JPH07184609A - 即席スープ組成物及び液状食品 - Google Patents

即席スープ組成物及び液状食品

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JPH07184609A
JPH07184609A JP5347619A JP34761993A JPH07184609A JP H07184609 A JPH07184609 A JP H07184609A JP 5347619 A JP5347619 A JP 5347619A JP 34761993 A JP34761993 A JP 34761993A JP H07184609 A JPH07184609 A JP H07184609A
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soup
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instant
corn
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JP5347619A
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Nobuteru Ishizuka
信輝 石塚
Haruko Sasakura
治子 笹倉
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コク、乳味感の増強と共に、濃密感が付与さ
れたスープを提供する。 【構成】 即席スープ組成物を7.5倍量の水に溶解、
分散させたときに、1μm以下の粒子径となる油滴が該
組成物当り4〜50重量%含有されており、かつ該組成
物に更に、5〜25重量%のα化澱粉及び/又は0.5
〜5重量%のグルテン及び/又は0.1〜1重量%の食
物繊維が含有されている、食塩、そして肉エキス、野菜
エキス及び/又は蛋白質加水分解物の調味成分を含む即
席スープ組成物。液状食品の全体量に対して0.5〜5
重量%の、粒子径が1μm以下の油滴の状態で分散され
ている油脂が含まれており、かつ0.6〜3.3重量%
のα化澱粉及び/又は0.06〜0.6重量%のグルテ
ン及び/又は0.01〜0.1重量%の食物繊維が含有
されている、食塩、そして肉エキス、野菜エキス及び/
又は蛋白質加水分解物の調味成分を含む液状食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱湯を加えたり、ある
いは水、牛乳、肉、野菜を加えて簡単に調理することに
よって飲食できる即席スープ組成物及びそのまま、ある
いは単に温めたり冷やしたりして飲食できる液状食品に
関する。特に本発明は、コク、乳風味、更に濃密感が付
与された即席スープ組成物及び液状食品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱湯を注ぐだけですぐ飲食できたり、あ
るいは水、牛乳、更には肉、野菜を加えて少々煮るなど
の簡単な調理によって飲食できる、所謂即席スープ(即
席スープ組成物)は、その手軽さから家庭や職場などの
朝、昼食時などで多く利用されている。即席スープは、
粉末、固形、顆粒などの固体、あるいはペーストなどの
半固体であって、通常水(湯)、牛乳などで5〜10倍
程度希釈して飲食する。即席スープは、一般に食肉(牛
肉、鶏肉などの獣鳥肉、魚介類などの肉や骨)あるいは
野菜、海草類などを煮出して作った煮出し汁(エキス
分)、及び/又は蛋白質加水分解物、油脂、そして調味
料をベースにして、エキス分などの液状のものは例え
ば、調味料、穀粉などの比較的吸湿性の少ない原料に滲
み込ませた後乾燥させるなどの方法で、それぞれ固形、
顆粒、あるいは粉末、あるいはまたペースト状にし、更
に好みに応じて加える、肉、野菜、ヌードル、パスタな
どの様々な材料(具)や香辛料などについても同様に固
形、顆粒、粉末、あるいはペースト状にし、最後にこれ
らの成分を混合することによって作ることができるが、
得られるスープがより濃厚で、クリームのような滑らか
感のあるものが好まれる昨今においては、更に穀粉、あ
るいは脱脂粉乳、生クリーム、牛乳などの乳成分を加え
たものが主流となっている。
【0003】一方、缶詰食品、レトルトパウチ食品など
の形態で市販されている、スープ、シチューなどの液状
食品においても、上記の即席スープ組成物のように一般
に、食肉(牛肉、鶏肉などの獣鳥肉、魚介類などの肉や
骨)あるいは野菜、海草類などを煮出して作った煮出し
汁(エキス分)、あるいはこれをペースト状、固形にし
たもの、及び/又は蛋白質加水分解物、油脂、調味料、
そしてこれらの成分を溶解分散する水をベースに、肉、
野菜、ヌードル、パスタなどの様々な材料(具)、香辛
料などを加え好みの味つけで調理することによって作ら
れるが、より濃厚で、クリームのような滑らか感のある
ものが好まれる昨今においては、上記の即席スープ組成
物のように更に穀粉、あるいは脱脂粉乳、生クリーム、
牛乳などの乳成分を加えたものが主流となっている。
【0004】ところで、上記のような即席スープ組成物
を用いて作った液状のスープ、あるいは液状食品の濃厚
さ、コクまたクリームのような滑らか感のある乳風味
は、一般に含有油脂量が多くなるほど増加する。しか
し、同時に含有油脂量が多いと油っぽさを生じる為、通
常のこれらの液状状態の製品においては、この中に含ま
