JPH08266253A - パスタソースの製造方法 - Google Patents

パスタソースの製造方法

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JPH08266253A
JPH08266253A JP7095912A JP9591295A JPH08266253A JP H08266253 A JPH08266253 A JP H08266253A JP 7095912 A JP7095912 A JP 7095912A JP 9591295 A JP9591295 A JP 9591295A JP H08266253 A JPH08266253 A JP H08266253A
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pasta sauce
pasta
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sauce
starch
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裕 後藤
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  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パスタソースの配合で使用する水分の30〜65
%、及び容器に充填する直前のパスタソースの全重量に
基づいて0.5〜3重量%のワキシースターチ、0.5〜3重
量%の小麦澱粉、場合により0.5〜3重量%の加工澱粉
を他のパスタソース用原料と共に用いて、70〜90℃にお
ける粘度が5,000〜20,000cpである濃縮パスタソース
を調製し、この濃縮パスタソースを容器に充填すると共
に残余の水分を容器に充填し、次いで加熱殺菌処理を行
って常温下での粘度が50〜500cpのパスタソースとす
ることを特徴とするパスタソースの製造方法、及び前記
方法で得られた容器入りのパスタソース。 【効果】 本発明の方法による場合は、各容器に具材お
よび液体部分が斑なく均一に充填され、しかも常温にお
ける粘度が50〜500cpであって、粘性のややある、ま
ろやかで、クリーミーな、うまみのある、パスタへの付
着性の良い、良好な食感を有する高品質の容器入りのク
リームタイプのパスタソースを、製品間に斑を生ずるこ
となく極めて円滑に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパスタソースの製造方法
に関する。より詳細には、本発明は、いわゆるクリーム
タイプと称されているやや粘性のあるパスタソースの製
造方法であり、本発明の方法による場合は、パスタソー
ス中の具材および液体部分が各容器に均一に充填され、
しかもまろやかで良好な口当たりを有していて、パスタ
類にかけた場合に、ソースがパスタに均一に付着して、
うまみのある、良好な食感を有する調理パスタを得るこ
とのできる、容器入りのパスタソースを円滑に製造する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】生活様式の変化や女性の社会進出などに
伴って、調理をせずにそのままでまたは暖めたりするだ
けで簡単に喫食できる食品が多く用いられるようになっ
ている。パスタソースもその例外ではなく、レトルトパ
ックや缶詰のパスタソースが近年普及している。パスタ
ソースとしては、ミートソースなどのような高粘度のも
のが従来主として用いられてきたが、消費者の嗜好の多
様化などによって、クリームスープにおけるようなやや
粘度のある、いわゆるクリームタイプのパスタソースが
近年数多く販売されるようになっている。クリームタイ
プのパスタソースは、まろやかな、うまみのある良好な
食感を有していて、パスタにかけたときにパスタにむら
なく均一に付着して、良好な食感の調理パスタが得られ
るところから、消費者に好まれ、その需要が伸びてい
る。
【0003】レトルトパックや缶詰のパスタソースの製
造に当たっては、通常、調理釜などでパスタソースをま
とめて製造し、それを調理釜の底部などから配管を経て
ポンプで輸送し、場合によってはクッションタンクなど
を経てから充填機のホッパーに入れ、次いでレトルトパ
ウチや缶などの容器に小分けして充填した後、加熱殺菌
処理する方法が採用されている。その場合に、パスタソ
ースがミートソースなどのような粘度の高いものである
場合は、調理釜での撹拌が充分であれば、ホッパーなど
への輸送時や容器への充填時に重い具材が沈降したり軽
量な油脂などが浮上するなどの問題が生じず、各容器に
具材や液体部分が均一にむらなく分配され充填された容
