JPH0744816A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH0744816A
JPH0744816A JP5226595A JP22659593A JPH0744816A JP H0744816 A JPH0744816 A JP H0744816A JP 5226595 A JP5226595 A JP 5226595A JP 22659593 A JP22659593 A JP 22659593A JP H0744816 A JPH0744816 A JP H0744816A
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JP
Japan
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magnetic
metal
groove
materials
film
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JP5226595A
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English (en)
Inventor
Michi Itou
美知 伊藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラック幅精度を向上し、応力による基板,
金属磁性膜の磁気特性の劣化を低減し、磁気ヘッドの特
性を向上し、生産性も向上する。 【構成】 非磁性材料8,10と磁性材料9,11の接
合材よりなる基板3,4を対向面3b,4b側から非磁
性材料8,10と磁性材料9,11の接合面3c,4c
に斜交するような斜面3a,4aで切断し、該斜面3
a,4a上に金属磁性膜5,6を形成した一対の磁気コ
ア半体1,2を、上記金属磁性膜5,6が略一直線状に
連なるように突き合わせてこれら磁気コア半体1,2の
金属磁性膜5,6と非磁性材料8,10間に融着ガラス
を充填して接合一体化する。このとき、非磁性材料8,
10と磁性材料9,11の熱膨張係数の差を5×10-6
以下としても良く、基板3,4の対向面3b,4bと、
非磁性材料8,10と磁性材料9,11の接合面3c,
4cのなす角度θを0゜≦θ≦90゜としても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダー(いわゆるVTR)に搭載される磁気ヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTR(ビデオテープレコーダ
ー)等の磁気記録再生装置においては、高画質化等を目
的として記録信号の高密度化,高周波数化が進められて
おり、これに対応して磁性粉にFe,Co,Ni等の強
磁性粉末を用いたいわゆるメタルテープや、ベースフィ
ルム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ等の
高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってきてい
る。
【0003】一方、これに対処するために磁気ヘッドの
分野においても研究が進められており、高抗磁力磁気記
録媒体用の磁気ヘッドとして磁気コアに強磁性金属材料
を用い、高飽和磁束密度が付与された磁気ヘッドが種々
開発されている。また、近年においては、記録信号の高
密度化に伴って、磁気記録媒体に記録される記録トラッ
クの挟小化も進められており、これに対応して磁気ヘッ
ドのトラック幅も極めて狭いものが要求されてきてい
る。
【0004】かかる要求を満たす磁気ヘッドとしては、
例えば図16及び図17に示すような、磁性フェライト
材等の磁性材料からなる基板101,102の突き合わ
せ面を磁気ギャップgに対して斜めに切欠き、この斜面
101a,102a上にセンダスト等の強磁性金属材料
よりなる金属磁性膜103,104を被着形成し、これ
ら金属磁性膜103,104同士を突き合わせて融着ガ
ラス105により接合一体化されたものが提案されてい
る。
【0005】この磁気ヘッドにおいては、磁気ギャップ
gに対して斜交して設けられた金属磁性膜103,10
4間に磁気ギャップgが形成されている。そして、上記
磁気ギャップgのトラック幅Twは、上記金属磁性膜1
03,104の突き合わせ幅によって規制されている。
従って、このように形成された磁気ヘッドにおいては、
