JP2514127Y2 - 止水接合部を具えるコンクリ―トブロック - Google Patents

止水接合部を具えるコンクリ―トブロック

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JP2514127Y2
JP2514127Y2 JP1992077873U JP7787392U JP2514127Y2 JP 2514127 Y2 JP2514127 Y2 JP 2514127Y2 JP 1992077873 U JP1992077873 U JP 1992077873U JP 7787392 U JP7787392 U JP 7787392U JP 2514127 Y2 JP2514127 Y2 JP 2514127Y2
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志伸 小林
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、コンクリートブロック
の接合部分の止水を容易且つ確実に行ない得るように構
成された、止水接合部を具えるコンクリートブロックに
関するものである。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】コンク
リートブロックの接合部分の止水を確保するため、従来
は図10に示す如く、接合面a,a間にブチルゴム等の
弾性軟質止水材bを圧縮状態で介在させていた。
【0003】しかしながらコンクリートブロックの端部
分は、その製造過程において型枠の上端部分即ちコンク
リートの打設側の部分で形成されることが多いために、
コンクリート打設後における骨材の沈下やブリージング
水によってポーラス化しやすい。従って接合面間に弾性
軟質止水材が圧縮状態で介在されてはいても、接合面当
接部分cの端部dから侵入した水が水圧によって端部分
のポーラス化した部分eに浸透し、圧縮状態の弾性軟質
止水材を回り込んで漏出する(太い点線の矢印で示すよ
うに漏出する)現象が見られた。
【0004】このような漏水を抑制するために従来にお
いては、現場施工によって図10に一点鎖線で示す如
く、接合面当接部分cの端部を塞ぐようにブロック表面
の接合部分をライニング材fで被覆することも行われて
いたが、施工工数の増大を招いて施工に手間と時間を要
し又施工コストの上昇を招く問題があった。
【0005】こうした問題点を解決する一手段として
は、例えば特開昭57−140455号公報で提案され
ているように、接合すべきコンクリートブロックの夫々
の接合面に所要長さの凹溝を形成し、これを突き合わせ
て充填孔を形成し、該充填孔に液状充填剤を充填し、以
て接合面の止水効果を高めようとする考え方がある。
【0006】しかしこの手段による場合は、凹溝の周囲
が、コンクリート型枠による製造過程において骨材の沈
下やブリージング水によってポーラス化しやすくなり、
それが原因して、接合部分の端部から進入した水が水圧
によって凹溝の周囲を通過してしまう問題があった。
【0007】これに代わる他の止水手段としては、例え
ば特開昭57−169149号公報 で提案されているよ
うな、止水板を埋設する工法がある。 この止水板は、止
水するコンクリートブロックの相互に亘って嵌め込まれ
るものであり、止水板を挿入するスリットを夫々のコン
クリートブロックに形成しておき、該ブロック同士を接
合した後に止水板をスリットに挿入する方法をとるもの
である。
【0008】従って、細いスリットへの止水板の挿入が
難しく、施工に手間取るという問題があり、又、止水板
を別途運搬、取扱いする必要がある等、煩わしいという
問題もあった。まして、コンクリートブロック同士の接
合に際し、両者が僅かに位置ズレすることになれば、前
記細いスリットへの止水板の挿入が、なおさら困難とな
った。
【0009】本考案は、コンクリートブロック同士の接
合作業に際し、前記のように止水板を挿入する作業を必
要とすることなく、施工能率を向上させながら優れた止
水効果を発揮させることのできる、止水接合部を具える
コンクリートブロックの提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本考案は以下の如き手段を採用する。即ち本考案に係る
