JP2017112889A - 常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
缶詰とは、一般に水分の多い食品を金属缶に詰めて密封した上で微生物による腐敗・変敗を防ぐために加熱・殺菌したものである。また、レトルトパウチ食品とは、プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状、又はその他の形状に成形した容器(気密性および遮光性を有するものに限る。)に食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものをいう。缶詰およびレトルト食品は、その高い気密性から常温で流通、保存することが可能であり、開封後にすぐに喫食することが出来る手軽さから、世界で広く消費されている。近年では、災害時に備えた備蓄食糧として見直され、カレーにおいては調理器具を使用できない状況下でも温めを必要とせずに、常温においても問題なく喫食することが出来る製品が販売されている。
本発明の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物は、前述のように、油溶性香味料、乳化剤および多価アルコール溶媒を含有し、油溶性香味料が4〜50質量%、乳化剤が5〜40質量%、多価アルコール溶媒が0.1〜70質量%となるように調製された原料を以下の製造工程により均一に撹拌することにより、得ることが可能である。
製造工程としては、
(a)乳化剤および多価アルコール溶媒を混合する工程
(b)上記混合物に油溶性香味料を混合する工程
を含み、(a)、(b)の順に製造されることが、各原料が均一に分散するために好ましいが、
(c)油溶性香味料と乳化剤を混合する工程
(d)上記混合物に多価アルコール溶媒を混合する工程
を含み、(c)、(d)の順に製造されることも可能であり、製造工程の順番は限定されないが、(a)、(b)の順に製造されることがより好ましい。なお、上記混合工程にて使用される機械は、撹拌機能を有していれば特に限定されることはなく、ホモディスパーやホモミキサーなどの特殊な機械を必要としないという利点を有している。本発明の製造方法に関しては、混合に際して処方によっては粘性を示すことがあり、その場合は粘度が高くても均一に分散可能なニーダーのような混練機を使用することが好ましい。混合時の回転数は、100rpm以下であることが好ましく、更に好ましい回転数は50rpm〜10rpmである。
本発明品を油溶性香味料そのものおよび油溶性香味料を乳化した乳化物と比較するため、以下の原料を用いて、表1の組成で油溶性香味料(比較例1)、油溶性香味料を乳化した乳化物(比較例2)、本発明品(実施例1)を作成した。油溶性香味料(カレーオイル:小川香料社製、中鎖脂肪酸トリグリセリド:MAS ESTER-E7000 P.T. Musim Massh社製)、乳化剤(デカグリセリンモノミリステート:DECAGLYN 1-MVEX 日光ケミカルズ社製)、多価アルコール溶媒(グリセリン:阪本薬品工業社製、果糖ぶどう糖液糖:ハイフラクトース F-550 三和澱粉工業株式会社製)。本発明品の製造方法は前記(a)工程および(b)工程の順に真空レオニーダ―(株式会社カジワラ社製 型式KQSV−3FTL)を使用し、回転数12rpmにて混合し、ゲル状の香味料組成物である本発明品の実施例1を得た。
300ml容量のガラス製ビーカーに中鎖脂肪酸トリグリセリド100gと油溶性香味料150gを入れ混合し、完全に溶解させた(以後、溶解液Aと称する)。2000ml容量のステンレス製ビーカーに、乳化剤としてキラヤ抽出物製剤70g、多価アルコール溶媒としてグリセリン190g、果糖ぶどう糖液糖400g及び水90gをとり、完全に溶解した(以後、溶解液Bと称する)。
上記溶解液Bに溶解液A250gを加え混合し、次いでホモミキサー(プライミクス株式会社製、型式:T.K.ROBOMICS)により12000rpm、40〜50℃で乳化処理を行い、比較例2の乳化物を得た。
1:変わらない
2:わずかに強い
3:強い
4:かなり強い
5:非常に強い
として評価した。評価は訓練されたパネリスト5名で行い、上記5段階評価のうち最もあてはまるものを選択し、その平均値を算出した。なお、評価時の品温は17℃であった。
比較例2の乳化物には高含量の油溶性香味料を乳化するためにキラヤ抽出物製剤を使用した。表2における評価結果にキラヤ抽出物製剤の影響があるかを確認すべく、油溶性香味料の含量を下げ、キラヤ抽出物製剤を使用しない乳化物と本発明品との効果を比較した。キラヤ抽出物を使用していない乳化物(比較例3)および比較例3と同量の油溶性香味料を含む本発明品(実施例2)を表3の組成で製造した。なお、原料および製造方法は製造例1と同じ原料および同じ製法方法で作成した。
表1の実施例1と同じ組成で、乳化剤部分のみポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるグリセリンの平均重合度が異なる表5の原料にそれぞれ置き換えたゲル状香味料組成物(実施例3〜5)を作成し、市販の常温喫食用レトルトカレーに、総量の0.4%になるようにそれぞれ添加し、良く混合して評価した。香味に関する評価は製造例1と同じ条件で行った。
グリセリン平均重合度が4の際には喫食中のボディ感及び喫食後のボリューム感がやや弱く、苦味が評価されたが、グリセリンの平均重合度が6または10の場合には喫食中のボディ感及び喫食後のボリューム感が強化された一方で苦味は評価されず、優れた効果を示した。
表7の通り、油溶性香味料の含量をそれぞれ4〜70%に調整して作成した本発明品(実施例6〜8)および比較品(比較例4)を作成し、市販の常温喫食用レトルトカレーに、0.4%濃度になるようにそれぞれ添加し、良く混合して評価した。香味に関する評価は製造例1と全く同じ条件で行った。
なお、使用した原料は、油溶性香味料にコリアンダーオイルと、その溶剤として中鎖脂肪酸トリグリセリドを使用したもの、および乳化剤にデカグリセリンモノカプリレート(グリスターMCA-750 阪本薬品工業株式会社製)を使用した以外は製造例1と同じ原料を使用した。
表9の通り、乳化剤含量を5〜40%にそれぞれ調整した本発明品(実施例9〜12)を作成し、市販の常温喫食用レトルトカレーに、0.4%濃度になるようにそれぞれ添加し、良く混合して評価した。香味に関する評価は製造例1と全く同じ条件で行った。
なお、使用した原料に関して、油溶性香味料に香味油であるジンジャーオイル(小川香料社製)および残余部としてアップル濃縮果汁(日本果実加工株式会社製 Brix40)を使用した他は実施例1と同じ原料を使用した。
Claims (8)
- 下記(A)、(B)および(C)を含有することを特徴とする、常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物。
(A):油溶性香味料4〜50質量%
(B):乳化剤5〜40質量%
(C):多価アルコール溶媒0.1〜70質量% - 乳化剤が、平均重合度6〜10のポリグリセリンと炭素数10〜14の飽和脂肪酸のモノエステルから選ばれる1種又は2種以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物。
- 多価アルコール溶媒が、プロピレングリコール、グリセリン、糖類、糖アルコール類、およびそれらの水溶液からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物を含有することを特徴とする常温喫食用レトルトカレー。
- 下記(B)および(C)を混合し、さらに下記(A)を混合することを特徴とする常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物の製造方法。
(A):油溶性香味料4〜50質量%
(B):乳化剤5〜40質量%
(C):多価アルコール溶媒0.1〜70質量% - 乳化剤が、平均重合度6〜10のポリグリセリンと炭素数10〜14の飽和脂肪酸のモノエステルから選ばれる1種又は2種以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項5に記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物の製造方法。
- 多価アルコール溶媒が、プロピレングリコール、グリセリン、糖類、糖アルコール類、およびそれらの水溶液からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の常温喫食用レトルト食品用ゲル状香味料組成物を添加することを特徴とする常温喫食用レトルトカレーの製造方法。
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- 2015-12-24 JP JP2015250852A patent/JP2017112889A/ja active Pending
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