JPH078893B2 - 両性高分子凝集剤の製造方法 - Google Patents

両性高分子凝集剤の製造方法

Info

Publication number
JPH078893B2
JPH078893B2 JP61046769A JP4676986A JPH078893B2 JP H078893 B2 JPH078893 B2 JP H078893B2 JP 61046769 A JP61046769 A JP 61046769A JP 4676986 A JP4676986 A JP 4676986A JP H078893 B2 JPH078893 B2 JP H078893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
polymerization
polymer flocculant
aqueous solution
amphoteric polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61046769A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62205112A (ja
Inventor
茂 小山
洋二 和田
茂 田辺
Original Assignee
ダイヤフロック株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダイヤフロック株式会社 filed Critical ダイヤフロック株式会社
Priority to JP61046769A priority Critical patent/JPH078893B2/ja
Publication of JPS62205112A publication Critical patent/JPS62205112A/ja
Publication of JPH078893B2 publication Critical patent/JPH078893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は各種産業廃水、下水・し尿処理等において発生
する汚泥の凝集・脱水処理に有効な両性高分子凝集剤の
製造方法に関する。
[従来の技術] 各種産業廃水処理、下水・し尿処理等において発生する
汚泥は、通常それを構成する粒子群が負電荷を帯びて安
定に分散しているので、汚泥処理にはカチオン性凝集剤
が有効であることが知られている。従来、汚泥処理にお
いてカチオン性高分子凝集剤が単独で使用されていたが
この方法では懸濁浮遊物(以下「SS」という。)の回収
率、脱水ケーキの含有率、脱水ケーキの濾布からの剥離
性等が不十分であり、これらの性能を改善するために、
カチオン性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併
用する方法が提案されている。
その例としてポリアクリル酸(塩)等の粉末状アニオン
性高分子凝集剤と粉末状カチオン性高分子凝集剤の混合
物に酸を配合した混合物を用いる方法(特開昭58-21545
4号公報)、ポリアクリルアミド系の非イオン性高分子
をマンニッヒ変性することによって得られるカチオン性
高分子凝集剤と通常のアニオン性高分子凝集剤を併用す
る方法(特開昭58-139799号公報)がある。
一方、分子内にカチオン性基として第四級アンモニウム
基や第三級アミンを含有する両性高分子電解質(特開昭
49-6078号、特開昭53-149292号公報等)が提案されてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、粉末状アニオン性高分子凝集剤、粉末状カチオ
ン性高分子凝集剤及び酸からなる混合物を用いる方法や
カチオン性高分子凝集剤とアニオン性高分子凝集剤を併
用する方法は、SS回収率、脱水ケーキの含有率、ケーキ
の剥離性がある程度改善されるが、いずれの場合も各成
分混合比の選定や混合操作が煩雑であり、また溶解時に
不溶性粘着物が生成し、トラブルが発生することが多
く、実用的であるとはいえない。
また、両性高分子電解質については、カチオン性成分と
して主に第四級アンモニウム基を含むものが紙力増強剤
として提案されており、凝集剤としての利用の可能性も
述べられているが脱水性が悪いため汚泥の脱水にあたっ
てエネルギーコストがかかりすぎる点が問題である。一
方、カチオン性成分として第三級アミンを用いる場合
は、両性高分子電解質(凝集剤)の安定性が不十分で保
存中に不溶化してしまうためにその実用化は殆んど検討
されていない。
以上述べたように、現状では保存安定性、凝集性能、脱
水性能を兼ね備えた両性高分子凝集剤は見い出されてい
ない。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、カチオン性成分として従来安定性が不十
分であるとされていた第三級アミンを含有する単量体を
用い、アニオン性成分の種類や重合時のpH等の重合条件
及び製造された両性高分子凝集剤の諸特性を詳細に検討
した結果、意外にも重合条件によっては安定性に優れ汚
泥の脱水性に優れた両性高分子凝集剤が得られることを
見い出し本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は第三級アミンを含有するカチオン
