JPH0793709A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0793709A
JPH0793709A JP5336252A JP33625293A JPH0793709A JP H0793709 A JPH0793709 A JP H0793709A JP 5336252 A JP5336252 A JP 5336252A JP 33625293 A JP33625293 A JP 33625293A JP H0793709 A JPH0793709 A JP H0793709A
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JP
Japan
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magnetic
gap
film
glass
ferrite
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JP5336252A
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English (en)
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Junichi Honda
順一 本多
Seiji Kumagai
静似 熊谷
Norikatsu Fujisawa
憲克 藤澤
Masatoshi Hayakawa
正俊 早川
Masahiro Yoshikawa
正弘 吉川
Miho Suzuki
美保 鈴木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B5/23Gap features
    • G11B5/235Selection of material for gap filler
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
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    • G11B5/193Structure or manufacture of the surface of the head in physical contact with, or immediately adjacent to the recording medium; Pole pieces; Gap features the pole pieces being ferrite or other magnetic particles

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密なギャップ膜によるガラスとフェライト
との接触防止と、ギャップ膜のフェライトへの応力低
減、ギャップ膜と融着ガラスの密着性の向上を図り、大
量生産に適し、高密度磁気記録に対応可能なものとな
す。 【構成】 酸化物磁性材料からなる一対の磁気コア基板
1,2のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜
3,4が形成され、そのギャップ膜3,4を突合わせ面
としてこれら一対の磁気コア基板1,2が突合わされ、
その突合わせ面間に磁気ギャップgが形成されてなる磁
気ヘッドにおいて、上記ギャップ膜3,4として白金又
は白金族を主とする金属若しくは合金よりなる膜を用い
た。また、本発明においては、上記ギャップ膜3,4と
してCr又はCrを主とする合金よりなる膜,Ti又は
Tiを主とする合金よりなる膜或いはTa25 又はT
25 を主とする酸化物よりなる膜を用いても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)等の如き記録及び/又は再生装置に搭
載して有用な磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、8ミリVTRに用いられる磁気
ヘッドとしては、図15に示すように、ギャップ膜10
1,102がスパッタリング等によってそれぞれ成膜さ
れた一対の磁気コア基板103,104を、互いのギャ
ップ膜101,102同士を突合わせ面として突合わ
せ、融着ガラス105により接合一体化し、その突合わ
せ面間に記録再生ギャップとして作動する磁気ギャップ
を構成したものが提案されている。
【0003】通常、かかる構成の磁気ヘッドにおいて
は、磁気コア基板103,104としてMn−Znフェ
ライト若しくはNi−Znフェライト等の軟磁性酸化物
材料が用いられ、一方ギャップ膜101,102として
SiO2 等の酸化物非磁性材料が用いられる。
【0004】ところで、SiO2 はいわゆる石英であり
熱膨張係数が零に近いため、ガラスの溶融に必要な加熱
・冷却工程でフェライトに残留応力が発生する。また、
SiO2 はスパッタ形成時にも応力を磁気コア基板10
3,104に対して与え易いので、その応力により該S
iO2 が成膜されるフェライト部分の透磁率、軟磁気特
性が低下せしめられ、結果として磁気コアの効率が低下
してしまう。
【0005】さらに、SiO2 は融着ガラス105の成
分として含まれていることから、図16に示すように、
融着工程中にギャップ膜101,102の侵食が発生
し、ガラスとフェライトとの接触が起こる。ガラスとフ
ェライトの接触は、この他SiO2 が酸化物であること
から分子構造が大きく、しかも膜としての構造が粗であ
るために、この構造的欠陥を通しても生ずる。
【0006】かかるガラスとフェライトが接触すると、
界面では原子の移動が起こり、フェライト成分がガラス
中に溶出することでガラスが僅かに磁性を帯び、この磁
性を帯びたギャップ中のガラス及びトラック幅規制溝近
傍のガラス部分106をコア間の磁束が通る傾向が強ま
る結果、磁気ギャップから本来必要な媒体への磁束が弱
められる結果となる。
【0007】また、磁気ギャップ端部では、SiO2
粗になり易く、表面の化学ポテンシャルが高くなる結
果、SiO2 の侵食が起こる。その結果、フェライトの
溶出が発生し、冷却過程で再析出が起こり、光学的観察
でフェライトがつながって見える場合もある。このよう
な場合は、著しく磁気ギャップの効率が低下する。ま
た、溶出が起こることで、フェライト自体も組成ずれが
発生し、磁気ギャップ近傍で軟磁性が劣化し、磁気ヘッ
ドの性能が劣化する原因となる。
【0008】また、このような現象は、磁気コア基板1
03,104同士を押さえ付ける負荷が増加するに従い
助長される傾向にあり、またギャップ膜が薄くなるに従
って起き易くなる。このため、最近の高密度磁気記録の
ための狭トラック幅、狭ギャップ長時には狭くなったト
ラック幅部に相対的にかかる応力が大きくなり、ギャッ
プ膜も薄くなる結果、このような現象が起き易くなる。
したがって、ヘッド出力減を招き、狭トラック化を妨げ
る要因となる。
【0009】そこで、SiO2 がガラスにより侵食され
にくく、ガラスとフェライトの接触が発生しにくい低温
融着法が提案されている。上記低温融着法は、磁気コア
基板上にギャップ膜をスパッタリングにより形成する前
に、ギャップ膜形成面に逆スパッタと称されるスパッタ
リング現象によるエッチング処理を施すことを特徴とす
るものである。なお、ここで言う逆スパッタとは、通常
のスパッタリングにおけるターゲットを磁気コア基板に
置き換えてAr,Nなどのイオンをたたきつけることに
より磁気コア基板表面にエッチング処理を行うものであ
る。
【0010】すなわち、低温融着法においては、先ず、
所定の加工を行った磁気コア基板のギャップ形成面をJ
IS B0601にて規定されている中心線平均粗さR
aが20〜100オングストローム程度となるように研
磨する。そして、少なくとも一方の磁気コア基板のギャ
ップ形成面に逆スパッタを施して平滑面とした後、上記
ギャップ形成面上にSiO2 よりなるギャップ膜をスパ
ッタリングにより形成する。
【0011】次に、一対の磁気コア基板をギャップスペ
ーサーを介してそれぞれのギャップ形成面を突き合わせ
面として突き合わせ、融着ガラスにより接合一体化す
る。このとき、上記低温融着法においては、融着ガラス
の融着時の粘度を規定している。本発明者等が検討した
結果、融着ガラスの温度と粘度は図17に示すような関
係を有していることが確認されている。ただし、図17
中においては、粘度をlogηで示す。そして、融着ガ
ラスを磁気コア基板間に十分に充填し、融着ガラスによ
るSiO2 の侵食を防止するためには、融着ガラスの融
