JP2016036343A - ゲル状飲食品及びゲル状飲食品の製造方法 - Google Patents

ゲル状飲食品及びゲル状飲食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術では達成できなかった、保形性に優れ、且つ加熱処理により溶解可能なゲル状飲食品を提供する。【解決手段】下記(a)及び(b)を満たすゲル状飲食品を調製する;(a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、両者の総量が0.1質量%以上である、(b)固形分が20質量%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱処理によるゲルの溶解後に喫食されるゲル状飲食品に関し、また、加熱処理によりゲルが溶解する、ゲル状飲食品の製造方法に関する。
即席飲食品の一種として、湯を注ぐことで味噌を溶解・分散して喫食する、即席の味噌汁が知られている。これら即席の味噌汁に使用される味噌は、通常、ペースト状又は粉末状である。例えば、特許文献1には、ペースト状の味噌に関する技術として、生味噌に適量の水を加え、低温で予備加熱した後、品温70〜88℃に急速加熱して小袋に充填密封し、ついで70〜88℃の雰囲気内で2〜7分間加熱後、冷却することを特徴とする、即席味噌汁用の味噌(ペースト状)が開示されている。また、特許文献2には、粉末状の味噌に関する技術として、味噌100質量部に対して油脂3〜12質量部を添加し、味噌中に油脂を分散させた後、ドラムドライヤーにより加熱及び乾燥させた乾燥味噌が開示されている。
一方、多糖類を含有する味噌に関する技術として、特許文献3には、味噌50〜99.4重量%、即溶性増粘多糖類0.6〜6.0重量%、および水0〜49.4重量%とを含む組成物を、60〜95℃の温度に加熱した後、冷却して凝固させることにより得られる、固形味噌が開示されている。また、特許文献4には、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子粉末等の増粘多糖類を含有する味噌の充填・貯蔵方法が開示されている。
特開2000−93128号公報 特開2004−24183号公報 特開2012−130301号公報 特開平06−343413号公報
しかし、即席用味噌汁に用いられているペースト状又は粉末状の味噌は、取扱いが不便であるという問題を有している。例えば、ペースト状の味噌は、味噌を含有する容器(例えば、袋やカップ等)を開封する際や、味噌を容器から取り出す際に、味噌が飛び散ることで味噌の容量が減量するという問題や、手や衣服を汚す、味噌が容器内に残存する等の問題を有する。また、粉末状の味噌は、容器開封時に粉が舞いやすく、味噌がこぼれやすいという問題を有する。
新たな形状の味噌として、特許文献3には即溶性増粘多糖類を0.6〜6.0重量%含有する固形味噌が開示されているが、固形分が高い味噌を固形化することは非常に難しい。実際に、特許文献3に開示された即溶性寒天を用いて得られる固形味噌は、保形性が十分とは言い難く、容器から味噌を取り出す際に、外力によって変形しやすいという問題を有している。また、ポットの湯による希釈処理といった、比較的低温(約70℃)の加熱処理では、固形味噌を十分に溶解させることができず、溶け残りが生じるという問題を有している。更に、長期保存時には固形味噌から離水が生じ、味噌の風味が低下するという問題も有している。
特許文献4には、流動性を有する味噌に、組成分離防止剤・均質化剤として、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子粉末等の増粘多糖類を使用できることが開示されているが、本技術は味噌に含まれる成分を均質化することを目的としているため、増粘多糖類の添加量は約0.04%と極僅かであり、味噌を固形化するという技術的思想がない。
以上のように、固形分が高い飲食品は保形性を付与することが非常に難しく、また、保形性を付与できた場合であっても、容器への付着性が大きい、又は加熱処理によりゲルを十分に溶解させることが難しいという課題を抱えることを、本発明者らは見出した。
かかる知見に基づき、本発明では、従来技術では達成できなかった、保形性に優れ、且つ加熱処理によって容易に溶解可能なゲル状飲食品を提供することを目的とする。また、本発明では、好ましくは、容器への付着性が小さいゲル状飲食品を提供することを目的とする。更に、本発明では、保形性に優れ、且つ加熱処理によって容易に溶解可能なゲル状飲食品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記(a)及び(b)を満たすことで、常温(25℃)での保形性に優れ、且つ、加熱処理によって溶解可能なゲル状飲食品を提供できることを見出し、本発明を完成した;
