JP3119365B2 - 酒類、食品の製造方法 - Google Patents
酒類、食品の製造方法Info
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原料利用率が向上した呈味性豊かな酒類、食
品の製造方法に関する。
品の製造方法に関する。
植物種子、例えばオオムギ、トウモロコシ、米等の種
子貯蔵タンパク質はプロテインボディと呼ばれる細胞顆
粒に集積するが、1例を米にとると米貯蔵タンパク質は
プロテインボディと呼ばれる細胞顆粒に集積し、そのう
ち精白米のプロテインボディは形態、顆粒の構成タンパ
ク質の生合成機構などから2種類に分類される。1つ目
のプロテインボディI(以下、PB−Iと略記する)は、
小型の球形顆粒で層状構造を示し、精白米タンパク質中
の20〜30%を占める。PB−Iの主タンパク質はプロラミ
ンでグルタミン、プロリン高含有のアミノ酸組成となっ
ている。2つ目のプロテインボディII(以下、PB−IIと
略記する)は、楕円形でブロック構造を示し、精白米タ
ンパク質中の70〜80%を占め、主タンパク質はグルテリ
ンである。従来より、食品の製造においては、米タンパ
ク質の利用率を高め、アミノ酸及び低分子ペプチド含量
を増加させ旨味成分の豊かな風味のある酒類、食品をつ
くるためプロテアーゼやペプチダーゼの強い麹菌の使用
あるいは市販のプロテアーゼ製剤を添加するなどの方法
がとられてきた。しかし白米中のPB−Iでは貯蔵される
プロラミンポリペプチドが疎水結合により強固な層状構
造をとることが知られている。従来微生物及び/又は微
生物酵素においては、PB−I分解能を有する報告は知ら
れていない。またプロラミンを主体とするPB−Iは人の
タンパク質分解酵素でも消化されない〔田中國介、増村
威宏、化学と生物、第26巻、第543頁(1988)〕。
子貯蔵タンパク質はプロテインボディと呼ばれる細胞顆
粒に集積するが、1例を米にとると米貯蔵タンパク質は
プロテインボディと呼ばれる細胞顆粒に集積し、そのう
ち精白米のプロテインボディは形態、顆粒の構成タンパ
ク質の生合成機構などから2種類に分類される。1つ目
のプロテインボディI(以下、PB−Iと略記する)は、
小型の球形顆粒で層状構造を示し、精白米タンパク質中
の20〜30%を占める。PB−Iの主タンパク質はプロラミ
ンでグルタミン、プロリン高含有のアミノ酸組成となっ
ている。2つ目のプロテインボディII(以下、PB−IIと
略記する)は、楕円形でブロック構造を示し、精白米タ
ンパク質中の70〜80%を占め、主タンパク質はグルテリ
ンである。従来より、食品の製造においては、米タンパ
ク質の利用率を高め、アミノ酸及び低分子ペプチド含量
を増加させ旨味成分の豊かな風味のある酒類、食品をつ
くるためプロテアーゼやペプチダーゼの強い麹菌の使用
あるいは市販のプロテアーゼ製剤を添加するなどの方法
がとられてきた。しかし白米中のPB−Iでは貯蔵される
プロラミンポリペプチドが疎水結合により強固な層状構
造をとることが知られている。従来微生物及び/又は微
生物酵素においては、PB−I分解能を有する報告は知ら
れていない。またプロラミンを主体とするPB−Iは人の
タンパク質分解酵素でも消化されない〔田中國介、増村
威宏、化学と生物、第26巻、第543頁(1988)〕。
酒類、食品の製造においてタンパク質の利用率の向上
は旨味や香味成分の増加のため重要な問題である。しか
し従来の微生物及び/又は微生物酵素を用いる技術にお
いては精白米タンパク質はPB−IIのみの利用に留まって
いる。そこでPB−Iを分解する微生物及び/又は酵素が
得られれば、原料PB−Iのタンパク質が利用されること
になる。
は旨味や香味成分の増加のため重要な問題である。しか
し従来の微生物及び/又は微生物酵素を用いる技術にお
いては精白米タンパク質はPB−IIのみの利用に留まって
いる。そこでPB−Iを分解する微生物及び/又は酵素が
得られれば、原料PB−Iのタンパク質が利用されること
になる。
したがって、本発明の目的はタンパク質の利用率の従
来技術以上に向上した呈味性の豊かな酒類、食品の製造
方法を提供することにある。
来技術以上に向上した呈味性の豊かな酒類、食品の製造
方法を提供することにある。
本発明を概説すると、本発明はアルコール14%(v/
v)存在下におけるプロラミン分解酵素力価(第三回改
正国税庁所定分析法注解準拠)が1μg/ml以上であるPB
−I分解能を有する、アスペルギルス(Aspergillus、
以下、A.と略記する)オリーゼ、リゾプス(Rhizopus、
以下、R.と略記する)フォルモサエンシス、若しくはR.
オリーゼ及び/又はそれらの酵素を用いることを特徴と
する酒類、食品の製造方法に関する。
v)存在下におけるプロラミン分解酵素力価(第三回改
正国税庁所定分析法注解準拠)が1μg/ml以上であるPB
−I分解能を有する、アスペルギルス(Aspergillus、
以下、A.と略記する)オリーゼ、リゾプス(Rhizopus、
以下、R.と略記する)フォルモサエンシス、若しくはR.
オリーゼ及び/又はそれらの酵素を用いることを特徴と
する酒類、食品の製造方法に関する。
本発明の酒類、食品としてはPB−Iを含有する原料か
ら製造される酒類、食品であり、例えば、清酒、みり
ん、焼酎、甘酒、醤油、味噌、米酢、酒精含有調味料と
いった米麹、麦麹、ダイズ麹等を用いた食品が挙げられ
る。
ら製造される酒類、食品であり、例えば、清酒、みり
ん、焼酎、甘酒、醤油、味噌、米酢、酒精含有調味料と
いった米麹、麦麹、ダイズ麹等を用いた食品が挙げられ
る。
以下、本発明を麹菌及び/又はその酵素について説明
するが、同様の方法により本発明の他の微生物及び酵素
により酒類、食品を製造することができる。
するが、同様の方法により本発明の他の微生物及び酵素
により酒類、食品を製造することができる。
A.オリーゼ(oryzae) IFO 4377 A.オリーゼ IFO 4251 A.オリーゼ IFO 4250 A.オリーゼ IFO 5375 R.フォルモサエンシス(formosaensis) IFO 4756 R.オリーゼ IFO 4716 本発明における麹菌は、PB−Iの分解能を有し麹菌を
穀物に接種して麹を調製することができる。その麹は例
えば米、麦、ヒエ、アワ、コーリャン、トウモロコシ等
に繁殖させたものであれば良い。
穀物に接種して麹を調製することができる。その麹は例
えば米、麦、ヒエ、アワ、コーリャン、トウモロコシ等
に繁殖させたものであれば良い。
また本発明における酵素は麹の水抽出液又は液体培養
液をエタノールで沈殿した後、遠心分離で集め乾燥する
など通常の方法を用いてつくった酵素であれば良い。
液をエタノールで沈殿した後、遠心分離で集め乾燥する
など通常の方法を用いてつくった酵素であれば良い。
これら麹菌を用いて調製した麹を使用した酒類、食品
中のタンパク質PB−Iは顕著に分解され、タンパク質利
用率が向上した。
中のタンパク質PB−Iは顕著に分解され、タンパク質利
用率が向上した。
本発明の麹菌で更にグルタミナーゼ活性の強い麹菌を
用いた場合、あるいは本発明の麹菌とは異なったグルタ
ミナーゼ活性の強い麹菌を併用すれば、グルタミン酸高
含有の呈味性の強い食品を得ることができる。
用いた場合、あるいは本発明の麹菌とは異なったグルタ
ミナーゼ活性の強い麹菌を併用すれば、グルタミン酸高
含有の呈味性の強い食品を得ることができる。
本発明のPB−I分解能を有する麹菌のスクリーニング
を行う場合、まずプロラミン分解能によりスクリーニン
グを行い、次いでPB−I分解能を検定することが簡便で
