JP4769981B2 - 濃縮タイプのペースト状食品 - Google Patents

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Description

本発明は濃縮タイプのペースト状食品に関し、更に詳しくは水、熱湯などで希釈して、そのまま又は加熱調理して食する、或いは調理に用いる粘性を付与した濃縮タイプのペースト状食品に関する。
濃縮タイプの食品は、適宜希釈して喫食できる簡便さと保管や輸送が実質的にストレートタイプより安価ですむことから、粘性がない、或いは殆どない濃縮タイプの液状食品、例えば麺つゆ、天然果樹飲料等で広く利用されている。しかし、濃縮タイプのペースト状食品、例えば、ルー製品のようにそれ自身が粘性を有する食品、あんかけ、マーボソースのように粘性付与が必要な食品では、保存中に粘度が高くなって容器から出しにくくなる、或いは希釈が必ずしも容易でない等の問題がしばしばみられた。
これに対して、 調味ソースの製造工程において、加熱混合(殺菌処理)して炊き上げた後冷却し、α化されていない澱粉を加え、調理時に水を加えて加熱調理するか熱水を加えて製造する調味ソース[特許文献1]。
タピオカ、ワキシーコーン及びクズの中の1種又は2種以上の澱粉またはその化工澱粉を10〜35質量%と塩分を3〜20質量部含有し、BRIX糖度が40〜70である調味液を65〜85℃未満の温度で加熱殺菌後の粘度が100〜10000(20℃)である濃縮タイプ用のあんかけ調味液の製造法[特許文献2]。
澱粉、水、糖質(澱粉は除く)、塩分を含む容器入りペースト状ルーにおいて、該ペースト状ルー中の水分に対する糖質の割合を3つの区分に分け、塩分の割合を糖質の区分に応じた3つの関係式で決められる割合にし、加熱殺菌するペースト状ルーを得る方法[特許文献3]。
濃縮レトルトルー中にキサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム、リン酸架橋澱粉の1種または2種以上を0.1〜1重量%存在させる濃縮レトルトルー[特許文献4]が開示されている。
特許文献1では、加熱殺菌した調味ソースにα化されていない澱粉をα化温度以下で添加して容器に充填するから、粘性が低く充填等ハンドリングは良いが、調理までの保存期間中に澱粉が沈殿して不均一な系となるし、水分活性などが勘案されても充分な殺菌効果があるとはいえず、保存中に品質劣化することはさけることができない。
特許文献2では、食塩濃度とBRIX糖度、加熱温度を特定することで澱粉の糊化を抑制して,調味液が低粘度に保たれて容器からの排出を容易としているが、この程度の加熱温度では、必ずしも十分な殺菌がなされない。また、水などでの希釈も容易としているが、希釈後に加熱調理しないと、とろみがつかないなどの問題がみられた。
特許文献3では、ルー中の水分に対する糖質を塩分との関係で特定割合にすることで澱粉の糊化開始を上昇させて充分な加熱殺菌温度をとり、密封容器中で長期間の保存ができ、排出も容易であるが、糖質と塩分との関係式が複数あって非常に煩雑であるし、水での希釈後に煮込み調理する必要がある。
特許文献4では、キサンタンガムやグアガムのような天然ガムについては、レトルトカレーが容器から排出し易くなる、容器に付着する率も軽減できることが、実施例で記載されている。これらの天然ガムが滑りやすい粘性をもっているためと思われるが、一方では糸ひき性などの粘性がルー製品に必ずしも馴染まないテクスチュアとなる。リン酸架橋澱粉については、これら天然ガムと同じ程度の効果があるかについては格別の言及もない。
食品に粘性を与える目的で澱粉が使用されるのは、澱粉がテクスチュア的に好ましい粘性を与えるためである。しかし、澱粉の粘度は希釈抵抗性が弱く、元の粘度を高くすると容器から排出しにくくなり、濃縮タイプのペースト状食品においては、特許文献1〜3にみられるように、未糊化の澱粉を使用したり、糖質や塩の量や加熱温度を規制する等の方法で澱粉を糊化させない、或いは粘性の発現を押さえて容器からの取り出しを容易にしている。しかし乍ら殺菌不足になったり、澱粉が沈殿して不均一になったり、水や湯で希釈するだけでは粘性がでなくて簡便性に欠けていた。一方、特許文献4にみられるように天然ガムを使用しては、食品として必ずしも望みのテクスチュアが得られないという問題があり、その改善が望まれている。