止水接合部を具えるコンクリートブロック(以下ブロッ
クという)1は、止水が図られて相互が接合される、止
水接合部を具えるコンクリートブロックであって、前記
コンクリートブロックの接合面3に、その長さ方向に沿
って所要長さの凹溝5が設けられ、接合されるべきコン
クリートブロックの両凹溝5,5の合致によって所要長
さの充填孔16が形成され、且つ該充填孔16には、硬
化によって止水機能を発揮する例えば樹脂液やグラウト
等を充填するための注入口19が連通される如くなされ
ている。そして、板状をなす止水板7が、その一側の所
要幅部分を前記凹溝5内に存在させ且つ残余の部分を凹
溝5の幅方向に延びる如くコンクリートブロック1に埋
設させて、コンクリートブロックに設けられている。
又、コンクリートブロック1,1がその凹溝5,5が合
致し て接合されたときに、前記止水板7,7の対向する
端部間に間隙Gが形成されるように、止水板7の、凹溝
5内に存する部分の先端が、接合面3よりも凹溝底部側
に稍退いた状態とされており、前記充填孔16に充填さ
れた液状充填剤の硬化物を介して前記各止水板7,7が
一体化されるように構成されていることを特徴とするも
のである。
【0011】前記、止水接合部を具えるコンクリートブ
ロックにおいて、止水板7,7の、凹溝5内に存する部
分の所要部に、止水板11の厚さよりも厚肉に形成され
た頭部9を膨設するのがよい。
【0012】
【作用】然して本考案によるときは、接合されるべきコ
ンクリートブロックの接合面3,3を当接させ且つ凹溝
5,5を合致させると、止水板7,7の対向端部間に間
隙Gが形成される。
【0013】従って、注入口19より充填孔16に注入
された液状充填剤は、止水板7,7で区画されることな
く、その対向端部間に形成された間隙Gをスムースに移
動でき、充填孔16に充填状態となる。そして液状充填
剤の硬化により、両止水板7,7の対向端部を、止水機
能を有する硬化物21を介して連結状態となし得、従っ
て接合部分がポーラス化していても、該一枚板状に連結
された止水板によってブロック接合部分の止水を図りう
る。
【0014】
【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1〜3において本考案に係るブロック1は、箱型
をなすブロック本体2の接合面3の中央線に沿って例え
ば台形状をなす凹溝5が周設され、対向する縦凹溝5
a,5bの上端は、上の横凹溝5cの上方に延びてブロ
ック本体の上端に開放している。そして、周設された凹
溝の内周縁に沿う如く浅底の台形状嵌込溝6が周設され
るとともに、両縦凹溝5a,5b及び下の横凹溝5dの
外縁に沿って浅底の台形状嵌込溝6が設けられ、又上の
横凹溝5cの外縁に沿って、浅底の台形状嵌込溝6が設
けられている。
【0015】又該環状凹溝の底部中央線に沿って止水板
7が埋設されており、該止水板7は、凹溝5の底面を形
成する基板8の表面側の長手中央線に沿って、凹溝5内
に収まる頭部9が設けられるとともに、該基板8の裏面
側の長手中央線に沿って、先端に円形膨出部10を具え
る止水板部11が突設されている。そして該止水板部1
1は、凹溝の深さ方向に延びる如くコンクリートに埋設
されており、凹溝5内に存する部分の先端9aが、接合
面3よりも凹溝底部側に稍退いた状態とされている。
【0016】又ブロック本体2の内側の四隅には、図
1、図3に示す如く、ブロック相互を接合するために用
いる緊張棒材12を挿通させる挿通孔13が設けられて
いる。
【0017】然してかかる構成を有するブロック1,1
相互を接合するには、何れか一方のブロックの接合面に
形成された嵌込溝6に、予め図2に示す如く、例えばブ
チルゴムからなる弾性軟質止水材15を嵌込み且つ貼着
しておく。その後図4〜5に示す如く接合面3,3を当
接させて、凹溝5,5の合致によって六角形状の充填孔
16を形成し、且つ嵌込溝6,6の合致によって形成さ
れた収容部17内に前記弾性軟質止水材15を圧縮状態
で収容させる。この状態で、止水板7,7の対向する端
部間に間隙Gが形成されている。その後図3に示す如
く、ブロックの内側四隅に設けられた各挿通孔13に緊