(a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、両者の総量が0.1質量%以上である、
(b)固形分が20質量%以上である。
すなわち、本発明は、以下の態様を有するゲル状飲食品に関する;
項1.25℃でゲル状を呈する飲食品であって、
加熱処理による前記ゲルの溶解後に喫食され、且つ、
下記(a)及び(b)を満たす、ゲル状飲食品;
(a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、両者の総量が0.1質量%以上である、
(b)固形分が20質量%以上である。
項2.前記キサンタンガムの含量が、0.05質量%以上である、項1に記載のゲル状飲食品。
項3.少なくとも穀類、いも類、豆類、種実類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類及び調味料類からなる群から選択される一種以上の食品材料を含有し、且つ、ゲル状飲食品におけるこれら食品材料の含量が30質量%以上である、項1又は2に記載のゲル状飲食品。
項4.少なくともミネラルを含有し、ゲル状飲食品におけるミネラル含量が1000mg/100g以上である、項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
項5.更に、(c)デキストリンを含有する、項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
項6.前記ゲル状飲食品が、調味料、スープ類、ソース類又は飲料類である、項1〜5のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
本発明はまた、以下の態様を有するゲル状飲食品の製造方法にも関する;
項7.25℃でゲル状を呈し、且つ、加熱処理により前記ゲルが溶解するゲル状飲食品の製造方法であり、
水、並びに下記(a)及び(b)を含有する組成物を、
45℃以上で加熱後、冷却する工程を含む、ゲル状飲食品の製造方法;
(a)キサンタンガム及びローカストビーンガム:総量で0.1質量%以上、
(b)固形分:20質量%以上。
本発明によれば、常温での保形性に優れ、且つ、加熱処理を行なうことで容易に溶解可能なゲル状飲食品を提供できる。
実験例1で、実施例1−1のゲル状飲食品を25℃で1日間静置後、容器から取り出した時の状態を示した写真である。 実施例3−1のゲル状飲食品を37℃で3日間静置後、容器から取り出した時の状態を示した写真である。
1.ゲル状飲食品
本発明のゲル状飲食品は、(a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、両者の総量が0.1質量%以上であることを特徴とする。
本発明で用いるキサンタンガムは、キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)が産生する多糖類である。キサンタンガムの主鎖はセルロースと同様、β−D−グルコースが(1−4)結合したもので、この主鎖のアンヒドログルコースにD−マンノース、D−グルクロン酸、D−マンノースからなる側鎖が結合している。本発明で用いるローカストビーンガムは、主鎖がマンノース、側鎖がガラクトースから構成される多糖類であり、前記マンノースとガラクトースの比率は約4:1である。
本発明では、これらキサンタンガム及びローカストビーンガムを併用することを特徴とし、キサンタンガム又はローカストビーンガムを各々単独で用いた場合は、固形分が20質量%以上である飲食品に保形性を付与することができない。
本発明のゲル状飲食品は、前記キサンタンガム及びローカストビーンガムの両者を総量で、0.1質量%以上含有することを特徴とする。両者の総量が0.1質量%未満では、固形分が20質量%以上である飲食品に保形性を付与することができず、飲食品は液体状又はペースト状を呈する。液体状又はペースト状の飲食品は、例えば、飲食品を含有する容器を開封する際、又は容器から飲食品を取り出す際などに、飲食品が飛び散り、飲食品の容量が減量するという問題や、手や衣服を汚すという問題を抱える。
ゲル状飲食品における、キサンタンガム及びローカストビーンガムの総量は、0.1質量%以上であれば特に制限されず、目的とする飲食品の種類に応じて、適宜調整できる。ゲル状飲食品における、キサンタンガム及びローカストビーンガムの好ましい総量は、0.1〜1.5質量%であり、より好ましくは0.2〜1質量%、更に好ましくは0.3〜0.8質量%である。
なお、特許文献3には、味噌を含む組成物を凝固させるために、即溶性増粘多糖類を0.6質量%以上用いることが記載されているが、本発明では、キサンタンガム及びローカストビーンガムを併用することで、両者の総量が0.6質量%未満という少量であっても、保形性に優れたゲル状飲食品を提供できる。そして、両者の総量を0.6質量%未満に低減することで、ゲル状飲食品の加熱処理時の溶解性を向上させることができ、更には、容器への付着性をより一層低減することができる。