器入りのパスタソースが得られる。
【0004】しかしながら、クリームタイプと称される
やや粘性のあるパスタソースでは、パスタソースの製造
時に調理釜で充分に撹拌を行っても、さらにはクッショ
ンタンクや充填機のホッパーなどに撹拌装置を取り付け
て撹拌しながらパスタソースの一時貯蔵や容器への充填
を行っても、パスタソースの粘性があまり高くないこと
により、油脂などの比重の小さいものはソースの上部に
浮上し、一方野菜類や魚介類、肉類などの具材のうちで
比重の大きなものはソース下部に沈降し易い。そのた
め、調理釜の底部からパスタソースを順次配管などを通
して充填機に輸送して容器に充填する場合に、輸送開始
直後は比重の大きい具材を多く含むパスタソースが配管
を通して輸送されて容器に充填され、輸送の最終段階で
は具材が少なく液体部分の多いパスタソースが配管を通
して輸送されて容器に充填される。その結果、具材含量
の多い容器入りののパスタソースと具材含量の少ない容
器入りのパスタソースが生産されるようになり、各容器
の充填物の内容が不均一になり、製品の品質の低下や製
品への信頼性を損なう原因ともなっている。
【0005】上記したようなパスタソースの不均一な充
填をなくすために、パスタソースにおける具材と液体部
分をそれぞれ別々に各容器ごとに充填する方法が従来か
ら試みられている。しかしその場合には、具材用の充填
装置と液体部分の充填装置が必要になり設備費が高くつ
き、しかも充填作業が複雑になって、最終的には製品価
格の上昇を招く。しかも、具材と液体部分とを別々に充
填する方法の場合は、具材と液体部分を個別に調理する
ことが多いところから、パスタソース全体の食感や風味
の調整が困難になり、食感や風味の良好なパスタソース
が得られにくいという欠点がある。
【0006】また、具材と液体部分を容器に別々に充填
する上記した方法の欠点を解消することを目的として、
充填前の具材入りのスープの液体部分に馬鈴薯澱粉と化
工澱粉を含有させてスープに粘性を付与して、各容器に
具材および液体部分が均一に充填されるようにした方法
が提案されている(特開平4−71473号公報)。そ
して、この方法による場合は、スープからの具材の沈降
がある程度防止でき、不均一充填の問題はある程度解消
されるものの、馬鈴薯澱粉と化工澱粉を使用しているこ
とによって、容器に充填した後に加熱殺菌処理して得ら
れる製品にはかなり高い粘性が残っており、あまり粘度
の高くないクリームタイプのパスタソースの製造には適
さないことが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、調理
釜などからパスタソースを配管などを通して輸送する際
やパスタソースを容器に充填する際に、パスタソース中
の具材などが液体部分から沈降して分離することがな
く、各容器に具材と液体部分とを均一に充填することが
でき、しかも加熱殺菌処理によって得られる最終製品で
はやや粘性のあるクリーム状のまろやかな旨みのある良
好な食味を有し、しかもパスタ類にかけたときにパスタ
に均一に付着する、高品質のクリームタイプのパスタソ
ース、並びにその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは容器入りのクリームタイプのパスタソース
に関して、その原料面、調理方法、容器への充填方法、
充填装置などの多くの点から色々検討を重ねてきた。そ
の結果、パスタソースの配合で使用する水分の30〜6
5%を用いて且つソースへの粘性付与成分として上記し
た従来技術で用いられている馬鈴薯澱粉や化工澱粉に代
えて、ワキシースターチおよび小麦澱粉を、更に好まし
くは加工澱粉と共に使用して、最終製品におけるよりも
高い粘度を有する粘度が5,000〜20,000cp
の濃縮パスタソースをつくり、このパスタソースを容器
に充填するとパスタソース中の具材と液体部分が各容器
に斑なく均一に充填できること、そしてそのようにした
充填された容器中のパスタソースに残余の水分を加えて
加熱殺菌処理すると、常温下での粘度が50〜500c
pの、やや粘性のある、まろやかで、うまみのある良好
な食味を有するクリームタイプのパスタソースが得られ
ることを見出して本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、パスタソースの配合
で使用する水分の30〜65%、および容器に充填する
直前のパスタソースの全重量に基づいて0.5〜3重量
%のワキシースターチおよび0.5〜3重量%の小麦澱
粉を、他のパスタソース用原料と共に用いて、70〜9
0℃における粘度が5,000〜20,000cpであ
る濃縮パスタソースを調製し、この濃縮パスタソースを
