JPH11290023A - 天麻加工食品 - Google Patents

天麻加工食品

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JPH11290023A
JPH11290023A JP10158498A JP10158498A JPH11290023A JP H11290023 A JPH11290023 A JP H11290023A JP 10158498 A JP10158498 A JP 10158498A JP 10158498 A JP10158498 A JP 10158498A JP H11290023 A JPH11290023 A JP H11290023A
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JP
Japan
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processed
hemp
gostrodiae
tuber
food
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Application number
JP10158498A
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English (en)
Inventor
Masanori Asada
雅宣 浅田
Yasuharu Iwakura
康晴 岩倉
Masumi Matsuo
真澄 松尾
Yoshiyuki Nagaoka
良幸 長岡
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NAGAOKA JITSUGYO KK
Original Assignee
NAGAOKA JITSUGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天麻の風味を改善した天麻加工食品及び、そ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 天麻の抽出液に含まれる澱粉等の糖質を
酵素又は微生物により糖化し甘味液とする。また、糖化
液に酵母を作用させてアルコール発酵を行い、アルコー
ル含有液とする。ついでアルコール含有液に酢酸菌を作
用させて酢酸発酵させ、天麻の成分を有し、風味が改善
された酸味液を得る。このようにして酵素処理あるいは
微生物処理の各段階で各々特色ある天麻加工食品、即
ち、甘味、アルコールあるいは酸味を有する天麻加工食
品を製造する。天麻加工食品は、天麻のもつ効果が期待
でき、健康飲料、調味料その他の食品として使用され得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天麻又はその抽出
物に微生物又は酵素を単独又は組み合わせて作用させる
ことにより得られる天麻加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】天麻(Gastrodiae rhizoma)は、中国の
「神農本草経」の上品に原名赤箭として収載され、開宝
本草に収載されおり、古来、強壮、鎮静、鎮痙作用等の
薬効を有する漢方薬として利用されている。そして、近
年天麻の薬理作用、あるいは生理作用について多くの研
究がなされ、天麻は老人性痴呆症にも有効であると報告
されており、高齢化問題と相まって注目されている。現
在、天麻はそのまま食するか、あるいは漢方製剤として
利用されている。しかし、天麻は独特の風味を有してい
るため、飲食を敬遠されがちである。それゆえ、天麻の
有効成分を維持しつつ、独特の敬遠される風味を低減
し、より飲食しやすくすることが望まれている。これま
で、天麻又はその抽出液に微生物又は酵素を作用させて
得られた天麻加工食品は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するために行われたもので、その目的とするとこ
ろは、天麻の生理活性成分をそのまま保持しつつ、独特
の敬遠される風味を低減し、飲食しやすい新たな風味を