れる油脂量は、多くても5重量%程度(即席スープ組成
物への含有可能な油脂量は、該組成物当り多くても50
重量%程度)である場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人は、従来の
即席スープや液状食品におけるコクや乳風味の増強を目
的として改良を進めた結果、含有されている油滴の粒子
径を従来のもの(3〜20μmの比較的大きな粒子径)
より更に微細な粒子径となるように調整することによ
り、少ない油脂含有量(即席スープでは、飲食時の液状
状態における油脂含有量)にも拘らず、コク、乳風味の
増強された食品が得られることを見出し、既に特許出願
している(特願平5−218062号、同5−2180
63号、及び同5−228021号各明細書)。
【0006】しかしながら、本発明者の更なる検討によ
ると、上記のような微細な粒子径とされた油滴を含むよ
うに調整することにより、確かに、コク、乳風味の増強
されたスープを得ることができるが、濃密感(中身が濃
厚で密な感じ)に欠け、このため手作り風の食味が得ら
れず、更に改良の余地があることが判明した。従って、
本発明の目的は、コク、乳味感の増強と共に、更に濃密
感が付与され、手作り風の食味とされた液状のスープな
どを得ることができる即席スープ組成物及び液状食品を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
前記特願平5−218062号等の明細書に記載されて
いる即席スープ組成物及び液状食品に配合した微細な油
滴粒子と共に、更にα化澱粉、グルテン、そして食物繊
維のうちの少なくとも一種の成分を配合することによ
り、コク、乳風味の増強と共に、濃密感が付与されたス
ープ等が得られることを見出し、本発明を完成したもの
である。
【0008】本発明は、食塩、そして肉エキス、野菜エ
キス及び蛋白質加水分解物から選ばれた少なくとも一種
の調味成分からなる固体、あるいは半固体の即席スープ
組成物であって、更に該組成物を7.5倍量の水に溶
解、分散させたときに、1μm以下の粒子径となる油滴
が該組成物当り4〜50重量%含有されており、かつ該
組成物に、5〜25重量%のα化澱粉、0.5〜5重量
%のグルテンおよび0.1〜1重量%の食物繊維から選
ばれた少なくとも一種の成分が含有されていることを特
徴とする即席スープ組成物にある。
【0009】また本発明は、食塩、そして肉エキス、野
菜エキス及び蛋白質加水分解物から選ばれた少なくとも
一種の調味成分からなる液状食品であって、更にその全
体量に対して0.5〜5重量%の、粒子径が1μm以下
の油滴の状態で分散されている油脂が含まれており、か
つ0.6〜3.3重量%のα化澱粉、0.06〜0.6
重量%のグルテンおよび0.01〜0.1重量%の食物
繊維から選ばれた少なくとも一種の成分が含有されてい
ることを特徴とする液状食品にもある。
【0010】以下に、本発明の即席スープ組成物及び液
状食品について説明する。本発明の即席スープ組成物
は、該組成物を7.5倍量の水に溶解、分散させたとき
に、粒子径が1μm以下の油脂の油滴が該組成物当り4
〜50重量%含有されており、更に該組成物に、α化澱
粉、グルテンおよび食物繊維から選ばれた少なくとも一
種の成分がそれぞれ特定量含有されていることを特徴と
している以外は、従来から知られている、即席スープ組
成物と変わりなく構成することができる。すなわち、本
発明の即席スープ組成物においても、通常即席スープ組
成物に含まれている成分、例えば、油脂、食塩、そして
肉エキス、野菜エキス及び蛋白質加水分解物から選ばれ
た少なくとも一種の調味成分をベースに、肉、野菜、海
草、ヌードル、パスタなどが使用でき、更に、目的とす
るスープに応じて、食塩以外の調味料、香辛料、更に穀
粉、脱脂粉乳、牛乳、生クリームなどの乳成分を含ませ
ることができる。なお、上記のような材料を使用する場
合には、従来の方法に従って、個々に、あるいは適宜組
み合わせて乾燥物、ペーストなどの半固体とした後、配
合し、最後に目的の形状(固体、半固体)に加工するこ
とによって本発明の即席スープ組成物が調製される。
【0011】また本発明の液状食品においては、上記即
席スープ組成物に含有されているような、粒子径が1μ
m以下の油脂の油滴が、その全体量に対して0.5〜5
重量%の量で分散されており、更にα化澱粉、グルテン
および食物繊維から選ばれた少なくとも一種の成分がそ
れぞれ特定量含有されていることを特徴としている以外
は、従来から知られている、スープ、シチューと変わり
なく構成することができる。すなわち、本発明の液状食
品においても、上記の即席スープ組成物に通常含まれて
いる上記の成分を使用して、通常のスープ、シチューと
同様に構成することができる。
【0012】以下に、本発明の即席スープ組成物及び液
状食品で使用する主要成分について説明する。油脂は、
食用であれば特に制限されず、植物性油脂、動物性油脂
の何れでも良い。例えば、ヤシ油、菜種油、大豆油、コ
ーン油、ポークファット、ビーフファット、チキンファ
ットなどを挙げることができる。また、これらの硬化
油、分別油、エステル交換油なども使用できる。そして
これらの油脂は単独でも二種類以上を混合して使用して
もよい。
【0013】本発明の即席スープ組成物及び液状食品に
は、調味料として食塩が必ず含まれており、その使用量
は、即席スープ組成物の場合には、該組成物中に通常5