性単量体(I)、アクリル酸、メタクリル酸及びそれら
の塩から選ばれる1種以上のアニオン性単量体(II)及
びノニオン性単量体(III)からなる単量体(但し、各
単量体の使用量は、単量体(I)/単量体(II)/単量
体(III)=8〜75/2〜40/10〜90(mol.%)である)を
15〜80重量%の水溶液濃度にし、かつ水溶液のpHを3.5
以下にして重合開始剤を存在下、100℃以下の温度で水
性重合して固有粘度[η]が3.0〜15dl/gにあるゲル状
の共重合体を製造し、その共重合体を粗砕、乾燥、粉砕
してカチオン当量値CVが1.0〜4.0meq/g、アニオン当量
値AVが0.3〜2.0meq/g,CV/AVの比が1.5〜8.0の範囲にあ
ることを特徴とする両性高分子凝集剤の製造方法にあ
る。
本発明において第三級アミンを含有するカチオン性単量
体(I)としては、一般式(1),(2),(3)等で
示されるビニル型またはアリル型不飽和結合を有する単
量体を挙げることができる。
(1),(2),(3)式において、R3は水素またはメ
チル基、R4はアルキレン基、R5,R6はアルキル基であ
る。
その具体例としてジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルジ
メチルアミン等を挙げることができる。
尚、本発明においてはpH3.5以下にて重合が行なわれる
ので、前記の単量体は通常の場合予め硫酸塩、塩酸塩、
硝酸塩等の強酸塩の状態に調整された後使用される。
上述の如く本発明においては、カチオン性成分として第
三級アミン系の単量体が使用されるが、これは重合によ
って得られる両性高分子凝集剤の凝集剤として特性、特
にケーキの脱水性を考慮したためであり、第三級アミン
系の両性高分子凝集剤は第四級アンモニウム系の両性高
分子凝集剤と比較するとケーキの脱水性能が著しく優れ
ている。
アニオン性単量体(II)としてはアクリル酸、メタクリ
ル酸、またはそれらの塩が用いられるが、塩としてはナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。該
単量体(II)は、前記のカチオン性単量体(I)との共
重合性及び単量体(II)の酸解離特性を考慮して選ばれ
たものである。アクリル酸及びメタクリル酸の25℃にお
ける酸解離指数はそれぞれ4.3及び4.7であり、アクリル
酸またはその塩はpH4.3以下の水中にて、またメタクリ
ル酸またはその塩はpH4.7以下の水中にてイオンとして
存在するものの割合が急激に減少し、pH3.5以下の水中
においてはいずれの単量体も実質的に非解離状態にあ
る。
一方、酸解離指数の小さいスルホン酸基等を有するアニ
オン性単量体においてはpH2〜3程度の低pH域において
もイオン種の存在量が多いので、これらの単量体を使用
しても本発明の優れた効果を得ることができない。
ノニオン性単量体(III)としては、前記の単量体
(I)及び単量体(II)と共重合可能な任意のノニオン
性単量体を用いることができ、たとえば一般式(4)で
示されるアミド基を有するビニル型単量体を用いること
ができる。
(4)式のおいて、R7,R8及びR9は水素またはアルキル
基であり、具体例としてアクリルアミド、メタクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメ
タクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−
ジエチルメタクリルアミド等を挙げることができる。
尚、該単量体(III)は両性高分子凝集剤の分子量やイ
オン当量の調節等を目的として使用されるものである。
本発明においては、カチオン性単量体(I)、アニオン
性単量体(II)及びノニオン性単量体(III)をpH3.5以
下の水溶液中にて共重合させるがpH3.5以下の水中では
単量体(I)の第三級アミンは比較的安定に存在するこ
とができ、また単量体(II)は実質的に解離せずノニオ
ン性単量体と同様に扱うことができる。従ってこの条件
下で存在するイオン性基は実質的にカチオン性単量体
(III)のカチオン性基のみであり、イオン性基間の結
合が起こらないので、重合反応は系全体に亘ってほぼ均
一に進行し、この条件で製造された本発明の両性高分子
凝集剤は水中での溶解性が良好であり、保存安定性も優
れている。
重合時の水溶液のpHは3.0以下であることがより好まし
く、pHの下限値は特に限定されないが、実用面からおよ
そ1.5以上程度とすることが好ましい。pH調整は必要に
応じて硫酸、塩酸、硝酸等の強酸を用いて実施すること
ができる。
一方、水溶液のpHが3.5を越えた弱酸性域、中性域また
はアルカリ性域において、第三級アミンは加水分解を受
けやすいので安定に存在することができない。またこの
pH域ではアニオン性単量体(II)のカルボキシル基が解
離しているので、重合時に単量体(I)のカチオン性基
と単量体(II)のアニオン性基とが結合して重合反応の
進行が阻害される場合があり、重合反応が均一に進行し
難い。従って、この条件下で得られる重合体は概して分
子量が小さく、また水中での溶解性が悪いので好ましく
ない。
本発明の方法によって製造される両性高分子凝集剤にお
いては、カチオン当量値CVが1.0〜4.0meq/g、アニオン
当量値AVが0.3〜2.0meq/gの範囲にあり、CV/AVの比が1.
