JP2508522B2 - 複合磁気ヘツドの製造方法 - Google Patents

複合磁気ヘツドの製造方法

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JP2508522B2 JP5690887A JP5690887A JP2508522B2 JP 2508522 B2 JP2508522 B2 JP 2508522B2 JP 5690887 A JP5690887 A JP 5690887A JP 5690887 A JP5690887 A JP 5690887A JP 2508522 B2 JP2508522 B2 JP 2508522B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ(VTR)等の磁気記
録再生装置に搭載される磁気ヘッドの製造方法に関し、
詳細には磁気コアの大部分が酸化物磁性材料で構成され
且つギャップが強磁性金属薄膜で形成されてなる所謂複
合磁気ヘッドの製造方法に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、磁気コアが酸化物磁性材料と強磁性金属薄
膜とで構成されてなる複合磁気ヘッドの製造方法におい
て、 酸化物磁性基板の一主面にトラック幅規制溝を形成し
た後、前記一主面側から強磁性金属薄膜を被着し、さら
に前記トラック幅規制溝のトラックエッジから離れた位
置に該トラック幅規制溝と重なり合うガラス誘導溝を切
削形成することによりコアブロックを作成し、その後、
一対の前記コアブロックを一体化するとともに、前記ガ
ラス誘導溝に非磁性材を充填し、このガラス誘導溝を切
断するように切り出すことにより、 ヘッド製造時のヒビ割れによる記録再生特性の劣化を
解消するとともに、製造歩留りやヘッドの機械的強度の
向上を図ろうとするものである。
〔従来の技術〕
近年、VTR等の磁気記録の分野においては、高密度記
録や短波長記録が進められ、これに伴って高い抗磁力を
有する磁気記録媒体,例えばFe,Co,Ni等の強磁性金属粉
末を用いた、合金塗布型の所謂メタルテープ等が開発さ
れ実用に供されている。
したがって、上述の高抗磁力磁気記録媒体に対して良
好な電磁変換特性を得るために、情報信号の電磁変換を
行う磁気ヘッドにはその性能向上に対する要求が高まっ
ている。
かかる状況より、一対の磁気コア半体がそれぞれフェ
ライト等の酸化物磁性材料とFe−Si−Al系合金等の強磁
性金属薄膜との複合磁性材料で形成され、上記強磁性金
属薄膜同士の突き合わせ部分を磁気ギャップとした複合
磁気ヘッドが提案されている。
上記複合磁気ヘッドにおいては、磁気ギャップを飽和
磁束密度の高いFe−Si−Al系合金薄膜で形成しているの
で、メタルテープ等の高抗磁力媒体を磁化するのに十分
な記録磁界を発生でき、優れた記録特性が得られる。ま
た、補助コアとして用いられるフェライト材は耐摩耗性
に優れ、しかも透磁率が高いので、優れた再生特性が得
られる。したがって、上記複合磁気ヘッドは酸化物磁性
材料と強磁性金属薄膜の長所が十分に発揮され、上記高
抗磁力磁気記録媒体の記録再生に好適な磁気ヘッドとい
える。
なかでも、先に本願出願人が特願昭61−97658号明細
書において提案した複合磁気ヘッドは、上記Fe−Si−Al
系合金薄膜の膜厚が小さくてもある程度のトラック幅を
確保でき量産性に優れ、しかもFe−Si−Al系合金薄膜と
フェライトの境界面が磁気ギャップと非平行に配置され
ているので所謂疑似ギャップの悪影響がなく優れた記録
再生特性を有している。したがって、この複合磁気ヘッ
ドは、例えば業務用VTR等に搭載されるトラック幅の広
い磁気ヘッドとして好適である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、上記複合磁気ヘッドを作成するには、第10
図に示すように、先ず、フェライト基板(101)の一主
面(101a)に切溝(102)を切削し、該一主面(101a)
に対して所定角度で傾斜する傾斜面(102a)を形成す
る。次に、上記一主面(101a)側よりFe−Si−Al系合金
薄膜(103)を被着形成した後、上記切溝(102)内に非
磁性材を充填し、コアブロックを作成するという方法が
一般的である。
ここで、上記Fe−Si−Al系合金薄膜(103)は、通常
スパッタリング等の真空薄膜形成技術を用い、基板(10
1)の一主面(101a)から上記傾斜面(102a)に亘って
略20〜30μm程度の膜厚をもった連続膜として成膜され
