JP2945381B1 - コンクリートの止水構造およびその処理工法 - Google Patents

コンクリートの止水構造およびその処理工法

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JP2945381B1
JP2945381B1 JP14454198A JP14454198A JP2945381B1 JP 2945381 B1 JP2945381 B1 JP 2945381B1 JP 14454198 A JP14454198 A JP 14454198A JP 14454198 A JP14454198 A JP 14454198A JP 2945381 B1 JP2945381 B1 JP 2945381B1
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Abstract

【要約】 【課題】 容易に、確実に、更には、安価にコンクリー
トの打継ぎ部の止水を行うコンクリートの打継ぎ部およ
びその処理工法を提供する。 【解決手段】 打設されたコンクリート3の周囲の少な
くとも一部に、膨潤性の物質の懸濁液、または、膨潤性
の物質の混合物により形成された止水層6を設ける。膨
潤性の物質に、膨潤性の物質の付着性を高める物質を混
合した混合物により止水層6を形成する。コンクリート
の打継ぎ部(4)の底部を囲む枠部5を設けた後、枠部
5によって囲まれた部分に膨潤性の物質の懸濁液を流し
込むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水層
6を形成する。一次側コンクリート8の打設時にコンク
リートの打継ぎ部(4)に用いられる型枠(7)、また
はコンクリートが流し込まれる外壁の内面に、膨潤性の
物質に、該膨潤性の物質の付着性を高める物質を混合し
た混合物を、塗布または充填することにより止水層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コンクリ
ートの打継部等への浸水による打設されたコンクリート
の劣化を防止するコンクリートの止水構造およびその処
理工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、打設したコンクリートに水圧がか
かるような、例えば地下部分においてコンクリートの打
設を行うような場合には、例えば、コンクリートの打継
ぎ部から地下水が浸透してしみ込んでくるのを防止する
ために、該コンクリートの打継ぎ部に例えば、浸透して
くる水をせき止める止水板や、水を吸収して膨張する膨
張弾性シールなどを用いる技術がある。
【0003】この従来の技術の実施の方法を図10に基
づいて以下に説明する。図10は、コンクリートの打継
ぎ部に止水板を用いた従来のコンクリートの止水処理工
法を示す斜視断面図である。
【0004】まず、地盤の上部に捨てコンクリートを布
設し、この捨てコンクリートの上部の、コンクリートの
打継ぎ部に対応する位置に型枠を立設する。そして、こ
の型枠によって仕切られた片側の部分に一次コンクリー
トを打設する。ここで、型枠の垂直方向の中心付近には
予め止水板を水平方向に配置しておく。
【0005】一次コンクリートが硬化すると、前記型枠
を取り外す。このとき、一次コンクリートの端部からは
前記止水板の半分がはみ出した状態となっているが、こ
ちら側に、二次コンクリートを流し込んで、この二次コ
ンクリートの硬化を待つ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のコンクリートの止水処理工法では、コンク
リート打設後、混練水が分離して上昇する、いわゆるブ
リージングの発生により、打設したコンクリートと、前
記止水板や前記膨張弾性シールとの付着性が低下して、
完全な止水が行えないといったことが起こり得る。
【0007】また、前記膨張弾性シールは、例えばブチ
ルゴム製のものであり、その面の付着が不良であった
り、施工後の切れなどが発生した場合、止水性が得られ
ないといった問題や、高価なものであるため、コストが
かかるといった問題があった。
【0008】そこで、本発明の目的は、従来の工法に比
べ、容易に、確実にコンクリートの止水を行うことがで
きるとともに、たとえひび割れがあってもそのひび割れ
内に膨張性物質が入り込むことで、いずれは止水が可能
となり、更には、安価にコンクリートの止水を行うコン
クリートの止水構造およびその処理工法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、コンクリートの止水構造であっ
