JP2954784B2 - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2954784B2
JP2954784B2 JP16961292A JP16961292A JP2954784B2 JP 2954784 B2 JP2954784 B2 JP 2954784B2 JP 16961292 A JP16961292 A JP 16961292A JP 16961292 A JP16961292 A JP 16961292A JP 2954784 B2 JP2954784 B2 JP 2954784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッド及びその製造
方法に係り、特に、高保磁力記録媒体を用いるVTR
(ビデオテープレコーダ)等に用いて好適な磁気ヘッド
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録には、高保磁力(Hc)
を有するメタルテープ等が用いられているが、これに対
応すべく磁気ヘッドも、従来のフェライト材に代わり、
高飽和磁束密度を有する例えばFe−Al−Si合金
(センダスト合金),Co−Nb−Zr系非晶質合金等
よりなる金属磁性膜を主磁気コアとして用いたヘッド構
造が種々提案され、実用化されている。また、近時の記
録波長の短波長化に伴い、スペーシングロスの発生を防
止することも、この種磁気ヘッドのより重要な課題とな
っている。
【0003】このような金属磁性膜を主磁気コアとして
用い、磁気ギャップ部における偏摩耗による段差の発生
を抑止し得る構造を採る磁気ヘッドとして、特開昭63
−241709号公報に記載の磁気ヘッドが挙げられ
る。
【0004】図7は、上記先願に開示された磁気ヘッド
のテープ摺動面から見た正面図である。同図において、
51A,51Bは対をなすコア半体で、各コア半体51
A,51Bは、それぞれフェライトよりなるコア基体5
2と、該コア基体52の突合せ面側に被着・形成した金
属磁性膜(強磁性金属薄膜)53とを具備したものとな
っている。上記コア基体52の突合せ面側には、略山形
を呈する(図7の例では、尖角山形の頂部をカットした
略山形を呈する)突起52aが機械加工によって形成さ
れており、この突起52aの形成面側に、金属磁性膜5
3が真空薄膜形成技術によって所定膜厚に成膜されてい
る。また、突起52aの頂部において金属磁性膜53
は、トラック幅Twを規定する平坦部をもつものとなっ
ている。そして、この金属磁性膜53の平坦部同志を図
示せぬギャップ規制膜(非磁性薄膜)を介して突合せ・
接合して磁気ギャップ54を形成すると共に、低融点ガ
ラス等の非磁性材55によって、コア半体51A,51
B同志を接合・一体化した構造となっている。
【0005】このような構造を採ることにより、磁気ギ
ャップ54部分に強磁性の金属磁性膜53が形成されて
いるため、メタルテープ等の高保磁力記録媒体にも十分
記録/再生が可能であり、高密度記録化にも対応ができ
る優れた特性を有する磁気ヘッドが得られる。さらに、
突起52aの加工において、図7に示すようにテープ摺
動面で、突起52aの平坦部の両端部における突起傾斜
接線方向と磁気ギャップ突合せ面の法線方向とがなす角
度θ5,θ6を、アジマス角度θとの関係においてθ=
(θ5+θ6)/2となるように設定しているため、テー
プ走行において記録トラック部に前記非磁性材55が摺
接することがなく、非磁性材55と金属磁性膜53との
耐摩耗特性差による偏摩耗段差が発生しなくなる。これ
により、テープ走行特性にも優れた磁気ヘッドが得られ
るように工夫されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、テープ
走行時には磁気ギャップ54部分の偏摩耗段差のみでは
なく、磁気ギャップ54周辺のテープ当接面(磁気記録
媒体対向面)と磁気テープの当接状態も摺動特性に大き
