JP2020124130A - とろみスープ用ベースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る調味液の調味組成物としては、本発明のとろみスープの味質を調整するものであれば特に制限はなく、例えば、だし汁、みりん等の酒類、牛乳、ピューレ、醤油若しくは酢等の液体調味料、食塩、糖類、スパイス類、ハーブ類、エキス類、うまみ調味料又は粉末醤油等の粉末若しくは顆粒調味料、香料、乳化剤、着色料、pH調整剤、酸味料、保存料、日保ち向上剤、酸化防止剤などが挙げられ、これらのうち一又は二以上を選択することができる。これらの調味組成物に必要により水を加えることにより調味液とする。このとき、とろみスープのとろみを出すための澱粉や澱粉を均一に分散させるための増粘剤は本発明においては、調味組成物に含まない。本発明に係る調味液は、可能な限り粘度が発生しないことが望ましい。また、腐敗防止のため、調味液の水分活性が0.8以下、pHが6以下となるように調整することが好ましい。
本発明に係る澱粉として、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ 、ワキシーコーンスターチ、サゴ澱粉、緑豆澱粉、小麦澱粉、米澱粉などの澱粉及びこれらにエーテル化、エステル化、酸化処理などの処理を施した加工澱粉などが例示され、これら澱粉から一又は二以上を選択して使用することができる。なお、本発明で使用する澱粉として、好ましくは糊化開始温度が60℃以下の澱粉、最適にはリン酸架橋澱粉やヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が挙げられる。澱粉の添加量としては、多すぎると後述する澱粉分散安定化調味液の流動性が悪く、少なすぎるととろみが発生しないことから、後述する澱粉分散安定化調味液中に10〜30重量%となるように添加することが好ましい。
本発明に係る増粘剤として、調味液に添加した澱粉が均質に分散し、沈殿が起きないように粘度を持たせられるものであればよく、ここで分散安定剤としてキサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム等などが例示される。増粘剤の添加量としては、澱粉が沈殿せずに分散する程度の粘度(30℃におけるB型粘度計2500mPa・s以上)で、後述する澱粉分散安定化調味液が包材に充填できる粘度となるように添加することが好ましい。
本発明に係るオイル液の油脂としては、ラード、ヘット、バター、マーガリン等の水素添加硬化油脂、パーム油、カカオバター、コーン油、菜種油、胡麻油、オリーブ油、大豆油などの食用油脂が例示され、これら油脂から一又は二以上を選択して使用することができる。また、オイル液は、これらの油脂を使用して、食材から風味を抽出したシーズニングオイルでもよく、また、これらの油脂に風味づけの油溶性の香料を添加したものでもよい。オイル液の量としては、とろみスープ用ベースの重量に対して10〜40重量%添加することが好ましい。
本発明に係るエタノールとしては、必ずしも必要というわけではないが、添加する澱粉や増粘剤が加熱殺菌されていないため、微生物腐敗による保存性を確保すべく添加することが好ましく、後述する澱粉分散安定化調味液中に1〜10重量%となるように添加することが好ましい。エタノールの添加方法としては、後述する冷却工程開始から澱粉分散工程終了までの間に添加することが好ましい。特に、冷却水替わりとして冷却工程中に添加することで、調味液の冷却を促進したり、澱粉分散工程中においてエタノール中に増粘剤を分散させて添加することで増粘剤がダマにならず均質に溶解できる。また、酢酸などの揮発性の酸味料を添加する場合は、加熱により揮発してしまうため、添加する場合は、エタノール同様に後述する冷却工程開始から澱粉分散工程終了までの間に添加することが好ましい。
調整した調味液を加熱し殺菌する。加熱方法は特に限定はなく、調味液を入れたタンクを蒸気等で外部より加熱しながら撹拌して加熱する方法があげられ、65℃30分以上の加熱に匹敵する熱量が加わるように殺菌すればよい。
加熱工程で加熱した調味液を冷却する。冷却方法は特に限定はしないが、自然冷却や流水冷却などにより粗熱をとればよい。冷却温度は、後述する澱粉混合工程で添加する澱粉が糊化し粘度が発現しない程度の温度まで冷却すればよく、50℃以下、好ましくは40℃以下に冷却する。このとき、調味液の温度を下げるためにエタノールを添加することもできる。
冷却した調味液に澱粉を添加し、調味液を撹拌することにより澱粉を均質に分散させ、澱粉混合調味液を作製する。このとき、先に澱粉分散用の増粘剤が調味液中に含まれている場合、澱粉が調味液中に上手く分散せず、ダマが発生し、製造したとろみスープ用ベースを用いて調理した時に澱粉が膨潤したドロッとした固まりが多く発生するようになる。