着時の粘度を160000(Pa・s)とすれば良く、
図17から融着時の粘度を上記粘度とするためには融着
温度を520℃とすれば良いことも確認されている。そ
こで、上記低温融着法においては、融着温度を520℃
として融着を行う。
【0012】その結果、磁気コア基板の突き合わせ面間
に記録再生ギャップとして作動する磁気ギャップを有す
る磁気ヘッドが形成される。
【0013】上記磁気ヘッドにおいては、前述の磁気ヘ
ッドよりも磁気ギャップ端部のSiO2 の侵食が起こり
難く、上述のようなガラスとフェライトの接触が発生し
にくく、磁気ギャップからの磁束の漏れが弱まりにく
く、特性が向上される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記低
温融着法により磁気ヘッドを製造すると、以下のような
不都合が生じる。すなわち、融着ガラスの融着時の粘度
が磁気ヘッドの特性に及ぼす影響があまりにも大きく、
融着温度の許容範囲があまりにも狭いために生産性が良
好ではない。
【0015】例えば融着温度が適正温度よりも低温であ
ると、融着ガラスが磁気コア基板間に十分に充填され
ず、融着温度が高温であると、図18に示すように、磁
気コア基板113,114上に形成されているSiO2
よりなるギャップ膜111,112に融着ガラス115
による侵食が発生する。
【0016】従って、融着温度誤差を最小限にとどめる
必要があり、融着を行う融着炉として温度精度が非常に
高精度なものが必要とされ、かつ温度管理を十分に行う
必要があり、量産が難しく、生産性が良好ではない。さ
らに、上記低温融着法で量産を行った場合には、磁気ヘ
ッド毎のSiO2 の侵食の度合いのばらつきが生じ易
く、磁気ヘッドの特性も大きくばらつき、量産が難し
く、生産性が良好ではない。
【0017】そして、上記低温融着法によって磁気ヘッ
ドを製造する際、適正な融着温度にて融着を行っても、
融着ガラスとSiO2 の反応が生じ、図19に示すよう
に、融着ガラス115とギャップ膜111,112の界
面に反応層116が形成されており、SiO2 の侵食を
完全に抑えることは不可能である。
【0018】これは、以下のようなことからも確認され
ている。すなわち、磁性フェライトよりなる基板上にS
iO2 を膜厚850オングストロームで形成し、その上
に上記低温融着法により磁気ヘッドを製造するために必
要とされると思われる膜厚2000オングストロームの
融着ガラスをスパッタリングにより形成し、530℃の
温度条件で1時間の熱処理を行った場合のSiO2 と磁
性フェライトの界面の解析をオージェ電子分光法により
行った結果を図20に示すが、この結果からSiO2
融着ガラスが反応していることがわかり、これらの界面
に反応層が形成され、SiO2 の侵食が完全に抑えられ
ているわけではないことが確認されている。なお、図2
4中横軸は融着ガラスの表面を0とした膜厚方向の深さ
を示し、縦軸は相対含有量を示す。
【0019】また、上記低温融着方法により磁気ヘッド
の製造を行っても、ギャップ膜としてSiO2 膜を使用
する限り、前述のようにSiO2 の熱膨張係数が零に近
いことから上記SiO2 膜形成部分の磁気コア基板に応
力が発生することとなり、これによりSiO2 の侵食が
生じている可能性もある。
【0020】そこで本発明は、かかる従来の技術的な課
題に鑑みて提案されたものであって、緻密なギャップ膜
によるガラスとフェライトとの接触防止と、ギャップ膜
のフェライトへの応力低減が図れ、ギャップ膜と融着ガ
ラスの密着性が向上され、大量生産に適し、高密度磁気
記録に対応可能な磁気ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、酸化物磁性材料からなる一対の磁気コ
ア基板のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜
が形成され、そのギャップ膜を突合わせ面としてこれら
一対の磁気コア基板が突合わされ、その突合わせ面間に
磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドにおいて、上
記ギャップ膜として白金又は白金族を主とする金属若し
くは合金よりなる膜を用いたことを特徴とする。
【0022】本発明の磁気ヘッドにおいては、一対の磁
気コア基板が非磁性ガラスにより接合一体化され、また
磁気ギャップのトラック幅が50μm以下であり、さら
にギャップ膜の膜厚が150nm以下であることを特徴
とする。
【0023】ところで、本発明者等は、白金等に加え、
ギャップ膜として特定の材料を使用することにより、ギ
ャップ膜の侵食が防止されるとともに、ギャップ膜と融
着ガラス間の密着性が向上されることを見い出した。
【0024】すなわち、本発明は、酸化物磁性材料から
なる一対の磁気コア基板のうち少なくとも一方の突合わ
せ面にギャップ膜が形成され、そのギャップ膜を突合わ
せ面としてこれら一対の磁気コア基板が突合わされ、そ
の突合わせ面間に磁気ギャップが形成されてなる磁気ヘ
ッドにおいて、上記ギャップ膜としてCr又はCrを主
とする合金よりなる膜,Ti又はTiを主とする合金よ
りなる膜或いはTa25 又はTa25 を主とする酸
化物よりなる膜を用いたことを特徴とする。
【0025】また、本発明者等は、上記のような磁気ヘ
ッドにおいて、ギャップ膜を形成する前にギャップ膜形
成面の平滑性を向上させることにより、磁気ヘッドの特
性を更に向上させることができることを見いだした。
【0026】すなわち、本発明は、上記のような磁気ヘ
ッドにおいて、一対の磁気コア基板のうち少なくとも一
方の突き合わせ面に逆スパッタを施した後にギャップ膜
が形成されていることを特徴とする。
【0027】
【作用】白金又は白金族を主とする金属若しくは合金
は、スパッタ粒子が細かく被覆性が高いことから緻密な
膜となり、またフェライトやガラスに対してほとんど固
溶せず、しかもフェライトの熱膨張係数と略一致すると
いう性質を有する。したがって、第1の発明のように、
かかる白金等をギャップ膜として用いた場合には、ギャ
ップ膜の侵食やガラスとフェライトとの接触が回避され
ることになり、その結果ガラスとフェライト間の拡散が
無くなる。また、フェライトに対して残留応力を発生さ
せることが無くなるので、フェライト本来の持つ透磁
率、軟磁気特性が損なわれない。
【0028】また、Cr又はCrを主とする合金は金属
であるため、ガラスの侵食により粒子が拡散することが
なく、第5の発明のように、かかるCr又はCrを主と
する合金をギャップ膜として用いた場合には、ギャップ
膜の侵食やガラスとフェライトとの接触が回避されるこ
とになり、その結果ガラスとフェライト間の拡散が無く
なる。また、Cr又はCrを主とする合金膜をギャップ
膜として用いた場合においては、融着時、融着ガラスと
の界面に酸化層が形成され、これにより融着ガラスとの
密着性が向上される。
【0029】さらに、Ti又はTiを主とする合金は、
金属でありガラスの侵食により粒子が拡散しない、緻密
な膜を構成し不純物原子の侵入や置換を発生させにく
い、熱膨張係数が85×10-7でありフェライトの熱膨
張係数よりも若干小さいという性質を有する。したがっ
て、第6の発明のように、かかるTi又はTiを主とす
る合金をギャップ膜として用いた場合には、ギャップ膜
の侵食やガラスとフェライトとの接触が回避されること
になり、その結果ガラスとフェライト間の拡散が無くな
る。また、フェライトに対して残留応力を発生させるこ
とが無くなるので、フェライト本来の持つ透磁率、軟磁
気特性が損なわれない。さらに、上記Ti又はTiを主
とする合金膜をギャップ膜として用いた場合において
は、融着時、融着ガラスとの界面に酸化層が形成され、
これにより融着ガラスとの密着性が向上される。
【0030】そして、Ta25 又はTa25 を主と
する酸化物は、金属でありガラスの侵食により粒子が拡
散しない、熱膨張係数が65×10-7でありフェライト
の熱膨張係数よりも若干小さいという性質を有する。し
たがって、第7の発明のように、かかるTa25 又は
Ta25 を主とする酸化物をギャップ膜として用いた
場合には、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライトとの
接触が回避されることになり、その結果ガラスとフェラ
イト間の拡散が無くなる。また、フェライトに対して残
留応力を発生させにくくなるので、フェライト本来の持
つ透磁率、軟磁気特性が損なわれない。さらに、上記T
25 又はTa25 を主とする酸化物をギャップ膜
