙をスイッチボックスの外部と連通させることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による圧力スイッチのシール部構造の第1実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。
【0028】
図1は本発明の第1実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図であり、図1中引用符号1で示す圧力スイッチは、例えば、冷凍サイクルの冷媒通路に接続して使用される。
【0029】
そして、圧力スイッチ1は、スイッチボックス3、中圧スイッチ5、高低圧スイッチ7、高圧反転板受け9、高圧反転板11、中圧反転板受け13、中圧反転板15、皿ばね17、ダイヤフラム19、継手21、角リング23等を備えている。
【0030】
前記スイッチボックス3は、図1中上端が略閉塞され下端に開口を有する有底の円筒状を呈しており、略閉塞された閉塞端面3b(請求項中の他方の環状端面に相当)の外側には、筒状のコネクタハウジング3aが連設されていて、閉塞端面3bには、4つの端子孔3b1 〜3b3 (図1においては断面図である関係上、1つの端子孔の図示を省略している)が、2つずつ対向して配置されるように形成されている。
【0031】
また、スイッチボックス3の開口を有する開放端面3c(請求項中の一方の環状端面に相当)寄りの外周面部分には、環状の突出部3d(請求項中の被係合部に相当)が膨出形成されており、スイッチボックス3の内部は、閉塞端面3b寄りが小径部3e、開放端面3c寄りがこの小径部3eよりも大きい内径の大径部3fに形成されている。
【0032】
さらに、前記突出部3dのうちスイッチボックス3の周方向における一部の箇所には、図2にスイッチボックス3の正面図で示すように、スイッチボックス3の中心軸方向に延在し、閉塞端面3b側から開放端面3cよりも少し閉塞端面3b側寄りの箇所までに亘る全長の凹溝3gが形成されていて、この凹溝3gは、突出部3dよりも閉塞端面3b側のスイッチボックス3部分の外周面に底面が連続するような深さで形成されている。
【0033】
そして、図1に示すように、前記小径部3e及び大径部3fにより、前記中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7等を収容するための内部空間Bが、スイッチボックス3の内部に画成されている。
【0034】
前記中圧スイッチ5は、スイッチボックス3の小径部3eに収容されていて、閉塞端面3b側に配置された可撓性の可動接点板5aと、この可動接点板5aよりも開放端面3c側に可動接点板5aと接触して配置された固定接点5bとにより、常閉型に構成されている。
【0035】
そして、可動接点板5a及び固定接点5bの基部側には、閉塞端面3bの対向する2つの端子孔3b1 ,3b2 に可動接点板5a及び固定接点5bの基部を各々圧入することで、これら各端子孔3b1 ,3b2 を挿通してコネクタハウジング3aの内部に延出する端子5c,5dが連接されている。
【0036】
前記高低圧スイッチ7は、スイッチボックス3の小径部3eであって中圧スイッチ5よりも大径部3f寄り部分に収容されていて、閉塞端面3b側に配置された可撓性の第1可動接点板7aと、この第1可動接点板7aよりも開放端面3c側に第1可動接点板7aから離間して配置された可撓性の第2可動接点板7bとにより、常開型に構成されている。
【0037】
そして、第1可動接点板7a及び第2可動接点板7bのうち一方の基部側には、閉塞端面3bの端子孔3b3 を挿通しコネクタハウジング3aの内部に延出する端子7cが連設されている。
【0038】
そして、端子孔3b3 に挿通される端子7cの一方の面には、図3に展開状態の平面図で示すように、全体で格子状を呈する複数のV溝7c1 が刻設されており、図4に要部拡大断面図で示すように、端子孔3b3 に端子7cを挿通した状態で、端子孔3b3 の内周面と、この内周面に圧接する端子7cの基部における一方の面のV溝7c1 とにより、閉塞端面3bを介してスイッチボックス3の外部と前記内部空間Bとを連通させる僅かな間隙S1が画成されている。
【0039】
また、図1においては断面図である関係上図示を省略しているものの、第1可動接点板7a及び第2可動接点板7bのうち他方の基部側にも、閉塞端面の端子孔3b3 に対向する図1中での図示を省略したもう一つの端子孔を挿通してコネクタハウジング3aの内部に延出する端子が連設されており、この端子の基部における一方の面にも、もう一つの端子孔の内周面と協働してスイッチボックス3の外部と内部空間Bとを連通させる僅かな間隙S1を画成するV溝(図示せず)が刻設されている。
【0040】
尚、上述した第1可動接点板7aには、スイッチボックス3の中心線上に位置するように通孔(図示せず)が形成されされており、第2可動接点板7bには、第1可動接点板7aの通孔よりも大きい内径で、スイッチボックス3の中心線上に位置するように通孔(図示せず)が形成されている。
【0041】
前記高圧反転板受け9は、耐熱性に優れた合成樹脂により、スイッチボックス3の大径部3fに収容可能で小径部3eよりも大きい外径の略円盤状に形成されており、高圧反転板受け9の一方の端面には円筒状のボス部9aが形成され、他方の端面には、高圧反転板受け9の外方に凸状の姿勢で、複数枚の金属薄板を重ねた円板状の高圧反転板11が収容されている。
【0042】
この高圧反転板11の凹面側の中央部には、筒状を呈する高圧スイッチ駆動体11aが突設されており、この高圧スイッチ駆動体11aの先端は、高圧反転板受け9の中央部を貫通してボス部9aの内部を挿通し、さらに、高低圧スイッチ7の第2可動接点板7bの不図示の通孔を挿通して、第1可動接点板7aに間隔をおいて臨んでいる。
【0043】
この高圧反転板受け9は、ボス部9aを閉塞端面3b側に向けてスイッチボックス3の開口から大径部3fに収容されて、この大径部3f内にスイッチボックス3の中心軸方向に移動可能に支持されていると共に、高低圧スイッチ7よりも大径部3f寄りの小径部3e箇所に配置された前記皿ばね17により、閉塞端面3b側から開放端面3c側に移動する向きに付勢されている。
【0044】
そして、高圧反転板受け9を大径部3fに収容した状態で、高圧反転板受け9の一方の端面は、小径部3eと大径部3fとの段差から若干開放端面3c側に離間した箇所に位置しており、また、ボス部9aの先端は、高低圧スイッチ7の第2可動接点板7bのうち不図示の通孔の周縁部分に当接している。
【0045】
前記中圧反転板受け13は、高圧反転板受け9と同様に、耐熱性に優れた合成樹脂により、スイッチボックス3の大径部3fに収容可能で小径部3eよりも大きい外径の略円盤状に形成されており、中圧反転板受け13の一方の端面で、中圧反転板受け13の中央から高圧反転板11の外径よりも小さい寸法の円周上に位置する端面部分には、環状の当接部13aが突設されている。
【0046】
一方、中圧反転板受け13の他方の端面には、中圧反転板受け13の外方に凸状の姿勢で、複数枚の金属薄板を重ねた円板状の中圧反転板15が収容されており、この中圧反転板15は、高圧反転板11が反転するのに必要とする外力よりも小さい力で反転するように構成されていると共に、皿ばね17による高圧反転板受け9の付勢力を上回る外力が加わらないと、反転しないように構成されている。
【0047】
この中圧反転板受け13は、当接部13aを閉塞端面3b側に向けて、スイッチボックス3の開口から、高圧反転板受け9及び高圧反転板11が既に収容されている大径部3fに収容されて、大径部3f内にスイッチボックス3の中心軸方向に移動可能に支持されている。
【0048】
そして、中圧反転板受け13を大径部3fに収容した状態で、中圧反転板受け13の当接部13aは、高圧反転板受け9に収容された高圧反転板11に当接し、これにより中圧反転板受け13は、高圧反転板受け9から若干開放端面3c側に離間した箇所に位置している。
【0049】
尚、中圧反転板15の凹面側の中央部には、棒状を呈する中圧スイッチ駆動体15aが突設されており、この中圧スイッチ駆動体15aの先端は、中圧反転板受け13及び高圧反転板11の中央部を貫通し、さらに、高圧スイッチ駆動体11aの内部を挿通して、中圧スイッチ5の可動接点板5aに間隔をおいて臨んでいる。
【0050】
前記ダイヤフラム19は、ポリイミド等の樹脂により形成されており、中圧反転板15よりも外側に位置する中圧反転板受け13の他方の端面部分や、中圧反転板15の凸面が当接するように、スイッチボックス3の開放端面3cに張設されている。
【0051】
前記継手21は、有底の円筒状を呈しており、この継手21の内部には、継手21の開放された端部側に位置する大径部21aと、継手21の閉塞された端部側に位置する小径部21bとが形成されており、大径部21aは、スイッチボックス3の突出部3dに対応する内径で形成され、小径部21bは、突出部3dよりも開放端面3c寄りのスイッチボックス3部分に対応する内径で形成されている。
【0052】
また、継手21の底面21cには、中圧反転板15に当接しているダイヤフラム19部分との緩衝を避けるために、略円錐状の逃げ面21dが形成されており、継手21の底部には、冷凍サイクルの冷媒通路(図示せず)に螺着される小径の取付部21eが連設されていて、この取付部21eには、逃げ面21dに連なり継手21の内部と外部とを連通する圧力導入孔21fが貫設されている。
【0053】
さらに、継手21の開放端寄りの外周面部分には、継手21をスイッチボックス3に取り付けるための薄肉部21g(請求項中の係合部に相当)が形成されている。
【0054】
前記角リング23は、例えば、軟質ゴム等の弾性を有する部材により形成されていて、断面矩形の環状を呈しており、角リング23の外径は、継手21の小径部21bの内径よりも若干小さい寸法で形成されている。
【0055】
このように形成された第1実施形態の圧力スイッチ1は、次のように動作する。
【0056】
まず、ダイヤフラム19と継手21とにより画成される圧力室A(圧力導入用空間に相当)内に圧力導入孔21fから導入される、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力の上昇により、ダイヤフラム19が中圧反転板受け13や中圧反転板15側に変位すると、これら中圧反転板15や中圧反転板受け13が高圧反転板11側に変位し、高圧反転板11と共に高圧反転板受け9が皿ばね17の付勢力に抗して、圧力室A側から高低圧スイッチ7側に変位する。
【0057】
すると、高圧反転板受け9のボス部9aにより高低圧スイッチ7の第2可動接点板7bが第1可動接点板7a側に押圧されて、開放状態である高低圧スイッチ7が閉成する。
【0058】
次に、この状態から圧力室A内の冷媒圧力がさらに上昇し、ダイヤフラム19が中圧反転板受け13や中圧反転板15側にさらに変位すると、中圧反転板15が中圧反転板受け13側に凸状となるように反転し、中圧反転板15の中圧スイッチ駆動体15aにより、中圧スイッチ5の可動接点板5aが押圧されて固定接点5bから離間し、これにより、閉成状態である中圧スイッチ5が開放する。
【0059】
さらに、この状態から圧力室A内の冷媒圧力がまた上昇し、ダイヤフラム19が中圧反転板受け13や中圧反転板15側にさらに変位すると、中圧反転板受け13がダイヤフラム19から直接押圧されて高圧反転板11側に変位し、高圧反転板11が高圧反転板受け9側に凸状となるように反転する。
【0060】
すると、高圧反転板11の高圧スイッチ駆動体11aにより、高低圧スイッチ7の第1可動接点板7aが押圧されて第2可動接点板7bから離間し、これにより、閉成状態である高低圧スイッチ7が開放する。
【0061】
尚、圧力導入孔21fから導入される圧力室A内の冷媒圧力が降下すると、上述したのと反対の動作が行われる。
【0062】
そして、第1実施形態の圧力スイッチ1を組み付ける際には、まず、中圧スイッチ5、高低圧スイッチ7、皿ばね17、高圧反転板11を収容した高圧反転板受け9、並びに、中圧反転板15を収容した中圧反転板受け13が内部空間Bに順次収容されたスイッチボックス3の開放端面3cに、ダイヤフラム19を張設した状態で、このスイッチボックス3を、小径部21bに角リング23を配置した継手21に、大径部21aと小径部21bとによる段差に突出部3dが突き当たるまで、開放端面3c側から継手21の内部に挿入する。
【0063】
すると、角リング23の一方の端面がダイヤフラム19の外周縁部に当接し、この状態で、継手21の薄肉部21gをスイッチボックス3の突出部3dに沿って折り曲げカシメると、薄肉部21gの先端寄り部分が突出部3dに密着して、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に継手21が取り付け固定される。
【0064】
このようにしてスイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に継手21を外側から取り付け固定した状態では、ダイヤフラム19と継手21とにより角リング23の内側に圧力室Aが画成されると共に、スイッチボックス3の開放端面3cと角リング23の一方の端面とによりダイヤフラム19が圧搾挟持され、これにより、継手21の底面21cに角リング23が圧接して、突出部3dに対する薄肉部21gのカシメ部分において圧力室Aがスイッチボックス3の外部からシールされる。
【0065】
また、スイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に継手21を外側から取り付け固定した状態では、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間や、スイッチボックス3の突出部3dの外周面と継手21の薄肉部21gのうち折り曲げられていない部分の内周壁との間に、図5に要部拡大断面図で示すように、僅かな間隙S3,S5が各々形成され、これら各間隙S3,S5は、薄肉部21gの先端寄り部分が突出部3dに密着していることから、基本的にはスイッチボックス3の外部から遮蔽される。
【0066】
しかし、凹溝3gが形成された突出部3d部分においては、この凹溝3gにより薄肉部21gが突出部3dに密着せず両者間に間隙S7が形成されて、この間隙S7がスイッチボックス3の外部と連通すると共に前記各間隙S3,S5とも連通することから、これら各間隙S3,S5は間隙S7を介してスイッチボックス3の外部と連通することになる。
【0067】
以上の説明からも明らかなように、この第1実施形態においては、角リング23と継手21の小径部21bとの間隙S3、スイッチボックス3の突出部3dと継手21の薄肉部21gとの間隙S5、及び、凹溝3gが形成された突出部3d部分と薄肉部21gとの間隙S7により、請求項中の排気通路が構成されており、また、凹溝3gが形成された突出部3d部分と薄肉部21gとの間隙S7が、請求項2における、シール部材の外周面及びスイッチボックスの外部の双方と連通する間隙に相当している。
【0068】
このように第1実施形態の圧力スイッチ1によれば、角リング23が小径部21bに配置された継手21の大径部21aを、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に外側から被せ、スイッチボックス3の突出部3dに沿って継手21の薄肉部21gを折り曲げカシメてスイッチボックス3に継手21を外側から取り付け固定することで、スイッチボックス3の開放端面3cと角リング23とによりダイヤフラム19を挟持させるに当たり、次のような構成を採用した。
