JPH0726411B2 - 止水枠を用いたコンクリートの施工方法 - Google Patents

止水枠を用いたコンクリートの施工方法

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JPH0726411B2
JPH0726411B2 JP2044689A JP2044689A JPH0726411B2 JP H0726411 B2 JPH0726411 B2 JP H0726411B2 JP 2044689 A JP2044689 A JP 2044689A JP 2044689 A JP2044689 A JP 2044689A JP H0726411 B2 JPH0726411 B2 JP H0726411B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は止水枠を用いたコンクリートの施工方法に関す
る。
[従来の技術] 従来よりコンクリート構造物では、水漏れを防止するた
めに止水枠を用い、止水枠をコンクリート打設場所に据
付け、その止水枠に嵌合するようにコンクリートを流し
てコンクリート壁を形成し、これにより止水枠をコンク
リート壁に固定することにしている。
[発明が解決しようとする課題] ところで上記した施工方法では、止水枠により水漏れの
問題を改善しているものの、温度変化によるコンクリー
トの伸縮、コンクリートの養生収縮、コンクリートの打
設不充分等のため、止水枠とコンクリート壁との境界部
分から水が漏れることがある。
特に近年の地下式コンクリート構造物では深度が例えば
30〜50mと一層深くなる傾向にあるため、水圧もかなり
高くなり、止水枠とコンクリート壁との境界部分からの
水漏れが一層懸念される。
本発明は上記した従来の実情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、止水枠とコンクリート壁との境界部分
からの水漏れの問題を更に改善した止水枠を用いたコン
クリートの施工方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の止水枠を用いたコンクリートの施工方法は、コ
ンクリートの侵入を規制して溝状空間部を形成する突出
部を備えると共に、隣設して配置されるコンクリート壁
間に介在される止水枠を用い、 止水枠をコンクリート型枠に保持した状態でコンクリー
ト型枠内にコンクリートを流して、止水枠の少なくとも
一面側に接合するコンクリート壁を形成すると共に、止
水枠とコンクリート壁との境界部分に、止水枠の突出部
によりコンクリートの侵入が阻止された溝状空間部を形
成する打設工程と、 流動性をもつシール剤を止水枠をコンクリート壁との境
界部分の溝状空間部に圧入して固化させ、境界部分をシ
ールするシール工程とを順に実施することを特徴とする
ものである。
本発明で使用する止水枠は、隣設して配置されるコンク
リート壁間に介在されるものである。止水枠は横断面で
所定の形状をなしており、通常コンクリート壁の端面に
そって長く伸びる。
止水枠は、流動性をもつコンクリートを打設する際にコ
ンクリートの侵入を規制して溝状空間部を形成する突出
部をもつ。打設工程では、コンクリート打設場所に設置
されるコンクリート型枠に止水枠を保持した状態で、コ
ンクリート型枠内にコンクリートを流し、止水枠の少な
くとも一面側に接合するコンクリート壁を形成する。
シール工程では、流動性をもつシール剤を止水枠とコン
クリート壁との境界部分の溝状空間部に圧入して境界部
分をシールする。打設工程ではコンクリートの打設不充
分等により止水枠とコンクリート壁との間に空間部が生
じることがある。本発明方法では、止水枠の突出部によ
る規制作用により、コンクリートの侵入が規制され、止
水枠とコンクリートとの境界に溝状空間部が積極的に形
成される。圧入するにあたっては、止水枠の長さ方向の
端面側からシール剤を圧入してもよく、あるいは、止水
枠を厚み方向に貫通するように形成した注入孔からえシ
ール剤を圧入してもよい。圧入するシール剤としては圧
入時に流動性をもちその後硬化するもの、例えばゴム、
樹脂等、具体的にはシリコンゴム、発泡性ウレタンを採
用できる。特に、シール性確保の面から膨潤性の大きな
もの、流動性や浸透性のよいものが好ましい。ゴムには
必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、充填剤、老化防止
剤、発泡剤、可塑剤、硬化剤等を適宜添加できる。
[作用] 本発明の施工方法で施工したコンクリート構造物では、
止水枠とコンクリート壁との境界部分のシール性が向上
する。
[実施例] 以下、本発明の止水枠を用いたコンクリート施工方法
を、第1図および第2図に示す一実施例に従って説明す
る。
まず、本実施例の施工方法で使用する止水枠から説明す
る。止水枠1は鋼製であり、所定の横断面形状で長く伸
びるものである。止水枠1の横断面形状は、第1水平部
10と第1垂直板部11と第2水平板部12と第2垂直板部13
とで形成されている。第1水平板部10のコンクリート壁
2側には、空気溜め用の溝状空間部2aを形成するための
突出部14が止水枠1の長さ方向にそって溶接で固定され
ている。
打設工程では、コンクリート打設場所に配置されるコン
クリート型枠に止水枠1を2個1組で並設状態に保持し
て据付ける。そして、その状態で、コンクリート型枠内
に流動性をもつコンクリートを流してコンクリートを打
設し、コンクリートの固化により、止水枠1の面一1a側
に接合するコンクリート壁2を形成する。
このように打設した後、第1図に示すように、2個の止
水枠1の間に板状の目地状30を介在させ、更に、U字状
の中央部31aと片部31bとからなる本体ゴム31を2個の止
水枠1にまたがった状態で保持する。また、本体ゴム31
の上面部には長尺状の内面調整バー32を取付ボルト33、
取付ナット34を介して保持する。
打設工程ではコンクリートを打設した際に、コンクリー
トで押された空気が止水枠1の一面1aにそって移動す
る。更にその空気は突出部14で動きを規制され、従って
止水枠1の第1水平板部10と突出部14とで区画された部
分に空気が押さ込められ、コンクリートの侵入が阻止さ
れた溝状空間部2aが形成される。
上記のようにして打設工程が終了したシール工程を行な
う。シール工程では、止水枠1の第1水平板部10に注入
孔10aを形成し、その注入孔10aからシール剤として機能
する所定の配合のゴムを止水枠1とコンクリート壁2と
の境界部分である溝状空間部2aに圧入して装填し、これ
により第2図に示すように溝状空間部2aにシール部36を
形成する。この結果、止水枠1とコンクリート壁2との
境界部分がシールされ、止水枠1による止水効果が一層
高められる。尚、上記した実施例ではシール剤としてゴ
ムを用いているが、これに限られるものではない。
第1実施例で使用した止水枠1の各変形例を第3図〜第
7図に示す。第3図〜第7図に示す止水枠1は基本的に
は第1実施例の止水枠1と同じ構成である。但し、第3
図に示す例では、止水枠1の第1水平板部10の先端部に
横断面L字状の突出部15が設けられている。また、第4
図に示す例では、止水枠1の第1水平板部10の先端部に
横断面円弧状の突出部16が設けられている。また、第5
図に示す例では、止水枠1の第1水平板部10に2個の突
出部17が所定の間隔を隔てて設けられている。また、第
6図に示す例では、止水枠1の第1水平板部10の先端部
に丸棒が溶接されて突出部18とされている。また、第7
図に示す例では、止水枠1の第2水平板部12に突出部19
が設けられている。上記した突出部1516、17、18、19に
より前記実施例と同様に溝状空間部2aが形成され、この
溝状空間部2aにゴムが圧入される。
本発明の異なる実施例を第8図および第9図に示す。こ
の例では打設工程で、溝部40をもつ横断面U字形状をな
くす長くのびるシール用金具4を用い、シール用金具4
を横に寝かした状態で止水枠5の水平板部50に取付ボル
ト51により取付け、その状態で、コンクリートを打説し
たシール用間具4を固定するとともにコンクリート壁2
と止水枠5とを接合する。この場合には、打設工程で、
シール用金具4の溝部40、あるいはシール用金具4の外
面側にコンクリートの侵入が阻止された溝状空間部2bが
形成される。そして、第9図に示すように取付ボルト50