作製した澱粉分散安定化調味液は、オイル液とともに一包の包装に充填され、密封し、とろみスープ用ベースを作製する。図1で示すように特許文献3に記載されている油脂及び澱粉を含有するとろみ付与のためのA包の油脂−澱粉混合物と、調味組成物を付与するB包の調味料組成物(調味液)を一包化してとろみスープ用ベースを作製する場合、調味組成物(調味液)から水分を吸収して澱粉が膨潤してドロッとしたペースト状の沈殿となるため、調理時にとろみが上手く発現せずダマになりやすい。それに対し、本件発明のように、調味液に澱粉を添加してから増粘剤によって澱粉を分散安定化した澱粉分散安定化調味液とオイル液とを一包化してとろみスープ用ベースを作製することで、とろみスープ用ベース内で澱粉が沈殿して溜まることがなく、また、オイル液を含むことで、油溶性の香料やシーズニングオイルなどを添加することができ、風味豊かで本格的なとろみスープ用ベースを作製することができる。
タンクに水30kgと、砂糖18kg、塩6Kg、グルタミン酸ソーダ6Kg,核酸1Kg、コハク酸0.5Kg,粉末醤油2.5Kg、粉末醤油2.5Kg、鶏ガラ粉末2Kg、チキンパウダー1.5Kg、黒コショウ1Kg、カラメル色素0.5Kgの調味組成物を入れ、撹拌し調味液を作製した後、加熱撹拌しながら、液温が85℃となるまで加熱し、85℃で20分間維持した後、50℃以下となるように冷却した。
キサンタンガムの添加量を0.15Kgとする以外は実施例1の方法に従ってとろみスープベースを作製した。このとき、澱粉分散安定化調味液の粘度は、2500mPa・sであった。
キサンタンガムの添加量を0.4Kgとする以外は実施例1の方法に従ってとろみスープベースを作製した。このとき、粘度を測定しようとしたが、No.3ローターでは測定不能であった。
ラードを20Kg、もやしオイルを15Kg、煮込み野菜オイル4Kg、ごま油1Kg、香料0.05Kg(オイスターソースフレーバー)を混合したオイル液にリン酸架橋澱粉4Kgとヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉18Kgを添加し、油脂―澱粉混合物を作製した。
タンクに水30kgと、砂糖18kg、塩6Kg、グルタミン酸ソーダ6Kg,核酸1Kg、コハク酸0.5Kg,粉末醤油2.5Kg、粉末醤油2.5Kg、鶏ガラ粉末2Kg、チキンパウダー1.5Kg、黒コショウ1Kg、カラメル色素0.5Kgの調味組成物と澱粉分散用のキサンタンガム0.2Kgを入れ、撹拌し調味液を作製した後、加熱撹拌しながら、液温が85℃となるまで加熱し、85℃で20分間維持した後、50℃以下となるように冷却した。
Claims (2)
- 調味組成物を含む調味液を加熱する加熱工程と、
加熱した前記調味液を冷却する冷却工程と、
冷却した前記調味液にとろみ付け用の澱粉を添加し、澱粉混合調味液を作製する澱粉混合工程と、
前記澱粉混合調味液に澱粉分散安定化用の増粘剤を添加して前記澱粉を前記調味液中に分散させた澱粉分散安定化調味液を作製する澱粉分散工程と、
前記澱粉分散安定化調味液と、オイル液と、を一包に充填し包装するオイル液混合工程と、を含むことを特徴とする、とろみスープ用ベースの製造方法。 - 前記澱粉分散工程において、前記増粘剤をエタノールに分散させてから前記澱粉混合調味液に添加することを特徴とする、請求項1記載のとろみスープ用ベースの製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114376189A (zh) * | 2020-10-20 | 2022-04-22 | 白象食品股份有限公司 | 一种日式豚骨拉面调料酱及其制备方法 |
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JP2004065179A (ja) * | 2002-08-08 | 2004-03-04 | Ezaki Glico Co Ltd | α化されていないでん粉を含むペースト状調味ソースの製造方法 |
JP2004065175A (ja) * | 2002-08-08 | 2004-03-04 | Ezaki Glico Co Ltd | 油脂、でん粉を含むペースト状調味ソースの製造方法 |
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JP2014233207A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-15 | 日清食品冷凍株式会社 | とろみスープ用ベース |
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