JPH09204607A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH09204607A
JPH09204607A JP1437696A JP1437696A JPH09204607A JP H09204607 A JPH09204607 A JP H09204607A JP 1437696 A JP1437696 A JP 1437696A JP 1437696 A JP1437696 A JP 1437696A JP H09204607 A JPH09204607 A JP H09204607A
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film
gap
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JP1437696A
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Junichi Honda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェライト磁気ヘッドの製法において、磁気
ギャップ形成面への非磁性ギャップ材の被覆性を改善
し、再生効率の改善を図る。 【解決手段】 主たる磁気コアが軟磁性フェライト材よ
り形成され、非磁性材を磁気ギャップとする磁気ヘッド
の製造方法において、磁気コアの磁気ギャップ形成面
6,7に第1の非磁性膜9を形成し、第1の非磁性膜の
成膜厚に相当する膜厚のエッチング処理で第1の非磁性
膜9を除去し、再度、磁気コアの磁気ギャップ形成面
6,7に、規定のギャップ長を得るための第2の非磁性
膜10を形成するようになす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオテー
プレコーダ、コンピュータのデータストレージ等の磁気
記録再生装置に用いられる磁気ヘッドの製造方法に関す
る。より詳しくは、高密度な記録フォーマットに対応し
て、高い再生効率を持つ磁気ヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、Mn−ZnもしくはNi−Zn等
の軟磁性酸化物磁性材料、いわゆるフェライトを磁性コ
アとするフェライトヘッドが耐摩耗性に優れる等の利点
により、磁気ヘッドとして用いられてきた。対応する磁
気テープの高抗磁力化や高飽和磁束密度化により、録再
兼用で磁気ヘッドを用いる分野では、より大きなギャッ
プ中磁界の得られるMIG(メタルインギャップ)ヘッ
ドに置き換えが進んできたが、フェライトヘッドがMI
Gヘッドに比べて出力が勝る利点により、近年見直さ
れ、記録はMIGヘッドにより行い、再生は出力の良好
なフェライトヘッドを用いるという組み合わせが考えら
れ、特にデータストレージに用いられる録再ヘッド分離
システムの実現と、より高い出力を必要とする高記録密
度の要求から、フェライトフェッドが、近年、再度用い
られてくるようになってきている。
【0003】しかし、高密度磁気記録フォーマットに対
応する狭トラック、狭ギャップでの磁気ギャップの形成
では、フェライトのコア間を接着する融着ガラスとフェ
ライト間で磁気ギャップを通して各構成元素の拡散が発
生し、その結果、特にトラック幅の端部に於いて、対向
する磁気コア間の磁気ギャップ部での磁気的分離が不十
分になってしまい、磁気記録媒体(いわゆるメディア)
からの磁束が磁気ヘッドにおける電磁変換に寄与しなく
なり、再生効率の低下を招く不具合が発生していた。
【0004】この対策として化学的安定性の観点から磁
気ギャップとなる非磁性材料の選択や、拡散を抑制する
ガラス融着の条件改善を進めたが、フェライトの表面欠
陥に起因する非磁性膜の被覆性の低下により、ある限度
以下にフェライトとガラス間の拡散を抑えることが出来
ず、再生効率の劣化を招いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録に於ける高密
度化に対応して、磁気ヘッドの記録と再生の分離が進ん
できて、特に再生ヘッドに出力が高く、ヘッド製造コス
トの安価なフェライトヘッドが用いられようとしてい
る。
【0006】本発明は、上述の点に鑑み、磁気ギャップ
近傍でのフェライトへの非磁性ギャップ材の被覆性を改
善し、再生効率を改善できるようにした磁気ヘッドの製