て、膨潤性の物質に、該膨潤性の物質の付着性を高める
物質を混合した混合物を、流し込まれるコンクリートの
周囲の垂直な壁面又は傾斜した壁面に対して塗布又は充
填して付着させることにより、打設されたコンクリート
の周囲の少なくとも一部に、膨潤性の物質の混合物によ
り形成された止水層を設けたこと、を特徴としている。
【0010】以上のような構成の請求項1記載の発明に
よれば、膨潤性の物質に、該膨潤性の物質の付着性を高
める物質を混合した混合物を、流し込まれるコンクリー
トの周囲の垂直な壁面又は傾斜した壁面に対して塗布又
は充填して付着させることにより、打設されたコンクリ
ートの周囲の少なくとも一部に、膨潤性の物質の混合物
により形成された止水層を設けるので、垂直な壁面や傾
斜した壁面にも膨潤性の物質を容易に付着させることが
でき、打設されたコンクリートのうち、これら垂直な壁
面や傾斜した壁面に接する部分においても確実に止水層
を形成できる。そして、止水層を形成する膨潤性の物質
がコンクリートの周囲まで浸透してきた水を吸収すると
ともに該膨潤性の物質が膨潤し、この止水層を浸透して
打設されたコンクリートまで水が浸入するのを防止で
き、ブリージングの発生等によるコンクリートの水道を
止水することが出来る。従って、打設されたコンクリー
トの耐久性が向上する。
【0011】前記膨潤性の物質としては、例えば、ベン
トナイトが挙げられるが、膨潤性のものであれば何でも
よい。ベントナイトは、例えば、ブチルゴム等に比べて
安価であるので、止水の目的で、ブチルゴム等を用いる
よりも安価にコンクリートの打継ぎ部の止水を行うこと
ができる。
【0012】前記膨潤性の物質の付着性を高める物質と
しては、例えば、セメントや、凝集剤が挙げられる。
【0013】膨潤性の物質に該膨潤性の物質の付着性を
高める物質を混合した混合物を付着させる垂直な壁面又
は傾斜した壁面としては、例えば、一次側コンクリート
の打設時にコンクリートの打継ぎ部に用いられる型枠
や、コンクリートが流し込まれる外壁の内面等が挙げら
れる。
【0014】請求項2記載の発明は、コンクリートの止
水構造であって、一次側コンクリートと、この一次側コ
ンクリートに水平方向に打継がれた二次側コンクリート
との下側に設けられた捨てコンクリートの下側に、膨潤
性の物質の懸濁液、または膨潤性の物質の混合物により
形成された止水層を設けたこと、を特徴としている。
【0015】請求項2記載の発明によれば、一次側コン
クリートと、この一次側コンクリートに水平方向に打継
がれた二次側コンクリートとの下側に設けられた捨てコ
ンクリートの下側に、膨潤性の物質の懸濁液、または膨
潤性の物質の混合物により形成された止水層を設けたの
で、止水層により、捨てコンクリートへの水の進入を未
然に防ぐことができる。よって、打設されたコンクリー
トへの浸水をより十全に防止することができる。
【0016】請求項3記載の発明は、コンクリートの止
水構造の処理工法であって、コンクリートを水平方向に
打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ部の底部を囲む
枠部を設けた後、前記枠部によって囲まれた部分に膨潤
性の物質の懸濁液を流し込むことによりコンクリートの
打継ぎ部の底部に止水層を形成すること、を特徴として
いる。
【0017】請求項3記載の発明によれば、コンクリー
トを水平方向に打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ
部の底部を囲むように枠部を設けた後、該枠部に囲まれ
た前記打継ぎ部の底部を含む部分に前記膨潤性の物質の
懸濁液を流し込むだけで、前記止水層を形成することが
でき、前記打継ぎ部の止水を行うことができる。また、
前記枠部の範囲を変更することで前記止水層を形成する
範囲を容易に変更することができる。
【0018】さらに、前記枠部の高さを低く設定すれ
ば、前記膨潤性の物質が占めることによる打設されたコ
ンクリートの底部のへこみを小さくでき、止水層を設け
ることによる打設されたコンクリートの強度の低下を防
止できる。
【0019】請求項4記載の発明は、コンクリートの止
水構造の処理工法であって、コンクリートを水平方向に
打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ部の底部に凹部
を設けた後、前記凹部に膨潤性の物質の懸濁液を流し込
むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水層を