特開2004−65179号 特開2004−236531号 特開2002−233339号 特開平7−322866号
本発明の課題はテクスチュアを重視する点から、本質的に澱粉質で粘性を付与する濃縮タイプのペースト状食品であり、常温での長期安定性を有し、容器からの取り出しを容易にし、水などの液体で希釈する際には素早く均一になり、希釈後に加熱しないでそのまま喫食してもよいし、必要に応じて加熱調理もできる特性を有する濃縮タイプのペースト状食品を提供することにある。
上記の課題の解決のため、本発明者は鋭意研究の結果、澱粉質として高粘性の澱粉質と可溶性澱粉を特定割合で併用することを基本とし更に前者及び後者として以下に示す特定の成分を使用することにより、問題点がことごとく解決出来ることを見いだして本発明を完成した。
本発明は以下の濃縮タイプのペースト状食品を提供するものである。
[請求項1]
粘質付与剤として、高粘性の澱粉質100質量部に対し可溶性澱粉20〜140質量部とを含み、上記高粘性澱粉質は、その20質量%以上の割合で加工澱粉を含有し、また可溶製性澱粉は、その20質量%水溶液の粘度が30℃で15〜2500mPa・sであって、且つ85〜135℃で加熱処理してなることをと特徴とする濃縮タイプのペースト状食品。
[請求項
可溶性澱粉が、もち種の天然澱粉及び/又は加工澱粉を酸化剤で処理したものである請求項に記載するペースト状食品。
[請求項
加熱処理が120〜135℃で20〜40分のレトルト処理である請求項1に記載するペースト状食品。
本発明の濃縮タイプのペースト状食品は、本質的にテクスチャーを重視する点より澱粉質によって粘性を付与するものであって、常温での長期安定性を有し、容器から取り出しを容易にし、水などの液体で素早く均一に希釈出来、希釈後は加熱しないでそのまま食してもよく、更には必要に応じて加熱調理も可能となる、優れた多くの特性を有するものである。
本発明は、粘性付与剤として、高粘性の澱粉質と可溶性澱粉を含み、85〜135℃で加熱処理してなることを特徴とする濃縮タイプのペースト状食品である。
本明細書において、濃縮タイプのペースト状食品とは、スープ、ソース、タレ、ルーなどの食品を実際の使用濃度より相当濃度を高めたペースト状態にした食品を意味し、通常容器に充填して保存し、使用時には容器より取り出し、冷蔵程度の低温から加温して高温にした水、スープ、牛乳などの液体で希釈して、或いは必要に応じて更に加熱調理して食用に供する食品を意味する。
本発明に使用する高粘性の澱粉質とは、澱粉質含量の多い粉末状の物質を総称し、具体的には、馬鈴薯、甘藷、キャッサバなどの芋類、小麦粉、米粉、コーンフラワーなどの穀粉、或いはこれらを原料として製造されるコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉などの澱粉、湿熱処理、架橋処理、エーテル化、エステル化などの変性を単独または複数組合せた加工澱粉を意味する。また、これらをα―化したものも包含する。これら何れもが使用できるが、加熱がレトルト処理の場合には、澱粉質中の少なくとも20質量%程度を加工澱粉にすること望ましい。その際、使用する加工澱粉としては、架橋処理と置換度が0.05〜0.15のエーテル化やエステル化を組みあせた加工澱粉がさらに好ましい。尚、後述する可溶性澱粉と同様の方法で粘度を測定すると、数万乃至数十万mPa・s以上の粘度を示す。