として用いた場合においては、融着時、融着ガラスとの
界面に酸化層が形成され、これにより融着ガラスとの密
着性が向上される。さらにまた、上記Ta25 又はT
25 を主とする酸化物と磁性フェライト及び融着ガ
ラスは、摩耗特性に大きな差がなく、上記Ta25
はTa25 を主とする酸化物をギャップ膜として用い
た磁気ヘッドにおいては偏摩耗が発生しにくい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】実施例1 本実施例においては、ギャップ膜として白金又は白金族
を主とする金属若しくは合金よりなる膜を用いた磁気ヘ
ッドについて説明し、上記磁気ヘッドは、8ミリVTR
に搭載される磁気ヘッドとする。
【0033】本実施例の磁気ヘッドは、図1及び図2に
示すように、酸化物磁性材料よりなる磁気コア基板1,
2とこの磁気コア基板1,2の突合わせ面側にそれぞれ
被着形成されるギャップ膜3,4とからなる一対の磁気
コア半体5,6とが、互いのギャップ膜3,4を突合わ
せ融着ガラス7により接合一体化され、その突合わせ面
間に記録再生ギャップとして動作するアジマスを有した
磁気ギャップgを形成してなっている。
【0034】上記一対の磁気コア基板1,2は、例えば
Mn−ZnフェライトやNi−Znフェライト等の軟磁
性酸化物材料からなる。これら磁気コア基板1,2の突
合わせ面側には、アジマスを持った磁気ギャップgと平
行な磁気ギャップ形成面8,9と、この磁気ギャップ形
成面8,9と非平行でトラック幅規制溝によって形成さ
れる傾斜面10,11とが設けられている。
【0035】なお、上記磁気ギャップ形成面8,9は、
トラック幅規制溝によって切り欠かれることにより形成
されるもので、磁気ギャップgのトラック幅Twとなる
ように形成されている。
【0036】また、上記一対の磁気コア基板1,2の突
合わせ面側には、コイルを巻装させるための巻線溝1
2,13が断面略コ字状をなす溝としてコア厚方向に貫
通して設けられている。そして、その巻線溝12,13
のうち、磁気記録媒体摺動面14側に設けられる傾斜面
12a,13aは、磁気ギャップgのデプスを規制する
役目をするようになっている。
【0037】この一方、上記磁気コア基板1,2の突合
わせ面側とは反対側の側面には、上記巻線溝12,13
に巻回されるコイルの巻装状態を確保するための巻線ガ
イド溝15,16が設けられている。この巻線ガイド溝
15,16は、断面略コ字状をなす溝として、上記巻線
溝12,13が設けられる位置と相対向する位置に形成
されている。
【0038】一方、ギャップ膜3,4は、各磁気コア基
板1,2の突合わせ面側の磁気ギャップ形成面8,9
と、その両側に設けられる傾斜面10,11にそれぞれ
フロント側からバック側に亘って連続した膜として成膜
されている。もちろん、巻線溝12,13部分にもギャ
ップ膜3,4が成膜されている。
【0039】このように構成された一対の磁気コア半体
5,6は、磁気ギャップ形成面8,9上に成膜されたギ
ャップ膜3,4間にギャップスペーサを介在させトラッ
ク位置で合わせされて突合わされ、該磁気ギャップgの
両端縁の空隙部分に非磁性である融着ガラス7を充填す
ることにより接合一体化され、そのギャップ膜3,4間
に記録再生ギャップとして動作する磁気ギャップgを形
成する。
【0040】なお、図示は省略するが、相対向するギャ
ップ膜3,4間には融着ガラス7が充填され、この融着
ガラス7とこれらギャップ膜3,4との総膜厚が磁気ギ
ャップgのギャップ長となっている。また、本実施例で
は、高密度磁気記録を目的として、磁気ギャップgのト
ラック幅Twを50μm以下とし、ギャップ膜3,4の
膜厚を150nm以下としている。
【0041】そして特に本実施例では、上記ギャップ膜
3,4として、例えば白金又は白金族を主とする金属若
しくは合金よりなる膜を用いている。白金族としては、
白金の他にルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミ
ウム、イリジウムが挙げられる。これら白金等は、スパ
ッタ粒子が細かく表面の被覆性が高いという特性を有す
る。これは、例えば走査型顕微鏡で絶縁物を観察する際
に通常の導電性金属では倍率の高い像を得る場合には粒
子が大きく不向きであり、白金若しくは白金−パラジウ
ム合金等が用いられることからも明かである。
【0042】また、白金族は、結晶構造が面心立方格子
若しくは稠密六方格子であり密な構造をとる。このた
め、被覆性がSiO2 等の酸化物に比べて向上し、ガラ
スとフェライトの接触が起こり難くなる。また、白金は
フェライトの単結晶作製用の坩堝に用いられることから
判るように、高融点であり、さらにフェライトやガラス
に対しほとんど固溶しない特性を持っている。このた
め、ガラス溶融による高温の融着時にも侵食や拡散を起
こさず緻密な膜構造を維持する。
【0043】このことは、以下のようなことから確認さ
れている。すなわち、磁性フェライトよりなる基板上に
白金を膜厚850オングストロームで形成し、その上に
磁気ヘッドを製造するために必要とされると思われる膜
厚2000オングストロームの融着ガラスをスパッタリ
ングにより形成し、530℃の温度条件で1時間の熱処
理を行った場合の白金と磁性フェライトの界面の解析を
オージェ電子分光法により行った結果を図3に示すが、
この結果から白金と融着ガラスが反応していないことが
わかり、白金の侵食が抑えられていることが確認されて
いる。なお、図3中横軸は融着ガラスの表面を0とした
膜厚方向の深さを示し、縦軸は相対含有量を示す。
【0044】また、熱膨張係数も91×107 、Pt−
Pd合金でも約100×107 と略フェライトの熱膨張
係数に一致するため、スパッタ及び熱処理によりフェラ
イトに対し残留応力を発生することもない。
【0045】このような特徴を持つため、SiO2 をギ
ャップ膜とした場合と異なり、例えば狭トラック幅、狭
ギャップ長で磁気ヘッドを作製した場合にも磁気ギャッ
プが維持され、ギャップ中のガラス(図示は省略す
る。)とギャップ膜3,4が完全に非磁性のまま維持さ
れる。したがって、磁気ギャップ部で磁気記録媒体側へ
の磁束の漏洩が充分に起こり、高い記録再生性能が達成
できる。
【0046】また、白金等を用いた場合には、SiO2
をギャップ膜としたときの出力を零dBとしてなる相対
出力レベルのトラック幅依存性を示す図4から明らかな
ように、トラック幅Twが50μm以下の狭トラックで
あっても相対出力がSiO2に比べて遥かに高いことが
判る。同様に、SiO2 をギャップ膜としたときの出力
を零dBとしてなる相対出力レベルの白金膜厚依存性を
示す図5から明らかなように、その膜厚が150nm以
下の狭ギャップ長であっても相対出力がやはりSiO2
に比べて遥かに高い。
【0047】次に、上述の磁気ヘッドを製造する方法に
ついて説明する。先ず、Mn−Znフェライト若しくは
Ni−Znフェライト等の如き軟磁性酸化物材料からな
るコア半体ブロックを14本得られる大きな基板を、図
6に示すように縦横厚みそれぞれ45×45×1(単位
mm)となるように切り出し、コア半体ブロック17を
形成する。
【0048】次に、図7に示すように、上記コア半体ブ
ロック17の主面17aに対して断面略U字状をなすト
ラック幅規制溝18を、ブロック長手方向に沿って規定
のトラック幅Twが残るように複数形成する。本実施例
では、主面17aに対する接触部の角度を60゜として
溝開口部の幅190μm、深さ95μm、残存するトラ
ック幅16μmとなるように略U字状にトラック幅規制
溝18を形成した。
【0049】なお、トラック幅規制溝18は、上記の例
では断面略U字状としたが、例えば断面略V字状として
も構わない。
【0050】次いで、図8に示すように、上記コア半体
ブロック17の主面17aに、上記トラック幅規制溝1
8と略直交する方向にコイルを巻装するための巻線溝1
9を形成する。本実施例では、開口幅650μm、深さ
200μm、摺動面となる側に近い端部における傾斜面
19aと主面17aとのなす角度を40゜、反対側の端
部における傾斜面19bと主面17aとのなす角度を9
0゜とする断面形状を有する巻線溝19を形成した。
【0051】しかる後、コア半体ブロック17の主面1
7aを研磨し、表面粗度が50nm程度になるように形
成する。次いで、図9に示すように、トラック幅規制溝
18、巻線溝19を含めて上記コア半体ブロック17の
主面17aに白金よりなるギャップ膜(図示は省略す
る。)を成膜する。
【0052】ギャップ膜を成膜するに際しては、直径6
インチの純白金からなるターゲットをRFマグネトロン