ある。
を行う場合、まずプロラミン分解能によりスクリーニン
グを行い、次いでPB−I分解能を検定することが簡便で
ある。
1. 種々の麹菌を用いた麹のアルコール存在、非存在下
におけるプロラミン分解酵素力価 麹菌84株を用い常法に従い米麹を調製し、その4gを15
mlの蒸留水で抽出しろ過後5℃で24時間透析を行い、粗
酵素液を調製した。その粗酵素液0.5mlを2%プロラミ
ン液、緩衝液(pH6.0)及びアルコール0%(v/v)2.5m
l又はアルコール14%(v/v)に混合し、38℃で120分作
用させその後プロテアーゼ活性の測定方法(国税庁所定
分析法注解準拠)に従って測定した。
におけるプロラミン分解酵素力価 麹菌84株を用い常法に従い米麹を調製し、その4gを15
mlの蒸留水で抽出しろ過後5℃で24時間透析を行い、粗
酵素液を調製した。その粗酵素液0.5mlを2%プロラミ
ン液、緩衝液(pH6.0)及びアルコール0%(v/v)2.5m
l又はアルコール14%(v/v)に混合し、38℃で120分作
用させその後プロテアーゼ活性の測定方法(国税庁所定
分析法注解準拠)に従って測定した。
基質に用いたプロラミンは常法に従い、精白米を粉砕
し、熱エタノール抽出を行い、その抽出液をろ過し、そ
のろ液を濃縮した後遠心分離、透析を行って調製した。
し、熱エタノール抽出を行い、その抽出液をろ過し、そ
のろ液を濃縮した後遠心分離、透析を行って調製した。
本試験ではこのPB−Iの主のタンパク質であるプロラ
ミンを基質として使用し、PB−I分解能を調べる1試験
とした。
ミンを基質として使用し、PB−I分解能を調べる1試験
とした。
第1表よりプロラミン分解能が特に優れた麹菌は供試
A.オリーゼ65株中アルコール14%(v/v)では10株であ
り、それらは市販種もやしAの13倍〜4倍の分解能を有
した。A.オリーゼ以外には、A.タマリIFO4359、R.フォ
ルモサエンシスIFO4756、R.オリーゼIFO4716がアルコー
ル14%(v/v)の存在下で1μg/ml以上の分解能を示し
た。
A.オリーゼ65株中アルコール14%(v/v)では10株であ
り、それらは市販種もやしAの13倍〜4倍の分解能を有
した。A.オリーゼ以外には、A.タマリIFO4359、R.フォ
ルモサエンシスIFO4756、R.オリーゼIFO4716がアルコー
ル14%(v/v)の存在下で1μg/ml以上の分解能を示し
た。
2. 麹の自己消化液中におけるPB−Iの分解 プロラミン分解能の試験より選んだA.オリーゼIFO437
7、IFO4251、IFO4250、IFO5375ほか、A.オリーゼ6株及
びA.タマリIFO4359、R.フォルモサエンシスIFO4756、R.
オリーゼIFO4716、市販みりん用種もやしを用い常法に
従い米麹を調製した。
7、IFO4251、IFO4250、IFO5375ほか、A.オリーゼ6株及
びA.タマリIFO4359、R.フォルモサエンシスIFO4756、R.
