JPH0770023B2 - 磁気ヘツド - Google Patents

磁気ヘツド

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JPH0770023B2
JPH0770023B2 JP60265433A JP26543385A JPH0770023B2 JP H0770023 B2 JPH0770023 B2 JP H0770023B2 JP 60265433 A JP60265433 A JP 60265433A JP 26543385 A JP26543385 A JP 26543385A JP H0770023 B2 JPH0770023 B2 JP H0770023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来の技術 D.発明が解決しようとする問題点 E.問題点を解決するための手段 F.作用 G.実施例 G− 磁気ヘッドの作用 G− 実効トラック幅の測定結果 G− 製造工程. H.発明の効果 A.産業上の利用分野 本発明は磁気ヘッドに関するものであり、特に磁気ギャ
ップ近傍部が強磁性金属薄膜で形成されてなる、いわゆ
る複合型の磁気ヘッドに関するものである。
B.発明の概要 本発明は、強磁性酸化物よりなる磁気コア部とこの磁気
コア部の強磁性薄膜形成面上に真空薄膜形成技術により
形成される強磁性金属薄膜とから磁気コア半対が構成さ
れ、前記強磁性金属薄膜同士を突き合わせることにより
磁気ギャップが形成され、磁気記録媒体対接面で上記強
磁性薄膜形成面と磁気ギャップ形成面とが所定角度で傾
斜するとともに上記突き合わされた強磁性金属薄膜が略
一直線状に連なってなる磁気ヘッドにおいて、 一方の磁気コア半対の強磁性金属薄膜が他方の磁気コア
半対の強磁性酸化物と磁気ギャップ形成面で対向しない
ように突き合わせることにより、 記録時と再生時の実効トラック幅を略等しくし、強磁性
金属薄膜の有する優れた磁気特性(例えば高飽和磁束密
度等)を有効に生かすことが可能な磁気ヘッドを提供し
ようとするものである。
C.従来の技術 例えばVTR(ビデオテープレコーダ)等の磁気記録再生
装置においては、記録信号の高密度化が進められてお
り、この高密度記録に対応して磁気記録媒体として磁性
粉にFe、Co、Ni等の強磁性金属の粉末を用いた、いわゆ
るメタルテープや、強磁性金属材料を蒸着によりベース
フィルム上に被着した、いわゆる蒸着テープ等が使用さ
れるようになっている。そして、この種の磁気記録媒体
は高い抗磁力Hcを有するために、記録再生に用いる磁気
ヘッドのヘッド材料にも高い飽和磁束密度Bsを有するこ
とが要求されている。例えば、従来磁気ヘッド材料とし
て多用されているフェライト材では飽和磁束密度Bsが低
く、またパーマロイでは耐摩耗性に問題がある。
一方、上述の高密度記録化に伴って、磁気記録媒体に記
録される記録トラックの狭小化も進められており、これ
に対応して磁気ヘッドのトラック幅も極めて狭いものが
要求されている。
そこで従来、例えばセラミックス等の非磁性基板上に飽
和磁束密度の高い強磁性金属薄膜を被着形成し、これを
トラック部分とした複合型磁気ヘッドが提案されている
が、この種の磁気ヘッドでは磁路が膜厚の薄い強磁性金
属薄膜のみにより構成されるので、磁気抵抗が大きく効
率上好ましくなく、また上記強磁性金属薄膜の膜形成を
膜成長速度の極めて遅い真空薄膜形成技術で行うため、
磁気ヘッド作製に時間を要する等の問題があった。
あるいは、磁気コア部がフェライト等の強磁性酸化物か
らなり、これら各磁気コア部の磁気ギャップ形成面に強
磁性金属薄膜を被着した複合型磁気ヘッドも提案されて
いるが、この場合には磁路と上記金属薄膜とが直交する
方向に位置するため渦電流損失が発生し再生出力の低下
を招く虞れがあり、また上記磁気コア部と上記金属薄膜
間に擬似ギャップが形成され、充分な信頼性が得られな
い等の問題がある。
そこで本願出願人は、先に特願昭58-250988号明細書に
おいて、例えばメタルテープ等の高い抗磁力を有する磁
気テープに高密度記録するのに適した複合型磁気ヘッド
を提案した。この磁気ヘッドは、第15図に示すように、
Mn-Znフェライト等の強磁性酸化物により形成される一
対の磁気コア部(101),(102)の突き合わせ面をそれ
ぞれ斜めに切り欠いて強磁性金属薄膜形成面(103),
(104)を形成し、この強磁性金属薄膜形成面(103),
(104)上に真空薄膜形成技術によりFe-Al-Si系合金
(いわゆるセンダスト)等の強磁性金属薄膜(105),
(106)を被着形成し、これら強磁性金属薄膜(105),
(106)を当接することにより磁気ギャップ(107)を形
成し、さらにトラック幅規制溝内にテープ摺動面を確保
し強磁性金属薄膜(105),(106)の摩耗を防止するた
めに低融点ガラス(108),(109)あるいは高融点ガラ
ス(110),(111)を充填して構成されるものであっ
て、信頼性や磁気特性、耐摩耗性等の点で優れた特性を
有するものである。
D.発明が解決しようとする問題点 ところで、このように構成される磁気ヘッドにおいて
は、例えばトラック幅規制溝(101a),(102a)の切削
位置がわずかにずれると、磁気ギャップ形成面に強磁性
酸化物からなる磁気コア部(101),(102)の一部が残
存する場合がある。そして、このように磁気ギャップ形
成面に強磁性酸化物が残ると、左右の磁気コア半対の突
き合わせによっては、上記磁気ギャップ形成面で一方の
磁気コア半対の強磁性酸化物と他方の磁気コア半対の強
磁性金属薄膜とが対向する場合が生じ得る。
この強磁性酸化物と強磁性金属薄膜とが対向した形状で
は、強磁性酸化物と強磁性金属薄膜の対向面は再生時に
は作動ギャップとして作用するが、記録時には、飽和磁
束密度Bsが異なることから強磁性酸化物側で磁界が鈍
り、全てが作動ギャップとして有効に作用するわけでは
ない。すなわち、記録時と再生時で有効トラック幅が異
なることになる。そして、このように有効トラック幅が
異なると、クロストーク等の原因となる。
一方、上記トラック幅規制溝(101a),(102a)の切削
加工の精度や磁気コア半対の突き合わせ精度には限度が
あり、強磁性金属薄膜(105),(106)を完全に一致さ
せて突き合わせることは難しく、歩留まりの大幅な低下
をもたらす。
そこで本発明は、上述の従来のものの有する欠点を解消
するために提案されたものであって、記録時と再生時の
有効トラック幅がほぼ等しく、したがって強磁性金属薄
膜の高飽和磁束密度を有効に生かして優れた電磁変換特
性の達成が可能で、さらに生産性の点でも優れた磁気ヘ
ッドを提供することを目的とする。
E.問題点を解決するための手段 本発明は、上記の目的を達成するために、強磁性酸化物
よりなる磁気コア部とこの磁気コア部の強磁性薄膜形成
面上に真空薄膜形成技術により形成される強磁性金属薄
膜とから磁気コア半体が構成され、前記強磁性金属薄膜
同士を突き合わせることにより磁気ギャップが形成さ
れ、磁気記録媒体対接面で上記強磁性薄膜形成面と磁気
ギャップ形成面とが所定角度で傾斜するとともに上記突
き合わされた強磁性金属薄膜が略一直線状に連なってな
る磁気ヘッドにおいて、上記強磁性酸化物よりなる磁気
コア部の一部が磁気ギャップ形成面に臨むようにトラッ
ク幅規制溝が形成されるとともに、一方の磁気コア半体
の強磁性金属薄膜が他方の磁気コア半体の強磁性酸化物
と磁気ギャップ形成面で対向しないようにずらして突き
合わされていることを特徴とするものである。
F.作用 一方の磁気コア半対の強磁性金属薄膜が他方の磁気コア
半対の強磁性酸化物と磁気ギャップ形成面で対向しない
ように突き合わせることにより、光学的なトラック幅
(すなわち目視により観察したときのトラック幅)が記
録時の実効トラック幅、あるいは再生時の実効トラック
幅と対応し、記録時と再生時の有効トラック幅がほぼ等
しくなる。
G.実施例 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
G− 第1図は本発明を適用した複合型磁気ヘッドの一例を示
す外観斜視図であり、第2図はその磁気テープ対接面を
示す要部拡大平面図である。この磁気ヘッドは、ヘッド
のテープ対接面である前端部よりバックギャップを構成
する後端部まで連続して強磁性金属薄膜を形成したもの
である。
この磁気ヘッドにおいては、磁気コア部(11),(12)
が強磁性酸化物、たとえばMn-Zn系フェライトで形成さ
れ、これら磁気コア部(11),(12)の接合面を斜めに
切り欠いた強磁性薄膜形成面(11a),(12a)には、フ
ロントギャップ形成面からバックギャップ形成面に至る
まで連続して高透磁率合金、たとえばFe-Al-Si系合金膜
である強磁性金属薄膜(13A),(13B)が真空薄膜形成
技術により被着形成され、それぞれ磁気コア半体
(I),(II)として構成されている。そして、これら
一対の磁気コア半体(I),(II)をSiO2等のギャップ
材を介して突き合わせ、上記強磁性金属薄膜(13A),
(13B)の当接面がトラック幅Twの磁気ギャップgとな
るように構成されている。
上記各磁気コア半体(I),(II)に被着形成される強
磁性金属薄膜(13A),(13B)は、磁気テープ対接面か
ら見たときに、略一直線状に連なっており、磁気コア半
体(I),(II)の突き合わせ面である接合面、すなわ
ち磁気ギャップ形成面(10)に対してθなる角度で傾斜
している。
ここで、上記強磁性薄膜形成面(11a),(12a)と磁気
ギャップ形成面(10)とがなす角θは、20°〜80°の範
囲内に設定することが好ましい。ここで20°以下の角度
であると隣接トラックからのクロストークが大きくな
り、望ましくは30°以上の角度を持たせるのがよい。ま
た、上記傾斜角度を90°にした場合は、耐摩耗性が劣る
ことから、80°程度以下とするのがよい。また、傾斜角
度を90°にすると、真空薄膜形成技術を用いて薄膜を形
成するにあたって、多くの時間を要してしまうことや、
膜構造が不均一化してしまう点で好ましくない。
また、上記強磁性金属薄膜(13A),(13B)の材質とし
ては、強磁性非晶質金属合金、いわゆるアモルファス合
金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上の元素とP,C,B,Siの1
つ以上の元素とからなる合金、またはこれを主成分とし
Al,Ge,Be,Sn,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,Nb等を含んだ合
金等のメタル−メタロイド系アモルファス合金、あるい
はCo,Hf,Zr等の遷移元素や希土類元素を主成分とするメ
タル−メタル系アモルファス合金)、Fe-Al-Si系合金で
あるセンダスト合金、Fe-Al系合金、Fe-Si系合金、Fe-S
i-Co系合金、パーマロイ等が使用可能であり、その膜付
け方法としても、フラッシュ蒸着,真空蒸着,イオンプ
レーティング,スパッタリング,クラスター・イオンビ
ーム法等に代表される真空薄膜形成技術が採用される。
上述のFe-Al-Si系合金を用いる場合に、強磁性金属薄膜
(13A),(13B)は、その柱状構造の成長方向が磁気コ
ア部(11),(12)の強磁性薄膜形成面(11a),(12
a)の法線方向に対して所定の角度、例えば5°〜45°
の角度で傾斜するように被着することが好ましい。この
ように、強磁性金属薄膜(13A),(13B)を強磁性薄膜
形成面(11a),(12a)の法線方向に対して所定の角度
をもって傾斜して成長させることにより、得られる強磁
性金属薄膜(13A),(13B)の磁気特性は安定かつ優れ
たものとなり、したがって得られる磁気ヘッドの品質や
性能も向上する。
また、上記強磁性金属薄膜(13A),(13B)は、この例
では真空薄膜形成技術により単層として形成している
が、例えばSiO2,Ta2O5,Al2O3,ZrO2,Si3N4等の高耐
摩耗性絶縁膜を介して複数層積層形成してもよい。この
場合、強磁性金属薄膜の積層数は任意に設定することが
できる。
一方、磁気ギャップgの形成面近傍、すなわち磁気テー
プ対接面における磁気ギャップgの両側部には、トラッ
ク幅を規制し上記強磁性金属薄膜(13A),(13B)の摩
耗を防止するための非磁性材(14A),(14B)及び(15
A),(15B)が溶融充填されている。ここで、上記強磁
性金属薄膜(13A),(13B)のみにより磁気ギャップg
が構成されるように切削されるトラック幅規制溝(11
b),(12b)の加工位置精度が緩やかなものであるため