0重量%以下であり、液状食品の場合は、液状食品中に
通常5重量%以下である。
【0014】肉エキス、野菜エキス及び蛋白質加水分解
物から選ばれた少なくとも一種の調味成分は、一般にう
ま味成分として含まれている。肉エキスは、牛肉、豚
肉、鶏肉、マトンなどの獣鳥肉、あるいは魚介類などの
肉や骨を、また、野菜エキスは野菜、海草類などのをそ
れぞれ煮出して作った各種の煮出し汁(抽出物、エキス
分)が挙げられる。また、蛋白質加水分解物は、動植物
の蛋白質を化学的に加水分解したものなどで、これらの
例としては、ブラウンストック(あるいは、これに香辛
料などを加えたブイヨン)、ホワイトストック、フィッ
シュストック、ベジタブルストックなどを挙げることが
できる。上記のエキス、蛋白質加水分解物は、目的に応
じ単独又は組み合わせて使用することができる。上記の
調味成分の使用量は、目的とする即席スープ組成物ある
いは液状食品によって調整されるために、任意である
が、一般に、即席スープ組成物の場合には、その使用量
は、固形分として該組成物中に0.25〜50重量%で
あり、また液状食品の場合は、その使用量は、液状食品
全量に対して固形分として0.05〜5重量%である。
【0015】本発明の即席スープ組成物あるいは液状食
品には、前述のようにα化澱粉、グルテンおよび食物繊
維から選ばれた少なくとも一種の成分が含まれている。
本発明で使用するα化澱粉としては、例えば、小麦、
米、馬鈴薯、とうもろこし(例、インデアンコーン、ワ
キシーコーンなど)、タピオカなどの澱粉を加熱により
α化させた澱粉を挙げることがでできる。これらの中で
は、α化させたタピオカ澱粉、ワキシーコーン澱粉が好
ましい。α化澱粉は、即席スープ組成物中においては、
固形分として5〜25重量%含まれている。好ましく
は、10〜17重量%である。また液状食品中において
は、固形分として0.6〜3.3重量%含まれている。
好ましくは、1.3〜7.3重量%である。
【0016】また本発明で使用するグルテンは、即席ス
ープ組成物中に、固形分として0.5〜5重量%含まれ
ている。好ましくは、1〜2重量%である。また液状食
品中には、固形分として0.06〜0.6重量%含まれ
ている。好ましくは、0.1〜0.3重量%である。な
お、本発明で使用するグルテンは、小麦グルテン(ある
いはα化された小麦粉から得られたグルテン)が好まし
いが、コーングルテンなども使用することができる。
【0017】更に本発明で使用する食物繊維は、比較的
ザラつき感の少ない、不溶性のものが好ましい。これら
の例としては、小麦、コーン、アップル、キャロット、
ティ−などの原料から得られた食物繊維を挙げることが
できる。これらの中では、リンゴファイバーが好まし
い。食物繊維は、即席スープ組成物中に、固形分として
0.1〜1重量%含まれている。好ましくは、0.2〜
0.4重量%である。また液状食品中には、固形分とし
て0.01〜0.1重量%含まれている。好ましくは、
0.02〜0.04重量%である。
【0018】本発明の即席スープ組成物あるいは液状食
品には、上記のα化澱粉、グルテンおよび食物繊維の各
成分のうちの少なくとも一成分を含ませることによって
濃厚感のあるスープ、あるいは液状食品を得ることがで
きるが、更に高い濃厚感を得るためには、これらの全成
分を含むように構成することが好ましい。
【0019】本発明の即席スープ組成物あるいは液状食
品は、例えば、コンソメスープのような液が透明になる
ようなものの調製には上記のような成分の他に、食塩以
外の調味料、香辛料などを加えて構成することができ
る。また濃厚な味のスープに仕上げるには、前述したよ
うに目的とするスープに応じて、肉、野菜、海草、ヌー
ドル、パスタなどの材料(具)、そして食塩以外の調味
料、香辛料、更に穀粉、脱脂粉乳、更に牛乳、生クリー
ムなどの乳成分を好みに応じて添加することができる。
食塩以外の調味料としては、砂糖などの糖類、食酢、ワ
インビネガー、そしてグルタミン酸ソーダなどの化学調
味料を挙げることができる。また、香辛料としては、胡
椒、とうがらし、各種香草などが挙げられ、更に穀粉と
しては、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、コーンスタ
ーチ、あるいは米粉などを挙げることができる。なお、
上記のように、目的とするスープ、あるいは液状食品に
応じて野菜、穀粉等を加える場合には、本発明に必須成
分として含まれる、α化澱粉、グルテン、あるいは食物
繊維が上記の範囲の含有量となるように調整すれば良
い。
【0020】次に、本発明の即席スープ組成物あるいは
液状食品に含まれている、平均粒子径が1μm以下の微
粒子状の油脂の油滴の調製方法について説明する。この
ような油滴の調製方法としては、例えば、D相乳化法
(Fragrance Journal, 4 34-41(1993))を利用する方
法、あるいは高圧乳化処理を利用する方法を挙げること
ができる。本発明の即席スープ組成物あるいは液状食品
の調製に際しては、上記の何れの方法を利用することが
できる。以下にこれらの方法について詳述する。
【0021】まずD相乳化法を利用する方法について説
明する。D相乳化法は、水溶性多価アルコール、又は水
溶性多価アルコールと水を含んだ界面活性剤溶液中に油
脂を分散させることによりO/D(Dは活性剤)エマル
ジョンを作り、ここに水を添加することによって微細な
O/Wエマルジョンとする方法である。上記エマルジョ