く影響し、コア基体52,金属磁性膜53,非磁性材5
5の形状が重要なファクターとなってくる。ここで、上
述した従来技術では図7に示すように、前記突起52a
の平坦部の両端部における2つの接線のなす角度、すな
わち突起52aの両側の傾斜面がなす角度(θ5+θ6
を2等分する線A−A’は、テープ走行方向に対してθ
だけ傾いたものとなる。従って、同図に示すように、磁
気ヘッドのテープ当接面の摺動幅Lを2等分する摺動幅
中心線B−B’に対して、コア基体52,金属磁性膜5
3,非磁性材55の形状が非対称となる。その結果、テ
ープ走行においてこれらの摺動面の各部材の耐摩耗差に
より摺動幅方向の摺動面形状が場所により異なってく
る。
【0007】図8は、図7の磁気ヘッドのテープ摺動後
の磁気ギャップ近傍の形状を、多重干渉法により測定し
た干渉縞の状態を示す図である。同図に示すように、磁
気ギャップ54近傍における楕円形状の干渉縞の長軸C
−C’が、他の部分に比較してテープ走行方向に対して
傾いている。テープ摺動において、磁気ヘッドのテープ
当接面は磁気テープにより摩耗するが、該テープ当接面
の摩耗形状は磁気テープの当接状態によって決定され
る。従って、図8に示すように従来技術の摺動面形状で
は、摺動面構成材の耐摩耗差により磁気ギャップ54近
傍部分と他の部分のテープ当接が異なっており、良好な
テープ当接が得られず、特に高アジマス角度を有する磁
気ヘッドではこの傾向が増大するという問題があった。
【0008】本発明の目的は上記従来技術の問題点を解
決し、高アジマス角度を有しても安定したテープ走行特
性が得られる磁気ヘッドを提供することにある。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、突合せ面側に略山形の突起を形成したコ
ア基体、及び該コア基体の突合せ面側に形成した金属磁
性膜を有する1対のコア半体と、この1対のコア半体の
少なくとも一方に設けた巻線用窓に巻回されたコイルと
を具備し、前記1対のコア半体同志を、前記略山形の突
起の頂部近傍においてトラック幅を規定する平坦部とな
った前記金属磁性膜同志が一致するようにギャップ規制
膜(非磁性膜)を介して突合わせ、該ギャップ規制膜に
よって磁気ギャップを形成すると共に、該磁気ギャップ
が所定のアジマス角度の傾きを有する磁気ヘッドにおい
て、磁気記録媒体対向面において前記各各コア基体の前
記突起の両傾斜面のなす角度同志が略等しく、かつ該角
度を2等分する線が、テープ走行方向と略平行すると共
に、テープ摺動幅方向の中心線と略同位置にあるよう
に、構成される。これにより、テープ摺動面(磁気記録
媒体対向面)における摺動幅方向のコア基体,金属磁性
膜,非磁性材の形状は、テープ走行方向に平行する摺動
幅中心線に対してほぼ対称となる。言い替えれば、ヘッ
ド製作工程において突起の形状を、突起両傾斜面と突合
せ面の法線とがそれぞれなす角度をθ,θ とし、
アジマス角度をθとしたとき、θ=(θ1−θ2)/2,
θ1>θ2に設定すればよい。
【0010】
【作用】テープ摺動面のコア基体の突起の形状が、テー
プ走行方向に平行する摺動幅中心線に対してほぼ対称と
なるため、コア基体と共に金属磁性膜,非磁性材も摺動
幅中心線に対して対称な形状となる。これにより、コア
基体,金属磁性膜,非磁性材に摩耗差を生じても、テー
プ走行方向に対する摺動幅方向の形状は磁気ギャップ部
を中心として対称となり、従来以上に安定したテープ走
行性能を有する磁気ヘッドが得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図示した実施例によって説明
する。図1は本発明の第1実施例に係る磁気ヘッドのテ
ープ摺動面から見た正面図であり、本実施例においては
アジマス角度θを15度に設定してある。図1におい
て、1A,1Bは対をなすコア半体、2はコア基体、2
aはコア基体2の突起、3は金属磁性膜(強磁性金属薄