張棒材12を挿通し、該緊張棒材12を緊張状態にして
その両端を端部のブロックに固定する。
【0018】然る後、ブロック上端に開放する一方の充
填孔上端(注入口)19(図4)より、液状充填剤(硬
化によって止水機能を発揮する例えば樹脂液やグラウト
等)を注入する。この注入の際、充填孔16は、それが
ブロック上端において開放するように、圧縮状態の弾性
軟質止水材15によって囲まれているため、注入された
液状充填剤は、外部への漏出が防止されて充填孔を満た
していく。この充填は 、止水板7,7間の間隙Gを液状
充填剤がスムースに移動して行われる。そしてブロック
上端に開放する他方の充填孔上端(排気口)20(図
4)より液状充填剤が流出することを以て、充填孔16
が液状充填剤で充填されたことを確認する。
【0019】液状充填剤の硬化により、両止水板7,7
の対向端部を、止水機能を有する硬化物21を介して連
結状態となし得、従って接合部分がポーラス化していて
も、該一枚板状に連結された止水板によってブロック接
合部分の止水を図りうる。
【0020】その他の実施態様 図6は、先端部分が二股状22に形成された止水板
7を凹溝部分に埋設した場合を示すものである。
【0021】 本考案が応用されうるブロックの形態
は任意であり、又接合面に形成する凹溝は、ブロックの
使用目的に応じて要求される要止水部に設けられる。図
7〜9は凹溝5の形成態様、弾性軟質止水材15の取付
態様及び注入口19の形成態様のその他の例を示すもの
である。なお注入口19及び排気口20は接合面の当接
によって形成されるものであるため、ブロックを示す図
7〜9においてはこれを一点鎖線の引出し線で表してい
る。又説明の便宜上、弾性軟質止水材15は密集状態に
点を付して表している。
【0022】図7は、L型をなすブロック本体2のL形
接合面3の中央線に沿ってL字状の凹溝5を設け、この
凹溝5の全周を囲むように弾性軟質止水材15を取り付
け、凹溝の下端に注入口19を連ね且つ凹溝の上端に排
気口20を連ねた場合を示す。
【0023】又図8は、U型をなすブロック本体2のU
形接合面3の中央線に沿ってU字状凹溝5を設け、その
内外縁に沿って弾性軟質止水材15をU字状に取り付
け、接合面が当接した状態においてブロック上端に開放
する一方の開放部を注入口19とし、他方の開放部を排
気口20とする場合を示す。
【0024】又図9は、円筒型をなすブロック本体2の
円形接合面3の中心線に沿って円形凹溝5を設け、その
内外縁に沿って弾性軟質止水材15を円環状に取り付
け、この凹溝に注入口19と排気口20を連ねた場合を
示すものである。
【0025】 本考案において、注入口の大きさやそ
の形成部位によっては、注入口から排気させつつ注入す
ることも可能である。
【0026】
【考案の効果】本考案は以上のように構成しているた
め、以下の如き優れた効果を奏する。 本考案は、止水板を従来のように一枚の板状体とし
て構成するのではなく、これを二分割して、その分割片
を予め各コンクリートブロックに埋設し、その一側の所
要幅部分を凹溝内に存在させ、且つ、コンクリートブロ
ックの接合時に、これら止水板の対向する端部間に間隙
が形成されるように構成している。 従って、コンクリー
トブロックの接合面を当接させて形成した充填孔に、注
入口より液状充填剤を注入すると、該液状充填剤は、止
水板の対向端部間に形成された間隙をスムースに移動で
き、充填孔に充填状態となる。そして液状充填剤の硬化
により、両止水板の対向端部を、止水機能を有する硬化
物を介して連結状態となし得、該一枚板状に連結された
止水板によってブロック接合部分の止水を図りうる。
【0027】 又本考案は、前記のように、止水板を
二分割して、その分割片を予め各コンクリートブロック
に埋設しておくため、従来のような、コンクリートブロ
ックの接合後に止水板をスリットに挿入するといった手
間を省ける。又、コンクリートブロックの接合に際し、
従来のようにスリットの位置ズレを気にして相互を接合
しなければならないといった接合作業上における慎重さ
を要さず、単にコンクリートブロックを突き合わせ固定
することにより両者のズレを凹溝で吸収できることにな
る。
【0028】 特に、止水板の、凹溝内に存する部分