形成すること、を特徴としている。
【0020】請求項4記載の発明によれば、コンクリー
トを水平方向に打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ
部の底部に設けられた凹部に膨潤性の物質の懸濁液を流
し込むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水
層を形成することができる。また、コンクリート打継ぎ
部の底部に設けられた前記凹部に前記止水層を形成する
ので、打設されたコンクリートの底部にへこみができな
いので、該コンクリートに断面欠損を生じさせないとと
もに、該コンクリートの強度の低下を防止できる。
【0021】請求項5記載の発明は、コンクリートの止
水構造の処理工法であって、コンクリートを水平方向に
打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ部の底部に凹部
を設け、コンクリートの打継ぎ部の底部を囲む枠部を前
記凹部の上端部に設けた後、前記凹部および前記枠部に
よって囲まれた部分、に膨潤性の物質の懸濁液を流し込
むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水層を
形成すること、を特徴としている。
【0022】請求項5記載の発明によれば、コンクリー
トを水平方向に打継ぐに際して、前記凹部および前記枠
部によって囲まれた部分、に膨潤性の物質の懸濁液を流
し込むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水
層を形成することができる。また、前記止水層は、打設
されたコンクリートから該コンクリートの下方の部分
(例えば捨てコン)に亘って設けられるので、該止水層
からコンクリート側への水の浸入をより好適に防止する
ことができる。さらに、打設されたコンクリートの断面
欠損も小さくできる。
【0023】請求項6記載の発明は、コンクリートの止
水構造の処理工法であって、コンクリートを水平方向に
打継ぐに際して、一次側コンクリートと二次側コンクリ
ートの各々の下端面に亘って密着させるとともに、これ
ら一次側コンクリートと二次側コンクリートとの打継面
に対して垂直になるように、膨潤性の物質の懸濁液、ま
たは膨潤性の物質の混合物により形成された止水層を形
成すること、を特徴としている。
【0024】請求項6記載の発明によれば、コンクリー
トを水平方向に打継ぐに際して、一次側コンクリートと
二次側コンクリートの各々の下端面に亘って密着させる
とともに、これら一次側コンクリートと二次側コンクリ
ートとの打継面に対して垂直になるように、膨潤性の物
質の懸濁液、または膨潤性の物質の混合物により形成さ
れた止水層を形成するので、この止水層により確実に止
水が行える。
【0025】ここで、止水層は、膨潤性の物質の懸濁液
を比較的少量の水で作り粘度を高くしたものを用いて形
成することとしてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る実施の形態
例を図1から図5に基づいて説明する。図1は、本発明
に係るコンクリートの止水構造を示す断面斜視図、図2
は膨潤性の物質の懸濁液を流し込む枠部の設置工程を示
す断面図、図3は膨潤性の物質の懸濁液の流し込み工程
を示す断面図、図4は一次コンクリートの打設工程を示
す断面図、図5は二次コンクリートの打設工程を示す断
面図である。
【0027】まず、図2に示すように、地盤1上に捨て
コンクリート2が布設されている。該捨てコンクリート
2の上面の、該捨てコンクリート2の上部に打込まれる
コンクリート3の打継ぎ部4の底部に対応する部分を囲
むように、桟木(枠部)5が設けられている。桟木5に
よって囲まれた部分の幅は、例えば、30〜40cm
(前記打継ぎ部4の両側が各々15〜20cm)であ
る。また、桟木5の高さは例えば30〜50mmであ
る。
【0028】次に、図3に示すように、前記桟木5によ
って囲まれた部分に、本発明にかかる膨潤性の物質(例
えばベントナイト)の懸濁液を流し込む。
【0029】前記膨潤性の物質の懸濁液がある程度乾燥
して固化することにより、本発明に係る止水層6が形成
されたら、図4に示すように、該止水層6の上部におい
て、型枠7を前記打継ぎ部4に沿って立設し、該型枠7
によって仕切られた片側部分に、一次打設コンクリート
8を流し込む(図4では左側)。
【0030】前記一次打設コンクリート8の硬化後、図
5に示すように、型枠7を取り外し、二次打設コンクリ
