JP2012090568A - 加熱殺菌済みクリームソース - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で低粘度でも乳化が安定し且つ食感に優れた加熱殺菌済みクリームソースを提供すること。
【解決手段】未処理のワキシーコーンスターチを含み、pHが5.0〜5.8であり、品温10℃でB型粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下である、加熱殺菌済みクリームソース。好ましくは、未処理のワキシーコーンスターチの含有量が1〜5質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、加熱殺菌済みクリームソースに関する。本発明の加熱殺菌済みクリームソースは、低温で低粘度でも乳化が安定したクリームソースであり、特に、冷製パスタなどの冷えたソースを用いたパスタ料理に用いて好適なものである。
近年、冷製パスタなどの冷えたソースを用いたパスタ料理の需要が高まっている。 このような冷したパスタ料理に用いるソースとしては、べたつき感のないさっぱりとした清涼感がある食感を有していることが望まれている。
このようなソースとして、特に、茹でたパスタに生野菜を和えたサラダ風味のパスタに用いて好適なソースとして、「酸と共に増粘剤としてワキシースターチを含有し、pHが3.6〜4.3で且つ粘度がコンシストメーターでの20℃における測定値として30〜150mmであることを特徴とするサラダ風味パスタ用ソース」(特許文献1参照)が提案されている。
また、「冷したパスタを調理するためのソースであって、増粘剤としてガム質を含有し、ソースのpHを4.5〜6.0に調整したことを特徴とするレトルトパスタソース」(特許文献2)が提案されている。
さらに、マヨネーズを加えてもマヨネーズが分離せず、しかも冷やしたパスタを絡めると清涼感のあるソースとして、「増粘剤・乳化補助剤としてガム質を含有し、ソースの全原料に対して耐熱性マヨネーズを5〜20%配合し、かつそのpHを4.5〜6.0に調整したことを特徴とするレトルトパスタソース」(特許文献3)が提案されている。これらの特許文献2及び3において、上記ガム質としては、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンド種子ガム、グアガム、アラビアガム、ローカストビーンガムが用いられることが記載されている。
しかし、これらの特許文献2及び3のレトルトパスタソースによっても、加熱殺菌によって乳化が壊れやすいクリームソースの場合には、殺菌後にソースが不均一で滑らかさに欠けたものとなってしまうという問題があった。そのため、低温で低粘度のクリームソースを実現するという点で満足のいくものではなかった。
特許第3267803号公報 特開2004−242600号公報 特開2004−215540号公報
本発明は、上記の如き従来の問題と実状に鑑みて成されたものであり、低温で低粘度でも乳化が安定し且つ食感に優れた加熱殺菌済みクリームソースを提供することを課題としている。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、乳化剤を用いずに未処理のワキシーコーンスターチを含有させ、且つ特定のpH及び特定の粘度とすることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、未処理のワキシーコーンスターチを含み、pHが5.0〜5.8であり、品温10℃でB型粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下である、加熱殺菌済みクリームソースを提供するものである。
本発明の加熱殺菌済みクリームソースは、低温で低粘度でも乳化が安定したクリームソースであり、しかも食感に優れており、特に、冷製パスタなどの冷えたソースを用いたパスタ料理、中でも冷製カルボナーラ用ソースとして特に好適なものである。
本発明は乳化剤を用いずに未処理のワキシーコーンスターチを含有させ、且つ特定のpH及び特定の粘度とすることを特徴とする。
本発明で用いられるワキシーコーンスターチは、未処理のワキシーコーンスターチである。ここで、未処理とは、酸処理、酸化、架橋処理、α化処理などの加工処理を施していないことを意味する。
本発明の加熱殺菌済みクリームソースは、未処理のワキシーコーンスターチを含んでいればよく、他の澱粉を含むこともできる。未処理のワキシーコーンスターチを含まず、加工処理されたワキシーコーンスターチを含む場合には、乳化安定性が悪く、ソースが不均一で滑らかでない。
未処理のワキシーコーンスターチは、加熱殺菌済みクリームソース中、1〜5質量%含んでいることが好ましく、2〜4質量%含んでいることがより好ましい。未処理のワキシーコーンスターチの含有量が少なすぎると、ソースが不均一となることがあり、また未処理のワキシーコーンスターチの含有量が多過ぎると、ソースが滑らかでなく、かつ、清涼感にも欠ける場合がある。
本発明の加熱殺菌済みクリームソースは、pHが5.0〜5.8、好ましくは5.2〜5.7に調整される。ソースのpHが5.0未満であると、乳化が不安定で分離しやすく、またソースのpHが5.8を超えると、粘りがあり、なめらかでない食感になってしまう。
ソースのpHの調整は、この種のソース原料として通常使用されている有機酸やそれらの有機酸を含む食品により行うことができる。有機酸としては、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸のいずれか1種又は2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。これらの中でも、クリームソースに添加すると、風味がよく、さっぱりとした清涼感を感じられることから、乳酸を用いることが特に好ましい。乳酸を含む食品として、ヨーグルト、サワークリーム、フレッシュチーズ、クリームチーズを用いることもできる。
本発明の加熱殺菌済みクリームソースには、クリームソースの原料として一般に用いられている原料を用いることができ、例えば、牛乳、油脂、澱粉の他、生クリームなどを用いるとよい。また、クリームソースの種類に応じて、その他の原料を種々選択して用いることができ、例えば、カルボナーラソースとする場合には、卵黄、チーズをさらに用いるとよい。
さらに、本発明の加熱殺菌済みクリームソースには、具材を配合してもよく、斯かる具材としては、たまねぎ、にんじん、ピーマン、にんにく、マッシュルーム、しめじ、しいたけなどの野菜類、鶏肉、豚肉、ベーコンなどの肉類、魚肉、貝柱などの魚介類などを用いるとよい。
本発明の低粘度の加熱殺菌済みクリームソースとは、品温10℃でB型粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下であるものである。
本発明の加熱殺菌済みクリームソースの加熱殺菌としては、加圧加熱殺菌、レトルト殺菌、無菌充填加熱殺菌などを挙げることができ、中でもレトルト殺菌が好ましい。加熱殺菌の条件は、従来知られている一般的な加熱殺菌条件で行うことができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
以下の例で得られたソースの粘度とpHは次のようにして測定した。
pH:東亜DKK(株)製のpH測定装置HM-25Rを用いてソース品温25℃で測定した。
粘度:(株)トキメック製のB型粘度計を用いて、ソース品温10℃、1000mPa・s未満:ローターNo.2、1000mPa・S以上:ローターNo.3を用いて、測定開始1分後の示度により求めた。
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す原料及び水を混合して加熱調合した後、レトルト用パウチに充填し、120℃で20分間加圧加熱殺菌を行い、加熱殺菌済みクリームソースとして、レトルトカルボナーラソースをそれぞれ得た。
得られた各レトルトカルボナーラソースの加熱殺菌後の粘度及びpHを表1に示す。
また、得られた各レトルトカルボナーラソースについて、乳化安定性及び10℃に冷して喫食したときの食感を、下記評価基準で評価した。その結果(パネラー10名の平均点)を表1に示す。
(乳化安定性)
3点:ソースが極めて均一で滑らかである。
2点:ソースがやや不均一で分離傾向である。
1点:ソースが不均一で分離している。
(食感)
5点:ねばりもざらつきもなく、極めてなめらかなで良好な食感である。
4点:ねばりもざらつきもなく、なめらかなで良好な食感である。
3点:ほとんどねばりとざらつきがなく、ややなめらかな食感である。
2点:ややねばりかざらつきがあり、なめらかでない食感である。
1点:ねばりかざらつきがあり、まったくなめらかでない食感である。
Figure 2012090568
実施例3〜4及び比較例4〜7
表2に示す原料及び水を混合して加熱調合した後、レトルト用パウチに充填し、120℃で20分間加圧加熱殺菌を行い、加熱殺菌済みクリームソースとして、レトルトカルボナーラソースをそれぞれ得た。
得られた各レトルトカルボナーラソースの加熱殺菌後の粘度及びpHを表2に示す。
また、得られた各レトルトカルボナーラソースについて、乳化安定性及び10℃に冷して喫食したときの食感を、実施例1と同様にして評価した。その結果(パネラー10名の平均点)を表2に示す。
Figure 2012090568

Claims (2)

  1. 未処理のワキシーコーンスターチを含み、pHが5.0〜5.8であり、品温10℃でB型粘度計で測定した粘度が3000mPa・s以下である、加熱殺菌済みクリームソース。
  2. 未処理のワキシーコーンスターチの含有量が1〜5質量%である請求項1記載の加熱殺菌済みクリームソース。
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