JP2534275B2 - 蒸留酒の製造方法 - Google Patents

蒸留酒の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は蒸留酒の製造方法に関し、更に詳しくはアス
ペルギルス カワチ(Aspergillus Kawachii)を麹とし
て用い、無蒸煮醗酵を行なうことにより蒸留酒を製造す
る方法に関する。
[従来の技術] 蒸留酒としてのウイスキーは、「図説・日本の食品工
業」(株式会社光琳発行、第598〜602頁)に示されるよ
うに、製造方法により大きく二つに分けられる。一つは
麦芽を原料とし、糖化、醗酵後単式蒸留釜により蒸留す
るものであり、もう一方はトウモロコシ、ライ麦、小麦
などの未発芽穀類を高温蒸煮により液化した後、麦芽を
用いて糖化し、醗酵終了後連続蒸留機により蒸留するも
のである。前者はモルトウイスキー、後者はグレインウ
イスキーと呼ばれる。
アイリッシュウイスキーは麦芽の他に穀類を用いる
が、製法上前者に属する。バーボンウイスキーやカナデ
ィアンウイスキーは後者に属するものである。
[発明が解決しようとする問題点] 通常、ウイスキーは麦芽を用いて糖化することが特徴
であるが、麦芽の生澱粉分解力は弱く、麦芽の酵素源と
して他の穀類を生澱粉の状態で糖化することは極めて困
難である。
現在、本格焼酎の製造に用いられている白麹菌は生澱
粉分解力が強く、またその最適pHが3.5と低く、腐造菌
が増殖しにくいpHであることから、無蒸煮醗酵のための
酵素源としては非常に適していると考えられる。
[問題点を解決するための手段] そこで、本発明者は、酵素源に白麹菌を用い、粉砕ト
ウモロコシと粉砕麦芽を原料とし、ウイスキー酵母を用
いて無蒸煮醗酵を行なったところ、、生澱粉の状態で糖
化できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明によれば、アスペルギルス カワチ(As
pergillus Kawachii)を種麹とし製麹した麹又はアスペ
ルギルス カワチ(Aspergillus Kawachii)の培養生成
物、およびウィスキー酵母を使用し、未発芽穀類と発芽
穀類を原料として無蒸煮醗酵を行ない、次いで醗酵終了
もろみを固液分離し、濾液部分を蒸留することを特徴と
する蒸留酒の製造方法、が提供される。
この方法によれば、醗酵は並行複醗酵となるため、独
立して糖化工程を必要としないほか、低pH下において醗
酵が進むため、雑菌汚染の心配もない。
まず、本発明の概要を説明する。
未発芽穀類と発芽穀類を原料とし、アスペルギルス
カワチ(Aspergillus Kawachii)((株)河内源一郎商
店販売)を種麹として常法により麹をつくる。
次に、麹と水とウイスキー酵母を用い、30℃で2〜3
日間酒母立てを行なう。酒母と水と、未発芽穀類及び発
芽穀類を混合し、無蒸煮醗酵を行なう。この時、クエン
酸を用いてもろみのpHが3.5付近になるように補酸す
る。醗酵は30℃で8〜10間行なう。醗酵終了もろみの生
成アルコールは12〜13%で、醗酵歩合は約81%であっ
た。
次いで、醗酵終了もろみを遠心分離することにより固
液分離し、上澄液を、好ましくは単式蒸留釜で2回蒸留
することにより、アルコール度数約65%の原酒を得るこ
とができる。
得られた原酒は、従来の単式蒸留ウイスキーとは異な
る特有の芳香を有する新しいタイプの原酒である。
本発明においては、アスペルギルス カワチ(Asperg
illus Kawachii)を種麹として常法により製麹してなる
麹、またはアスペルギルス カワチ(Aspergillus Kawa
chii)の培養生成物を使用する点に大きな特徴がある。
アスペルギルス カワチは焼酎の製造の際に麹菌として
使用されるのが一般であり、ウイスキー等の蒸留酒の製
造には全く用いられていなかった。このアスペルギルス
カワチを麹として使用することにより、蒸留酒の製造
において無蒸煮醗酵が可能となったのである。
また、アスペルギルス カワチ(Aspergillus Kawach
ii)の培養性生物としては、アスペルギルス カワチ
(Aspergillus Kawachii)を液体培養あるいは固体培養
することにより得られるものが、生澱粉糖化剤として好
ましく用いられる。
原料としては、未発芽穀類と発芽穀類を用いる。未発
芽穀類としては粉砕トウモロコシ、大麦、小麦、ライ麦
等、発芽穀類としては粉砕麦芽(大麦、小麦、ライ麦)
等が挙げられるが、好ましくは未発芽穀類として粉砕ト
ウモロコシを、発芽穀類として粉砕麦芽(大麦)を用い
る。
さらに、本発明では、無蒸煮醗酵終了もろみを固液分
離し、濾液部分を蒸留するが、その蒸留は単式蒸留法、
連続蒸留法ともに使用できるが、特徴ある芳香成分を有
する蒸留酒の製造のため、好ましくは単式蒸留法により
2回行なう。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基き更に詳細に説明するが、
本発明がこれら実施例に限定されないことは明らかであ
ろう。
実験例1 ウイスキー製造の場合、通常、酒母立ては麦汁に酵母
を植菌後数時間から数十時間無菌的に通気撹拌あるいは
静置培養することにより行なわれる。この時酒母のpHは
4〜5の間である。
一方、白麹菌を用いて製造した麹を用いて酒母を立て
る場合、白麹菌の生産する酸により酒母のpHは3.1〜3.5
程度と低くなる。そこでウイスキー酵母がpHの低い酒母
で十分に増殖し醗酵することが可能であるのかどうかに
ついて検討した。
麦麹106g(精麦大麦100g)に汲水120ml、酵母懸濁液1
mlを加え30℃において酒母を育成し経過を観察した。
酵母は以下に示す5株を用い、YM培地で30℃、2日間
静置培養したものを遠沈洗浄後滅菌水2mlに懸濁した。
次いで、クエン酸を用い、仕込み時のpHを3.3〜3.4に
調整した。酒母における酵母の増殖を次に示す。メチレ
ンブルー染色による死滅酵母は全く認められなかった。
以上の通り、各酵母とも2〜3日間で十分に増殖し
た。
酒母におけるアルコールの生成を次に示す。5種類の
酵母でほとんど差はなく、14〜15%生成した。
酒母の3日目の一般成分を次に示す。
以上の結果より、ウイスキー酵母も焼酎酵母同様、ク
エン酸酸性下の低いpHでも十分に増殖することがわかっ
た。また、酒母の育成条件は30℃で2〜3日間で充分で
あることが確認できた。
実験例2 通常、ウイスキーもろみの生成アルコールは7〜10%
程度である。これに対し、清酒や焼酎の場合は20%近く
までアルコールを蓄積する。これらのことから酵母の違
いによりアルコール耐性が異なるものと推察されるの
で、ウイスキー酵母のアルコール耐性を調べるため、汲
水歩合を変えて仕込みを行なった。
実験例1で用いた酵母5株を用いて全体の汲水歩合を
150%、200%、250%、300%の4段階で仕込みを行な
い、各菌株につき醗酵試験を行なった。酒母は30℃で2
日間とした。醗酵は30℃で8日間行なった。
醗酵終了もろみの分析結果を以下に示す。
焼酎酵母(No.5)に比べ他の酵母は汲水歩合が小さく
なると醗酵歩合が低下した。これは焼酎酵母に比べ耐ア
ルコール性が低いためと思われる。ウイスキー酵母はア
ルコール分14%程度が限度と考えられ、本仕込み法では
汲水歩合250%以上が適当であった。酵母はもろみの香
りで選択した。No.3,No.4,No.5に比べてNo.1,No.2は芳
香成分に富んでおり、甘い香りを有していた。No.1は酵
母の死滅率が低いことから、以後の実験にはNo.1を用い
ることにした。
実験例3 蒸煮醗酵と無蒸煮醗酵を、醗酵及び製品の香気成分の
面から比較検討した。
仕込配合は次の通りとした。
蒸煮仕込みに用いた粉砕トウモロコシは吸水率30%に
なるように散水した後、120℃で20分間加圧蒸煮した。
無蒸煮仕込に用いた粉砕トウモロコシは粉体の状態で醗
酵槽に仕込んだ。
酒母は30℃で2日間とした。醗酵は30℃、8日間行な
った。また仕込み時にクエン酸を用いてもろみのpHを3.
5に調整した。主醗酵の醗酵経過を炭酸ガス減量で示
す。
無蒸煮醗酵は醗酵初期の段階では蒸煮醗酵に比べて醗
酵がやや遅れるが、後半では逆に炭酸ガス減量は大とな
った。
また、下記に示すように、醗酵歩合は無蒸煮醗酵の方
が2.6%ほど高かった。また細菌酸度は共に0であり、
酸度も大差ないことから健全な醗酵が行なわれたものと
考えられる。
もろみ2100mlを2容ステンレス製蒸留釜で蒸留し、
初留液700mlを採取した。次に500ml(アルコール分33.9
%に調整)を再度蒸留し、再留液250mlを採取した。再
留液のアルコール度数は64度であった。これらの香気成
分の分析結果を示す。
低沸点成分で特徴的なものは、初留液、再留液共に無
蒸煮醗酵の方がi−BuOH、i−AmOHの含量が高いことで
ある。
中高沸点成分では、無蒸煮醗酵は蒸煮醗酵に比べて40
〜50%と含量が低いものが多い。β−フェネチル アル
コール(Phenetyl alcohol)は無蒸煮の方が逆に高かっ
た。更に、熟練パネル10名により再留液の官能検査を行
なった。蒸煮と無蒸煮を2点比較法により比較した。
調和性、芳醇性、強弱性共に無蒸煮の方が高い評価を
得た。調和性について有意水準5%で無蒸煮の方が良好
であるとみなせる。その他、無蒸煮の方が原料特有の香
りがなくきれいな感じであるという評価が多かった。
実験例4 実験例3と同様に仕込んだ無蒸煮醗酵もろみを用い、
一方は実験例3と同様にもろみ2100mlを2回蒸留し、ア
ルコール度数64度の再留液を得た。もう一方は、もろみ
2100mlを4000prmで10min遠心分離し、固形分を除いた上
澄液1660mlを蒸留し、初留液556mlを採取した。次に、5
00ml(アルコール分33.9%に調整)を再度蒸留し、再留
液251ml(アルコール分64%)を得た。
これらの香気成分の分析結果を以下に示す。
低沸点成分については直接と分離で大きな違いは認め
られなかった。これに対し中高沸点成分は固形分を除去
し蒸留することによりかなり減少した。
さらに、熟練パネル10名により再留液の官能検査を行
なった。直接と分離を2点比較法により比較した。
調和性、芳醇性、強弱性共に分離の方が高い評価を得
た。調和性については有意水準1%で、芳醇性について
は有意水準5%で分離の方が良好であるとみなせる。他
に分離した方が雑味がなくて良いという評価が多かっ
た。
実験例5 通常のウイスキー製造においては醗酵日数は2〜3日
間である。本発明方法は醗酵が並行複醗酵であるため、
8〜10日間の醗酵日数を要する。醗酵日数の短縮と醗酵
歩合の向上のため、酵素剤の使用を検討した。同時にも
ろみの濾過試験を行ない、固液分離時の濾液の取得量増
加についても検討した。
主醗酵仕込み時に各種酵素剤を添加し、醗酵速度及び
醗酵歩合の向上について検討した。
酒母は30℃で2日間、主醗酵は30℃で10日間行なっ
た。
使用酵素剤 セルロシンAC400(ACと略)……CMCaseが主体 セルロシンHC(HCと略)……ヘミセルラーゼが主体 セルロシンPG(PGと略)……ポリガラクチュローゼが主
体 ダビアーゼK27(K27と略)……生澱粉分解力が強い 酵素は粉砕トウモロコシ量に対して0.1%添加した。
醗酵終了もろみの分析結果を以下に示す。濾過量はもろ
み100mlを東洋濾紙製No.2の濾紙を用いて、1時間濾過
した液量で示してある。
もろみ初期の醗酵速度はセルラーゼ剤を添加すること
により相当高まるが、最終的な醗酵日数の短縮は1〜2
日程度であった。また醗酵歩合はセルラーゼ剤を添加す
ることにより2〜3%向上した。濾過量もセルラーゼ剤
の添加により向上した。
実験例6 ▲麩▼(フスマ)を用いた固体培養によるアスペルギ
ルス カワチの酵素生産を検討した。