ート9を流し込む(図5では左側)。そして、二次打設
コンクリート9を硬化させる。
【0031】このようにして、図1のように打設された
コンクリート3の底部において、膨潤性の物質により形
成された本発明にかかるコンクリートの止水層6が完成
する。
【0032】以上のように膨潤性の物質により形成され
た本発明に係るコンクリートの止水層6を設けることに
よって、捨てコンクリート2の側から浸透してきた水
を、該止水層6が吸収するとともに該止水層6が膨潤
し、該止水層6から先へと水が浸透していくのを防止で
きる。従って、該止水層6により確実に止水が行える。
【0033】また、前記桟木5によって囲まれた部分の
幅を30〜40cmとしたが、前記桟木(枠部5)によ
って囲まれた範囲は適宜に変更可能であり、この範囲を
変更することで、前記止水層6によって止水を行う範囲
は適宜に調節できる。
【0034】さらに、前記桟木(枠部5)の高さも適宜
に変更可能であり、前記止水層6が占めるために、打設
されたコンクリート3の下部がへこむ範囲を調節するこ
とで、打設されたコンクリート3の強度の低下を防ぐこ
とができる。
【0035】なお、以上の実施の形態例では、膨潤性の
物質を、懸濁液として用いたが、膨潤性の物質の懸濁液
の替わりに、膨潤性の物質に例えば、セメントや凝集剤
を混合し、該膨潤性の物質の付着性を高めた混合物を用
いることとしてもよい。この場合、前記枠部を用いても
よいし、用いなくてもよい。このように、膨潤性の物質
の付着性を高めた混合物を用いると、例えば、一次側の
コンクリートの流し込みの際に用いられる型枠や、コン
クリートが流し込まれる外壁の垂直な壁面や、傾斜した
壁面に該混合物を塗布または充填することにより付着さ
せ、これらの位置に前記膨潤性の物質により形成された
止水層を容易に設けることができるので、これらの部分
の止水を容易に行うことができる。
【0036】また、上記の実施の形態例では、捨てコン
クリートの上部において膨潤性の物質により形成された
止水層を設けることとしたが、その他にも例えば、該止
水層を、捨てコンクリートの下部に設けることとして、
該捨てコンクリートへの水の進入を未然に防ぐようにし
てもよい。この場合、より十全に打設されたコンクリー
トへの浸水を防止することができる。
【0037】さらに、本発明の要旨を変更しない範囲に
おいて、各構成要素や、作業手順等は適宜に変更可能で
ある。
【0038】次に、本発明にかかるコンクリートの止水
構造およびその処理工法のバリエーションについて図6
から図9に基づいて説明する。図6はコンクリートの打
継ぎ部を示す断面斜視図、図7は図6のA部の一例を示
す拡大断面図、図8は図6のA部の一例を示す拡大断面
図、図9は図6のA部の一例を示す拡大断面図である。
【0039】図7では、膨潤性の物質にセメントや凝集
剤等の膨潤性の物質の付着性を高める物質を混合したも
の、または、膨潤性の物質の懸濁液を比較的少量の水で
作り粘度を高くしたもの、を用いて止水層6を形成した
場合を示している。このようにすれば、膨潤性の物質の
付着性が高いために、または、膨潤性の物質の懸濁液の
粘度が高いために上述した実施の形態例におけるような
桟木(枠部)5を用いる必要がない。
【0040】図8では、コンクリートの打継ぎ部4の底
部、即ち捨てコンクリート2に凹部10を設け、この中
に膨潤性の物質の懸濁液を流し込んで止水層6を形成し
た場合を示している。このようにすれば、打設されたコ
ンクリート(一次側コンクリート8,二次側コンクリー
ト9)の底部にへこみができないので、該コンクリート
に断面欠損を生じさせないとともに、該コンクリートの
強度の低下を防止できる。なお、前記凹部10の幅は、
例えば30〜40cmである。また、該凹部10の高さ
は、例えば30〜50mmである。また、コンクリート
が流し込まれる外壁の内面に凹部を設けて、この凹部に
膨潤性の物質にセメントや凝集剤等の膨潤性の物質の付
着性を高める物質を混合したものを充填して止水層を形
成してもよい。
【0041】図9では、コンクリートの打継ぎ部4の底
部、即ち捨てコンクリート2に凹部10を設け、該凹部
10に、膨潤性の物質の懸濁液を比較的少量の水で作り
粘度を高くしたもの充填し、さらに該凹部10より上方
に15〜25mm程度盛り上がるように該膨潤性の物質
の懸濁液を塗り込むことで、止水層6を形成した場合を
示している。この場合、該凹部10の幅は、例えば30
〜40cmであり、該凹部10の高さは、例えば15〜
25mmである。このようにすれば、止水層6は、打設
されたコンクリート(一次側コンクリート8,二次側コ
ンクリート9)から該コンクリートの下方の捨てコンク
リート2に亘って設けられるので、該止水層6から打設
されたコンクリート側への水の浸入をより好適に防止す
ることができる。また、打設されたコンクリートの断面
欠損も小さくできる。なお、この場合、膨潤性の物質の
懸濁液の粘度を小さくした場合は、前記凹部10の上端
部にコンクリートの打継ぎ部4の底部を囲む桟木(枠
部:図示なし)を設けた後、該凹部10および該桟木に
よって囲まれた部分に膨潤性の物質の懸濁液を流し込ん
で止水層6を形成してもよい。この場合該桟木の高さは
例えば15〜25mmである。
【0042】なお、図6から図9に示される本発明にか
かるコンクリートの止水構造およびその処理工法のバリ
エーションにおいても、本発明の要旨を変更しない範囲
においても細部構造等は適宜に変更可能である。
【0043】請求項1記載の発明に係るコンクリートの
止水構造によれば、膨潤性の物質に、該膨潤性の物質の
付着性を高める物質を混合した混合物を、流し込まれる
コンクリートの周囲の垂直な壁面又は傾斜した壁面に対
して塗布又は充填して付着させることにより、打設され
たコンクリートの周囲の少なくとも一部に、膨潤性の物
質の混合物により形成された止水層を設けるので、垂直
な壁面や傾斜した壁面にも膨潤性の物質を容易に付着さ
せることができ、打設されたコンクリートのうち、これ
ら垂直な壁面や傾斜した壁面に接する部分においても確
実に止水層を形成できる。そして、止水層を形成する膨
潤性の物質がコンクリートの周囲まで浸透してきた水を
吸収するとともに該膨潤性の物質が膨潤し、この止水層
を浸透して打設されたコンクリートまで水が浸入するの
を防止でき、ブリージングの発生等によるコンクリート
の水道を止水することが出来る。従って、打設されたコ
ンクリートの耐久性が向上する。
【0044】さらに、前記膨潤性の物質として、例えば
ベントナイトを用いれば、例えば、ブチルゴム等に比べ
て安価であるので、止水の目的でブチルゴム等を用いる
よりも安価にコンクリートの打継ぎ部の止水を行うこと
ができる。
【0045】請求項2記載の発明に係るコンクリートの
止水構造によれば、一次側コンクリートと、この一次側
コンクリートに水平方向に打継がれた二次側コンクリー
トとの下側に設けられた捨てコンクリートの下側に、膨
潤性の物質の懸濁液、または膨潤性の物質の混合物によ
り形成された止水層を設けたので、止水層により、捨て
コンクリートへの水の進入を未然に防ぐことができる。
よって、打設されたコンクリートへの浸水をより十全に
防止することができる。
【0046】請求項3記載の発明に係るコンクリートの
止水構造の処理工法によれば、コンクリートを水平方向
に打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ部の底部を囲
むように枠部を設けた後、該枠部に囲まれた前記打継ぎ
部の底部を含む部分に前記膨潤性の物質の懸濁液を流し
込むだけで、前記止水層を形成することができ、前記打
継ぎ部の止水を行うことができる。また、前記枠部の範
囲を変更することで前記止水層を形成する範囲を容易に
変更することができる。
【0047】さらに、前記枠部の高さを低く設定すれ
ば、前記膨潤性の物質が占めることによる打設されたコ
ンクリートの底部のへこみを小さくでき、止水層を設け
ることによる打設されたコンクリートの強度の低下を防
止できる。
【0048】請求項4記載の発明に係るコンクリートの
止水構造の処理工法によれば、コンクリートを水平方向
に打継ぐに際して、コンクリートの打継ぎ部の底部に設
けられた凹部に膨潤性の物質の懸濁液を流し込むことに
よりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水層を形成する
ことができる。また、コンクリート打継ぎ部の底部に設
けられた前記凹部に前記止水層を形成するので、打設さ
れたコンクリートの底部にへこみができないので、該コ
ンクリートに断面欠損を生じさせないとともに、該コン
クリートの強度の低下を防止できる。
【0049】請求項5記載の発明に係るコンクリートの
止水構造の処理工法によれば、コンクリートを水平方向
に打継ぐに際して、前記凹部および前記枠部によって囲
まれた部分、に膨潤性の物質の懸濁液を流し込むことに
よりコンクリートの打継ぎ部の底部に止水層を形成する
ことができる。また、前記止水層は、打設されたコンク
リートから該コンクリートの下方の部分(例えば捨てコ
ン)に亘って設けられるので、該止水層からコンクリー