5〜8.0の範囲となるように、重合時において単量体
(I)のカチオン当量値及び単量体(II)のアニオン当
量値を考慮しつつ単量体(I)、単量体(II)及び単量
体(III)の使用量を決めることが必要である。その使
用量は、単量体(I)/単量体(II)/単量体(III)
=8〜75/2〜40/10〜90(mol.%)の範囲であり、好ま
しくは12〜65/4〜25/20〜85(mol.%)、特に好ましく
は15〜60/6〜25/30〜80(mol.%)の範囲である。
汚泥処理をはじめとする凝集処理においては除去対象成
分が通常負電荷を帯びているので、本発明の両性高分子
凝集剤においては、前記の如く一定量のカチオン性基を
保持させると共にフロック形成助剤として作用するアニ
オン性基をカチオン性基に対してやや少なめに保持させ
ることが必要である。
カチオン当量値CVが1.0meq/gより小さいと汚泥の凝集処
理・脱水処理において脱水性が悪いので好ましなく、4.
0meq/gより大きいものは両性としての特性が現われにく
い。また、アニオン当量値AVが0.3meq/gより小さいと両
性としての特性が現われにくく、2.0meq/gを越えると水
中での溶解性が低下する傾向があるので好ましくない。
CV/AV値が1.5より小さくて相対的にアニオン当量値が大
きすぎるとカチオン性基の効果が減殺され凝集性能が低
下するので好ましくない。また、CV/AV値が8.0を越える
とアニオン性基の割合が少なすぎるので両性としての十
分な作用が期待できない。
カチオン当量値CVは1.3〜3.8meq/gであることがより好
ましく、1.5〜3.8meq/gであることが特に好ましい。ア
ニオン当量値AVは0.4〜1.8meq/gであることがより好ま
しく0.5〜1.6meq/gであることが特に好ましい。またCV/
AV比は1.8〜7.0であることがより好ましく2.0〜6.0であ
ることが特に好ましい。
以下、本発明の製造方法について具体的に説明する。
本発明の重合開始時の水溶液中における単量体(I)、
単量体(II)及び単量体(III)の合計量(以下「単量
体合計量」という。)の濃度は15〜80重量%であり、好
ましくは25〜60重量%である。該濃度が15重量%未満で
あると生産性が低いため好ましくなく、また、80重量%
を越えると重合熱が多量に発生し系の温度が上昇しすぎ
るので好ましくない。
重量時には必要に応じてレドックス系やアゾ系等のラジ
カル重合開始剤を使用することができる。レドックス系
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリ
ウム、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド等の
酸化剤とホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレー
ト、チオグリコール酸、L−アスコルビン酸、ジメチル
アミノプロピオニトリル、亜硫酸水素ナトリウム、β−
メルカプトエタノール、2価の鉄塩等の還元剤との組合
せを挙げることができる。またアゾ系重合開始剤として
は、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4′−アゾビス
(4−シアノペンタノイックアシド)等を挙げることが
できる。またレドックス系重合開始剤とアゾ系重合開始
剤を併用することもできる。
重合温度としては、100℃以下の沸騰しない温度で、初
期温度を10〜40℃として重合することもでき、またシー
ト重合法等を採用し、系外から温度コントロールしなが
ら、30〜100℃の一定温度条件で重合することもでき