スパッタ法で300Wの投入電力の下にスパッタし、9
0nmの膜厚となるようにした。白金はフェライトと熱
膨張係数が略一致することから、スパッタによってはフ
ェライトに対して残留応力を発生させることがない。
【0053】次に、同様に作製したコア半体ブロック1
7,17同士をトラック位置合わせしながら図10に示
すように重ね合わせる。そして、巻線溝19,19内に
ガラス棒(図示は省略する。)を挿入し、これを加熱溶
融せしめ、相対向するトラック幅規制溝18,18間の
空間部に融着ガラス20を充填する。
【0054】かかる融着工程では高い温度が加えられる
が、白金よりなるギャップ膜は緻密且つフェライトやガ
ラスに対して固溶しない膜であることから、ギャップ膜
がガラスによって侵食されることもなく、またフェライ
トとガラスとの拡散が発生することもない。
【0055】次に、図11に示すように、融着ガラス2
0によって接合一体化されたコアブロックに対して、上
記巻線溝19と相対向する位置に巻線ガイド溝21,2
1を形成する。次いで、磁気記録媒体と摺接する摺動面
となる部分を円筒研磨して曲面形状となした後、磁気ギ
ャップgのアジマス角が20゜となるように図11中点
線で示す位置でそれぞれチップ切断する。
【0056】そして、得られたヘッドチップを、外形寸
法幅1500μm、高さ1900μm、厚み220μm
となるように仕上げた。
【0057】以上のようにして作製された磁気ヘッド
に、インダクタンスが約1.8μHとなるように巻線を
行い出力を測定した。また、比較例としてSiO2 をギ
ャップ膜とした同一構成の磁気ヘッドの出力も測定し
た。その結果、白金をギャップ膜とした磁気ヘッドでは
4.5MHzで180μVp−pであり、SiO2 をギ
ャップ膜とした磁気ヘッドでは105μVp−pであっ
た。このように、白金をギャップ膜とした場合には、S
iO2 をギャップ膜とした場合に比べて約5dBもの大
幅な出力の改善効果が確認された。
【0058】実施例2 本実施例においては、ギャップ膜としてCr又はCrを
主とする合金よりなる膜を用いた実施例1の磁気ヘッド
と同様の構成を有する磁気ヘッドについて説明する。
【0059】本実施例の磁気ヘッドも図1及び2に示す
ような磁気ヘッドであり、酸化物磁性材料よりなる磁気
コア基板1,2とこの磁気コア基板1,2の突合わせ面
側にそれぞれ被着形成されるギャップ膜3,4とからな
る一対の磁気コア半体5,6とが、互いのギャップ膜
3,4を突合わせ融着ガラス7により接合一体化され、
その突合わせ面間に記録再生ギャップとして動作するア
ジマスを有した磁気ギャップgを形成してなる磁気ヘッ
ドである。以下、実施例1と重複する部分については説
明を省略する。
【0060】そして、本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、特に、上記ギャップ膜3,4としてCr又はCrを
主とする合金よりなる膜を用いている。上記Cr又はC
rを主とする合金は金属であるため、SiO2 等の酸化
物のようにガラスの侵食により粒子が拡散することがな
く、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライトとの接触が
回避されることになり、その結果ガラスとフェライト間
の拡散が無くなる。すなわち、本実施例の磁気ヘッドに
おいては、SiO2 をギャップ膜とした場合と異なり、
例えば狭トラック幅、狭ギャップ長で磁気ヘッドを作製
した場合にも磁気ギャップが維持され、ギャップ中のガ
ラス(図示は省略する。)とギャップ膜3,4が完全に
非磁性のまま維持される。従って、磁気ギャップ部で磁
気記録媒体側への磁束の漏洩が充分に起こり、高い記録
再生性能が達成できる。
【0061】また、本実施例の磁気ヘッドにおいては、
図12に示すように、ギャップ膜3,4と融着ガラス7
との界面にCr又はCrを主とする合金の酸化層22が
形成されており、これによりギャップ膜3,4と融着ガ
ラス7との密着性が向上され、磁気ヘッドのチップ強度
は高いものとなる。
【0062】なお、このことは以下のようなことから確
認されている。すなわち、磁性フェライトよりなる基板
上にCrを膜厚850オングストロームで形成し、その
上に磁気ヘッドを製造するために必要とされると思われ
る膜厚2000オングストロームの融着ガラスをスパッ
タリングにより形成し、530℃の温度条件で1時間の
熱処理を行った場合のCrと磁性フェライトの界面の解
析をオージェ電子分光法により行った結果を図13に示
すが、この結果からCr膜表面に酸化層が形成されてい
ることがわかり、このようなCr等よりなる膜をギャッ
プ膜として使用している本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、ギャップ膜と融着ガラスとの密着性が向上され、磁
気ヘッドのチップ強度は高いものとなることが確認され
ている。なお、図13中横軸は融着ガラスの表面を0と
した膜厚方向の深さを示し、縦軸は相対含有量を示す。
【0063】次に本実施例の磁気ヘッドを製造する製造
方法について説明するが、該製造方法は、実施例1で述
べた製造方法と略同等の方法であるので、重複する部分
については説明を省略する。
【0064】先ず、図6に示すようなMn−Znフェラ
イト若しくはNi−Znフェライト等の如き軟磁性酸化
物材料からなるコア半体ブロック17をその縦厚みがそ
れぞれ30×2.9(単位mm)となるように用意す
る。
【0065】そして、図7に示すように、上記コア半体
ブロック17の主面17aに実施例1と同様に複数のト
ラック幅規制溝18を形成するが、本実施例において
は、上記トラック幅規制溝18をその各対応する一側面
が垂直面の例えばトラック幅規制溝18の他側面に対し
所要の角度βをクロストーク対策としてβ=8〜45゜
とし、深さを60μm程度とした溝として形成し、トラ
ック幅を15μmとした。
【0066】次に、上記コア半体ブロック17の主面1
7aを研磨して、その中心線平均粗さRaを20〜10
0オングストロームとなるようにした。その後、図8に
示すように、実施例1と同様に巻線溝19をトラック幅
規制溝18に略直交する方向に形成する。
【0067】そして、上記コア半体ブロック17の主面
17aにその平滑性を向上させるために逆スパッタを施
した後に、図9に示すように、トラック幅規制溝18、
巻線溝19を含めて上記コア半体ブロック17の主面1
7aにCrよりなるギャップ膜(図示は省略する。)を
スパッタリングにより形成する。なお、本実施例におい
ては上記Crよりなるギャップ膜の膜厚を850オング
ストロームとした。
【0068】次に、同様に作製したコア半体ブロック1
7,17同士をトラック位置合わせしながら図10に示
すように重ね合わせる。そして、巻線溝19,19内に
ガラス棒(図示は省略する。)を挿入し、これを加熱溶
融せしめ、相対向するトラック幅規制溝18,18間の
空間部に融着ガラス20を充填する。
【0069】このとき、本実施例においては、融着温度
を530℃〜560℃の範囲とした。これは、融着時の
融着ガラス20の粘度を規定するためで、図17の結果
からコア半体ブロック17,17間に融着ガラス20を
十分に充填させることを可能とする粘度64000(P
a・S)を得るための温度が530℃であり、融着工程
によりCr膜よりなるギャップ膜にガラスによる侵食が
発生し始める粘度10000(Pa・S)を得るための
温度が560℃であるためである。
【0070】かかる融着工程では高い温度が加えられる
が、Crよりなるギャップ膜は金属であり、SiO2
の酸化物のようにガラスの侵食により粒子が拡散するこ
とがないため、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライト
との接触が回避され、ガラスとフェライト間の拡散が発
生することもない。
【0071】次に、実施例1と同様に各種加工を施した
後、チップ切断し、得られたヘッドチップを、外形寸法
幅1500μm、高さ1900μmとなるように仕上げ
た。なお、本実施例においてはアジマス角を10゜とし
た。
【0072】このとき、本実施例においては、Cr膜よ
りなるギャップ膜と融着ガラスの界面にCr膜の酸化層
が形成されており、これらの密着性が向上され、高いチ
ップ強度を有しているため、上記各種加工等において磁
気ヘッドが破損することもない。
【0073】そして、以上のようにして作製された磁気
ヘッドと比較のためにSiO2 をギャップ膜とした同一
構成の磁気ヘッドの出力を測定した。その結果、Crを
ギャップ膜とした磁気ヘッドでは3.13m/s,4.