を外して止水枠5の注入孔50a、シール用金具4のボル
ト挿通孔4aを介して溝状空間部2bにゴムを圧入して装填
し、シール部53を形成する。従って、シール用金具4
は、コンクリートの侵入を規則して溝状空間部2bを形成
する突出部として機能する。
この実施例においても第1図に示す実施例と同じ効果が
得られ、コンクリート壁2と止水枠1との境界息のシー
ル性が向上し、止水枠1による止水効果を一層高め得
る。
本発明の更に異なる実施例を第10図および第11図に示
す。この例では打設工程で、所定の断面形状をなくして
長く伸びるシール用ゴム具6を用いる。シール用ゴム具
6の横断面形状は、取付板部60と第1舌片部61と第2舌
片部62とからなる。そして、シール用ゴム具6を止水枠
7の水平板部70に取付ボルト71により取付け、その状態
で、コンクリートを打設してコンクリート壁2と止水枠
7の一面7aとを接合する。この場合には、打設工程で、
シール用ゴム具6の第1舌片部61と第2舌片部62とで囲
まれた部分、第1舌片部61および第2舌片部62の外面側
にコンクリートの侵入が阻止された溝状空間部2cが形成
される。そして、第11図に示すように取付ボルト71を外
して止水枠7の注入孔7a、シール用ゴム具6のボルト挿
通孔60aを介して溝状空間部2cにゴムを圧入することに
より、第1舌片部61と第2舌片部62とを広げて第1舌片
部61および第2舌片部62の外面側にもゴムを行きわたら
せ、これによりシール部63を形成する。従ってシール用
ゴム具6は、コンクリートの侵入を規制して溝状空間部
2cを形成する突出部として機能する。この実施例におい
ても第1図に示す実施例と同じ効果が得られ、コンクリ
ート壁2と止水枠7との境界域のシール性が向上する。
[発明の効果] 本発明の止水枠を用いるコンクリートの施工方法によれ
ば、コンクリート壁と止水枠との境界域のシール性が向
上し、止水枠による止水効果を高める。従って深度が深
い地下式コンクリート構造物の施工に適する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示し、第1図
は打設工程を実施した状態のコンクリート壁の断面図、
第2図はシール工程を実施した状態のコンクリート壁の
断面図である。 第3図〜第7図は第1図および第2図に示す実施例の変
形例を示し、止水枠の主要部の断面図である。 第8図および第9図は本発明の異なる実施例を示し、第
8図は打設工程を実施した状態のコンクリート壁の断面
図、第9図はシール工程を実施した状態のコンクリート
壁の断面図である。 第10図および第11図は本発明の更に異なる実施例を示
し、第10図は打設工程を実施した状態のコンクリート壁
の断面図、第11図はシール工程を実施した状態のコンク
リート壁の断面図である。 図中、1、5、7は止水枠、2はコンクリート壁、36、
53、63はシール部を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリートの侵入を規制して溝状空間部
    を形成する突出部を備えると共に、隣設して配置される
    コンクリート壁間に介在される止水枠を用い、 前記止水枠をコンクリート型枠に保持した状態で前記コ
    ンクリート型枠内にコンクリートを流して、前記止水枠
    の少なくとも一面側に接合するコンクリート壁を形成す
    ると共に、前記止水枠と前記コンクリート壁との境界部
    分に、前記止水枠の突出部によりコンクリートの侵入が
    阻止された溝状空間部を形成する打設工程と、 流動性をもつシール剤を前記止水枠と前記コンクリート
    壁との境界部分の前記溝状空間部に圧入して固化させ、
    前記境界部分をシールするシール工程とを順に実施する
    ことを特徴とする止水枠を用いたコンクリートの施工方
    法。
JP2044689A 1989-01-30 1989-01-30 止水枠を用いたコンクリートの施工方法 Expired - Lifetime JPH0726411B2 (ja)

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