る。
重合時間は、単量体の濃度や重合温度、あるいは目標と
する重合度等によって変化するがおよそ10分間〜10時間
程度であり、より好ましくはおよそ1〜7時間程度であ
る。
本発明の製法によって得られる両性高分子凝集剤におい
ては、前記のカチオン当量値、アニオン当量値の他に分
子量も適度にコントロールすることが望ましい。分子量
を固有粘度[η]で表示すれば、両性高分子凝集剤の固
有粘度[η]が3.0〜15dl/gとなるように各単量体の組
成や重合時間等を適宜選定する。
[η]が3.0より小さいと凝集処理時に生成するフロッ
クの強度が不充分となり脱水が困難になる場合が多く、
また15を越えると凝集剤の粘度が大きすぎて凝集性及び
脱水性が低下する傾向を示す。
以上並べたような条件を採用して水中にて重合すること
により、水を含有するゲル状あるいは半固形状の共重合
体が製造される。この共重合体を粗砕、乾燥、粉砕等す
ることによって粉末状の両性高分子凝集剤を得ることが
できる。
本発明において、前記の両性高分子凝集剤のカオチン当
量値CVおよびアニオン当量値AVは、以下に示すコロイド
滴定法によって求めることができる。
(1) カチオン当量値の測定 I.コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、試料500p
pm溶液10mlを加え、塩酸水溶液でpHを3.0とし、約1分
間攪拌する。次に、トルイジンブルー指示薬を2〜3滴
加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)
で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10
秒間以上保持する時点を終点とする。
II・試料500ml水溶液の調製 試料0.2g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コル
ベンにとり、脱イオン水100mlで溶解する。この25mlを1
00mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアップする。
III.計算法 (2) アニオン当量値の測定 I.コニカルビーカーに脱イオン水90mlをとり、N/10苛性
ソーダ水溶液0.5mlを加え、液攪拌下N/メチルグリコー
ルキトサン試液5mlを滴加し、1分間以上攪拌する。次
に試料の500ppm水溶液10mlをゆっくり滴下し、滴下後さ
らに5分間以上攪拌した後、トルイジンブルー指示薬を
2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/4
00PVSK)で滴定する。
滴定速度は2ml/分とし、検水が青から赤紫色に変色、10
秒間以上保持する時点を終点とする。
なお、上記操作に於て、試料を添加しない場合をブラン
ク試験とする。
II.試料の500ppm水溶液の調製 試料0.1g(乾品換算しない)を精秤し、共栓付三角コル
ベンにとり、脱イオン水100mlに溶解する。この50mlを1
00mlメスフラスコにて脱イオン水でメスアップする。
III.計算法 なお、本明細書において固有粘度[η]は1規定の硝酸
ソーダを使用し、30℃で測定した値を示す。
以下、本発明の製法による両性高分子凝集剤の使用方法
について説明する。
本発明の製法によって得られる両性高分子電解質は、通
常の高分子凝集剤と同様にして0.2〜1.0重量%程度の水
溶液として溶解した後、凝集処理対象である廃水中のSS
分に対して0.2〜5重量%程度添加することによって凝
集処理を行なうことができる。水溶液を調製する際水溶