オリーゼIFO4716、市販みりん用種もやしを用い常法に
従い米麹を調製した。
その後、55℃で5時間乾燥し乾燥麹とした。
この乾燥麹20gに100mlの蒸留水を加え、55℃で18時間
自己消化させ、自己消化液をろ過した後、ろ過残渣を充
分水洗した。その残渣を常法通りSDS化し、SDS−PAGE電
気泳動を用いて、各種麹のPB−I分解能を調べた。
自己消化させ、自己消化液をろ過した後、ろ過残渣を充
分水洗した。その残渣を常法通りSDS化し、SDS−PAGE電
気泳動を用いて、各種麹のPB−I分解能を調べた。
その結果PB−Iのポリペプチドの分子量である10000
及び13000のバンドはA.オリーゼIFO4377、IFO4251、IFO
4250、IFO5375、A.タマリIFOF4359、R.フォルモサエン
シスIFO4756、R.オリーゼIFO4716の自己消化残渣で明ら
かに分解がみられるのみならず、PB−IIの分解も高いこ
とが認められたことから、これらの麹菌又は麹酵素の使
用は原料中窒素成分の利用率向上に有効である。また市
販みりん用米麹の自己消化残渣にはPB−Iの分解がみら
れなかった。更に上記菌株については精白米を蒸し、α
−アミラーゼで糖化した後遠心を行い、その沈殿物を乳
酸及び塩化ナトリウム溶液でかくはんした後、遠心して
得たPB−Iでもその分解能の高いことを確認した。
及び13000のバンドはA.オリーゼIFO4377、IFO4251、IFO
4250、IFO5375、A.タマリIFOF4359、R.フォルモサエン
シスIFO4756、R.オリーゼIFO4716の自己消化残渣で明ら
かに分解がみられるのみならず、PB−IIの分解も高いこ
とが認められたことから、これらの麹菌又は麹酵素の使
用は原料中窒素成分の利用率向上に有効である。また市
販みりん用米麹の自己消化残渣にはPB−Iの分解がみら
れなかった。更に上記菌株については精白米を蒸し、α
−アミラーゼで糖化した後遠心を行い、その沈殿物を乳
酸及び塩化ナトリウム溶液でかくはんした後、遠心して
得たPB−Iでもその分解能の高いことを確認した。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 第2表に示すような一般的仕込配合の一段仕込みでみ
りん醸造を行った。掛け米は85%精白糯米を通常の方法
に従って処理後、120℃で10分間蒸煮して用いた。米麹
は85%精白粳米をを常法に従って処理した蒸米にPB−
I、PB−IIの分解能の比較的高いA.オリーゼIFO4250、I
FO4251の胞子を蒸米当り、0.1%(w/w)接種し、30℃で
48時間培養した。対照には市販みりん用種もやしを用い
同様にして調製した。 第2表 みりん仕込配合 原 料 重量(g) 蒸し糯米 628 麹 93 35%(w/w)アルコール 279 配合した醪は30℃で30日間糖化、熟成し、その後搾汁
と粕に分離した。この方法によって得られたみりんの一
般分析値を第3表に示す。
りん醸造を行った。掛け米は85%精白糯米を通常の方法
に従って処理後、120℃で10分間蒸煮して用いた。米麹
は85%精白粳米をを常法に従って処理した蒸米にPB−
I、PB−IIの分解能の比較的高いA.オリーゼIFO4250、I
FO4251の胞子を蒸米当り、0.1%(w/w)接種し、30℃で
48時間培養した。対照には市販みりん用種もやしを用い
同様にして調製した。 第2表 みりん仕込配合 原 料 重量(g) 蒸し糯米 628 麹 93 35%(w/w)アルコール 279 配合した醪は30℃で30日間糖化、熟成し、その後搾汁
と粕に分離した。この方法によって得られたみりんの一
般分析値を第3表に示す。
第3表から、PB−I分解能を有する麹菌A.オリーゼIF
O4250及びIFO4251を用いた麹で仕込んだ場合には、対照
の市販みりん用もやしの場合に比べ、顕著に全窒素及び
アミノ態窒素成分が増加した。
O4250及びIFO4251を用いた麹で仕込んだ場合には、対照
の市販みりん用もやしの場合に比べ、顕著に全窒素及び
アミノ態窒素成分が増加した。
また第4表からグルタミナーゼ力価の強いA.オリーゼ
IFO4251では対照の市販みりん用もやしに比べそれを用
いて試作したみりん中の旨味成分のグルタミン酸は1.4
倍以上に増加した。
IFO4251では対照の市販みりん用もやしに比べそれを用
いて試作したみりん中の旨味成分のグルタミン酸は1.4
倍以上に増加した。
これらのみりんの官能検査を9人のパネラーにより3
点法で行った。(1:良、2:並、3:不良) その結果を第5表に示す。
点法で行った。(1:良、2:並、3:不良) その結果を第5表に示す。
第5表より、PB−I分解能を有する麹菌A.オリーゼIF
O4250、A.オリーゼIFO4251を用いた麹を使用したみりん
は対照のものに比べ濃厚感があり、旨味も多く、官能評
価でも良い結果になった。
O4250、A.オリーゼIFO4251を用いた麹を使用したみりん
は対照のものに比べ濃厚感があり、旨味も多く、官能評
価でも良い結果になった。
実施例2 実施例1の場合と同様に、85%精白粳米を常法に従っ
て処理した蒸米に、A.オリーゼIFO4250、同IFO4251、R.
オリーゼIFO4716の胞子を蒸米当り0.1%(w/w)接種
し、38℃、48時間培養してPB−I分解能を有する米麹を
得た。また対照には市販みりん用種もやしを用いて米麹
を調製した。これらそれぞれの米麹を第6表に示すよう
な仕込配合を用いて混合し、55℃で17時間反応させて、
濃厚タイプの甘酒を得た。 第6表 甘酒仕込配合 原 料 重量(g) 麹 208 ※炊飯米 241 水 551 ※ 炊飯米は常法通り処理を行った この甘酒の官能検査を9人のパネラーにより3点法で
行った(1:良、2:並、3:不良) その結果を第7表に示した。
て処理した蒸米に、A.オリーゼIFO4250、同IFO4251、R.
オリーゼIFO4716の胞子を蒸米当り0.1%(w/w)接種
し、38℃、48時間培養してPB−I分解能を有する米麹を
得た。また対照には市販みりん用種もやしを用いて米麹
を調製した。これらそれぞれの米麹を第6表に示すよう
な仕込配合を用いて混合し、55℃で17時間反応させて、
濃厚タイプの甘酒を得た。 第6表 甘酒仕込配合 原 料 重量(g) 麹 208 ※炊飯米 241 水 551 ※ 炊飯米は常法通り処理を行った この甘酒の官能検査を9人のパネラーにより3点法で
行った(1:良、2:並、3:不良) その結果を第7表に示した。
PB−I分解能を有する麹菌A.オリーゼIFO4250、A.オ
リーゼIFO4251、R.オリーゼIFO4716を用いた麹を使用し
た甘酒は対照のものに比べ、味に幅と旨味があり、濃厚
感が感じられ、官能評価においても優れているという評
価を得た。
リーゼIFO4251、R.オリーゼIFO4716を用いた麹を使用し
た甘酒は対照のものに比べ、味に幅と旨味があり、濃厚
感が感じられ、官能評価においても優れているという評
価を得た。
実施例3 実施例1の場合と同様に85%精白粳米を常法に従って
処理した蒸米に、A.オリーゼIFO4250、同IFO4251の胞子
を蒸米当り0.1%(w/w)接種し、30℃で48時間培養して
得たPB−I分解能を有する米麹300gに蒸米1000gと吸水
3リットルを加えかくはん後、57℃で24時間糖化後20℃
に冷却、圧搾酵母を添加し20℃で20日間発酵を行った。
この発酵醪を圧搾後、固液分離し、得られた液に対し3
%量の種酢を植菌、30℃で40日間静置発酵を行った。そ
の後ろ過し、米酢を得た。
処理した蒸米に、A.オリーゼIFO4250、同IFO4251の胞子
を蒸米当り0.1%(w/w)接種し、30℃で48時間培養して
得たPB−I分解能を有する米麹300gに蒸米1000gと吸水
3リットルを加えかくはん後、57℃で24時間糖化後20℃
に冷却、圧搾酵母を添加し20℃で20日間発酵を行った。
この発酵醪を圧搾後、固液分離し、得られた液に対し3
%量の種酢を植菌、30℃で40日間静置発酵を行った。そ
の後ろ過し、米酢を得た。
対照として市販みりん用もやしを用いて米麹をつく
り、同様に米酢を試作した。この官能検査結果を第8表
に示す。官能評価はパネラー9名で3点法(1:良、2:
並、3:不良)で行った。PB−I分解能を有する麹を使用
した米酢は、酸味が強く、旨味もあり、対照に比べて良
い評価を得た。
り、同様に米酢を試作した。この官能検査結果を第8表
に示す。官能評価はパネラー9名で3点法(1:良、2:
並、3:不良)で行った。PB−I分解能を有する麹を使用
した米酢は、酸味が強く、旨味もあり、対照に比べて良