る。
したがって、このFe−Si−Al係合金薄膜(103)の成
膜時に該合金薄膜(103に内部歪や、フェライトとFe−S
i−Al系合金薄膜との熱膨張係数の違いによる歪が発生
し易く問題となっている。特に、上記歪はFe−Si−Al係
合金薄膜(103)の膜厚の増加とともに顕著となり、ト
ラック幅の広い複合磁気ヘッドを作成する場合大きな障
害となっている。
すなわち、これら歪は、フェライト基板(101)に反
りを生じたり、あるいは基板(101)に上記傾斜面(102
a)に沿ったヒビ割れhを生じたりすることが多々あ
り、またFe−Si−Al系合金薄膜(103)が剥離し易く、
製造歩留りの低下をもたらしている。
特に、上記ヒビ割れhはヘッド特性やヘッドの加工上
大きな問題となっている。
例えば、完成した磁気ヘッドに上記ヒビ割れhが残存
すると、このヒビ割れhが疑似ギャップとして作用し再
生出力の周波数特性にうねりを生じたり、あるいはクロ
ストークの原因となり、記録再生特性の劣化をもたら
す。また、コアブロックにコイル巻線用溝を切削する際
に該巻線用溝が欠けたり、磁気記録媒体摺動面を円筒研
磨する際にこの加工面にキズを生じたりする。
あるいは、上記ヒビ割れは最終のヘッドチップに切り
出すスライシング加工にも発生する。すなわち、一対の
上記コアブロックをガラス融着にて一体化した後、ヘッ
ドチップに切り出す際に、上記Fe−Si−Al系合金薄膜
(103)が切断され、上記歪が解放される。したがっ
て、上記切断時に切断のダメージと相俟ってヒビ割れが
発生し不良となることもある。同時に、ガラス融着時に
発生する歪が開放されるので、磁気ギャップ部に間隙が
形成されたり、該融着ガラスがヒビ割れたりし、ヘッド
チップの機械的強度も劣化する。このため、ヘッドの信
頼性の点でも問題があった。
本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されされた
ものであり、ヘッド製造時のヒビ割れを防止し、記録再
生特性に優れ、しかも製造歩留りや機械的強度に優れた
複合磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の目的を達成するために、本発明に複合磁気ヘッ
ドの製造方法は、酸化物磁性基板の一主面にトラック幅
規制溝を切削形成する工程と、前記トラック幅規制溝を
含む前記一主面に強磁性金属薄膜を被着形成する工程
と、前記トラック幅規制溝においてトラックエッジから
離れた位置に該トラック幅規制溝と重なり合うガラス誘
導溝を切削形成する工程とによりコアブロックを作成
し、その後、一対の前記コアブロックを接合一体化する
とともに、前記ガラス誘導溝に非磁性材を充填し、最後
に、前記ガラス誘導溝を切断するように切り出すことを
特徴とするものである。
〔作用〕
本発明では、トラック幅規制溝のトラックエッジから
離れた位置に該トラック幅規制溝と重なり合うガラス誘
導溝を形成し、コアブロックの接合時に上記ガラス誘導
溝内にガラス等の非磁性材を充填しているので、該非磁
性材と酸化物磁性基板との接触面積が大きくなり、接合
の強度が大幅に向上する。
また、強磁性金属薄膜形成時に磁気ギャップ近傍に伸
びるヒビ割れは上記トラック幅規制溝にて遮断されるの
で、疑似ギャップが解消されるとともに、製造歩留りが
向上する。
さらに、最終の切断工程はガラス誘導溝部分を切断す
るように行っているので、強磁性金属薄膜が切断される
ことがなく、従ってこの切断時にヒビ割れが発生するこ
とはない。
〔実施例〕
次に、本発明の適用した複合磁気ヘッドの製造方法を
その工程順序に従って図面を参照しながら説明する。以
下の実施例では所謂幅広トラックの複合磁気ヘッドの製
造方法を例に挙げて説明する。
本発明により複合磁気ヘッドを製造するには、先ず、
第1図に示すように、酸化物磁性基板(1)の一主面
(1a)、すなわちこの基板(1)における磁気コア半体
突き合わせ時の接合面に、回転砥石等により断面略V字
状の第1の切溝(2)を全幅に亘って複数平行に形成
し、上記一主面(1a)に対して所定角度θで傾斜する傾
斜面(2a)を形成する。
ここで、上記傾斜面(2a)の傾斜角度θは、後述の強
磁性金属薄膜の膜厚とヘッドのトラック幅を考慮して適
宜設定する。具体的に、上記傾斜角度θは、ヘッド特性
や量産性の観点から20゜〜80゜に設定されるが、幅広ト
ラックとするには0゜〜45゜、より好ましくは2゜〜30
゜の範囲内に設定する。すなわち、上記角度θが45゜以
上では強磁性金属薄膜の成膜に長時間を要するので、好