容器に充填すると共に残余の水分を容器に充填し、次い
で加熱殺菌処理を行って常温下での粘度が50〜500
cpのパスタソースとすることを特徴とするパスタソー
スの製造方法である。
【0010】そして、本発明は、上記の本発明のパスタ
ソースの製造方法において、その濃縮パスタソースの製
造時に、容器に充填する直前のパスタソースの全重量に
基づいて0.5〜3重量%の加工澱粉を上記したワキシ
ースターチおよび小麦澱粉と共に用いるパスタソースの
製造方法をその好ましい態様として包含する。そして、
本発明は上記の方法で得られた容器入りのパスタソース
をも包含する。
【0011】ここで、本明細書でいう容器に充填する前
および容器に充填した後のパスタソースの粘度の値は、
下記の方法で測定したときの粘度をいう。パスタソースの粘度の測定法 : (1)70〜90℃における粘度:パスタソースを9メ
ッシュの網で漉して具を除去し、通過液を容器に入れ、
それぞれの温度の恒温槽に5分間放置し、B型粘度計
(形式BL;東京計器株式会社製)を使用して、ロータ
ー(No.4のローター)を12rpmの回転数で1分
間回転させた後の粘度を測定した。 (2)常温(25℃)における粘度:パスタソースを9
メッシュの網で漉して具を除去し、通過液を容器に入
れ、25℃の温度の恒温槽に5分間放置し、B型粘度計
(形式BL;東京計器株式会社製)を使用して、ロータ
ー(No.1のローター)を12rpmの回転数で1分
間回転させた後の粘度を測定した。
【0012】本発明でいう“パスタソース”は、容器に
充填し加熱殺菌処理して得られた最終製品の、常温(2
5℃)における粘度が50〜500cpであるパスタソ
ースであればいずれでもよく、その種類などは何ら制限
されない。したがって、本発明のパスタソースは、常温
における粘度が50〜500cpのものであれば、パス
タソース中に含まれる具材の種類、パスタソースの製造
に用いられる原料、香辛料、調味料なども何ら制限され
ず、各々のパスタソースに適したものを使用して製造す
ればよい。限定されるものではないが、本発明のパスタ
ソースでは、具材として、例えば、ニンジン、ジャガ
芋、玉ねぎ、ピーマン、カリフラワー、ブロッコリー、
タケノコなどの野菜類;シイタケ、シメジ、マッシュル
ーム、エノキダケ、マイタケ、キクラゲなどの各種キノ
コ類;トウモロコシやその他の穀類;グリンピースなど
の豆類;海草類;アサリ、シジミ、ハマグリ、ホタテガ
イ、エビ、カニ、イカ、タコ、イワシ、マグロ、サケ、
アジ、タイなどの魚介類;豚肉、牛肉、鶏肉などの畜
肉;ハム、ベーコン、ソーセージなどの畜産加工品;チ
ーズなどの乳製品などを使用することができる。また調
味料や香辛料としては、例えば、バター、サラダ油、オ
リーブ油、マーガリン、ショウガ、ニンニク、塩、コシ
ョウ、砂糖、糖密、蜂蜜などの糖類;牛乳、濃縮牛乳、
脱脂粉乳、その他の加工粉乳、練乳などの乳製品;ワイ
ン、ビール、日本酒、ブランデー、ケチャップ、ソー
ス、食酢、ワインビネガー等々の種々のものを使用でき
る。
【0013】また、本発明のパスタソースにおける具材
などの固形分の含有割合も特に制限されず、パスタソー
スの種類に応じて調節することができるが、一般に、容
器に充填された最終製品中の固形分の含有割合が約5〜
40重量%程度の範囲になるようにするのが、容器への
均一な充填が一層行われ易くなり、しかも得られるパス
タソースの食感がくどくなり過ぎず、好ましい。
【0014】本発明では、パスタソースの調理法なども
特に制限されず、パスタソースの種類や用いる材料の種
類などに応じて適当な調理法を採用することができる。
しかし、本発明では、容器に充填する前の濃縮パスタソ
ースの調理段階で、パスタソースの配合で使用する水分
の全重量に基づいて、その30〜65%の水分を使用し
て調理を行うことが必要であり、35〜60%の水分を
使用して調理を行うのが好ましい。 ここで、本発明でいう水分とは、水や湯だけでなく、水
分の多い醤油、牛乳、ワインなどの液体材料中に含まれ
ている水分をも含む。したがって、それらの液体材料に
含まれる水分を勘案して用いる。
【0015】調理時の水分の使用量がパスタソースの配
合で使用する水分の全重量に基づいて30重量%未満で
あると、パスタソースの調理時にその食味や風味の調節
がむつかしくなり、容器に充填し、残余の水分を加えて
加熱殺菌処理して得られる最終製品の食味や風味が劣っ
たものとなる。一方、調理時の水分の使用量がパスタソ
ースの配合で使用する水分の全重量に基づいて65重量
%を超えると、ワキシースターチを上記した0.5〜3
重量%および小麦澱粉を上記した0.5〜3重量%の範
囲で用いても容器に充填する直前の濃縮パスタソースの
70〜90℃における粘度を5,000cp以上にする