金属磁性膜103,104の膜厚の制御により簡単に挟
トラック化が図れる。
【0006】ところで、上述の磁気ヘッドを作製するに
は、先ず、図18に示すように磁性フェライト材等より
なる基板106の磁気ギャップ形成面となる面106a
に、該面106aに対して斜交した斜面107aを有す
る断面略V字状の第1の溝107を形成する。
【0007】次に、図19に示すように、上記第1の溝
107の斜面107a上を含めて上記磁気ギャップ形成
面となる面106a上にセンダスト等よりなる金属磁性
膜108を形成する。そして、上記金属磁性膜108a
表面を研削除去し、第1の溝107の斜面107a上の
みに金属磁性膜108が形成されるようにする。
【0008】次いで、図20に示すように上記第1の溝
107の斜面107aに成膜された金属磁性膜108の
膜剥がれを防止するために、当該第1の溝107内に融
着ガラス109を充填し、融着ガラス109の表面10
9aを研削除去して、図21に示すように第1の溝10
7内の斜面107a上のみに金属磁性膜108が形成さ
れ、第1の溝107内の空間のみに融着ガラス109が
充填された状態とする。
【0009】次に、図22に示すように、第1の溝10
7と直交する方向にコイルを巻装するための巻線溝11
0を形成する。そして、図23及び図24に示すように
金属磁性膜108の幅、すなわちトラック幅を規制する
ために、第1の溝107の斜面107aに交差して金属
磁性膜108の一部を切り欠くような断面略U字状の第
2の溝111を基板106全面にわたって形成する。次
いで、図24中一点鎖線で示す磁気ギャップ形成面まで
基板106,金属磁性膜108,融着ガラス109表面
を研削除去した後、鏡面加工し、金属磁性膜108の突
き合わせ面108aの幅、すなわちトラック幅を決定す
るとともに、ギャップ形成面を形成して磁気コア半体ブ
ロック112を得る。
【0010】次に、図25に示すように上述のように形
成された磁気コア半体ブロック112,113の金属磁
性膜108,114を突き合わせてトラック位置合わせ
をしながら、磁気コア半体ブロック112の第1の溝1
07内の融着ガラス109と磁気コア半体ブロック11
3の第2の溝115間の空間に融着ガラス116を充填
し、且つ磁気コア半体ブロック113の第1の溝117
内の融着ガラス118と磁気コア半体ブロック112の
第2の溝111間の空間に融着ガラス119を充填し、
磁気コア半体ブロック112,113を接合一体化す
る。
【0011】そして、磁気コア半体ブロック112,1
13の接合物を同図中線a−a′及び線b−b′で示す
位置で切断する。最後に、切り出したヘッドチップに対
して磁気記録媒体との当たり特性を確保するために、磁
気記録媒体摺動面を円筒研磨して図16に示すような磁
気ヘッドを完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な方法で作製される磁気ヘッドには以下のような不都合
が生じている。例えば、トラック幅精度の不安定による
磁気ヘッドの特性のバラツキが生じている。これは、ト
ラック幅を決定する磁気コア半体の金属磁性膜の突き合
わせ面の幅の精度があまり良好ではないために起こるも
のである。上記金属磁性膜の突き合わせ面の幅は、前述
のように第2の溝の形成とその後の研削除去,鏡面加工
の2つの工程によって決定されるが、研削除去,鏡面加
工量には変動が生じにくく、第2の溝の形成の際に突き
合わせ面の幅の精度は低下し易い。このとき、上記第2
の溝は溝と同一形状の砥石によって研削形成されてお
り、使用により砥石の形状は変化しやすく、第2の溝の
形状も変化し易い。従って、金属磁性膜の突き合わせ面
の幅の精度が低下し、トラック幅精度もあまり良好では
ないものとなり、形成される磁気ヘッドの磁気特性にバ
ラツキが生じる。
【0013】また、上記第2の溝の形成工程は非常に煩
雑な工程であり、生産性を損なうものである。そして、
上記磁気ヘッドは、例えば従来より使用されるメタル・
イン・ギャップヘッド(MIGヘッド)と比較して特性
が良好であるにもかかわらず、上記のような煩雑な工程
を必要とし、MIGヘッドと比較して工程数が多く、製
造コストが割高であることから、その使用範囲は狭い。
【0014】また、上記のような磁気ヘッドにおいて
は、内部応力による磁気ヘッドの特性の劣化も生じてい
る。前述のように一対の磁気コア半体を接合一体化する
際、磁気コア半体同士の実際の接触部分は磁気ギャップ
を形成する金属磁性膜の突き合わせ面のみであり、接合
