JP2005054998A - 空気圧弁のための変形oリング式端面シール - Google Patents

空気圧弁のための変形oリング式端面シール Download PDF

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Abstract

【課題】Oリングを使用した低コストで信頼性が高い端面シールを提供すること。
【解決手段】弁アセンブリは、第1のフェース面を持つ可動弁要素を有する。第1のフェース面と共に端面シールを形成するための第2のフェース面を有する弁座が設けられ、第1のフェース面および第2のフェース面のうちの1つは、その1つのフェース面内に凹んだ空洞を含む。この空洞は周囲軸受面を有する。Oリングはこの空洞内に挿入され、周囲軸受面と接触状態の外縁部を有する。保持器を空洞内にOリングの内側に固定する。この保持器は傾斜した周縁部を有し、Oリングを周囲軸受面に対して押し付けてOリングを変形させ、周囲軸受面と傾斜した周縁部の間の空洞を実質的に埋めるようにする。Oリングの一部は、空洞の外に1つのフェース面の上部に延びて、第1と第2のフェース面の間のシールを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は一般に、弁シール(valve seal)に関し、より詳細には、空気圧弁など流体弁の面間の密閉に関する。
端面シールは、2つの実質的に平坦な表面を選択的に接触させて流体の流路を閉塞する場合に、弁内に形成される。表面は、たとえば金属または成形プラスチックで構成することができる。通常、1つの表面はオリフィスを含み、オリフィスはこの表面が接触している場合は閉じられている。密閉を増強するには、通常、弾性シールを1つの表面上で維持して、もう一方の表面上の弁座領域とオリフィスの周囲で同心状に接触するようにする。シールは、1つの表面から延び、密閉中は2つの表面の間で圧縮される。
Oリングは、様々なタイプの弁で使用される通常のタイプのシールである。Oリングは、最も一般的には、トロイダル形のゴムまたは他の弾性材料で作成される。Oリングは、しばしば円筒形の表面内の環状の溝の中に挿入されて、移動するシリンダと穴の間のシールを形成する。Oリングは、多様なサイズが市販されており、広範な特性(たとえば、温度範囲、様々な化学的環境における安定性、および弾性)を備えた多様な組成物で形成される。Oリングは広範に使用されるため、大量に製造される。したがって、Oリングは、より特殊な密閉用途のために作成される他のシールと比較して低コストである。
端面シールにOリングを使用するには、Oリングを確実に保持し、比較的高コストの機械加工または他の製造プロセスを用いない方法を見いだすのが難しいという問題がある。Oリングを配置する好ましい方法がないため、多くの弁の適用例では、周縁部を拡張した成形ゴム製円板(すなわち平座金と組合わせたOリング)など、他のシール形状が使用されている。しかし、こうした特別に成形した部品は、Oリングの5倍から10倍コストが高くなる。
標準のOリングを端面シールに使用するには、側部をアンダーカットしたシール面に溝を形成し、溝の頂部の横方向の幅を溝の底部よりも小さくし、Oリングをその溝内に捉えることができるようにする。Oリングの溝の中への挿入は、Oリングを挿入した後、(たとえば、溝が形成された金属弁本体の縁部をローリングして溝の頂部を閉鎖することによって)溝の片側または両側を適合させ、またはOリングを挿入中に変形させることによって行うことができる。しかし、ローリングは、製造プロセスの費用を追加することになり、また金属製構成部品でしか行うことができない。したがって、より低コストで軽量のプラスチック製成形部品は、この方法ではOリングと共に組み立てることができない。また、弁要素の縁部をローリングしてOリングを捉える場合、Oリングのための溝はこの要素の縁部に非常に近接していなければならない。したがって、溝の側壁の強度が制限される。
挿入中にOリングを変形させる(たとえば伸ばす)場合、挿入中に可能な変形の程度が限られているため、溝の上部の開口は、Oリングの厚さの大部分の大きさのままでなければならない。したがって、Oリングの保持は、所望されるほど確実なものではない。さらに、溝の寸法がOリングの形に簡単に一致しないため、溝内に塞がれていない空間が残る。弁が加圧された場合、弁内の高圧の流体がこの塞がれていない空間に入る可能性がある。後に弁を減圧した場合、Oリングの背後の塞がれていない空間内に入った高圧流体がOリングを溝から外し、それによってシールが損なわれることがある。
本発明は、上記の従来技術の問題を回避する、Oリングを使用した低コストで信頼性が高い端面シールを提供する利点を有する。成形構成部品が好ましいが、機械加工可能な金属弁構成部品または成形可能なプラスチック弁構成部品も使用することができる。
