JP5075221B2 - 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法 - Google Patents

発泡性アルコール飲料、及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5075221B2
JP5075221B2 JP2010106252A JP2010106252A JP5075221B2 JP 5075221 B2 JP5075221 B2 JP 5075221B2 JP 2010106252 A JP2010106252 A JP 2010106252A JP 2010106252 A JP2010106252 A JP 2010106252A JP 5075221 B2 JP5075221 B2 JP 5075221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
malt
spirulina
alcoholic beverage
producing
substitute
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010106252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011234628A (ja
Inventor
宗吾 山口
Original Assignee
宗吾 山口
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 宗吾 山口 filed Critical 宗吾 山口
Priority to JP2010106252A priority Critical patent/JP5075221B2/ja
Publication of JP2011234628A publication Critical patent/JP2011234628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5075221B2 publication Critical patent/JP5075221B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、発泡性アルコール飲料、及びその製造方法に係り、詳しくは、視覚に与える印象に富んだ鮮やかな色彩を呈すると共に、香味が良く、多くの栄養素を含む発泡性アルコール飲料とその製造方法に関する。
発泡性アルコール飲料は、たとえば、麦芽やホップ、及び水を主原料とし、これに、麦や米、とうもろこし、馬鈴薯、でんぷん、糖類といった副原料を加えて作られるビールや発泡酒と称されているものである。このような発泡性アルコール飲料は、大きく分けて一般的に、製麦、仕込み、発酵(醸造)といった三つの工程を経ることにより製造されている。
まず、製麦工程では、原材料となる大麦を水に浸し(浸麦)、十分に水を吸わせて発芽させた後、乾燥を行う。大麦は発芽することで、その中に含まれるデンプン質や蛋白質が分解し、糖化酵素を生成する。また、乾燥は、この糖化酵素が程よく生成されたところで発芽を止める。
次いで、仕込み工程では、乾燥した麦芽を細かく粉砕し、温水を加えて麦汁を生成し、これを濾過してからホップなどを加えて麦汁を煮沸する。麦芽は細かく粉砕することで、糖化・発酵し易いようになる。また、粉砕した麦芽を温水中に浸すことで、麦芽自身の酵素の働きで蛋白質などを糖化し、甘い麦汁が作られる。
そして、発酵工程では、煮沸して凝縮した麦汁に酵母を加えて発酵させ、熟成を行う。麦汁は、ホップを加えて煮沸することで、独特の苦みや香りがつけられると共に、糖化が停止する。
その後、熟成を終えた発泡性アルコール飲料は、フィルターで濾過し、酵母滓などを取り除いた後、ビン詰め等してから温水で熱殺菌を行うといった製品化工程を経ることにより飲用できるようになる。
しかしながら、このような従来から知られているビールや発泡酒は、長年の間、黄色や褐色、黒色といった典型色しかなく、新たな需要を喚起し得るものではなかった。すなわち、ビールや発泡酒は、透明なグラス等の容器に注いで飲むことが多く、容器の外側からその色彩が容易に確認できるといった特徴を有するにもかかわらず、視覚に与える印象が乏しい。そのため、普段、あまり発泡性アルコール飲料を飲まない女性や、近年の若者にとって興味を惹くような魅力に欠けるものであって、新たな需要を喚起し得るものではなかった。
また、最近では、原料として麦芽を使用せず、とうもろこしやサトウキビ、テンサイなどの穀物や、大豆たんぱく、エンドウたんぱく、大豆ペプチドといった穀物由来の原料を麦芽の代替品として用いた、第三のビールや新ジャンルと称される発泡性アルコール飲料も提案されているが、ビール等の場合と同様の典型色しかなく、やはり視覚に与える印象が乏しいものであった。
また、鮮やかな色彩を呈する色素としてスピルリナを用いた飲料等が提案されている(たとえば、参考文献1乃至3参照)。
このスピルリナは、多細胞性で青緑色を呈する藍藻類の一種であり、ビタミンB群等の豊富なビタミンや、カリウムやマグネシウム等のミネラルのほか、タンパク質、アミノ酸、食物繊維、及びカロテノイドやクロロフィル、フィコシアニンといった植物性色素を含む。また、スピルリナは、消化吸収性も良いので、バランスよく栄養を補給するための食品として用いられていると共に、がん予防、消化器疾患改善、肝臓病改善、糖尿病改善、貧血改善、肥満解消に効果・効用があるとされている。ゆえに、このスピルリナを用いることで、視覚に与える印象に富んだ鮮やかな色彩を呈すると共に、多くの栄養素を含む発泡性アルコール飲料を提供することができると考えられる。
しかしながら、参考文献1乃至3に記載のものは何れも、スピルリナの抽出液(エキス成分)を用いるものであり、スピルリナ色素に由来した鮮やかな緑〜青の色彩を呈すると共に、スピルリナが本来備える多くの栄養素を含む発泡性アルコール飲料を提供することができない。すなわち、スピルリナには、色素としてスピルリナ青(フィコシアニン)とスピルリナ緑(クロロフィルα)が含まれているが、同一の原料からスピルリナ青とスピルリナ緑の両方を抽出すること、言い換えれば、スピルリナからスピルリナ青とスピルリナ緑の両方を同一工程で抽出することは、困難であるとされている。ゆえに、スピルリナは、青色系の天然色素として食品用に広く使用されているに過ぎず、この抽出液を用いた飲料は、スピルリナ特有の緑色色素を欠いたものとなってしまい、鮮やかな色彩を呈することができないものとなってしまう。
一方、スピルリナをそのまま、もしくはスピルリナ原末といった非抽出物を用いた場合、単に添加しただけでは、スピルリナ特有の青臭さやドブ臭さといった生臭い匂いが残ることで飲料としての香味が劣ったものとなってしまうと共に、濁った感じの色彩を呈するものとなってしまう。
特開平5−137556号公報 特許第4283459号公報 特開2004−236582号公報
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、原料としてスピルリナを用いるものであって、視覚に与える印象に富んだ鮮やかな色彩を呈すると共に、多くの栄養素(有効成分)を含み、飲料としての香味を低下させることの無い新規な発泡性アルコール飲料をとすることを可能とした技術を提供することを目的とする。