液のpHが4.0以下、より好ましくは3.5以下、特に好まし
くはpH3.0以下となるようにして両性高分子凝集剤中の
アニオン性基の解離を抑えておくと溶解状態は良好であ
り、水溶液の状態で長期間保存することもできる。
また、該両性高分子凝集剤は水溶液のpHが前記範囲より
高くなった場合に不溶解物の生成が認められるときがあ
るが、その時間が比較的短い場合は水溶液のpHを4.0〜
3.5以下程度に戻すことによって不溶解物は直ちに消失
するという優れた特徴も有している。
凝集処理において生成したフロックは遠心脱水機、真空
脱水機、スクリュープレス脱水機、ベルトプレス脱水
機、フィルタープレス脱水機等の公知の脱水機によって
脱水処理することができる。
[実施例] 以下、実施例により更に具体的に説明する。
実施例1〜13 第1表の単量体重量組成比、単量体濃度の水溶液を調製
し、更に必要に応じて硫酸を添加し、水溶液のpHを2.0
〜3.5に調整し、次いで窒素ガスを水溶液に吹込み、系
内の酸素を充分窒素置換した後、初期温度を20〜40℃に
調整し、水溶液に対して2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)2塩酸塩を100〜5,000ppmを添加して、1.5
〜7時間重合させゲル状の重合を得た。尚、重合系の最
高到達温度は85〜90℃であった。
このようにして得られた重合体を粗砕し、60℃の熱風で
乾燥し、更に粉砕して粉末状の両性高分子凝集剤を得
た。
これらの両性高分子凝集剤のカチオン当量、アニオン当
量、固有粘度及び水溶解性を第1表に示す。
水溶解性は両性高分子凝集剤を1重量%純水に入れ、充
分に攪拌した後、肉眼観察することにより評価した。
また、該液を80メッシュのフィルターで濾過し、捕捉物
の重量測定によって不溶解分の割合を測定した。
比較例1〜3 重合時のpHを2.5とする代わりに、水酸化ナトリウムを
使用してpHを各々4.2、5.5及び6.0とし、そして重合組
成及び単量体濃度を第1表の如くに変更し、その他は実
施例1と全く同一条件として重合反応を行ない、反応生
成物を粉砕し粉末状の共重合体を得た。
続いてこれら共重合体の水溶解性を実施例1と同様にし
て測定したところ、不溶解性物が多量に観察された。性
能を第1表に示す。
比較例4 アニオン系単量体としてスルホン酸基を有する2-アクリ
ルアミド‐2-メチルプロパンスルホン酸を用い、NaOHで
重合時のpHを2.5とし、その他の条件は実施例1と同様
にして重合し、共重合体を得た。水溶解性を評価したと
ころ、不溶解性物が多量に観察された(第1表)。
比較例5 カチオン性単量体としてジメチルアミノエチルメタクリ
レートの塩化メチル四級塩を用い、その他の条件は実施
例1と同様にして重合し、共重合体を得た。該共重合体
の性能を第1表に示す。
実施例14〜17 実施例1,2,5及び11の両性高分子凝集剤を0.5重量%ずつ
溶解した水溶液を調製し、下水処理場の生混合汚泥[pH
=5.4、SS=3.6%、SS中の有機質分=46%]に対してSS
に対する両性高分子凝集剤の添加量が1.0重量%となる
ように該水溶液を添加して凝集処理し、次いで遠心脱水
機にて脱水処理した。
その結果を第2表に示すが、SS回収率は極めて高く、脱
水ケーキの含有率は小さく、脱水ケーキには粘りがな
く、本発明の製法によって得られた両性高分子凝集剤が
良好な性能を有していることがわかる。
実施例18〜26及び比較例6 10個の500mlのビーカーに実施例14と同じ汚泥を各々300
mlずつ取り、これに実施例1〜3,5,6,8,10,11及び13、
比較例5の両性高分子凝集剤を水溶液の形でSSに対し1.
5重量%の割合で各々添加し、直径4cmの攪拌翼をもつ攪
拌機にて500rpmで20秒間の混合攪拌を行うフロックを生
成させた。続いてベルトプレス用濾布を敷いた直径8cm
の塩化ビニル製円筒内に注ぎ込み10秒後の濾液量を測定
し、さらに50秒間重力濾過した。次に円筒をはずし、重
力濾過された汚泥を2枚のベルトの間にはさみ、2kg/cm
2の圧力で1分間圧搾脱水し、脱水させるケーキのベル
トからの剥離製を観察し、更に脱水ケーキの含水率を測
定し、それらの結果を第3表に掲げた。本発明品は濾過
速度が大きく、かつ脱水ケーキ含水率も低く良好な結果
を示したが、比較例のものは濾過速度が小さくて脱水ケ
ーキ含水率が高かった。
比較例7〜8 重合の初期温度を各々10℃,15℃とし、水溶液に対して
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩を1
00ppm、過硫酸アンモニウムを2ppm、ホルムアルデヒド
ナトリウムスルホキシレートを6ppmを添加し、その他は
実施例8と全く同一条件として重合反応を行い、反応生
成物を粗砕、乾燥、粉砕し粉末状の共重合体を得た。該
共重合体の性能を第1表に示す。
比較例9〜10 水溶液に対し過硫酸アンモニウムを各々20ppm、50ppm、
ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレートを50ppm
を添加し、その他は実施例1と全く同一条件として重合
反応を行ない、反応生成物を粗砕、乾燥、粉砕し粉末状
の共重合体を得た。該共重合体の性能を第1表に示す。
比較例11 カチオン性単量体として、ジメチルアミノエチルメタク
リレートの塩化メチル四級塩を56.0g、アクリル酸5.6
g、アクリルアミド18.4gおよび水720gの混合物をNaOHの
40%水溶液でpH4.0に調整し、初期温度を50℃とし、水
溶液に対し2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
2塩酸塩を500ppm添加し、その他は実施例1と同様に2
時間重合反応を行なった。最高温度は64℃であった。
得られた生成物は流動性のある粘稠液で、ポリマー成分
約10%、pH2.8、ブルックフィールド粘度(ローターNo.
3、回転数6rpm、25℃)は25,000cpsであった。
該共重合体の性能を第1表に示す。
比較例12〜16 実施例18〜26及び比較例6の凝集脱水試験と全く同一条
件で、比較例7〜11製造品の凝集脱水試験をし、それら
の結果を第3表に掲げた。
[発明の効果] 実施例の結果から明らかなように、本発明の製造法によ
って得られる両性高分子凝集剤は以下に掲げる優れた実
用性能を有している。
(1)溶解性が良好であり溶解時に均一透明に溶解す
る。
(2)凝集剤としてSS除去性能が優れている。
(3)凝集処理時に生成するケーキの形状、性状が良好
であり、凝集水の濾過速度が速く、脱水ケーキの含水率
が小さい。
(4)また圧搾脱水されたケーキの濾布(ベルト)から
の剥離性が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 茂 千葉県野田市二ツ塚138番地 ダイヤフロ ツク株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−134107(JP,A) 特開 昭53−149292(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第三級アミンを含有するカチオン性単量体
    (I)、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩から
    選ばれる1種以上のアニオン性単量体(II)及びノニオ
    ン性単量体(III)からなる単量体(但し、各単量体の
    使用量は、単量体(I)/単量体(II)/単量体(II
    I)=8〜75/2〜40/10〜90(mol.%)である)を15〜80
    重量%の水溶液濃度にし、かつ水溶液のpHを3.5以下に
    して重合開始剤の存在下、100℃以下の温度で水性重合
    して固有粘度[η]が3.0〜15dl/gであるゲル状の共重
    合体を製造し、その共重合体を粗砕、乾燥、粉砕してカ
    チオン当量値CVが1.0〜4.0meq/g、アニオン当量値AV
    0.3〜2.0meq/g,CV/AVの比が1.5〜8.0の範囲にある粉体
    を得ることを特徴とする両性高分子凝集剤の製造方法。
JP61046769A 1986-03-04 1986-03-04 両性高分子凝集剤の製造方法 Expired - Fee Related JPH078893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61046769A JPH078893B2 (ja) 1986-03-04 1986-03-04 両性高分子凝集剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61046769A JPH078893B2 (ja) 1986-03-04 1986-03-04 両性高分子凝集剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62205112A JPS62205112A (ja) 1987-09-09
JPH078893B2 true JPH078893B2 (ja) 1995-02-01

Family

