JPH074193B2 - 高糖濃度調味料 - Google Patents

高糖濃度調味料

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JPH074193B2
JPH074193B2 JP29754686A JP29754686A JPH074193B2 JP H074193 B2 JPH074193 B2 JP H074193B2 JP 29754686 A JP29754686 A JP 29754686A JP 29754686 A JP29754686 A JP 29754686A JP H074193 B2 JPH074193 B2 JP H074193B2
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寳酒造株式会社中央研究所
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、風味成分が豊富で、更には、麹菌による麹臭
が弱く、非寒冷晶出性の高糖濃度調味料に関する。
〔従来の技術〕
従来の高糖濃度調味料としては、本みりん、発酵性調味
料及びみりん風調味料などがあり、家庭料理をはじめ、
食品加工業界においても広く利用されている。
本みりんは、焼酎又はアルコールを仕込みタンクに入
れ、これに麹と蒸もち米を混入しながら投入して仕込
み、糖化、熟成して作られるが、必要に応じて部分分解
でんぷんや酵素製剤を蒸もち米や麹の一部代替として使
用する場合もある。
通常これらを25〜35℃で仕込み、20〜30℃で1〜2ケ月
間糖化・熟成し、その工程中、酵素群の作用によるもち
米及び麹からの生成物、及び麹の代謝産物更にはこれら
の成分の非酵素的反応などによつて、みりん特有の香味
が形成される。
発酵性調味料は、米、麹及び糖質などを主原料として、
アルコール度数に応じた食塩を添加して発酵し、これに
糖、アミノ酸、変性アルコール、麹などを目的に応じて
添加し、熟成させたもので、アルコール発酵に伴う発酵
生産物による矯臭、脱臭作用、味なれ効果やアルコール
による味の浸透性、防腐効果を有する調味料である。発
酵性調味料は、みりんタイプを中心として、清酒タイ
プ、ワインタイプ、あるいは中国酒タイプなどがあり、
主として食品加工業界に広く使用されている。
また、みりん風調味料は、アルコール分1度未満のもの
で、清酒や発酵性調味料のようなアルコール発酵がな
く、本みりんのようなアルコール存在下における糖化・
熟成もほとんど行われず、麹の自己消化物や糖、アミノ
酸、有機酸及び香料などを混合して製造される。したが
つて、本みりん、発酵性調味料などの醸造調味料とは製
造方法や品質共に異なるもので、主に家庭用に使用され
ている。
このような高糖濃度調味料は、食品の多様化に伴い各種
機能の多様化に関する研究が鋭意なされているが、特に
これらの高糖濃度調味料を製造する際に用いられる麹菌
は、高糖濃度調味料の風味形成に大きく関与しているこ
とが知られており、これら調味料の品質を大きく左右す
るものである。したがつて、使用される麹用菌株につい
ては、アミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素力価を高く
したり、イソマルトース生産に関与するトランスグルコ
シダーゼ活性の強いもののスクリーニングや、多酸性の
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、以下、
A.ニガーと略記する)、アスペルギルス・ウサミ(Aspe
rgillus usamii、以下、A.ウサミと略記する)やアスペ
ルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii、以下、A.カ
ワチと略記する)などの麹菌の応用が幅広く研究されて
いる。しかしながら、高糖濃度調味料の製造において、
使用する麹の少なくとも一部にリゾーブス属麹を用いた
報告はない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
近年、食生活の向上に伴い、伝統的発酵食品であるしよ
うゆ、みそをはじめ、各種調味料の多様化が進んでい
る。高糖濃度調味料の1つであるみりんにおいても、通
常、みりんの洋風化をはじめ、多酸性麹を使用したみり
ん、発酵風味をもつみりん(貴醸みりん)、及び細胞融
合等により、特殊な機能をもつ麹菌を使用したみりんな
ど多種多様である。しかしながら、種々の食品に応じた
調味料の開発、あるいは新しい用途開発のためには、高
糖濃度調味料においても更に多様化が必要である。
一般に高糖濃度調味料は、グルコース濃度が高く、単調
でグルコースによるくどい甘味がある。このため、高糖
濃度調味料の使用分野は、和風料理が圧倒的に多く、洋
風嗜好の高まる中、洋風料理にも使用できる調味料の開
発が望まれてきたが、従来のみりんの甘味を1/2に抑え
た洋風みりんや、ワインタイプの発酵性調味料などがあ
るにすぎない。
また、高糖濃度調味料の風味形成に関与している麹につ
いても、従来使用されているアスペルギルス・オリーゼ
(Aspergillus oryzas、以下、A.オリーゼと略す)は、
麹菌特有の風味を有し、みりん、清酒などでは、いわゆ
る麹香としてその特徴を好まれる場合が多いが、給食世
代といわれる若年層には、洋風嗜好も多く、ハンバー
グ、ドレツシングなどの料理には、その麹香がマイナス
となる場合もあり、麹香の弱いものが望まれる。
更に、高糖濃度調味料は、グルコース濃度が高いため、
冬期気温の低下と共に、グルコースを主体とした白い結
晶が析出する、いわゆる寒冷晶出を起こすことがあり、
これは、高糖濃度調味料の商品価値を著しく低下させる
ものである。
したがつて、本発明の目的は、従来の高糖濃度調味料に
比べ、濃厚感があり、風味成分豊かな麹香の弱い、非寒
冷晶出性の高糖濃度調味料を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上述した問題点を解決するため、鋭意研
究を重ねた結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明を概説すれば、本発明は、麹用菌株の
少なくとも一部が、リゾープス属菌株である麹の自己消
化物、又は前記した麹若しくはその自己消化物を用いて
糖化若しくは糖化・熟成して得られる物、あるいはそれ
らの処理物を含有することを特徴とする、直糖濃度が10
%(W/W)以上である高糖濃度調味料に関する。
本発明者らはリゾープス・オリーゼ(Rhizopus oryza
e、以下、Rh.オリーゼと略記する)リゾープス・ジヤポ
ニクス(Rhizopus japonicus、以下Rh.ジヤポニクスと
略記する)、リゾープス・オリゴスポラス(Rhizopus o
ligosporus、以下、Rh.オリゴスポラスと略記する)、
リゾープス・デレマー(Rhizopus delemar)、リゾープ
ス・フオルモセンシス(Rhizopus formosaensis)、リ
ゾープス・キネンシス(Rhizopus chinensis)、リゾー
プス・ジヤバニクス(Rhizopus javanicus)などのリゾ
ープス属菌による麹を一部又は全部使用して糖濃度調味
料を製造することにより、濃厚感があり、甘味に幅のあ
る、コク味の強い、いわゆる麹香の弱い更には非寒冷晶
出性の特徴ある高糖濃度調味料が得られることを見出し
た。
また、リゾープス麹を一部代替する場合、A.オリーゼ以
外の麹、例えばA.ニガー、A.ウサミ、A.カワチ、アスペ
ルギルス・アワモリ(Aspergillus awamorii)などの多
酸性麹と併用してもよい。
例えば、蒸米にA.オリーゼ菌及びA.ニガー菌を30℃で48
時間培養した麹、また蒸米にRh.オリーゼ菌及びRh.ジヤ
ポニクス菌を30℃で7日間培養した麹を用いて甘酒試験
をした結果を表1に示した。
表1から明らかなように、A.オリーゼ麹に比較して、リ
ゾープス麹は、滴定酸度が高く、多酸性のA.ニガー麹よ
りも更に高かつた。また酸組成は、A.ニガー麹がクエン
酸が豊富なのに比して、A.オリーゼ麹及びリゾープス麹
は、乳酸が豊富であつた。従来の調味料の酸組成と同様
のもので、酸味を効かせるにはリゾープス麹を使用すれ
ばよく、また、クエン酸の味もとり入れたいときには、
リゾープス麹とA.ニガー麹などの多酸性麹と併用すれ
ば、酸味の強弱や酸組成のバランスを必要に応じて調整
することが可能である。
また、各種米麹の酵素活性を表2に示した。
表2から明らかなように、リゾープス麹は、A.オリーゼ
麹に比べ、α−アミラーゼは、約10分の1で活性が弱い
が、酸性プロテアーゼが約3倍強いことから、必要であ
れば、α−アミラーゼを市販酵素剤などで補強すること
により、風味が高く、味に幅のある調味料が得られるも
のと推定される。
更にこの表1、表2にあるRh.オリーゼ麹を使つてみり
んを製造し、5℃で1年間保存し、その寒冷晶出の経時
変化を表3に示した。
表3に示したように、A.オリーゼ麹では、保存3か月目
に寒冷晶出がわずかに認められ、6か月目にははつきり
と認められたが、Rh.オリーゼ麹では、1年間保存後
も、寒冷晶出は認められなかつた。
このように、リゾープス麹をみりんなどの高糖濃度調味
料に応用することにより、風味成分が豊富で、濃厚感が
あり、幅のある甘味を有した、麹香の弱い非寒冷晶出性
の調味料が得られることを見出した。
本発明でいうリゾープス麹とは、うるち米、小麦、大
麦、コーンなどの穀類や、大豆、脱脂大豆などの前類を
基質として加熱蒸煮処理した原料及び/又は無蒸煮原料
にリゾープス属麹菌を使用して製麹した麹をいう。
その製麹条件としては、25℃〜38℃で3〜10日間培養し
たものが望ましく、後記表4に示したように30℃で7日
間前後培養した麹が最も風味付与効果が大きい。
A.オリーゼ麹などのように通常の30℃、48時間程度の培
養では、やや香味成分が不足しており、また、10日間よ
り長く培養すると、菌糸が長くなり、胞子による着色が
強く、カビ臭が強く感じられ、調味料用麹としては適さ
ない。更に、25℃未満の温度で培養すると、麹菌の誘導
期が長くなり、雑菌による汚染を受けやすく、胞子着生
もはやいことから、あるいは38℃を超える温度では麹菌
の誘導期は短くなるものの、生育時の発熱によりムレが
起こり、香味が悪くなることなどから、培養温度は、25
〜38℃が望ましい。
更に麹の内訳としては、全量リゾープス麹を使用する
か、又は、従来のA.オリーゼなどの黄麹や、白麹、黒麹
などに一部代替して使用することも可能である。なお、
これらリゾープス麹以外の製麹条件は、従来公知の条件
でよい。更に基質としてはうるち米の外に、小麦、大
麦、コーンなどの穀類や、大豆、脱脂大豆などの豆類も
使用できる。
また、リゾープス麹を高糖濃度調味料の製造に直接使用
してもよく、あるいはまず、自己消化液を調製してから
添加してもよい。
以下、表4に各条件で培養したRh.オリーゼ麹の自己消
化液の成分分析値を示す。
リゾープス麹の自己消化液は上述の方法で製麹したリゾ
ープス麹に水を加え50〜60℃で5〜24時間消化したもの
であり、この消化液は、そのまま使用してもよく、また
過してその液を使用してもよい。
更に、リゾープス麹は、高糖濃度調味料の原料基質ので
んぷんを分解するのに必要なα−アミラーゼなどが弱い
場合があり、必要に応じて市販のα−アミラーゼ製剤を
補足してもよく、また必要があればプロテアーゼ製剤も
補足してもよい。
また、みりんや発酵性調味料などの高糖濃度調味料の製
造において、米、焼酎(又は、変性アルコール)、糖類
などの主原料以外にも、必要に応じて、食塩、有機酸、
グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸類、核酸系調味
料、及び香料などの調香味効果が認められる副原料を一
部添加してもよい。
また、本発明における糖化又は糖化・熟成に用いる原料
として、でんぷん質原料の(加塩)糖化発酵物、又はそ
れを固液分離して得られる液を使用してもよい(実施例
2参照)。
本発明において、前記した麹の自己消化物の処理物、あ
るいは糖化若しくは糖化・熟成して得られる物の処理物
における処理物とは、前記の物を単にろ過した物(前記
表4の説明参照)、搾汁を得、それを更に火入れ、おり
下げ、ろ過した物(実施例1及び2参照)等のように後
処理操作をして得られる物、あるいは、前記の物に、前
記した副原料、あるいは部分分解でんぷん、アルコール
等を添加して最終目的の高糖濃度調味料とした物(実施
例3及び4参照)を意味する。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明する
が、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。なお、使用量における表示でWは重量、Vは容量基
準である。
実施例1 80%精白のうるち米5kgを常法により洗米、浸漬、水切
り後、常圧で20分間蒸煮し、その蒸米6.4kgにA.オリー
ゼの胞子0.1%(w/w)を接種し、30℃で48時間培養して
麹5.8kgを得た。
また、80%精白のうるち米5kgを同様にして蒸煮し、Rh.
オリーゼの胞子を0.1%(w/w)接種し、30℃で7日間培
養して麹6.0kgを得た。
また、85%精白のもち米10kgを常法により洗米、浸漬、
水切り後、蒸煮圧力1.2kg/cm2で10分間加圧蒸煮し、蒸
もち米14.6kgを得た。
酵素製剤は、α−アミラーゼ製剤として枯草菌起源の長
瀬酵素剤S−400〔長瀬産業(株)製〕およびプロテア
ーゼ製剤として麹菌起源の長瀬酵素剤D−150〔長瀬産
業(株)製〕を使用した。
以上の原料とアルコール又は焼酎により、表−5に示す
配合で、醪中アルコール濃度が14%(v/v)になるよう
に仕込んだ醪を30℃で30日間糖化・熟成後、小型圧搾機
にて搾汁と粕とに分離した。更に搾汁を火入れ、おり下
げ、過して試作みりんを得た。
その成分分析値及び官能評価を表−6及び表−7に示
す。
表−7の官能評価結果より、得られた試作みりんは、従
来のみりんに比較し、濃厚感のある、幅のある甘味とさ
わやかな酸味をもつたコク味の強いものであつた。
実施例2 蒸うるち米380g、A.オリーゼ麹58g、水520ml、90%乳酸
1.5g、及び食塩45gを混合、かくはんしたものを醪とな
し、そこへ通常の清酒酵母を添加し、15℃で20日間発酵
させた。得られた発酵液に95%アルコール73mlを加え
て、圧搾し、粕65gを加塩発酵液950mlを得た。この加塩
発酵液を火入れし、供試加塩発酵液とした。この加塩発
酵液の成分分析値を表8に示した。
小麦粉に20%加水して、一軸エクストルーダー〔ベニー
ペレツター、日清製粉(株)製〕でα化したペレツトを
作り、これを基質としてA.オリーゼの胞子0.1%(w/w)
接種し、30℃で48時間培養してA.オリーゼ麹を得た。
A.オリーゼ麹と同様にして、処理した小麦粉に、Rh.オ
リーゼの胞子0.1%(w/w)接種し、30℃で7日間培養し
て、Rh.オリーゼ麹を得た。
蒸もち米は実施例1と同様に調製した。
部分分解でんぷんは、Bx75、D.E.35の部分分解でんぷん
〔日本コーンスターチ(株)製〕を使用した。
α−アミラーゼ製剤として枯草菌起源の長瀬酵素剤S−
400〔長瀬産業(株)製〕を使用した。
以上の原料により、表9に示す配合で仕込んだ醪を30℃
で20日間糖化・熟成後、小型圧搾機にて搾汁と粕とに分
離した。更に搾汁を火入れ、おり下げ、過して、試作
発酵性調味料を得た。その調味料の成分分析値及び官能
評価を表10及び表11に示した。
表11から明らかなようにRh.オリーゼ麹を使用した発酵
性調味料は、A.オリーゼ麹を使用したものに比べて、濃
厚感のある甘味とさわやかな酸味により味に幅があり、
また、非常に麹香の弱いものであつた。
実施例3 80%精白のうるち米1kgを常法により洗米、浸漬、水切
り後、常圧で20分間蒸煮し、その蒸米1.2kgにA.ニガー
の胞子0.1%(w/w)を接種し、30℃で48時間培養して麹
1.1kgを得た。
リゾープス麹は、実施例1で調製したものを使用した。
麹の自己消化液は、前述のA.ニガー麹300gに水1500ml加
えて55℃で17時間反応させた。また、リゾープス麹も同
様にして、自己消化液を得た。
部分分解でんぷんは、Bx75、D.E.35の部分分解でんぷん
〔日本コーンスターチ(株)製〕を使用した。
アミノ酸液は、R−アミノ酸液〔播州調味料(株)製〕
を使用した。
以上の原料を用いて表12に示す配合で混合し、充分にか
くはんしたのち、圧搾し、搾汁を火入れ、おり下げ、
過して、試作みりん風調味料を得た。その調味料の成分
分析値及び官能評価を表13及び表14に示した。
表14に示したように、得られた試作品1(A.ニガー麹使
用)は、A.ニガー麹独特の麹臭があり、甘味と酸味がバ
ラバラに感じられたのに比べて、試作品2(Rh.オリー
ゼ麹使用)は麹臭がほとんどなく、また、甘味と酸味が
うまく調和しており、また濃厚感のあるものであつた。
実施例4 大豆を洗浄し、一夜水に浸漬する。45〜60分間水煮して
除皮、洗浄、脱水した大豆にRh.オリゴスポラスの胞子
0.1%(w/w)を接種し、30℃で48時間培養して麹を得
た。
麹の自己消化液は、前述のRh.オリゴスポラス麹300gに
水1500ml加えて55℃で17時間反応した。この自己消化液
の成分分析値及び官能評価を表15に示す。
部分分解でんぷん、及びアミノ酸液は、実施例3と同じ
ものを使用した。
以上の原料を用いて、実施例3の配合(表12参照)にお
けるRh.オリーゼ麹の自己消化液を、Rh.オリゴスポラス
麹の自己消化液におきかえて、実施例3と同様の方法
で、試作みりん風調味料を得た。
得られたみりん風調味料は、実施例3で試作したRh.オ
リーゼ麹の自己消化液を使用したみりん風調味料とは、
ほとんど差がなかつた。また、A.オリーゼ麹の自己消化
液を使用したみりん風調味料と比較すると、Rh.オリゴ
スポラス麹を使用したみりん風調味料は、濃度感があ
り、甘味に幅があり、コク味が強かつた。
更に、香においても、A.ニガーのような、いわゆるカビ
臭さや、A.オリーゼのような麹香は感じられなかつた。
実施例5 実施例1で試作したみりん(仕込番号3)を用いて、菓
子パンを製造した。その配合及び官能評価の結果を表1
6、表17に示した。
表17に示したように本発明による試作みりんを使用した
菓子パンは、表面のテリ・ツヤが良く、またしつとりと
した歯ざわりがあり、室温で3日間放置したのちも、従
来みりんを使用したパンに比較して、パサつきが少な
く、保存性も良好であつた。
実施例6 実施例2で試作した発酵性調味料(仕込番号1と2)を
用いて表18に示す配合で常法によりハンバーグを作つ
た。
試作品1(A.オリーゼ麹)を添加したハンバーグに比べ
て、試作品2(Rh.オリーゼ麹)を添加したハンバーグ
は、表面のテリ・ツヤが良く、また、両者共牛ひき肉の
生臭さがマスキングされているものの、試作品1では麹
香が少し感じられ、洋風嗜好の多い若干層には、マイナ
ス要因となるが、試作品2のハンバーグでは、ほとんど
麹香が感じられず、良好であつた。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明したように、本発明の高糖濃度調味料
は、既存の高糖濃度調味料である、本みりん、発酵性調
味料、及びみりん風調味料とは品質的にはつきり区別が
でき、従来に比べ、甘味に幅があり、濃厚感のある風味
成分豊かな調味料である。また、麹菌による麹臭の弱
い、非寒冷晶出性の調味料である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】麹用菌株の少なくとも一部が、リゾープス
    属菌株である麹の自己消化物、又は前記した麹若しくは
    その自己消化物を用いて糖化若しくは糖化・熟成して得
    られる物、あるいはそれらの処理物を含有することを特
    徴とする、直糖濃度が10%(W/W)以上である高糖濃度
    調味料。
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