ゲル状飲食品におけるキサンタンガム含量は特に制限されないが、ゲル状飲食品の保形性を考慮すると、好ましいキサンタンガム含量は0.05〜1質量%であり、より好ましくは0.07〜0.9質量%、更に好ましくは0.12〜0.8質量%、更により好ましくは0.15〜0.5質量%である。
同様に、ゲル状飲食品におけるローカストビーンガムの含量も特に制限されないが、好ましいローカストビーンガム含量は0.03〜1質量%であり、より好ましくは0.04〜1質量%、更に好ましくは0.05〜0.8質量%、更により好ましくは0.07〜0.7質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明のゲル状飲食品はまた、キサンタンガム1質量部に対する、ローカストビーンガムの含量が0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜7質量部であることがより好ましく、0.2〜5質量部であることが更に好ましく、0.4〜4質量部であることが更により好ましい。前記範囲でキサンタンガム及びローカストビーンガムを併用することで、容器への付着性が小さいゲル状飲食品を提供できる。
本発明のゲル状飲食品は、(b)固形分が20質量%以上であることを特徴とする。
本発明において「固形分」とは、食品から水分を除いた成分の含量をいう。なお、味噌や果汁、野菜汁などの、水分を含有する食品材料を用いる場合は、前記食品材料から水分量を除いた値を固形分として算出する。
食品材料に含まれる水分量が不明である場合、又は具体的な処方が不明であるゲル状飲食品については、カールフィッシャー法(Karl Fisher’s method)を用いて食品材料又はゲル状飲食品の水分量を算出し、前記食品材料又は飲食品の全体重量から水分量を除いた値を、固形分として算出する。
ゲル化の対象となる飲食品の固形分が高くなる程、飲食品に存在する自由水が低減するため、多糖類を用いて保形性を付与することが非常に難しい。しかし、本発明では、キサンタンガム及びローカストビーンガムを総量で0.1質量%以上含有させることで、固形分が20質量%以上と高い場合であっても、良好な保形性を有するゲル状飲食品を提供することができる。
本発明のゲル状飲食品の固形分は、好ましくは20〜85質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。前記のとおり、固形分が高くなる程、飲食品に保形性を付与する(ゲル化させる)ことが難しくなるが、本発明では、キサンタンガム及びローカストビーンガムを併用することで、固形分が高い場合であっても、飲食品に保形性を付与することができる。また、本発明では、ゲル状飲食品の固形分を増加させた場合に、加熱処理による溶解性が向上するという、従来にない驚くべき知見を得た。本観点から、ゲル状飲食品の固形分は前記範囲内であることが望ましい。
また、例えば、味噌汁のように、ゲル状飲食品と湯とを混合して溶解させる場合は、ゲル状飲食品の固形分が少ないと、湯量が多い場合などに、溶解後の飲食品の風味が薄まりやすいという問題を有する。一方で、混合に用いる湯量を低減すると、溶解後の飲食品の液温が低下するという問題や、ゲル状飲食品の溶解性が低下するなどの問題がある。本観点からも、ゲル状飲食品の固形分は、前記範囲内であることが好ましい。
また、固形分が20〜35質量%であるゲル状飲食品は、固形分が35質量%を越えるゲル状飲食品と比較して、30℃、更には35℃以上といった高温条件下での保形性が低下する(例えば、保形性が維持できない)場合がある。また、保形性を維持するためにゲル化剤含量を増加させることで溶解性が低下する場合がある。しかし、本発明によれば、20〜35質量%の固形分を有するゲル状飲食品であっても、優れた保形性と優れた溶解性を兼ね備えるゲル状飲食品を提供することができる。
固形分の調整は、食品材料の含量を調整することで実施できる。本発明では特に制限されないが、食品材料として、穀類(例えば、米、麦(例えば、小麦、大麦等)、パン、麺、餅、麩等)、いも類(例えば、じゃがいも、さつまいも、蒟蒻等)、澱粉類(例えば、澱粉、葛きり、春雨、デキストリン等)、甘味料(例えば、糖類、糖アルコール、オリゴ糖、高甘味度甘味料等)、豆類(例えば、大豆、小豆、餡、豆腐、えんどう、豆乳、コーヒー豆等)、種実類(例えば、栗、銀杏等)、野菜類(例えば、葉野菜(例えば、キャベツ、ほうれん草、玉ねぎ等)、根菜(例えば、人参、大根、蕪等)、果実(例えば、かぼちゃ、トマト、コーン等)など)、果実類(例えば、梅、柑橘類、熱帯果樹、りんご、苺、桃、ぶどう等)、きのこ類(例えば、えのきたけ、きくらげ、椎茸、しめじ、まいたけ、まつたけ等)、藻類(例えば、あおさ、海苔、昆布、ひじき、もずく、わかめ等)、魚介類(例えば、白身魚、赤身魚、うなぎ、穴子、いかなご、しらす、あさり、あわび、牡蠣、しじみ、はまぐり、ほたて、海老、蟹、イカ、タコ、うに、くらげ等)、肉類(例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、ハム、ベーコン等)、卵類(例えば、うずら卵、鶏卵等)、乳類(例えば、牛乳、加工乳、濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、練乳、クリーム、発酵乳、チーズ等)、油脂類(例えば、植物油脂、動物脂、バター、マーガリン、ラード、ショートニング等)、調味料類(例えば、味噌、ソース、ケチャップ、醤油、みりん、マヨネーズ、ドレッシング、食塩、酢、だし類、ルウ、うまみ調味料、たれ、つゆ等)、香辛料類などが挙げられる。また、本発明では、食品材料として、前記食品材料の加工品(例えば、粉末品(例えば、小麦粉、米粉等)、ペースト品(例えば、野菜ピューレ等)、液体品(例えば、果汁、野菜汁等))や、繊維、多糖類、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、塩類、ビタミン、ミネラル、ココア末、コーヒー、抹茶等を用いることが可能である。
本発明では、ゲル状飲食品に用いる食品材料として、穀類、いも類、豆類、種実類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類及び調味料類からなる群から選択される一種以上の食品材料を含有し、且つ、ゲル状飲食品におけるこれら食品材料の含量が30質量%以上であっても、優れた保形性を有するゲル状飲食品を提供できる。
例えば、固形分が20質量%であっても、前記食品材料を含有し、且つ、ゲル状飲食品におけるこれら食品材料の含量が30質量%以上になると、ゲル状飲食品に保形性を付与することが非常に難しくなる。これは、食品材料中に存在する水分は、分散媒として添加する水とは異なり、多糖類の水和や溶解に寄与し難いためである。しかし、本発明では、ゲル状飲食品における前記食品材料の含量が30質量%以上、更には40質量%以上、特には70質量%以上であっても、優れた保形性を有し、且つ、溶解性にも優れた、ゲル状飲食品を提供することが可能である。ゲル状飲食品における、これら食品材料含量の上限は、特に制限されない。例えば、食品材料含量の上限として99.8質量%が挙げられ、好ましい上限は98質量%であり、より好ましい上限は95質量%である。
以上のように、穀類、いも類、豆類、種実類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類及び調味料類からなる群から選択される一種以上を30質量%以上含有させることにより、加熱処理によりゲルを溶解後、例えば、スープ類(例えば、ポタージュ、粥等)、飲料類(例えば、味噌汁、汁粉、豚汁、コーヒー飲料、ココア飲料、抹茶飲料等)、調味料類、ソース類等として喫食可能なゲル状飲食品を提供できる。
また、本発明では、ゲル状飲食品におけるミネラル含量が極めて高い場合、例えば、1000mg/100g以上、更には1200mg/100g以上、特には1500mg/100g以上であっても、高い保形性と良好な溶解性を兼ね備えるゲル状飲食品を提供できる。ミネラル含量が1000mg/100g以上といった、高いミネラル含量を有する飲食品は、従来のゲル化剤などを用いて保形性を付与することが難しい。従来のゲル化剤の中で、ミネラル含量が高い飲食品に保形性を付与することができる素材としては、例えば、寒天が挙げられる。しかし、寒天を用いた場合は、一定の保形性を有するが、溶解性に劣るという問題を有する。
かかるところ、本発明では、ミネラル含量が上記範囲に含まれる場合であっても、優れた保形性と良好な溶解性を有するゲル状飲食品を提供できる。これにより、加熱処理によってゲルを溶解後、例えば、スープ類、飲料類(例えば、味噌汁、汁粉、豚汁、コーヒー飲料、ココア飲料、抹茶飲料等)、調味料類、ソース類等として喫食可能なゲル状飲食品を提供できる。
ゲル状飲食品におけるミネラル含量の上限は特に制限されないが、例えば50000mg/100gを例示でき、好ましい上限は20000mg/100gであり、より好ましくは10000mg/100g、更に好ましくは8000mg/100gである。
本発明において、ミネラルとは、厚生労働省で定められている13元素を意味し、具体的には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、リン、鉄、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンが挙げられる。
本発明のゲル状飲食品は、更に、(c)デキストリンを含有することが好ましい。これにより、ゲル状飲食品の溶解性に大きな影響を与えることなく、保形性をより一層向上させることができる。特に、30℃以上、更には35℃といった高温条件下での保形性付与に効果を発揮する。