ID=12756533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61046769A Expired - Fee Related JPH078893B2 (ja) 1986-03-04 1986-03-04 両性高分子凝集剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH078893B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5252184A (en) * 1989-08-03 1993-10-12 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co., Ltd. Additive for production of paper
JPH09323100A (ja) * 1996-06-04 1997-12-16 Hymo Corp 汚泥脱水剤およびその用途
JP3606119B2 (ja) * 1999-07-19 2005-01-05 栗田工業株式会社 汚泥脱水方法
JP4661998B2 (ja) * 2000-04-24 2011-03-30 栗田工業株式会社 汚泥脱水方法
JP2001314900A (ja) * 2000-05-11 2001-11-13 Kurita Water Ind Ltd 汚泥脱水方法
WO2002100944A1 (en) 2001-06-11 2002-12-19 Hymo Corporation Amphoteric water-soluble polymer dispersion and use thereof
JP4161559B2 (ja) * 2001-10-11 2008-10-08 東亞合成株式会社 組成物、両性高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法
JP4175062B2 (ja) * 2001-09-04 2008-11-05 東亞合成株式会社 組成物、両性高分子凝集剤及びその用途
JP2005194651A (ja) * 2004-01-05 2005-07-21 Kurita Water Ind Ltd 紙および板紙の製造方法
JP5512068B2 (ja) * 2006-03-24 2014-06-04 三菱レイヨン株式会社 水処理方法
JP4946334B2 (ja) * 2006-10-11 2012-06-06 ダイヤニトリックス株式会社 粉末状両性系水溶性高分子化合物の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53149292A (en) * 1977-05-31 1978-12-26 Sumitomo Chem Co Ltd High-polymer ampholyte, its production and paper-strengthening agent and high-polymer coagulant containing the same as major ingredient
JPS58134107A (ja) * 1982-02-02 1983-08-10 Arakawa Chem Ind Co Ltd アクリルアミド系共重合体乾燥固体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62205112A (ja) 1987-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6294622B1 (en) Polymer flocculants with improved dewatering characteristics
AU592535B2 (en) Water soluble cationic polymer flocculating agent
JP3208473B2 (ja) 両性水溶性重合体分散液からなる処理剤
JPS62201915A (ja) 水溶性粉末状凝集剤及びこの凝集剤を使用する下水汚泥の脱水方法
WO2002100944A1 (en) Amphoteric water-soluble polymer dispersion and use thereof
JPH078893B2 (ja) 両性高分子凝集剤の製造方法
CA2880415A1 (en) New cationic polymers
JP2991611B2 (ja) 無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する汚泥の脱水方法
JP3247795B2 (ja) 両性高分子汚泥脱水剤及びこれを用いた汚泥脱水方法
JP4126931B2 (ja) 高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法
JP3712946B2 (ja) 両性水溶性高分子分散液
JP5649279B2 (ja) 下水消化汚泥の脱水方法
JP2013215708A (ja) 両性水溶性高分子凝集剤およびそれを用いる汚泥の脱水方法
JP2003164900A (ja) 製紙スラッジの脱水方法
JP5940881B2 (ja) 両性高分子凝集剤及びその製造方法並びにこれを用いる汚泥の脱水方法
WO2008047739A1 (fr) Procédé de déshydratation de boue d'égouts
JP4846617B2 (ja) 両性型高分子凝集剤およびこれを用いた汚泥処理方法
JP3651669B2 (ja) 両性水溶性高分子分散液
JP4206250B2 (ja) 汚泥の脱水方法
JPH0768313B2 (ja) ビニルアミン共重合体からなる凝集剤
JPH0118800B2 (ja)
JP3606119B2 (ja) 汚泥脱水方法
JPH07188332A (ja) ホフマン変性したアクリルアミド系重合体
JP3352835B2 (ja) 両性高分子凝集剤
JP2901683B2 (ja) 有機汚泥脱水剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees