JP4682304B2 - 新規みりん類及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、コク、旨みに優れたみりん類及びその製造方法に関する。
みりんは、わが国の伝統的な醸造調味料であり、独特の調理効果がある。例えば、柔らかく切れのよい上品な甘味付け、隠し味の付与(旨みの増強)などのために幅広く使用されている。また、他の調理効果としては、好ましい香り付けや生臭みの消臭など嗅覚に対する効果や、アルコール(エタノール)による食材のテクスチャーの改良、煮崩れ防止、味の浸透性促進、エキス分の溶出防止、テリ・ツヤや焼き色の付与などが挙げられる。
従来のみりんは、米麹と蒸したもち米にアルコール溶液又は焼酎を混合し、麹由来の酵素により糖化・熟成後に圧搾して得られる。したがって、麹に含まれる液化酵素と糖化酵素により、澱粉質が加水分解されるため、みりん中での糖組成のうちグルコースが大半を占める。そのため、甘味が単調になり、コク、旨みに欠けるという欠点があった。
特公昭63−21468号公報には、トランスグルコシダーゼ、α−アミラーゼ及び酸性プロテアーゼを配合した酵素剤をそのまま添加若しくは米麹の一部或いは全部と置き換えて仕込むみりんの製造方法が記載されている(特許文献1)。トランスグルコシダーゼを使用することにより、みりん中の全糖類に占めるグルコースの割合を低くしたものである。
特開2001−252039公報には、もち米又は粳米を液化型アミラーゼ溶液で高温液化した後、米麹及びアルコールを添加し、直ちに圧搾することにより、糖化工程を経ることなくエキス分が高く、かつグルコース濃度の極めて低いみりん様のアルコール含有調味料の製造方法が記載されている(特許文献2)。甘みが少なく、かつみりん様のアルコール含有調味料を得ている。
このように、みりんやアルコール含有調味料中の全糖類に占めるグルコースの割合を下げる試みは行われているものの、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪とを混合した後、圧搾して精製することにより得られるコク、旨みに優れたみりん類を製造する方法については検討がなされていない。
特公昭63−21468号公報 特開2001−252039公報
本発明の目的は、工程が制御しやすく、より短い期間で製造することのできる、コク、旨みに優れたみりん類及びその製造方法を提供することにある。
本発明を概説すれば、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪とを混合した後、圧搾して精製する工程を包含することを特徴とする、みりん又は発酵調味料中のG1(グルコース)からG7(7糖類)の合計に対するオリゴ糖の割合が、30〜90%(w/w)である新規みりん又は発酵調味料の製造方法に関する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪とを最適な条件で混合した後、圧搾して精製することにより、従来のみりんとは異なる風味を持つ、コク、旨みに優れたみりん又は発酵調味料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明では、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪とを混合した後、圧搾して精製することにより、みりん又は発酵調味料中のG1(グルコース)からG7(7糖類)の合計に占めるグルコースの割合を低くすることができ、窒素成分を豊富に含んだ、従来のみりんとは異なる新しい風味を持つ、コク、旨みに優れたみりん又は発酵調味料を提供することができる。
また、工程が制御しやすく、より短い期間で製造することのできる、コク、旨みに優れたみりん又は発酵調味料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のみりん類は、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪(以下、米麹醪と略記する)と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪(以下、掛米醪と略記する)とを混合した後、圧搾して精製することにより得られる新規みりん類である。本発明のみりん類には、みりん、発酵調味料が含まれる。みりんとは、酒税法でいうみりんであればよい。また、その製造方法は酒税法に則ったみりんの製造方法であれば特に限定はない。例えば、一般的なみりんの製造方法は、搗精、洗米などの原料処理を行い、麹などを添加して仕込醪となし、糖化・熟成する。糖化・熟成を終えた醪は圧搾機で上槽して搾汁液と粕に分離する。得られた搾汁液は精製工程で火入れし、滓下げして清澄な製品みりんとなる。ここでいう原料処理には、精白、洗米、浸漬、水切り、蒸煮、放冷の工程があるが、更に掛原料の液化及び/又は糖化工程も含んでいる。原料は米、米麹、醸造用アルコール又は焼酎以外に、デンプン部分加水分解物を使用してもよい。また、必要に応じて酵素製剤を掛原料の処理の液化及び/又は糖化工程並びに醪へ添加してもよい。発酵調味料とは、酒類の不可飲処置による免税措置に基づいて食塩を添加して発酵・熟成することを基本とし、これに糖質原料、麹、変性アルコールなど目的に応じた副原料を添加して製造する。例えば、一般的なみりんタイプの発酵調味料の製造方法は、掛原料、麹、酵母を添加して醪とし、食塩を添加して糖化・発酵を行い、更に米麹、糖質原料を添加して熟成させ、圧搾ろ過して搾汁液と粕を得る。この搾汁液、又は搾汁液を精製して発酵調味料を得る。
本発明に用いるエタノール溶液には、一般に、常用のエタノール溶液、及び醸造用アルコールがあるが、焼酎であってもよい。焼酎は、酒税法でいう焼酎であればよい。
本発明に用いる米麹は、粳米又はもち米に麹菌を繁殖させたものであればよい。麹菌としては、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)が好適な例として挙げられる。
本発明に用いる掛米は、粳米又はもち米であり、他の澱粉類、糖類、蛋白質加水分解物等を混合して使用することもできる。
本発明に用いる酵素剤は、エンド型加水分解酵素が好ましく、例えばα−アミラーゼ製剤等が挙げられる。また、呈味性を有するアミノ酸を増加させるために酸性プロテアーゼを併用することもできる。
米麹の糖化・熟成は、従来のみりん醸造と同様に25〜35℃で、数日から30日間程度行えばよい。期間短縮のために、より高温、例えば50〜55℃で糖化・熟成を行うことも可能である。米麹醪には、米麹の自己消化物も含まれる。
製造期間の短縮を目的に行う場合は、より高い温度で糖化・熟成させればよく、風味の変化や呈味成分の増加を目的に行う場合は、長い期間糖化・熟成させればよい。
掛米は、酵素剤が作用しやすいように適宜原料処理を行うことが望ましい。例えば、もち米を精白、洗米、浸漬、水切り、蒸煮、放冷後に、エタノール溶液、酵素剤を含有させ、糖化・熟成を行う。糖化・熟成は、25〜35℃で、数日から30日間程度行えばよい。酵素剤の添加量、種類は、糖化・熟成期間や目標とする糖組成、アミノ酸含量などによって適宜調整することができる。
このように、別々に得られた米麹醪と掛米醪とを混合した後、圧搾し、搾汁液と粕とに分離する。得られた搾汁液は、火入れし、滓下げ、精製ろ過を行い、目的とする新規みりん類を得る。米麹醪と掛米醪とを混合した後、すぐに圧搾してもよいし、数日間置いておいた後に圧搾してもよい。なお、米麹醪と掛米醪の糖化・熟成期間は必ずしも同じにする必要はなく任意であり、得ようとするみりん類の酒質に応じて適宜選択することができる。
各醪を混合するに際し、熟成温度や期間によって、混合する割合を適宜調整することができる。例えば、30℃で30日間糖化・熟成させた場合は、米麹醪の全体に対する割合を5〜25%となるように混合することが好ましい。より好ましくは、米麹醪の全体に対する割合を5〜15%となるように混合すればよい。米麹醪を含まないと、麹由来の風味が足りず、みりんらしさを損うものとなり、米麹醪が多すぎると、グルコースの割合が増し、麹の香りが勝ちすぎるものとなる。また、30℃で7日間糖化・熟成させた場合には、米麹醪の全体に対する割合を5〜50%となるように混合することが好ましい。より好ましくは、米麹醪の全体に対する割合を10〜45%となるように混合すればよい。米麹醪を含まないと、麹由来の風味が足りず、みりんらしさを損うものとなり、米麹醪が多すぎるとグルコースの割合が増したものとなる。
なお、本発明では、米麹醪及び掛米醪の全体に対する混合割合の表記は、%(w/w)であるが、すべて%としている。
本発明でいうオリゴ糖とは、グルコース(G1)を除く2糖類(G2)〜7糖類(G7)のことをいう。
本発明では、米麹醪と掛米醪とを最適な条件で混合した後、圧搾して精製することにより、みりん類中の全糖類に対するオリゴ糖の割合を30〜90%(w/w)とすることが可能となり、従来のみりんとは異なる風味を持つ、コク、旨みに優れたみりん類が得られる。なお、本発明では、みりん類中の全糖類に対するオリゴ糖の割合の表記は、以後%(w/w)を%とする。
みりん類中の全糖類に対するオリゴ糖の割合が30%未満であると、グルコースの割合が増し、甘味の強いものとなる。みりん類中の全糖類に対するオリゴ糖の割合が90%超であると、甘味が弱く、また、麹の香りが少なく、旨みに欠けるものとなる。
なお、本発明において、みりん類中の全糖類に対するオリゴ糖の割合を算出する場合には、全糖類としてG1からG7の合計を用いて行っている。
本発明の新規みりん類は、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪を混合した後、圧搾して精製することにより、コク、旨みに優れたみりん類である。また、本発明の製造方法を用いることにより、より短い製造期間でみりん類を製造することができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
粳米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、放冷後麹菌を繁殖させて得られる米麹に、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、米麹醪とした。一方で、もち米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、α−アミラーゼ製剤0.5g、酸性プロテアーゼ製剤0.35g、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、掛米醪とした。各醪は、30℃で30日間糖化・熟成を行った。このようにして得られた米麹醪と掛米醪とを、種々の割合で混合した後、圧搾して精製し、混合みりんを得た。
各種割合で混合した混合みりんについて、官能評価試験を行った。結果を表1に示す。
評価は、◎:非常によい、○:よい、×:悪いの3段階で行った。なお、表中の数字は、合計を100%とした場合の割合を表している。
Figure 0004682304
表1の結果より、米麹醪の全体に対する割合が5〜15%のときには、従来のみりんに近い香りを持ち、コク、旨みを有するとの評価を得た。また、米麹醪の全体に対する割合が20%、25%のときには、麹の香りが豊富で、コクがあり、新たな風味を有するが、従来のみりんとはやや異なるとの評価を得た。更に、米麹醪の全体に対する割合が30%のときには、麹の香りが強く、従来のみりんとは風味が異なるとの評価を得た。米麹醪の全体に対する割合が40%、50%のときには、麹の香りが強く、従来のみりんとは風味が大きく異なるとの評価を得た。○以上の評価において、従来のみりんと同様に使用でき、かつコクを増し、新たな風味を有する新規みりん類であった。
粳米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、放冷後麹菌を繁殖させて得られる米麹に、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、米麹醪とした。一方で、もち米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、α−アミラーゼ製剤0.5g、酸性プロテアーゼ製剤0.35g、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、掛米醪とした。各醪は、30℃で7日間糖化・熟成を行った。このようにして得られた米麹醪と掛米醪とを、種々の割合で混合した後、圧搾して精製し、混合みりんを得た。
各種割合で混合した混合みりんについて、官能評価試験を行った。結果を表2に示す。
評価は、◎:非常によい、○:よい、×:悪いの3段階で行った。なお、表中の数字は、合計を100%とした場合の割合を表している。
Figure 0004682304
表2の結果より、米麹醪の全体に対する割合が5〜50%のときには、従来のみりんに近い香りを持ち、コク、旨みを有するとの評価を得た。○以上の評価において、従来のみりんと同様に使用でき、かつコクを増し、新たな風味を有する新規みりん類であった。
粳米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、放冷後麹菌を繁殖させて得られる米麹に、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、米麹醪とした。一方で、もち米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、α−アミラーゼ製剤0.5g、酸性プロテアーゼ製剤0.35g、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、掛米醪とした。各醪は、30℃で30日間糖化・熟成を行った。このようにして得られた米麹醪と掛米醪とを、1:9、すなわち、全体に対する割合が10%と90%となるように混合した後、圧搾して精製し、本発明1のみりんを得た。
対照として、粳米85gを用いて常法により製麹して得られる米麹、もち米765gを用いて常法により調製した掛米、95v/v%エタノール、水を適当量加え、総量を1,500mlの醪とし、30℃で30日間糖化・熟成を行い、醪を圧搾して精製し、比較例1のみりんを得た。
本発明1と比較例1について一般分析及び糖組成分析を行った。結果を表3及び表4に示す。
Figure 0004682304
表中のmg%及びg%は、それぞれmg%(w/v)及びg%(w/v)を表す。
Figure 0004682304
表3より、比較例1に比べ、本発明1は酸度、フォルモール態窒素、全窒素が約2倍に増加していた。また、全糖は比較例1とほぼ同程度であったが、直糖は低かった。
表4より、比較例1ではグルコース(G1)が8割以上を占めるのに対し、本発明1ではグルコースが4割以下まで減少していた。
本発明1及び比較例1について官能評価試験を行った。評価は、3点識別法により8名のパネラーで2組のサンプルについて行った。
16回の判定回数のうち正解数が15であったので、本発明1のみりんは、0.1%の危険率で有意差ありと判定された。その評価内容は、従来のみりんである比較例1に比べ、コク、旨みが増し、新たな風味を有するものであった。
本発明1のみりん及び比較例1のみりんを用いて、鰆の照焼きを調理し官能評価試験を行った。みりん70ml、醤油50mlを配合したつけ汁へ、鰆4切れを15〜20分漬け込み、下味がついた鰆を軽く焼き、つけ汁をつけて再び焼き、つけ汁をつけて焼く操作を数回繰返し、鰆の照焼きを調理した。結果を表5に示す。
Figure 0004682304
本発明1のみりんを使用した鰆の照焼きは、コクと味に深みがあり、甘さ控えめで、てりつやがあるとの評価を得た。
粳米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、放冷後麹菌を繁殖させて得られる米麹に、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、米麹醪とした。一方で、もち米850gを常法により洗米、浸漬、蒸きょうし、α−アミラーゼ製剤0.5g、酸性プロテアーゼ製剤0.35g、95v/v%エタノールを240ml、水を適当量加え、総量を1,500mlとし、掛米醪とした。各醪は、30℃で7日間糖化・熟成を行った。このようにして得られた米麹醪と掛米醪とを、種々の割合で混合した後、圧搾して精製し、混合みりんを得た。このようにして得られた米麹醪と掛米醪とを、1:9、すなわち、全体に対する割合が10%と90%となるように混合した後、圧搾して精製し、本発明2のみりんを得た。
本発明2と比較例1について一般分析及び糖組成分析を行った。結果を表6及び表7に示す。
Figure 0004682304
表中のmg%及びg%は、それぞれmg%(w/v)及びg%(w/v)を表す。
Figure 0004682304
表6より、比較例1に比べ、本発明2は、7日間の糖化・熟成にもかかわらず、比較例1と同程度の酸度、窒素成分であった。また、全糖は比較例1とほぼ同程度であったが、直糖は低かった。
表7より、比較例1はグルコース(G1)が8割以上を占めるのに対し、本発明2ではグルコースが2割以下まで減少しており、2糖類(G2)、3糖類(G3)が多くを占めていた。
本発明2及び比較例1について官能評価試験を行った。評価は、3点識別法により8名のパネラーで2組のサンプルについて行った。
16回の判定回数のうち正解数が13であったので、本発明2のみりんは、0.1%の危険率で有意差ありと判定された。その評価内容は、従来のみりんである比較例1に比べ、従来のみりんに近い風味を持ち、コク、旨みを有し、甘味が控えめなものであった。
本発明2のみりん及び比較例1のみりんを用いて、高野豆腐の煮物を調理し官能評価試験を行った。高野豆腐の煮物は、湯戻しした高野豆腐3個を4つに切り、鍋にだし汁2カップ、みりん60ml、醤油30ml、塩小さじ1を配合した煮汁を煮立てて、そこに高野豆腐を入れ、落し蓋をして弱火で煮て調理した。結果を表8に示す。
Figure 0004682304
本発明2のみりんを使用した高野豆腐は、穏やかな甘味を持ち、コクがあり、また、味に深みがあるとの評価を得た。
本発明によって、みりん中の全糖類に占めるグルコースの割合を低くすることができ、窒素成分を豊富に含み、従来のみりんとは異なる新しい風味を持つ、コク、旨みに優れたみりん類を提供することができる。
また、本発明の製造方法を用いることにより、工程が制御しやすく、より短い期間で、みりん類を製造することができる。工業的規模で効率化を図ることができるので、本発明は有用である。

Claims (1)

  1. みりん又は発酵調味料を製造する方法において、米麹を原料としてエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪と、掛米を原料として酵素剤を含有させたエタノール溶液中で糖化・熟成させた醪とを混合した後、圧搾して精製する工程を包含することを特徴とする、みりん又は発酵調味料中のG1(グルコース)からG7(7糖類)の合計に対するオリゴ糖の割合が、30〜90%(w/w)である新規みりん又は発酵調味料の製造方法。
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