ましくは30゜未満が好適である。逆に、上記角度θが0
゜では磁気ギャップと上記傾斜面(2a)が平行配置され
疑似ギャップ等の悪影響が顕著となるので、好ましくは
2゜以上とする。本実施例では、上記角度θを16゜に設
定した。
また、上記酸化物磁性基板(1)の材料としては、Mn
−ZnフェライトやNi−Znフェライト等のフェライト材が
好適であり、これらフェライト材は単結晶フェライトあ
るいは多結晶フェライトの何れでもよく、さらには単結
晶フェライトと多結晶フェライトを接合した所謂接合フ
ェライトであってもよい。
次に、第2図に示すように、上記傾斜面(2a)の両端
位置に第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)をそれぞ
れ上記第1の切溝(2)と平行に基板(1)の全幅に亘
って切削形成する。したがって、上記酸化物磁性基板
(1)には、上記一主面(1a)を有する台部(21)及び
上記傾斜面(2a)を有する傾斜台部(22)が形成され
る。
ここで、上記第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)
は、ヘッドのトラック幅を規制するものであり、さらに
後述の強磁性金属薄膜形成時に上記台部(21)から傾斜
台部(22)に向かって伸びるヒビ割れを遮断する役割を
も有している。そして、これら切溝(3),(4)の大
きさは、その幅A及び深さBがそれぞれ後述の強磁性金
属薄膜の膜厚の2倍以上とする。すなわち、これら切溝
(3),(4)が小さく、上記幅A及び深さBが強磁性
金属薄膜の膜厚の2倍未満では上述のヒビ割れを確実に
遮断できない。
なお、上記第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)の
切削方法としては、例えば砥石成形による方法、メッキ
砥石等の薄いカッティングホィーンを使用する方法、あ
るいはレーザー加工法等が挙げられる。
次いで、第3図に示すように、上記酸化物磁性基板
(1)の一主面(1a)側より強磁性金属材料を被着形成
し、上記第1,第2,第3の切溝(2),(3),(4)を
含む上記一主面(1a)に強磁性金属薄膜(5)を形成す
る。本実施例では、この強磁性金属薄膜(5)の膜厚を
30μmとした。なお、予めSiO2膜やCr膜等を下地膜とし
て被着した後、強磁性金属薄膜(5)を形成するように
すれば、これら基板(1)と薄膜(5)との境界面が侵
食される虞れがなく、より優れた記録再生特性を発揮で
きる。
この場合、上記強磁性金属薄膜(5)と酸化物磁性基
板(1)との熱膨張係数の差異に起因して上記台部(2
1)から傾斜台部(22)に向かってヒビ割れが発生して
も、該ヒビ割れは傾斜面(2a)の両端位置に設けられた
第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)により遮断され
る。したがって、傾斜面(2a)近傍すなわち磁気ギャッ
プ近傍にヒビ割れが生じなくなるので、製造歩留りが大
幅に向上する。
また、上記強磁性金属薄膜(5)は傾斜面(2a)及び
一主面(1a)では十分な膜厚もって形成されるものの、
上記傾斜面(2a)の両端位置は第2の切溝(3)及び第
3の切溝(4)にて急峻な斜面となっており該斜面上の
強磁性金属薄膜は極めて薄くなっている。したがって、
上記強磁性金属薄膜(5)は、その膜構造の観点からは
切溝(3),(4)部分で略不連続構造とみなされるの
で、基板(1)に加わる歪が分散され、基板(1)への
ヒビ割れは減少する。
現状では、上記ヒビ割れを解消するために、酸化物磁
性基板(1)及び強磁性金属薄膜(5)に熱膨張係数の
近いものを選定しているが、この方法では確実にヒビ割
れを解消することは困難であり、強磁性金属薄膜(5)
の膜厚の増加とともにヒビ割れが多発することを考慮す
ると、本発明は極めて有効である。特に、幅広トラック
の複合磁気ヘッドを製造する場合には、強磁性金属薄膜
(5)の膜厚を比較的厚く成膜することを考えると、本
発明の実用価値は極めて大きいといえる。
ここで、上記強磁性金属薄膜(5)としては、この種
の複合磁気ヘッドの主コア材として従来から用いられる
軟磁性材料が使用され、例えば強磁性非晶質合金,所謂
アモルファス合金や、Fe−Al−Si系合金,Fe−Si−Co系
合金,Ni−Fe系合金,Fe−Al−Ge系合金,Fe−Ga−Si系合
金,Fe−Ga−Ge系合金,Fe−Ge−Si系合金等の結晶系の合
金磁性材料等、高飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性に
優れた磁性が挙げられる。また、この強磁性金属薄膜
(5)の膜付け方法としては、スパッタリング法,真空
蒸着法,イオンプレーティング法,クラスター・イオン
ビーム法等の真空薄膜形成技術が挙げられる。
続いて、第4図に示すように、上記基板(1)の一主
面(1a)側より平面研削を施し、該一主面(1a)上に形
成された不要な強磁性金属薄膜(5)を除去する。
ここで本発明においては、上記傾斜面(2a)の両端位
置にヒビ割れを防止するための切溝(3),(4)が形
成されているので、上記平面研削加工で基板(1)に加
工圧力が加わっても、傾斜面(2a)近傍にヒビ割れが発
生したり、あるいは当該研削面に傷を生じることがな
い。
次に、第5図に示すように、上記第2の切溝(3)及
び第3の切溝(4)内に補強用のガラス(6)を溶融充
填し基板(1)の一主面(1a)側から研削し平坦化した
後、上述の第1,第2,第3の切溝(2),(3),(4)
と直交する方向に溝加工を施し、磁気ギャップのデプス
を規制する巻線溝(7)及びガラス融着用のガラス溝
(8)を形成する。
次いで、第6図に示すように、トラック幅を規制する
第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)のトラックエッ
ジTEから離れた位置に、それぞれこれら切溝(3),
(4)と重なり合うように基板(1)の全幅に亘って溝
加工を施しガラス誘導溝(9)を形成し、コアブロック
(10)を得る。
ここで、上記ガラス誘導溝(9)は、第2の切溝
(3)及び第3の切溝(4)に形成された強磁性金属薄
膜(5)のうち、トラックエッジTEから離れた位置に形
成された強磁性金属薄膜(5a),(5b)の一部を切削す
る如く形成する。
続いて、以上の工程を経て作成されたコアブロックを
2個用意し、これらコアブロック(10),(10)の接合
面となる上面に鏡面加工を施して所定のトラック幅Twに
調整する。
その後、第7図に示すように、上述の一対のコアブロ
ック(10),(10)の少なくとも何れか一方にギャップ
ペーサ(図示せず)を被着し、強磁性金属薄膜(5),
(5)同士が対向するように突き合わせ、ガラス等の非
磁性接着剤(11)にて融着接合し、磁気ギャップgを形
成する。これをヘッドブロック(12)とする。このガラ
ス融着の際に、同時に上記ガラス誘導溝(9)内にも上
記非磁性材(11)を充填する。
ここで本発明では、コアブロック(10),(10)の接
合面にそれぞれガラス誘導溝(9)を形成し、この溝
(9)に非磁性材(11)を充填しているので、上記非磁
性材(11)と酸化物磁性基板(1)との接合面積が増加
し、従って接合強度の大きいヘッドブロック(12)とな
る。
次に、磁気記録媒体摺動面に対応するヘッドブロック
(12)の前面(12a)に円筒研磨を施し、精度良くトラ
ック幅Tw出しを行う。
続いて、第8図に示すように、上記ヘッドブロック
(12)において磁気記録媒体摺動面に対応する前面(12
a)のガラス誘導溝(9)部分をデプス方向第8図中X
方向)に研削し、この前面(12a)に磁気記録媒体との
当たり幅Lを調整する当たり幅規制溝(13)を形成す
る。上記当たり幅規制溝(13)は、その溝深さによって
所謂ヘッド高さ等を調整するもので、この溝深さはヘッ
ドの使用状態により適宜設定する。
ここで、上記当たり幅規制溝(13)により強磁性金属
薄膜(5)が切断される場合もあるが、この溝(13)の
溝深さはヘッドブロック(12)全体のデプス方向Xの長
さに比べて極めて小さいので、この切断によって基板
(1)等にヒビ割れが発生する心配はない。
なお、この当たり幅規制溝(13)にて磁気ギャップg
の両エッジ部を切削し、ヘッドのトラック幅を規制する
ようにしてもよい。
最後に、第8図中A−A線,A′−A′線及びB−B線
で示す切断線にてスライシング加工を施し、第9図に示
す複合磁気ヘッドを完成する。
以上の工程を経て作成された複合磁気ヘッドは、第9
図に示すように、強磁性金属薄膜(5),(5)同士の
突き合わせ部分で磁気ギャップgが形成され、磁気コア
半体の大部分が酸化物磁性基板(1),(1)で構成さ
れている。そして、磁気記録媒体摺動面(14)の媒体走
行方向に沿った両端部は上記当たり幅規制溝(13),
(13)により断面略L字状の段差部が形成されている。
したがって、磁気記録媒体摺動面(14)には、上記磁気
ギャップgのみが露出する構成となっている。
ここで上記切断線のうち、デプス方向Xの切断線A−
