JP2989216B2 - 付香味色剤、その製造法およびそれを使用してなる酒類または調味料の製造法 - Google Patents

付香味色剤、その製造法およびそれを使用してなる酒類または調味料の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、従来の飲食品には見られない付香味色剤、
その製造法およびそれを使用してなる独特な香味と色に
特徴のある酒類または調味料の製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来より清酒、焼酎、みりんなどの酒類は、米などの
原料の精白、洗米、浸漬および蒸煮からなる原料処理し
た後、製麹し、発酵工程を経て製造され、製品として広
く提供されている。しかしながら、近年製品の多様化が
進み、これら清酒、焼酎、みりんなどに関して原料の一
部を新たな構成要件となすことにより、独特な香味を有
する製品が望まれていた。
従来、米などの原料を焙炒処理することにより原料由
来の焙炒香が加味された酒類の製造法としては、 含水アルコールを用いて焙煎した玄米からエキス分を
抽出し、この抽出液を適宜希釈して琥珀色の透明な玄米
酒を製造する方法(特公平1−34595号)が挙げられ
る。上記の玄米を焙煎する目的は、メイラード反応(ア
ミノカルボニル反応)による香味および着色を製品に特
徴づけようとするものであり、醸造による酒類とは趣を
異にする玄米酒を製造するためである。また、 米または米粉を加圧下に乾熱した後、大気圧下に放出
することによりα化した膨化米または米粉を原料とする
香ばしい香のある清酒を製造する方法(特開昭58−4377
9号)が挙げられる。上記の米または米粉を乾熱する目
的は、製品に香ばしい香りを付与すると共に、米粉をα
化するためである。また、 焼酎の製造において、麦などの原料穀物を焙燥処理し
た後、仕込むことからなる焼酎の製造法(特開昭59−22
7292号)が挙げられる。上記の麦などの原料穀物を焙燥
処理する目的は、澱粉のα化を促進させるためと、メイ
ラード反応により製品の風味を加味するためである。ま
た、 麹を用いる酒類の製造法において、米などの原料穀物
を焙炒処理し、これを酒類製造の原料として使用するこ
とにより原料由来の焙炒香が加味された酒類を製造する
方法(特開平2−79965号)が挙げられる。上記の米な
どの原料穀物を焙炒処理する目的は、製品の原料由来の
焙炒香を付与するためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の通り、麹を用いる清酒、焼酎、みりんなどの酒
類の製造法において、製品に焙炒香を付与するために
は、専ら米、麦などの原料穀物を焙炒し、焙炒した原料
穀物を酒類の原料として用いていた。
本発明者らは、上記の製造法にとらわれることなく、
独特な香味および色に特徴のある酒類または調味料の製
造について種々研究を続けた結果、先ず、常法により米
を原料処理した後、製麹し、この米麹を焙炒処理した焙
炒麹が、麹を使用する酒類または発酵調味料の製造にお
いて、極めて良好な付香味剤の有効成分として使用し
得、これを用いて製造した酒類または調味料が、従来の
酒類または調味料に見られない独特な香味および色に特
徴のある酒類または調味料であることを知った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであ
る。
すなわち、本発明は米麹を焙炒処理して得た焙炒麹ま
たはその含水エタノール抽出処理液を有効分とする酒類
・調味料付香味色剤を提供するものである。
また、本発明は米麹を焙炒処理することを特徴とする
焙炒麹またはその含水エタノール抽出処理液を有効成分
とする酒類・調味料用付香味色剤の製造法を提供するこ
とにある。
さらに、本発明は麹を使用する酒類または調味料の製
造法において、米麹を焙炒処理して得た焙炒麹またはそ
の含水エタノール抽出処理液を有効成分とする酒類・調
味料用付香味色剤を使用することからなる香味および色
に特徴のある酒類または調味料の製造法を提供すること
にある。
本発明の目的とするところは、米麹を焙炒処理して得
た焙炒麹を、従来の麹を使用する酒類または調味料の製
造において、付着味色剤の有効成分の供給源として使用
することにより、従来の酒類または調味料に見られない
独特な香味および色を付与する付香味色剤、その製造法
および付香味色剤を使用する独特な香味および色に特徴
のある酒類または調味料の製造法を提供することにあ
る。
本発明でいう酒類または調味料とは、麹を使用して製
造する酒類または発酵調味料を意味し、例えば、酒類と
しては、清酒、合成清酒、みりん、リキュール、雑酒な
どが挙げられる。発酵調味料としては、1%以上のアル
コールを含有するものであってもよく、実質的にアルコ
ールを含有しないものであってもよい。アルコールを含
有する発酵調味料の例としては、みりんタイプの発酵調
味料、清酒タイプの発酵調味料が挙げられる。
本発明でいう酒類・調味料用付香味色剤(以下単に
「付香味色剤」ということがある)とは、酒類または調
味料の製造に用いられるものであり、製品に香り、味お
よび色を付与するものをいう。
米麹を付香味色剤の有効成分の供給源として使用する
場合には、すなわち、本発明の付香味色剤を製造するに
は、該米麹を焙炒処理することにより行われる。
付香味色剤の製造に用いられる米麹は、適宜市販の白
米および麹菌を用いて常法に従って調製すればよく、予
め適宜乾燥されたものを使用するのが好ましい。乾燥条
件としては、出来得れば、水分含量10%またはそれ以下
に乾燥されたものが望ましい。
上記の焙炒処理は、約150〜200℃で約30分〜3時間の
条件下で行われる。焙炒処理方法としては通風乾熱機、
焙炒機で焙炒する方法、遠赤外線を利用して焙炒する方
法、鉄板上で焙炒する方法などが挙げられる。通常は、
通風乾熱機、焙炒機で焙炒する場合には、焙炒温度が15
0℃である時には、1.5〜2時間程度でよく、焙炒温度が
150℃より高くなるに従い、焙炒時間は短くしてもよ
い。
米麹中には澱粉質、蛋白質や麹菌の作用により生成さ
れたアルコール類、グルコース、マルトースなどの糖
類、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸類、アミノ
酸類、その他の有機物質など多種多様な成分が存在する
ため、これらが上記の焙炒処理により異なった多種多様
の成分に変化するため、得られた焙炒麹は独特な香味お
よび色を有する。例えば、糖類はカラメル化を生じて着
色すると共に、特有の苦み、渋味、甘味を有したり、あ
るいはアミノ酸とのアミノカルボニル反応などにより焙
炒香やまろやまな苦みを伴う複雑な香味および色を有す
る。色としては、焙炒処理条件により左右されるが、通
常は含水エタノールで抽出処理した場合の色は赤褐色な
いしそれに近い色を呈し、従来の酒類または調味料には
見られない独特な香味および色に特徴を有する付香味色
剤として使用される。
このようにして得られた焙炒麹は、麹を使用する酒類
または調味料の製造において、付香味色剤の有効成分と
して使用されるが、その含水エタノール抽出処理液(以
下、単に「調味アルコール」と称することがある)の形
態でも使用できる。
上記の調味アルコールは、焙炒麹を約20〜59.5%のア
ルコール濃度の含水エタノールで抽出処理すればよい。
含水エタノールの使用比率は特に限定されるものではな
いが、例えば、焙炒麹に対し2〜10倍程度使用すればよ
い。上記の調味アルコールの調製に際しては、粉飴、砂
糖、グルコールなどの甘味料、乳酸、コハク酸、リンゴ
酸、クエン酸などの酸味料、アミノ酸(グルタミン酸ナ
トリムウなど)、核酸(アデニル酸、イノシン酸な
ど)、無機塩などの調味料を添加して味を調整してもよ
い。上記の抽出処理は、通常、1〜7日位放置して所望
の色調となった時点で濾過し、濾液を調味アルコールと
して使用すればよい。
このようにして得られた焙炒麹および調味アルコール
は本発明の付香味色剤の有効成分として各々単独にある
いは併用して使用される。
次に、付香味色剤を使用する本発明の酒類および調味
料の製造について説明する。
清酒の製造は、通常は、白米を洗米、水切、蒸煮、冷
却した蒸米と常法通り白米を製麹した米麹と汲水と共に
仕込に供し、順次、蒸米および米麹を加え、最終仕込
後、14〜20日間程度の発酵経過を取る。
上記の焙炒麹はそのままの形態で上記の仕込の際か、
発酵中か、あるいは発酵終了時に添加してもよい。焙炒
麹の添加量は特に限定されるものではないが、通常は、
最終生成酒量の2〜15%程度である。調味アルコールは
発酵終了時に添加するのが好ましい。調味アルコールの
添加量は特に限定されないが、通常は最終生成酒のアル
コール濃度を考慮して適宜決定すればよい。
上記の方法により製造された清酒は独特な香味および
色に特徴のある清酒であって、従来の製造法により得ら
れる清酒と調合してもよい。
このようにして得られた清酒は、渋味、苦みおよび芳
醇な味、麹ばなおよび香ばしい香りを有すると共に、赤
褐色ないしそれに近い色を呈し、透明度のある清酒であ
る。
本発明の香味および色に特徴のある清酒は、非常に嗜
好性に富む香気があると共にまろやかな苦みを有し、紹
興酒と類似した赤褐色ないしそれに近い色を呈している
ため、中華料理などの油濃い料理の食中酒として適して
いるので、紹興酒などの老酒の代わりに飲む酒として有
用である。
次に、みりんの製造について述べる。
従来のみりんは、通常は米麹、蒸米および原料アルコ
ール(含水エタノール)または焼酎を仕込み、糖化発酵
を行わせることにより製造されたものである。
本発明によるみりんの製造においては、上記の原料の
他に焙炒麹および/または調味アルコールを添加使用す
ることにより独特な香味および色に特徴のあるみりんが
得られる。
このようにして製造されたみりんは、従来のみりんと
比較すると、香ばしい焙炒香を有し、味はやや濃く、色
は光沢のある赤褐色ないしそれに近い色であって、従来
のみりんとは明らかな差が見られる。また料理に使用す
ることにより、生臭み消しには有効で、焼き色を鮮やか
にすると共に、ほどよい照りおよび艶が増強される。
次に、リキュールの製造について述べる。
従来のリキュールは、通常、植物などを原料アルコー
ルで抽出した抽出物を種々の酸味料、甘味料、香料など
を添加、調製して製造されたものである。
本発明によるリキュールの製造においては、前記の付
香味色剤を適宜これに粉飴、砂糖、グルコースなどの甘
味料、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸などの酸味
料、アミノ酸(グルタミン酸ナトリウムなど)、核酸
(アデニル酸、イノシン酸など)、無機塩などの調味料
を添加して味を調整し、通常、1〜7日位放置して所望
の色調となった時点で濾過することにより独特な香味お
よび色に特徴のあるリキュールが得られる。
次に、合成清酒の製造について述べる。
従来の合成清酒は、香味液(従来の方法で製造された
清酒)に原料アルコール、酸味料、甘味料および調味料
を添加して製造されたものである。
本発明による合成清酒の製造においては、上記の香味
液として、付香味色剤をそのまま使用するか、または従
来の清酒の代わりに本発明で得られる香味および色に特
徴のある清酒を使用することにより独特の香味および色
に特徴のある合成清酒が得られる。
次に、発酵調味料の製造について述べる。
従来のアルコール含有発酵調味料は多種多様であり、
製品により原料が異なるが、一般的には、米、小麦、と
うもろこしなどの澱粉や、水飴、ブドウ糖などの糖質が
主原料として用いられる。発酵時に食塩を添加して発酵
液を製造し、これに糖質原料、アミノ酸、有機酸、米
麹、原料アルコールなどを用途目的に応じて使用し、製
造するが、一般的には、みりんタイプと清酒タイプがあ
る。清酒タイプの発酵調味料は、通常、従来の清酒の製
造と同様にして製造されるが、酒税法でいう酒類と区別
するために、2%以上の食塩が添加されたものとして製
造される。
本発明による発酵調味料の製造においては、付香味色
剤をそのまま使用するか、または従来の清酒の代わりに
独特な香味および色に特徴のある清酒を使用することに
より独特な香味および色に特徴のある発酵調味料が得ら
れる。
このようにして得られた発酵調味料は、渋味、苦みお
よび芳醇な味、麹ばなおよび香ばしい香りを有し、赤褐
色ないしそれに近い色を呈する発酵調味料である。この
発酵調味料は、非常に嗜好性に富む香気があると共にま
ろやかな苦みを有しているため、醤油、その他の種々の
調味料と調合することにより、焼肉などのたれとして有
用な調味料を調製することができる。
〔発明の効果〕
本発明は、米麹を焙炒処理することにより得られた焙
炒麹またはその含水エタノール抽出処理液を付香味色剤
として提供でき、且つ、これを有効成分の供給源として
使用することにより、従来の酒類または調味料には見ら
れない独特な香味および色に特徴のある酒類または調味
料を製造する方法を提供することができる。
〔実施例〕
次に、実施例および比較例を挙げて本発明について具
体的に説明するが、これにより本発明を限定するもので
はない。
実施例 1 焙炒麹の製造 精白歩合75%白米を常法通り製麹して得た米麹を通風
乾燥により水分含量10%にまで乾燥した後、焙炒機に入
れ、150℃で2時間焙炒し、茶褐色の色調を得た時に急
冷した。得られた焙炒麹は渋味および苦みを有するが、
糖分がカラメル化して甘味があり、麹自体の酵素力はな
いが、快い焙炒香気を有する。20%エタノールに本焙炒
麹を10%加え、1日放置後、その溶液の430nmおよび530
nmにおける吸光度(10mmセル)を測定した結果、各々0.
85および0.2であった。また、40%エタノールに本焙炒
麹10%加えた場合の吸光度は、各々2.01および0.4であ
り、その色は赤褐色を呈していた。
実施例 2 焙炒麹の製造 実施例1において、150℃で2時間焙炒処理する代わ
りに200℃で30分間焙炒処理して焙炒麹を得た。この焙
炒麹の香味および色ならびに吸光度は実施例1の焙炒麹
と殆ど変わりはなかった。
実施例 3 調味アルコールの調製 仕込容器に30%エタノール1920mと水470mを加
え、これに実施例1で得た焙炒麹500gを加えた。これに
酸味料(乳酸1g)および甘味料(粉飴6g)を加えて味を
整えた。焙炒麹を加えてから3日間静置し、布で荒濾過
して液状部を調味アルコールとした。
本調味アルコールは濃赤褐色を呈し、渋味、苦みおよ
び甘味を有すると共に、快い焙炒香気を有する。本調味
アルコールを水で10倍希釈した時の430nmにおける吸光
度(10mmセル)は0.7であった。
実施例 4 焙炒麹を用いた清酒の製造 精白歩合75%白米を洗米、浸漬、水切、蒸煮および冷
却後、同工程を経て製麹した米麹と共に仕込に供する。
仕込は三段仕込法で行い、その仕込配合は第1表、仕込
Aに示す。
一次仕込は先ず、所定量の汲水を仕込容器に採り、こ
れに一次仕込の汲水量当り75%乳酸0.3〜0.5m/100m
および清酒酵母を汲水量1m当り1〜9×107細胞添加
し、次に米麹を添加し、その数時間後に実施例1で得た
焙炒麹および蒸米を添加した。二次仕込は一次仕込の2
日後に行い、汲水および米麹を加え、さらに焙炒麹およ
び蒸米を加えた。三次仕込は二次仕込の翌日に汲水およ
び米麹を加え、さらに焙炒麹および蒸米を加えて仕込を
終了した。一次仕込17℃、二次仕込8℃、三次仕込7℃
とし、仕込温度は三次仕込後、1日毎に1〜2℃昇温し
て最高17℃として発酵させ、三次仕込後14〜20日目に上
槽した。液状部分(生成酒)と固形部分(主に粕)に分
離し、液状部分は国税庁所定分析法による試験に供し
た。分析結果は第2表、仕込Aに示す通りである。
本生成酒と比較例1で得た生成酒とは、香味の点にお
いても、色の点においても、明らかに異質の酒であっ
た。
比較例 1 焙炒米を用いた清酒の製造 実施例4において、白米を予め250℃で1分間焙炒処
理したものを使用し、本発明の焙炒麹を添加せずに清酒
を製造した。その結果、得られた生成酒は黄金色で、か
すかな焙炒香を有していたが、分析結果では従来の製造
法で得られた清酒と殆ど香味的には変わりなく、吸光度
(430nm、10mm)は0.02であった。
実施例 5 焙炒麹を用いた清酒の製造 仕込配合は第1表、仕込Bに示す。焙炒麹は実施例1
で得たものを用いた。仕込は四段仕込法により行った。
蒸米は精米歩合75%白米を用いた。仕込は焙炒麹の色を
除いて三次仕込まで実施例1と同様に行い、同様の発酵
経過を取り、三次仕込後14〜20日目に醪の一部を汲み出
し、それに焙炒麹を加えて24時間静置し、焙炒麹を浸出
させ、布で荒濾過して粕を分離し、液の部分は元の醪に
加えた後、実施例1と同様の処理を行った。焙炒麹は醪
の一部を汲み出さずに直接加えてもよい。液状部分(生
成酒)の分析結果は、第2表、仕込Bに示す。
実施例 6 調味アルコールを用いた清酒の製造 仕込配合は第1表、仕込Cに示す。仕込は三倍増醸法
により行った。蒸米は精米歩合75%白米を用いた。仕込
は焙炒麹を除いて三次仕込まで実施例4と同様に行い、
同様の発酵経過を取り、三次仕込後14〜20日目に実施例
3で得た調味アルコールを加えて上槽した。液状部分
(生成酒)の分析結果は、第2表、仕込Cに示す。
実施例 7 製品(調合酒)の製造 実施例4で得た生成酒と実施例4において焙炒麹を添
加せずに製造した原酒(従来の製造法による清酒の原
酒)を調合し、オリ下げ、精製濾過処理し、加水して商
品として成分を調整し、瓶詰して製品とした。
本製品は、渋味、苦みおよび芳醇な味、麹ばな、糖臭
および香ばしい香り、並びに赤褐色で透明度があり光沢
のある色を有する清酒であり、非常に嗜好性に富む香気
があると共に苦みを有しているため、中華料理などの油
濃い料理の食中酒として適しているので、紹興酒などの
老酒の代わりに飲む酒として引用される。
実施例 8 焙炒麹を用いる清酒の製造 実施例4において、実施例1で得た焙炒麹の代わりに
実施例2で得た焙炒麹を用いて香味および色に特徴のあ
る清酒を製造した。本清酒の430nmにおける吸光度(10m
mセル)は、実施例4で得た清酒と同様の測定値であっ
た。
実施例 9 焙炒麹を用いるリキュールの製造 仕込容器に60%エタノール258mを入れ、これに実施
例1で得た焙炒麹100gを加えて3日間浸漬した。次い
で、布で濾過して調味アルコールを得た。これに酸味料
(クエン酸3g)、甘味料(砂糖300g)および水410mを
加えて調整し、独特な香味および色に特徴のある赤褐色
のリキュールを得た。
実施例 10 焙炒麹を用いるみりんの製造 仕込容器に第3表に示す仕込配合に従って、蒸米(糯
米)、米麹、実施例1で得た焙炒麹、酵素剤および41%
エタノールを混和して仕込を終了した。仕込後は1週間
毎に軽く攪拌して60日間熟成させた後、上槽した。上槽
後は80℃で火入れ、オリ下げ濾過して製品とした。分析
値は第4表に示す。
本発明と比較するために、従来のみりんの製造法と対
比した。
本発明のみりんは従来のみりんと比較すると、香ばし
い焙炒香を有し、味はやや濃く、色は光沢のある褐色
で、従来のみりんとは明らかな差が見られる。料理に使
用することにより、生臭み消しには有効で、焼き色を鮮
やかにすると共に、ほどよい照りおよび艶が増強される
ようになる。
実施例 11 焙炒麹を用いる合成清酒の製造 三段仕込法により、第5表に示す仕込配合に従って、
香味液を調製した。一次仕込は先ず、仕込容器に蒸米、
米麹、酒精酵母、75%乳酸および汲水を入れた。二次仕
込は一次仕込の2日後に行い、蒸米、米麹および汲水を
添加した。三次仕込は二次仕込の翌日に蒸米、酵素剤お
よび汲水を添加して、仕込を終了した。三次仕込後、10
日目に汲水を添加し、14日目に実施例1で得た焙炒麹を
加え、17日目に46%エタノールを添加して18日目に上槽
した。得られた生成酒はアルコール分20.3%で1760m
が得られた。
この生成酒を香味液として合成清酒の調製に使用し
た。先ず、香味液176mに46%エタノール1108m、糖
液244.4g、アミノ酸類1.91g、有機酸類0.24g、グリセリ
ン0.86g、無機塩類0.1gおよび汲水1989mを加え、攪
拌、溶解させ、精製濾過して製品とした。
本製品の分析値は、日本酒度−2.5、アルコール分15.
4%、酸度1.3、アミノ酸度0.8、吸光度(430nm,10mmセ
ル)0.153であった。
得られた製品は独特な香味および色に特徴のある合成
清酒である。
実施例 12 焙炒麹を用いるみりんタイプの発酵調味料の製造 二段仕込法により、第6表に示す仕込配合に従って、
発酵調味原液を調製した。一次仕込は先ず仕込容器に蒸
米、米麹、酒精酵母、酵素剤、50%乳酸および汲水を入
れた。二次仕込は一次仕込の2日後に行い、蒸米、実施
例1で得た焙炒麹、酵素剤および汲水を添加して仕込を
終了した。二次仕込後、3日目から17日目の間汲水160m
に食塩64gを溶解した溶液を少量づつ添加した。10日
目に汲水を添加し、18日目に上槽した。得られた生成物
を精製濾過して発酵調味原液とした。
この発酵調味原液をみりんタイプの発酵調味料の調製
に使用した。先ず、発酵調味原液178mに糖液505m、
食塩18g、有機酸類510mg、酵母エキス7.4gおよび水300m
を加え、攪拌溶解してみりんタイプの発酵調味料を調
製した。
得られた本発酵調味料は独特な香味および色に特徴の
ある発酵調味料である。この発酵調味料の分析値は、ボ
ーメ19.0、アルコール分13.3%、酸度1.5、アミノ酸度
2.6、塩分2.4%、吸光度0.31(430nm,10mmセル)であっ
た。
実施例 13 焙炒麹を用いる清酒タイプの発酵調味料の製造 実施例12で得た発酵調味原液830mに糖液141mおよ
び水29mを加え、攪拌溶解して清酒タイプの発酵調味
料を調製した。
得られた本発酵調味料は独特な香味および色に特徴の
ある発酵調味料である。この発酵調味料の分析値は、ボ
ーメ7.5、アルコール分14.3%、酸度1.8、アミノ酸度3.
6、塩分2.2%、吸光度0.89(430nm,10mmセル)であっ
た。
実施例 14 焙炒麹を用いる非アルコール性発酵調味料の製造 水100mに食塩3960mg、50%乳酸270mg、リンゴ酸108
0mg、コハク酸360mg、クエン酸540mgおよび酵母エキス1
0.08gを溶解し、これに80℃に加熱攪拌しつつ、実施例1
2で得た発酵調味原液90mおよび液状グルコース1427m
を加え、83℃で加熱した後、濾過して非アルコール性
発酵調味料を調製した。
得られた本発酵調味料は独特な香味および色に特徴の
ある発酵調味料である。この発酵調味料の分析値は、ボ
ーメ29.5、酸度1.7、アミノ酸度1.0、塩分0.35、吸光度
0.21(430nm,10mmセル)であった。
本発酵調味料は、非常に嗜好性に富む香気があると共
に苦みを有しているため、醤油、その他の種々の調味料
と調合することにより、焼肉などのたれとして有用な調
味料を調製することができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】米麹を焙炒処理して糖および/又はアミノ
    酸をカラメル化もしくはアミノカルボニル反応させるこ
    とにより得られた焙炒麹、またはその含水エタノール抽
    出処理液を有効成分とする酒類・調味料用香味色剤。
  2. 【請求項2】米麹を150℃〜200℃で約1〜3時間焙炒す
    ることを特徴とする酒類・調味料用香味色剤の製造方
    法。
  3. 【請求項3】米麹を焙炒後、エタノール抽出を行うこと
    を特徴とする請求項2記載の付香味色剤の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の付香味調味料を使用して酒
    類または調味料を製造する方法。
  5. 【請求項5】酒類または調味料が、清酒、合成清酒、み
    りん、リキュール、雑酒である請求項4記載の製造方
    法。
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