膜)、4は磁気ギャップ(作動ギャップ)、5は非磁性
材である。各コア半体1A,1Bは、それぞれフェライ
ト材よりなるコア基体2と、該コア基体2の突合せ面側
に被着・形成した金属磁性膜3とを具備しており、各コ
ア基体2の突合せ面側には、略山形を呈する突起2aが
機械加工によって形成されている。なお、本発明で言う
略山形とは、先端に行くに従って漸次先細になる突起を
指しており、図1の例では逆V字形の尖角山形突起であ
るが、尖角山形の頂部をカットした形状もこれに含まれ
る。この突起2aの形成面側に、金属磁性膜3が真空薄
膜形成技術によって所定膜厚に成膜されており、また、
突起2aの頂部において金属磁性膜3は、トラック幅T
wを規定する平坦部をもつものとなっている(厳密に言
うと、平坦部の実長とアジマス角度によってトラック幅
Twは決定される)。そして、この金属磁性膜3の平坦
部同志を図示せぬギャップ規制膜(非磁性薄膜)を介し
て突合せ・接合して磁気ギャップ4を形成すると共に、
非磁性材5によって、コア半体1A,1Bを接合・一体
化した構造となっている。なお図示していないが、コア
半体1A,1Bの一方には巻線用窓が形成されており、
この巻線用窓を利用してコイルが巻回されている。
【0012】また、各コア基体2の突起2aの両傾斜面
のなす角度(突起2aの両傾斜面上の金属磁性膜3同志
がなす角度)θ3とθ4は等しく、かつ、この角度θ3
θ4の2等分線(図示せず)は、テープ摺動幅Lの摺動
幅中心線D−D’と略同位置にあるように構成してあ
る。すなわち、テープ摺動面の形状は、テープ摺動幅中
心線D−D’に対して略線対称であり、磁気ギャップ4
のみがアジマス角度θだけ傾いた形状になっている。斯
様なテープ摺動面形状をとることにより、テープ走行時
においてコア基体1,金属磁性膜3,非磁性材5に摩耗
差を生じても、磁気テープとの当接状態が磁気ギャップ
4部を中心としてそれぞれのコア半体1A,1Bで同じ
となり、従来以上に安定したテープ当接状態が得られ、
テープ走行による特性劣化の少ない磁気ヘッドを実現で
きる。さらに、本発明の摺動面形状にすればアジマス角
度θを大きくしても磁気ギャップ4がアジマス角度傾く
のみであり、コア基体2の突起2aの対称性は変わらな
いようにすることができるので、高アジマス角度を有す
る磁気ヘッドでも安定したテープ走行特性が得られる。
【0013】なお本実施例においては、金属磁性膜3に
は、Fe−Al−Si合金等の結晶質軟磁性材あるいは
Co−Nb−Zr合金等の非晶質軟磁性材を用いてお
り、また、非磁性材5は、金属磁性膜3への影響を少な
くするために充填温度の低くできる低融点ガラスを用い
ており、また、磁気ギャップ4を形成するためのギャッ
プ規制膜(非磁性薄膜)は、所定のギャップ長が得られ
るように例えばSiO2膜等を用いている。
【0014】次に、図1に示した前記磁気ヘッドの製造
方法を、図2を用いて詳細に説明する。図2の(a)
は、前記コア基体2の母材となる母材ブロック(本例で
はフェライト基板)10に、前記突起2aを形成するた
めの工程を示している。すなわち、先ず母材ブロック1
0の突合せ面となる面側に、深さが100〜300μm
で断面形状が略V状を呈する溝11を、複数平行にダイ
シングソ−等を用いて機械切削加工によって形成し、こ
れによって突起2aを複数平行に形成する。また、この
際に巻線窓用の溝12も、溝11と直交するようにダイ
シングソ−等によって形成する。母材ブロック10とな
るフェライト基板材としては、Mn−Zn単結晶,Mn
−Zn多結晶,あるいはこれらを接合したフェライト材
であっても構わない。
【0015】このときの突起2aの断面形状は、図2の
(a)の下側に示すごとく、磁気ギャップ面と平行な面
からの垂線(法線)E−E’と、突起2aの2つの傾斜
面2a−1,2a−2とがそれぞれなす角度をθ1,θ2
とし、前記磁気ギャップ4のアジマス角度θとしたと
き、θ=(θ1−θ2)/2,θ1>θ2,(θ1+θ2)/
