JPH11339219A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH11339219A
JPH11339219A JP14467598A JP14467598A JPH11339219A JP H11339219 A JPH11339219 A JP H11339219A JP 14467598 A JP14467598 A JP 14467598A JP 14467598 A JP14467598 A JP 14467598A JP H11339219 A JPH11339219 A JP H11339219A
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JP
Japan
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magnetic
sliding
width regulating
gap
groove
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Application number
JP14467598A
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English (en)
Inventor
Futoshi Yoshida
太 吉田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ化のための切断加工による接合界面へ
の影響を低減し、歩留まりを向上させるようにした、磁
気ヘッド及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 磁気記録媒体に接触すべき摺動面側の一
端にてギャップ23を構成し、且つギャップの下方にて
巻線窓21a,22aを形成するように、一対のコア半
体を互いに突き合わせて接合した、磁性材料から構成さ
れた磁気コア21,22を含んでおり、上記ギャップ
が、磁気コアの両側縁に設けられ且つ接触面にて側縁に
対して斜めに延びるトラック幅規制溝24,25によっ
て、所定トラック幅となるように、規制されていて、上
記摺動面20aが両側に形成された摺動幅規制溝20
b,20cにより所定の摺動幅となるように、規制され
ている、磁気ヘッドであってさらに、上記摺動幅規制溝
の側縁が、少なくとも一つの段部29を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダ(VTR)やデジタルオーディオテープレコーダ
(DAT)あるいはコンピュータ等のデータ記録再生の
ために、磁気テープ等の磁気記録媒体に対してデータの
記録再生するための磁気ヘッド及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような磁気ヘッドは、例えば
図7に示すように、構成されている。図8において、磁
気ヘッド1は、所謂メタルインギャップ(MIG)ヘッ
ドとして構成されており、互いに接合された二つのコア
半体2及び3から成る磁気コアを含んでいる。
【0003】コア半体2,3は、それぞれフェライト等
の磁性材料から構成されていると共に、互いに接合され
るべき接合面のうち、少なくとも表面(磁気記録媒体に
対する接触面)寄りの所謂ギャップ形成面が、その間
に、ギャップ4を形成するようになっている。また、各
コア半体2,3は、その接合面に、コイルとして巻回さ
れる巻線を受容し且つギャップ4のデプスを規制するた
めの巻線溝2a,3aを備えている。そして、この巻線
溝2a,3aにより形成された巻線窓を通して、コア半
体2または3の少なくとも一方、例えばコア半体2に対
してコイル(図示せず)が巻回されている。
【0004】ここで、上記ギャップ4は、そのトラック
幅方向に関して所定のトラック幅Twを有するように、
コア半体2,3の側縁に形成されたトラック幅規制溝
5,6により、規制されている。このトラック幅規制溝
5,6は、ギャップ4の両端縁からそれぞれデプス方向
に亘って円弧状に形成されている。
【0005】各コア半体2,3は、そのギャップ形成面
及び巻線溝2a,3aそしてトラック幅規制溝5,6の
内面に、高透磁率・磁束密度膜としての金属磁性膜及び
ギャップ膜7を備えている。図示の場合、各コア半体
2,3は、巻線溝2a,3a及びトラック幅規制溝5,
6の形成後に、ギャップ形成面,巻線溝2a,3a及び
トラック幅規制溝5,6の内面に、金属磁性膜7及びギ
ャップ膜8が形成され、その後トラック幅規制溝5,6
内に接合ガラス9が封入されることにより、コア半体