ンの調製には、ホモジナイザーなどの通常使用する均質
化機が利用できるが、本発明に従う即席スープ組成物、
あるいは液状食品に必要とされる油滴の微粒子、即ち、
1μm以下の体積平均粒子径の油滴の微粒子(即席スー
プ組成物の場合には、7.5倍量の水(湯)に溶解、分
散させたときに、1μm以下の体積平均粒子径の油滴を
生じるような微粒子)を得るには、このような均質化処
理を、2000〜25000rpmで、1〜30分間の
条件で行うことが好ましい。本発明で使用する微粒子の
油滴は、製品の形態に応じてO/Dエマルジョンをその
まま(液状)、あるいは乾燥(固体、あるいは半固体状
態に凍結乾燥、あるいはスプレードライ法による乾燥)
させて得たものでも良いし、あるいは微細なO/Wエマ
ルジョンとしてこれをそのまま(液状)、あるいは上記
と同様に処理して得たものでも良い。
【0022】上記D相乳化法で用いられる水溶性多価ア
ルコールとしては、分子内に水酸基を二個以上有する多
価アルコールで、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1、3−ブチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグ
リセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン、グ
ルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラク
トース、キシリトール、イノシトール、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール、マルトトリオース、澱粉分解
糖、及び澱粉分解糖還元アルコールなどを挙げることが
できる。これらは単独で又は組み合わせて使用できる。
また界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン
やその部分加水分解物リゾレシチン等を含むリン脂質、
糖脂質、サポニン、及び大豆蛋白やカゼインナトリウム
等を含む蛋白質などを挙げることができる。これらは単
独で又は組み合わせて使用できる。
【0023】次に、高圧乳化処理を利用する方法につい
て説明する。高圧乳化処理を利用する方法は、液体を高
圧下、均質バルブ又はスリットを通して低圧部に送り、
その際の剪断力、衝撃力等により油脂球を粉砕する方式
の高圧微細乳化機(高圧ホモジナイザー)を用いて行う
方法で、例えば、このような装置としては、ナノマイザ
ー(ヤマサトレーディング社)、マイクロフルイダイザ
ー(バイオテクノロジー・デベロップメント社)、マン
トンゴーリン(ゴーリン社)などを挙げることができ
る。本発明における高圧乳化処理は、200〜600k
gf/cm2 の条件(更に好ましくは、300〜500
kgf/cm2 の条件)で行うことが好ましい。そして
このような高圧乳化処理を繰り返し行うことによって更
に均一な粒子径の油滴を得ることができる。
【0024】上記高圧乳化処理が施される液体は、油脂
と水、必要により、前述したD相乳化法を行う際に挙げ
た界面活性剤が添加されたものでも良いし、あるいは本
発明のスープなどの調製に必要な成分、即ち、水、肉エ
キス、野菜エキス及び/又は蛋白質加水分解物、油脂、
そしてα化澱粉、グルテン及び食物繊維の内の少なくと
も一種、更に調味料等が混合されたものでも良い。即
ち、高圧乳化処理して得られる乳化物は、単に油脂と
水、更に界面活性剤からなる微粒子状の油滴を含む組成
物の状態であっても良いし、あるいは微粒子状の油滴と
更に最終的に得られる液状食品としての成分が含有され
た組成物の状態であっても良い。このようにして得られ
た、微粒子状の油滴を含む組成物は、所望の製品の形態
により液体のまま、あるいは固体、半固体に加工して利
用することができる。
【0025】本発明の即席スープ組成物は、上記のよう
な方法を利用して得られた、微粒子状の油滴を含む固体
あるいは半固体の組成物と、食塩、肉エキス等のスープ
に不可欠な成分、そしてα化澱粉、グルテン及び食物繊
維の内の少なくとも一種の成分、及び前述した通常の各
種のスープに含まれる任意成分とを混合することにより
調製できる。あるいはまた本発明の即席スープ組成物
は、高圧乳化処理によって得られた組成物(微粒子状の
油滴と更に最終的に得られる液状食品としての成分とが
含有された組成物)を利用する場合には、例えばこれを
前述した凍結乾燥などの処理を行うことによって調製で
きる。
【0026】また本発明の液状食品は、上記のような方
法で得られた微粒子状の油滴を含む組成物と、食塩、肉
エキス等のスープに不可欠な成分、そしてα化澱粉、グ
ルテン及び食物繊維の内の少なくとも一種の成分、及び
前述した通常の各種のスープなどに含まれる任意成分と
を混合することにより調製できる。あるいはまた本発明
の液状食品は、上記の必須成分及び任意成分の全てを混
合し、これに上記のような高圧乳化処理を施すことによ
り調製できる。本発明の液状食品は、後者の方法に従っ
て調製することが好ましい。
【0027】通常即席スープ組成物は、前述のように、
該組成物1重量部に対して5〜10重量部に希釈した液
状状態のスープにして飲食する。本発明において、即席
スープ組成物の希釈倍率を7.5倍量として規定した
が、5〜10倍量の通常の希釈倍率の範囲においては、
本発明に係る特定の粒子径の油滴の含有量は、ほとんど
変化は無い。