本発明のゲル状飲食品は固形分が高いため、処方によっては常温流通が可能である。しかし、ゲル状飲食品を常温流通させる場合において、夏場は気温が30℃を上回ることがあり、30℃以上の高温条件下でも十分な保形性を有することが望まれる。特に、固形分が20〜35質量%であるゲル状飲食品は、固形分が35質量%を越えるゲル状飲食品と比較して、30℃、更には35℃以上といった高温条件下での保形性が低下する(保形性が維持できない)場合がある。かかる点、本発明のゲル状飲食品は、(c)デキストリンを更に含有することで、高温条件下における保形性をより一層向上させることができる。
本発明で用いるデキストリンの由来原料は特に制限されない。例えば、由来原料として、馬鈴薯、タピオカ、米、もち米、小麦、コーン、ワキシーコーン等が挙げられ、好ましい由来原料は、馬鈴薯及び/又はタピオカである。デキストリンのDE値も特に制限されないが、好ましいDE値は1〜30であり、より好ましくは2〜20、更に好ましくは3〜10、更により好ましくは3〜5である。本発明では、前記由来原料及びDE値を有するデキストリンを用いることで、ゲル状飲食品の保形性を顕著に向上でき、更に、容器への付着性を低減できる。
また、本発明では、デキストリンを含有することで、ゲル状飲食品を長期保存した場合に経時劣化に伴って生じる、望ましくない風味をマスキングすることができる。
本発明のゲル状飲食品におけるデキストリン含量は特に制限されないが、好ましい含量は0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.2〜13質量%、更により好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1.5〜5質量%である。
本発明のゲル状飲食品は、25℃でゲル状を呈する飲食品であって、加熱処理による前記ゲルの溶解後に、喫食されることを特徴とする。
本明細書において「25℃でゲル状を呈する」又は「25℃でゲル状を呈し」とは、ゲル状飲食品を調製後、25℃の温度条件下にゲル状飲食品を1日間静置した場合に、ゲル状を呈している状態をいう。本明細書において、「ゲル状を呈する」又は「ゲル状を呈し」とは、ゲル状飲食品を静置後、容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)から取り出した際に、液体又はペーストのように、自重によって流れ出さず、自立している状態をいう。本発明のゲル状飲食品は、25℃でゲル状を呈することを特徴とするが、30℃でもゲル状を呈することが好ましく、35℃であってもゲル状を呈することが更に好ましい。
本発明のゲル状飲食品はまた、「ゲル状」の物性として、下記圧縮試験方法に従ってゲル状飲食品をプランジャーで圧縮し、次いでプランジャーを引き上げた場合に、形状が崩れていることなく、圧縮前の形状が保持されている状態であることが望ましい。
(圧縮試験方法)
容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)から取り出したゲル状飲食品を、一軸式の圧縮試験機(テクスチャーアナライザー)を用いて圧縮する。圧縮は、直径12.7mmの円柱型プランジャーを用いて、圧縮速度0.5mm/secで、ゲル状飲食品を4mm圧縮後、プランジャーを引き上げる。
本明細書において「加熱処理」とは、ゲル状飲食品に対して熱を加えることを意味する。加熱処理は特に制限されず、例えば、(i)湯と混合する方法、(ii)火にかける方法、(iii)電磁波を用いて加熱する方法(例えば、電子レンジ処理など)、(iv)電磁器を用いて加熱する方法(例えば、IH調理器など)、(v)赤外線を用いて加熱する方法(例えば、オーブンなど)、(vi)電熱器を用いて加熱する方法(例えば、オーブントースターなど)等が挙げられる。加熱処理における加熱温度は特に制限されないが、好ましい加熱温度は60〜250℃であり、より好ましくは65〜100℃である。
ゲル状飲食品の溶けやすさは、加熱温度や加熱方法によって異なるが、上記加熱処理中、(i)湯と混合する方法は、ゲル状飲食品との混合に起因して、湯の温度が低下するため、ゲル状飲食品を十分に溶解させることが難しい。しかし、本発明では、(i)湯と混合する加熱処理方法であっても、容易に溶解するゲル状飲食品を提供できる。特に、例えば、70〜90℃、特には70〜80℃と、比較的低温の湯(例えばポットの湯)であっても、本発明のゲル状飲食品は溶解可能であるという利点を有する。これにより、家庭や店舗などで、ポットから湯を注ぐのみで、喫食可能な飲食品を提供できる。なお、本発明のゲル状飲食品に対する、湯の量は特に制限されないが、ゲル状飲食品に対して1〜20倍量、より好ましくは5〜15倍量の湯を用いることが望ましい。これにより、ゲル状飲食品の溶解性を低下させることなく、且つ、溶解後の風味に優れる飲食品を提供できる。かかる点、本発明のゲル状飲食品は、即席ゲル状飲食品として有用性が高い。
また、本発明のゲル状飲食品は、加熱処理によりゲルを溶解した後の、飲食品の内容成分の分散安定性に優れるという利点も有する。例えば、不溶性固形分を含有するゲル状飲食品を加熱処理によって溶解した際に、不溶性固形分が飲食品中で均一に分散し、品質に優れた飲食品を提供できるという利点を有する。
本発明が対象とするゲル状飲食品の種類は、特に制限されない。例えば、調味料類(例えば、味噌、ルウ等)、スープ類(例えば、ポタージュ、野菜スープ、チャウダー、シチュー、粥等)、ソース類(例えば、ホワイトソース、デミグラスソース、トマトソース等)、飲料類(例えば、味噌汁、汁粉、豚汁、コーヒー飲料、ココア飲料、抹茶飲料等)などが挙げられる。
本発明のゲル状飲食品は、(a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを総量で0.1質量%以上含有させ、(b)固形分を20質量%以上にする以外は、常法に従って製造できる。例えば、本製造方法に限定されないが、水に、キサンタンガム、ローカストビーンガム及び他の食品材料などを添加し、加熱後、冷却することで、本発明のゲル状飲食品を調製できる。加熱条件は、キサンタンガム及びローカストビーンガムを溶解できる条件であれば、加熱温度や加熱時間など、特に制限されない。加熱温度は、例えば、45〜100℃が挙げられ、加熱時間は、例えば、5〜30分間が挙げられる。冷却温度は、飲食品を凝固(ゲル)できる温度(例えば、25℃以下)であれば特に制限されないが、好ましい冷却温度は1〜15℃であり、より好ましくは1〜10℃である。冷却時間は、例えば1〜72時間が挙げられる。
本発明のゲル状飲食品は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の多糖類を含有することが可能である。本発明では特に制限されないが、併用可能な多糖類として、ゼラチン、グァーガム、カラギナン又はプルラン等を例示できる。
なお、多糖類として、カッパ型カラギナンを用いる場合は、ゲル状飲食品の溶解性の観点から、ゲル状飲食品におけるカッパ型カラギナン含量が0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましい。更に好ましくは、本発明のゲル状飲食品は、カッパ型カラギナンを実質的に含有しないことが望ましい。
2.ゲル状飲食品の製造方法
本発明はまた、以下の態様を有するゲル状飲食品の製造方法にも関する;
25℃でゲル状を呈し、且つ、加熱処理により前記ゲルが溶解するゲル状飲食品の製造方法であり、
水、並びに下記(a)及び(b)を含有する組成物を、
45℃以上で加熱後、冷却する工程を含む、ゲル状飲食品の製造方法;
(a)キサンタンガム及びローカストビーンガム:総量で0.1質量%以上、
(b)固形分:20質量%以上。
本製造方法は、上記「1.ゲル状飲食品」に記載の方法に従って実施できる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」を意味し、文中の「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、また、文中の「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 ゲル状飲食品(1)
(ゲル状飲食品の調製)
味噌及び水を混合し、次いで、表1の処方に従い、キサンタンガム、ローカストビーンガム及び易溶性寒天を適宜添加した。80℃で10分間、加熱撹拌し、全量が100部となるように、重量を水で補正した。その後、ポーション型ゼリーカップ容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)に充填し、8℃で2時間冷却することで、ゲル状飲食品を調製した。
(ゲル状飲食品の評価)
得られたゲル状飲食品について、保形性、容器への付着性及び溶解性を評価した。結果を表2に示す。
(保形性)
調製したゲル状飲食品を25℃(恒温器、東京理化器械株式会社製)で1日間静置後、容器から取り出し、ゲル状飲食品の保形性を確認した。保形性は、目視による確認と、下記に示す圧縮試験を行った。
(圧縮試験)
容器から取り出したゲル状飲食品を、テクスチャーアナライザー(ブルックフィールド社製)を用いて圧縮した。圧縮は、直径12.7mmの円柱型プランジャーを用いて、圧縮速度0.5mm/secで、ゲル状飲食品を4mm圧縮後、プランジャーを引き上げた。
圧縮後に、ゲル状飲食品の形状が崩れていることなく、圧縮前の形状が保持されている状態を「○」、ゲル状飲食品の形状が崩れ、圧縮前の形状が保持されていない状態を「×」と評価した。
(容器への付着性について)
調製したゲル状飲食品を25℃で1日間静置後、容器から取り出し、容器内の付着物を目視で確認した。
(溶解性について)