ことが困難になり、充填斑が生ずる。そしてその場合
に、充填直前の濃縮パスタソースの粘度を5,000c
p以上にするためにワキシースターチを3重量%を超え
る量で使用すると、その濃縮パスタソースを容器に充填
し、残余の水分を充填して加熱殺菌処理した場合に、最
終製品の常温(25℃)における粘度が高くなり過ぎ
て、50〜500cpにならず、まろやかな、うまみの
ある良好な食感を有するクリームタイプのパスタソース
が得られなくなる。
【0016】充填前の濃縮パスタソースの調製時におけ
る水分の添加は、パスタソースの種類や調理法などに応
じて、一度に添加しても、または数回に分けて行っても
よく、要するに容器に充填する前に使用した水分の合計
量がパスタソースの配合で使用する水分の全重量に基づ
いて30〜65%の範囲になっていればよい。
【0017】そして、本発明では、パスタソースを容器
へ充填するまでの段階で、パスタソースに、容器に充填
する直前のパスタソースの全重量に基づいて0.5〜3
重量%のワキシースターチおよび0.5〜3重量%の小
麦澱粉を添加して、70〜90℃における粘度が5,0
00〜20,000cpの濃縮パスタソースとする。 本発明で使用するワキシースターチは、いわゆるワキシ
ー種(もち種)の穀類から得られる澱粉であって、その
代表例としてはワキシーコーン(もちとうもろこし)か
ら得られるワキシーコーンスターチ、もち米から得られ
る澱粉、もちもろこしから得られる澱粉などを挙げるこ
とができる。そのうちでも、ワキシーコーンスターチが
入手容易性などの点から好ましい。また、本発明で使用
する小麦澱粉は、小麦から得られる澱粉であり、その製
造方法などは何ら制限されない。
【0018】そして本発明では、上記したように、ワキ
シースターチと小麦澱粉の両方を併用することが必要で
ある。ワキシースターチのみを使用した場合には、ワキ
シースターチを3重量%よりも多く使用することによっ
て充填直前の濃縮パスタソースの70〜90℃における
粘度を5,000cp以上にすることは可能であるが、
その濃縮パスタソースを容器に充填し、残余の水分を充
填して加熱殺菌処理した際に最終製品の常温(25℃)
における粘度が50cpよりも低くなってしまって、5
0〜500cpの範囲にならず、まろやかで、うまみの
ある良好な食感を有するクリームタイプのパスタソース
が得られなくなる。また、小麦澱粉のみを使用した場合
には、加熱殺菌処理後のパスタソースの常温(25℃)
における粘度が500cpよりも大幅に高くなってしま
って、50〜500cpの範囲にならず、やはり、まろ
やかでうまみのある良好な食感を有するクリームタイプ
のパスタソースが得られなくなる。
【0019】そして、ワキシースターチと小麦澱粉の両
方を併用する場合であっても、ワキシースターチの添加
量および小麦澱粉の添加量が上記した本発明の範囲から
外れると、濃縮パスタソースの70〜90℃における粘
度を5,000〜20,000cpにし、且つ加熱殺菌
処理後のパスタソースを50〜500cpの範囲にする
のが困難になる。本発明では、容器に充填する直前のパ
スタソースの全重量に基づいて1〜2.5重量%のワキ
シースターチおよび1〜2.5重量%の小麦澱粉を添加
して濃縮パスタソースを製造するのが好ましい。
【0020】そして、本発明では、濃縮パスタソースの
製造時にワキシースターチと小麦澱粉を上記した添加量
で使用すると共に、濃縮パスタソースの製造時に容器に
充填する直前の濃縮パスタソースの全重量に基づいて
0.5〜3重量%、好ましくは1〜2.5重量%の加工
澱粉を更に用いると、食感が一層滑らかになるという優
れた効果が得られる。ここでいう「加工澱粉」とは、各
種原料から得られた澱粉を、油脂、酸、アルカリ、酵
素、酸化剤、熱などを加えて加工処理した澱粉をいい、
例えば油脂加工澱粉、α化澱粉、可溶性澱粉、カルボキ
シメチル澱粉、リン酸澱粉、酸化澱粉、架橋澱粉などを
挙げることができる。それらのうちでも、本発明では加
工澱粉として架橋澱粉を用いるのが好ましい。
【0021】ワキシースターチ、小麦澱粉および好まし
く加えられる加工澱粉のパスタソースへの添加時期は、
パスタソースを容器に充填する以前の段階であればいつ
でもよいが、調理の初期の段階で添加すると、調理材料
の粘度が高くなり過ぎて調理が行いにくくなるので、パ
スタソースの調理がほぼ終了した時点でワキシースター
チを添加し、添加後しばらく撹拌しながら加熱して濃縮
パスタソースの粘度を上記した5,000〜20,00
0cpに調整し、その後に容器に充填するようにするの
が好ましい。また、ワキシースターチ、小麦澱粉および
必要により加工澱粉をパスタソースに添加するに当たっ
ては、濃縮パスタソースを製造するのに用いる上記した
30〜65重量%の水分の一部を用いてその水分にワキ
シースターチ、小麦澱粉および必要応じて加工澱粉を分
散させてパスタソースに添加するようにすると、これら
の澱粉類をパスタソース中に均一に且つ速やかに分散さ
せることができ、澱粉類の不完全な分散や未溶解による
ダマなどの発生を防止することができる。
【0022】粘度を5,000〜20,000cp(7
0〜90℃)に調整した濃縮パスタソースの容器への充
填は、従来から使用されているパスタソース類の充填装
置、充填方法を使用して行えばよく、特に制限されな
い。例えば、上記したように調理釜で調理し、粘度を
5,000〜20,000cp(70〜90℃)に調整
した濃縮パスタソースを、輸送ポンプなどを使用して配
管を経て充填機のホッパーなどに供給して各容器に充填
すればよく、その場合のホッパーは撹拌機付きのもので
あっても、または撹拌機のないものであってもよい。容
器に充填する際のパスタソースの温度は特に制限されな
いが、調理ずみの濃縮パスタソースの温度が未だ70〜
90℃の範囲にある時点で容器に充填すると、濃縮パス
タソースの粘度を上記した5,000〜20,000c
pの範囲に保つことができて具材や液体部分の充填斑が
より効果的に防止でき、しかも後述する加熱殺菌処理に
要する外部からの加熱熱量が低減でき熱効率的がよくな
るので、好ましい。また、パスタソースを充填する容器
としては、加熱殺菌処理に耐え得るものであればいずれ
でもよく、例えば、従来から使用されている各種のレト
ルトパウチ、缶詰用の缶、ビンなどを使用することがで
きる。
【0023】そして、パスタソースを容器に充填した後
に、または容器に充填すると同時に、或いはパスタソー
スを容器に充填する前に予め、容器に残余の水分(すな
わちパスタソースの配合で使用する水分の全重量に基づ
いて70〜35%の水分)を充填する。その際の水分の
温度は特に制限されないが、容器に充填される濃縮パス
タソースと同程度の温度にしておくと、容器に充填され
た濃縮パスタソースと残余の水分との混合が均一に行わ
れるので好ましい。そして、パスタソースを充填し且つ
残余の水分を充填した容器を密封する前に、または密封
と同時に、或いは密封した後に加熱殺菌処理する。加熱
殺菌処理の温度や時間はパスタソースの種類などに応じ
て調節できるが、通常、約102〜130℃の温度で、
約10〜90分間行うとよい。そして、上記の一連の工
程を行うことによって、各容器に具材および液体部分が
斑なく均一に充填された、常温(25℃)における粘度
が50〜500cpのやや粘性のある、まろやかで、ク
リーミーな、うまみのある、パスタにかけたときにパス
タによく付着する、良好な食感を有する高品質のクリー
ムタイプの容器入りのパスタソースを製品間に斑を生ず
ることなく、円滑に得ることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について具体的
に説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下
の例において%は重量%を示す。
【0025】《実施例 1》 (1) 蒸気ジャケット付きの調理釜にサラダ油13k
gを入れて撹拌加熱し、ニンニクのみじん切り5kgお
よびセロリのみじん切り16kgを加えて炒めた後、ボ
イル済みのタマネギ(10mmの角切り)80kg、ボ
イル済みのニンジン(5mm角切り)50kg、ボイル
済みのホールコーン65kgおよび加工粉乳製品65k
gを130kgの水に分散させたものを加え、更に牛乳
20kgおよび調味料と香辛料を合計40kg加え、水
を加えて全量を700kgにして90℃にまで加熱し
た。次いで、そこに小麦澱粉16kg、ワキシーコーン
スターチ23kgおよび加工澱粉(松谷化学工業株式会
社製のエーテル化架橋澱粉「パインエースNo.5」)
25kgを水128kgに分散させて加え、更にボイル
済みのアサリのむき身100kgおより白ワイン8kg
を加えて、再度90℃まで加熱して、70℃における粘
度が18,000cpの濃縮パスタソースを得た(濃縮
パスタソースの全重量に基づく小麦澱粉の添加量1.6
重量%、ワキシーコーンスターチの添加量2.3重量
%、加工澱粉の添加量2.5重量%)。 (2) 上記で得られた濃縮パスタソースを、調理釜の
底部から輸送ポンプを用いて配管を経てレトルト袋詰め
充填機(イズミフードマシナリー社製「FM4010
型」)の撹拌機付きホッパーに入れ、レトルト袋に11
3g/1袋の割合で充填し(充填時の濃縮パスタソース
の温度70℃)、次に温度80℃の熱水を72g/1袋
の割合で充填し、密封した後、温度130℃で15分間
加熱殺菌処理した。
【0026】(3) 上記(2)において、充填作業の
開始直後に得られた袋入りのパスタソース、充填作業の
中程で得られた袋入りのパスタソースおよび充填作業の
終了直前に得られた袋入りのパスタソースをそれぞれ3
個ずつ取り出して、3個のうちの1個については、パス
タソース中における具材(固形分)の含有割合を次のよ
うにして測定したところ、下記の表2に示すとおりであ
った。また、残りの2個については、通常どおりに茹で
たスパゲッティ300gに対して袋1個分のパスタソー
スをかけて、5名のパネラーに食してもらい、下記の表
1に示す評価基準にしたがってその品質を評価してもら
い、その平均値を採ったところ、下記の表2に示すとお
りであった。
【0027】パスタソース中の具材(固形分)の含有割
合の測定法:袋を開封して内容物を9メッシュの篩で漉
して、篩上に残留した具材(固形分)の重量を測定し
て、下記の式により固形分の含有割合(%)を測定し
た。
【0028】
【数1】 具材(固形分)の含有割合(%)=(B/A)×100 式中、A=1袋に充填されたパスタソースの全重量(1
40g) B=篩上に残留した具材(固形分)の重量(g)
【0029】
【表1】 [パスタソースの品質の評価基準] 評点 : 内 容 5点:パスタソース中に具材が適度に含まれており美味しく、パスタソースの 液体部分は極めてまろやかで、クリーミーで、うまみがあり、スパゲッ ティに極めて均一に付着し、極めて良好な食感である。 4点:パスタソース中に具材が適度に含まれており美味しく、パスタソースの 液体部分はまろやかで、ほぼクリーミーで、うまみがあり、スパゲッテ ィに均一に付着し、良好な食感である。 3点:パスタソース中に具材がほぼ適度に含まれておりほぼ美味しく、パスタ ソースの液体部分はややまろやかで、うまみがややあり、スパゲッティ にほぼ均一に付着し、ほぼ良好な食感である。 2点:パスタソース中に具材が少し不足しており、パスタソースの液体部分は まろやかさにやや欠け、うまみが少なく、スパゲッティへの付着がやや 悪く、やや不良な食感である。 1点:パスタソース中に具材がかなり不足しており、パスタソースの液体部分 はまろやかさに大きく欠け、うまみがなく、スパゲッティの付着が悪く、 不良な食感である。
【0030】《実施例 2》 (1) 実施例1の(1)において、小麦澱粉16k
g、ワキシーコーンスターチ23kgおよび加工澱粉2
5kgを水128kgに分散させて加える代わりに、小
麦澱粉5kg、ワキシーコーンスターチ30kgおよび
実施例1で用いたのと同じ加工澱粉5kgを水152k
gに分散させて投入して70℃における粘度が5,00
0cpの濃縮パスタソースを得た以外は、実施例1の
(1)および(2)と全く同様にして袋入りのパスタソ
ースを製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表2に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0031】《実施例 3》 (1) 実施例1の(1)において、小麦澱粉16k
g、ワキシーコーンスターチ23kgおよび加工澱粉2
5kgを水128kgに分散させて加える代わりに、小
麦澱粉30kg、ワキシーコーンスターチ5kgおよび
実施例1で用いたのと同じ加工澱粉20kgを水137
kgに分散させて投入して70℃における粘度が10,
000cpの濃縮パスタソースを得た以外は、実施例1
の(1)および(2)と全く同様にして袋入りのパスタ
ソースを製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表2に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0032】《比較例 1》 (1) 実施例1の(1)において、小麦澱粉16k
g、ワキシーコーンスターチ23kgおよび加工澱粉2
5kgを水128kgに分散させて加える代わりに、ワ
キシーコーンスターチ64kgを水128kgに分散さ
せた以外は、実施例1の(1)および(2)と全く同様
にした袋入りのパスタソースを製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表2に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0033】《比較例 2》 (1) 実施例1の(1)において、小麦澱粉16k
g、ワキシーコーンスターチ23kgおよび加工澱粉2
5kgを水128kgに分散させて加える代わりに、小
麦澱粉64kgを水128kgに分散させた以外は、実
施例1の(1)および(2)と全く同様にした袋入りの