2>θの各関係を満足するように設定される。具体的に
は、θ≧5度、θ1+θ2≧30度の範囲で設定を行う。
ここで、本実施例では例えばアジマス角度θをθ=15
度、θ1+θ2=60度に設定しており、従って、θ1
45度でθ2は15度となっている。なお、アジマス角
度θは5度〜45度の範囲が選ばれる。
【0016】次に図2の(b)に示すように、上記した
突起2aの形成面上に磁気ギャップ形成面方向からスパ
ッタリング法,蒸着法等の物理的手法により金属磁性膜
3を被着させる。金属磁性膜(強磁性金属薄膜)3とし
ては、前記したようにFe−Al−Si合金等の結晶質
軟磁性材、またはCo−Nb−Zr合金等の非晶質軟磁
性材が選ばれる。該金属磁性膜3の膜厚は磁気ヘッドの
特性等から設定するが、その範囲は少なくとも5〜10
0μmである。また、このときスパッタリング法で形成
したSiO2 等の非磁性膜を0.05〜0.5μmの厚
さ介して、磁性膜の多層化を行ってもよい。なお本実施
例では、Co−Nb−Zr非晶質合金膜を25μmの膜
厚で被着・成膜した。なおまた、金属磁性膜3の磁気特
性を得るために、成膜後、磁場中または無磁場中で熱処
理が行われる。
【0017】次に図2の(c)に示すように、金属磁性
膜3上に非磁性材5が充填される。この工程では、金属
磁性膜3の上に少なくとも残りのV字状の溝11が埋ま
る程度に非磁性材5を充填する。この非磁性材5として
は、PbO系,V25系等の低融点ガラス、またはスパ
ッタリング法,蒸着法で形成した2MgO−SiO
2(フォルステライト)等のセラミック材を選択する。
さらに、低融点ガラスと金属磁性膜3との拡散防止、あ
るいはセラミック材の付着力向上等の理由から、非磁性
材5を充填する前処理として、金属磁性膜3の表面にS
iO2 等の酸化物非磁性材、あるいはCr等の金属非磁
性材、またはそれらを組み合わせた、非磁性膜を形成し
てもよい。なお、この非磁性膜の膜厚は、0.05〜2
μmの範囲で設定する。本実施例では、充填材となる非
磁性材5して、軟化温度が390℃のPbO−B23
低融点ガラスを用いた。また、該非磁性材5(充填ガラ
ス)と金属磁性膜3との拡散防止薄膜として、Crを
0.2μmの厚さで金属磁性膜3上に被着した。
【0018】次に図2の(d)に示すように、充填され
た非磁性材5の除去・研磨が行われる。この工程では、
母材ブロック10上の非磁性材5及び金属磁性膜3の一
部が、機械研磨等により除去され、かつ、突合せ面の鏡
面研磨が行われる。すなわち、図2の(d)に示すよう
に、前記突起2aの頂部の金属磁性膜3が、所要のトラ
ック幅Twを規定するためのギャップ突合せ幅Tをもつ
平坦部として露出されるまで、研磨が行われる。ここ
で、本実施例ではアジマス角度が15度であるので、ギ
ャップ突合せ幅Tは、T=Tw/cos15となる。ま
た、同時にこの工程で、前記巻線窓用の溝12内に充填
された非磁性材5の除去が行われる。ここで場合によっ
ては、溝12内の金属磁性膜3を残すように非磁性材5
の除去を行ってもよい。なお、トラック幅Twは、15
μm〜200μmの範囲で設定される。
【0019】然る後、図2の(d)で1点鎖線で示すF
−F’線に沿って母材ブロック10を切断し、1対の母
材ブロック10A,10Bを作成する。
【0020】次に図2の(e)に示すように、上述のよ
うにして得られた1対の母材ブロック10A,10Bの
接合・一体化が行われる。この工程では、母材ブロック
10A,10Bの少なくとも一方の突合せ面上に、ギャ
ップ規制薄膜となるSiO2等の非磁性酸化膜、または
Cr等の金属非磁性膜を所要の厚さ(たとえば0.25
μm)にスパッタリング法により形成し、然る後、各突
起2aの頂部の金属磁性膜3の平坦部同志が合致するよ
うに、母材ブロック10A,10Bを位置合わせして突
合せ、この状態で加圧しながら加熱し、非磁性材5であ
る低融点ガラスを溶融し、ガラスボンディングによって
1対の母材ブロック10A,10Bを接合・一体化す
る。本実施例では550℃の温度で加熱を行った。な
お、図2の(c)の工程において、非磁性材5としてス
パッタリング法,蒸着法で形成するセラミック材を選択
した場合、上記ギャップ規制薄膜に少なくともボンディ
ング温度で溶融する低融点ガラス膜を形成しておく。
【0021】このようにして母材ブロック10A,10
Bを一体化したボンディングブロックを、磁気ギャップ
4を中心にして所要のアジマス角度θが得られるよう
に、磁気ギャップ4の法線に対して所定角度だけ傾いた
図2の(d)のG−G’線で順次切断し、然る後、所定
の形状にテープ摺動面を研磨加工することによって、図
1に示すテープ摺動面の形状を有する磁気ヘッドが得ら
れることとなる。なお、本実施例では磁気ギャップ4の
法線に対して15°の傾きで切断が行われる。
【0022】図3の(a)は、図1の構成の磁気ヘッド
のテープ走行後の摺動面形状を、多重干渉法により測定
した干渉縞の状態を示す図である。同図から明らかなよ
うに、干渉縞形状は磁気ギャップ部を中心として対称で
あり、かつ、楕円形状干渉縞の長軸がテープ走行方向と
一致している。よって、テープ走行幅中心線B−B’に
対してヘッド摺動面の形状は線対称となっている。ま
た、図3の(b)は、磁気ギャップ4からテープ走行方
向に対して等距離位置(l=l’)の摺動幅方向に沿っ
た切断線H−H’,I−I’の断面形状を示す図で、両
断面におけるヘッド摺動面の形状は略同じとなってお
り、磁気ギャップ4を中心にしてテープ走行方向におい
ても対称な形状となっている。このことから、磁気テー
プが磁気ギャップ4を中心として上下・左右に対称に当
接することになり、本発明による磁気ヘッドは極めて安
定したテープ走行特性が得られる。
【0023】図4は本発明の第2実施例に係る磁気ヘッ
ドのテープ摺動面からみた正面図である。本実施例にお
いては、コア基体2の略山形状の突起2a’を、その頂
部が平坦にカットされた形状にしてあり、該突起2a’
の平坦部上に形成された金属磁性膜3同志がギャップ規
制薄膜を介して突合わされて磁気ギャップ4を形成して
いる。本実施例においても、各コア基体2の突起2a’
の2つの傾斜面のなす角度θ3,θ4同志は等しく、か
つ、その延長線の交点P,P’はテープ摺動幅中心線D
−D’上に位置している。すなわち、それぞれの角度θ
3,θ4の2等分線(図示せず)は、テープ走行方向に平
行でテープ摺動幅中心線D−D’と略等しい位置にあ
る。これにより、テープ摺動面の形状は磁気ギャップ4
を中心として略対称となり、同様に安定したテープ走行
特性をもつ磁気ヘッドが得られる。
【0024】図5は本発明の第3実施例に係る磁気ヘッ
ドのテープ摺動面からみた正面図である。本実施例にお
いては、金属磁性膜3はコア基体2の略山形状の突起2
a’の頂部の平坦部のみ(突合せ面のみ)に形成されて
おり、突起2a’の傾斜面には金属磁性膜3がない構成
となっている。本実施例においても、各コア基体2の突
起2a’の2つの傾斜面のなす角度θ3,θ4同志は等し
く、かつ、その延長線の交点P,P’はテープ摺動幅中
心線D−D’上に位置している。すなわちこの場合も、
それぞれの角度θ3,θ4の2等分線(図示せず)は、テ
ープ走行方向に平行でテープ摺動幅中心線D−D’と略
等しい位置にある。従って、テープ摺動面の形状は磁気
ギャップ4を中心として略対称となり、同様に安定した
テープ走行特性をもつ磁気ヘッドが得られる。
【0025】図6は本発明の第4実施例に係る磁気ヘッ
ドのテープ摺動面からみた正面図である。本実施例にお
いては、金属磁性膜3はコア基体2の略山形状の突起2
aの片側の傾斜面のみに形成してある。本実施例におい
ても、各コア基体2の突起2aの2つの傾斜面のなす角
度θ3 ,θ4 同志は等しく、かつ、その延長線の交点
P,P’はテープ摺動幅中心線D−D’上に位置してお
り、それぞれの角度θ3,θ4 の2等分線(図示せず)
は、テープ走行方向に平行でテープ摺動幅中心線D−
D’と略等しい位置にある。従ってこの場合も、テープ
摺動面の形状は磁気ギャップ4を中心として略対称とな
り、同様に安定したテープ走行特性をもつ磁気ヘッドが
得られる。
【0026】以上本発明を図示した実施例によって説明
したが、本発明はテープ走行方向に対し斜交する傾斜面
を有するコア基体の突起の、該傾斜面の角度設定を規定
するものであり、突起先端部の形状、金属磁性膜の配置
は上述した各実施例に何等限定されものではない。ま
た、上述した各実施例においては、コア基体にフェライ
ト材を用いた例について述べたが、コア基体としてはこ
の他に、セラミック,結晶化ガラス等の非磁性酸化物を
用いることができ、この場合にも本発明が適用可能であ
ることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヘッドの
テープ摺動面に露出しているコア基体の突起の傾斜面形
状を、テープ摺動幅の中心線に対して略対称にできるの
で、テープ摺動面の形状は磁気ギャップを中心として略
対称となる。これにより、テープ走行においてコア基
体,金属磁性膜,非磁性材等のテープ摺動材に耐摩耗差
があっても、磁気ギャップを中心とした対称な摩耗形状
となるので、安定した良好なテープ走行特性を有する磁
気ヘッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る磁気ヘッドのテープ
摺動面を示す正面図である。
【図2】図1の構成の磁気ヘッドの製造工程を示す説明
図である。
【図3】図1の構成の磁気ヘッドのテープ摺動後の摺動
面形状を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る磁気ヘッドのテープ
摺動面を示す正面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る磁気ヘッドのテープ
摺動面を示す正面図である。
【図6】本発明の第4実施例に係る磁気ヘッドのテープ
摺動面を示す正面図である。
【図7】従来技術による磁気ヘッドのテープ摺動面を示
す正面図である。
【図8】図7の構成の磁気ヘッドのテープ摺動後の摺動
面形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1A,1B コア半体 2 コア基体 2a,2a’ 突起 3 金属磁性層(強磁性金属薄膜) 4 磁気ギャップ(作動ギャップ) 5 非磁性材 10,10A,10B 母材ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖人 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 映像メディア研究 所内 (72)発明者 稲田 健吉 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会 社日立製作所 AV機器事業部内 (56)参考文献 特開 昭54−3513(JP,A) 特開 昭60−74106(JP,A) 特開 昭52−66413(JP,A) 特開 昭63−241709(JP,A) 特開 昭63−205810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突合せ面側に略山形の突起を形成したコ
    ア基体、及び該コア基体の突合せ面側に形成した金属磁
    性膜を有する1対のコア半体と、この1対のコア半体の
    少なくとも一方に設けた巻線用窓に巻回されたコイルと
    を具備し、前記1対のコア半体同志を、前記略山形の突
    起の頂部近傍においてトラック幅を規定する平坦部とな
    った前記金属磁性膜同志が一致するようにギャップ規制
    膜(非磁性膜)を介して突合わせ、該ギャップ規制膜に
    よって磁気ギャップを形成すると共に、該磁気ギャップ
    が所定のアジマス角度の傾きを有する磁気ヘッドにおい
    て、 磁気記録媒体対向面において前記各コア基体の前記突起
    の両傾斜面のなす角度同志が略等しく、かつ該角度を2
    等分する線が、テープ走行方向と略平行すると共に、テ
    ープ摺動幅方向の中心線と略同位置にあるようにしたこ
    とを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 前記略山形の突起の頂部近傍のみに前記金属磁性膜が形
    成されてなることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、 前記各コア基体の突起の一方の傾斜面のみに前記金属磁
    性膜が形成されてなることを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載において、 前記アジマス角度を5度〜45度、前記トラック幅を1
    5μm〜200μm、前記各コア基体の突起の両傾斜面
    がなす角度を30度以上の範囲としたことを特徴とする
    磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載において、 前記コア基体が磁性材料または非磁性酸化物材料である
    ことを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 突合せ面側に略山形の突起を形成したコ
    ア基体、及び該コア基体の突合せ面側に形成した金属磁
    性膜を有する1対のコア半体と、この1対のコア半体の
    少なくとも一方に設けた巻線用窓に巻回されたコイルと
    を具備し、前記1対のコア半体同志を、前記略山形の突
    起の頂部近傍においてトラック幅を規定する平坦部とな
    った前記金属磁性膜同志が一致するようにギャップ規制
    膜(非磁性膜)を介して突合わせ、該ギャップ規制膜に
    よって磁気ギャップを形成すると共に、該磁気ギャップ
    が所定のアジマス角度の傾きを有する磁気ヘッドの製造
    方法において、 前記コア基体の母材となる母材ブロックにおける前記突
    合せ面となる面側に、この面の法線と傾斜面のなすそれ
    ぞれの角度θ1,θ2が、アジマス角度をθとしたときθ
    =(θ1−θ2)/2,θ1>θ2の関係で表わされる略山
    形に突出している前記突起を複数平行に形成する工程
    と、それに直交する巻線用窓となる溝を形成する工程
    と、 この突起形成面上に前記金属磁性膜を所定の厚さに成膜
    する工程と、 前記金属磁性膜上に非磁性材を充填する工程と、 前記非磁性材及び前記金属磁性膜の一部を除去・研磨し
    て、前記トラック幅を規定するための金属磁性膜の前記
    平坦部を前記非磁性材と面一に露呈ならび巻線用窓とな
    る溝内の非磁性材を除去する工程と、 前記した各工程を経た1対の前記母材ブロックの少なく
    とも一方の突合せ面上に前記ギャップ規制膜を形成した
    後、1対の母材ブロックの前記金属磁性膜の平坦部同志
    を突合せた状態で、1対の母材ブロックを接合・一体化
    する工程と、 前記金属磁性膜の平坦部同志を前記ギャップ規制膜を介
    して接合して形成した前記磁気ギャップが、テープ摺動
    面の略中心となるように所要のアジマス角度を設けて前
    記接合・一体化された母材ブロックの切断を行う工程と
    を、含み、磁気記録媒体対向面において前記各コア基体
    の前記突起の両傾斜面のなす角度同志が略等しく、かつ
    該角度を2等分する線が、テープ走行方向と略平行する
    と共に、テープ摺動幅方向の中心線と略同位置にあるよ
    うにした磁気ヘッドを製作するようにしたことを特徴と
    する磁気ヘッドの製造方法。
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