本発明に係る第一の発泡性アルコール飲料は、麦芽、ホップ、水と共に、非抽出物のスピルリナを主原料として含み、麦芽の糊化、糊化した麦芽による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦汁の作成、ホップを加えた麦汁の煮沸、酵母を加えた麦汁の発酵、発酵した麦汁の熟成、熟成した麦汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法によって製造されたものであって、前記麦芽の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えて、酵母によって発酵させたことを特徴とする。
本発明に係る第二の発泡性アルコール飲料は、麦芽代替品、ホップ、水と共に、非抽出物のスピルリナを主原料として含み、麦芽代替品の糊化、糊化した麦芽代替品による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦芽代替品汁の作成、ホップを加えた麦芽代替品汁の煮沸、酵母を加えた麦芽代替品汁の発酵、発酵した麦芽代替品汁の熟成、熟成した麦芽代替品汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法によって製造されたものであって、前記麦芽代替品は、とうもろこし、サトウキビ、テンサイといった糖化可能な穀物の何れか1以上からなり、前記麦芽代替品の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽代替品による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えて、酵母によって発酵させたことを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料において、副原料として、米をさらに含み、当該米が、インディカ米であることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料において、副原料として、砂糖をさらに含み、少なくともその一部が椰子由来の砂糖であることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料において、前記スピルリナが、乾燥した粉末状物であることを特徴とする。
本発明に係る第一の発泡性アルコール飲料の製造方法は、麦芽、ホップ、水、及び非抽出物のスピルリナを主原料とし、麦芽の糊化、糊化した麦芽による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦汁の作成、ホップを加えた麦汁の煮沸、酵母を加えた麦汁の発酵、発酵した麦汁の熟成、熟成した麦汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法であって、前記麦芽の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えることを特徴とする。
本発明に係る第二の発泡性アルコール飲料の製造方法は、麦芽代替品、ホップ、水、及び非抽出物のスピルリナを主原料とし、麦芽代替品の糊化、糊化した麦芽代替品による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦芽代替品汁の作成、ホップを加えた麦芽代替品汁の煮沸、酵母を加えた麦芽代替品汁の発酵、発酵した麦芽代替品汁の熟成、熟成した麦芽代替品汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法であって、前記麦芽代替品は、とうもろこし、サトウキビ、テンサイといった糖化可能な穀物の何れか1以上からなり、前記麦芽代替品の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽代替品による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記麦芽又は麦芽代替品の糊化処理段階において、インディカ米をさらに加えることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記麦芽又は麦芽代替品の糊化処理段階において、椰子由来の砂糖をさらに加えることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記スピルリナとして、予め細胞壁を破壊した非乾燥物を用いることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記スピルリナとして、乾燥して細胞壁の強度を弱めた粉末状物をそのまま用いることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記スピルリナとして、乾燥した粉末状物を水又は湯に浸漬して細胞膜を破壊もしくは細胞膜の強度を弱めたものを用いることを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、第一又は第二の発泡性アルコール飲料の製造方法において、前記熟成した麦汁の濾過処理後に、スピルリナの残留汚濁物質を除去する追濾過処理をさらに含むことを特徴とする。
本発明に係る発泡性アルコール飲料は、麦芽、ホップ、水と共に、非抽出物のスピルリナを主原料として含み、これらの主原料を酵母によって発酵させたものである。ゆえに、スピルリナの色素や栄養素が失われずに十分に含まれ、鮮やかな青〜緑を呈するたいへん美しい色彩とすることができる。しかも、酵母による発酵によって、スピルリナ由来の嫌な臭いが大きく低減し、麦芽由来のフルーティな香りを増進させることができると共に、泡立ちと後味についても劣っていない発泡性アルコール飲料とすることができた。
また、本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法は、麦芽、ホップ、水と共に、非抽出物のスピルリナを主原料とし、少なくとも麦芽の粉砕、粉砕した麦芽の糊化、糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階までに、非抽出物のスピルリナを加えている。ゆえに、スピルリナは、麦芽の糊化工程や糖化工程において細胞壁が効率良く破壊された状態で、その後の処理工程である、糖化液からの穀皮除去による麦汁の作成、ホップを加えた麦汁の煮沸、酵母を加えた麦汁の発酵、発酵した麦汁の熟成、といった各処理を経ることとなり、有効成分を効率良くかつ十分に、抽出(溶出)・発酵させることができる。
したがって、原料としてスピルリナを用いるものであって、視覚に与える印象に富んだ鮮やかな色彩を呈すると共に、多くの栄養素(有効成分)を含み、飲料としての香味を低下させることの無い新規な発泡性アルコール飲料を提供することができる。
これにより、野菜等の多くの食物を意識して摂取することなく、日常の自然な飲食行為である飲酒という形によって、多くの栄養素(有効成分)を視覚的に楽しみながら容易に摂取することができる。
