JP2023121202A - 濃縮液状スープ - Google Patents

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まどか 寺澤
Madoka Terasawa
琢磨 河原
Takuma Kawahara
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Abstract

Figure 2023121202000001
【課題】本発明は、湯又は水を注加した後、溶解および混合して喫食する濃縮液状スープに関するものであり、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味を感じられる濃縮液状スープを提供することを目的とする。
【解決手段】食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含有する、
濃縮液状スープであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、湯又は水を注加した後、溶解および混合して喫食する濃縮液状スープに関するものであり、特に、冷凍・チルド麺や即席麺に添付される濃縮スープとして用いることのできる濃縮液状スープに関するものである。
より詳細には、食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含む、濃縮液状スープに関するものである。
濃縮液状スープは種々の加工食品の分野で使用されている。このような濃縮液状スープは、乳化していないスープか、乳化剤を用いて強制的に乳化させているスープ(以下、強制乳化という)に大別することができる。例えば、清湯や醤油スープなどは乳化していないスープに該当する。一方、豚骨スープや白湯スープは強制乳化スープに該当する。
一方、いわゆる「家系ラーメン」と称される豚骨醤油系スープに関しては、個店で提供されるような本格的なスープは、醤油や塩を主体とした含水性部分相、乳化相、および香味油を主体とする香味油部分相を有している。そして、前記三相を有することで、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、切れのある醤油の風味を生み出している。
さらに、前記乳化相中には種々の面積を有する油脂粒が含まれていることも特徴といえる。面積の大きい油脂粒からは、油脂の厚みやダイレクトな香りが感じられる一方、面積の小さい油脂粒からはまろやかさを感じられることで、経時的な風味の変化を伴い、何度も喫食したくなるような連食性につながっている。
塩系スープに関しても同様に、前記三相を有することで、油脂のうまみがありながらも、淡麗な塩の風味を生み出している。
そこで、高油脂含量の濃厚なスープを実現する目的で、油脂含量に対する水分含量を調整することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2012-29655号公報
しかしながら、特許文献1記載のスープは、油脂含量は高められるものの増粘剤を使用しとろみをつけていることから、加工食品様の風味になってしまうという課題がある。
一方、前記三相を有する豚骨醤油系スープや塩系スープ(以下、本発明において「半乳化スープ」と称する)を強制乳化させて製造しようとすると、油脂の濃厚感は感じられるものの、塩味の角がとれた均一的な風味になってしまうという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味が感じられる濃縮液状スープを提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、濃縮液状スープにおいて、食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含有させることによって、油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味を感じられる濃縮液状スープが得られることを知見した。
より詳細には、濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合するだけで、少なくとも含水性部分相、乳化相、および香味油部分相を有する希釈済液状スープが得られる方法について検討を行った。
そして、濃縮液状スープの含水性部分に難消化性グルカンを配合することで食用油脂を多く添加でき、油脂の濃厚感を高められることを新たに見出した。
さらに、香味油部分に乳化剤を配合することで、濃縮液状スープに湯を注加した後、溶解および混合した際に、前記含水性部分に含まれる食用油脂の一部と香味油部分に含まれる乳化剤の一部とが油滴を形成し、乳化相を発生させることを新たに見出した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含む、濃縮液状スープが提供される。
本発明の態様においては、前記乳化剤のHLB値が、8以上18以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記乳化剤が、大豆レシチン、卵黄レシチン、又はグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも1つ以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープは、少なくとも含水性部分と香味油部分とを有する分離型液状スープであり、前記含水性部分に難消化性グルカンを含み、前記香味油部分に乳化剤を含むことが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂の含有量が、10%以上30%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる難消化性グルカンの含有量が、0.4%以上8.0%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂に対する難消化性グルカンの配合比率が、食用油脂100部に対して難消化性グルカン10部以上20部以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープの香味油部分に含まれる乳化剤の含有量が、0.01%以上0.5%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合させた希釈済液状スープにおいて、少なくとも含水性部分相、乳化相、および香味油部分相からなる、濃縮液状スープが提供される。
本発明によれば、半乳化スープ特有の、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味が感じられる濃縮液状スープを提供することができる。
3種の濃縮液状スープそれぞれに湯を注加した後、溶解および混合し1分静置後の希釈済液状スープの相状態を示す写真である。左から順に、強制乳化スープ、本発明の濃縮液状スープ、乳化していないスープである。 3種の濃縮液状スープそれぞれに湯を注加した後、溶解および混合し1分静置後の希釈済液状スープの乳化相中に含まれる油脂粒を示す写真である。左から順に、本発明の濃縮液状スープ、強制乳化スープ、乳化していないスープである。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<濃縮液状スープ>
本発明の濃縮液状スープは、食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含むものであり、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味が感じられる濃縮液状スープを提供することができる。
本発明の濃縮液状スープは、少なくとも含水性部分と香味油部分とを有する分離型液状スープであり、前記含水性部分に難消化性グルカンを含み、前記香味油部分に乳化剤を含むものである。
本発明において、分離型液状スープとは、醤油や塩を含む調味液を主体とした含水性部分と香味油やその他の油溶性成分を主体とした香味油部分とを有し、それらが分離して存在するスープをいう。
<濃縮液状スープの提供形態>
なお、本発明の濃縮液状スープを提供する形態としては、含水性部分および香味油部分を含む全ての原料を一つのスープパックに封入してもよいし、難消化性グルカンを含む含水性部分と乳化剤を含む香味油部分とを別のスープパックにそれぞれ封入してもよいが、利便性や製造効率の観点から、全ての原料を一つのスープパックに封入するとよい。従来技術では、含水性部分と乳化剤を含む香味油部分とを一つのスープパックに封入すると、輸送時などの振動で乳化してしまい、喫食時に好ましくない食味になってしまうという課題があった。しかしながら、本発明の濃縮液状スープでは、一包袋に封入しても喫食時に湯又は水を注加した後、溶解および混合することではじめて、乳化相を発生させることができるものである。
<希釈済液状スープ>
本発明の濃縮液状スープは、湯又は水を注加した後、溶解および混合することで、少なくとも含水性部分相、乳化相、および香味油部分相からなる、希釈済液状スープとすることができる。
<含水性部分>
本発明において、含水性部分とは、醤油や塩を含む調味液を主体とした部分をいう。例えば、醤油、塩、肉や野菜等を熱水等で抽出・濃縮したエキス分、澱粉等の増粘剤、グルタミン酸ナトリウム、砂糖、塩、香辛料、イノシン一リン酸(IMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、醤油、味噌、食酢、味醂等と、水分を含有する。ここで、エキス分については、肉類(畜肉、魚肉、豚骨、鶏骨、牛骨)を中心に野菜等も含めて当該原料を炒めたり、茹でたりしてその成分を抽出したものである。特に調理の方法等は限定されない。なお、本発明において、香味油部分を別途構成として規定しているが、含水性部分にも、食用油脂を添加している。
<含水性部分相>
本発明において、含水性部分相とは、濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合することで発生した、上記含水性部分を主体とした水相のことをいう。ここで、濃縮液状スープを構成する含水性部分と希釈済液状スープを構成する含水性部分相に含まれる原料およびその配合量は一致していなくともよい。
<香味油部分>
本発明において、香味油部分とは、香味油やその他の油溶性成分を主体とした香味油部分をいう。
<香味油部分相>
本発明において、香味油部分相とは、濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合することで発生した、香味油部分を主体とした油相のことをいう。ここで、濃縮液状スープを構成する香味油部分と希釈済液状スープを構成する香味油部分相に含まれる原料およびその配合量は一致していなくともよい。
<含水性部分と香味油部分の配合比率>
本発明において、濃縮液状スープにおける含水性部分と香味油部分との配合比率は、含水性部分100部に対して香味油部分1部以上80部以下であるとよい。
<乳化相>
本発明において、乳化相とは、濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合することで発生した、水相に油相が油滴状に分散した(水中油滴型(O/W型))状態を指す。
<油脂粒>
本発明において、油脂粒とは、乳化相中に含まれる円や楕円の形状を基本とした油の粒のことをいう。面積の大きい油脂粒からは、油脂の厚みやダイレクトな香りが感じられる一方、面積の小さい油脂粒からはまろやかさを感じられる。喫食時に箸でかき混ぜることにより、油脂粒の形状や面積が変化することから、何度も喫食したくなるような連食性につながっている。
<食用油脂>
本発明における食用油脂とは、一般的に食用として使用される油脂であればよい。
例えば、豚油(ラード)、牛脂、鶏 油、乳脂等の動物性油脂や、ゴマ油、オリーブオイル、米油、大豆油、菜種油、綿実油 、コーン油等の植物性油脂が使用される。これらは単独で使用しても良いし、必要に応じて組み合わせて使用しても良い。
<香味油>
本発明において、香味油とは、食用油脂に香味原料(香辛料、香料又は調味料)等加えたものであって、調理の際に当該香味原料の香味を付与するものをいい、例えば、ラー油、鶏油(チー油)、ネギ油などがある。
<食用油脂の含有量>
(濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂の含有量)
本発明の濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂の含有量は、油脂の濃厚感を高めやすいことから、10%以上30%以下であるとよく、さらに15%以上25%以下であるとよい。10%未満であると、油脂の濃厚感を感じにくくなる。一方、30%より多いと、添加した食用油脂が分離してしまう恐れがある。
<濃縮液状スープの粘度>
一般的に、食用油脂を分離させないようにしながら含水性部分に添加する食用油脂を増やすには、含水性部分の粘度を高める方法が用いられる。すなわち、含水性部分に濃厚なエキス分や固形分、増粘剤が含まれており、粘度が高い状態であるとより多くの食用油脂を添加・混合しておくことができる。しかしながら、含水性部分の粘度を高めると、湯で希釈した液状スープの粘度も高まることから、半乳化スープ特有の醤油や塩の淡麗な風味が感じにくくなる。
そこで、本発明においては、濃縮液状スープの含水性部分に難消化性グルカンを配合することで、とろみのないスープでありながらも、含水性部分に添加できる食用油脂の添加量を高めることができるものである。例えば、本発明の濃縮液状スープの粘度は、B型粘度計で測定した場合、0.5Pa・s以上7.0Pa・s以下であるとよく、さらに0.7Pa・s以上4.0Pa・s以下であるとよい。
<難消化性グルカン>
本発明において「難消化性グルカン」とは、澱粉分解物を主な原料として活性炭を触媒に糖を加熱重合させる方法によって得られる難消化性糖質のうち、消化抵抗性を示す食 物繊維画分を意味する。このようにして得られた「難消化性グルカン」は、α-1,6結合主体で、α結合とβ結合が混在した分子構造と推定される。このような難消化性グルカンとしては、例えば、フィットファイバー#80(登録商標、日本食品化工株式会社製)等が挙げられる。
<難消化性グルカンの含有量>
(濃縮液状スープの含水性部分に含まれる難消化性グルカンの含有量)
本発明の濃縮液状スープの含水性部分に含まれる難消化性グルカンの含有量は、含水性部分中の食用油脂の含有量を高められることから、0.4%以上8%以下であるとよく、さらに0.4%以上3.5%以下であるとよい。0.4%未満であると、含水性部分に含まれる食用油脂の含有量が減少するため、乳化相が少なくなり油脂のまろやかさや濃厚感を感じにくくなる。一方、8%より多くてもスープの性状や風味に影響はないが、経済的でない。
(濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂に対する難消化性グルカンの配合比率)
本発明の濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂に対する難消化性グルカンの配合比率は、希釈済液状スープの含水性部分相、乳化相、および香味油部分相の最適なバランスを実現しやすいことから、前記食用油脂100部に対して難消化性グルカン10部以上20部以下であるとよく、さらに13部以上18部以下であるとよい。10部未満であると、含水性部分中に含まれる食用油脂の含有量が減少するため、乳化相が少なくなり、まろやかな風味を感じにくくなる。一方、20部より多くてもスープの性状や風味に影響はないが、経済的でない。
<乳化剤>
本発明における乳化剤とは、一般的に食用として使用される乳化剤であればよい。前記乳化剤が、大豆レシチン、卵黄レシチン、又はグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも1つ以上であるとよく、さらに大豆レシチンであるとよい。
<乳化剤のHLB値>
本発明において、前記乳化剤のHLB値の範囲としては8以上18以下であるとよく、さらに10以上15以下であるとよい。また、乳化剤の形態としては、液体でも固体でもどちらでもよいが、同一の包材内に封入される他の成分の形態に合わせることが望ましい。
<乳化剤の含有量>
(濃縮液状スープの香味油部分に含まれる乳化剤の含有量)
本発明の濃縮液状スープの香味油部分に含まれる乳化剤の含有量は、希釈済液状スープを構成する乳化相、および香味油部分相に浮いている油脂粒の大きさに影響することから、0.01%以上0.5%以下であるとよく、0.02%以上0.1%以下であるとい。0.01%未満であると、面積の大きい油脂粒の割合が増えるため、香りがダイレクトに伝わるものの、まろやかな風味が感じにくい。一方、0.5%より多いと、面積の小さい油脂粒の割合が増えるため、強制乳化スープ様の均一な風味になりやすい。
<その他>
なお、本発明において、砂糖、塩、醤油などの調味料や、食品添加物、例えば甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、苦味料、酸味料、強化剤、製造用剤および香料などを添加して用いることができる。
<濃縮液状スープの製造方法>
本発明の濃縮液状スープは、通常、含水性部分と香味油部分とを別々の原料タンクで製造し、別々のタンクからそれぞれ、別々のノズルを通じて 、一つのスープパックに充填するのが一般的である。
<含水性部分の製造方法>
1.加熱攪拌工程
本発明の濃縮液状スープの含水性部分を製造する際、所定の配合に従って醤油などの液状原料を撹拌器やニーダー等に加え 、混合攪拌した後、粉体原料を投入し、例えば80~95℃程度まで加熱して調製する。
2.冷却工程
次に、加熱工程で加熱した含水性部分を冷却する。冷却方法は特に限定はしないが、例えば、自然冷却や流水冷却などにより粗熱をとればよい。冷却温度としては、例えば、50℃以下に冷却する。
<香味油部分の製造方法>
本発明の濃縮液状スープの香味油部分を製造する際、所定の配合に従って全原料を撹拌器やニーダー等に加え、例えば40~50℃で混合攪拌する。
次に、本発明を実施例および比較例に基づき、さらに説明する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
(実施例1 ―豚骨醤油系スープ―)
(1)含水性部分の調製
原料タンクに、下記配合表:含水性部分(表1)に基づいて、醤油30.0kg、食塩3.0kg、グルタミン酸ナトリウム3.0kg、動物性エキス30.0kg、および清水11.0kgを添加し調味液を得た。
次に、加熱攪拌しながら、液温が85℃となるまで加熱し、85℃で5分間維持した後、70℃まで冷却した。
続いて、70℃まで冷却した調味液に、食用油脂(ラード、植物性油脂)20.0kg、難消化性グルカン3.0kgを添加して攪拌して、含水性部分を得た。
最後に、品温が45℃以下になったところでスープパックに60gずつ充填した。
Figure 2023121202000002
(2)香味油部分の調製
原料タンクに、下記配合量:香味油部分(表2)に基づいて、香味油(チキンオイル)94.0kg、大豆レシチン(SLP-ペースト、辻製油株式会社製、HLB=約14、ペースト状)0.05kg、香料5.95kgを添加しオイル液を得た。次に、加熱攪拌しながら、液温が40~50℃となるまで加温し、香味油部分を得た。最後に、前記含水性部分を充填したスープパックに得られた香味油部分を25gずつ充填して、上部をヒートシールして密封し、実施例1の濃縮液状スープ85gを得た。
Figure 2023121202000003
(比較例1)
難消化性グルカンの代わりに結晶セルロースを3.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(比較例2)
難消化性グルカンの代わりにマルトースを3.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(比較例3)
難消化性グルカンの代わりにマルトースを1.5kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(比較例4)
難消化性グルカンの代わりにマルトデキストリンを3.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(比較例5)
難消化性グルカンの代わりにマルトデキストリンを1.5kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(比較例6)
難消化性グルカンの代わりにデキストリン(パインデックス #100、松谷化学工業株式会社製)を3.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例2)
大豆レシチンの代わりにグリセリン脂肪酸エステル(HLB=約7)を0.05kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例3)
大豆レシチンの代わりにグリセリン脂肪酸エステル(HLB=約7)を5.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例4)
大豆レシチンの代わりに卵黄レシチン(PL-30S、キユーピー株式会社製、HLB=約12)を0.05kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
<試験例1>
実施例1乃至4、及び比較例1乃至6で得られた濃縮液状スープをそれぞれ容器に入れ、95℃以上のお湯を250mL添加した後、箸で溶解および混合することで、希釈済液状スープを得た。
別途、小麦粉、デンプン、 かん水より調製された生麺(角刃、12番の切刃で切出したもの)を1Lのお湯でガスコンロで6分半、茹で処理した。当該茹で後の麺を取り出し、麺を完成させた。先に調整済の希釈済液状スープを利用して試食し、外観評価と官能評価を行った。なお、官能評価は、パネラー5名で喫食し、下記の評価に従い行った。なお、平均した評価を当該サンプルの評価とした。結果を表3および表4に示す。
<外観評価>
1.相状態
〇 :含水性部分相、乳化相、香味油部分相が確認でき、各相のバランスも最適であった。
△ :各相のバランスに検討の余地があった。
×1:乳化相が確認できなかった。
×2:全体的に乳化しており、強制乳化スープ様であった。
2.油脂粒
〇 :スープ中には、種々の大きさの油脂粒が含まれていた。
△ :スープ中には、種々の大きさの油脂粒が含まれていたものの、小さい又は大きい油脂粒の割合が偏っていた。
× :スープ中に含まれる油脂粒の大きさは均一であった。
― :スープ中に油脂粒は確認できなかった。
3.濁度
〇 :含水性部分相は濁っておらず、香味油部分相は透明であった。
△ :やや、含水性部分が濁っていたが、支障はない程度であった。
× :全体的に濁っていた。
4.とろみ
〇 :とろみのないさらさらとしたスープであった。
× :とろみを感じるスープであった。
<官能評価>
〇 :豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、醤油や塩の淡麗な風味を感じられるスープであった。
△1:若干、油脂の濃厚感が弱いスープであった。
△2:若干、強制乳化スープのような均一的な風味が強いスープであった。
× :豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみが感じられず、醤油や塩の淡麗な風味も感じられないスープであった。
Figure 2023121202000004
Figure 2023121202000005
表3より、実施例1の希釈済液状スープは、含水性部分相、乳化相、および香味油部分相が確認できた上、スープ中には種々の大きさの油脂粒が含まれていた。濁度およびとろみも良好であった。風味に関しても、豚骨や鶏がら、魚介類といった油脂の濃厚感・うまみがありながらも、切れのある醤油の風味が感じられる豚骨醤油系スープであることが確認できた。
実施例2乃至4のスープは、実施例1のスープと比較すると、相状態、油脂粒、濁度、および風味に改良の余地があるものの、美味な豚骨醤油系スープであった。
一方、表4より、比較例1のスープは、全体的に濁ってしまった。
比較例2、4、および6のスープは、全体的に乳化しており相状態が確認できなかった上に、とろみがでてしまった。風味に関しても、強制乳化スープ様の均一な風味であった。
比較例3および5のスープは、乳化相が確認できず、油脂の濃厚感が感じられないスープであった。
<試験例2>
次に、難消化性グルカンおよび乳化剤の含有量について、検証および評価を行った。なお、外観評価および官能評価については上記と同様であるため省略する。結果を表5に示す。
(実施例5)
難消化性グルカンを4.0kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例6)
難消化性グルカンを2.3kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例7)
大豆レシチンを0.10kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
(実施例8)
大豆レシチンを0.025kg使用したこと以外は実施例1と同じである。
Figure 2023121202000006
表5より、実施例5乃至8のスープは、実施例1のスープと比較すると、相状態や油脂粒に改良の余地があるものの、総じて美味な豚骨醤油系スープであった。

Claims (9)

  1. 食用油脂、難消化性グルカン、および乳化剤を含有する、
    濃縮液状スープ。
  2. 前記乳化剤のHLB値が、8以上18以下である、
    請求項1記載の濃縮液状スープ。
  3. 前記乳化剤が、大豆レシチン、卵黄レシチン、又はグリセリン脂肪酸エステルのうち少なくとも1つ以上である、
    請求項1又は2記載の濃縮液状スープ。
  4. 前記濃縮液状スープは、少なくとも含水性部分と香味油部分とを有する分離型液状スープであり、
    前記含水性部分に難消化性グルカンを含み、
    前記香味油部分に乳化剤を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
  5. 前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂の含有量が、10%以上30%以下である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
  6. 前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる難消化性グルカンの含有量が、0.4%以上8.0%以下である、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
  7. 前記濃縮液状スープの含水性部分に含まれる食用油脂に対する難消化性グルカンの配合比率が、
    食用油脂100部に対して難消化性グルカン10部以上20部以下である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
  8. 前記濃縮液状スープの香味油部分に含まれる乳化剤の含有量が、0.01%以上0.5%以下である、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
  9. 前記濃縮液状スープに湯又は水を注加した後、溶解および混合させた希釈済液状スープにおいて、
    少なくとも含水性部分相、乳化相、および香味油部分相からなる、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の濃縮液状スープ。
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