2,3が互いに接合されるようになっている。
【0006】さらに、図8に示した磁気ヘッド1におい
ては、その磁気記録媒体のための摺動面1aの摺動幅を
規制するための摺動幅規制溝1b,1cが、前記ギャッ
プ4の両端縁を挟むように、形成されている。
【0007】このように構成された磁気ヘッド1によれ
ば、記録時には、例えば図示しない磁気テープが、磁気
ヘッド1の摺動面1aに沿って、矢印T方向に摺動する
と共に、外部から磁気ヘッド1のコア半体2に巻回され
たコイルに対して駆動電流が導入されることにより、こ
の駆動電流に対応した磁界がコイルに発生する。そし
て、このコイルに発生した磁界が、コア半体2,3の巻
線溝2a,3aの周りを磁路として循環して、ギャップ
4を通過することにより、磁気テープに対して所望のデ
ータの磁気記録が行なわれる。また、再生時には、摺動
する磁気テープに記録された磁気信号に基づいて、ギャ
ップ4からコア半体2,3を循環する磁界が発生し、こ
の磁界に基づいて、コイルに信号電流が発生する。そし
て、このコイルに発生した信号電流が、外部に取り出さ
れ、適宜に処理されることより、磁気テープに記録され
たデータが再生されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の磁気ヘッド1は、製造に際して、図9及び図10
に示すように製造される。先ず、図9(A)に示すよう
に、例えばフェライトから成る板状の一対の基板10
は、その上面(主面)10aの幅方向にトラック幅Tw
となるフェライト断面が残るように、トラック幅規制溝
11(5,6)が形成される(図9(B)参照)。続い
て、この基板10は、図9(C)に示すように、その上
面(主面)の長手方向に沿って、コイル巻線を受容し且
つギャップのデプスを規制するための巻線溝12(2
a,3a)が形成される。ここで、基板10の主面10
a,トラック幅規制溝11及び巻線溝12の内面に、図
10(A)に示すように、高透磁率・磁束密度膜として
の金属磁性膜13(7)が形成され、さらに少なくとも
ギャップ4を形成する突き合わせ面の領域に、規定のギ
ャップ長の約半分の厚さのギャップ膜14(8)が形成
される。
【0009】このように構成された一対の基板10が、
図10(B)に示すように、二つのコア半体ブロックと
して、ギャップスペーサを介して、互いに主面が接する
ように重ねられ、トラック合わせされた後、接合ガラス
15がトラック幅規制溝11に充填されて、二つの基板
10が互いに接合される。その後、図10(C)に示す
ように、磁気テープに対接する面が円筒研削されて、摺
動面16(1a)が形成され、磁気コアブロック17が
構成されることになると共に、図11及び図12に示す
ように、この摺動面16の各トラック幅規制溝11の間
の領域に、摺動幅規制溝18(1b,1c)が形成され
る。最後に、図13及び図14に示すように、所定のチ
ップ厚及びチップ長となるように、長手方向に関して各
トラック幅規制溝18毎に、例えばスライシングによっ
てチップ厚切断溝19が形成された後、バック切断が行
なわれることにより、図8に示した磁気ヘッド1が完成
する。
【0010】ところで、このような構成の磁気ヘッド1
においては、上記摺動幅規制溝18の加工は、被加工物
に対する影響をできるだけ押さえるように例えば3乃至
8μm程度の砥粒径の細かい砥石により行なわれるが、
チップ厚切断及びバック切断の加工は、できるだけ加工
時間が短くなるように、例えば20乃至30μm程度の
砥粒径の砥石により行なわれる。このため、チップ厚切
断の際に、切断エッジのダメージが大きくなってしま
い、特に上述したMIGヘッドのような三種類以上の材
料が互いに接合されている磁気ヘッドにおいては、その
接合界面で部分剥離が生じてしまうことになり、歩留ま
りが低下すると共に、信頼性が損なわれてしまうという
問題があった。
【0011】これに対して、上記のように三段階の切断
加工をしないで、上記摺動幅規制溝1b,1cの加工の
際に、細かい砥石によって、コア半体2,3及び接合ガ
ラス9と金属磁性膜7の接合部をすべて一度で切断加工
することも考えられる。しかし、この場合は、摺動幅規
制溝1b,1cの加工深さが100μm以上になってし
まう。そうすると、図13のグラフに示すように、記録
波長域1μm以下にて記録再生出力が0.5dB以上低
下することが実験により確認されていることから、磁気
ヘッド特性が劣化してしまう。従って、このような加工
は採用することができなかった。
【0012】本発明は、以上の点に鑑み、チップ化のた
めの切断加工による接合界面への影響を低減し、歩留ま