調製したゲル状飲食品を25℃で1日間静置後、容器から取り出した。次いで、200mLビーカーに、ゲル状飲食品と、ゲル状飲食品に対して6.6倍量の湯(70℃)を加え、箸で3〜5回/秒で30秒間撹拌し、ゲル状飲食品の溶け残りの有無を目視で確認した。
具体的には、箸で撹拌後、30秒間ビーカーを静置し、ビーカー底部にゲル状飲食品の塊(目安:5mm以上)が確認されたものを「ゲル状飲食品が溶け残っている」と判断し、ビーカー底部にゲル状飲食品の塊が確認できないものを「溶け残りが存在しなかった」と判断した。
なお、溶解性試験は、保形性を有していたゲル状飲食品に対してのみ、行った。
表2に示すように、キサンタンガム及びローカストビーンガムを併用することで、良好な保形性を有し、且つ、加熱処理(70℃の湯による希釈)により、容易に溶解可能なゲル状飲食品を提供できた。また、溶解後、味噌の沈殿が起こらず、湯に溶解した後の見た目にも優れていた。
実験例2 ゲル状飲食品(2)
表3に示す処方に従って、味噌、キサンタンガム及びローカストビーンガムの含量を変更する以外は実験例1と同様にゲル状飲食品を調製した。調製したゲル状飲食品について、実験例1と同様に保形性、容器への付着性及び溶解性を評価した。
実施例2−1〜2−8のゲル状飲食品はいずれも、25℃で1日間静置後、容器からゲル状飲食品を取り出した際に外力で形状が崩れず、容器から取り出した後も容器形状に近い形状を保持し、自立していた。また、圧縮試験の評価はいずれも「○」であった。
容器への付着性は、実施例2−1〜2−8のゲル状飲食品はいずれも、容器から取り出した後に容器内に付着物が残存しなかった。また、溶解性は、70℃の湯で希釈したときに、いずれのゲル状飲食品も溶け残りが存在せず、更に、溶解後の飲食品(味噌汁)は、味噌が均一に分散していた。
上記実施例2−1〜2−8において、保形性維持の観点から特に優れていたゲル状飲食品は実施例2−6、2−7及び2−8であった。これらは、25℃で1日間の保形性試験において、良好な保形性を有すると共に、高温条件下での保形性にも優れていた。具体的には、実施例2−6、2−7及び2−8のゲル状飲食品について、別途、37℃で3日間の保形性試験を行ったところ、37℃で3日間保存後も、容器形状に近い形状が保持されていた。
実験例3 ゲル状飲食品(3)
(ゲル状飲食品の調製)
味噌及び水を混合し、次いで、表4の処方に従い、キサンタンガム、ローカストビーンガム及びデキストリンを添加した。80℃で10分間、加熱撹拌し、全量が100部となるように、重量を水で補正した。その後、ポーション型ゼリーカップ容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)に充填し、8℃で2時間冷却することで、ゲル状飲食品を調製した。
注1)DE3.5〜4、馬鈴薯由来のデキストリンを用いた。
調製したゲル状飲食品について、実験例1と同様に、保形性、容器への付着性及び溶解性を評価した。保形性は25℃で1日間静置後の保形性に加え、37℃で3日間静置後の保形性を評価した。また、溶解性試験では、ゲル状飲食品に対して、6.6倍量の湯(70℃)を用いた。結果を表5に示す。
実施例3−1〜3−6のゲル状飲食品はいずれも、25℃及び37℃で1日及び3日静置後もゲル状を呈し、また、その形状は容器に近い形状であり、優れた保形性を有していた。また、味噌含量が同じである実施例3−2〜3−4の中では、実施例3−3のゲル状飲食品が最も保形性に優れていた。
更に、実施例3−1〜3−6のゲル状飲食品はいずれも、付着性が小さく、且つ、溶解性に優れていた。加えて、溶解後に味噌の沈殿が起こらず、湯に溶解した後の見た目にも優れていた。溶解性の観点からは、味噌含量が高い、実施例3−1、3−5及び3−6が非常に溶けやすく、味噌含量が同じである実施例3−2〜3−4の中では、実施例3−3が最も溶けやすかった。
なお、実施例3−2〜3−6のゲル状飲食品は、固形分が44.6質量%以上と、極めて高い固形分であり、保形性を付与することが難しいにもかかわらず、保形性が十分に付与され、また、付与された保形性の維持に優れていた。一方、実施例3−1のゲル状飲食品は固形分が33.7質量%であり、実施例3−2〜3−6のゲル状飲食品に比べて固形分が低いため、保形性の維持と溶解性の両立が難しいにもかかわらず、25℃及び37℃で極めて優れた保形性と、優れた溶解性を示した。
(40℃、1ヶ月の保形性試験)
実施例3−5及び3−6は、実施例2−6及び2−7にデキストリンを添加した例である。この4種のゲル状飲食品(実施例2−6、2−7、3−5及び3−6)について、40℃で1ヶ月の保形性試験を行ったところ、いずれのゲル状飲食品も、40℃で1ヶ月後も保形性を有し、その圧縮性試験の結果が「○」であった。特に、実施例3−5及び3−6は、実施例2−6、2−7に比べて更に、容器形状に近い形状が保持されており、極めて保形性に優れていた。
また、実施例2−6、2−7、3−5及び3−6のゲル状飲食品について、40℃で1ヶ月保管後、ゲル状飲食品に対して6.6倍量の湯(70℃)を添加して飲食品(味噌汁)を調製し、風味を確認した。実施例2−6及び2−7のゲル状飲食品は経時劣化に伴って生じる望ましくない風味として、ぬか漬けのような、発酵が進んだ酸味を強く感じたが、実施例3−5及び3−6のゲル状飲食品はまろやかな味であり、当該風味がマスキングされていた。
実験例4 ゲル状飲食品(4)
(ゲル状飲食品の調製)
表6に示す処方に従って、ゲル状飲食品を調製した。
かぼちゃペースト及び水を混合し、次いで、表6の処方に従い、残りの材料を添加した。80℃で10分間、加熱撹拌後、全量が100部となるように、重量を水で補正した。その後、ポーション型ゼリーカップ容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)に充填し、121℃で20分間のレトルト殺菌後、8℃で2時間冷却することで、ゲル状飲食品を調製した。
調製したゲル状飲食品について、実験例1と同様に、保形性、容器への付着性及び溶解性を評価した。保形性は25℃で1日間静置後、並びに37℃で1日静置後の保形性を確認した。また、溶解性試験では、ゲル状飲食品に対して、実施例4−1は5倍量、及び実施例4−2は6倍量の湯(90℃)を用いた。
実施例4−1及び4−2のゲル状飲食品はいずれも、25℃及び37℃の保形性試験において、優れた保形性を有しており、1日間静置後、容器からゲル状飲食品を取り出した際に外力で形状が崩れず、容器から取り出した後も容器形状に近い形状を保持し、自立していた。
また、実施例4−1及び4−2のゲル状飲食品は付着性が小さく、且つ、溶解性に優れていた。更に、ゲル状飲食品の溶解後に沈殿が起こらず、湯に溶解した後(かぼちゃスープ)の見た目にも優れていた。
実験例5 ゲル状飲食品(5)
(ゲル状飲食品の調製)
表7に示す処方に従って、ゲル状飲食品を調製した。
表7の処方に従い、材料及び水を混合した。80℃で10分間、加熱撹拌後、全量が100部となるように、重量を水で補正した。その後、ポーション型ゼリーカップ容器(直径3cm、高さ2.5cm、容量15mL)に充填し、8℃で2時間冷却することで、ゲル状飲食品を調製した。
調製したゲル状飲食品について、実験例1と同様に、保形性、容器への付着性及び溶解性を評価した。保形性は25℃で1日間静置後、並びに37℃で1日静置後の保形性を確認した。また、溶解性試験では、ゲル状飲食品に対して12.3倍量の湯(90℃)を用いた。
実施例5−1〜5−3のゲル状飲食品はいずれも、25℃及び37℃の保形性試験において、優れた保形性を有しており、1日間静置後、容器からゲル状飲食品を取り出した際に外力で形状が崩れず、容器から取り出した後も容器形状に近い形状を保持し、自立していた。
また、実施例5−1〜5−3のゲル状飲食品は付着性が小さく、且つ、溶解性に優れていた。更に、ゲル状飲食品の溶解後に沈殿が起こらず、湯に溶解した後(コーヒー飲料)の見た目にも優れていた。

Claims (7)

  1. 25℃でゲル状を呈する飲食品であって、
    加熱処理による前記ゲルの溶解後に喫食され、且つ、
    下記(a)及び(b)を満たす、ゲル状飲食品;
    (a)キサンタンガム及びローカストビーンガムを含有し、両者の総量が0.1質量%以上である、
    (b)固形分が20質量%以上である。
  2. 前記キサンタンガムの含量が、0.05質量%以上である、請求項1に記載のゲル状飲食品。
  3. 少なくとも穀類、いも類、豆類、種実類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類及び調味料類からなる群から選択される一種以上の食品材料を含有し、且つ、ゲル状飲食品におけるこれら食品材料の含量が30質量%以上である、請求項1又は2に記載のゲル状飲食品。
  4. 少なくともミネラルを含有し、ゲル状飲食品におけるミネラル含量が1000mg/100g以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
  5. 更に、(c)デキストリンを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
  6. 前記ゲル状飲食品が、調味料、スープ類、ソース類又は飲料類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲル状飲食品。
  7. 25℃でゲル状を呈し、且つ、加熱処理により前記ゲルが溶解するゲル状飲食品の製造方法であり、
    水、並びに下記(a)及び(b)を含有する組成物を、
    45℃以上で加熱後、冷却する工程を含む、ゲル状飲食品の製造方法;
    (a)キサンタンガム及びローカストビーンガム:総量で0.1質量%以上、
    (b)固形分:20質量%以上。

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