本発明に使用する可溶性澱粉とは、何らかの方法で澱粉を分解し、20質量%水溶液の粘度が15〜2500mPa.sになるようにした冷水には殆ど溶解せず、熱水に溶解するものを指称し、具体的には澱粉と水よりなる澱粉スラリーに次亜塩素酸ソーダ、亜塩素酸ソーダ、過酸化水素、過酢酸等の酸化剤、或いは硫酸、塩酸等の酸を作用し、中和、水洗、脱水、乾燥して得られるタイプと澱粉に酸(塩酸や硝酸等)を添加、或いは添加しないで粉末状で焙焼する方式で得られるものがあげられる。これらの可溶性澱粉の中でも、澱粉スラリー系で反応する可溶性澱粉は水洗のみで容易に精製できるという点でより好ましく、さらに、粘度のコントロールがより容易であるという点で次亜塩素酸ソーダのような酸化剤を使用して反応する可溶性澱粉がより望ましい。
20質量%水溶掖の粘度が上記範囲を越えると本発明の効果が得られない。また、あまりに低い粘度の場合には、澱粉スラリー系で反応する可溶性澱粉の場合には、反応中に水に溶解する部分が多くなったりして、歩留りが悪くなるので概ね15mPa.s程度にとどめておく。尚、20質量%水溶液の粘度は、200cc容のビーカーに該澱粉試料40gと水160gを秤取して、沸騰浴中で内容物を撹拌しながら90℃まで加熱後、蒸発水分を補充して30℃まで冷却し、B型回転粘度計の60rpmの回転数で測定した値である。
可溶性澱粉を製造するための澱粉としては、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉などのうるち種の天然澱粉、ワキシーコーンスターチ、もち種馬鈴薯澱粉などのもち種の天然澱粉及びこれらの澱粉をエステル化、或はエーテル化した加工澱粉を使用できる。中でも、濃縮タイプのルーやスープなどのペースト状食品の経時変化が少ないということでもち種の天然澱粉や加工澱粉がより好ましい。
濃縮タイプのペースト状食品は、スープ、ソース、タレ、ルーなど多種類の食品の種類に応じて、澱粉質、天然ガム類など種々の粘質付与剤が使用されているが、使用する粘質付与剤によって食感に違和感が生じる、充填した容器よりの絞り出し、絞りだし後の水などによる液体で希釈して均一化するのが困難である、或いは単に液体で希釈するだけでは不十分で加熱調理を必要とするなどさまざまな問題がみられる。
本発明の濃縮タイプのペースト状の食品は、本質的に粘質付与剤として高粘性の澱粉質と可溶性澱粉を含み、85〜135℃で加熱処理して製造される。
ペースト状食品において、高粘性澱粉質は可溶性澱粉に比べて遥かに粘度を付与する効果は大きく、通常のペースト状食品を増粘する場合には高粘性澱粉質のみを使用する。一方、濃縮タイプのペースト状食品において、濃縮タイプのペースト状食品中の高粘性澱粉質の割合が低い場合には、同じように高粘性澱粉質のみを使用してもさほどの問題もおこらないが、高粘性澱粉質の割合が多くなると、加熱してペースト化はできても、保存後の容器への付着が強くなって容器からの取り出しが悪くなったり、取り出したペーストを水などの液体で希釈して均一化するのが容易でなくなるという問題が発生する。かかる問題は、濃縮ペースト状食品や高粘性澱粉質の種類などによっても一概にいえないが、濃縮タイプの食品中にしめる高粘性澱粉質の割合が8質量%付近からみられる現象である。
本発明においては、濃縮タイプのペースト状食品を製造する粘質付与剤として、高粘性澱粉質に可溶性澱粉を併用することで問題点が解消できるようになった。その際、問題となるのは、高粘性澱粉質と可溶性澱粉の割合である。高粘性澱粉質の使用量が多い場合には可溶性澱粉を多めに、逆に高粘性澱粉質の使用量が少ない場合には可溶性澱粉が少量で効果があり、本発明では高粘性澱粉質100質量部に対して可溶性澱粉が20〜140質量部である。
高粘性澱粉質100質量部に対して可溶性澱粉の割合が20質量部未満では濃縮タイプのペースト状食品の希釈性が悪くなるし、140質量部を越えると濃縮タイプのペースト状食品の希釈後のペースト状食品の風味が悪くなる。
本発明では、高粘性澱粉質と可溶性澱粉を上記範囲内にして高粘性ペースト状食品を製造するが、ペースト状食品中の高粘性澱粉質の量があまりに多くなると、可溶性澱粉を併用しても希釈時の均一分散が難しくなる傾向があるので、濃縮タイプのペースト状食品中における可溶性澱粉の割合を20質量%程度までにとどめておく。.
粘質付与剤中の高粘性澱粉質に対する可溶性澱粉を上記の割合とする本発明の濃縮タイプのペースト状食品は、以下のような方法で製造できる。即ち、加熱と撹拌ができる装置に、水、高粘性澱粉質と可溶性澱粉からなる粘質付与剤及びそれら以外でペースト状食品に使用されている原材料を添加して混合する。粘質付与剤以外の原材料としては、砂糖、食塩、グルタミン酸ソーダ、肉エキス、野菜エキス、乳製品、ワイン、酸味料などの調味料、パーム油、綿実油、大豆油、サラダ油、牛脂肪,豚脂肪、バター、マーガリンなど油脂類、胡椒、カレーパウダー等の香辛料、ビタミン、カルシウム、鉄、DHAなどの栄養剤を、所望の食品によって適宜選択する。
また高粘性澱粉質と可溶性澱粉を上記の通り用いる限りにおいて,所望により、デキストリン粉飴や水飴なども適宜添加する。
上記の原材料を分散した混合物を加熱してペースト状にする。加熱温度は85〜135℃程度とする。常圧下で加熱する場合、撹拌しながら85〜100℃に加熱し、一定時間保持してペースト状にする。本発明のように高粘性澱粉質を含有している食品では、加熱温度が85℃未満ではペースト化が不十分になる。
より長期の保存を目的として、例えば耐熱性の強い胞子形成細菌に対しては、100℃以上に加熱する必要がある。その場合、伝統的な缶詰食品やびん詰食品のように完全密封した剛性容器にいれて加圧加熱する方法も利用できるが、フレキシブル容器であるレトルトパウチ(金属箔とプラスチックフイルムを接着材により積層し、これを袋状に成形)に充填し、これを100℃以上の高圧釜、つまり、レトルト装置を利用することにより、殺菌が完全にできて常温で長期保存でき、また濃縮タイプのペースト状食品が容器より取り出しやすくなるので、レトルト装置を用いてペースト化と殺菌をすることがより好ましい。
原材料を混合した混合物をそのままレトルトパウチに充填すると、澱粉質が沈殿して分離し、均一な加熱がしにくくなるので、スラリーを60℃程度まで加
熱して澱粉質をある程度糊化して澱粉質の分離がおこらないようにしてレトルトパウチに充填し、熱シールをしてからレトルト装置に入れることが肝要である。
加熱温度としては、120〜135℃で20〜40分程度すればペースト化と殺菌が十分に実施できる。
上記のように加熱、好ましくはレトルト処理をして調製された濃縮タイプのペースト状食品を常温で保存し、必要に応じて開封する。
開封した濃縮タイプのペースト状食品を水、牛乳などで2〜10倍程度に希釈し、撹拌して均一化し、所望のペースト状食品とする。
得られた濃縮タイプのペースト状食品は液体を加えてかき混ぜる程度で容易に均一化できる。尚、温かいペースト状食品にしたい場合には、加熱した液体で希釈したり、或いは液体で希釈後に所望の程度まで加熱してもよい。
以下に参考例、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。尚、参考例、実施例で部及び%とあるのはそれぞれ質量部及び質量%を表す。
参考例1
攪拌下にある水130部に、ワキシーコーンスターチを100部投入して分散させた澱粉スラリーを4点調製し、3%水酸化ナトリウム水溶液で澱粉スラリーのpHを11±0.1に調整しながら、それぞれに次亜塩素酸ソーダ溶液を30部、25部、13部、11部、10部滴下し、温度を30±1℃に維持しながら活性塩素がなくなるまで反応後、10%硫酸溶液で中和、水洗、脱水、乾燥し、得られた可溶性澱粉を試料1〜試料5とする。得られた可溶性澱粉の30℃における20%水溶液の粘度を表1に記載した。
参考例2
タピオカ澱粉100部と水120部よりなる澱粉スラリーに、次亜塩素酸ソーダ30部を添加した以外、参考例1と同じようにして処理して得られた可溶性澱粉を試料6とし、20%水溶液の粘度を表1に記載した。
参考例3
撹拌下にある水120部にもち種馬鈴薯澱粉100部を分散させ、次亜塩素酸
ソーダ25部を添加した以外、参考例1と同じようにして反応して得られた可溶性澱粉を試料7とし、20%水溶液の粘度を表1に記載した、