造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ヘッド
の製造方法は、磁気コアの磁気ギャップ形成面に第1の
非磁性膜を形成し、第1の非磁性膜の成膜厚に相当する
膜厚のエッチング処理で第1の非磁性膜を除去し、再
度、磁気ギャップ形成面に規定のギャップ長を得るため
の第2の非磁性膜を形成するようになす。
【0008】この製法によれば、磁気ギャップ形成面の
表面欠陥部内に第1の非磁性膜が残存し、この上に第2
の非磁性膜が形成されることにより、磁気ギャップ形成
面での非磁性膜の被覆性が改善され、磁気ギャップを挟
んで対向する磁気コア間の磁気的分離が改善され、特
に、再生効率の向上が図れる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、主たる磁気コアが軟磁
性酸化物磁性材料より形成され、非磁性材を磁気ギャッ
プとする磁気ヘッドの製造方法において、磁気コアの磁
気ギャップ形成面に第1の非磁性膜を形成する工程と、
第1の非磁性膜の成膜厚に相当する膜厚のエッチング処
理で第1の非磁性膜を除去する工程と、磁気コアの磁気
ギャップ形成面に規定のギャップ長を得るための第2の
非磁性膜を形成する工程を有する。
【0010】本発明は、上記磁気ヘッドの製造方法にお
いて、第1の非磁性膜の膜厚を、磁気ギャップ形成面の
表面粗度からギャップ長に相当する厚みの範囲内に選定
する。
【0011】本発明は、上記磁気ヘッドの製造方法にお
いて、第1の非磁性膜及び第2の非磁性膜をPt,Pt
族金属、Ptを主とする合金、若しくはTaの酸化物に
より形成する。
【0012】本発明は、上記磁気ヘッドの製造方法にお
いて、第1の非磁性膜及び第2の非磁性膜を、夫々異な
る材料で形成する。
【0013】以下、図面を参照して本発明の実施例につ
いて説明する。
【0014】本発明による磁気ヘッドの外観図(斜視
図)を図1に、その摺動面からみた平面図を図2に示
し、この場合の製法の実施例について説明する。本実施
例(第1の実施例)においては、先ず、図3に示すよう
に、Mn−ZnもしくはNi−Znの軟磁性酸化物磁性
材、いわゆる軟磁性フェライト材からなる基板1を用意
する。この軟磁性フェライト基板1は、この基板1から
コア半体ブロックが例えば14本分得られるような縦4
5mm×横45mm×厚さ1mmの大きさに形成され
る。この軟磁性フェライト基板1をA−A′,B−
B′,C−C′,D−D′の線に沿って切断して例えば
縦45mm×横2.5mm×厚さ1mmの複数のコア半
体ブロック2を形成する。
【0015】次に、図4に示すように、コア半体ブロッ
ク2の一主面2aに、規定のトラック幅Twが残るよう
に、断面略U字型のトラック幅規制溝3を、所定のピッ
チをもって形成する。本例では、主面2aに対する接触
部の角度を60°として例えば溝開口部の幅t1 が19
0μm、深さh1 が95μm、残存するトラック幅Tw
が14μmの略U字型形状の溝3とした。溝3の形状
は、垂直面と水平面からなる方形でも、V字型でもよ
い。
【0016】次に、図5に示すように、コア半体ブロッ
ク2の主面2aに対してトラック幅規制溝3と垂直に巻
線溝4を形成する。本例では、開口幅t2 が650μ
m、深さh2 が200μmとし、摺動面となる側に近い
端での主面2aへの角度が40°、反対側の端での主面
2aへの角度が90°である略五角形の断面形状の巻線
溝4とした。この後、主面2aに残るトラック幅Twと
なる部分を研磨し、その表面粗度が50nm程度となる
ような鏡面に形成する。6はフロントギャップ形成面、
7はバックギャップ形成面を示す。
【0017】この図5におけるギャップ形成面6の拡大
図及びその断面図を図6A及びBに示す。図6Bで示す
ように、上記鏡面等の形成工程でギャップ形成面6には
陥没した欠陥部8を含んでいる(図示せざるもギャップ
形成面7も同様である)。
【0018】このような一連の溝形成を行ったコア半体
ブロック2に対し、磁気的にギャップとなる非磁性膜を
形成する。
【0019】即ち、図7及びそのギャップ形成面の拡大
図、断面図である図8A,Bに示すように、コア半体ブ
ロック2のギャップ形成面6,7及びトラック幅規制溝
3,巻線溝4を含んで第1の非磁性膜9を形成する。こ
の非磁性膜9は、図5においてギャップ形成面の少なく
とも突き合わせ面に形成されていることが望ましい。本
例では、ギャップ形成面6,7及びトラック幅規制溝
3,巻線溝4を含む全面に非磁性膜9を形成したが、そ