培地 ▲麩▼800gに白糠200gを混合し、これにKH2PO44g,MgS
O40.5gを含む水1を加えて2時間放置し、均一な状態
とする。次に120℃、15分加圧殺菌し、培地とする。
製麹 焼酎白麹菌の分生胞子を滅菌した0.01%ツイーン(Tw
een)80の50mlで懸濁させ、滅菌した▲麩▼・白糠培地
に添加、混合し、30℃で3日間製麹した。
酵素の抽出 ▲麩▼麹に500mlの水を加え、室温で3時間抽出し、
濾過して酵素液とした。酵素活性は1ml当りα−アミラ
ーゼ420単位、グルコアミラーゼ136単位、酸性プロテア
ーゼ31.628単位、酸性カルボキシペプチダーゼ8714単
位、トランスグルコシダーゼ1522単位であり、生澱粉分
解力は59単位であった。
以上の結果から、抽出液の生澱粉分解力は、通常の麹
3g程度の力価に相当し、生澱粉糖化剤として使用可能で
あると思われる。
実験例7 液体培地を用いた液体培養によるアスペルギルス カ
ワチの酵素生産を検討した。
培地 ▲麩▼10gに水100mlを加えて、120℃、15分加圧殺菌
を行なった。
培養 滅菌した▲麩▼液体培地は白麹菌を接種し、30℃で5
日間振とう培養を行なった。
酵素活性 培養液中の各種酵素活性は1ml当りα−アミラーゼ296
単位、グルコアミラーゼ23単位、トランスグルコシダー
ゼ10単位であり、生澱粉分解力は5単位であった。
以上の結果より、液体培養は固体培養に比べて生澱粉
分解力の力価は低いが、生澱粉の糖化剤として使用可能
であると思われる。
実施例1 常法により製造した麦麹20kgに水24と培養した酵母
20gを添加し、28〜30℃で3日間酒母の育成を行なっ
た。これに粉砕トウモロコシ60kgと粉砕麦芽20kgと水22
6を添加し、28〜30℃で10日間醗酵を行なった。ま
た、主醗酵仕込み時にクエン酸を用いてpHを3.5に調整
した。醗酵終了もろみの分析結果を以下に示す。この結
果より、醗酵は正常に行なわれたものと判断される。
酸度 8.2 pH 4.1 グルコース(%) 0.02 全糖(%) 0.58 アルコール(%) 12.5 醗酵歩合(%) 81.5 細菌酸度 0.94 酵母数(cells/ml) 3.3×108 死滅率(%) 15.0 醗酵終了もろみ316を遠心分離により固形分を除去
し、上澄液300を得た。この上澄液300を単式蒸留釜
で蒸留し、初留液100を採取した。(アルコール分37.
1%、蒸留歩合98.9%) さらに初留液100を再度蒸留し再留液50を採取し
た。(アルコール分69%、蒸留歩合93%) 再留液の香気成分の分析結果を以下に示す。
エチルラクテート 4.1 エチルカプリレート 9.4 フルフラール 70.5 エチルカプレート 13.7 β−フェネチル アセテート 2.6 エチルラウレート 5.1 β−フェネチル アルコール 116.0 エチルミリステート 2.8 エチルパルミテート 59.0 エチルパルミトレエート 5.3 エチルステアレート 1.0 エチルオレエート 16.3 エチルリノレエート 45.6 アセトアルデヒド 46 エチルアセテート 130 n−PrOH 942 i−BuOH 1121 i−AmOH 3025 単位PPm 次いで、熟練パネル10名により再留液の官能検査を行
ない、従来の代表的なモルトウイスキー原酒とプロファ
イル法により比較した。その結果を第1図に示す。
パネル間のバラツキがあまりなかったので10人の平均
値で示したが、従来のモルトウイスキー原酒と本発明に
よる原酒では香りのパターンが全く異なっているとみな
すことができる。
実施例2 主醗酵の原料の一部に粉砕麦芽を用いて無蒸煮醗酵を
行なった。▲麩▼は粉砕トウモロコシを用いて作った。
粉砕トウモロコシに吸水率30%になるように散水し、2.
5時間堆積後1.5時間蒸きょうした。放冷後吸水率40%に
なるように加水し、種付けを行ない40〜45℃で2日間培
養した後、30℃で1日間乾燥させた。
実施例1と同じ仕込方法で、掛原料は麦芽の使用割合
が全体の20%、40%、60%と3種類仕込みを行ない、対
照仕込みと比較した。醗酵終了もろみの分析結果を以下
に示す。
醗酵終了もろみを遠心分離し固形分を除去した後、上
澄液300を単式蒸留釜で蒸留し、初留液100を採取し
た。さらに初留液100を蒸留し再留液50を得た。
再留液の香気成分の分析結果を以下に示す。
麦芽の使用割合が増加するに従ってn−PrOH,i−BuOH
i−AmOH,β−フェネチル アルコール,エチルカプリ
レート,エチルカプレート等が減少した。逆にエチルラ
クテート,フルフラール等が増加した。
次に、熟練パネル10名により再留液の官能検査を行な
った。麦芽含量0%、20%、40%、60%の4点をウイス
キー原酒として官能的に良好と思われる順番に1から4
まで順位をつけた。10人の平均点を以下に記す。
麦芽40%のものが最も評価が高く、以下60%、20%、
0%の順番であった。
コメントを総合すると、麦芽の含量が増加するに従
い、トウモロコシ特有の香りが薄れ、甘い香りが増加し
た。また香りのボディ感も増加した。麦芽40%のものが
最も評価が高かったのは、麹、トウモロコシ、麦芽のそ
れぞれの香りがバランスよくまとまっているためと思わ
れる。
クレーマーの迅速有意差検定法によると、有意水準1
%で麦芽40%のものが有意に良好であり、麦芽0%のも
のが有意に良好でないとみなせる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の蒸留酒の製造方法によ
れば、アスペルギルス カワチ(Aspergillus Kawachi
i)を種麹として常法により製麹してなる麹、またはア
スペルギルス カワチ(Aspergillus Kawachii)の培養
生成物を使用して無蒸煮醗酵を行なうため、従来必要で
あった加熱工程を省略でき、しかもアルコール度数が約
65%程度の、官能的に優れた蒸留酒を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における官能検査の結果を示す線図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉沢 淑 東京都北区滝野川2丁目6番30号 国税 庁醸造試験所内 (72)発明者 能勢 晶 千葉県松戸市胡録台146 ニッカ松戸ア パート204号 (72)発明者 平井 光雄 千葉県柏市増尾2196番20号

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスペルギルス カワチ(Aspergillus Ka
    wachii)を種麹とし製麹した麹又はアスペルギルス カ
    ワチ(Aspergillus Kawachii)の培養生成物、およびウ
    ィスキー酵母を使用し、未発芽穀類と発芽穀類を原料と
    して無蒸煮醗酵を行ない、次いで醗酵終了もろみを固液
    分離し、濾液部分を蒸留することを特徴とする蒸留酒の
    製造方法。
  2. 【請求項2】アスペルギルス カワチ(Aspergillus Ka
    wachii)の培養生成物が、アスペルギルス カワチ(As
    pergillus Kawachii)を液体培養あるいは固体培養する
    ことにより得られるものである特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】未発芽穀類と発芽穀類が、それぞれ粉砕ト
    ウモロコシと粉砕麦芽である特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  4. 【請求項4】蒸留酒がウイスキーである特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
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