パスタソースを製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表2に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0034】
【表2】
【0035】上記表2の結果から、パスタソースの配合
で使用する水の30〜65%および容器に充填する直前
のパスタソースの全重量に基づいて0.5〜3重量%の
ワキシーコーンスターチ、0.5〜3重量%の小麦澱粉
および場合により0.5〜3重量%の加工澱粉をパスタ
ソース用の他の原料と共に用いて、70℃における粘度
が5,000〜20,000cpである濃縮パスタソー
スを調製し、これを容器に充填すると共に残余の水を充
填し、次いで加熱殺菌処理を容器入りののパスタソース
を製造している実施例1〜3の場合には、各袋に具材お
よび液体部分が斑なく均一に充填されること、しかも得
られたパスタソースは、常温下での粘度が50〜500
cpであって、パスタソースの液体部分がまろやかで、
クリーミーで、うまみがあり、しかも茹でたパスタに良
く付着し、極めて良好な食感を有していることがわか
る。
【0036】これに対して、ワキシーコーンスターチの
みを添加した比較例1の場合は、濃縮パスタソースの粘
度を5,000〜20,000cp(70℃)の範囲に
調整しても、加熱殺菌処理後に得られる最終製品(パス
タソース)の粘度が50cp(常温)よりも低くなり、
パスタソースにまろやかさ、クリーミーさを付与できな
いことがわかる。また、小麦澱粉のみを添加した比較例
2の場合は、粘度を5,000〜20,000cp(7
0℃)の範囲に調整した濃縮パスタソースを、実施例1
におけるのと同様にして袋に充填し、残余の水を加えて
加熱殺菌処理した場合に、最終製品(パスタソース)の
粘度が500cp(常温)よりも高くなってしまい、ク
リームタイプのパスタソースが得られないことがわか
る。
【0037】《実施例 4》 (1) 蒸気ジャケット付きの調理釜にバター30kg
を入れて撹拌加熱し、ニンニクのみじん切り30kgを
加えて炒めた後、ボイル済みの赤ピーマン(5mmの角
切り)20kg、ボイル済みのニンジン(5mm角切
り)30kg、ボイル済みのタマネギ5kg、加工粉乳
100kgおよび調味料と香辛料を合計38kg加え、
水を加えて全量を617kgにして90℃にまで加熱し
た。次いで、小麦澱粉30kgとワキシーコーンスター
チ26kgを水210kgに分散させて加え、再度90
℃まで加熱混合した。これに、ボイル済みのベニザケ
(10mm角切り)80kg、白ワイン15kgおよび
ブランデー8kgを加えて撹拌混合して15,000c
p(70℃)の濃縮パスタソースを得た(濃縮パスタソ
ースの全重量に基づく小麦澱粉の添加量3.0重量%、
ワキシーコーンスターチの添加量2.6重量%)。 (2) 上記で得られた濃縮パスタソースを、調理釜の
底部から輸送ポンプを用いて配管を経て実施例1で用い
たのと同じレトルト袋詰め充填機の撹拌機付きホッパー
に入れ、レトルト袋に95g/1袋の割合で充填し(充
填時の濃縮パスタソースの温度70℃)、次に80℃の
熱水を50g/1袋の割合で充填し、密封した後、温1
30℃で18分間加熱殺菌処理した。
【0038】(3) 実施例1の(3)におけるのと同
様にして、上記(2)において、充填作業の開始直後に
得られた袋入りのパスタソース、充填作業の中程で得ら
れた袋入りのパスタソースおよび充填作業の終了直前に
得られた袋入りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り
出して、3個のうちの1個については、パスタソース中
における具材(固形分)の含有割合を実施例1と同様に
して測定したところ、下記の表3に示すとおりであっ
た。また、残りの2個については、通常どおりに茹でた
スパゲッティ300gに対して袋1個分のパスタソース
をかけて、5名のパネラーに食してもらい、上記の表1
に示す評価基準にしたがってその品質を評価してもら
い、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとお
りであった。
【0039】《比較例 3》 (1) 実施例4の(1)において、小麦澱粉44kg
とワキシーコーンスターチ26kgを水210kgに分
散させて加える代わりに、ワキシーコーンスターチ56
kgを水210kgに分散させて投入して、70℃にお
ける粘度が15,000cpの濃縮パスタソースを得た
(濃縮パスタソースの全重量に基づくワキシーコーンス
ターチの添加量5.6%)以外は実施例4と全く同様に