7MHzで170μVp−pであり、SiO2 をギャッ
プ膜とした磁気ヘッドでは112μVp−pであった。
このように、Crをギャップ膜とした場合には、SiO
2 をギャップ膜とした場合に比べて3.65dBもの大
幅な出力の改善効果が確認された。
【0074】実施例3 本実施例においては、ギャップ膜としてTi又はTiを
主とする合金よりなる膜を用いた実施例2の磁気ヘッド
と同様の構成を有する磁気ヘッドについて説明する。
【0075】本実施例の磁気ヘッドは、実施例2に示し
た磁気ヘッドと同様の構成を有し、図1,2に示すよう
なギャップ膜3,4としてTi又はTiを主とする合金
よりなる膜を用いていることのみ異なる磁気ヘッドであ
る。上記Ti又はTiを主とする合金は金属であるた
め、SiO2 等の酸化物のようにガラスの侵食により粒
子が拡散することがない。また、Ti又はTiを主とす
る合金は密な結晶構造を有するため、緻密な膜を構成し
不純物原子の侵入や置換を発生させにくい。すなわち、
本実施例の磁気ヘッドにおいては、ギャップ膜の侵食や
ガラスとフェライトとの接触が回避されることになり、
その結果ガラスとフェライト間の拡散が無くなる。
【0076】また、熱膨張係数もTiにおいては85×
107 であり、フェライトの熱膨張係数よりも若干小さ
いため、スパッタ及び熱処理によりフェライトに対し残
留応力を発生することもない。
【0077】このような特徴を有するため、SiO2
ギャップ膜とした場合と異なり、例えば狭トラック幅、
狭ギャップ長で磁気ヘッドを作製した場合にも磁気ギャ
ップが維持され、ギャップ中のガラス(図示は省略す
る。)とギャップ膜3,4が完全に非磁性のまま維持さ
れる。従って、磁気ギャップ部で磁気記録媒体側への磁
束の漏洩が充分に起こり、高い記録再生性能が達成でき
る。
【0078】また、本実施例の磁気ヘッドにおいても、
実施例2の磁気ヘッドと同様に、図12に示すようなギ
ャップ膜3,4と融着ガラス7との界面にTi又はTi
を主とする合金の酸化層22が形成されており、これに
よりギャップ膜3,4と融着ガラス7との密着性が向上
され、磁気ヘッドのチップ強度は高いものとなる。
【0079】次に本実施例の磁気ヘッドを製造する製造
方法について説明するが、該製造方法は、実施例2で述
べた製造方法と略同等の方法であり、ギャップ膜として
Tiよりなるギャップ膜を形成する点のみ異なるもので
ある。
【0080】本実施例においては、図9に示すように、
トラック幅規制溝18、巻線溝19を含めて上記コア半
体ブロック17の主面17aにTiよりなるギャップ膜
(図示は省略する。)をスパッタリングにより形成する
が、Tiの熱膨張係数がフェライトの熱膨張係数よりも
若干小さいことから、スパッタによってはフェライトに
対して残留応力を発生させることがない。
【0081】また、本実施例においては、図10に示す
ようにコア半体ブロック17,17同士をトラック位置
合わせしながら重ね合わせ、巻線溝19,19内にガラ
ス棒(図示は省略する。)を挿入し、これを加熱溶融せ
しめ、相対向するトラック幅規制溝18,18間の空間
部に融着ガラス20を充填する。
【0082】かかる融着工程では高い温度が加えられる
が、Tiよりなるギャップ膜は金属であり、SiO2
の酸化物のようにガラスの侵食により粒子が拡散するこ
とがなく、また緻密な膜であるため、ギャップ膜の侵食
やガラスとフェライトとの接触が回避され、ガラスとフ
ェライト間の拡散が発生することもない。
【0083】そして、本実施例においても、図11に示
すように、融着ガラス20によって接合一体化されたコ
アブロックに対して、巻線ガイド溝21,21を形成す
る、磁気記録媒体と摺接する摺動面となる部分を円筒研
磨して曲面形状となす、磁気ギャップgのアジマス角が
20゜となるように図11中点線で示す位置でそれぞれ
チップ切断する等の各種加工を施す。このとき、本実施
例においては、Ti膜よりなるギャップ膜と融着ガラス
の界面にTi膜の酸化層が形成されており、これらの密
着性が向上され、高いチップ強度を有しているため、上
記各種加工等において磁気ヘッドが破損することもな
い。
【0084】さらに、以上のようにして作製された磁気
ヘッドと比較のためにSiO2 をギャップ膜とした同一
構成の磁気ヘッドの出力を測定した。ただし、これらの
磁気ヘッドのアジマス角は20゜とした。その結果、T
iをギャップ膜とした磁気ヘッドでは3.13m/s,
4.7MHzで143μVp−pであり、SiO2 をギ
ャップ膜とした磁気ヘッドでは112μVp−pであっ
た。このように、Tiをギャップ膜とした場合には、S
iO2 をギャップ膜とした場合に比べて2.1dBもの
大幅な出力の改善効果が確認された。
【0085】実施例4 本実施例においては、ギャップ膜としてTa25 又は
Ta25 を主とする酸化物よりなる膜を用いた実施例
2の磁気ヘッドと同様の構成を有する磁気ヘッドについ
て説明する。
【0086】本実施例の磁気ヘッドは、実施例2に示し
た磁気ヘッドと同様の構成を有し、図1,2に示すよう
なギャップ膜3,4としてTa25 又はTa25
主とする酸化物よりなる膜を用いていることのみ異なる
磁気ヘッドである。上記Ta 25 又はTa25 を主
とする酸化物は金属であり、SiO2 等の酸化物のよう
にガラスの侵食により粒子が拡散することがなく、本実
施例の磁気ヘッドにおいては、ギャップ膜の侵食やガラ
スとフェライトとの接触が回避されることになり、その
結果ガラスとフェライト間の拡散が無くなる。
【0087】また、熱膨張係数もTa25 においては
65×107 であり、フェライトの熱膨張係数よりも若
干小さいため、スパッタ及び熱処理によりフェライトに
対し残留応力を発生することもない。
【0088】このような特徴を有するため、SiO2
ギャップ膜とした場合と異なり、例えば狭トラック幅、
狭ギャップ長で磁気ヘッドを作製した場合にも磁気ギャ
ップが維持され、ギャップ中のガラス(図示は省略す
る。)とギャップ膜3,4が完全に非磁性のまま維持さ
れる。従って、磁気ギャップ部で磁気記録媒体側への磁
束の漏洩が充分に起こり、高い記録再生性能が達成でき
る。
【0089】また、本実施例の磁気ヘッドにおいても、
融着ガラスとTa25 又はTa25 を主とする酸化
物が共に酸化物であることから、実施例2の磁気ヘッド
と同様に、図12に示すようなギャップ膜3,4と融着
ガラス7との界面にTa2 5 又はTa25 を主とす
る酸化物の酸化層22が形成されており、これによりギ
ャップ膜3,4と融着ガラス7との密着性が向上され、
磁気ヘッドのチップ強度は高いものとなる。
【0090】なお、このことは以下のようなことから確
認されている。すなわち、磁性フェライトよりなる基板
上にTa25 を膜厚850オングストロームで形成
し、その上に磁気ヘッドを製造するために必要とされる
と思われる膜厚2000オングストロームの融着ガラス
をスパッタリングにより形成し、530℃の温度条件で
1時間の熱処理を行った場合のTa25 と磁性フェラ
イトの界面の解析をオージェ電子分光法により行った結
果を図14に示すが、この結果から融着ガラスとTa2
5 膜の酸素成分が結合し、これらの密着性が向上さ
れ、磁気ヘッドのチップ強度は高いものとなることが確
認されている。なお、図14中横軸は融着ガラスの表面
を0とした膜厚方向の深さを示し、縦軸は相対含有量を
示す。
【0091】さらに、本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、ギャップ膜としてTa25 又はTa25 を主と
する酸化物を用いており、上記Ta25 又はTa2
5 を主とする酸化物と磁気コア基板を構成する磁性フェ
ライトや融着ガラスの摩耗特性に大きな差がないことか
ら、偏摩耗が発生しにくい。
【0092】次に本実施例の磁気ヘッドを製造する製造
方法について説明するが、該製造方法は、実施例2で述
べた製造方法と略同等の方法であり、ギャップ膜として
Ta 25 よりなるギャップ膜を形成する点のみ異なる
ものである。
【0093】本実施例においては、図9に示すように、
トラック幅規制溝18、巻線溝19を含めて上記コア半
体ブロック17の主面17aにTa25 よりなるギャ
ップ膜(図示は省略する。)をスパッタリングにより形
成するが、Ta25 の熱膨張係数がフェライトの熱膨
張係数よりも若干小さいことから、スパッタによっては
フェライトに対して残留応力を発生させることがない。
【0094】また、本実施例においては、図10に示す
ようにコア半体ブロック17,17同士をトラック位置
合わせしながら重ね合わせ、巻線溝19,19内にガラ