りを向上させるようにした、磁気ヘッド及びその製造方
法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1の
発明によれば、磁気記録媒体に接触すべき摺動面側の一
端にてギャップを構成し、かつギャップの裏側にて巻線
窓を形成するように、一対のコア半体を互いに突き合わ
せて接合した、磁性材料から構成された磁気コアを含ん
でおり、上記ギャップが、磁気コアの両側縁に設けられ
且つ接触面にて側縁に向かって延びるトラック幅規制溝
によって、所定トラック幅となるように、規制されてい
て、上記摺動面がその幅方向の両側に形成された摺動幅
規制溝により所定の摺動幅となるように、規制されてお
り、さらに、上記摺動幅規制溝の側縁が、少なくとも一
つの段部を備えている、磁気ヘッドにより、達成され
る。
【0014】また、上記目的は、請求項3の発明によれ
ば、コア半体となる長い板状の磁性体でなる基板に対し
て、所定間隔ごとに幅方向に沿った溝を形成してトラッ
ク幅規制溝を設け、さらに長さ方向に沿って溝を形成す
ることで巻線溝を設ける第一の工程と、二つのコア半体
の上記各溝が形成された面が向き合うようにしてギャッ
プ材を挟んで対向させ、上記巻線溝により形成された巻
線窓に、それぞれ順次にガラス充填することにより、二
つのコア半体を互いに接合して、長い磁気コアブロック
を構成する第二の工程と、磁気コアブロックのテープ摺
動面となるべき一側の端面を研磨して、所定の曲率を有
する摺動面を加工すると共に、この摺動面の幅方向の両
側に摺動幅規制溝を形成する第三の工程と、上記摺動幅
規制溝内に、少なくとも一つの段部を成形する第四の工
程と、上記摺動幅規制溝及び段分によって分離された各
テープ摺動面毎に、チップ厚切断及びバック切断によ
り、磁気コアブロックを切断して、個々の磁気ヘッドを
切り出す第五の工程とを含む、磁気ヘッドの製造方法に
より、達成される。
【0015】請求項1の構成によれば、摺動面を規制す
る摺動幅規制溝の側縁に沿って、少なくとも一つの段部
が形成されているので、チップ厚切断の際に形成される
チップ厚切断溝と摺動幅規制溝の間に、上記少なくとも
一つの段部が存在することによって、チップ厚切断によ
る摺動幅規制溝の接合界面への影響が、低減されること
になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1乃至図6を参照しながら、詳細に説明する。尚、
以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例である
から、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、
本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもの
ではない。
【0017】図1は、本発明による磁気ヘッドの第一の
実施形態を示している。図1において、磁気ヘッド20
は、互いに接合された二つのコア半体21及び22から
成る磁気コアを含んでいる。
【0018】コア半体21,22は、それぞれフェライ
ト等の磁性材料から構成されていると共に、互いに接合
されるべき接合面のうち、少なくとも表面(磁気記録媒
体に対する接触面)寄りの所謂ギャップ形成面が、その
間に、ギャップ23を形成するようになっている。ま
た、各コア半体21,22は、その接合面に、コイルと
して巻回される巻線を受容し且つギャップ23のデプス
を規制するための巻線溝21a,22aを備えている。
そして、この巻線溝21a,22aにより形成された巻
線窓を通して、コア半体21または22の少なくとも一
方、例えばコア半体21に対してコイル(図示せず)が
巻回されている。
【0019】ここで、上記ギャップ23は、そのトラッ
ク幅方向に関して所定のトラック幅Twを有するよう
に、コア半体21,22の側縁に形成されたトラック幅
規制溝24,25により、規制されている。このトラッ
ク幅規制溝24,25は、ギャップ23の両端縁からそ
れぞれデプス方向に亘って円弧状に形成されている。
【0020】さらに、各コア半体21,22は、そのギ
ャップ形成面に、高透磁率・磁束密度膜として、例えば
FeAlSi,FeReGa,FeTaN,等でなる金属磁性膜26及び、例
えばSi02, Cr,Ai2O3,ZrO2 でなるギャップ膜27を備え
ている。図示の場合、各コア半体21,22は、後述す
るように、巻線溝21a,22a及びトラック幅規制溝
24,25の形成後に、ギャップ形成面に、金属磁性膜
26,27が形成され、その後トラック幅規制溝24,