い評価を得た。
実施例4 第9表に示すような一般的な仕込配合の2段仕込で清
酒醸造を行った。75%精白の掛米は通常の方法で処理後
蒸煮して用いた。米麹は75%精白粳米を常法に従って処
理した蒸米にA.オリーゼIFO5375の胞子を蒸米当り0.1%
(w/w)接種し、30℃で48時間培養してPB−I分解能を
有する米麹を得た。対照には市販清酒用種もやしを用い
同様にして調製した。酵母は協会701号を用いた。 第9表 清酒仕込配合 原 料 初添 留添 掛 米(g) 206 460 麹用白米(g) 75 105 汲 水(ml) 450 900 75%乳酸(ml) 0.8 − 酵 母(g) 0.6 − 第9表より、初添は麹、蒸米、汲水、乳酸及び酵母を
混合し、醪を調製した。24時間後、留添を行い15℃で発
酵を行い留添後18日目で醪を圧搾ろ過し、成分分析を行
った。その結果を第10表に示す。
酒醸造を行った。75%精白の掛米は通常の方法で処理後
蒸煮して用いた。米麹は75%精白粳米を常法に従って処
理した蒸米にA.オリーゼIFO5375の胞子を蒸米当り0.1%
(w/w)接種し、30℃で48時間培養してPB−I分解能を
有する米麹を得た。対照には市販清酒用種もやしを用い
同様にして調製した。酵母は協会701号を用いた。 第9表 清酒仕込配合 原 料 初添 留添 掛 米(g) 206 460 麹用白米(g) 75 105 汲 水(ml) 450 900 75%乳酸(ml) 0.8 − 酵 母(g) 0.6 − 第9表より、初添は麹、蒸米、汲水、乳酸及び酵母を
混合し、醪を調製した。24時間後、留添を行い15℃で発
酵を行い留添後18日目で醪を圧搾ろ過し、成分分析を行
った。その結果を第10表に示す。
第10表から、A.オリーゼIFO5375を用いた麹を使用し
て醸造した清酒の全窒素含量は対照の市販清酒用種もや
しの場合に比べ、顕著に増加した。また官能的にもコク
のある香りの高い清酒を得ることができた。
て醸造した清酒の全窒素含量は対照の市販清酒用種もや
しの場合に比べ、顕著に増加した。また官能的にもコク
のある香りの高い清酒を得ることができた。
実施例5 第11表に示すような一般的な仕込配合の麦焼酎醸造を
行った。大麦は70%精麦とし、麦麹は精麦大麦を蒸し、
A.オリーゼIFO4377の胞子を接種し、30℃で48時間培養
してPB−I分解能を有する麦麹を得た。対照には市販焼
酎用種もやしを用い同様にして調製した。 第11表 焼酎仕込配合 原料 一次仕込 二次仕込 計 麦麹(g) 251 − 251 表(g) − 529 529 汲水(ml) 360 1240 1600 発酵は13日間、30℃で行い、これらの熟成醪を減圧ポ
ットスチルで蒸留し、中留区分を分取し、官能評価を行
った。官能評価はパネラー9名、3点法で行った(1:
良、2:並、3:不良)。その結果を第12表に示した。PB−
I分解能を有する麹菌A.オリーゼIFO4377を用いた麹を
使用した麦焼酎は対照のものに比べて香りが豊富で優れ
ているという評価を得た。
行った。大麦は70%精麦とし、麦麹は精麦大麦を蒸し、
A.オリーゼIFO4377の胞子を接種し、30℃で48時間培養
してPB−I分解能を有する麦麹を得た。対照には市販焼
酎用種もやしを用い同様にして調製した。 第11表 焼酎仕込配合 原料 一次仕込 二次仕込 計 麦麹(g) 251 − 251 表(g) − 529 529 汲水(ml) 360 1240 1600 発酵は13日間、30℃で行い、これらの熟成醪を減圧ポ
ットスチルで蒸留し、中留区分を分取し、官能評価を行
った。官能評価はパネラー9名、3点法で行った(1:
良、2:並、3:不良)。その結果を第12表に示した。PB−
I分解能を有する麹菌A.オリーゼIFO4377を用いた麹を
使用した麦焼酎は対照のものに比べて香りが豊富で優れ
ているという評価を得た。
〔発明の効果〕 以上に述べたように、酒類、食品の製造において、PB
−I分解能を有する微生物及び/又は酵素を用いること
により原料の窒素成分の利用率が向上した呈昧性豊かな
酒類、食品を製造することができるので、この酒類、食
品の製造方法は極めて有用な製造方法である。
−I分解能を有する微生物及び/又は酵素を用いること
により原料の窒素成分の利用率が向上した呈昧性豊かな
酒類、食品を製造することができるので、この酒類、食
品の製造方法は極めて有用な製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12N 1/14 C12R 1:69 1:845) (72)発明者 高山 卓美 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寶酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 田中 國介 京都府京都市左京区下鴨宮崎町128番地 (56)参考文献 特開 昭55−162981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/14 C12R 1:69 C12R 1:845 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) JICSTファイル(JAFIC)
Claims (1)
- 【請求項1】アルコール14%(v/v)存在下におけるプ
ロラミン分解酵素力価(第三回改正国税庁所定分析法注
解準拠)が1μg/ml以上であるプロテインボディI分解
能を有する、アスペルギルス オリーゼ、リゾプス フ
ォルモサエンシス、若しくはリゾプス オリーゼ及び/
又はそれらの酵素を用いることを特徴とする酒類、食品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11970290A JP3119365B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 酒類、食品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11970290A JP3119365B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 酒類、食品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0416182A JPH0416182A (ja) | 1992-01-21 |
JP3119365B2 true JP3119365B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=14767968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11970290A Expired - Lifetime JP3119365B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 酒類、食品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119365B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2710649A1 (fr) * | 1993-09-30 | 1995-04-07 | Germinal Sarl | Film polymérique à base de prolamines, son procédé de préparation et ses applications . |
JP2009232857A (ja) * | 2009-06-22 | 2009-10-15 | Kizakura Co Ltd | 米蛋白質の製造方法、それにより製造される米蛋白質、及び食品。 |
TWI411442B (zh) * | 2010-01-28 | 2013-10-11 | Mackay Memorial Hospital | Application of Glutenin in Inhibiting Leukemia |
-
1990
- 1990-05-11 JP JP11970290A patent/JP3119365B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0416182A (ja) | 1992-01-21 |
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