【0028】また本発明の即席スープ組成物を用いて作
った液状のスープ中の油脂の油滴は、熱湯を注いだり、
弱火で暖める程度の加熱あるいは通常の攪拌では、ほと
んど変化なく製造時の粒子径分布で存在する。また液状
食品においても含有されている油脂の油滴は、暖める程
度の加熱あるいは通常の攪拌では、ほとんど変化なく製
造時の粒子径分布で存在する。このため、コク(うま
味)があり、かつ乳風味が更に強化されたスープとな
る。
【0029】本発明の即席スープ組成物に含まれる通常
のスープの配合としては、例えば、以下のものを挙げる
ことができる。 (ニワトリスープ) 配合(重量部)(ミートスープ) 配合(重量部) 鶏脂 400 乾燥肉(35%脂肪) 35 綿実硬化油 540 乾燥馬鈴薯(ダイス状) 34 乾燥鶏肉小片 675 乾燥にんじん 10 乾燥パセリ 135 乾燥キャベツ 4 乾燥たまねぎ 1350 大豆粉末 9 グルタミン酸 90 乾燥酵母 2 ナトリウム 食塩 3 白胡椒粉末 85 乾燥たまねぎ 1 食塩 294 黒胡椒 2 タマゴヌードル 9540 グルタミン酸ナトリウム 14
【0030】 (白いんげん豆のスープ)配合(重量部)(野菜スープ) 配合(重量部) 調理豆粉末 3600 脱脂粉乳 10 小麦粉(semolina) 135 調理粉末エンドウ 30 乾燥酵母粉末 90 大豆粉末(全脂) 10 粉末たまねぎ 90 大豆粉末(脂肪) 15 食塩 11 オートミール 10 白胡椒 5.7 乾燥馬鈴薯(ダイス状)10 グルタミン酸ナトリウム 0.8 ビール酵母 10 粉末月桂樹葉 0.2 乾燥たまねぎ 1 乾燥にんじん(ダイス状)8 食塩 4 黒胡椒 0.1
【0031】 (エンドウ豆のスープ) 配合(重量部)(トマトスープ) 配合(重量部) 調理粉末エンドウ 81 粉末トマト 84 綿実硬化油 10 粉末たまねぎ 5 食塩 6 トマトピューレ 60 グルタミン酸ナトリウム 0.9 (25%固形物) 粉末たまねぎ 0.5 食塩 16 薫製肉香料 0.2 ショ糖 12 黒胡椒 1
【0032】また本発明の液状食品としては、例えば、
以下のものを挙げることができる。種々のコンソメスー
プ;グリーンピースに代表される種々の野菜のスープ
(コーン、じゃがい芋、グリーンアスパラガス、にんじ
ん、トマト、かぼちゃ、ほうれんそう、マッシュルー
ム、オニオングラタン、ミネストローネなど);ボルシ
チ;ガスパチョ;ポトフー;スープスパゲッティ;ビー
フ、タン、チキンの各シチュー;カレーシチュー;スト
ロガノフ;アイリッシュシチュー;ビーフカレーに代表
される種々のカレー。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の実施例、参考例及び比較例
を記載し、本発明を更に具体的に説明する。なお、
「%」は重量%を意味する。
【0034】[参考例1] (即席コーンスープ組成物IS−1の調製)乳糖31
%、スイートコーン粉末30%、脱脂粉乳15%、グラ
ニュー糖13%、食塩7%。グルタミン酸ソーダ3%、
及びオニオンエキス1%の混合物10重量部に対して、
90重量部の熱湯を注ぎ、充分攪拌し、ナタネ油をさら
に2重量部添加しコーンスープベースを作った。これを
マントンガウリンホモジナイザー(15M−8TA型、
マントンガウリン社製)にて高圧乳化処理(均質化処
理)(均質化条件:400kgf/cm2;3パス)を
行った。得られた液状の組成物を凍結乾燥して即席コー
ンスープ組成物IS−1を得た(組成物IS−1中の油
脂の含有量:16%)。
【0035】[実施例1] (即席コーンスープ組成物Iの調製)上記参考例1にお
いて、上記コーンスープベースに更にα化澱粉(IF−
131、王子ナショナル(株)製)を1.9重量部添加
し、同様な条件で高圧乳化処理、次いで凍結乾燥を行っ
た以外は、参考例1と同様にして本発明に従う即席コー
ンスープ組成物Iを得た(組成物I中のα化澱粉の含有
量:13.2%)。
【0036】[実施例2〜3] (即席コーンスープ組成物II及びIII の調製)上記実施
例1において、α化澱粉(IF−131、王子ナショナ
ル(株)製)の代わりに、小麦グルテン、あるいはリン
ゴファイバーをそれぞれ0.2重量部、0.03重量部
添加した以外は、実施例1と同様にしてそれぞれに対応
する本発明に従う即席コーンスープ組成物II及びIII を
得た(組成物II中の小麦グルテンの含有量:1.6%、
組成物III 中のリンゴファイバーの含有量:0.24
%)。
【0037】[実施例4] (即席コーンスープ組成物IVの調製)上記実施例1にお
いて、上記コーンスープベースに更に小麦粉グルテン、
およびリンゴファイバーをそれぞれ0.2重量部、0.
03重量部添加した以外は、実施例1と同様にして本発
明に従う即席コーンスープ組成物を得た(組成物IV中の
小麦粉グルテンおよびリンゴファイバーの含有量:1.
4%、0.21%)。
【0038】[比較例1〜3] (即席コーンスープ組成物a、b及びcの調製)上記参
考例1において、ナタネ油の代わりに、α化澱粉(IF
−131、王子ナショナル(株)製)、小麦グルテン、
又はリンゴファイバーをそれぞれ1.9重量部、0.2
重量部、0.03重量部)添加した以外は、参考例1と
同様にしてそれぞれに対応する比較用の即席コーンスー
プ組成物a、b及びcを得た(組成物a中のα化澱粉
(IF−131、王子ナショナル(株)製)の含有量:
15.3%、組成物b中の小麦グルテンの含有量:1.
9%、組成物c中のリンゴファイバーの含有量:0.2
9%)。
【0039】[即席コーンスープ組成物としての評価]
上記で得た各即席コーンスープ組成物(IS−1、I〜
IV、及びa〜c)を下記の通りの量に対して、150g
の熱湯を注ぎ、良くかき混ぜ、各スープを作った。そし
て、スープ中の0.88μm以下の油分量を以下の方法
で測定した。また得られた各コーンスープの食味(乳味
感、なめらかさ、コク(うま味)、ザラつき及び濃密
感)の評価を行った。 IS−1:20.0g a :19.8g I :23.0g b :17.1g II :20.3g c :16.8g III :20.1g IV :23.4g
【0040】(1)スープ中の0.88μm以下の油分
量の測定 得られた各スープ3gに対して、2%ドデシル硫酸ナト
リウム水溶液45gを得られた各コーンスープ3gに対
して、2%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液45gを加
え、スパーテルで充分攪拌した。この液を保留径7μm
の濾紙(ADVANTEC 5A )で濾過した。濾液の粒度分布を
レーザー回折式粒度分布計((株)島津製作所製、SA
LD−1100)で測定した。更に濾液より油分をクロ
ロホルム−メタノール(容積比2:1)にて抽出、ガス
クロマトグラフィーでその油量を定量した。 ガスクロマトグラフィによる分析条件 ガスクロマトグラフィー装置:(株)島津製作所 GC
−15A カラム:J & W SCIENTIFIC DB1 30N(FILM THICKNESS
0.1μm ) キャリヤガス:ヘリウム 温度条件:初期温度 80℃(ホールド時間 0分) 昇温速度 10℃/分 最終温度 335℃(ホールド時間 15分) 上記、粒度分布、ガスクロマトグラフィー分析油量をも
とに、コーンスープに含まれる0.88μm以下の油分
量(%)を算出した。
【0041】(2)また上記食味は、専門パネラーによ
り評価した。 「乳味感、なめらかさ、コク、及び濃密感」について以
下の基準で行った。 A:非常に乳味感等があり、良好である。 B:乳味感等があって良好である。 C:乳味感等が余りあるとは言えないが、許容できる範
囲である。 D:乳味感等がほとんどない。 結果を以下の表1に示す。なお、表1において、「0.
88μm以下の油分」は、即席コーンスープ組成物当り
の量(%)で示した。また「添加成分」の欄の「×」
は、添加しなかったの場合を、「○」は添加した場合を
それぞれ表す。
【0042】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 即席 スープ 0.88μm以 添加成分 食味の評価結果 スー 中の油 下の油分 α化 グル 食物 乳 なめら コ 濃 プ 分(%)(%) 澱粉 テン 繊維 味感 かさ ク 密感 ──────────────────────────────────── 参考例1 IS-1 1.9 14.4 × × × A B B C ──────────────────────────────────── 実施例1〜4 I 1.9 12.5 ○ × × A A A〜B A〜B II 1.9 14.2 × ○ × A B A〜B A〜B III 1.9 14.4 × × ○ A B A〜B A〜B IV 1.9 12.3 ○ ○ ○ A A A A ──────────────────────────────────── 比較例1〜3 a − − ○ × × D C C C b − − × ○ × D D C C c − − × × ○ D D D C ────────────────────────────────────
【0043】上記表1に示された結果から明らかなよう
に、0.88μm以下の微細な油滴粒子を含有し、かつ
α化澱粉、グルテン及び食物繊維のうちの少なくとも一
種の成分を含有する本発明に従う即席コーンスープ組成
物(I〜IV)は、α化澱粉、グルテン及び食物繊維のい
ずれをも含まない参考の即席コーンスープ組成物(IS
−1)に比べ、全体に良好であり、更に手作り風の食味
を与えるのに重要な濃密感も付与されている。特に、3
成分(α化澱粉、グルテン、食物繊維)全てを含有する
即席コーンスープ組成物(IV)は、風味、食感共非常に
良好であった。を一方、α化澱粉、グルテン及び食物繊
維のいずれかを含んでいても、微細油滴粒子を含まない
比較用の即席コーンスープ組成物(a、b及びc)につ
いては、微細油滴粒子による乳味感が得られないばかり
か、全体的に食味が劣っている。
【0044】[参考例2] (即席コーンスープ組成物IS−2の調製)乳糖31
%、スイートコーン粉末30%、脱脂粉乳15%、グラ
ニュー糖13%、食塩7%、グルタミン酸ソーダ3%、
及びオニオンエキス1%からなるコーンスープベースを
作った。別に、カゼインナトリウム1.8重量部と60
%デキストリン水溶液58.2重量部を、コーン油40
重量部と混合した後、更にホモジナイザー(ULTRA
−TURRAX T25、IKA−Laborteni
k社製)で20000rpmで、10分間均質化処理
し、得られたペースト状組成物を凍結乾燥した。上記コ
ーンスープベース100重量部に対して、上記凍結乾燥
組成物を35重量部添加して参考のための即席コーンス
ープ組成物IS−2を調製した(組成物IS−2中の油
脂の含有量:13.5%)。
【0045】[実施例5] (即席コーンスープ組成物Vの調製)上記参考例2にお
いて、上記コーンスープベースに更にα化澱粉(IF−
131、王子ナショナル(株)製)を20重量部添加し
た以外は、参考例2と同様にして本発明に従う即席コー
ンスープ組成物Vを得た(組成物V中のα化澱粉の含有
量:12.9%)。
【0046】[実施例6〜7] (即席コーンスープ組成物VI及びVII の調製)上記実施
例5において、α化澱粉(IF−131、王子ナショナ
ル(株)製)の代わりに、小麦グルテン、あるいはリン
ゴファイバーをそれぞれ2.2重量部、0.4重量部添
加した以外は、実施例5と同様にしてそれぞれに対応す
る本発明に従う即席コーンスープ組成物VI及びVII を得