【0069】
即ち、スイッチボックス3の突出部3dに凹溝3gを形成し、この凹溝3gが形成された突出部3d部分と薄肉部21gとの間に形成される間隙S7を介して、角リング23と継手21の小径部21bとの間隙S3や、スイッチボックス3の突出部3dと継手21の薄肉部21gとの間隙S5が、スイッチボックス3の外部と連通するように構成した。
【0070】
このため、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に継手21を取り付け固定する際に、上述した各間隙S3,S5内に空気が存在していても、その空気を、凹溝3gが形成された突出部3d部分と薄肉部21gとの間隙S7を介してスイッチボックス3の外部に排出させ、スイッチボックス3への継手21の取り付け固定後に各間隙S3,S5内に蓄積されたまま残ることがない。
【0071】
よって、各間隙S3,S5内に蓄積された空気の圧力が角リング23に外側から作用して角リング23が内側に変形し、その影響で、スイッチボックス3の外部に対する圧力室Aのシール度が損ねられて、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力に応じて中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7を正しく開閉させることができなくなってしまうのを、防止することができる。
【0072】
しかも、突出部3dに形成する凹溝3gが、突出部3dの表面から加工できる簡易なものであって、スイッチボックス3の内部に形成するような加工に手間のかかるものではないことから、その分、各間隙S3,S5をスイッチボックス3の外部と連通させるための構造を容易に得ることができる。
【0073】
次に、本発明による圧力スイッチのシール部構造の第2実施形態を、図6及び図7を参照して説明する。
【0074】
図6は本発明の第2実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図、図7は同要部拡大断面図であり、図6及び図7において図1及び図5と同一の部材、部分には、それらの図面で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0075】
そして、図6中引用符号1Aで示す圧力スイッチは、スイッチボックス3の突出部3dに形成されていた凹溝3gが省略されている代わりに、この凹溝3gと同様に、スイッチボックス3の周方向における一部の箇所に突出部3dと、この突出部3dよりも開放端面3c寄りのスイッチボックス3の外周面箇所とに跨る部分から大径部3fに亘って、スイッチボックス3をその径方向に貫通し、スイッチボックス3の外側と内部空間Bとを連通させる通孔3hが形成されている点が、第1実施形態の圧力スイッチ1とは構成が異なっており、その他の点については、第1実施形態の圧力スイッチ1と同様に構成されている。
【0076】
このように構成された第2実施形態の圧力スイッチ1Aでは、継手21の薄肉部21gをスイッチボックス3の突出部3dに沿って折り曲げカシメて、スイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に継手21を外側から取り付け固定すると、図7に示すように、スイッチボックス3の突出部3dの外周面と継手21の薄肉部21gのうち折り曲げられていない部分の内周壁との間隙S5が通孔3hと連通すると共に、この間隙S5を介して、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3も通孔3hと連通する。
【0077】
したがって、スイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に継手21を外側から取り付け固定した状態で、上述した各間隙S3,S5は、通孔3hを介してスイッチボックス3の内部空間Bと各々連通し、さらに、この内部空間Bから、閉塞端面3bの端子孔3b3 と端子7cの基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1を介して、スイッチボックス3の外部と各々連通することになる。
【0078】
即ち、この第2実施形態においては、中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7が請求項中の開閉スイッチに相当し、閉塞端面3bの端子孔3b3 と端子7cの基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1が、請求項中の間隙に相当することになる。
【0079】
尚、高低圧スイッチ7の端子7cを閉塞端面3bの対応する各端子孔3b3 に挿通した状態で、この端子7c端子孔3b3 との間には、閉塞端面3bを介してスイッチボックス3の外部と前記内部空間Bとを連通させる僅かな間隙S1が各々形成される。
【0080】
以上の説明からも明らかなように、第2実施形態の圧力スイッチ1Aでは、閉塞端面3bの端子孔3b3 と高低圧スイッチ7の端子7cの基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1、スイッチボックス3の通孔3h、及び、内部空間Bにより、請求項中の排気通路が構成されている。
【0081】
このような構成による第2実施形態の圧力スイッチ1Aによっても、第1実施形態の圧力スイッチ1と同様に、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に継手21を取り付け固定する際に、上述した各間隙S3,S5内に空気が蓄積されて残り、その空気の圧力が角リング23に外側から作用して角リング23の変形を招き、その影響で、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力に応じて中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7を正しく開閉させることができなくなってしまうのを、防止することができる。
【0082】
しかも、この第2実施形態の圧力スイッチ1Aによれば、スイッチボックス3の軸方向における突出部3dの寸法に対して、この突出部3dが形成されたスイッチボックス3部分における肉厚、つまり、スイッチボックス3の径方向における突出部3dから大径部3fまでの寸法が短ければ、その分、各間隙S3,S5をスイッチボックスの外部と連通させるためにスイッチボックス3に新たに施す加工の度合いを少なく済ませることができる。
【0083】
尚、突出部3dの開放端面3c側の端面と、継手21の大径部21aと小径部21bとによる段差面とが密着し、これによって、スイッチボックス3の突出部3dの外周面と継手21の薄肉部21gのうち折り曲げられていない部分の内周壁との間隙S5が、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3に対して遮蔽されている場合は、第2実施形態の圧力スイッチ1Aのように、突出部3dと、この突出部3dよりも開放端面3c寄りのスイッチボックス3の外周面箇所とに跨るように通孔3hを形成する必要はなく、突出部3dよりも開放端面3c寄りのスイッチボックス3の外周面箇所のみに通孔3hが開口するように形成すれば十分である。
【0084】
そのように通孔3hを形成しても、角リング23に外側から作用して角リング23を内側に変形させる原因となる、上述した間隙S3に存在する空気は、通孔3hや内部空間B、及び、閉塞端面3bの上述した間隙S1等を介してスイッチボックス3の外部に排出されることになり、間隙S3に対して遮蔽されている間隙S5には空気が蓄積されていたとしても、角リング23に外側から変形させるようには作用しないことから、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力に応じて中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7を正しく開閉させることができなくなってしまうのを、防止することができる。
【0085】
そして、上述のように構成した場合にも、閉塞端面3bの端子孔3b1 と高低圧スイッチ7の端子7aの基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1、スイッチボックス3の通孔3h、及び、内部空間Bにより、請求項中の排気通路が構成されることになる。
【0086】
また、上述したように、間隙S5が間隙S3に対して遮蔽されている場合は、スイッチボックス3の突出部3dに通孔3hを貫設する代わりに、図8の要部拡大断面図中に引用符号1Bで示す、本発明の第3実施形態に係る圧力スイッチのように、スイッチボックス3の開放端面3cのうち、スイッチボックス3の周方向における一部の箇所に、スイッチボックス3の外周面から大径部3fに亘る全長の凹溝3jを形成する構成としてもよい。
【0087】
但し、その場合には、凹溝3jの部分においてはダイヤフラム19に接触すべきスイッチボックス3の開放端面3cが存在せず、角リング23を継手21の底面21cに圧接させる力が、スイッチボックス3の開放端面3cからダイヤフラム19を介して角リング23に伝わらないことになる。
【0088】
そのため、スイッチボックス3の開放端面3cに凹溝3jを形成するに当たっては、その影響で、ダイヤフラム19乃至スイッチボックス3の開放端面3cと継手21の底面21cとによる角リング23の挟持度が低下して、角リング23による圧力室Aのシール度が低下することがないように、凹溝3jの各部寸法を設定することが望ましい。
【0089】
尚、上述のように構成された第3実施形態の圧力スイッチ1Bでは、閉塞端面3bの端子孔3b1 と高低圧スイッチ7の端子7の基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1、スイッチボックス3の凹溝3jと継手71の底面71cとの間に形成される間隙S9、及び、内部空間Bにより、請求項中の排気通路が構成されることになる。
【0090】
そして、そのように構成しても、凹溝3jと継手21の底面21cとの間に形成される間隙S9を介して、上述した間隙S3がスイッチボックス3の内部空間Bに連通し、したがって、間隙S3に存在する空気は、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に継手21を取り付け固定した後においても、上述した間隙S9や内部空間B、及び、閉塞端面3bの上述した間隙S1等を介してスイッチボックス3の外部に排出される。
【0091】
このため、角リング23の内側への変形と、その影響によって、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力に応じて中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7を正しく開閉させることができなくなってしまうのを、防止することができる。
【0092】
しかも、この第3実施形態の圧力スイッチ1Bによれば、スイッチボックス3の開放端面3cに形成するのが、第2実施形態の圧力スイッチ1Aのようにスイッチボックス3を貫通する通孔3hではなく凹溝3jであることから、第1実施形態の圧力スイッチ1において突出部3dに形成する凹溝3gと同様に、開放端面3cの表面から簡易に加工でき、その分、間隙S3をスイッチボックス3の外部と連通させるための構造を容易に得ることができる。
【0093】
次に、本発明による圧力スイッチのシール部構造の第4実施形態を、図9及び図10を参照して説明する。
【0094】
図9は本発明の第4実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図、図10は同要部拡大断面図であり、これら図9及び図10において図1及び図5と同一の部材、部分には、それらの図面で付したものと同一の引用符号を付して説明する。
【0095】
そして、図9中引用符号1Cで示す圧力スイッチは、スイッチボックス3の突出部3dに形成されていた凹溝3gが省略されている代わりに、スイッチボックス3の軸方向における突出部3dから開放端面3cまでの寸法を短くし、それによって隙間が空いたスイッチボックス3の開放端面3cとダイヤフラム19との間に、角リング23と同様に断面矩形の環状を呈するスペーサ部材25を介設した点が、第1実施形態の圧力スイッチ1とは構成が異なっており、その他の点については、第1実施形態の圧力スイッチ1と同様に構成されている。
【0096】
そして、前記スペーサ部材25(多孔質リング部材に相当)は、角リング23よりも硬度が高い、即ち、少なくとも角リング23よりも弾力が小さい、セラミックスや気泡性ゴム等の通気性を有する多孔質材料により形成されていて、このスペーサ部材25は、図10に示すように、通気性を確保するためにスペーサ部材25の内部に多数形成された細孔25a(内部孔に相当)が、外部からスペーサ部材25に加わる圧縮力によっても、スペーサ部材25の通気性が損なわれるほどには潰されないように構成されている。
【0097】
このように構成された第4実施形態の圧力スイッチ1Cでは、継手21の薄肉部21gをスイッチボックス3の突出部3dに沿って折り曲げカシメて、スイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に継手21を外側から取り付け固定すると、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3が、スペーサ部材25の細孔25aを介してスイッチボックス3の内部空間Bと連通し、さらに、この内部空間Bから、閉塞端面3bの端子孔3b3 と端子7の基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1を介して、スイッチボックス3の外部と連通することになる。
【0098】
尚、上述のように構成された第4実施形態の圧力スイッチ1Cでは、閉塞端面3bの端子孔3b3 と高低圧スイッチ7の端子7cの基部におけるV溝7c1 とにより画成される間隙S1、スイッチボックス3の内部空間B、及び、スペーサ部材25の細孔25aにより、請求項中の排気通路が構成されることになる。
【0099】
このような構成による第4実施形態の圧力スイッチ1Cによっても、第3実施形態の圧力スイッチ1Bと同様に、スイッチボックス3の開放端面3c寄りの外周面部分に継手21を取り付け固定する際に、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3内に空気が蓄積されて残り、その空気の圧力が角リング23に外側から作用して角リング23の変形を招き、その影響で、冷凍サイクルの冷媒通路を流れる冷媒の圧力に応じて中圧スイッチ5や高低圧スイッチ7を正しく開閉させることができなくなってしまうのを、防止することができる。
【0100】
しかも、第4実施形態の圧力スイッチ1Cによれば、第1実施形態の圧力スイッチ1や第3実施形態の圧力スイッチ1Bにおける凹溝3g,3jとか、第2実施形態の圧力スイッチ1Aにおける通孔3hのように、スイッチボックス3に特別の細工を施さなくても、ダイヤフラム19とスイッチボックスの開放端面3cとの間にスペーサ部材25を介設するだけで、角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3を、内部空間B等を介してスイッチボックス3の外部と容易に連通させることができる。
【0101】
尚、上述した第1実施形態の圧力スイッチ1では、凹溝3gをスイッチボックス3の突出部3d側に形成するものとしたが、継手21をスイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に外側から取り付け固定した状態で、スイッチボックス3の突出部3dと継手21の薄肉部21gとの間隙S5や、この間隙S5に連通する角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3を、スイッチボックス3の外部と連通させるための凹溝を、スイッチボックス3の突出部3dに臨む継手21の薄肉部21gの内面に形成するように構成してもよい。
【0102】
また、スイッチボックス3の突出部3dに凹溝3gを形成したり、スイッチボックス3の突出部3dに臨む継手21の薄肉部21gの内面に凹溝を形成する代わりに、継手21をスイッチボックス3の開放端面3c寄り部分に外側から取り付け固定した状態で、スイッチボックス3の突出部3dと継手21の薄肉部21gとの間隙S5や、この間隙S5に連通する角リング23の外周面と継手21の小径部21bの内周壁との間隙S3を、スイッチボックス3の外部と連通させるための貫通孔を、スイッチボックス3の軸方向に延在するように突出部3dに形成してもよい。
【0103】
さらに、上述した第2乃至第4の各実施形態の圧力スイッチ1A,1B,1Cでは、閉塞端面3bの端子孔3b3 に中圧スイッチ5の端子7cの基部を圧入した状態で、閉塞端面3bの端子孔3b3 と端子7cの基部のV溝7c1 とにより画成される間隙S1を介して、スイッチボックス3の内部空間Bと外部とが連通するように各々構成した。
【0104】
しかし、例えば、小径部3eからスイッチボックス3の外周面にかけて、スイッチボックス3の内部空間Bと外部とを連通させるための貫通孔を形成したり、閉塞端面3bの端子孔3b1 ,3b2 と可動接点版5aや固定接点5bの基部との間に間隙を画成する等、スイッチボックス3の内部空間Bと外部とを連通させる箇所は、閉塞端面3bの端子孔3b3 以外の部分であってもよいのは勿論のことである。
【0105】
さらに、上述した各実施形態では、冷凍サイクルの冷媒通路から導入される冷媒圧力の変化に応じて高低圧スイッチ5と中圧スイッチ7との2種のスイッチを開閉させる3動作型の圧力スイッチ1,1A,1B,1Cを例に取って説明したが、本発明は、冷媒圧力の変化に応じて高低圧スイッチの接点を開閉させる2動作型の圧力スイッチにも適用可能であることは言うまでもなく、さらに、冷媒以外の流体に対応して使用される圧力スイッチにも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、筒状を呈しており一方の環状端面寄りの外周面部分に環状の突出部が膨出されたスイッチボックスと、有底の筒状を呈しており開放された端部側に大径部が、閉塞された底部側に小径部がそれぞれ形成された継手とを有し、前記スイッチボックスを前記環状端面側から前記継手の内部に挿入して前記小径部と前記大径部とによる段差に前記突出部を突き当てた状態で、前記継手の開放端寄り部分の薄肉部を前記突出部に沿って折り曲げカシメ止めしてスイッチボックスの環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を取り付け固定し、前記一方の環状端面側に配されたダイヤフラムと前記小径部に配された環状のシール部材とを前記一方の環状端面と前記継手の底面との間に挟持して、前記シール部材により、前記ダイヤフラム及び前記継手によって画成される圧力導入用空間と前記スイッチボックスの外側との間をシールした圧力スイッチにおいて、前記スイッチボックス及び前記継手のうち少なくとも一方に形成され、前記シール部材の外周面と前継手の前記小径部の内壁で形成される空隙と前記スイッチボックスの外部とを連通させる排気通路を有する構成とした。
【0107】
このため、小径部と大径部とによる段差に突出部を突き当てた状態で、継手の開放端寄り部分の薄肉部を突出部に沿って折り曲げカシメ止めしてスイッチボックスの環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を取り付け固定し、一方の環状端面側に配されたダイヤフラムと小径部に配された環状のシール部材とを一方の環状端面と継手の底部の底面との間に挟持して、ダイヤフラム及び継手によって画成される圧力導入用空間とスイッチボックスの外側との間をシール部材によりシールすることによって、シール部材の外周面と継手の小径部の内壁で形成される空隙とスイッチボックスの外部とを、スイッチボックス及び継手のうち少なくとも一方に形成され排気通路が連通させるので、空隙内の空気は排気通路を介してスイッチボックスの外部に排出される。
【0108】
したがって、空隙内に蓄積された空気がシール部材を内側に変形させ、ダイヤフラム及び継手によって画成される圧力導入用空間とスイッチボックスの外部との間におけるシール度を損ねてしまうのを、確実に防止することができる。
【0109】
また、請求項2に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、前記排気通路は、前記スイッチボックスの外側から前記空隙に至るように前記突出部に形成された凹溝を有する構成とした。
【0110】
このため、突出部に形成された凹溝を介して空隙内の空気はスイッチボックスの外部に排出される。
【0111】
したがって、一方の環状端面寄りのスイッチボックス部分の突出部にその表面から凹溝を形成するだけで、貫通孔等の加工に手間がかかる構造をスイッチボックスに形成せずに、空隙とスイッチボックスの外部とを連通させる排気通路を容易に形成することができる。
【0112】
さらに、請求項3に記載した本発明の圧力スイッチのシール部構造によれば、前記排気通路は、前記スイッチボックスの外部と連通された前記スイッチボックスの内部空間に前記空隙を連通させるように前記スイッチボックスに形成した通孔を有する構成されるものとした。
【0113】
このため、スイッチボックスに形成した通孔及びスイッチボックスの内部空間を介して空隙内の空気はスイッチボックスの外部に排出される
【0114】
したがって、スイッチボックスの内部空間に空隙を連通させるように通孔をスイッチボックスに形成するだけで、空隙をスイッチボックスの外部と連通させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図である。
【図2】図1のスイッチボックスの正面図である。
【図3】図1の端子の展開状態の平面図である。
【図4】図1の圧力スイッチの要部拡大断面図である。
【図5】図1の圧力スイッチの要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図である。
【図7】図6の圧力スイッチの要部拡大断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るシール部構造を採用した3動作型の圧力スイッチの断面図である。
【図10】図9の圧力スイッチの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C 圧力スイッチ
3 スイッチボックス
3b 閉塞端面(スイッチボックスの他方の環状端面)
3b1 〜3b3 端子孔
3c 開放端面(スイッチボックスの一方の環状端面)
3d 突出
3g,3j 凹溝(排気通路)
3h 通孔(排気通路)
5 中圧スイッチ(開閉スイッチ)
5c,5d,7c 端子
7 高低圧スイッチ(開閉スイッチ)
19 ダイヤフラム
31 継手
21a 大径部
21b 小径部
21c 底面
21g 薄肉
23 角リング(シール部材
圧力室(圧力導入用空間)
B 内部空間(排気通路)
S1 間隙
S3,S5,S7 間隙(排気通路)

Claims (3)

  1. 筒状を呈しており一方の環状端面寄りの外周面部分に環状の突出部が膨出されたスイッチボックスと、有底の筒状を呈しており開放された端部側に大径部が、閉塞された底部側に小径部がそれぞれ形成された継手とを有し、前記スイッチボックスを前記環状端面側から前記継手の内部に挿入して前記小径部と前記大径部とによる段差に前記突出部を突き当てた状態で、前記継手の開放端寄り部分の薄肉部を前記突出部に沿って折り曲げカシメ止めしてスイッチボックスの環状端面寄りのスイッチボックス部分に継手を取り付け固定し、前記一方の環状端面側に配されたダイヤフラムと前記小径部に配された環状のシール部材とを前記一方の環状端面と前記継手の底面との間に挟持して、前記シール部材により、前記ダイヤフラム及び前記継手によって画成される圧力導入用空間と前記スイッチボックスの外側との間をシールした圧力スイッチにおいて、
    前記スイッチボックス及び前記継手のうち少なくとも一方に形成され、前記シール部材の外周面と前記継手の前記小径部の内壁で形成される空隙と前記スイッチボックスの外部とを連通させる排気通路を有する、
    ことを特徴とする圧力スイッチのシール部構造。
  2. 前記排気通路は、前記スイッチボックスの外側から前記空隙に至るように前記突出部に形成された凹溝を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力スイッチのシール部構造。
  3. 前記排気通路は、前記スイッチボックスの外部と連通された前記スイッチボックスの内部空間に前記空隙を連通させるように前記スイッチボックスに形成した通孔を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力スイッチのシール部構造。
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