の他、トラック幅規制溝3,巻線溝4の内部に形成され
ないように溝部分をマスクして、ギャップ形成面6,7
上のみに非磁性膜9を形成することも可能である。本例
の第1の非磁性膜9は、Ta2 5 をターゲットとして
0.6KWの投入電力で酸素中でスパッタリングを行
い、膜厚90nmのTa酸化膜を形成した。この第1の
非磁性膜9の膜厚は、後述する所要の範囲内の膜厚に選
定される。
【0020】次に、図9及びそのギャップ形成面の拡大
図、断面図である図10A,Bに示すように、逆スパッ
タリングによるエッチング処理を行い第1の非磁性膜で
あるTa酸化膜9を除去する。本例では、0.5KWの
投入電力で50分の逆スパッタリングを行った。この逆
スパッタリング条件は、図8で形成した平坦部での第1
の非磁性膜9を取り去るのに十分な能力を有している。
つまり、概ね第1の非磁性膜9の成膜厚に相当する膜厚
を除去するに足るエッチング処理条件を有する。しか
し、欠陥部8では逆スパッタリングの効果が低くなるた
め、図10Bに示すように、非磁性膜9は完全に取り去
られず、欠陥部8を被覆した状態で非磁性膜9が残存す
ることになる。
【0021】次に、図11及びそのギャップ形成面の拡
大図、断面図である図12A,Bに示すように、改めて
コア半体ブロック2のギャップ形成面6,7及びトラッ
ク幅規制溝3,巻線溝4を含む全面に、規定の磁気的ギ
ャップ長を得るための第2の非磁性膜10を成膜する。
なお、本例では1対のコア半体ブロック2のギャップ形
成面に形成された夫々の第2の非磁性膜10の膜厚の合
計で規定のギャップ長を得るようにしている。
【0022】本例の第2の非磁性膜10は、Ta2 5
をターゲットとして0.6KWの投入電力で酸素中でス
パッタリングを行い、膜厚90nmのTa酸化膜を形成
した。
【0023】この第2の非磁性膜10の成膜に際して
は、欠陥部8では残存する第1の非磁性膜9上に第2の
非磁性膜10を積層する形で成膜される。従って、欠陥
部8は十分な膜厚の非磁性膜で被覆される。
【0024】次に、図13に示すように、同じように形
成された1対のコア半体ブロック2A及び2Bを、互の
ギャップ形成面6,7のトラック幅Twが一致するよう
に第2の非磁性膜10によるギャップ膜を挟んで位置合
わせを行って突き合わせる。そして、巻線溝4に棒状の
ガラス12を挿入し、この状態を維持したままガラスの
軟化する温度まで加熱し、トラック幅規制溝3内がガラ
ス12によって充填されるようにしてコア半体ブロック
2A及び2B間の接合を行う。次いで、アジマスに相当
する角度で図13のa−a′,b−b′,c−c′,d
−d′,e−e′の線に沿って切断し、ヘッドチップ単
体を得る。
【0025】次に、円筒研削により摺動面13を形成し
て図1及び図2に示す目的の磁気ヘッド15を得る。即
ち、図1及び図2に示す磁気ヘッド15は、1対のフェ
ライトコア半体21A及び21Bの磁気ギャップ形成面
に第1の非磁性膜を形成して、この非磁性膜9を成膜厚
に相当する膜厚のエッチング処理で、一旦除去し、再度
第2の非磁性膜10を形成し、この第2の非磁性膜10
をギャップスペーサとして両フェライトコア半体21A
及び21Bが接合され、その突き合わせ面間において磁
気ギャップgが形成されると共に、トラック幅規制溝3
内にガラス12が充填されて構成される。14は巻線孔
を示す。
【0026】本実施例ではTa2 5 ターゲットを酸素
中スパッタして得られるTaの酸化膜を非磁性膜とした
が、その他、ガラス中の泡などを考慮する必要が無けれ
ば、Taターゲットを用いた酸素を含むスパッタ雰囲気
中で得られるスパッタ膜でも良く、或いはTa2 5
ーゲットのAr等の不活性ガス中で得られるスパッタ膜
でも良い。
【0027】上例では1対のコア半体ブロック2A,2
Bに対して夫々同様の非磁性膜10によるギャップ成膜
処理を行う場合について説明したが、その他、いずれか
一方のコア半体ブロックのみに最終的な非磁性ギャップ
膜が残るように第2の非磁性膜10を形成することも可
能であり、その場合には、他方のコア半体ブロックは第
1の非磁性膜9を形成しエッチング処理した段階とする
ことが望ましい。
【0028】勿論、1対のコア半体ブロック2A,2B
の双方で最終的に残存する第2の非磁性膜10の膜厚を
異なるように構成することも可能である。
【0029】本発明の第2の実施例としては、第1の非
磁性膜9として白金(Pt)をターゲットにして、0.
2KWの投入電力で膜厚90nm白金膜を形成し、0.
5KWの投入電力で50分の逆スパッタリングを行って
白金膜を除去し、次いで、第2の非磁性膜10としてT
2 5 をターゲットにして0.6KWの投入電力で酸
素中でスパッタリングを行い、膜厚90nmのTa酸化
膜を形成した。逆スパッタリングの能力としては、第1
の実施例と同様に、平坦部での第1の非磁性膜(白金
膜)を完全にエッチングする能力を有する。その他の工
程は第1の実施例と同様である。
【0030】上述のようにして形成した第1及び第2の
実施例に係る磁気ヘッドの再生能力を、従来の磁気ヘッ
ドと比較した。尚、従来の磁気ヘッドは、ギャップ面鏡
面仕上げ後に従来のギャップ形成法を用いてTa2 5
をターゲットとして0.6KWの投入電力で酸素中スパ
ッタリングを行い膜厚90nmのTa酸化膜を形成し、
之をギャップスペーサとして形成した磁気ヘッドであ
る。
【0031】1.75μHのインダクタンスとなる巻線
を施し、フロント部の磁気ギャップデプスを15μmと
なるように形成し、磁気テープスピードを3.13m/
sで再生特性を測定した。その結果、従来の磁気ヘッド
の再生出力が135μVp-pとなり、第1の実施例に係
る磁気ヘッドの再生出力が155μVp-p 、第2の実施
例に係る磁気ヘッドの再生出力が165μVp-p となっ
た。
【0032】従来の磁気ヘッドでは、ギャップ形成面の
欠陥部に対する非磁性膜の被覆が図8の様な状態であ
り、つまり、欠陥部付近で非磁性膜の成長が異なり、欠
陥部の段差部で被覆膜厚が平坦部に比べて薄くなってし
まう現象が発生する。これに対し、本発明の製法を用い
ると、欠陥部8の段差部での第1の非磁性膜10に対す
るエッチング能力も低くなる結果、第2の非磁性膜10
の形成後の欠陥部8の被覆性が、特に段差部で図12に
示すように改善される。
【0033】この非磁性膜はコア間の磁気的な不連続部
としての効果だけでなく、ガラスとフェライトコア間の
ガラス融着充填時の化学的反応を防ぐ効果も有してい
る。従来のように高温に保持される間、欠陥部で非磁性
膜の薄い部分があると、この部分で高温溶融ガラスによ
り非磁性膜がまず浸食され、引き続いてフェライトコア
に対してガラスが接触する。この結果、フェライトコア
−ガラス間で化学的拡散を伴う反応が発生し、磁気的成
分がフェライトコア間に分散するため、磁気コア間の磁
気的不連続性が低くなり、磁気テープとの磁気的作用が
起こり難くなる。この結果、記録,再生における特性劣
化を招いていた。
【0034】ギャップ非磁性膜の選択により平坦部での
ガラス−フェライトコア間の反応は抑えられてきている
が、実際のヘッドコア加工面は欠陥を含むため、この欠
陥部での反応が問題となってきていた。
【0035】本実施例によれば、ギャップ形成面での欠
陥を含む、実際のヘッドコア形成の条件でヘッド特性改
善に高い効果を示す。さらに、ギャップ形成面近傍のト
ラック幅規制溝3の部分も、溝加工面であり、鏡面研磨
面であるギャップ形成面6,7より欠陥が多くなること
から、ギャップ形成面の欠陥部8より、さらに本実施例
が重要な効果を示すことになる。
【0036】第1の非磁性膜9の膜厚は、欠陥部8の被
覆の効果を残す必要があるため、少なくともフェライト
のギャップ面における鏡面研磨の結果得られた面粗度程
度は必要になる。また、極度に厚くなるとエッチングに
よるムラなどにより、平坦部の第1の非磁性膜9をエッ
チングする際に、早期にエッチングされ露出した部分の
フェライトが平坦部の非磁性膜9のエッチングに要する
時間の長時間化によりダメージを受けてしまう。
【0037】このダメージによるフェライトの表面粗度
の低下やフェライト表面部分の磁気劣化はギャップ長精
度の低下とヘッド効率の低下を招き、この現象を防ぐた
め、第2の非磁性膜10における最大の膜厚であるギャ
ップ長に相当する膜厚を第1の非磁性膜9の膜厚として
の最大値とすることが有効である。
【0038】また、例えば、さらに第2の非磁性膜に対