に、上記磁気コア部(11),(12)の一部が磁気ギャッ
プ形成面(10)に残存している。
そして本発明では、磁気ギャップ形成面(10)に残存す
る強磁性酸化物の端面(11c),(12c)が、それぞれ強
磁性金属薄膜(13A)あるいは強磁性金属薄膜(13B)と
この磁気ギャップ形成面(10)で対向しないように、上
記強磁性金属薄膜(13A),(13B)同士が若干ずらして
突き合わされている。
すなわち、磁気コア半対(I)を第2図中矢印X方向に
ずらして突き合わせるか、あるいは磁気コア半対(II)
を第2図中矢印Y方向にずらして突き合わせることによ
り、強磁性酸化物の端面(11c)と強磁性金属薄膜(13
B),あるいは強磁性酸化物の端面(12c)と強磁性金属
薄膜(13A)が磁気ギャップ形成面(10)で対向するこ
とがないように配置されている。
G− 本発明者の実験によれば、強磁性金属薄膜と強磁性酸化
物とが磁気ギャップ形成面で対向した場合には、実効ト
ラック幅が光学トラック幅(強磁性金属薄膜同士が突き
合わされることにより形成される磁気ギャップのトラッ
ク幅Twopt)よりもほぼ強磁性金属薄膜−強磁性酸化物
対向長分大きく、また記録時よりも再生時の方が大きい
ことがわかった。これに対して、磁気コア半対(I),
(II)の突き合わせをずらし、強磁性金属薄膜(13
A),(13B)と強磁性酸化物の端面(11c),(12c)と
が突き合わされることがないように構成した磁気ヘッド
では、光学トラック幅と記録時の実効トラック幅,再生
時の実効トラック幅がほぼ等しくなることがわかった。
例えば、第3図に模式的に示すように、強磁性酸化物と
強磁性金属薄膜とが対向しないように磁気コア半対同士
を突き合わせ、その再生感度及び記録感度を測定したと
ころ、それぞれ第5図,第6図に示すような特性が得ら
れた。
これら図面は、光学的トラック幅Twopt中心からの距離
Δxと光学的トラック幅Twopt中心に対する相対感度Δ
outの関係を示すものであって、図中Yは輝度信号の
感度,AFMは音声FM信号の感度,Cはクロマ信号の感度,Pは
パイロット信号の感度をそれぞれ示す。以下の図面にお
いても同様である。
ここで、上記光学トラック幅Twoptを14.5μmとしたと
きに、再生時のYの実効トラック幅が14.5μm,AFMの実
効トラック幅が16.5μm,Cの実効トラック幅が18.0μm,P
の実効トラック幅が31.5μmであったのに対して、記録
時のYの実効トラック幅は15.0μm,AFMの実効トラック
幅は15.5μm,Cの実効トラック幅は16.0μm,Pの実効トラ
ック幅は20.0μmであり、光学的トラック幅=実効トラ
ック幅(再生時)=実効トラック幅(記録時)であるこ
とが確認された。
一方、第4図に模式的に示すように、強磁性酸化物と強
磁性金属薄膜とが長さFX1,FX2で対向するように突き合
わせた場合(光学的トラック幅Twopt=23.0μm)に
は、再生感度特性は第7図に、記録感度特性は第8図に
それぞれ示すようなものとなり、再生時の実効トラック
幅がTwopt+FX1+FX2と略等しくなり、記録時の実効ト
ラック幅よりも大きくなった。
同様の方法により、第3図に示す構成の磁気ヘッドの光
学的トラック幅TwoptやX1,X2の値を変えて実施例1〜
実施例3とし、さらに第4図に示す構成の磁気ヘッドの
TwoptやX1,X2,FX1,FX2の値を変えて比較例1及び比
較例2として、それぞれ再生感度特性及び記録感度特性
を測定し、実効トラック幅を求めた。結果を次表に示
す。なお、単位は全てμmであり、括弧内の数値は光学
的トラック幅Twoptを0とした時の相対値である。
この表より、磁気コア半対の突き合わせ状態が実効トラ
ック幅へ及ぼす影響は、極めて大きいものと言える。
G− 次に、上記実施例の磁気ヘッドの構成をより明確なもの
とするために、その製造方法について説明する。
上述の磁気ヘッドを作製するには、先ず、第9図に示す
ように、例えばMn-Zn系フェライト等の強磁性酸化物基
板(20)の上面(20a)、すなわちこの強磁性酸化物基
板(20)における磁気コア半体突き合わせ時の接合面
に、回転砥石等により断面略V字状の第1の切溝(21)