また、松谷化学工業株式会社製の馬鈴薯澱粉を原料とする可溶性澱粉である「スタビロースK」を試料8とし、20%水溶液の粘度を表1に記載した。
参考例4
撹拌下にある25℃の水120部に「スタビロースK」を100部、分散させ、3%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9.5に維持しながら無水酢酸8部を加えてアセチル化し、塩酸で中和、水洗、脱水、乾燥して得られた可溶性アセチル澱粉を試料9とし、その粘度を表1に併記した。
Figure 0004769981
参考例5
水120部に硫酸ナトリウンム30部を溶解した溶液を3点用意し、それぞれ表1に示す馬鈴薯澱粉100部を分散し、攪拌下で4%の水酸化ナトリウム30部を滴下後、プロピレンオキサイドを0.6部、5.5部、12部及びトリメタリン酸ソーダ0.01部を添加して41℃で20時間反応し、硫酸で中和して、水洗、脱水、乾燥して試料No.10〜No.12の架橋ヒドロキシプル澱粉を得た。得られた架橋ヒドロキシプロピル澱粉は、試料No.10,試料No.11,試料No.12の置換度はそれぞれ、0.009、0.104、0.192であった。
参考例6
水120部に硫酸ソーダ10部、ワキシーコーンスターチ100部を加えてスラリーとし、これに3%苛性ソーダ水溶液を添加してpH11.2〜11.4に維持しながら、トリメタリン酸ソーダ0.01部を加えて41℃で8時間反応した後、塩酸でpH9.0に中和すると共に25℃に冷却し、3%苛性ソーダ水溶液でpH8.0〜9.5に維持しながら、無水酢酸8部を加えて3時間反応した後、塩酸で中和し、水洗、脱水、乾燥してリン酸架橋アセチル澱粉を得た。そのアセチル化度は置換度0.075であった。
高粘性澱粉質として試料11の架橋エーテル澱粉(置換度:0.104)を、可溶性澱粉として参考例1の試料2を表2の割合で混合した混合物を調整し、撹拌しながら60℃まで加熱後、レトルトパウチに充填し、120℃で20分間レトルト殺菌して濃縮タイプのパスタソースを製造した。レトルト処理した濃縮タイプのパスタソースを30℃まで冷却後、開封して取り出した。その結果を表2に記載した。尚、結果は下記の基準で評価した。
<取り出し(レトルト後の容器を開封後の排出)
◎:極めて容易
○:容易
△:容器への付着がやや強く、やや取り出しにくい
×:容器への付着が強く相当取り出しにくい
<希釈分散性(水で3倍に希釈後に撹拌による分散)>
◎:極めて容易に分散
○:容易に分散
△:やや分散が悪い
×:分散が悪い
<風味や口当り(希釈後のペーストで試験)>
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
Figure 0004769981
実施例1において、レトルトパックに充填後の加熱を90℃の恒温槽に浸漬して、90℃で1時間保持した以外、同じようにして濃縮タイプのペースト状食品を製造し、30℃まで冷却し同じように評価したところ、ほぼ同じような傾向を示した。
高粘性澱粉質として馬鈴薯澱粉、参考例4の試料No.10(置換度:0.009)、試料No.11(置換度:0.104)、試料No.12(置換度:0.192)の架橋エーテル澱粉、可溶性澱粉として参考例1の試料2、食塩、砂糖、醤油、がらスープ、水を表3の割合にした原材料を混合し60℃まで加熱後、レトルトパックに充填し、120℃で20分間レトルト処理して濃縮タイプの中華スープを製造し、30℃まで冷却後開封して、濃縮タイプの中華スープの状態を調べた結果を表3に示す。
尚、風味や食感については冷却直後の濃縮タイプの中華スープを2倍に希釈して、実施例1の基準で評価し、状態については、冷却直後、1月後、3月後に開封した状態を下記の基準で評価した。、
<状態(濃縮タイプの中華スープ)>
◎:離水がなく、極めてスムーズなペースト
○:離水が無く、スムーズなペースト
△:スムーズ感はあるが、幾分離水スルペースト