本発明の一態様では、弁アセンブリは、第1のフェース面(face surface)を有する可動弁要素を備える。第1のフェース面と共に端面シールを形成するための第2のフェース面(face surface)を有する弁座が設けられ、第1のフェース面および第2のフェース面のうちの1つは、その1つのフェース面内に凹んだ空洞を含む。この空洞は、周囲の軸受面を有する。Oリングはこの空洞内に挿入され、周囲の軸受面と接触状態の外縁部を有する。保持器を空洞内にOリングの内側に固定する。この保持器は、傾斜した周縁部を有し、Oリングを周囲軸受面に対して押し付けて、Oリングを変形させ、周囲軸受面と傾斜した周縁部の間の空洞を実質的に埋めるようにする。Oリングの一部は、空洞の外に1つのフェース面の上部に延びて、第1と第2のフェース面の間のシールを形成する。
図1を参照すると、弁10は、可動弁要素(movable valve element)11および固定弁要素(fixed valve element)12を備えており、固定弁要素12は弁座を提供し、矢印15で示したように可動弁要素11の位置によって制御される流体の流れ14を受けるオリフィス13を有する。Oリング16は、可動弁要素11内に捕獲され、弁座12に接触して位置する場合にシールを形成する。
Oリング16を保持するための構造は、周囲の軸受面18を備えたボウル形の空洞17を含む。組立て中は、Oリング16を空洞17内に挿入して、Oリングの外縁部が周囲の軸受面と接触するようにする。Oリング保持器19は、実質的に円板形であり、空洞17内にOリング16の内側に嵌められる。保持器19は、傾斜した周縁部20を有して、Oリング16を空洞17の周囲軸受面に対して押し付ける。Oリング16の径は、空洞17の深さよりも大きいことが好ましい。保持器19の傾斜した周縁部20と空洞17の周囲軸受面との間の平均距離も同様に、Oリング16の径よりも小さい。保持器19は、Oリング16を変形させるのに十分な力を加えて、Oリング16が周囲軸受面と周縁部20の間の空洞17の部分を実質的に埋めるようにする。この変形は、空洞17の外に弁座12に向かうOリング16の拡張をさらに大きくする。Oリング16の底面は変形して、そうでなければ空いている空洞17を埋めるため、Oリング16を定位置から外す傾向があるかなりの量の高圧流体が空洞17内に入ることは予測されない。
保持器19を、任意の適した方法で可動弁要素11に取り付けることができる。図1で示したように、ねじ穴21を保持器19内に設けて、ねじ22を受けることができる。弁要素11内のねじ付きアパーチャ23は、ねじ22をしっかりと受けて保持器19を定位置に保持する。保持器19は、たとえば、超音波溶接、接着剤、または圧入によって要素11に固定することもできる。
Oリング16が任意の鋭利な縁部と接触して損傷を受ける可能性を回避するため、保持器19の傾斜縁部20は非傾斜(たとえば垂直な円筒形の)部分24で終端する。さらに、面取り部25を空洞17の外縁部の頂部に沿って形成する。面取り部25は、空洞17の接触外縁部をやわらげる他に、密閉のためにフェース面を接触させた場合に、その中にOリング16の一部が偏位することができる空間を提供する。
傾斜周縁部20は、空洞の周囲軸受面に対して、好ましくは角度約15°〜45°、最も好ましくは約30°を形成して、Oリング16を最適に保持できるようにする。図で示したように、周囲軸受面をシール面に対して垂直にしてもよく、そうすることで、弁要素をプラスチックから成形し、さらなる変更を加えることなく使用することができるようになる。あるいは、成形プラスチック要素を機械加工して、勾配を付けた壁またはアンダーカットを提供することもできる。傾斜縁部20は、軸受面と形成する角度を約30°に維持するように適合させることが好ましい。
図2で示したように、別法で、Oリング・シールを固定(すなわち非可動の)フェース面上で保持し、可動弁要素が弁座を提供することもできる。したがって、オリフィス13と同心の回状チャネルまたは溝26が、弁要素12内に形成される。Oリング27は、Oリング27を押し付けるための傾斜した縁部を持つ座金形の保持器28によって溝26内に変形して保持される。保持器28は、接着剤29によって溝26内に固定される。
図3は、本発明のシールを用いた制御弁を示す。弁本体30は、可動弁アセンブリ32を備えた、不規則な形状の全般的に円筒形の長手方向の穴31を含む。弁本体30は、弁座33および34を備えて、それぞれOリング35および36と接触させ、第1および第2のポペットを形成する。可動アセンブリ32は、Oリング35および36を担持する弁の軸37、第1の可動要素38、両口保持器(double−ended retainer)39、第2の可動要素40、スペーサ41、および軸37のねじ付き端部と係合してアセンブリを共に保持するナット42と43を備える。穴31内のいくつかの空間は、外部の弁ポート(図示せず)に通じており、電磁弁(図示せず)を誘導圧力源(source of pilot pressure)として使用して、当技術分野で周知の方法で可動弁アセンブリ32の位置を選択的に制御することができる。
可動弁要素38および40は、それぞれOリング35および36を受けるための空洞44および45を含む。両口保持器39は、アセンブリ32をナット42および43で共に締め付けた場合に、Oリング35および36を変形させて保持する第1の円板46および第2の円板47を備える。したがって、面シール・ポペットを備えた制御弁で、低コストで信頼性が高い密閉を行うことができる。
図4〜6は、代替実施形態の可動弁要素50を示す。空洞51は、要素50の上部シール面内に形成される。この実施形態では、要素50は、機械加工されてアンダーカット52を提供する空洞51を有する金属製本体を備えることができる。穴(bore)53は、弁要素50を通って軸方向に延びる。図7および8は、Oリングを(図4〜6で示した)弁要素50の空洞51内に保持するための保持器55を示す。保持器55は、傾斜した周縁部57を持つ保持用円板56を備える。第1の軸部分58および第2の軸部分59は、円板56の反対側に延びている。
図9および10は、可動弁要素50、およびOリング54を捉えている保持器55を備えたアセンブリを示す。軸部分59は、穴52内に部分的に延びており、接着または他の周知の方法で固定することができる。他方の軸のセクション(図示せず)は、反対側から穴52内に延びることができ、たとえば完全なポペット・アセンブリが形成される。図11は、Oリング54の形が自然なトロイダル形から変形されている、図9および10のアセンブリを示す分解図である。
図12は、円板61および軸延長部62を備えたOリング保持器60の他の実施形態を示す。ねじを受ける穴63は、軸延長部62内に含まれる。図13は、弁要素64の中央穴内に挿入され、上記の実施形態と同様にOリング65を保持している保持器60を示す。弁要素64は、穴63と整列したねじ穴67を有するフランジ付き端部66を備える。ねじ68は、穴67を通過して穴63内に入り、締め付けられて保持器60を弁要素64に固定し、それによってOリング65を変形させて捉える。
図14は、本発明の好ましい方法を示す。ステップ70で、弁要素の第1のフェース面内に空洞を凹ませて、弁要素を形成する。ステップ71で、Oリングを空洞内に挿入し、空洞の周囲軸受面に接触させる。ステップ72で、保持器を空洞内に挿入して、Oリングを周囲軸受面に対して圧縮し変形させる。ステップ73で、機械的手段(たとえばねじ込み、ステーキング、圧入、溶接)または化学的接着によって、弁要素および保持器を定位置に固定する。ステップ74で、可動弁要素、Oリング、および保持器のサブアセンブリを弁座と位置合せして弁本体内に取り付ける。
本発明のOリング・シール保持器を使用する弁の第1の実施形態を示す断面図である。 本発明のOリング・シール保持器を使用する弁の第2の実施形態を示す断面図である。 本発明のOリング・シール保持器を使用する例示の弁システムを示す断面図である。 本発明による可動弁要素を示す側面図である。 図4の可動弁要素を示す側断面図である。 図4の可動弁要素を示す斜視図である。 本発明によるOリング保持器を示す側面図である。 図7の保持器を示す斜視図である。 部分的に破線で示したOリングと図7の保持器を組み立てた図4の可動弁要素を示す側面図である。 図9のアセンブリを示す斜視図である。 図9のアセンブリを示す分解図である。 代替実施形態の保持器を示す側断面図である。 図12の保持器を備えたアセンブリを示す側断面図である。 本発明の好ましい実施形態を示す流れ図である。
符号の説明
10 弁
11 可動弁要素
12 固定弁要素
13 オリフィス
14 流体の流れ
16 Oリング
17 空洞
18 周囲の軸受面
19 保持器
20 傾斜した周縁部
21 ねじ穴
22 ねじ
23 ねじ付きアパーチャ
24 非傾斜部分
25 面取り部
26 溝
27 Oリング
28 保持器
29 接着剤
30 弁本体
31 穴
32 可動弁アセンブリ
33、34 弁座
35、36 Oリング
37 軸
38 第1の可動要素
39 保持器
40 第2の可動要素
41 スペーサ
42、43 ナット
44、45 空洞
46 第1の円板
47 第2の円板
50 可動弁要素
51 空洞
52 アンダーカット
53 穴
54 Oリング
55 保持器
56 保持用円板
57 傾斜した周縁部
58 第1の軸部分
59 第2の軸部分
60 保持器
61 円板
62 軸延長部
63 穴
64 弁要素
65 Oリング
66 フランジ付き端部
67 穴
68 ねじ

Claims (17)

  1. 第1のフェース面を有する可動弁要素と、
    前記第1のフェース面と共に端面シールを形成するための第2のフェース面を有し、前記第1のフェース面および前記第2のフェース面のうちの1つが前記1つのフェース面内に凹んだ空洞を含み、前記空洞が周囲軸受面を有する、弁座と、