ス棒(図示は省略する。)を挿入し、これを加熱溶融せ
しめ、相対向するトラック幅規制溝18,18間の空間
部に融着ガラス20を充填する。
【0095】かかる融着工程では高い温度が加えられる
が、Ta25 よりなるギャップ膜は金属であるため、
SiO2 等の酸化物のようにガラスの侵食により粒子が
拡散することがなく、ギャップ膜の侵食やガラスとフェ
ライトとの接触が回避され、ガラスとフェライト間の拡
散が発生することもない。
【0096】そして、本実施例においても、図11に示
すように、融着ガラス20によって接合一体化されたコ
アブロックに対して、巻線ガイド溝21,21を形成す
る、磁気記録媒体と摺接する摺動面となる部分を円筒研
磨して曲面形状となす、磁気ギャップgのアジマス角が
所定の角度となるように図11中点線で示す位置でそれ
ぞれチップ切断する等の各種加工を施す。このとき、本
実施例においては、融着ガラスとTa25 膜の酸素成
分の結合により、該Ta25 膜よりなるギャップ膜と
融着ガラスの界面に酸化層が形成されており、これらの
密着性が向上され、高いチップ強度を有しているため、
上記各種加工等において磁気ヘッドが破損することもな
い。
【0097】さらに、以上のようにして作製された磁気
ヘッドと比較のためにSiO2 をギャップ膜とした同一
構成の磁気ヘッドの出力を測定した。ただし、これらの
磁気ヘッドのアジマス角は10゜とした。その結果、T
25 をギャップ膜とした磁気ヘッドでは3.13m
/s,4.7MHzで143μVp−pであり、SiO
2 をギャップ膜とした磁気ヘッドでは112μVp−p
であった。このように、Ta25 をギャップ膜とした
場合には、SiO2 をギャップ膜とした場合に比べて
2.1dBもの大幅な出力の改善効果が確認された。
【0098】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドにおいては、被覆性が高く緻密でありフ
ェライトやガラスに対して固溶せず、且つフェライトと
熱膨張係数が略一致する特性を持つ白金又は白金族を主
とする金属若しくは合金をギャップ膜としているので、
ガラスとフェライトとの接触による拡散反応を回避する
ことができると共に、フェライトに対する残留応力を与
えることを防止でき、本来フェライトの持つ透磁率、軟
磁気特性を充分に発揮させることができる。したがっ
て、本発明の磁気ヘッドによれば、狭トラック化・狭ギ
ャップ化した場合でも、磁気記録媒体に対して情報信号
を密に書き込むことができ、高密度磁気記録化を達成す
ることができる。
【0099】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、ガ
ラスの侵食により粒子が拡散しないCr又はCrを主と
する金属若しくは合金をギャップ膜としているので、ガ
ラスとフェライトとの接触による拡散反応を回避するこ
とができ、本来フェライトの持つ透磁率、軟磁気特性を
充分に発揮させることができる。したがって、本発明の
磁気ヘッドによれば、狭トラック化・狭ギャップ化した
場合でも、磁気記録媒体に対して情報信号を密に書き込
むことができ、高密度磁気記録化を達成することができ
る。また、本発明の磁気ヘッドにおいては、Cr又はC
rを主とする合金膜と融着ガラスとの界面に酸化層が形
成されるため、これにより融着ガラスとの密着性が向上
され、高いチップ強度が得られる。
【0100】さらに、本発明の磁気ヘッドにおいては、
ガラスの侵食により粒子が拡散せず、緻密な膜を構成
し、且つ熱膨張係数がフェライトの熱膨張係数よりも若
干小さい特性を持つTi又はTiを主とする金属若しく
は合金をギャップ膜としているので、ガラスとフェライ
トとの接触による拡散反応を回避することができると共
に、フェライトに対する残留応力を与えることを防止で
き、本来フェライトの持つ透磁率、軟磁気特性を充分に
発揮させることができる。したがって、本発明の磁気ヘ
ッドによれば、狭トラック化・狭ギャップ化した場合で
も、磁気記録媒体に対して情報信号を密に書き込むこと
ができ、高密度磁気記録化を達成することができる。ま
た、本発明の磁気ヘッドにおいては、Ti又はTiを主
とする合金膜と融着ガラスとの界面に酸化層が形成され
るため、これにより融着ガラスとの密着性が向上され、
高いチップ強度が得られる。
【0101】そして、本発明の磁気ヘッドにおいては、
ガラスの侵食により粒子が拡散せず、緻密な膜を構成
し、且つ熱膨張係数がフェライトの熱膨張係数よりも若
干小さい特性を持つTa25 又はTa25 を主とす
る酸化物をギャップ膜としているので、ガラスとフェラ
イトとの接触による拡散反応を回避することができると
共に、フェライトに対する残留応力を与えることを防止
でき、本来フェライトの持つ透磁率、軟磁気特性を充分
に発揮させることができる。したがって、本発明の磁気
ヘッドによれば、狭トラック化・狭ギャップ化した場合
でも、磁気記録媒体に対して情報信号を密に書き込むこ
とができ、高密度磁気記録化を達成することができる。
また、本発明の磁気ヘッドにおいては、Ta25 又は
Ta25を主とする酸化物と融着ガラスとの界面に酸
化層が形成されるため、これにより融着ガラスとの密着
性が向上され、高いチップ強度が得られる。さらに、本
発明の磁気ヘッドにおいては、磁性フェライト及び融着
ガラスと摩耗特性に大きな差がないTa25 又はTa
25 を主とする酸化物をギャップ膜として用いている
ため、偏摩耗が発生しにくく、スペーシングロス等によ
る特性の劣化が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す斜視
図である。
【図2】図1の磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動面部分を
拡大して示す要部拡大平面図である。
【図3】白金と磁性フェライトの界面の解析結果を示す
チャート図である。
【図4】白金をギャップ膜としたときのSiO2 ギャッ
プ膜に対する相対出力レベルのトラック幅依存性を示す
特性図である。
【図5】白金をギャップ膜としたときのSiO2 ギャッ
プ膜に対する相対出力レベルのギャップ膜厚依存性を示
す特性図である。
【図6】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、コア半体ブロック作製工程を示す斜視図で
ある。
【図7】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、トラック幅規制溝形成工程を示す斜視図で
ある。
【図8】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、巻線溝形成工程を示す斜視図である。
【図9】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順次
示すもので、ギャップ膜成膜工程を示す斜視図である。
【図10】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順
次示すもので、ガラス融着工程を示す斜視図である。
【図11】本発明を適用した磁気ヘッドの製造工程を順
次示すもので、巻線ガイド溝形成工程を示す斜視図であ
る。
【図12】本発明を適用した磁気ヘッドのギャップ膜と
融着ガラスの界面近傍を示す要部拡大平面図である。
【図13】Crと磁性フェライトの界面の解析結果を示
すチャート図である。
【図14】Ta25 と磁性フェライトの界面の解析結
果を示すチャート図である。
【図15】SiO2 をギャップ膜とした従来の磁気ヘッ
ドの磁気記録媒体摺動面部分を拡大して示す要部拡大平
面図である。
【図16】SiO2 をギャップ膜とした従来の磁気ヘッ
ドの磁気記録媒体摺動面部分を拡大して示すもので、ギ
ャップ膜がガラスにより侵食された様子を示す要部拡大
平面図である。
【図17】融着ガラスの温度と粘度の関係を示す図であ
る。
【図18】SiO2 をギャップ膜とした従来の磁気ヘッ
ドの磁気記録媒体摺動面部分を拡大して示すもので、融
着ガラスの融着温度が低温であった場合のギャップ膜と
融着ガラスの様子を示す要部拡大平面図である。
【図19】SiO2 をギャップ膜とした従来の磁気ヘッ
ドの磁気記録媒体摺動面部分を拡大して示すもので、融
着ガラスの融着温度が適温であった場合のギャップ膜と
融着ガラスの様子を示す要部拡大平面図である。
【図20】SiO2 と磁性フェライトの界面の解析結果
を示すチャート図である。
【符号の説明】
1,2・・・磁気コア基板 3,4・・・ギャップ膜 5,6・・・磁気コア半体 7・・・融着ガラス 8,9・・・磁気ギャップ形成面 12,13・・・巻線溝 15,16・・・巻線ガイド溝 22・・・酸化層