25内に接合ガラス28が封入されることにより、コア
半体21,22が互いに接合されるようになっている。
【0021】ここで、磁気ヘッド20においては、その
磁気記録媒体のための摺動面20aの当たり幅を規制す
るための摺動幅規制溝20b,20cが、前記ギャップ
23の両端縁を挟むように、形成されている。
【0022】以上の構成は、図8に示した従来の磁気ヘ
ッド1とほぼ同様の構成であるが、本実施形態による磁
気ヘッド20においては、上記摺動幅規制溝20b,2
0cの側縁に沿って、少なくとも一つの段部29が備え
られている。この段部29は、後述するように、摺動幅
規制溝20b,20cに対して、補助溝を加工すること
により、形成されている。ここで、この補助溝は、摺動
幅規制溝20b,20cの加工を行なうための細かい、
例えば砥粒径3乃至8μm程度の砥石を使用することに
より、加工されるようになっている。これにより、補助
溝の加工の際に、摺動幅規制溝20b,20cがダメー
ジを受けるようなことはない。
【0023】このような構成の磁気ヘッド20は、製造
に際して、以下に示すように製造される。先ず、図2
(A)に示すように、例えばフェライトから成る板状の
一対の基板30は、その上面(主面)30aの幅方向に
トラック幅Twとなるフェライト断面が残るように、長
さ方向に所定間隔をおいて、順次幅方向に削り取ること
によって、トラック幅規制溝31(24,25)が形成
される(図2(B)参照)。続いて、この基板30は、
図2(C)に示すように、その主面30aの長手方向に
沿って、コイル巻線を受容し且つギャップのデプスを規
制するための巻線溝32(21a,22a)が形成され
る。
【0024】ここで、基板30の主面30a,トラック
幅規制溝31及び巻線溝32の内面に、図3(A)に示
すように、高透磁率・磁束密度膜としての金属磁性膜3
3が形成され、さらに少なくともギャップ23を形成す
る突き合わせ面の領域に、規定のギャップ長の約半分の
厚さのギャップ膜34(27)が形成される。
【0025】このように構成された一対の基板30が、
図3(B)に示すように、二つのコア半体ブロックとし
て、ギャップスペーサを介して、互いに主面が接するよ
うに重ねられ、トラック合わせされた後、接合ガラス3
5がトラック幅規制溝31に充填されて、二つの基板3
0が互いに接合される。その後、図2(F)に示すよう
に、磁気テープに対接する面が円筒研削されて、摺動面
36(20a)が形成され、磁気コアブロック37が構
成されることになる。
【0026】次に、図3及び図4に示すように、この摺
動面36の各トラック幅規制溝31の間の領域に、摺動
幅規制溝38(20b,20c)が形成された後、各摺
動幅規制溝38の中央付近にて、基板30の幅方向に沿
って、段部29を形成するための補助溝39が形成され
る。ここで、上記摺動幅規制溝38及び補助溝39は、
共に例えば砥粒径3乃至8μm程度の細かい砥石を使用
することにより、加工される。従って、補助溝39の加
工の際に、摺動幅規制溝38がダメージを受け、接合界
面に部分剥離が生じるようなことはない。さらに、上記
摺動幅規制溝38は、図15のグラフに示すように、記
録再生出力の低下を回避するため、好ましくは100μ
m以下の深さに加工される。また、補助溝39は、その
深さが図3にて点線cで示すように、ギャップ23付近
の接合ガラス28(35)のある部分を加工できるよう
に、最小限の深さに選定される。ここで、図5に示すよ
うに、補助溝39による残り幅、即ち段部29の幅d1
は、約10μm程度に選定される。これは、この幅d1
が10μm以上あれば、摺動幅規制溝38の底面38a
の幅d0に対して、加工ダメージが生じないことによ
る。
【0027】最後に、所定のチップ厚及びチップ長とな
るように、幅方向に沿って各トラック幅規制溝31毎
に、補助溝39内にて、例えばスライシングによってチ
ップ厚切断溝40が形成された後、バック切断が行なわ
れることにより、図1に示した磁気ヘッド20が完成す
る。
【0028】本実施形態による磁気ヘッド20は、以上
のように構成されており、記録時には、図示しない磁気
テープが、磁気ヘッド20の摺動面20aに沿って摺動
すると共に、外部から磁気ヘッド20のコア半体21に
巻回されたコイル(図示せず)に対して駆動電流が導入
されることにより、この駆動電流に対応した磁界がコイ
ルに発生する。そして、このコイルに発生した磁界が、
コア半体21,22の巻線溝21a,22aの周りを磁
路として循環し、ギャップ23を通過することにより、
磁気テープに対して所望のデータの磁気記録が行なわれ
る。
【0029】また、再生時には、摺動する磁気テープに