の所要部に、止水板の厚さよりも厚肉の頭部が膨設した
ときは、充填孔への液状充填剤の充填量を節減して、接
合部を止水処理できる。又、仮に充填孔における硬化物
と、止水板の凹溝に存する突出部分との間で縁切れが生
じたとしても、突出部分が平板状のものに比較して、水
の回り込み距離が大きくなるため、漏水を極力抑制でき
ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るブロックの一例を説明する正面図
である。
【図2】ブロックの接合側の部分を説明する斜視図であ
る。
【図3】ブロック相互の接合状態を説明する部分斜視図
である。
【図4】ブロックの接合状態を説明する平面図である。
【図5】ブロックの接合状態を説明する断面図である。
【図6】止水板の他の態様を説明する断面図である。
【図7】本考案に係るブロックの他の実施例を、嵌込溝
に弾性軟質止水材を嵌め込んだ状態において説明する側
面図である。
【図8】本考案に係るブロックの他の実施例を、嵌込溝
に弾性軟質止水材を嵌め込んだ状態において説明する側
面図である。
【図9】本考案に係るブロックの他の実施例を、嵌込溝
に弾性軟質止水材を嵌め込んだ状態において説明する側
面図である。
【図10】従来におけるブロック接合の問題点を説明す
る断面図である。
【符号の説明】
1 ブロック 2 ブロック本体 3 接合面 5 凹溝 7 止水板 15 弾性軟質止水材 16 充填孔 19 注入口G 間隙

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 止水が図られて相互が接合される、止水
    接合部を具えるコンクリートブロックであって、 前記コンクリートブロックの接合面3に、その長さ方向
    に沿って所要長さの凹溝5が設けられ、接合されるべき
    コンクリートブロックの両凹溝5,5の合致によって所
    要長さの充填孔16が形成され、且つ該充填孔16に
    は、硬化によって止水機能を発揮する液状充填剤を充填
    するための注入口19が連通される如くなされ、 板状をなす止水板7が、その一側の所要幅部分を前記凹
    溝5内に存在させ且つ残余の部分を凹溝5の幅方向に延
    びる如くコンクリートブロック1に埋設させて、コンク
    リートブロックに設けられており、 又、コンクリートブロック1,1がその凹溝5,5が合
    致して接合されたときに、前記止水板7,7の対向する
    端部間に間隙Gが形成されるように、止水板7の、凹溝
    5内に存する部分の先端が、接合面3よりも凹溝底部側
    に稍退いた状態とされており、前記充填孔16に充填さ
    れた液状充填剤の硬化物を介して前記各止水板7,7が
    一体化されるように構成されている ことを特徴とする止
    水接合部を具えるコンクリートブロック。
  2. 【請求項2】 止水板7,7の、凹溝5内に存する部分
    の所要部に、止水板11の厚さよりも厚肉に形成された
    頭部9が膨設されていることを特徴とする請求項1記載
    の止水接合部を具えるコンクリートブロック。
JP1992077873U 1992-10-13 1992-10-13 止水接合部を具えるコンクリ―トブロック Expired - Lifetime JP2514127Y2 (ja)

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KR102193147B1 (ko) * 2020-01-15 2020-12-18 (주)에코이노텍 지수판 일체형 프리캐스트 콘크리트 박스 암거 시공방법
KR102249354B1 (ko) * 2020-10-05 2021-05-07 주식회사 서린브릿지텍 분할타설된 하부콘크리트 구조로 제작된 이중합성 강박스 거더 및 그 시공방법

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JPS5242201B2 (ja) * 1972-08-09 1977-10-22
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