×:離水が多く、もろもろ感が強い
Figure 0004769981
高粘性澱粉質として、NX−10(松谷化学工業社製の焙焼小麦粉)を7部、試料11を4部,可溶性澱粉として参考例1の試料1、試料3、試料4,試料5のそれぞれを11部とカレー粉4部,砂糖6部,食塩5部、調味料7.1部,野菜ペースト18部、水37.9部を混合した混合物を65℃まで加熱後、レトルトパックに充填し、120℃で20分間レトルト処理して濃縮カレースープを製造し、冷却後レトルッパックから取り出し、水で5倍に希釈したカレースープを実施例1に準じて評価した結果を表4に示した。尚、風味について、薄めたカレースープにうどんを投入し、煮立つまで加熱して希釈したスープのカレー風味や口当たりを調べた。
Figure 0004769981
高粘性澱粉質として小麦粉2部、コーンパウダー5部、試料11を3部、可溶性澱粉として試料2(可溶性ワキシーコーンスターチ)、試料6(可溶性タピオカ澱粉),試料7(可溶性もち種馬鈴薯澱粉)、試料8(可溶性馬鈴薯澱粉)、試料9(可溶性アセチル澱粉)をそれぞれ11部、調味料2.5部、牛乳10部、生クリーム2部、バター1.5部、水66部を混合した混合物をそれぞれ3点ずつ調製し、85℃まで加熱して蒸発水分を補正後レトルトパックに充填し、120℃で20分間レトルト処理を行って、濃縮コーンポタージュスープを製造し、常温まで冷却した。常温で1月後にレトルトパックから取り出した濃縮コーンポタージュスープのスープの状態は、可溶性澱粉の種類に関係なく、製造直後にレトルトパックから取り出した濃縮コーンポタージュスープの状態と同じように良好であった。また、これらのスープを同量の冷たい牛乳で15分間かき混ぜると滑らかなスープができ、製造直後とほぼ同じように滑らかなスープができ、味もよかった。また、これらのスープを65℃程度まで加熱すると、温かくて美味しく飲用できるコーンポタージュスープになった。
常温で3月後にレトルトパックから取り出した濃縮パックから取り出した濃縮コーンポタージュスープにおいては、試料6、試料8のようにタピオカ澱粉や馬鈴薯澱粉のようなうるち種の澱粉の可溶性澱粉では製造直後に比べて状態がかなり悪いコーンポタージュスープになっていたが、試料2、試料7、試料9のようにもち種の澱粉の可溶性澱粉や可溶性アセチル澱粉では、製造直後と殆ど変わらない良好な状態な濃縮コーンポタージュスープとなり、牛乳での希釈性や希釈後の味も同じように良好であった。
高粘性澱粉質としてサツマイモ粉(水分6%)を13部と参考例4の試料13の架橋アセチル澱粉(置換度:0.075)を5部、可溶性澱粉として試料2の可溶性ワキシーコーンスターチ12部、オニオンペースト2部、バター1.5部,砂糖4部、食塩0.8部、生クリーム5部、水56.7部を混合し、65℃程度まで加熱し、蒸発水分を補正後レトルトパックに充填し、120℃で20分間レトルト処理をしたさつまいもペーストを2点製造し、常温で保存した。得られたさつまいもペーストは直後3月後に開封したところ、何れも同じように良好なペースト状態を示した。
これらのさつまいもペーストは、冷蔵,或いは加温した牛乳で2〜3倍と好みに合せて容易に希釈でき、美味しく飲用できた。

Claims (3)

  1. 粘質付与剤として、高粘性の澱粉質100質量部に対し可溶性澱粉20〜140質量部とを含み、上記高粘性澱粉質は、その20質量%以上の割合で加工澱粉を含有し、また可溶性澱粉は、その20質量%水溶液の粘度が30℃で15〜2500mPa・sであって、且つ85〜135℃で加熱処理してなることを特徴とする濃縮タイプのペースト状食品。
  2. 可溶性澱粉が、もち種の天然澱粉及び/又は加工澱粉を酸化剤で処理したものである請求項に記載するペースト状食品。
  3. 加熱処理が120〜135℃で20〜40分のレトルト処理である請求項1に記載するペースト状食品。
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