記録された磁気信号に基づいて、ギャップ23からコア
半体21,22を循環する磁界が発生し、この磁界に基
づいて、コイルに信号電流が発生する。そして、このコ
イルに発生した信号電流が、外部に取り出され、適宜に
処理されることより、磁気テープに記録されたデータが
再生されることになる。
【0030】ここで、本実施形態による磁気ヘッド20
においては、チップ厚切断の際に、例えば砥粒径20乃
至30μmの砥石を使用したとしても、チップ厚切断溝
40を加工する箇所である補助溝39と摺動幅規制溝3
8との間には、段部29が存在することから、摺動幅規
制溝38にはダメージが発生せず、その接合界面におけ
る部分剥離が低減されるので、磁気ヘッドの磁気特性の
劣化がなく、信頼性が向上することになる。さらに、チ
ップ厚切断が迅速に行なわれることになり、磁気ヘッド
の生産効率が向上することになる。
【0031】図6及び図7は、本発明による磁気ヘッド
の第二の実施形態を示している。図6及び図7において
は、磁気ヘッド50は、図5に示すように、摺動幅規制
溝38及び補助溝39が形成された磁気コアブロック3
7に対して、その摺動面20a,摺動幅規制溝38及び
補助溝39の表面に、耐食膜51が形成された後、図5
にて点線で示すように、チップ厚加工溝40が形成され
るようになっている。この耐食膜51は、例えばCrや
SiO2等をスパッタリングすることにより、100n
mの厚さに形成される。この構成によれば、補助溝39
の底面に対して、チップ厚切断溝が加工される際、補助
溝39の底面と摺動幅規制溝38の底面との間には、段
部29が存在することから、チップ厚切断溝の加工によ
る耐食膜51のダメージは、補助溝39の底面の領域に
限定されることになり、摺動幅規制溝38の底面の耐食
膜51はダメージを受けない。従って、磁気ヘッド50
の信頼性が向上すると共に、磁気ヘッド50の例えばチ
ップベースに対する接着強度が保持されることになる。
【0032】上述した実施形態においては、補助溝39
による段部が一つの場合について説明したが、これに限
らず、二つ以上の段部を備えるようにしてもよいことは
明らかである。ここで、段部の数が多い程、磁気特性の
劣化が低減されるが、加工に要する時間が長くなってし
まう。このため、段部の数は、磁気特性の劣化と加工時
間の増加を勘案して、適宜に設定されるものである。
【0033】また、上述した実施形態においては、トラ
ック幅規制溝31及び巻線溝32は、金属磁性膜33が
形成される前に形成されるようになっているが、これに
限らず、金属磁性膜33が基板30の主面30aに形成
された後に、トラック幅規制溝31及び巻線溝32が形
成されるようにしてもよいことは明らかである。
【0034】さらに、上述した実施形態においては、ギ
ャップ23がアジマス角を有する磁気ヘッド20につい
て説明したが、これに限らず、アジマス角が0度である
磁気ヘッドについても、本発明を適用できることは明ら
かである。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、チ
ップ化のための切断加工による接合界面への影響を低減
し、歩留まりを向上させるようにした、磁気ヘッド及び
その製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッドの第一の実施形態の全
体構成を示す概略斜視図である。
【図2】図1の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅規
制溝の加工前までの各工程を順次に示す概略斜視図であ
る。
【図3】図1の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅規
制溝の加工前までの各工程を順次に示す概略斜視図であ
る。
【図4】図1の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅規
制溝の加工工程を示す概略斜視図である。
【図5】図3の工程により加工される摺動幅規制溝を示
す磁気ヘッドの部分拡大正面図である。
【図6】本発明による磁気ヘッドの第二の実施形態の製
造工程における耐食膜形成工程を示す概略斜視図であ
る。
【図7】図5の工程により加工される耐食膜を示す磁気
ヘッドの部分拡大正面図である。
【図8】従来の磁気ヘッドの一例の全体構成を示す概略
斜視図である。
【図9】図7の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅規
制溝の加工前までの各工程を順次に示す工程図である。