一体化の際の圧力は、全てこの部分に集中する。従っ
て、突き合わせ面近傍部の金属磁性膜,基板には応力に
よる磁気特性の劣化が生じ、形成される磁気ヘッドの特
性の劣化を招いている。
【0015】さらに、上記のような磁気ヘッドにおいて
は、磁気記録媒体摺動面の磁気ギャップ近傍部の大部分
が融着ガラスによって形成されており、使用中に該融着
ガラスに割れ,ヒビ等が発生すると、種々の不良が生
じ、好ましくない。
【0016】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、トラック幅精度が良好で、応力によ
る基板,金属磁性膜の磁気特性の劣化が低減され、特性
が良好であり、生産性も向上された磁気ヘッドを提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の磁気ヘッドは、少なくとも対向面の一部が
非磁性材料によって構成され残部が磁性材料によって構
成された接合材よりなる基板に、上記対向面側から非磁
性材料と磁性材料の接合面に斜交するような切断面で切
断を行い、該切断面上に金属磁性膜を形成してなる一対
の磁気コア半体を、上記金属磁性膜が略一直線状に連な
るように突き合わせ、一方の磁気コア半体の金属磁性膜
と他方の磁気コア半体の非磁性材料間に融着ガラスが充
填されて接合一体化されてなるものである。
【0018】また、本発明においては、上記のような磁
気ヘッドにおいて、非磁性材料と磁性材料の熱膨張係数
の差を5×10-6以下としても良く、基板の対向面と、
非磁性材料と磁性材料の接合面のなす角度をθとした場
合、0゜<θ≦90゜としても良い。
【0019】
【作用】本発明の磁気ヘッドは、一対の磁気コア半体
が、少なくとも対向面の一部が非磁性材料によって構成
され残部が磁性材料によって構成された接合材よりなる
基板に、上記対向面側から非磁性材料と磁性材料の接合
面に斜交するような切断面で切断を行い、該切断面上に
金属磁性膜を形成して得られるため、金属磁性膜の突き
合わせ面の幅が非磁性材料によって規制され、従来のよ
うに金属磁性膜の突き合わせ面の幅を規制する第2の溝
を形成する必要がない。また、本発明の磁気ヘッドは、
上記一対の磁気コア半体を、上記金属磁性膜が略一直線
状に連なるように突き合わせ、一方の磁気コア半体の金
属磁性膜と他方の磁気コア半体の非磁性材料間に融着ガ
ラスが充填されて接合一体化されてなるものであるた
め、上記磁気ヘッドの磁気記録媒体摺動面の融着ガラス
の占める割合が小さくなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例の磁
気ヘッドは、図1に示すように、非磁性材料と磁性材料
の接合材からなる基板3,4の対向面を磁気ギャップg
に対して斜めに切欠いた斜面3a,4a上にセンダスト
等の強磁性金属材料よりなる金属磁性膜5,6が形成さ
れた一対の磁気コア半体1,2を、上記金属磁性膜5,
6が略一直線状に連なるようにして突き合わせ、融着ガ
ラス7により接合一体化したものであり、金属磁性膜
5,6間に磁気ギャップgが形成されている。
【0021】このとき、本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、上記のように磁気コア半体1,2の基板3,4が非
磁性材料,磁性材料の接合材により構成されており、図
2に示すように、非磁性材料8,10と磁性材料9,1
1の接合面3c,4cと、基板3,4の対向面3b,4
bがなす図中θで示す角度が90゜とされている。
【0022】また、本実施例の磁気ヘッドにおいては、
磁気コア半体1,2の基板3,4の対向面を磁気ギャッ
プgに対して斜めに切り欠いた斜面3a,4aは、図2
に示すように、磁気ギャップgに対して斜交すると共
に、非磁性材料8と磁性材料9の接合面3c及び非磁性
材料10と磁性材料11の接合面4cとも斜交する。す
なわち、斜面3aは磁気ギャップgに対して図中θ2
示す角度(本実施例においては40゜とする。)を有
し、且つ対向面3b側の非磁性材料8の図中Lで示す
(本実施例においては10μmとする。)部分を切り欠
くようにして設けられ、斜面4aも磁気ギャップgに対
して図中θ2 で示す角度(本実施例においては40゜と
する。)を有し、且つ対向面4b側の非磁性材料10の
図中Lで示す(本実施例においては10μmとする。)
部分を切り欠くようにして設けられている。そして、金
属磁性膜5,6は斜面3a,4a上にその形状に沿って
設けられている。