本発明に係る発泡性アルコール飲料の製造方法を説明する工程図である。 本発明に係る発泡性アルコール飲料で用いる麦芽の製麦工程図である。 本発明に係る発泡性アルコール飲料で用いるスピルリナの添加時期を説明する工程図である。
以下、本発明における実施の形態の一例について、図面を参照して説明する。
本発明において「発泡性アルコール飲料」とは、ビール風味を有するアルコール飲料を意味する。また、このビール風味を有するアルコール飲料は、たとえば、原料として麦芽を使用するビールや発泡酒のほか、原料として麦芽を使用せず、代わりに、とうもろこしやサトウキビ、テンサイといった糖化可能な穀物の何れか1以上からなる代替品を用いる第三のビールや新ジャンルと称されるビール風発酵飲料が挙げられる。
本実施の形態においては、発明の理解を容易にするため、原料として麦芽、ホップ、水と共に、非抽出物のスピルリナ及び酵母を用いた場合の発泡性アルコール飲料(以下、「スピルリナ入りビール」という。)とその製造方法について説明する。なお、本実施の形態において、原料として非抽出物のスピルリナを含まず、大麦、ホップ、水、及び酵母を用いた場合の発泡性アルコール飲料を「通常のビール」という。
本発明で用いる非抽出物のスピルリナ(以下、単に「スピルリナ」という。)は、乾燥前の泥状の非乾燥物スピルリナでも構わないし、これを乾燥した粉末状のもの(スピルリナ原末)でも良い。
また、本発明においてスピルリナは、乾燥前の泥状の非乾燥物を、たとえば、ミキサー等で粉砕して予め細胞壁を破壊したものや、乾燥することで細胞壁の強度を弱めたスピルリナ原末とすると望ましい。さらに、スピルリナは、乾燥した粉末状のスピルリナ(スピルリナ原末)をそのまま用いても構わないが、乾燥した粉末状物を水又は湯に浸漬して細胞壁を破壊もしくは細胞壁の強度を弱めたものを用いるものとすると望ましい。
すなわち、スピルリナは、炭酸ガスを吸収して光合成を行うとき、グルコース(ブドウ糖)を生成する。このグルコースは、酵母が発酵するための基質となる。そのため、予めスピルリナの細胞壁を破壊した非乾燥物とすると、細胞内蛋白質成分が確実にかつ容易に流出し、発酵処理段階において有効に資化することができる。また、スピルリナは、乾燥することで細胞壁が弱められた乾燥粉末状物とすると、糖化処理段階における温水に浸すことで浸透圧により細胞壁が破壊され、細胞内蛋白質成分が流出してその後の発酵処理段階において有効に資化することができる。さらに、スピルリナは、多細胞植物のため細胞壁が薄くて水溶性が高いので、水又は湯によって細胞壁が破壊もしくは細胞壁の強度が弱められものとなり、糖化処理段階における温水に浸すことで浸透圧により細胞壁が容易に破壊され易いものとなり、細胞内蛋白質成分が流出してその後の発酵処理段階において有効に資化することができるものとなる。
ゆえに、発酵工程を経ることで、スピルリナの内部に含まれる色素成分やビタミンなどの栄養素、グルコース(ブドウ糖)、豊富なアミノ酸が酵母によって発酵され、スピルリナ由来の臭いを低減させることができる。
具体的には、たとえば、乾燥することによって細胞壁の強度が弱くなったスピルリナを、粉砕した麦芽の糊化処理のために仕込み釜に投入する湯の一部で溶かして30分ほど待ち、その後、50℃前後の湯と共に粉砕した麦芽が入った仕込み釜へ投入すると良い。スピルリナは水溶性が高いが、それでも細胞壁を破壊して内部の成分を溶出させることが、独特の色と香りを出すために肝要である。なお、麦芽の粉砕中に、ある程度細胞壁を弱めるか破壊したスピルリナを投入するようにしても良い。
次に、スピルリナ入りビールの製造方法について説明する。
本実施の形態のスピルリナ入りビールは、通常のビールの製造方法と同様に、製麦工程、仕込み工程、発酵(醸造)工程といった三つ工程を経て製造される。
図1又は図2に示すように、製麦工程は、浸麦処理、発芽処理、焙燥処理、熟成処理からなる。また、仕込み工程は、粉砕処理、糊化処理、糖化処理、濾過(麦汁循環)処理、煮沸処理、冷却処理からなる。そして、発酵工程は、発酵(前発酵)処理、熟成(後発酵)処理、濾過処理、追濾過処理からなる。以下、それぞれの工程について述べる。
[製麦工程]
図2に示すように、まず、主原料となる大麦を水に浸漬し(浸麦)、十分に水を吸わせる(浸麦処理)。具体的に浸麦は、たとえば、浸麦タンク内において30〜60時間行い、重量比40〜50%の水分を吸収させる。
次いで、浸麦した大麦を発芽させ、麦芽を生成する(発芽処理)。大麦は、発芽することで種子中に含まれる不活性の糖化酵素(アミラーゼ)が活性化する。この糖化酵素がほどよく生成されたところで乾燥させて発芽を止める。具体的に発芽は、たとえば、40℃前後の発芽床にて4〜7日間行う。
引き続き、麦芽を乾燥し、焙煎する(焙燥処理)。焙燥は、焙燥室で20〜40時間行う。具体的には、淡色麦芽の場合、50〜60℃の低温で、8〜10時間の短時間乾燥して、80℃前後で焙煎する。また、濃色麦芽の場合、乾燥した後、120〜150℃で焙煎する。さらに、カラメル麦芽やロースト麦芽の場合、乾燥した後、180〜220℃で焙煎する。
その後、焙燥した麦芽を熟成する(熟成処理)。具体的に熟成は、たとえば、サイロ内で1ヶ月程度行う。
[仕込み工程]
次いで、図1に示すように、熟成した麦芽を細かく粉砕する。具体的に粉砕は、粉砕機で行う(粉砕処理)。
粉砕した麦芽は、一部を温水に浸し糊化する(糊化処理)。具体的に糊化は、たとえば、仕込み釜内で、45℃から100℃の温度範囲の温水に1時間程度浸すことにより行う。本発明では、粉砕した麦芽の糊化処理段階においてスピルリナを加えるものとすると望ましい。この段階でスピルリナを加えることで、スピルリナの細胞膜を効率良く破壊して、内部に含まれる色素成分や、ビタミン、グルコースを溶出させ、その後の発酵工程において、酵母による発酵が行い易くできる。
このスピルリナを加える量は特に限定されない。しかしながら、スピルリナ原末をそのまま用いる場合、加える量が多過ぎるとスピルリナ特有の臭みが残ってしまう虞が多分にある。ゆえに、スピルリナ原末は、最大でも糊化工程で殆どのスピルリナの細胞壁(膜)が破壊される程度の量が好ましい。一方、スピルリナを加える量が少ない分には問題はないが、スピルリナの量が少ないと、スピルリナ入りビールにおいて鮮やかな色彩と、フルーティな香りが物足りない感じがするものとなってしまう。ゆえに、スピルリナを加える量は、麦芽の重量に対して0.8質量%〜1.0質量%の範囲が望ましい。
次に、糊化した麦芽を糖化し、糖化液を生成する(糖化処理)。糖化は、糊化した麦芽と、残りの粉砕した麦芽とを併せて混合し、糖化酵素によって種子中に含まれるデンプン質を糖分に変える(デンプン質を糖化して麦芽糖を生成させる)と共に、種子中に含まれるタンパク質を糖化酵素によって分解しアミノ酸に変えて、もろみ(糖化液)を作る。具体的に糖化は、たとえば、糖化釜内で糊化した麦芽を一旦100℃まで昇温し、そして80℃以下の温度とならないように1時間程度行う。
本実施の形態では、上述のとおり粉砕した麦芽の糊化処理段階においてスピルリナを加えることが、ベストなタイミングとしたが、本発明においては、図3に示すように、糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階まで、具体的には、麦芽の粉砕中又は粉砕後であって麦芽の糊化前や、麦芽の糊化後であって糖化液の生成中に、充分に細胞壁を弱め破壊したスピルリナを加えるものとしても良い。なお、これ以降のタイミングは望ましくない。
スピルリナを加えるタイミングが、粉砕した麦芽の糊化処理段階もしくは糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階より遅いと、スピルリナの細胞膜を効率良く破壊して、内部に含まれる色素成分や、ビタミン、グルコース、アミノ酸を酵母によって発酵させる機会を逸してしまい、充分に発酵ができない。その結果、麦芽の糖化後のろ過までに有効成分を抽出できない上に、ろ過に時間をかけてしまうことになる。しかも、製造された発泡性アルコール飲料はスピルリナ特有の臭み成分が残り、色も濁ったものになってしまい、飲用には全く適さない結果となってしまう。
また、本発明においては、スピルリナと共に、副原料として米を加えるものとしても良い。本発明において、米を加えることで、スピルリナを用いたフルーティな香りを引き立てることができる。この際、副原料として加える米を、インディカ米又はその米粉、詳しくは、うるち米種のインディカ米又はその米粉とすると望ましい。
すなわち、一般的に副原料として加えられている米はジャポニカ米であり、インディカ米はジャポニカ米に比べて香りが強く、通常のビールの副原料としては不向きとされている。ところが、インディカ米は目指すスピルリナ入りビールの香りと同指向の香りのため、本発明においては、糊化の際においてこれを適量投入すると最後にフルーティな香りを一層引き立てることができる。ゆえに、このインディカ米は、副原料として用いる米の少なくとも一部を置き換えるもの、望ましくは全量を用いるものとすると良い。
?
ここで、副原料として加える米の総量を多くし過ぎると、インディカ米を用いた場合では酸味が強くなってしまうので注意が必要である。すなわち、具体的には、水を含む仕込み原料の総量に対して、0.4質量%以上のインディカ米を含むと、スピルリナに由来するフルーティな香味を一層引き立たせるといった好ましい効果が得られる。ところが、同0.8質量%以上のインディカ米を含むこととなると、デンプンを糖化する工程に時間がかかり、さらに香味に酒っぽさが出てきてモルトやホップの香味を妨げたる、などといった好ましくないことが起こってしまう。ゆえに、インディカ米を投入する量は、水を含む仕込み原料の総量に対して0.4〜0.8質量%の範囲に調整すると良く、特に、0.6質量%が望ましい。
?
また、本発明においては、スピルリナと共に、副原料として砂糖を加えるものとしても良い。本発明において砂糖を加えることで、スピルリナによる酸味を和らげることができる。この際、副原料として加える砂糖の少なくとも一部を椰子由来の砂糖にすると望ましい。
すなわち、一般的に副原料として加える砂糖は、さとうきび由来の砂糖であり、この一部を椰子由来の砂糖へ置き換ええるものである。これは、スピルリナによる酸味を調整するのに砂糖の投入は不可欠であり、椰子由来の砂糖を含まなくとも、飲用に適し、酸味を若干強調したビールが得られるが、これに椰子由来の砂糖を加えることにより、さとうきび由来の砂糖に比べてフルーティな香りを保ちながら、まろやかで芳醇な(温かみのある)香りを有し、ほのかな甘味のあるものとすることができる。この椰子由来の砂糖は、ビールの酸味とは逆方向の指向性を有するものであるので、多く投入し過ぎることが無いように注意が必要である。具体的には、投入する砂糖の総量に対して、15質量%以上椰子由来の砂糖含むと、スピルリナ由来の鮮やかな色彩や透明度を損なうといった好ましくない影響も出てしまう。ゆえに、15質量%未満、特に、7質量%が望ましい。
また、砂糖として黒糖を用いてもスピルリナによる酸味を和らげることができるが、黒糖を用いると若干くすんだ色合いになり、スピルリナによる鮮やか色彩が失われてしまうので好ましくない。
なお、本発明においては、副原料としてさらに、カラメル焙燥大麦や、コーンスターチ、コーングリッツ等を加えるものとしても良い。
引き続き、もろみ(糖化液)を濾過し、麦汁を取り出す(濾過処理)。具体的に濾過は、たとえば、濾過釜内で穀皮を濾過材として麦芽滓を取り除き、麦汁を作る。
さらに、麦汁に、ホップと仕込み水とを加えて煮沸する(煮沸処理)。具体的に煮沸は、たとえば、煮沸釜内で100℃の温度にて、ホップを数回に分けて加えながら1時間程度行う。麦汁は、ホップを加えて煮沸することで、独特の苦みや香りをつけるとともに糖化を停止させる。この場合のホップは、苦味を加えるためのホップペレットと、香りを調節するためのホップエキスを併せて用いても良い。
そして、煮沸した麦汁を凝縮した後、凝集物を除去し、後の発酵に必要な無菌酸素を送り込みながら冷却する(冷却処理)。具体的に冷却は、たとえば、冷却槽や、管を束ねたウォートチラーと呼ばれる熱交換器で100℃から発酵開始温度になるまで冷やす。この冷却処理は、下げていく温度に連れて凝固する物質が異なるので、これらを除去して麦汁の透明度を確保するために、ある程度時間を掛けて行うことが望ましい。
[発酵工程]
冷やされた麦汁は、発酵タンクへ送られ、ビール酵母を加えて発酵を行う(発酵処理)。この発酵は、一次発酵(主発酵)と二次発酵(追発酵)とからなり、一次発酵では、所謂若ビールを作る。具体的に発酵は、たとえば、5〜10℃の温度範囲において、3〜10日程度一次発酵を行った後、3〜5日程度二次発酵を行う。なお、発酵に用いる酵母には、およそ20℃前後の常温で発酵させ、苦みと香りの強い発泡性アルコール飲料になる上面発酵酵母や、6〜15度の比較的低温で発酵させ、味がおだやかな発泡性アルコール飲料になる下面発酵酵母などがある。また、発酵前液(麦汁)に、香料、色素、起泡・泡持ち向上剤、水質調整剤などを適宜加えても良い。
引き続き、発酵した麦汁(若ビール)を熟成(熟成処理)させる。この熟成処理は、スピルリナのフルーティな香りのみを残し、それ以外の臭みが強まることを防ぐため、極力時間を掛けて冷却を行うことが望ましい。具体的に熟成は、たとえば、前発酵の温度から1℃/1日で下がるようにゆっくりと冷却し、0℃以下、望ましくは、−3〜−1℃の範囲の温度を有する貯酒タンク内で、30〜70日、望ましくは33〜65日程度行う。この熟成温度が−1℃より高いと、発酵速度が速く熟成が進み過ぎてしまい、フルーティな香りが消え失せてしまうと共に、嫌な臭みが強まったものとなってしまう虞があり、一方、熟成温度が−3℃より低いと、酵母が働かず熟成が止まってしまい、色彩が悪く、臭みが出てしまう虞がある。
すなわち、スピルリナを含まない、麦芽、ホップ、水、及び酵母を主原料とした通常の発泡性アルコール飲料の製造方法では、1〜3℃程度の温度を有する貯酒タンク内で、20〜60日程度熟成処理を行っているが、本発明においては、発酵した麦汁の熟成が、たとえば、2〜6℃(中央値より4℃前後)低い温度で、かつ、3〜10日長い期間行われると良いものである。この熟成期間は、通常の発泡性アルコール飲料の製造方法に比して3日長くしただけでは、熟成温度が低いゆえに十分に熟成せず臭みが残ってフルーティな香りが消え失せてしまう虞があり、一方、10日以上長くしてしまうと、熟成が進み過ぎてしまい、フルーティな香りが消え失せてしまうと共に、酸っぱさがでてしまう虞がある。
この2〜6℃の温度差は、通常の発泡性アルコール飲料の製造方法における熟成温度の最低温度値と本発明における発泡性アルコール飲料の製造方法における熟成温度の最高温度値との差〜通常の発泡性アルコール飲料の製造方法における熟成温度の最高温度値と本発明における発泡性アルコール飲料の製造方法における熟成温度の最低温度値との差をいい、本発明は、その中央値において4℃前後低いことをいう。具体的には、通常の発泡性アルコール飲料の製造における熟成温度が2℃±1℃である1(最低温度値)〜3℃(最高温度値)の場合、本発明では、その中央値である2℃より4℃前後低い温度である−3(最低温度値)〜−1(最高温度値)℃、すなわち−2℃±1℃の温度範囲で熟成を行うものとすると良い。
このように、熟成温度が低くなると発酵速度が抑えられ、過発酵や酵母の自己発酵を防ぐことができると同時に、スピルリナを含む副原料によって増幅された香味成分を効率良く炭酸ガスと共に発泡性アルコール飲料内に閉じ込めることができる。また、熟成期間が長くなることで、スピルリナの色彩が鮮やかになり、雑味を抑えることができる。ゆえに、香味的によりおいしい発泡性飲料を製造することができる。
また、本発明においては、スピルリナを含まない、麦芽、ホップ、水、及び酵母を主原料とした通常の発泡性アルコール飲料の製造方法に比べ、酵母の使用量が、15〜30重量%減じられると共に、発酵した麦汁の熟成が、2〜6℃(中央値より4℃前後)低い温度で行うと良い。
このように、酵母の使用量が減ると発酵速度が抑えられ、熟成期間が長くなることで、透明度の確保が図られスピルリナの色彩が鮮やかになると共に、香味成分の維持が図られ雑味を抑えることができる。ゆえに、香味的によりおいしい発泡性飲料を製造することができる。
さらに、本発明においては、スピルリナを含まない、麦芽、ホップ、水、及び酵母を主原料とした通常の発泡性アルコール飲料の製造方法に比べ、酵母の使用量が、15〜30重量%減じられると共に、発酵した麦汁の熟成が、2〜6℃(中央値より4℃前後)低い温度で、かつ、3〜10日長い期間行われるものとしても良い。
すなわち、一般的に、発酵温度を3℃下げると、同じ発酵速度を得るために酵母を50%増としなければならないとされているが、本発明では、あえて酵母の使用量を減じると共に、発酵(熟成)温度を下げることで、発酵速度を抑えて熟成期間を長くし、スピルリナの色彩が鮮やかになると共に、雑味を抑えて香味的によりおいしい発泡性飲料を製造するものとしている。
熟成を終えた麦汁は、濾過して酵母及びスピルリナ滓を除去する(濾過処理)。具体的に濾過は、たとえば、珪藻土や微小穴シートフィルター等により行う。
さらに、本発明においては、熟成した麦汁の濾過、すなわち、発酵した麦汁の熟成後に行う酵母を除去する濾過処理後に、スピルリナの残留汚濁物質を除去し(追濾過処理)、スピルリナ入りビール(発泡性アルコール飲料)とする。この追濾過は、珪藻土濾過に加えて、遠心分離濾過や、微小穴シートフィルター等、異なった濾過材を併用した多重濾過を行う。
そして、このスピルリナ入りビールは、ビン詰め等してから低温にて貯蔵する。
このように追濾過処理をさらに含むことで、スピルリナの残留汚濁物質の再結合による透明度の低下を防ぐと共に、再結合物質の追発酵による酸味や臭みの発生を抑制することができる。ゆえに、この追濾過処理を行わないと、スピルリナの残留汚濁物質の再結合により透明性が損なわれるばかりでなく、再結合物質の追発酵による酸味やエグ味が急激に増し、保存性に劣る発泡性飲料となってしまうので、注意をしなければならない。
次に、スピルリナを主原料として用いた本発明に係る発泡性アルコール飲料を製造した一例を示す。
[実施例1]
本実施例では、水を除いた原料として、モルト(淡色麦芽)75.4質量%、カラメル・モルト(焙燥麦芽)1.3質量%、米(インディカ種)3.8質量%、さとうきび由来の砂糖16.2質量%、椰子由来の砂糖1.1質量%、ホップエキス(アロマ用)0.1質量%、ホップペレット1.7質量%、ドライ・イースト(酵母)0.4質量%、及び乾燥スピルリナ粉末0.8質量%を用いた。なお、原料において、ホップペレットの配合量は、アルファ酸値=1で換算した。
また、本実施例では、製麦工程を含めないで、仕込み工程1日、一次発酵7日、二次発酵4日、熟成40日の合計52日を製造工程期間とした。さらに、本実施例では、スピルリナの投入時期を糊化処理段階とし、熟成温度は−3〜−1℃の範囲を保ち、下面発酵(ラガー)のピルスナータイプの発泡性アルコール飲料を製造した。
そして、これを濾過してスピルリナ入りビールを調製し、5〜7℃前後に冷却し、官能試験の標品1とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記実施例1で得られた標品1の飲んだ印象と、見た目の印象について評価を行った。なお、単に印象を求めると評価は多様なため、本実施例では、複数回答有りで評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表1の結果より、本発明の発泡性アルコール飲料は、ビールに相当する味と香りを有し、おいしいと感じられると共に、今までにない新しさが強く感じられ、さらに、ヘルシーな印象を与えるものであることが分かる。
また、表2の結果より、本発明の発泡性アルコール飲料は、見た目において鮮やかさや美しさ、おしゃれな印象を与えると共に、鮮やかな緑色を呈したものとなっていることから、エコな印象を与えるものであることが分かる。
また、上記50人のパネラーが、上記実施例1で得られた標品1と、スピルリナを含んでいない以外は上記実施例1と同様に製造した比較品とを比較し、味、香りについて評価を行った。また、評価は、複数回答有りで行った。評価結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表3及び4の結果より、本発明の発泡性アルコール飲料は、味と香りにおいて若干の酸っぱさを感じるものの、今までに無いこの酸っぱさがフルーティな味と香りを引き立てているものであることが分かる。
[実施例2]
次に、スピルリナの投入時期が、仕込み工程の糊化処理段階もしくは糖化液の生成処理段階が望ましいことを確認するため、本実施例では、スピルリナの投入を発酵工程においてビール酵母を加える時期と同じにして、ビール酵母と一緒にスピルリナを投入した。すなわち、スピルリナの投入時期を糊化処理段階より遅らせる以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後に冷却し、官能試験の標品2とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品2とを比較し、色、味、香りについて評価を行った。評価結果を表5乃至表7に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表5乃至表7の結果より、スピルリナの投入時期が、仕込み工程の糊化処理段階より遅れて、ビール酵母を加える時期と同じになると、色彩において、スピルリナが殆ど発酵できず、鮮やかな緑色の色彩を呈することが失われ、中途半端に濁ったような薄い色彩を呈したものとなってしまうことが分かる。また、味や香りにおいても、スピルリナの不十分な発酵によりフルーティさ失われ、まずくて、臭いものとなってしまうことが分かる。
[実施例3]
次に、副原料としてインディカ米が含まれることで、フルーティな香りを一層引き立てることができることを確認するため、本実施例では、インディカ種の米を全量ジャポニカ種へ置き換える以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後に冷却し、官能試験の標品3とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品3とを比較し、味、香り、フルーティさ(フルーティであるか否か)について評価を行った。評価結果を表8乃至表10に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表8乃至表10の結果より、副原料として加える米として、インディカ種の代わりに全量ジャポニカ種を用いると、味が薄くなる(コクがなくなる)と共に、香りが弱くなり、標品1よりフルーティな香りが感じられなくなってしまうことが分かる。ゆえに、副原料としてインディカ種の米が含まれることで、ジャポニカ種に比べて、香りを一層引き立てて、フルーティさを醸し出すことができるので、副原料として加える米はインディカ種が望ましいことが分かる。
[実施例4]
次に、副原料として米を加えることにより、フルーティな香りを引き立てることができることを確認するため、本実施例では、副原料として米を加えない以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後に冷却し、官能試験の標品4とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品4とを比較し、味、香り、フルーティさ(フルーティであるか否か)について評価を行った。評価結果を表11乃至表13に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表11乃至表13の結果より、副原料として米を加えないと、味が著しく薄くなる(コクがなくなる)と共に、香りも著しく弱くなってフルーティさが感じられなくなってしまうことが分かる。ゆえに、副原料として米を加えることで、味が濃くなり、香りを一層引き立てて、フルーティさを醸し出すことができるので、副原料として米を加えることが望ましいことが分かる。
[実施例5]
次に、副原料の一部として椰子由来の砂糖が含まれることで、スピルリナによる酸味を和らげることができることを確認するため、本実施例では、副原料として用いる砂糖を全量さとうきび由来の砂糖とする以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後℃に冷却し、官能試験の標品5とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品5とを比較し、味、香り、フルーティさ(フルーティであるか否か)について評価を行った。また、評価は、複数回答有りで行った。評価結果を表14乃至表16に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表14乃至表16の結果より、副原料として加える砂糖として、椰子由来の砂糖を加えないと、酸っぱい味が強いものとなると共に、香りが弱くなり、フルーティな香りが半減してしまうことが分かる。ゆえに、副原料として椰子由来の砂糖を加えることで、スピルリナによる酸味を和らげることができるので、副原料として加える砂糖はさとうきび由来の砂糖だけでなく、椰子由来の砂糖を含む方が望ましいことが分かる。
[実施例6]
次に、発酵工程における酵母の量が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)で用いる量より少なく、かつ、発酵工程における熟成(後発酵)の期間が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)での期間より長いことが望ましいことを確認するため、本実施例では、酵母の量を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で用いられている量と同量である0.48質量%とし、かつ、熟成の期間を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で行われている期間であって、上記標品1の熟成期間よりも10日少ない30日で行った。すなわち、上記実施例1(標品1)に比して、酵母の量を増やすと共に、熟成の期間を短くする以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後℃に冷却し、官能試験の標品6とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品6とを比較し、色、味、香りについて評価を行った。評価結果を表17乃至表19に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表17乃至表19の結果より、酵母の量及び熟成の期間が、一般的な淡色ビールでの酵母の量及び熟成の期間と同じである(すなわち、上記標品1の酵母量よりも多く、同熟成期間よりも短い)と、色彩において、鮮やかな緑色の色彩が若干失われ、中途半端に濁ったような薄い色彩を呈したものとなってしまうと共に、味や香りにおいても、フルーティさ失われ、酸っぱさや、臭さがでてきてしまう。ゆえに、発酵工程における酵母の量は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールで用いる量より少なくすると共に、発酵工程における熟成の期間は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールでの熟成期間より長く行った方が望ましいことが分かる。
[実施例7]
次に、発酵工程における熟成(後発酵)の温度が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)での温度より低く、かつ、発酵工程における熟成(後発酵)の期間が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)での期間より長いことが望ましいことが望ましいことを確認するため、本実施例では、熟成の温度を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で行われている温度である1〜3℃とし、かつ、熟成の期間を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で行われている期間であって、上記標品1の熟成期間よりも10日少ない30日で行った。すなわち、上記実施例1(標品1)に比して、熟成の温度を高くすると共に、熟成の期間を短くする以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後に冷却し、官能試験の標品7とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品7とを比較し、色、味、香りについて評価を行った。評価結果を表20乃至表22に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表20乃至表22の結果より、熟成の温度及び期間が、一般的な淡色ビールでの熟成の温度及び期間と同じである(すなわち、上記標品1の熟成温度よりも高く、同熟成期間よりも短い)と、色彩において、鮮やかな緑色の色彩を呈することが若干失われ、中途半端に濁ったような薄い色彩を呈したものとなってしまうと共に、フルーティさ失われ、酸っぱさや、臭さがでてきてしまう。ゆえに、発酵工程における熟成の温度は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールでの熟成温度より低く保つと共に、発酵工程における熟成の期間は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールでの熟成期間より長く行った方が望ましいことが分かる。
[実施例8]
次に、発酵工程における酵母の量が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)で用いる量より少ないと共に、発酵工程における熟成(後発酵)の温度が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)での温度より低く、かつ、発酵工程における熟成(後発酵)の期間が、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料(一般的な淡色ビール)での期間より長いことが望ましいことを確認するため、本実施例では、酵母の量を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で用いられている量と同量である0.48質量%とし、また、熟成の温度を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で行われている温度である1〜3℃とし、かつ、熟成の期間を、スピルリナを含んでいない発泡性アルコール飲料で行われている期間であって、上記標品1の熟成期間よりも10日少ない30日で行った。すなわち、上記実施例1(標品1)に比して、酵母の量を増やし、熟成の温度を高くし、熟成の期間を短くする以外は上記実施例1と同様に発泡性アルコール飲料を調製し、5〜7℃前後℃に冷却し、官能試験の標品8とした。
官能試験は、50人のパネラーが、上記標品1と上記標品8とを比較し、色、味、香りについて評価を行った。評価結果を表23乃至表25に示す。
Figure 0005075221
Figure 0005075221
Figure 0005075221
表23乃至表25の結果より、酵母の量、熟成の温度及び期間が、一般的な淡色ビールでの酵母の量、熟成の温度及び期間である(すなわち、上記標品1の酵母量よりも多く、同熟成温度よりも高く、同熟成期間よりも短い)と、色彩において、鮮やかな緑色の色彩が若干失われ、中途半端に濁ったような薄い色彩を呈したものとなってしまうと共に、味や香りにおいても、フルーティさ失われ、酸っぱさや甘さ、苦さといった複雑な風味と、臭さがでてきてしまう。ゆえに、発酵工程における酵母の量は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールで用いる量より少なくし、また、発酵工程における熟成の温度は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールでの熟成温度より低く保つと共に、発酵工程における熟成の期間は、スピルリナを含んでいない一般的な淡色ビールでの熟成期間より長く行った方が望ましいことが分かる。
本発明は、発泡性アルコール飲料を扱う業種において産業上有用であり、特に、視覚に与える印象に富んだ鮮やかな色彩を呈すると共に、香味が良く、多くの栄養素(有効成分)を含み、飲料としての香味を低下させることの無い新規な発泡性アルコール飲料における市場において有用である。

Claims (9)

  1. 麦芽、ホップ、水、及び非抽出物のスピルリナを主原料とし、麦芽の糊化、糊化した麦芽による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦汁の作成、ホップを加えた麦汁の煮沸、酵母を加えた麦汁の発酵、発酵した麦汁の熟成、熟成した麦汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法であって、
    前記麦芽の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えることを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
  2. 麦芽代替品、ホップ、水、及び非抽出物のスピルリナを主原料とし、麦芽代替品の糊化、糊化した麦芽代替品による糖化液の生成、糖化液からの穀皮除去による麦芽代替品汁の作成、ホップを加えた麦芽代替品汁の煮沸、酵母を加えた麦芽代替品汁の発酵、発酵した麦芽代替品汁の熟成、熟成した麦芽代替品汁の濾過、といった処理を含む発泡性アルコール飲料の製造方法であって、
    前記麦芽代替品は、とうもろこし、サトウキビ、テンサイといった糖化可能な穀物の何れか1以上からなり、
    前記麦芽代替品の糊化処理段階において、もしくは前記糊化した麦芽代替品による糖化液の生成処理段階までに、前記スピルリナを加えることを特徴とする発泡性アルコール飲料の製造方法。
  3. 前記麦芽又は前記麦芽代替品の糊化処理段階において、インディカ米をさらに加えることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  4. 前記麦芽又は前記麦芽代替品の糊化処理段階において、椰子由来の砂糖をさらに加えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  5. 前記スピルリナとして、予め細胞壁を破壊した非乾燥物を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  6. 前記スピルリナとして、乾燥して細胞壁の強度を弱めた粉末状物をそのまま用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  7. 前記スピルリナとして、乾燥した粉末状物を水又は湯に浸漬して細胞膜を破壊もしくは細胞膜の強度を弱めたものを用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  8. 前記熟成した麦汁又は前記麦芽代替品汁の濾過処理後に、スピルリナの残留汚濁物質を除去する追濾過処理をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の発泡性アルコール飲料の製造方法。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする発泡性アルコール飲料。
JP2010106252A 2010-05-06 2010-05-06 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5075221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010106252A JP5075221B2 (ja) 2010-05-06 2010-05-06 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010106252A JP5075221B2 (ja) 2010-05-06 2010-05-06 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011234628A JP2011234628A (ja) 2011-11-24
JP5075221B2 true JP5075221B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=45323317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010106252A Expired - Fee Related JP5075221B2 (ja) 2010-05-06 2010-05-06 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5075221B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3733829A1 (en) * 2019-03-11 2020-11-04 Hydroservis-Union a.s. Method of enriching beer composition

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103320247A (zh) * 2013-03-15 2013-09-25 王鑫 大豆啤酒及其生产方法
JP2021122188A (ja) * 2020-01-31 2021-08-30 不二製油株式会社 アルコール飲料の製造方法
CN112280625A (zh) * 2020-11-04 2021-01-29 齐鲁工业大学 一种椰味拉格啤酒及其制备方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55156576A (en) * 1979-05-28 1980-12-05 Nobuyuki Miyaji Drink containing spirulina
JPS6147180A (ja) * 1984-08-14 1986-03-07 Kurorera Kogyo Kk 穀物酢の製造方法
JPS62201560A (ja) * 1986-02-28 1987-09-05 Toa Nenryo Kogyo Kk 水分散性スピルリナ粉末の製造方法
JPH05137556A (ja) * 1991-11-22 1993-06-01 Fukumitsuya:Kk 健康食品ビール様飲料とその製造方法
CN1221028A (zh) * 1998-11-25 1999-06-30 哈尔滨天藻螺旋藻科技开发有限公司 螺旋藻啤酒的加工方法
JP2002291460A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Kyodo Shoji:Kk 醸造酒の製造方法及び醸造酒
JP2004173552A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Gun Ei Chem Ind Co Ltd 酒類製造用の米糖化液の製造方法
CN1328985C (zh) * 2003-04-20 2007-08-01 谢新辞 一种即溶螺旋藻制品及其制造方法
JP4494123B2 (ja) * 2004-08-09 2010-06-30 サッポロビール株式会社 大麦、小麦及び麦芽を使用しない発泡性アルコール飲料の製造方法及びその製造方法により製造した発泡性アルコール飲料、並びに麦芽アルコール飲料の製造方法及びその製造方法により製造した麦芽アルコール飲料
JP2010063451A (ja) * 2008-09-14 2010-03-25 Mitsui Sugar Co Ltd ビール酵母発酵促進剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3733829A1 (en) * 2019-03-11 2020-11-04 Hydroservis-Union a.s. Method of enriching beer composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011234628A (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6397452B2 (ja) 低糖質発酵飲料及びその製造方法
KR100664687B1 (ko) 보리 농축액 및 홉 추출물을 포함하는 비발효 탄산음료의제조방법 및 이에 의해 제조된 비발효 탄산음료
JP5848703B2 (ja) 麦芽飲料の穀物臭を低減させる方法
JP5695323B2 (ja) 色麦芽および玄米を用いたビールテイスト飲料およびその製造方法
JP5695322B2 (ja) 酵母エキスを用いたビールテイスト飲料の香味改善方法および香味改善したビールテイスト飲料
JP6235789B2 (ja) ビールテイスト飲料及びその製造方法
JP2019122263A (ja) 発酵麦芽高アルコール飲料
JP2011050265A (ja) 発泡性飲料の製造方法
JP5607379B2 (ja) 玄米を用いたビールテイスト飲料およびその製造方法
JP5075221B2 (ja) 発泡性アルコール飲料、及びその製造方法
JP2019205385A (ja) 麦芽発酵飲料及びその製造方法
KR101788925B1 (ko) 유자 스파클링 약주의 제조방법
Zweytick et al. Production of gluten‐free beer
KR101617431B1 (ko) 누룩을 이용한 당화액 추출물의 제조방법 및 이로부터 제조된 당화액 추출물
JP7052132B1 (ja) ビールテイスト飲料
KR102399972B1 (ko) 밤의 맛과 풍미를 살린 밤을 이용한 맥주 제조 방법 및 그 방법으로 제조된 맥주
TW202300639A (zh) 啤酒風味飲料
JP2007110910A (ja) 発泡性飲料の製造方法と該方法により製造された発泡性飲料
KR102284193B1 (ko) 천연재료를 함유한 누룽지스낵의 제조 방법
CN111534393A (zh) 一种蓝靛果啤酒的制备方法
KR102621087B1 (ko) 개암나무 열매 추출물을 함유하는 발효주 또는 죽의 제조방법
KR102505674B1 (ko) 머루포도를 이용한 맥주 제조 방법
KR102691887B1 (ko) 사과발효액 및 맥아당화액을 이용한 주류 제조방법
KR101412061B1 (ko) 무즙을 함유한 전통주 및 그 제조방법
KR102600744B1 (ko) 초피를 포함하는 맥주 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5075221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees