JP2826989B2 - 大豆酢 - Google Patents

大豆酢

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大豆を原料とする
食酢及びその製造方法に関するものである。本発明に係
る大豆酢は、旨味が強く酸味はマイルドな従来未知の新
規食酢であって、食酢として単独で使用できることはも
とより、他の調味料等と混合使用して各種の調理や食品
製造に広く使用できる。
【0002】
【従来の技術】食酢、特に醸造酢は、穀物、果実、アル
コール飲料、酒粕などの炭水化物を原料とし、エタノー
ルを酢酸発酵させて製造している(「化学大辞典4」共
立出版(昭46−2−5)第829頁)。このように、
従来、食酢の原料としては炭水化物が専ら使用されてい
たのが技術の現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食酢は、単独使用及び
併合使用による調味料として有用なだけでなく、近年に
なり、健康食品としてもその重要性がクローズアップさ
れており、需要の増大が見込まれている。そして、消費
者の嗜好性の多様化にもともない、新しいタイプの食酢
の製造が当業界において広く待望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した業界
のニーズに対応する目的でなされたものであって、従来
未知の全く新しいタイプの食酢を製造するという技術課
題を設定し、その解決のために各方面から検討の結果、
発想の転換が必要であることを認め、全く新しいタイプ
の食酢の創製には従来使用されたことのない原料を用い
ることが重要である点にはじめて着目した。
【0005】そこで、従来からの食酢の製造原料が主に
炭水化物である点に鑑み、炭水化物とは全く性質が異な
りしかも食酢とは関係のない蛋白質や脂肪に富む大豆を
原料とした納豆にはじめて着目した。そしてこの納豆の
食酢化について鋭意研究した結果、納豆をプロテアーゼ
処理した後、これに種酢、エタノールを加えて酢酸菌に
より酢酸発酵せしめたところ、全く予期せざることに、
食酢の製造が可能であることを発見しただけでなく、得
られた食酢は、旨味が強く酸味がまろやかで、従来にな
い新しいタイプの食酢であることも発見した。
【0006】また、納豆のほか、きなこや脂肪大豆その
他大豆加工品の納豆菌処理物も充分に食酢原料として使
用できるだけでなく、使用原料によってそれぞれ特徴の
あるタイプの異なった食酢が得られるという有用な新事
実も発見した。
【0007】本発明は、これらの新知見に基づき、更に
検討の結果、遂に完成されたものである。以下、本発明
について詳述する。
【0008】使用原料としては、大豆もしくは大豆加工
品の納豆菌による処理物が広く利用される。大豆の納豆
菌処理物の代表例は納豆であり、各種タイプの納豆が広
く使用できる。また、大豆加工品を蒸煮等加熱処理した
後、又はすることなく、これに納豆菌(Bacillus natt
o、Bacillus subtilis IFO 13169等のほか、市販の納豆
から分離培養したものや市販されている納豆菌が適宜使
用できる)を接種して培養、処理して得たもの(いわ
ば、納豆類似物、大豆類発酵処理物等ということができ
るもの)も広く原料として利用できる。
【0009】大豆加工品としては、脱脂大豆、おから、
きなこ、大豆粉(脱脂大豆粉、全脂大豆粉、低脂大豆
粉、レシチン添加大豆粉、酵素活性大豆粉、豆腐粉
等)、大豆グリッツその他大豆由来の各種製品がすべて
使用可能である。
【0010】このようにして調製した納豆菌処理物は、
プロテアーゼを用いて加水分解する。このプロテアーゼ
処理は、納豆菌処理物に対して直接プロテアーゼを添加
して行ってもよいし、加水、破砕ないし粉砕した後、種
酢を加え、プロテアーゼ処理してもよく、その他加水分
解を行ううえで必要な処理を適宜採用しながらプロテア
ーゼ処理を行う。
【0011】次いで、エタノールの存在下、種酢、グル
コース、無機塩類、水、その他酢酸発酵に常用される成
分を加えて所定量とし、酢酸菌(Acetobacter aceti IF
O 3281等アセトバクター属菌のほか、市販の種酢から分
離培養したものや市販されている酢酸菌が適宜使用でき
る)を移植して、常法にしたがって酢酸発酵を行う。発
酵終了後、常法にしたがってろ過、熟成させて食酢製品
とする。
【0012】酢酸発酵は、静置発酵のほか通気攪拌発酵
(深部発酵)のいずれも可能であり、また、発酵塔を用
いる速酢法も利用することができる。また酢酸発酵を実
施するに当り、エタノールの存在が必要となるが、それ
にはエタノールをもろみに直接添加するほか、必要あれ
ばグルコース等の糖を加えておきこれに酵母を添加して
もろみ中でアルコール発酵を行わせてエタノール存在下
条件を創製してもよい。酵母としては、エタノールを生
成しうる酵母であればすべてのものが使用可能であっ
て、例えば、Saccharomyces cerevisiae IFO 1010等サ
ッカロミセス属菌のほか、市販されているパン酵母、協
会7号や9号といった清酒酵母、ビール酵母等が適宜使
用できる。
【0013】このようにして製造した大豆酢(納豆酢)
は、従来全く未知の新規食品であって、納豆の特異な臭
いはなくて風味が良く、酸味はまろやかで旨味が強い。
アミノ酸含量が高く必須アミノ酸のバランスもよくて、
健康食品としても価値あるものである。用途は、単体で
の調味料のほかに、醤油と混合しての鍋物用酢、ポン
酢、あるいは砂糖、食塩を添加してのラッキョ漬け用酢
などとしてもすぐれている。以下、本発明の実施例につ
いて述べる。
【0014】
【実施例1】納豆25gに水100mlを加えてミキサ
ーで破砕し、1L容のソロバン玉形フラスコ(フェルン
バッハフラスコ)に移した。これに種酢10ml、プロ
テアーゼM「アマノ」(天野製薬株式会社製)0.4
g、水400mlを加えて40℃で2日間加水分解し
た。次に、グルコース60gを加え、酵母(Saccharomy
ces cerevisiae)培養液10mlを添加して3〜4日間
アルコール発酵させた。これに種酢100mlを加えて
酢酸菌を移植し、40℃で10日間静置発酵させて、酢
酸濃度5.16%の食酢を得た。
【0015】
【実施例2】納豆30gに水100mlを加えてミキサ
ーで破砕し、1L容のソロバン玉形フラスコに移した。
これに種酢40ml、プロテアーゼM「アマノ」0.4
g、水360mlを加えて40℃で2日間加水分解し
た。次に、エタノール30ml、種酢100mlを加え
て酢酸菌を移植し、40℃で10日間静置発酵させて酢
酸濃度5.70%の食酢を得た。
【0016】
【実施例3】脱脂大豆(ニッコー製油株式会社製)25
gを蒸煮し、納豆菌(Baciillus natto)培養液を散布
して30℃に2日置いて納豆類似物をつくった。これを
1L容のソロバン玉形フラスコに移し、種酢40ml,
プロテアーゼM「アマノ」0.4g、エタノール16m
l、水430mlを加えて2日間加水分解した。次に、
種酢100ml、エタノール20ml、グルコース12
gを加え、酢酸菌を移植し、40℃で10日間静置発酵
させて酢酸濃度7.47%の食酢を得た。
【0017】
【実施例4】破砕納豆120kg、種酢88L、プロテ
アーゼM「アマノ」2.64kg、水1200Lを加え
40℃で3日間加水分解した。これに種酢1200L、
エタノール200L、グルコース10kg、硫酸マグネ
シウム200g、リン酸第二カリ400g、水1400
Lを加えて酢酸菌を移植し、65日間静置発酵させて酢
酸濃度5.05%の食酢を得た。
【0018】上記実施例によって得られた納豆酢(酸度
5.05%)に水を加えて、酸度を4.40%に調整し
た。このものの分析結果は、下記のとおりであった。 全窒素 155.4mg/100ml ホルモール態窒素 68.5mg/100ml エキス分 1.6g/100ml 糖度 4.0(Brix)
【0019】また、納豆酢のアミノ酸組成、及び各種醸
造酢の既報文献値(mg/100ml)は、下記表1に
示すとおりである。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明は、大豆を原料とした新規食酢を
はじめて製造するのに成功したものであって、納豆や大
豆由来の特異な臭いはなく風味が良く、マイルドな酸味
を呈するだけでなく、特に旨味が強く、上記したように
アミノ酸含量が高く、市販食酢の2〜10倍以上もあ
り、必須アミノ酸のバランスもすぐれている。したがっ
て本発明に係る納豆酢(大豆酢)は、通常の食酢と同様
に調味料や健康飲料として単用できるだけでなく、醤油
等の調味料その他の成分と混合して、ポン酢等各種の用
途にも広く利用することができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆もしくはその加工品の納豆菌処理物
    をプロテアーゼ処理した後、エタノールの存在下、種酢
    を添加し酢酸菌によって酢酸発酵させること、を特徴と
    する大豆酢の製造方法。
  2. 【請求項2】 大豆もしくはその加工品の納豆菌処理物
    が、納豆であるか、及び/又は、脱脂大豆、おから、き
    なこ、大豆粉、大豆グリッツから選ばれる大豆加工品に
    納豆菌を接種して処理したもの、であることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 エタノール添加及び/又はエタノール発
    酵によりエタノール存在下条件とすること、を特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 酢酸発酵が静置発酵及び/又は通気攪拌
    発酵であること、を特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載された方法で製造された大豆酢。
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