【0023】次いで、上記のような本実施例の磁気ヘッ
ドを製造する方法について述べる。先ず、図3に示すよ
うに所定のピッチ,厚さで非磁性材料22と磁性材料2
3を接合して基板21を形成する。そして、非磁性材料
22と磁性材料23の接合面21bとなす角度θが90
゜となるように、磁気ギャップ形成面となる面21aを
決定する。次に、面21aに、後工程で金属磁性膜を形
成する面であり、上記面21aに斜交した斜面24aを
有する断面略V字状の溝部24を形成する。この際、上
記斜面24aと面21aのなす角度θ2 は40゜とし、
斜面24aが非磁性材料22の一部を切り欠くように
し、非磁性材料22の切り欠かれる部分の長さLを10
μmとする。
【0024】なお、上記非磁性材料22としては、キュ
リー温度が−30℃であり、常温で非磁性となる非磁性
フェライト材料や、Ca−TiO2 系,Ba−TiO2
系,Mg−TiO2 系,ZrO2 系のセラミック材料等
が挙げられ、磁性材料23としては、磁性フェライト材
料等が挙げられる。なお、非磁性材料22及び磁性材料
23としては、非磁性材料22と磁性材料23の熱膨張
係数の差が5×10-6以下となるようなものを選択す
る。
【0025】次に、図4に示すように、上記溝部24の
斜面24a上を含めて上記磁気ギャップ形成面となる面
21a上にセンダストよりなる金属磁性膜25をスパッ
タリング等の真空薄膜形成法によって形成する。この
際、基板21と金属磁性膜25の反応防止,付着力向上
のためにSiO2 ,Cr等の反応防止膜を下地膜として
予め形成しても良い。
【0026】次いで、上記基板21を130℃程度に加
熱しながら溝部24中にアセトン等の溶剤に容易に溶解
する図示しない熱可塑性樹脂を充填する。そして、上記
金属磁性膜の表面25aを平面研削盤で研削除去し、上
記熱可塑性樹脂をアセトン等の溶剤に溶解させて除去す
る。その結果、溝部24の斜面24a上のみに金属磁性
膜25が形成される。
【0027】次に、図5に示すように上記溝部24の斜
面24aに成膜された金属磁性膜25の膜剥がれを防止
するために、溝部24内にも充填されるように基板21
の面21a上に融着ガラス26による層を形成し、融着
ガラス26の表面26aを平面研削盤で研削除去し、図
6に示すように溝部24内の斜面24a上のみに金属磁
性膜25が形成され、溝部24内の空間のみに融着ガラ
ス26が充填された状態とする。
【0028】次に、図7に示すように、溝部24と直交
する方向に、コイルを巻装するための巻線溝27、ガラ
スを溶融充填するためのガラス溝28、基板21を切断
するためのサイド溝29を形成する。
【0029】そして、図8に示すように金属磁性膜25
の突き合わせ面の幅、すなわちトラック幅を規制するた
めに、図中一点鎖線で示す磁気ギャップ形成面まで非磁
性材料22,金属磁性膜25,融着ガラス26表面を鏡
面加工し、金属磁性膜25の突き合わせ面25aの幅、
すなわちトラック幅を決定するとともに、磁気ギャップ
形成面を形成する。この際、金属磁性膜25の突き合わ
せ面25aの幅は形成される磁気ギャップのアジマス角
を考慮したものとし、磁性材料23が金属磁性膜25の
突き合わせ面25aに露呈しないようにする。
【0030】次に、図7中に示すように基板21をサイ
ド溝29の中心を切断位置として切断し、一対の磁気コ
ア半体ブロック30,31を形成する。そして、磁気コ
ア半体ブロック30,31の磁気ギャップ形成面30
a,31aにSiO2 等の非磁性材料よりなり、厚さ
0.09μm程度の図示しないギャップ膜をスパッタリ
ング等の真空薄膜形成技術によって形成する。
【0031】次に、図9に示すように上述のように形成
された磁気コア半体ブロック30,31の金属磁性膜2
5,35を突き合わせてトラック位置合わせをしなが
ら、治具により3Nの力で固定する。そして、融着ガラ
スによって磁気コア半体ブロック30,31を融着して
接合一体化する。このときの融着条件は560℃×1時
間とする。
【0032】そして、磁気コア半体ブロック30,31
の接合物を同図中線A−A′及び線B−B′で示す位置
で切断する。最後に、切り出したヘッドチップに対して
磁気記録媒体との当たり特性を確保するために、磁気記
録媒体摺動面を円筒研磨し、チップに切断して図1に示
すような磁気ヘッドを完成する。なお、この際、必要に
応じて巻線補助溝,当たり幅加工を行っても良い。
【0033】本実施例の磁気ヘッドにおいては、図2に
示すように、基板3,4として非磁性材料8,10と磁