して、袋入りのパスタソースを製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表3に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0040】《比較例 4》 (1) 実施例4の(1)において、小麦澱粉44kg
とワキシーコーンスターチ26kgを水210kgに分
散させて加える代わりに、小麦澱粉56kgを水210
kgに分散させて投入して、70℃における粘度が1
2,000cpの濃縮パスタソースを得た(濃縮パスタ
ソースの全重量に基づく小麦澱粉の添加量5.6%)以
外は実施例4と全く同様にして、袋入りのパスタソース
を製造した。 (2) 実施例1の(3)におけるのと同様にして、上
記(1)において、充填作業の開始直後に得られた袋入
りのパスタソース、充填作業の中程で得られた袋入りの
パスタソースおよび充填作業の終了直前に得られた袋入
りのパスタソースをそれぞれ3個ずつ取り出して、3個
のうちの1個については、パスタソース中における具材
(固形分)の含有割合を実施例1と同様にして測定した
ところ、下記の表3に示すとおりであった。また、残り
の2個については、通常どおりに茹でたスパゲッティ3
00gに対して袋1個分のパスタソースをかけて、5名
のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準
にしたがってその品質を評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0041】
【表3】
【0042】上記表3の結果から、パスタソースの配合
で使用する水の53.1%および容器に充填する直前の
パスタソースの全重量に基づいて2.6重量%のワキシ
ーコーンスターチおよび3.0重量%の小麦澱粉をパス
タソース用の他の原料と共に用いて、70℃における粘
度が13,000cpであるパスタソースを調製し、こ
れを容器に充填し、更に残余の水を充填し、次いで加熱
殺菌処理を行っている実施例4の場合には、各袋に具材
および液体部分が斑なく均一に充填されること、しかも
得られたパスタソースは、常温下での粘度が350cp
であって、パスタソースの液体部分はやや粘性のある、
まろやかで、クリーミーで、うまみがあり、茹でたパス
タへの付着もよく、極めて良好な食感を有していること
がことがわかる。
【0043】これに対して、ワキシーコーンスターチの
みを添加した比較例3の場合は、濃縮パスタソースの粘
度を15,000cp(70℃)に調整しても、加熱殺
菌処理後に得られる最終製品(パスタソース)の粘度が
50cp(常温)よりも低くなり、パスタソースにまろ
やかさ、クリーミーさを付与できないことがわかる。 また、小麦澱粉のみを添加した比較例4の場合は、粘度
を12,000cp(70℃)に調整した濃縮パスタソ
ースを、実施例1におけるのと同様にして袋に充填し、
残余の水を加えて加熱殺菌処理した場合に、最終製品
(パスタソース)の粘度が500cp(常温)よりも高
くなってしまい、クリームタイプのパスタソースが得ら
れないことがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法による場合は、各容器に具
材および液体部分が斑なく均一に充填され、しかも常温
(25℃)における粘度が50〜500cpであって、
やや粘性があり、まろやかで、クリーミーで、うまみの
ある、パスタへの付着のよい、良好な食感を有する、高
品質の容器入りのクリームタイプのパスタソースを、製
品間に斑を生ずることなく、極めて円滑に得ることがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パスタソースの配合で使用する水分の3
    0〜65%、および容器に充填する直前のパスタソース
    の全重量に基づいて0.5〜3重量%のワキシースター
    チおよび0.5〜3重量%の小麦澱粉を、他のパスタソ
    ース用原料と共に用いて、70〜90℃における粘度が
    5,000〜20,000cpである濃縮パスタソース
    を調製し、この濃縮パスタソースを容器に充填すると共
    に残余の水分を容器に充填し、次いで加熱殺菌処理を行
    って常温下での粘度が50〜500cpのパスタソース
    とすることを特徴とするパスタソースの製造方法。
  2. 【請求項2】 濃縮パスタソースの製造時に容器に充填
    する直前のパスタソースの全重量に基づいて0.5〜3
    重量%の加工澱粉を更に用いる請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の方法で得られた容器
    入りのパスタソース。
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