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、例えばビデオテープ
レコーダ(VTR)やデータストレージ等の如き記録及
び/又は再生装置に搭載して有用な磁気ヘッドに関す
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 次に、一対の磁気コア基板をギャップス
ペーサーを介してそれぞれのギャップ形成面を突き合わ
せ面として突き合わせ、適当な組成を有する融着ガラス
により接合一体化する。このとき、上記低温融着法にお
いては、融着ガラスの融着時の粘度を規定している。本
発明者等が検討した結果、融着ガラスを磁気コア基板間
に十分に充填し、融着ガラスによるSiOの侵食を防
止するためには、融着ガラスの融着時の粘度を1600
00(Pa・s)とすれば良く、ある融着ガラスにおけ
る温度と粘度が図17に示すような関係を有している場
合、図17から融着時の粘度を上記粘度とするためには
融着温度を520℃とすれば良いことも確認されてい
る。ただし、図17中においては、粘度をlogηで示
す。そこで、上記低温融着法においては、図17に示す
温度−粘度特性を持つガラスを用いて融着温度を520
℃として融着を行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記
低温融着法により磁気ヘッドを製造すると、以下のよう
な不都合が生じる。すなわち、融着ガラスの融着時の
度ずれ最終的に得られる磁気ヘッドの品質に及ぼす影
響があまりにも大きく、融着温度の許容範囲があまりに
も狭いために生産性が良好ではない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 これは、以下のようなことからも確認さ
れている。すなわち、磁性フェライトよりなる基板上に
SiOを膜厚850オングストロームで形成し、その
上に上記低温融着法により磁気ヘッドを製造するために
必要とされると思われる膜厚2000オングストローム
の融着ガラスをスパッタリングにより形成し、530℃
の温度条件で1時間の熱処理を行った場合のSiO
磁性フェライトの界面の解析をオージェ電子分光法によ
り行った結果を図20に示すが、この結果からSiO
と融着ガラスが反応していることがわかり、これらの界
面に反応層が形成され、SiOの侵食が完全に抑えら
れているわけではないことが確認されている。なお、図
20中横軸は融着ガラスの表面を0とした膜厚方向の深
さを示し、縦軸は相対含有量を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【作用】 白金又は白金族を主とする金属若しくは合金
は、スパッタ粒子が細かく被覆性が高いことから緻密な
膜となり、またフェライトやガラスに対してほとんど固
溶せず、しかもフェライトの熱膨張係数と略一致すると
いう性質を有する。したがって、第1の発明のように、
かかる白金等をギャップ膜として用いた場合には、ギャ
ップ膜の侵食やガラスとフェライトとの接触が回避され
ることになり、その結果ガラスとフェライト間の拡散が
無くなる。また、フェライトに対して残留応力の発生が
小なくなるので、フェライト本来の持つ透磁率、軟磁気
特性が損なわれにくい
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 また、Cr又はCrを主とする合金は
融点金属であり、さらに酸化物Crが形成された
場合、さらに高融点となるので、ガラスの侵食により粒
子が拡散することがなく、第5の発明のように、かかる
Cr又はCrを主とする合金をギャップ膜として用いた
場合には、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライトとの
接触が回避されることになり、その結果ガラスとフェラ
イト間の拡散が無くなる。また、Cr又はCrを主とす
る合金膜をギャップ膜として用いた場合においては、融
着時、融着ガラスとの界面に酸化層が形成され、これに
より融着ガラスとの密着性が向上される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 さらに、Ti又はTiを主とする合金
は、高融点金属でありガラスの侵食により粒子が拡散し
ない、緻密な膜を構成し不純物原子の侵入や置換を発生
させにくい、熱膨張係数が85×10−7でありフェラ
イトの熱膨張係数よりも若干小さいという性質を有す
る。したがって、第6の発明のように、かかるTi又は
Tiを主とする合金をギャップ膜として用いた場合に
は、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライトとの接触が
回避されることになり、その結果ガラスとフェライト間
の拡散が無くなる。また、フェライトに対して残留応力
を発生させることが無くなるので、フェライト本来の持
つ透磁率、軟磁気特性が損なわれない。さらに、上記T
i又はTiを主とする合金膜をギャップ膜として用いた
場合においては、融着時、融着ガラスとの界面に酸化層
が形成され、これにより融着ガラスとの密着性が向上さ
れる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 そして、Ta又はTaを主
とする酸化物は、高融点でガラス成分となりにくく、ガ
ラスの侵食により粒子が拡散しない、熱膨張係数がSi
の熱膨張係数よりも大きいという性質を有する。
たがって、第7の発明のように、かかるTa又は
Taを主とする酸化物をギャップ膜として用いた
場合には、ギャップ膜の侵食やガラスとフェライトとの
接触が回避されることになり、その結果ガラスとフェラ
イト間の拡散が少なくなる。また、SiO成膜時に比
フェライトに対して残留応力を発生させにくくなるの
で、フェライト本来の持つ透磁率、軟磁気特性が損なわ
れない。さらに、上記Ta又はTaを主と
する酸化物をギャップ膜として用いた場合においては、
融着時、融着ガラスとの界面に結合層が形成され、これ
により融着ガラスとの密着性が向上される。さらにま
た、上記Ta又はTaを主とする酸化物と
磁性フェライト及び融着ガラスは、摩耗特性に大きな差
がなく、上記Ta又はTaを主とする酸化
物をギャップ膜として用いた磁気ヘッドにおいては偏摩
耗が発生しにくい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】 一方、ギャップ膜3,4は、各磁気コア
基板1,2の突合わせ面側の磁気ギャップ形成面8,9
と、その両側に設けられる傾斜面10,11にそれぞれ
フロント側からバック側に亘って連続した膜として成膜
されている。巻線満12,13部分にもギャップ膜3,
4が成膜されているが、磁気ギャップ形成面8,9から
離れた部分は成膜されないように形成しても良い。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】 また、熱膨張係数もTiにおいては85
×10であり、フェライトの熱膨張係数よりも若干小
さいため、スパッタ及び熱処理によりフェライトに対し
残留応力を発生することが少ない。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】 本実施例においては、図9に示すよう
に、トラック幅規制溝18、巻線溝19を含めて上記コ
ア半体ブロック17の主面17aにTiよりなるギャッ
プ膜(図示は省略する。)をスパッタリングにより形成
するが、Tiの熱膨張係数がフェライトの熱膨張係数よ
りも若干小さいことから、スパッタによってはフェライ
トに対して残留応力を発生させることが少ない。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】 そして、本実施例においても、図11に
示すように、融着ガラス20によって接合一体化された
コアブロックに対して、巻線ガイド溝21,21を形成
する、磁気記録媒体と摺接する摺動面となる部分を円筒
研磨して曲面形状となす、磁気ギャップgのアジマス角
10°となるように図11中点線で示す位置でそれぞ
れチップ切断する等の各種加工を施す。このとき、本実
施例においては、Ti膜よりなるギャップ膜と融着ガラ
スの界面にTi膜の酸化層が形成されており、これらの
密着性が向上され、高いチップ強度を有しているため、
上記各種加工等において磁気ヘッドが破損することもな
い。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】 さらに、以上のようにして作製された磁