性材料9,11の接合材を用いており、該基板3,4の
対向面側から非磁性材料8,10と磁性材料9,11の
接合面と斜交するような斜面3a,4aが設けられ、こ
れら斜面3a,4a上に金属磁性膜5,6が設けられて
いる。従って、該金属磁性膜5,6の突き合わせ面の幅
は非磁性材料8,10によって規制されることとなり、
従来のように金属磁性膜5,6の突き合わせ面の幅を規
制する第2の溝を形成する工程が必要ない。
【0034】このことにより、第2の溝の形成によるト
ラック幅精度の低下が発生せず、トラック幅精度が安定
化し、磁気ヘッドの磁気特性が向上する。また、トラッ
ク幅精度が向上して製造歩留りが向上するとともに、工
程が削減されて生産性も向上する。なお、鏡面加工によ
りトラック幅を決定する際にも、第2の溝が形成されて
いないことから、鏡面加工量の精度に余裕があり、製造
不良が発生しにくく、生産性が向上される。また、第2
の溝を形成するための砥石が不要となることからも製造
コストを低減できる。
【0035】さらに、本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、磁気コア半体1,2同士を接合一体化する際の磁気
コア半体1,2同士の実際の接触部分が非磁性材料8,
10、金属磁性膜5,6、融着ガラス7であり、従来の
磁気ヘッドと比較してかなり大きい。従って、接合一体
化の際の圧力が金属磁性膜5,6の突き合わせ面近傍に
集中することがなく、応力による金属磁性膜5,6、基
板3,4の磁気特性の劣化が低減され、磁気ヘッドの特
性の劣化が抑えられる。
【0036】また、本実施例の磁気ヘッドにおいては、
図10に示すように、磁気記録媒体摺動面の磁気ギャッ
プg近傍部における融着ガラス7の面積の占める割合
が、図17に示すような従来の磁気ヘッドの磁気ギャッ
プg近傍部における融着ガラス105の占める割合と比
較して非常に少ない。従って、本実施例の磁気ヘッドに
おいては、使用時に上記融着ガラス7に割れ,ヒビ等が
発生しにくく、これによる種々の不良も発生しにくい。
【0037】さらに、本実施例の磁気ヘッドにおいて
は、金属磁性膜の突き合わせ面の幅を規制する第2の溝
部を形成しないことから、金属磁性膜の突き合わせ面の
端部の損傷が生じにくい。従って、金属磁性膜と基板の
付着力が十分である場合には、金属磁性膜の形成される
溝部に融着ガラスを充填する必要がなく、さらに工程を
削減でき、生産性が向上される。
【0038】本発明を適用した磁気ヘッドとしては、上
記の実施例の磁気ヘッドの他、次のような変形例に係る
磁気ヘッドも挙げられる。この変形例に係る磁気ヘッド
も、図11に示すように、非磁性材料と磁性材料の接合
材からなる基板43,44の対向面を磁気ギャップgに
対して斜めに切欠いた斜面43a,44a上にセンダス
ト等の強磁性金属材料よりなる金属磁性膜45,46が
形成された一対の磁気コア半体41,42を、上記金属
磁性膜45,46が略一直線状に連なるようにして突き
合わせ、融着ガラス47により接合一体化したものであ
り、金属磁性膜45,46間に磁気ギャップgが形成さ
れている。
【0039】このとき、上記変形例に係る磁気ヘッドに
おいても、上記のように磁気コア半体41,42の基板
43,44が非磁性材料,磁性材料の接合材により構成
されており、図12に示すように(図12には磁気コア
半体41のみを示す。)、非磁性材料48が基板43の
対向面43b側に配され、残部が磁性材料49となさ
れ、図中θで示すこれらの接合面43cと基板43の対
向面43bの対向面のなす角度が40゜とされている。
【0040】また、上記変形例に係る磁気ヘッドにおい
て、磁気コア半体41,42の基板43,44の対向面
を磁気ギャップgに対して斜めに切り欠いた斜面43
a,44aは、図12に示すように(図12には磁気コ
ア半体41のみを示す。)、磁気ギャップgに対して斜
交すると共に、非磁性フェライト材48と磁性フェライ
ト材49の接合面43cとも斜交する。すなわち、斜面
43aは、磁気ギャップgに対して図中θ2 で示す角度
(本実施例においては40゜とする。)を有し、且つ対
向面43b側の非磁性フェライト材48の図中Lで示す
(本実施例においては10μmとする。)部分を切り欠
くようにして設けられている。そして、金属磁性膜45
は斜面43a上にその形状に沿って設けられている。
【0041】この変形例に係る磁気ヘッドも先に述べた
磁気ヘッドの実施例と同様に作製される。先ず、図13
に示すように所定のピッチ,厚さで非磁性材料52と磁
性材料53を接合して基板51を形成する。そして、非
磁性材料52と磁性材料53の接合面51bとなす角度
θが40゜となるように、磁気ギャップ形成面となる面
51aを決定する。
【0042】次に、図14に示すように、面51aに、
後工程で金属磁性膜を形成する面であり、上記面51a
に斜交した斜面54aを有する断面略V字状の溝部54
を形成する。この際、上記斜面54aと面51aのなす
角度θ2 は40゜とし、斜面54aが非磁性材料52の
一部を切り欠くようにし、非磁性材料52の切り欠かれ
る部分の長さLを10μmとする。
【0043】そして、先に述べた磁気ヘッドの実施例と
同様に上記溝部54内の斜面54a上のみに金属磁性膜
55が形成され、溝部54内の空間のみに融着ガラス5
6が充填された状態とし、巻線溝,ガラス溝,サイド溝
を形成し、磁気ギャップ形成面を形成し、磁気コア半体
ブロックを得る。
【0044】次に、上記のようにして形成した磁気コア
半体ブロック57とこれと同様に形成した磁気コア半体
ブロック58を、先に述べた実施例の磁気ヘッドと同様
に図15に示すように互いの金属磁性膜55,65を突
き合わせてトラック位置合わせをしながら、固定し、接
合一体化する。
【0045】そして、磁気コア半体ブロック57,58
の接合物を同図中線A−A′及び線B−B′で示す位置
で切断する。最後に、切り出したヘッドチップに対して
磁気記録媒体との当たり特性を確保するために、磁気記
録媒体摺動面を円筒研磨し、チップに切断して図11に
示す磁気ヘッドが完成される。
【0046】この変形例に係る磁気ヘッドにおいても、
先に述べた磁気ヘッドの実施例と同様の効果、すなわ
ち、トラック幅精度が安定化され、応力による基板,金
属磁性膜の磁気特性の劣化が低減されることによる特性
の向上、生産性の向上が期待される。また、変形例に係
る磁気ヘッドにおいては、基板の対向面と、非磁性材料
と磁性材料の接合面のなす角度θを40゜としたことか
ら、磁気記録媒体摺動面の磁気ギャップ近傍部の磁性材
料の占める割合が、先に述べた磁気ヘッドの実施例より
も多くなり、磁気抵抗が先の磁気ヘッドの実施例よりも
小さくなり、記録再生特性が向上する。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ヘッドは、一対の磁気コア半体が、少なくとも
対向面の一部が非磁性材料によって構成され残部が磁性
材料によって構成された接合材よりなる基板に、上記対
向面側から非磁性材料と磁性材料の接合面に斜交するよ
うな切断面で切断を行い、該切断面上に金属磁性膜を形
成して得られるため、金属磁性膜の突き合わせ面の幅が
非磁性材料によって規制され、従来のように金属磁性膜
の突き合わせ面の幅を規制する第2の溝を形成する必要
がない。このことにより、第2の溝の形成によるトラッ
ク幅精度の低下が発生せず、トラック幅精度が安定化
し、磁気ヘッドの磁気特性が向上する。また、トラック
幅精度が向上して製造歩留りが向上するとともに、工程
が削減されて生産性も向上する。
【0048】さらに、本発明の磁気ヘッドは、上記一対
の磁気コア半体を、上記金属磁性膜が略一直線状に連な
るように突き合わせ、一方の磁気コア半体の金属磁性膜
と他方の磁気コア半体の非磁性材料間に融着ガラスが充
填されて接合一体化されてなるものであるため、上記磁
気ヘッドの磁気記録媒体摺動面の融着ガラスの占める割
合が小さくなる。従って、本実施例の磁気ヘッドにおい
ては、使用時に上記融着ガラスに割れ,ヒビ等が発生し
にくく、これによる種々の不良も発生しにくい。
【0049】また、本発明の磁気ヘッドにおいては、磁
気コア半体同士を接合一体化する際の磁気コア半体同士
の実際の接触部分は非磁性材料,金属磁性膜,融着ガラ
スとなり、従来の磁気ヘッドと比較してかなり大きい。
従って、接合一体化の際の圧力が金属磁性膜の突き合わ
せ面近傍に集中することがなく、応力による金属磁性
膜,基板の磁気特性の劣化が低減され、磁気ヘッドの特
性の劣化が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッドの一実施例(以
下、実施例に係る磁気ヘッドと記す。)を示す斜視図で
ある。
【図2】実施例に係る磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍部
を示す平面図である。
【図3】実施例に係る磁気ヘッドを製造する方法を工程
順に示すものであり、基板を形成し、溝部を形成する工
程を示す斜視図である。
【図4】基板上に金属磁性膜を形成する工程を示す斜視
図である。
【図5】基板上に融着ガラスを形成する工程を示す斜視
図である。
【図6】融着ガラスの表面を研削除去する工程を示す斜
視図である。
【図7】巻線溝,ガラス溝,サイド溝を形成し、磁気コ
ア半体ブロックを形成する工程を示す斜視図である。
【図8】鏡面加工により磁気ギャップ形成面を形成する
工程を示す要部拡大断面図である。
【図9】磁気コア半体ブロックの接合一体化する工程を
示す平面図である。
【図10】実施例に係る磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍
部を示す要部拡大平面図である。
【図11】実施例に係る磁気ヘッドを示す斜視図であ
る。
【図12】実施例に係る磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍
部を示す要部拡大平面図である。
【図13】実施例に係る磁気ヘッドを製造する方法を工
程順に示すものであり、基板を形成する工程を示す要部
拡大側面図である。
【図14】基板に溝部を形成する工程を示す要部拡大側
面図である。
【図15】磁気コア半体ブロックを接合一体化する工程
を示す要部拡大平面図である。
【図16】従来例に係る磁気ヘッドを示す斜視図であ
る。
【図17】従来例に係る磁気ヘッドの磁気ギャップ近傍
部を示す要部拡大平面図である。
【図18】従来例に係る磁気ヘッドを製造する方法を工
程順に示すものであり、基板に第1の溝を形成する工程
を示す斜視図である。
【図19】基板上に金属磁性膜を形成する工程を示す斜
視図である。
【図20】基板上に融着ガラスを形成する工程を示す斜
視図である。
【図21】融着ガラスの表面を研削除去する工程を示す
斜視図である。
【図22】巻線溝を形成する工程を示す斜視図である。
【図23】第2の溝を形成する工程を示す斜視図であ
る。
【図24】鏡面加工により磁気ギャップ形成面を形成す
る工程を示す要部拡大断面図である。
【図25】磁気コア半体ブロックを接合一体化する工程
を示す平面図である。
【符号の説明】
1,2,41,42・・・磁気コア半体 3,4,43,44・・・基板 3a,4a,43a,44a・・・斜面 3b,4b,43b・・・対向面 3c,4c,43c・・・接合面 5,6,45,46・・・金属磁性膜 7,47・・・融着ガラス 8,10,48・・・非磁性材料 9,11,49・・・磁性材料 θ,θ2 ・・・角度 L・・・長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも対向面の一部が非磁性材料に
    よって構成され残部が磁性材料によって構成された接合
    材よりなる基板に、上記対向面側から非磁性材料と磁性
    材料の接合面に斜交するような切断面で切断を行い、該
    切断面上に金属磁性膜を形成してなる一対の磁気コア半
    体を、上記金属磁性膜が略一直線状に連なるように突き
    合わせ、一方の磁気コア半体の金属磁性膜と他方の磁気
    コア半体の非磁性材料間に融着ガラスが充填されて接合
    一体化されている磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 非磁性材料と磁性材料の熱膨張係数の差
    が、5×10-6以下であることを特徴とする請求項1記
    載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 基板の対向面と、非磁性材料と磁性材料
    の接合面のなす角度をθとした場合、0゜<θ≦90゜
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
JP5226595A 1993-07-31 1993-07-31 磁気ヘッド Pending JPH0744816A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7422010B2 (en) 2004-03-31 2008-09-09 Rinnai Corporation Cooking stove
US7428901B2 (en) 2004-04-27 2008-09-30 Rinnai Corporation Cooking stove

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Effective date: 20030107