ト側への水の浸入をより好適に防止することができる。
さらに、打設されたコンクリートの断面欠損も小さくで
きる。
【0050】請求項6記載の発明に係るコンクリートの
止水構造の処理工法によれば、コンクリートを水平方向
に打継ぐに際して、一次側コンクリートと二次側コンク
リートの各々の下端面に亘って密着させるとともに、こ
れら一次側コンクリートと二次側コンクリートとの打継
面に対して垂直になるように、膨潤性の物質の懸濁液、
または膨潤性の物質の混合物により形成された止水層を
形成するので、この止水層により確実に止水が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリートの止水構造を示す断
面斜視図である。
【図2】膨潤性の物質の懸濁液を流し込む枠部の設置工
程を示す断面図である。
【図3】膨潤性の物質の懸濁液の流し込み工程を示す断
面図である。
【図4】一次コンクリートの打設工程を示す断面図であ
る。
【図5】二次コンクリートの打設工程を示す断面図であ
る。
【図6】コンクリートの打継ぎ部を示す断面斜視図であ
る。
【図7】図6のA部の一例を示す拡大断面図である。
【図8】図6のA部の一例を示す拡大断面図である。
【図9】図6のA部の一例を示す拡大断面図である。
【図10】コンクリートの打継ぎ部に止水板を用いた従
来のコンクリートの打継ぎ部の処理工法を示す斜視断面
図である。
【符号の説明】
3 コンクリート 4 打継ぎ部 5 枠部(桟木) 6 止水層 7 型枠 8 一次打設コンクリート(一次側コンクリート) 10 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−144317(JP,A) 特開 平7−139047(JP,A) 特開 平5−321362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 21/02 103

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨潤性の物質に、該膨潤性の物質の付着性
    を高める物質を混合した混合物を、 流し込まれるコンクリートの周囲の垂直な壁面又は傾斜
    した壁面に対して塗布又は充填して付着させることによ
    り、打設されたコンクリートの周囲の少なくとも一部
    に、膨潤性の物質の混合物により形成された止水層を設
    けたこと、 を特徴とするコンクリートの止水構造。
  2. 【請求項2】一次側コンクリートと、この一次側コンク
    リートに水平方向に打継がれた二次側コンクリートとの
    下側に設けられた捨てコンクリートの下側に、膨潤性の
    物質の懸濁液、または膨潤性の物質の混合物により形成
    された止水層を設けたこと、を特徴とするコンクリート
    の止水構造。
  3. 【請求項3】コンクリートを水平方向に打継ぐに際し
    て、 コンクリートの打継ぎ部の底部を囲む枠部を設けた後、 前記枠部によって囲まれた部分に膨潤性の物質の懸濁液
    を流し込むことによりコンクリートの打継ぎ部の底部に
    止水層を形成すること、 を特徴とするコンクリートの止水構造の処理工法。
  4. 【請求項4】コンクリートを水平方向に打継ぐに際し
    て、 コンクリートの打継ぎ部の底部に凹部を設けた後、 前記凹部に膨潤性の物質の懸濁液を流し込むことにより
    コンクリートの打継ぎ部の底部に止水層を形成するこ
    と、 を特徴とするコンクリートの止水構造の処理工法。
  5. 【請求項5】コンクリートを水平方向に打継ぐに際し
    て、 コンクリートの打継ぎ部の底部に凹部を設け、コンクリ
    ートの打継ぎ部の底部を囲む枠部を前記凹部の上端部に
    設けた後、 前記凹部および前記枠部によって囲まれた部分、に膨潤
    性の物質の懸濁液を流し込むことによりコンクリートの
    打継ぎ部の底部に止水層を形成すること、 を特徴とするコンクリートの止水構造の処理工法。
  6. 【請求項6】コンクリートを水平方向に打継ぐに際し
    て、 一次側コンクリートと二次側コンクリートの各々の下端
    面に亘って密着させるとともに、これら一次側コンクリ
    ートと二次側コンクリートとの打継面に対して垂直にな
    るように、膨潤性の物質の懸濁液、または膨潤性の物質
    の混合物により形成された止水層を形成すること、 を特徴とするコンクリートの止水構造の処理工法。
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