    前記空洞内に挿入され、前記周囲軸受面と接触状態の外縁部を有するOリングと、
    前記空洞内に前記Oリングの内側に固定され、前記Oリングを前記周囲軸受面に対して押し付ける傾斜した周縁部を有する保持器とを備え、前記Oリングが変形されて前記周囲軸受面と前記傾斜した周縁部の間の前記空洞を実質的に埋め、前記Oリングの一部が前記空洞の外側に前記1つのフェース面の上部に延びて前記第1と第2のフェース面の間のシールを形成する、弁アセンブリ。
  2. 前記保持器が、前記傾斜した周縁部に隣接する非傾斜周縁部分を有する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  3. 前記空洞が、前記周囲軸受面に隣接する面取りした縁部を含み、密閉のために前記フェース面を接触させた場合に、前記Oリングの一部が前記面取りした縁部に隣接する空間内に偏位する、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  4. 前記可動弁要素がピストンを備える、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  5. 前記可動弁要素がポペットを備える、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  6. 前記空洞が、前記可動弁要素の前記第1のフェース面内で凹んでいる、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  7. 前記可動弁要素が成形樹脂からなる、請求項6に記載の弁アセンブリ。
  8. 前記周囲軸受面が前記第1のフェース面に対して実質的に垂直である、請求項7に記載の弁アセンブリ。
  9. 前記保持器の前記傾斜した周縁部が、前記周囲軸受面から角度約30°で傾斜する、請求項8に記載の弁アセンブリ。
  10. 前記保持器が成形樹脂からなる、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  11. 前記可動弁要素および前記保持器と同軸方向に延びる弁の軸をさらに備え、前記可動弁要素および前記保持器が前記弁の軸上で共に圧縮される、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  12. 前記Oリングがトロイダル形であり、前記周囲軸受面が円筒形であり、前記保持器が円板形である、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  13. 前記Oリングが弾性材料からなる、請求項1に記載の弁アセンブリ。
  14. その中に凹んだ空洞を持つ第1のフェース面を有し、前記空洞が円筒形の周囲軸受面を有する可動弁要素と、
    前記第1のフェース面と共に端面シールを形成するための第2のフェース面を有する弁座と、
    前記空洞内に挿入され、前記周囲軸受面と接触状態の外縁部を有するOリングと、
    前記空洞内に前記Oリングの内側に固定され、前記Oリングを前記周囲軸受面に対して押し付ける傾斜した周縁部を有する円板形の保持器とを備え、前記Oリングが変形されて前記周囲軸受面と前記傾斜した周縁部の間の前記空洞を実質的に埋め、前記Oリングの一部が前記空洞の外側に前記第1のフェース面の上部に延びて前記第1と第2のフェース面の間のシールを形成する、弁アセンブリ。
  15. 第2のフェース面と共に弁座を密閉し、その中に凹んだ空洞を持つ第1のフェース面を有し、前記空洞が周囲軸受面を有する、可動弁要素を形成するステップと、
    Oリングを前記空洞内に挿入して、前記Oリングの外縁部が前記周囲軸受面に隣接するようにするステップと、
    保持器を前記空洞内に前記Oリングの内側に挿入して、前記保持器の傾斜した周縁部が前記Oリングを前記周囲軸受面に対して押し付けて、前記Oリングを変形させて、前記周囲軸受面と前記周縁部の間の前記空洞を実質的に埋めるようにし、前記Oリングの一部が前記空洞の外に前記第1のフェース面の上部に延びて前記第1と第2のフェース面の間のシールを形成するステップとを含む、弁アセンブリの端面シールを提供する方法。
  16. 前記可動弁要素および前記保持器と同軸の弁の軸を提供するステップと、
    少なくとも1つの前記可動弁要素および前記保持器を前記弁の軸上に取り付けて、前記可動弁要素および前記保持器を共に圧縮するステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記Oリングを有する前記可動弁要素および前記保持器を弁本体内に挿入して、前記Oリングが前記弁座に対して選択的に配置可能であるようにするステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
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