して逆スパッタリングを行い、第3の非磁性膜を成膜す
るなど、一連の工程の繰返し数を増やすことも本発明の
主旨を逸脱しない。
【0039】フェライトとの反応防止としてはPt等が
良好なことが判明している。しかし、Ptは化学的に安
定な結果、ガラスの接着力が不足し、コアとしての強度
が不足し、加工時の歩留まりに影響を与えるなどの副作
用があった。
【0040】しかし、本発明の第2の実施例に示す製法
では、反応の起きやすい欠陥部のみを、化学的安定性の
高いPt膜による被覆効果を高めることで反応を抑え、
ギャップ面平坦部はガラスとの接着性の良好なTaの酸
化物となるため、ガラスの接着力が十分得られ、コア強
度が不足することもない。
【0041】なお、第1の非磁性膜9及び第2の非磁性
膜10としては、Pt,Pt族金属,Ptを主とする合
金、若しくはTaの酸化物よりなる膜を用いることがで
き、また第1及び第2の非磁性膜9及び10は、夫々こ
れらから選んだ異なる膜にて構成することができる。
【0042】また、本発明の様に、平坦部の第1の非磁
性膜9を完全に取り去った後に、第2の磁性膜10を成
膜するため、第2の非磁性膜10の膜厚管理を十分に行
えば所定のギャップ長が得られ、エッチングのムラなど
により、第1の非磁性膜9が残り、磁気ギャップ長に影
響を与える心配もない。
【0043】また、一般的手法として成膜とエッチング
効果が同時に得られるバイアススパッタの手法もある
が、本発明に示すような第1の非磁性膜と第2の非磁性
膜の種類を変えるのは無理であるし、スパッタ堆積率が
安定しない、欠陥部への被覆効果が少ないなど、安定な
磁気ギャップ長,高効率な磁気ヘッドを得るのには不都
合である。
【0044】上述の実施例によれば、第1の非磁性膜9
を成膜し、エッチングを行って一旦平坦部の第1の非磁
性膜9を除去し、再度第2の非磁性膜10を成膜する工
程をとることにより、ギャップ長の精度を維持すること
ができる。また、通常の量産対応の加工により得られる
フェライトの欠陥を含んだ状態でも欠陥部への被覆効率
により磁気コア間の磁束の直接的伝達を防ぐことが出来
る。
【0045】即ち、磁気ギャップの形成されるフェライ
トのギャップ形成面における不十分な平坦化処理、及び
ギャップ形成面に隣接するトラック幅規制溝3における
フェライト加工による表面欠陥に起因する非磁性膜の被
覆性の低下が改善されることにより、磁気ギャップgを
挟んで対向するコア21A,21B間の磁気的分離が改
善される。
【0046】また、第1の非磁性膜9にPt膜を、第2
の非磁性膜10にTaの酸化物膜を用いるときは、チッ
プ強度を維持したまま、フェライトコア−ガラス間の反
応をさらに防止することができる。従って、これらの効
果により、特に再生特性の高いフェライト磁気ヘッドを
大幅な工程の増加を伴わずに製造することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、軟磁性酸化物磁性材料
による磁気コアの磁気ギャップ形成面に第1の非磁性膜
を形成し、一旦この第1の非磁性膜をエッチング除去し
た後、再度第2の非磁性膜を形成することにより、ギャ
ップ長精度を維持できると共に、量産加工により生ずる
欠陥部への非磁性膜の被覆性が改善され、磁気ギャップ
を挟んで対向する磁気コア間の磁束の直接的な伝達を防
ぐことができ、特に再生特性の高い磁気ヘッドを大幅な
工数の増加を伴わずに製造できる。
【0048】また、第1及び第2の非磁性膜をPt,P
t族金属,Ptを主とする合金、若しくはTaの酸化物
より選んで形成し、形成することにより、良好な非磁性
膜が得られる。その際、第1及び第2の非磁性膜を夫々
異なる材料とし、例えば第1の非磁性膜をPt系の膜で
形成し、第2の非磁性膜をTa酸化物膜で形成するとき
は、ヘッドチップ強度を維持したまま、軟磁性酸化物磁
性材料と融着ガラス間の反応を防止することができる。
【0049】また、第1の非磁性膜の膜厚を、磁気ギャ