有する天麻加工食品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、天麻及び
その抽出液、特に熱水抽出液に澱粉をはじめとする多糖
類が著量含まれていることを見出し、この天麻又はその
抽出液に澱粉等の多糖類を分解して糖化し得る微生物又
は酵素を作用させることにより、天麻の有する生理活性
成分を保持しつつ、天麻が有する独特の風味を改善する
ことに成功し、本発明を完成させた。
【0005】本発明は、天麻又はその抽出物に微生物又
は酵素を単独又は組合せて作用させて得られる、天麻加
工食品に関する。
【0006】また、本発明は、天麻又はその抽出物に、
多糖類を糖化する能力を有する微生物又は酵素を作用さ
せて得られる、甘味を有する天麻加工食品に関する。
【0007】本発明はまた、天麻又はその抽出物に、必
要に応じて糖を添加し、多糖類を糖化する能力を有する
微生物又は酵素、及びアルコール発酵能力を有する酵母
を作用させて得られる、アルコール含有天麻加工食品に
関する。
【0008】さらに、本発明は、天麻又はその抽出物
に、必要に応じて糖を添加し、多糖類を糖化する能力を
有する微生物又は酵素、アルコール発酵能力を有する酵
母及び酢酸菌を作用させて得られる、酸味を有する天麻
加工食品に関する。
【0009】また、本発明は、天麻又はその抽出物に糖
を添加し、アルコール発酵能力を有する酵母、及び酢酸
菌を作用させて得られる、酸味を有する天麻加工食品に
関する。
【0010】そして、本発明は、天麻又はその抽出物に
アルコールを添加し、酢酸菌を作用させて得られる、酸
味を有する天麻加工食品に関する。
【0011】好適な実施態様においては、前記多糖類が
澱粉及び/又はセルロースである。
【0012】さらに、本発明は、前記のいずれかの天麻
加工食品を含有する食品に関する。
【0013】上記により、天麻の有する生理活性成分を
保持しつつ、独特の風味が改善された、甘味を有する天
麻加工食品、アルコールを含有する天麻加工食品並びに
酸味を有する天麻加工食品が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0015】天麻加工食品の製造にあたり、天麻そのも
のに微生物及び/又は酵素を作用させてもよいが、天麻
を細断もしくは粉末化してから作用させる方が良い。天
麻の生理活性物質は熱水により抽出されるので熱水抽出
が好ましい。天麻の生の根あるいは乾燥根からそのまま
抽出しても良いが、好ましくは、すり下ろしたり、細断
もしくは粉末化してから抽出すると、抽出時間が短くな
り収量も向上する。水での抽出温度は30℃から100
℃、さらに圧力をかけて、121℃まで加熱しても良
い。抽出時間は、抽出温度により異なるが、1時間から
70時間、好ましくは、2時間から24時間である。
【0016】この天麻抽出液はペクチン質を含んでいる
が、抽出液を冷却後、そのまま、あるいはろ過又は遠心
分離により抽出液上澄を得て、それに酵素、微生物を作
用させて、抽出液中の澱粉、セルロース等の糖質を糖化
し得る。糖化温度は、微生物の作用温度範囲であればよ
いが、10℃から60℃が好ましい。耐熱性の微生物の
場合は、60℃から90℃でも反応できる。糖化期間
は、温度、酵素の種類あるいは微生物の接種量、pHな
どによって変わるが、通常1日から2週間である。糖化
により、澱粉及び/又はセルロースの大部分が加水分解
されるが加水分解の程度を調節することにより甘味が調
整され得る。このようにして得られた天麻糖化液はその
まま、あるいはろ過又は遠心分離により上澄を得、それ
を天麻甘味液として、飲食することができる。
【0017】澱粉を糖化する酵素としては、α-アミラ
ーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ等が挙げら
れ、セルロースの糖化に用いる酵素としては、セルラー
ゼ、セロビアーゼ等が挙げられる。これらの酵素は単独
でも、また組み合わせても用いることができる。
【0018】本発明においては、澱粉分解活性及び/又
はセルロース分解活性を有する微生物が好適に用いられ
る。
【0019】例えば、澱粉分解活性を有する微生物とし
ては、麹菌が挙げられ、市販の米麹も用いられる。ま
た、アスペルギルス属、リゾプス属、サッカロマイコプ
シス属、バチルス属等の微生物が使用され得る。好まし
くは、アスペルギルス オリザエ(Aspergillus oryzae)
IFO5238、5239、アスペルギルス ニガー
(Aspergillus niger)IFO6086、リゾプス ニべ
ウス(Rhizopus niveus)IFO4759、リゾプス オ
リザ工(Rhizopus oryzae)IFO4697、サッカロマ
イコプシス フィブリゲラ(Saccharomycopsis fibulige
ra)IFO1665、1771、バチルス サブチリス
(Bacillus subtilis)IFO14140、バチルス ア
ミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)
IFO3022及びバチルス リチェニホルミス(Bacil
lus licheniformis)IFO12107等である。
【0020】セルロース分解活性を持つ微生物として
は、アスペルギルス属、フミコーラ属、トリコデルマ属
等の微生物が挙げられる。好ましくは、アスペルギルス
ニガー(Aspergillus niger) IFO31125、フミ
コーラ グリシェ(Humicola grisea)IFO3124
2、トリコデルマ リーセイ(Trichoderma reesei)IF
O31326、31327及びトリコデルマ ビリデ(T
richoderma viride)IFO31137等である。
【0021】上記のようにして得られた天麻抽出物糖化
液はそのままあるいは加熱により糖化反応を止めてか
ら、以下のアルコール発酵を行い、アルコール含有天麻
加工食品の製造に用いることができる。
【0022】酵母によるアルコール発酵の温度は、4℃
から40℃が好適であるが、10℃から30℃で行うの
が望ましい。また、本発明のアルコール含有天麻加工食
品の製造にあたっては、天麻抽出物に糖を添加した後、
アルコール発酵をさせてもよい。添加する糖としては、
グルコース、フルクトース、マルトース、シュークロー
ス等の酵母が資化できる糖であればよい。
【0023】アルコール発酵時間は、糖化液量、温度、
接種酵母量などの諸条件によっても異なるが、1時間か
ら1週間の間であり、通常は6時間から5日間で発酵す
るように、糖化液濃度、温度、酵母量を設定するのが、
操作性及び風味の点からも好ましい。
【0024】本発明に用いられる酵母としては、酒酵
母、ワイン酵母、ビール酵母などが挙げられる。好まし
くは、サッカロミセス セレビシェ(Saccharomyces cer
evisiae)IFO0309、2018、サッカロミセス
パストリアヌス(Saccharomycespastorianus)IFO11
67、2003、シゾサッカロミセス ポンベ(Schizos
accharomyces pombe)IFO0340、0342等が挙
げられる。又、市販のパン酵母も使用できる。
【0025】上記発酵物をろ過又は、遠心処理し、得ら
れる上澄液はそのまま、あるいは希釈後殺菌処理され
て、アルコール含有天麻加工食品となる。このアルコー
ル含有天麻加工食品は、アルコール飲料や調味料として
用いることができる。
【0026】本発明の酸味を有する天麻加工食品の製造
は、天麻抽出液を糖化後アルコール発酵させたものを酢
酸発酵させるが、必ずしも各反応を順に行う必要はな
く、糖化とアルコール発酵を同時に行わせ、それから酢
酸発酵を行わせても良いし、あるいは糖化後アルコール
発酵と酢酸発酵を同時に行わせても良いし、あるいは糖
化とアルコール発酵と酢酸発酵を同時に行わせても良
い。また、酸味を有する天麻加工食品の製造にあたって
は、天麻抽出物を糖化発酵させたもの及び/又は抽出物
に糖を添加したものにアルコールを添加してもよいし、
天麻抽出物にアルコールを添加してから酢酸発酵を行わ
せてもよい。
【0027】酢酸発酵は、攪拌、振盪、静置培養のいず
れでも行うことができる。発酵温度は、10℃から40
℃の間であればよいが、30℃前後が好ましく、期間は
1日から7日が好適である。本発明に用いられる酢酸菌
としては、アセトバクター属等の微生物が挙げられる。
好ましくは、アセトバクター アセチ(Acetobacter ace
ti)IFO3281、3283、アセトバクター パス
テウリアヌス(Acetobacter pasteurianus)IFO312
9、3170、アセトバクター ハンセニ(Acetobacter
hansenii)IFO14815、14816が挙げられ
る。
【0028】上記酢酸発酵物はペクチンなどの糖を含ん
でおり、ろ過又は遠心処理して、得られる上澄液はその
まま、あるいは希釈後殺菌処理されて酸味を有する天麻
加工食品となる。この酸味を有する天麻加工食品は食酢
様の調味料として用いることができるし、飲料とするこ
ともできる。また、有機酸発酵することができる微生物
を糖化液等に作用させて、酢酸以外の有機酸あるいは酢
酸と他の有機酸とを含有する食品とすることもできる。
この酸味を有する天麻加工食品は、天麻の薬理効果を有
するエキス類を含んでおり、風味が改善され飲食しやす
いものである。さらに、酸味液に含まれる酢酸をはじめ
有機酸による体に良いという効果が期待できるという特
徴を有している。
【0029】以下に実施例をあげて発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0030】
【実施例】実施例1(甘味を有する天麻加工食品の製
造) 天麻の粉末150gに水1Lを加え、90℃で4時間加
熱した。この懸濁液を冷却後50℃に保ち、米麹
((株)高田商店製)を70g入れ、48時間振盪培養
し、天麻の糖化縣濁液を得た。この液のグルコース濃度
は、11.5%でかなり甘味があった。また、希釈する
ことによって天麻独特の風味が薄まり、おいしく飲むこ
とができた。
【0031】実施例2(アルコール含有天麻加工食品の
製造) サッカロミセス セレビシェIFO0309を液体培地
A(蒸留水1L中グルコース10g、ペプトン5g、イ
ーストエキストラクト3g、pH5.6)2mlで、2
5℃で4日間振盪して、前培養し、10,000G、2
0分間遠心して、酵母菌体を回収し、無菌蒸留水で洗浄
し、再度遠心分離して酵母菌体を回収した。実施例1で
得られた天麻の糖化懸濁液800mlと、回収酵母全量
とを混合し、20℃で48時間振盪して培養し、天麻ア
ルコール発酵液(アルコール含有天麻加工食品)を得
た。アルコール発酵と同時に糖化もさらに進んでいたた
め、このアルコール濃度は7.9%であった。この液の
一部を沸騰水浴上で20分間加熱し、10℃、7,00
0Gで20分間遠心することにより淡黄色の透明な液を
得た。この発酵液は天麻独特の風味が軽減され、アルコ
ールの香りがあり、飲みやすいものであった。また、水
で希釈して飲むとおいしいものであった。
【0032】実施例3(酸味を有する天麻加工食品の製
造) 酢酸菌アセトバクター アセチIFO3281を液体培
地B(蒸留水1L中ポテト200g、ドライイースト3
0g、グリセロール15g、炭酸カルシウム15g、p
H7.0)10mlで、30℃で4日間振盪して前培養
し、10,000G、20分間遠心分離して酢酸菌体を
回収し、無菌蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酢酸菌
体を回収した。得られた酢酸菌全量を、実施例2の天麻
アルコール発酵液(酢酸発酵原料液)の50mlに添加
し、30℃で4日間攪拌培養を行い、種酢とした。この
種酢を残りの酢酸発酵原料液700mlに添加し、30
℃で10日間攪拌培養した。発酵液を沸騰水浴上で、2
0分間加熱することにより、発酵を停止させ、10℃、
7,000Gで20分間遠心することにより、淡黄色の
透明な液体を得た。酢酸発酵の初期にはまだアルコール
発酵も進んでいたため、この液は、酸度が4.1%で、
天麻独特の風味が著しく軽減された、口当たりの良い強
い酸味があった。サラダ油:酸味液=2:1で混合し、
塩、コショウで味を整えると、さわやかな風味のドレッ
シングができ、生野菜にかけるととてもおいしいもので
あった。また、この酸味液を4倍に水で希釈するとさわ
やかな酸味の飲料となった。
【0033】実施例4(酵素による甘味を有する天麻加
工食品の製造) 天麻の粉末150gに水1Lを加え90℃で4時間加熱
した。この懸濁液を冷却後、40℃に保ち、pHを5.
0に調整し、セルラーゼ(SIGMA社製)100mg
(30U)を添加し、攪拌しながら、20時間反応させ
た。次に、α-アミラーゼ(FLUKA社製)50mg
(1250U)及びグルコアミラーゼ(FLUKA社
製)10mg(700U)を添加し、攪拌しながら、2
4時間糖化反応を行った。この天麻の糖化液(甘味を有
する天麻加工食品)のグルコース濃度は6.1%で、口
当たりの良い甘味のある飲みやすいものであった。
【0034】実施例5(アルコール含有天麻加工食品の
製造) シゾサッカロミセス ポンベIFO0340を液体培地
A2mlで、25℃で4日間振盪して前培養し、10,
000G、20分間遠心して、酵母菌体を回収し、無菌
蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酵母菌体を回収し
た。実施例4で得られた天麻の糖化液800mlと、回
収酵母全量とを混合し、20℃で48時間振盪して培養
し、天麻アルコール発酵液(アルコール含有天麻加工食
品)を得た。アルコール発酵中も糖化が進んでいたた
め、この発酵液のアルコールの濃度は4.4%であっ
た。
【0035】実施例6(酸味を有する天麻加工食品の製
造) 酢酸菌アセトバクター パステウリアヌスIFO317
0を液体培地B10mlで、30℃で4日間振盪して前
培養し、10,000G、20分間遠心分離して酢酸菌
体を回収し、無菌蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酢
酸菌体を回収した。得られた酢酸菌全量を、実施例5の
天麻アルコール発酵液(酢酸発酵原料液)の50mlに
添加し、30℃で4日間攪拌培養を行い、種酢とした。
この種酢を残りの酢酸発酵原料液700mlに添加し、
30℃で10日間攪拌培養した。発酵液を沸騰水浴上
で、20分間加熱することにより、発酵を停止し、10
℃、8,000Gで20分間遠心することにより、淡黄
色の透明な液体を得た。この液は、酸度が3.2%で、
天麻独特の風味が軽減された、かなり酸味のあるもので
あった。
【0036】実施例7(グルコース添加による酸味を有
する天麻加工食品の製造) 天麻の粉末150gに水1Lを加え、90℃で4時間加
熱した。この懸濁液にグルコース100gを添加した。
別にサッカロミセス パストリアヌスIFO1167を
液体培地A2mlで、25℃で4日間振盪して前培養
し、10,000G、20分間遠心して、酵母菌体を回
収し、無菌蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酵母菌体
を回収した。上記で得られた天麻の加糖液全量と、回収
酵母全量とを混合し、20℃で48時間振盪して培養
し、天麻アルコール発酵液を得た。このアルコールの濃
度は4.1%であった。また別途、酢酸菌アセトバクタ
ー ハンセニIFO14815を液体培地B10ml
で、30℃で4日間振盪して前培養し、10,000
G、20分間遠心分離して酢酸菌体を回収し、無菌蒸留
水で洗浄し、再度遠心分離して酢酸菌体を回収した。得
られた酢酸菌全量を、上記天麻アルコール発酵液(酢酸
発酵原料液)の50mlに添加し、30℃で4日間攪拌
培養を行い、種酢とした。この種酢を残りの酢酸発酵原
料液全量に添加し、30℃で10日間攪拌培養した。発
酵液を沸騰水浴上で、20分間加熱することにより、発
酵を停止し、10℃、7,000Gで20分間遠心する
ことにより、淡黄色の透明な液体を得た。この液は、酸
度が3.6%で、天麻独特の風味が軽減された、口当た
りの良い酸味があった。
【0037】実施例8(アルコール添加による酸味を有
する天麻加工食品の製造) 天麻の粉末150gに水1Lを加え、90℃で4時間加
熱した。この懸濁液を 冷却後、アルコールを60ml添加した。別に酢酸菌ア
セトバクター アセチIFO3281を液体培地B10
mlで、30℃で4日間振盪して前培養し、10,00
0G、20分間遠心分離して酢酸菌体を回収し、無菌蒸
留水で洗浄し、再度遠心分離して酢酸菌体を回収した。
得られた酢酸菌全量を、上記天麻アルコール添加液(酢
酸発酵原料液)の50mlに添加し、30℃で4日間攪
拌培養を行い、種酢とした。この種酢を残りの酢酸発酵
原料液全量に添加し、30℃で10間攪拌培養した。発
酵液を沸騰水浴上で、20分間加熱することにより、発
酵を停止し、10℃、7,000Gで20分間遠心する
ことにより、淡黄色の透明な液体を得た。この液は、酸
度が4.3%で、天麻独特の風味が軽減された、かなり
酸味の強いものであった。
【0038】実施例9(アルコール発酵停止による酸味
を有する天麻加工食品の製造) 天麻の粉末150gに水1Lを加え、90℃で4時間加
熱した。実施例1と同様に米麹を作用させ、天麻の糖化
液を得た。別にサッカロミセス セレビシェIFO03
09を液体培地A2mlで、25℃で4日間振盪して前
培養し、10,000G、20分間遠心して、酵母菌体
を回収し、無菌蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酵母
菌体を回収した。上記で得られた天麻の糖化液全量と、
回収酵母全量とを混合し、10℃で30時間振盪して培
養した後、沸騰水浴上で20分間加熱することによりア
ルコール発酵を停止した。得られた天麻アルコール発酵
液のアルコールの濃度は4.9%であった。また別途、
酢酸菌アセトバクター ハンセニIFO14815を液
体培地B10mlで、30℃で4日間振盪して前培養
し、10,000G、20分間遠心分離して酢酸菌体を
回収し、無菌蒸留水で洗浄し、再度遠心分離して酢酸菌
体を回収した。得られた酢酸菌全量を、上記天麻アルコ
ール発酵液(酢酸発酵原料液)の50mlに添加し、3
0℃で4日間攪拌培養を行い、種酢とした。この種酢を
残りの酢酸発酵原料液に添加し、30℃で10日間攪拌
培養した。発酵液を沸騰水浴上で、20分間加熱するこ
とにより、発酵を停止し、10℃、7,000Gで20
分間遠心することにより、淡黄色の透明な液体を得た。
この液は、酸度が3.5%で、ほのかに甘く口当たりの
良い強い酸味があった。
【0039】
【発明の効果】本発明により得られた甘味、アルコール
あるいは酸味を有する天麻加工食品は天麻独特の風味が
改善されているので、そのまま飲食しやすくなってお
り、料理に用いることもできる。酸味液の場合は、継続
して飲食することにより天麻の作用に加えて酢酸あるい
は有機酸が有する作用も期待できる。
【0040】また、ドレッシング、マヨネーズ等の調味
料に利用することにより、利用機会を大幅に広げること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A23L 1/24 A61K 35/78 C A61K 35/78 C12G 3/02 C12G 3/02 A23L 2/00 F (72)発明者 長岡 良幸 兵庫県西宮市西宮浜4丁目7番18号 長岡 実業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天麻又はその抽出物に微生物又は酵素を
    単独又は組合わせて作用させて得られる、天麻加工食
    品。
  2. 【請求項2】 天麻又はその抽出物に、多糖類を糖化す
    る能力を有する微生物又は酵素を作用させて得られる、
    甘味を有する天麻加工食品。
  3. 【請求項3】 天麻又はその抽出物に、必要に応じて糖
    を添加し、多糖類を糖化する能力を有する微生物又は酵
    素、及びアルコール発酵能力を有する酵母を作用させて
    得られる、アルコール含有天麻加工食品。
  4. 【請求項4】 天麻又はその抽出物に、必要に応じて糖
    を添加し、多糖類を糖化する能力を有する微生物又は酵
    素、アルコール発酵能力を有する酵母及び酢酸菌を作用
    させて得られる、酸味を有する天麻加工食品。
  5. 【請求項5】 天麻又はその抽出物に糖を添加し、アル
    コール発酵能力を有する酵母、及び酢酸菌を作用させて
    得られる、酸味を有する天麻加工食品。
  6. 【請求項6】 天麻又はその抽出物にアルコールを添加
    し、酢酸菌を作用させて得られる、酸味を有する天麻加
    工食品。
  7. 【請求項7】 前記多糖類が、澱粉及び/又はセルロー
    スである、請求項1ないし6いずれかの項に記載の天麻
    加工食品。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6いずれかの項に記載の
    天麻加工食品を含有する、食品。
JP10158498A 1998-04-13 1998-04-13 天麻加工食品 Pending JPH11290023A (ja)

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JP10158498A JPH11290023A (ja) 1998-04-13 1998-04-13 天麻加工食品

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