た(組成物VI中の小麦グルテンの含有量:1.6%、組
成物VII 中のリンゴファイバーの含有量:0.3%)。
【0047】[実施例8] (即席コーンスープ組成物VIIIの調製)上記実施例5に
おいて、上記コーンスープベースに更に小麦粉グルテ
ン、およびリンゴファイバーをそれぞれ2.2重量部、
0.4重量部添加した以外は、実施例5と同様にして本
発明に従う即席コーンスープ組成物VIIIを得た(組成物
VIII中の小麦粉グルテンの含有量:1.4%およびリン
ゴファイバーの含有量:0.25%)。
【0048】[比較例4〜6] (即席コーンスープ組成物d、e及びfの調製)上記参
考例2において、凍結乾燥組成物の代わりに、α化澱粉
(IF−131、王子ナショナル(株)製)、小麦グル
テン、又はリンゴファイバーをそれぞれ20重量部、
2.2重量部、0.4重量部)添加した以外は、参考例
2と同様にしてそれぞれに対応する比較用の即席コーン
スープ組成物d、e及びfを得た(組成物d中のα化澱
粉(IF−131、王子ナショナル(株)製)の含有
量:16.7%、組成物e中の小麦グルテンの含有量:
2.2%、組成物f中のリンゴファイバーの含有量:
0.4%)。
【0049】[即席コーンスープ組成物としての評価]
上記で得た各即席コーンスープ組成物(IS−2、d〜
f、及びV〜VIII)を下記の通りの量に対して、150
gの熱湯を注ぎ、良くかき混ぜ、各スープを作った。そ
して、前述した方法でスープ中の0.88μm以下の油
分量を測定した。また得られた各コーンスープの食味
(乳味感、なめらかさ、コク(うま味)、ザラつき及び
濃密感)の評価を同様な方法で行った。 IS−2:20.0g d :17.8g V :23.0g e :15.1g VI :20.3g f :14.9g VII :20.1g VIII :23.3g その結果、上記表1とほぼ同様な結果が得られた。
【0050】[参考例3] (液状コーンスープLS−1の調製)乳糖31%、スイ
ートコーン粉末30%、脱脂粉乳15%、グラニュー糖
13%、食塩7%。グルタミン酸ソーダ3%、及びオニ
オンエキス1%の混合物10重量部に対して、90重量
部の熱湯を注ぎ、充分攪拌し、コーンスープベースを得
た。上記コーンスープベース100重量部に対し、油分
2%となるようにナタネ油を添加し、マントンガウリン
ホモジナイザー(15M−8TA型、マントンガウリン
社製)にて高圧乳化処理(均質化処理)(均質化条件:
400kgf/cm2 ;3パス)を行い、液状コーンス
ープLS−1を得た。
【0051】[実施例9] (液状コーンスープIXの調製)上記参考例3において、
上記コーンスープベースに更にα化澱粉(IF−13
1、王子ナショナル(株)製)をその含有量が2%とな
るように添加した以外は、参考例3と同様にして本発明
に従う液状のコーンスープIXを得た。
【0052】[実施例10〜11] (液状コーンスープX及びXIの調製)上記実施例9にお
いて、α化澱粉(IF−131、王子ナショナル(株)
製)の代わりに、小麦粉グルテン、あるいはリンゴファ
イバーをそのそれぞれの含有量が0.2%、0.03%
となるように添加した以外は、実施例9と同様にしてそ
れぞれに対応する本発明に従う液状のコーンスープX及
びXIを得た。
【0053】[実施例12] (液状コーンスープXII の調製)上記実施例9におい
て、上記コーンスープベースに更に小麦粉グルテン、お
よびリンゴファイバーをそのそれぞれの含有量が0.5
%、0.05%となるように添加した以外は、実施例9
と同様にして本発明に従う液状のコーンスープXIIを得
た。
【0054】[比較例7〜9] (液状コーンスープg、h及びiの調製)上記参考例3
において、ナタネ油の代わりに、α化澱粉(IF−13
1、王子ナショナル(株)製)、小麦グルテン、又はリ
ンゴファイバーをそれぞれの含有量が2%、0.2%、
そして0.03%となるようにそれぞれ使用した以外
は、参考例3と同様にしてそれぞれに対応する比較用の
液状のコーンスープg、h及びiを得た。
【0055】[液状コーンスープとしての評価]上記で
得た各液状コーンスープ(LS−1、g〜i、及びIX〜
XII )中の0.88μm以下の油分量を前記と同様な方
法で測定した。また得られた各液状コーンスープの食味
(乳味感、なめらかさ、コク(うま味)、ザラつき及び
濃密感)の評価も前記と同様な方法で行った。結果を以
下の表2に示す。
【0056】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 添加 0.88μm以 添加成分 食味の評価結果 液状 油分 下の油分量 α化 グル 食物 乳 なめら コ 濃 スープ (%)(%) 澱粉 テン 繊維 味感 かさ ク 密感 ──────────────────────────────────── 参考例3 LS−1 2 1.8 × × × A B B C ──────────────────────────────────── 実施例9〜12 IX 2 1.8 ○ × × A A A A〜B X 2 1.8 × ○ × A A〜B A A〜B XI 2 1.8 × × ○ A A〜B A A〜B XII 2 1.8 ○ ○ ○ A A A A ──────────────────────────────────── 比較例7〜9 g − − ○ × × D C C C h − − × ○ × D C C C i − − × × ○ D C C C ────────────────────────────────────
【0057】上記表2に示された結果から明らかなよう
に、0.88μm以下の微細な油滴粒子を含有し、かつ
α化澱粉、グルテン及び食物繊維のうちの少なくとも一
種の成分を含有する本発明に従う液状コーンスープ(IX
〜XII )は、α化澱粉、グルテン及び食物繊維のいずれ
をも含まない参考の液状コーンスープ(LS−1)に比
べ、全体に良好であり、更に手作り風の食味を与えるの
に重要な濃密感も付与されている。特に、3成分(α化
澱粉、グルテン、食物繊維)全てを含有する液状コーン
スープ組成物(XII )は、風味、食感共非常に良好であ
った。一方、α化澱粉、グル一方、α化澱粉、グルテン
及び食物繊維のいずれかを含んでいても、微細油滴粒子
を含まない比較用の液状コーンスープ(g、h及びi)
については、微細油滴粒子による乳味感が得られないば
かりか、全体的に劣っている。
【0058】[参考例4] (液状コーンスープLS−2の調製)乳糖31%、スイ
ートコーン粉末30%、脱脂粉乳15%、グラニュー糖
13%、食塩7%、グルタミン酸ソーダ3%、及びオニ
オンエキス1%からなるコーンスープベースを作った。
別に、カゼインナトリウム1.8重量部と60%デキス
トリン水溶液58.2重量部を、コーン油40重量部と
混合した後、更にホモジナイザー(ULTRA−TUR
RAX T25、IKA−Labortenik社製)
で20000rpmで、10分間均質化処理し、ペース
ト状組成物を得た。上記コーンスープベース100重量
部に対して、上記ペースト状組成物を油分2%となるよ
うに添加して参考のための液状コーンスープLS−2を
調製した。
【0059】[実施例13] (液状コーンスープXIIIの調製)上記参考例4におい
て、上記コーンスープベースに更にα化澱粉(IF−1
31、王子ナショナル(株)製)をその含有量が2%と
なるように添加した以外は、参考例4と同様にして本発
明に従う液状コーンスープXIIIを得た。
【0060】[実施例14〜15] (液状コーンスープXIV 及びXVの調製)上記実施例13
において、α化澱粉(IF−131、王子ナショナル
(株)製)の代わりに、小麦粉グルテン、あるいはリン
ゴファイバーをそのそれぞれの含有量が0.2%、0.
03%となるように添加した以外は、実施例13と同様
にしてそれぞれに対応する本発明に従う液状コーンスー
プXIV 及びXVを得た。
【0061】[実施例16] (液状コーンスープXVI の調製)上記実施例13におい
て、上記コーンスープベースに更に小麦粉グルテン、及
びリンゴファイバーをそのそれぞれの含有量が0.2
%、0.03%となるように添加した以外は、実施例1
3と同様にして本発明に従う液状コーンスープXVIを得
た。
【0062】[比較例10〜12] (液状コーンスープj、k及びlの調製)上記参考例4
において、ペースト状組成物の代わりに、α化澱粉(I
F−131、王子ナショナル(株)製)、小麦グルテ
ン、又はリンゴファイバーをそれぞれの含有量が2%、
0.2%、そして0.03%となるようにそれぞれ使用
した以外は、参考例4と同様にしてそれぞれに対応する
比較用の液状コーンスープj、k及びlを得た。
【0063】[液状コーンスープとしての評価]上記で
得た各液状コーンスープ(LS−2、j〜l、及びXIII
〜XVI )中の0.88μm以下の油分量を前記と同様な
方法で測定した。また得られた各液状コーンスープの食
味(乳味感、なめらかさ、コク(うま味)、濃密感)の
評価も前記と同様な方法で行った。その結果、上記表2
とほぼ同様な結果が得られた。
【0064】
【発明の効果】本発明の即席スープ組成物及び液状食品
には、微粒子状の油滴と共に、α化澱粉、グルテン及び
食物繊維のうちの少なくとも一成分が含有されているか
ら、なめらかさ、乳味感、コクの増強と共に、更に濃密
感のあるスープができる。従って、手作り風の食味のス
ープが提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩、そして肉エキス、野菜エキス及び
    蛋白質加水分解物から選ばれた少なくとも一種の調味成
    分からなる固体、あるいは半固体の即席スープ組成物で
    あって、更に該組成物を7.5倍量の水に溶解、分散さ
    せたときに、1μm以下の粒子径となる油滴が該組成物
    当り4〜50重量%含有されており、かつ該組成物に更
    に、5〜25重量%のα化澱粉、0.5〜5重量%のグ
    ルテンおよび0.1〜1重量%の食物繊維から選ばれた
    少なくとも一種の成分が含有されていることを特徴とす
    る即席スープ組成物。
  2. 【請求項2】 α化澱粉、グルテン及び食物繊維の全て
    が該組成物に含有されている請求項1に記載の即席スー
    プ組成物。
  3. 【請求項3】 食塩、そして肉エキス、野菜エキス及び
    蛋白質加水分解物から選ばれた少なくとも一種の調味成
    分からなる液状食品であって、更にその全体量に対して
    0.5〜5重量%の、粒子径が1μm以下の油滴の状態
    で分散されている油脂が含まれており、かつ0.6〜
    3.3重量%のα化澱粉、0.06〜0.6重量%のグ
    ルテンおよび0.01〜0.1重量%の食物繊維から選
    ばれた少なくとも一種の成分が含有されていることを特
    徴とする液状食品。
  4. 【請求項4】 α化澱粉、グルテン及び食物繊維の全て
    が該組成物に含有されている請求項3に記載の液状食
    品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003235524A (ja) * 2002-02-18 2003-08-26 Q P Corp 豆類スープの冷凍品およびその製造法
JP2007501010A (ja) * 2003-08-06 2007-01-25 ハインツ ワッティーズ リミティド 湿式スープ濃縮物
JP2011142824A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 House Foods Corp 流動状食品
JP2015042164A (ja) * 2013-07-26 2015-03-05 東洋紡株式会社 耐熱性芽胞形成高温細菌の増殖を抑制する方法
JP2018117603A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 島根県 凍結乾燥助剤、及びそれを用いた凍結乾燥加工食品組成物の調製方法

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