気ヘッドと比較のためにSiOをギャップ膜とした同
一構成の磁気ヘッドの出力を測定した。ただし、これら
の磁気ヘッドのアジマス角は10°とした。その結果、
Tiをギャップ膜とした磁気ヘッドでは3.13m/
s,4.7MHzで143μVp−pであり、SiO
をギャップ膜とした磁気ヘッドでは112μVp−pで
あった。このように、Tiをギャップ膜とした場合に
は、SiOをギャップ膜とした場合に比べて2.1d
Bもの大幅な出力の改善効果が確認された。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】 本実施例の磁気ヘッドは、実施例2に示
した磁気ヘッドと同様の構成を有し、図1,2に示すよ
うなギャップ膜3,4としてTa又はTa
を主とする酸化物よりなる膜を用いていることのみ異な
る磁気ヘッドである。上記Ta又はTa
主とする酸化物は、SiO等の酸化物のようにガラス
の侵食により粒子が拡散することが少なく、本実施例の
磁気ヘッドにおいては、ギャップ膜の侵食やガラスとフ
ェライトとの接触が回避されることになり、その結果ガ
ラスとフェライト間の拡散が無くなる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】 SiOの熱膨張係数が零に近いのに比
べ、Taの熱膨張係数は大きく、スパッタ成膜や
ガラス融着等の熱処理時にフェライトに及ぼす応力はS
iOをギャップ膜とした場合よりも減少することから
フェライトの残留応力による透磁率の劣化を防ぐ。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】 また、本実施例の磁気ヘッドにおいて
も、融着ガラスとTa又はTaを主とする
酸化物が共に酸化物であることから、実施例2の磁気ヘ
ッドと同様に、図12に示すようなギャップ膜3,4と
融着ガラス7との界面にTa又はTaを主
とする酸化物の結合層22が形成されており、これによ
りギャップ膜3,4と融着ガラス7との密着性が向上さ
れ、磁気ヘッドのチップ強度は高いものとなる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】 本実施例においては、図9に示すよう
に、トラック幅規制溝18、巻線溝19を含めて上記コ
ア半体ブロック17の主面17aにTaよりなる
ギャップ膜(図示は省略する。)をスパッタリングによ
り形成するが、Taの熱膨張係数がSiO の熱
膨張係数よりも大きいことから、スパッタによってはフ
ェライトに対して残留応力を発生させることが少ない
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】 そして、本実施例においても、図11に
示すように、融着ガラス20によって接合一体化された
コアブロックに対して、巻線ガイド溝21,21を形成
する、磁気記録媒体と摺接する摺動面となる部分を円筒
研磨して曲面形状となす、磁気ギャップgのアジマス角
が所定の角度となるように図11中点線で示す位置でそ
れぞれチップ切断する等の各種加工を施す。このとき、
本実施例においては、融着ガラスとTa膜の酸素
成分の結合により、該Ta膜よりなるギャップ膜
と融着ガラスの界面に結合層が形成されており、これら
の密着性が向上され、高いチップ強度を有しているた
め、上記各種加工等において磁気ヘッドが破損すること
もない。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】
【発明の効果】 以上の説明からも明らかなように、本
発明の磁気ヘッドにおいては、被覆性が高く緻密であり
フェライトやガラスに対して固溶せず、且つフェライト
と熱膨張係数が略一致する特性を持つ白金又は白金族を
主とする金属若しくは合金をギャップ膜としているの
で、ガラスとフェライトとの接触による拡散反応を回避
することができると共に、フェライトに対する残留応力
を与えることを防止でき、本来フェライトの持つ透磁
率、軟磁気特性を充分に発揮させることができる。した
がって、本発明の磁気ヘッドによれば、狭トラック化・
狭ギャップ化した場合でも、磁気記録媒体に対して情報
信号を密に書き込むことができ、さらに密な情報信号を
読み出すことが可能となり、高密度磁気記録化を達成す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 早川 正俊 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 吉川 正弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 鈴木 美保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物磁性材料からなる一対の磁気コア
    基板のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜が
    形成され、そのギャップ膜を突合わせ面としてこれら一
    対の磁気コア基板が突合わされ、その突合わせ面間に磁
    気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記ギャップ膜として白金又は白金族を主とする金属若
    しくは合金よりなる膜を用いたことを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 上記一対の磁気コア基板は、非磁性ガラ
    スにより接合一体化されていることを特徴とする請求項
    1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記磁気ギャップのトラック幅が50μ
    m以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁
    気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気コア基板に形成されるギャップ膜の
    膜厚が150nm以下であることを特徴とする請求項1
    から3のいずれか1記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 酸化物磁性材料からなる一対の磁気コア
    基板のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜が
    形成され、そのギャップ膜を突合わせ面としてこれら一
    対の磁気コア基板が突合わされ、その突合わせ面間に磁
    気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記ギャップ膜としてCr又はCrを主とする合金より
    なる膜を用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 酸化物磁性材料からなる一対の磁気コア
    基板のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜が
    形成され、そのギャップ膜を突合わせ面としてこれら一
    対の磁気コア基板が突合わされ、その突合わせ面間に磁
    気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記ギャップ膜としてTi又はTiを主とする合金より
    なる膜を用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 酸化物磁性材料からなる一対の磁気コア
    基板のうち少なくとも一方の突合わせ面にギャップ膜が
    形成され、そのギャップ膜を突合わせ面としてこれら一
    対の磁気コア基板が突合わされ、その突合わせ面間に磁
    気ギャップが形成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記ギャップ膜としてTa25 又はTa25 を主と
    する酸化物よりなる膜を用いたことを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  8. 【請求項8】 一対の磁気コア基板のうち少なくとも一
    方の突き合わせ面に逆スパッタを施した後にギャップ膜
    が形成されていることを特徴とする請求項1から7のい
    ずれか1記載の磁気ヘッド。
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