を全幅に亘って複数平行に形成し、強磁性薄膜形成面
(21a)を形成する。なお、上記強磁性薄膜形成面(21
a)は、上記強磁性酸化物基板(20)の磁気ギャップ形
成面に対応する上面(20a)と所定角度θで傾斜するよ
うに斜面として形成され、その角度θは、ここではおよ
そ45°に設定されている。
次に、第10図に示すように、上記強磁性薄膜形成面(21
a)を含む基板(20)の上面(20a)全面に亘ってFe-Al-
Si系合金や非晶質合金等をスパッタリング、イオンプレ
ーティング、蒸着等の真空薄膜形成技術を用いて被着
し、強磁性金属薄膜(22)を形成する。
次いで、第11図に示すように、強磁性金属薄膜(22)が
被着形成された第1の切溝(21)内に、非磁性材(23)
を充填した後、上記基板(20)の上面(20a)を平面研
削し、平滑度良く面出しを行い、上記基板(20)の上面
(20a)に上記強磁性薄膜形成面(21a)上に被着される
強磁性金属薄膜(22)の端面を露出させる。なお、ここ
で上記強磁性金属薄膜(22)の表面にあらかじめSiO2
Cr等の非磁性材をスパッタして保護膜を設け、上記非磁
性材(23)の溶融充填時の浸食等を防止するようにして
もよい。
次に、第12図に示すように、上記強磁性金属薄膜(23)
が被着形成された強磁性薄膜形成面(21a)に隣接し
て、上記第1の切溝(21)と平行に第2の切溝(24)を
切削加工し、上記基板(20)の上面(20a)に対して鏡
面加工を施す。ここで、上記第2の切溝(24)の切削位
置は、上記第1の切溝(21)の一側縁(21b)と完全に
一致させるのが理想的であるが、加工精度を緩やかなも
のとするために強磁性酸化物が若干残存するようにす
る。
なお、上記第2の切溝(24)の形状は、断面多角形状や
断面略半円形状等、如何なるものであってもよく、磁気
ヘッドのテープ対接面から見た時に、強磁性酸化物と強
磁性金属薄膜との距離を確保するようにする。このよう
な溝形状とすることにより、強磁性酸化物と強磁性金属
薄膜の接合面積を大きくしたままで、長波長成分の信号
を再生することによるクロストーク成分を低減すること
ができる。さらに、上記のような形状とすることによ
り、上記強磁性酸化物の端面が磁気ギャップのアジマス
角と異なる方向で傾斜され、アジマス損失によって隣接
又は隣々接トラックからの信号のピックアップ量、すな
わちクロストークを減少させることができる。
上述のような工程により作製される一対の強磁性酸化物
基板(20)のうち、一方の基板(20)に対して、第13図
に示すように、上記第1の切溝(21)及び第2の切溝
(24)と直交する方向に溝加工を施し、巻線溝(25)を
形成し強磁性酸化物基板(30)を得る。
続いて、上記基板(20)の上面(20a)か上記基板(3
0)の上面(30a)上の少なくともいずれか一方にギャッ
プスペーサを被着し、第14図に示すように、これら基板
(20),(30)を上記強磁性金属薄膜(22)同士が突き
合わされるように接合配置する。このとき、これら強磁
性金属薄膜(22)が強磁性酸化物と対向しないように、
第14図中矢印R方向あるいは矢印L方向に基板(30)あ
るいは基板(20)をずらして位置する。
そして、これら基板(20)及び(30)をガラスにより融
着すると同時に、上記第2の切溝(24)内に上記非磁性
材(26)を充填する。なお、上記ギャップスペーサとし
ては、SiO2,ZrO2,Ta2O5,Cr等が使用される。また、こ
の製造工程において、上記第2の切溝(24)への非磁性
材(26)の充填は、基板(20),(30)の融着と同時で
なく、例えば第12図に示す工程であらかじめ第2の切溝
(24)内に非磁性材(26)を充填し、第14図に示す工程
ではガラス融着のみとしてもよい。
そして、第14図中A−A線及びA′−A′線の位置でス
ライシング加工し、複数個のヘッドチップを切り出した
後、磁気テープ摺接面を円筒研磨して第1図及び第2図
に示す磁気ヘッドを完成する。なお、このとき基板(2
0)及び(30)に対するスライシング方向を突き合わせ
面に対して傾斜させることにより、アジマス記録用の磁
気ヘッドを作製することができる。
ここで、この磁気ヘッドの一方の磁気コア部(11)は強
磁性酸化物基板(20)を母材としており、他方の磁気コ
ア部(12)は強磁性酸化物基板(30)を母材としてい
る。また、強磁性金属薄膜(13A),(13B)は強磁性金
属薄膜(22)に、非磁性材(14A),(14B)は非磁性材
(23)に、非磁性材(15A),(15B)は非磁性材(26)
にそれぞれ対応している。
以上、本発明の具体的な実施例について説明したが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。例え
ば、強磁性金属薄膜が磁気ギャップ近傍部にのみ被着形
成される磁気ヘッドや、強磁性金属薄膜が磁気ギャップ
から離れた位置で屈曲した磁気ヘッド等、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において、種々の磁気ヘッドに適用可
能である。
H.発明の効果 以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気ヘッド
においては、磁気ギャップ形成面で強磁性酸化物と強磁
性金属薄膜とが対向しないように磁気コア半対同士をず
らして突き合わせているので、光学的トラック幅と記録
時の実効トラック幅,あるいは再生時の実効トラック幅
が略等しくなり、強磁性金属薄膜の高飽和磁束密度特性
を有効に活用することが可能な磁気ヘッドの提供が可能
となる。また、記録時と再生時の実効トラック幅がほぼ
等しいことから、クロストーク等の虞れも少なく、高記
録密度化にも有利である。
さらには、トラック幅規制のために設けられる溝の加工
精度や強磁性金属薄膜同士の突き合わせ精度等が緩やか
であることから、生産性の点でも効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気ヘッドの一実施例を示す
外観斜視図であり、第2図はその磁気テープ対接面を示
す要部拡大平面図である。 第3図は本発明の磁気ヘッドの強磁性金属薄膜の突き合
わせ状態の模式図であり、第4図は強磁性金属薄膜と強
磁性酸化物とが対向する磁気ヘッドの突き合わせ状態の
模式図である。 第5図は強磁性金属薄膜と強磁性酸化物とが対向しない
ように突き合わせた磁気ヘッドにおける再生感度特性を
示す特性図であり、第6図は記録感度特性を示す特性図
である。 第7図は強磁性金属薄膜と強磁性酸化物とが対向するよ
うに突き合わせた磁気ヘッドにおける再生感度特性を示
す特性図であり、第8図は記録感度特性を示す特性図で
ある。 第9図ないし第14図は第1図の磁気ヘッドを作製するた
めの製造工程を示す概略的な斜視図であり、第9図は第
1の切溝加工工程、第10図は強磁性金属薄膜形成工程、
第11図はガラス充填及び平面研磨工程、第12図は第2の
切溝加工工程、第13図は巻線溝加工工程、第14図はガラ
ス融着工程をそれぞれ示す。 第15図は従来の磁気ヘッドを示す外観斜視図である。 I,II……磁気コア半対 11,12……磁気コア部 11a,12a……強磁性薄膜形成面 13A,13B……強磁性金属薄膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性酸化物よりなる磁気コア部とこの磁
    気コア部の強磁性薄膜形成面上に真空薄膜形成技術によ
    り形成される強磁性金属薄膜とから磁気コア半体が構成
    され、 前記強磁性金属薄膜同士を突き合わせることにより磁気
    ギャップが形成され、 磁気記録媒体対接面で上記強磁性薄膜形成面と磁気ギャ
    ップ形成面とが所定角度で傾斜するとともに上記突き合
    わされた強磁性金属薄膜が略一直線状に連なってなる磁
    気ヘッドにおいて、 上記強磁性酸化物よりなる磁気コア部の一部が磁気ギャ
    ップ形成面に臨むようにトラック幅規制溝が形成される
    とともに、 一方の磁気コア半体の強磁性金属薄膜が他方の磁気コア
    半体の強磁性酸化物と磁気ギャップ形成面で対向しない
    ようにずらして突き合わされていることを特徴とする磁
    気ヘッド。
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