ップ面の表面粗度からギャップ長の範囲内に選定するこ
とにより、欠陥部を良好に被覆し、且つ磁気ギャップ形
成面にダメージを与えずに第1の非磁性膜のエッチング
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッドの一例を示す斜視図で
ある。
【図2】図1の磁気ヘッドの摺動面からみた平面図であ
る。
【図3】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示す
製造工程図である。
【図4】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示す
製造工程図である。
【図5】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示す
製造工程図である。
【図6】A 図5のギャップ形成面の拡大図である。 B 図5のギャップ形成面の拡大断面図である。
【図7】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示す
製造工程図である。
【図8】A 図7のギャップ形成面の拡大図である。 B 図7のギャップ形成面の拡大断面図である。
【図9】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示す
製造工程図である。
【図10】A 図9のギャップ形成面の拡大図である。 B 図9のギャップ形成面の拡大断面図である。
【図11】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示
す製造工程図である。
【図12】A 図11のギャップ形成面の拡大図であ
る。 B 図11のギャップ形成面の拡大断面図である。
【図13】本発明の磁気ヘッドの製造方法の実施例を示
す製造工程図である。
【符号の説明】
1 フェライト基板、2,2A,2B コア半体ブロッ
ク、3 トラック幅規制溝、4 巻線溝、6,7 ギャ
ップ形成面、8 欠陥部、9 第1の非磁性膜、10
第2の非磁性膜、12 ガラス、13 摺動面、15
磁気ヘッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる磁気コアが軟磁性酸化物磁性材料
    より形成され、非磁性材を磁気ギャップとする磁気ヘッ
    ドの製造方法において、 前記磁気コアの磁気ギャップ形成面に第1の非磁性膜を
    形成する工程と、 前記第1の非磁性膜の成膜厚に相当する膜厚のエッチン
    グ処理で前記第1の非磁性膜を除去する工程と、 前記磁気コアの磁気ギャップ形成面に規定のギャップ長
    を得るための第2の非磁性膜を形成する工程を有するこ
    とを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の非磁性膜の膜厚を、前記磁気
    ギャップ形成面の表面粗度からギャップ長に相当する厚
    みの範囲内に選定することを特徴とする請求項1に記載
    の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の非磁性膜及び前記第2の非磁
    性膜をPt,Pt族金属、Ptを主とする合金、若しく
    はTaの酸化物により形成することを特徴とする請求項
    1に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の非磁性膜及び前記第2の非磁
    性膜を、夫々異なる材料で形成することを特徴とする請
    求項1に記載の磁気ヘッドの製造方法。
JP1437696A 1996-01-30 1996-01-30 磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH09204607A (ja)

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