A線及びA′−A′線は、上記当たり幅規制溝(13)の
溝幅内とする。したがって、このスライシング加工は、
上記強磁性金属薄膜(5)を切断することなく行えるの
で、酸化物磁性基板(1)にヒビ割れが生じることはな
い。また、ガラス誘導溝(9)に充填された非磁性材
(11)は切断されるが、上記磁気記録媒体摺動面(14)
と段差を有する当たり幅規制溝(13)の範囲内で切削し
ているので、磁気ギャップg近傍にヒビ割れが発生する
心配がない。
このように本発明では、トラック幅Twを規制するため
の第2の切溝(3)及び第3の切溝(4)により、強磁
性金属薄膜(5)の被着時等に生じるヒビ割れが磁気ギ
ャップg近傍まで伸びることを防止している。したがっ
て、疑似ギャップやクロストーク等の悪影響がなくなり
良好な記録再生特性が得られるとともに、製造歩留りが
大幅に向上する。
また、コアブロック(10)を接合する前工程で、強磁
性金属薄膜(5)の一部を切断する如くガラス誘導溝
(9)を形成し、しかる後に一対のコアブロック(1
0),(10)を接合一体化しているので、この接合強度
は極めて大きくなり、得られる複合磁気ヘッドの機械的
強度が向上する。
さらに本実施例では、ヘッドブロック(12)のスライ
シング加工を上記ガラス誘導溝(9)を切断するように
行い、強磁性金属薄膜(5)を切断しないようにしてい
るので、このスライシング加工時に磁気ギャップg近傍
部にヒビ割れが発生することもない。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明
はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲内で従来公知の種々の構造の複合磁気
ヘッドの製造方法に適用できる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明ではトラッ
ク幅規制溝のトラックエッジから離れた位置に該トラッ
ク幅規制溝と重なり合いうようにガラス誘導溝を切削形
成しているので、得られる複合磁気ヘッドはこのガラス
誘導溝内に充填された非磁性材により強固に接合され、
ヘッドの機械的強度は大幅に向上する。
また、各ヘッドチップに切り出すスライシング加工を
強磁性金属薄膜の存在しない所で行っているので、この
スライシング加工時に磁気ギャップ近傍の酸化物磁性基
板にヒビ割れが発生することがなくなる。同時に、強磁
性金属薄膜の成膜時等に生じるヒビ割れもトラック幅規
制溝にて防止される。
したがって、製造歩留りが大幅に向上するとともに、
上記ヒビ割れに起因する疑似ギャップやクロストークが
解消され優れた記録再生特性を有する複合磁気ヘッドが
提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第9図は本発明を適用した複合磁気ヘッド
の製造方法の一実施例をその工程順序に従って示す要部
斜視図であり、第1図は第1の切溝の形成工程を、第2
図はトラック幅規制溝の形成工程を、第3図は強磁性金
属薄膜の形成工程を、第4図は平面研削工程を、第5図
を巻線溝及びガラス溝の形成工程を、第6図はガラス誘
導溝の形成工程を、第7図は接合一体化工程を、第8図
は当たり幅規制溝の形成工程及びスライシング加工工程
を、第9図は完成した複合磁気ヘッドを、それぞれ示
す。 第10図は従来の複合磁気ヘッドの製造方法における強磁
性金属薄膜の形成工程を示す模式図である。 1……酸化物磁性基板 2……第1の切溝 3……第2の切溝(トラック幅規制溝) 4……第3の切溝(トラック幅規制溝) 5……強磁性金属薄膜 9……ガラス誘導溝 10……コアブロック 11……非磁性材 12……ヘッドブロック

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物磁性基板の一主面にトラック幅規制
    溝を切削形成する工程と、 前記トラック幅規制溝を含む前記一主面に強磁性金属薄
    膜を被着形成する工程と、 前記トラック幅規制溝においてトラックエッジから離れ
    た位置に該トラック幅規制溝と重なり合うガラス誘導溝
    を切削形成する工程とによりコアブロックを作成し、 その後、一対の前記コアブロックを接合一体化するとと
    もに、前記ガラス誘導溝に非磁性材を充填し、 最後に、前記ガラス誘導溝を切断するように切り出すこ
    とを特徴とする複合磁気ヘッドの製造方法。
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