【図10】図7の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅
規制溝の加工前までの各工程を順次に示す工程図であ
る。
【図11】図7の磁気ヘッドの製造工程における摺動幅
規制溝の加工工程を示す概略斜視図である。
【図12】図9の工程により加工される摺動幅規制溝を
示す磁気ヘッドの部分拡大正面図である。
【図13】図7の磁気ヘッドの製造工程におけるチップ
厚切断溝加工工程を示す概略斜視図である。
【図14】図9の工程により加工されるチップ厚切断溝
を示す磁気ヘッドの部分拡大正面図である。
【図15】磁気ヘッドにおける摺動幅加工深さと磁気ヘ
ッドの再生出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20・・・磁気ヘッド、21,22・・・コア半体、2
1a,22a・・・巻線溝、23・・・ギャップ、2
4,25・・・トラック幅規制溝、26・・・金属磁性
膜、27・・・ギャップ膜、28・・・接合ガラス、2
9・・・段部、30・・・基板、31・・・トラック幅
規制溝、32・・・巻線溝、33・・・金属磁性膜、3
4・・・ギャップ膜、35・・・接合ガラス、36・・
・摺動面、37・・・磁気コアブロック、38・・・摺
動幅規制溝、39・・・補助溝、40・・・チップ厚切
断溝、50・・・磁気ヘッド、51・・・耐食膜。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に接触すべき摺動面側の一
    端にてギャップを構成し、かつギャップの裏側にて巻線
    窓を形成するように、一対のコア半体を互いに突き合わ
    せて接合した、磁性材料から構成された磁気コアを含ん
    でおり、 上記ギャップが、磁気コアの両側縁に設けられ且つ接触
    面にて側縁に向かって延びるトラック幅規制溝によっ
    て、所定トラック幅となるように、規制されていて、 上記摺動面がその幅方向の両側に形成された摺動幅規制
    溝により所定の摺動幅となるように、規制されており、 さらに、上記摺動幅規制溝の側縁が、少なくとも一つの
    段部を備えていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記摺動面と、摺動幅規制溝及び段部の
    表面に、耐食膜が形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 コア半体となる長い板状の磁性体でなる
    基板に対して、所定間隔ごとに幅方向に沿った溝を形成
    してトラック幅規制溝を設け、さらに長さ方向に沿って
    溝を形成することで巻線溝を設ける第一の工程と、 二つのコア半体の上記各溝が形成された面が向き合うよ
    うにしてギャップ材を挟んで対向させ、上記巻線溝によ
    り形成された巻線窓に、それぞれ順次にガラス充填する
    ことにより、二つのコア半体を互いに接合して、長い磁
    気コアブロックを構成する第二の工程と、 磁気コアブロックのテープ摺動面となるべき一側の端面
    を研磨して、所定の曲率を有する摺動面を加工すると共
    に、この摺動面の幅方向の両側に摺動幅規制溝を形成す
    る第三の工程と、 上記摺動幅規制溝内に、少なくとも一つの段部を成形す
    る第四の工程と、 上記摺動幅規制溝及び段分によって分離された各テープ
    摺動面毎に、チップ厚切断及びバック切断により、磁気
    コアブロックを切断して、個々の磁気ヘッドを切り出す
    第五の工程とを含んでいることを特徴とする磁気ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第一の工程の後に、各コア半体の接
    合面に、金属磁性膜及びギャップ膜を形成する工程を備
    えていることを特徴とする請求項3に記載の磁気ヘッド
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記第四の工程の後に、摺動面及び摺動
    幅規制溝及び段部の表面に、耐食膜を形成する工程を備
    えていることを特徴とする請求項3に記載の磁気ヘッド
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113716194A (zh) * 2021-06-07 2021-11-30 苏州中集良才物流科技股份有限公司 一种兼容型折边软包电芯的周转框

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