JPH06258326A - エンドトキシン特異的測定剤 - Google Patents
エンドトキシン特異的測定剤Info
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- JPH06258326A JPH06258326A JP5061464A JP6146493A JPH06258326A JP H06258326 A JPH06258326 A JP H06258326A JP 5061464 A JP5061464 A JP 5061464A JP 6146493 A JP6146493 A JP 6146493A JP H06258326 A JPH06258326 A JP H06258326A
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Abstract
(以下、試薬と略す)に含まれるG因子および/または
検体に含まれ得るセリンプロテアーゼの影響を受けず
に、C因子系反応のみを利用して、エンドトキシン(Et)
を特異的に測定すること。 【構成】試薬にアプロチニンを共存させるEt特異的測
定剤、試薬とアプロチニンを有効成分とする試薬とを
構成試薬として含有するEt特異的測定キット 、試薬
を用いて検体中のEtを測定するに際し、試薬中および/
または検体中にアプロチニンを共存させるEtの測定法、
試薬を用いてセリンプロテアーゼを含有する検体中の
Etを測定するに際し、検体をアプロチニンを固定化した
不溶性担体と予め接触させるEtの測定法、アプロチニ
ンを固定化した不溶性担体からなる、セリンプロテアー
ゼを含有する検体中のEtを測定する際に使用する前処理
剤、G因子を含有する試薬にアプロチニンを共存させ
るG因子活性化阻害方法、およびアプロチニンを有効
成分とするG因子活性化阻害剤。
Description
イト・ライセート試薬を用いるエンドトキシン特異的測
定剤、エンドトキシン特異的測定キット、エンドトキシ
ンの測定法、、検体の前処理剤、G因子の活性化を阻害
する方法およびG因子活性化阻害剤に関する。
(以下単にライセートともいう)を使用して、エンドト
キシン(内毒素;以下Etということもある)を測定す
る方法(この測定法は一般的に「リムルステスト」と呼
ばれ、この測定に関与するライセートの反応は「リムル
ス反応」と呼ばれている)が従来から知られており、検
出感度が高いため、医薬品、水などの汚染試験、臨床検
査など多方面に汎用されている。この方法は、微量のエ
ンドトキシンによりライセートが凝固することに基づい
ているが、その後の生化学的解明により、該反応はいく
つかの凝固因子の段階的活性化より成ることが明らかに
されている(J. Protein Chem., 5, 255-268(1986)) 。
chypleus tridentatus)から得られるライセートによ
り、図1を用いて説明すると、ライセートにエンドトキ
シンが加わると、ライセート中に存在するC因子(エン
ドトキシン感受性因子、分子量123,000)が活性
化され、生成した活性型C因子がB因子(分子量64,
000)の特定箇所を限定水解して活性型B因子を生成
し、活性型B因子はプロクロッティングエンザイム(分
子量54,000)を活性化してクロッティングエンザ
イムに変換し、クロッティングエンザイムはコアギュロ
ーゲン(凝固タンパク、分子量19,723)のジスル
フィド結合で架橋されたループ内の特定箇所を、すなわ
ち…Arg18−Thr19…の間および…Arg46−Gl
y47…の間を限定水解してH−Thr19…Arg46−O
Hで表されるペプチドC(アミノ酸28残基)を遊離し
つつ残余の部分がコアギュリンゲルに変換される、とい
う一連の反応(カスケード反応とも呼ばれる;以下エン
ドトキシンによる活性化に起因するカスケード反応をC
因子系反応という)である。
シンの存在によって起こるだけでなく、ライセートに
(1→3)−β−D−グルカン(以下β−グルカンとい
うこともある)が加わると同様に反応する。すなわち、
図1におけるG因子(β−グルカン感受性因子)が活性
化され、生成する活性型G因子がプロクロッティングエ
ンザイムをクロッティングエンザイムに活性化し、以下
エンドトキシンの場合と同様に反応してコアギュリンゲ
ルを生成する(以下β−グルカンによる活性化に起因す
るカスケード反応をG因子系反応という)。
するクロッティングエンザイムは、反応系に別に添加さ
れる合成基質、例えばt−ブトキシカルボニル−ロイシ
ル−グリシル−アルギニン−パラニトロアニリド(Bo
c−Leu−Gly−Arg−pNA)のアミド結合を
水解してパラニトロアニリンを遊離させる。したがっ
て、生成した発色物質(パラニトロアニリン)の吸光度
を測定することによりエンドトキシンまたはβ−グルカ
ンの定量が行われている。
系反応とG因子系反応の両方の反応に関与する成分が含
まれているため、これを用いて検体中のエンドトキシン
を測定する際には検体に含まれる可能性のあるβ−グル
カンによってG因子系反応が進行して正しい結果を得ら
れない場合がある。このように、いわゆるリムルステス
トはエンドトキシンに特異的な測定法ではないことが明
らかにされ、エンドトキシンを特異的に測定する方法が
種々検討されている。例えば、ライセートからC因子系
反応に関与する成分のみを分画して用いることによりエ
ンドトキシンを特異的に測定する方法が報告されている
(Obayashi T. et al., Clin. Chim. Acta, 149, 55−6
5 (1985))。
トラン硫酸を固定化したアフィニティー担体を用いるク
ロマトグラフィーにより分画し、β−グルカン感受性因
子であるG因子を除去して、C因子、B因子とプロクロ
ッティングエンザイムを再構成してエンドトキシンを測
定する方法であって、極めて煩雑な操作を必要とする方
法である。
およびG因子系反応)に関与する活性型因子はすべてセ
リンプロテアーゼであり、やはりセリンプロテアーゼで
あるトリプシンやトロンビンでもEtやβ-D-グルカン
の存在の有無にかかわらず、同様にコアギュローゲンを
限定水解してコアギュリンゲルに変換したり、上記の合
成基質を水解したりして、偽陽性を示すことが知られて
いる(原田敏枝他、J.Med. Enzymol., 3, 43-60, 1978
)。したがって、セリンプロテアーゼを含有する試料
中のエンドトキシンをリムルステストにより測定するこ
とはこれまでまったく不可能であった。
は、ライセート試薬を用いて検体中のエンドトキシンを
測定するに際し、ライセートに含まれるβ−グルカン感
受性因子(G因子)の影響を受けずに、C因子系反応の
みを利用して、エンドトキシンを特異的に測定すること
である。
用いてセリンプロテアーゼを含有する検体中のエンドト
キシンを測定するに際し、ライセート中のC因子系反応
に関与する活性型の各因子の活性を阻害せずに、検体中
のセリンプロテアーゼの活性を特異的に阻害して偽陽性
反応を排除し、エンドトキシンを正確に測定することで
ある。
の目的を達成するために、ライセート中のC因子系反応
を阻害せずに、G因子系反応、すなわちβ−グルカンに
よるG因子の活性化および/または活性型G因子の活性
を選択的に阻害する物質について検討した。その結果、
多くのセリンプロテアーゼ阻害剤のうち、アプロチニン
の適量を用いればエンドトキシンによるC因子系反応を
実質的に阻害せず、かつβ−グルカンによるG因子系反
応を強く阻害する事を見出した。
するために、ライセート中のC因子系反応を阻害せず
に、検体中のセリンプロテアーゼのみを選択的に阻害す
る物質について検討した。その結果、多くのセリンプロ
テアーゼ阻害剤のうち、アプロチニンの適量を共存させ
てリムルス反応を行うか、予め検体を適量のアプロチニ
ンと接触させることにより、エンドトキシンによるC因
子系反応を実質的に阻害せず、かつ検体中のセリンプロ
テアーゼのみを特異的に阻害できることを見出した。
プロテアーゼ阻害剤として知られるα1 −アンチトリプ
シン、アンチトロンビンIII 、α2 −プラスミンインヒ
ビター、オボムコイドインヒビター、ヒルジン、メシル
酸ガベキサート等を用いて検討したが、アプロチニンの
みがリムルス反応のうちのG因子系反応を優先的に阻害
し、他のセリンプロテアーゼ阻害剤は検体中のセリンプ
ロテアーゼも不活化するが、すべてG因子系反応とC因
子系反応を同時に阻害し、その結果リムルス反応全体を
阻害することを見出した。本発明はこのような知見をさ
らに発展させた結果完成されたものである。
イセート試薬にアプロチニンを共存させることを特徴と
するエンドトキシン特異的測定剤を提供するものであ
る。また本発明は、カブトガニ・アメボサイト・ライセ
ート試薬とアプロチニンを有効成分とする試薬とを構成
試薬として含有するエンドトキシン特異的測定キットを
提供するものである。
ト・ライセート試薬を用いて検体中のエンドトキシンを
測定するに際し、カブトガニ・アメボサイト・ライセー
ト試薬中および/または検体中にアプロチニンを共存さ
せることを特徴とするエンドトキシンの測定法を提供す
るものである。特に上記測定法において、カブトガニ・
アメボサイト・ライセート試薬中に含まれ、(1→3)
−β−D−グルカンによって活性化されるG因子の活性
化を阻害するために有効な量のアプロチニンをカブトガ
ニ・アメボサイト・ライセート試薬および/または検体
中に共存させる方法、および検体がセリンプロテアーゼ
を含有するものであり、カブトガニ・アメボサイト・ラ
イセート試薬および/または検体中に、検体中のセリン
プロテアーゼを阻害するために有効な量のアプロチニン
を共存させる方法を提供する。
ト・ライセート試薬を用いてセリンプロテアーゼを含有
する検体中のエンドトキシンを測定するに際し、検体を
アプロチニンを固定化した不溶性担体と予め接触させる
ことを特徴とするエンドトキシンの測定法を提供するも
のである。さらに本発明は、アプロチニンを固定化した
不溶性担体からなることを特徴とする、セリンプロテア
ーゼを含有する検体中のエンドトキシンをカブトガニ・
アメボサイト・ライセート試薬を用いて測定する際に使
用する前処理剤を提供するものである。
グルカンによって活性化されるG因子を含有するカブト
ガニ・アメボサイト・ライセート試薬にアプロチニンを
共存させることを特徴とするG因子の活性化を阻害する
方法、およびアプロチニンを有効成分として含有し、カ
ブトガニ・アメボサイト中のG因子の(1→3)−β−
D−グルカンによる活性化を阻害することを特徴とする
G因子活性化阻害剤を提供するものである。
ニン(aprotinin)とは、塩基性膵臓トリプシンインヒ
ビターとも呼ばれ、ウシの肺、膵臓または耳下腺から抽
出されるアミノ酸58残基の塩基性ポリペプチド(等電
点10.5)で、カリクレイン、プラスミン、トリプシン、
キモトリプシン、その他各種の細胞内プロテアーゼを阻
害するインヒビターであり、医薬品としてはトラジロー
ル(Trasylol)の商品名でバイエル社から販売されてい
る。
イト・ライセート試薬(以下、単にライセート試薬とも
いう)としては、リムルス・ポリフェムス(Limulus p
olyphemus)、タキプレウス・トリデンタツス(Tachypl
eus tridentatus)、タキプレウス・ギガス(T. giga
s)、カルシノスコルピウス・ロツンディカウダ(Carci
noscorpius rotundicauda)等のカブトガニ血リンパ液
から、通常の方法(例えば、J. Biochem., 80, 1011-10
21(1976)参照)により調製した血球抽出物を挙げること
ができる。また、これらの抽出物にC因子の活性化に有
効な二価金属塩〔例えば、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化水
素酸塩(塩化物など)、硫酸塩等〕、クロッティングエ
ンザイムの基質(例えば、前記のBoc−Leu−Gl
y−Arg−pNAのような合成基質)、pH調整剤
(トリス−塩酸緩衝液などの緩衝剤)を必要に応じて添
加したものであってもよい。さらに、ライセート試薬と
しては、販売されている市販のものも使用することがで
きる。なお、このようなライセート試薬は液体、粉末、
固形物等のいずれの形態であってもよい。
が存在する形態のものが、通常、好適に用いられるが、
G因子を除いたものか、G因子をアプロチニン以外のも
ので不活性化したもの等も使用でき得る。前記の第一の
本発明の目的を達成するためには、(A)ライセート試
薬にアプロチニンを添加することによって共存させ、G
因子系反応に関与する成分が不活化されたライセート試
薬(以下「アプロチニン含有ライセート試薬」というこ
ともある)として測定に供する方法、または(B)検体
中にアプロチニンを添加することによって共存させ、通
常のライセート試薬を使用してこのアプロチニン添加検
体を測定する際にライセート試薬中のG因子系反応に関
与する成分の活性化を阻害する方法、あるいは(A)お
よび(B)の併用、すなわちライセート試薬と検体中に
アプロチニンを共存させる方法等が採用される。
を完全に阻害するのに必要なアプロチニンの量は、例え
ば、次のようにして決定することができる。氷冷下、一
定量のライセート試薬に、アプロチニン(エンドトキシ
ンを含有しないもの)の量を変えて加え、それらに通常
の測定条件下においてライセート試薬を充分に活性化す
る一定量のβ−グルカン(エンドトキシンを含有しない
もの)を加えて、通常のライセート試薬使用時と同条件
で反応させる。この条件下でβ−グルカンによるライセ
ート試薬の活性化を完全に阻害するアプロチニンの量を
求める。
ら、検体中のエンドトキシン濃度に応じたC因子系反応
の活性を得るアプロチニン量を決定する。前記の第二の
本発明の目的を達成するためには、(C)検体のセリン
プロテアーゼをアプロチニンと反応させ、次いでこの反
応混合物とアプロチニン含有ライセート試薬と反応させ
ること、(D)検体にライセート試薬のG因子の活性を
も阻害し得るアプロチニン量を添加し、ライセート試薬
を用いてこれらを反応させること、(E)ライセート試
薬に予め必要量のアプロチニンを添加しておき、そのG
因子の阻害に消費した余剰のアプロチニンにより検体中
のセリンプロテアーゼの活性を阻害するようにするこ
と、または(F)セリンプロテアーゼを含有する検体を
アプロチニンを固定化した不溶性担体と予め接触させる
ことによってセリンプロテアーゼを除去または不活化
し、ライセート試薬を使用してこのアプロチニン固定化
担体処理検体を測定する方法が採用される。
阻害しないアプロチニン量の範囲で可能である点に留意
すべきである。また、(C)〜(E)の場合、Et特異
的ライセート試薬を使用するとセリンプロテアーゼの活
性を阻害するためのアプロチニン量のみでEtの測定が
可能であるので、C因子系反応をより制御し易いため、
より正確で簡易な測定が期待できる。その場合のアプロ
チニン量は、該G因子の阻害に必要なアプロチニン量を
上記範囲から除くことが望ましいことは明らかである
が、そのままの量を用いてもEtの測定が可能であれ
ば、その限りではない。
セリンプロテアーゼ(即ち、セリンプロテアーゼ中のE
tの存否を調べる場合)、または検体中にセリンプロテ
アーゼが混入している場合が考えられ、そのアプロチニ
ンの添加量の決定法は以下の通りである。合成基質法に
おいては、合成基質法リムルステスト試薬の成分中のう
ちのライセート成分の代わりに蒸留水を加えた反応系で
検体と種々の濃度のアプロチニンを添加して、37℃で
通常のリムルス反応と同様に反応させ、ブランクと同一
の値になるアプロチニン量を求め、その量をその検体測
定時に添加すればよい。
ば、ライセート成分のうちC因子およびG因子を除去ま
たは失活させたもので、コアギュローゲンを含むもの
に、検体と種々の濃度のアプロチニンを添加して、37
℃で通常のリムルス反応と同様に反応させ、ブランクと
同一の値になるアプロチニン量を求め、その量をその検
体測定時に添加すればよい。
り、エンドトキシンの測定に支障が生じない範囲でこの
値より若干多くすることもできる。その添加量としては
該検体中に含まれるセリンプロテアーゼの種類、量に依
存するわけだが、検体中に含有されるセリンプロテアー
ゼを充分阻害する量でかつC因子系反応に実質的に影響
を及ぼさない量のアプロチニンを使用すればよく、通
常、モル比で1〜2000倍ほど添加すればよく、実際
には300μg〜10mgほど添加すればよい。
体の測定に使用されるアプロチニン量は、ライセート試
薬として、G因子を含むものを使用する場合は、その中
のG因子を阻害するに必要なアプロチニンと上記セリン
プロテアーゼを阻害するための必要量の総和になる。
(F)法において、不溶性担体に固定化されるアプロチ
ニン量は、検体中に含まれるセリンプロテアーゼ量等に
より適宜決定され得るが、通常、該セリンプロテアーゼ
量に対しモル比で2〜100倍の範囲が挙げられる。ま
た、不溶性担体としては、Etが存在しないものであっ
て、活性を損なわずにアプロチニンを化学的に固定でき
るものであれば、特に制限はなく、具体的にはポリアミ
ド系、セルロース系、アガロース系、ポリアクリルアミ
ド系、デキストラン系、ビニルポリマー系(グリシジル
メタクリレートとの多孔性共重合体)等を挙げることが
できる。アプロチニンの固定化法としては、従来公知の
方法が適用でき、例えば、セルロースゲルにホルミル基
を導入して、NaCNBH3 の存在下アプロチニンと結
合させる方法、ジアゾ化法、CNBr法、酸アジド法等
を挙げることができる。
含有検体をアプロチニンを固定化した不溶性担体に接触
させ、その非吸着液を使用するので、その前処理工程で
Etに汚染されないように注意する必要がある。従って、
(C)〜(E)法の方が、Et汚染の危険も少なく、か
つ簡便・迅速といえる。(F)方法を除く、(A)〜
(E)等のエンドトキシンを測定する方法においてアプ
ロチニンをライセート試薬および/または検体中に共存
させる方法としては、例えば、下記〜等が挙げられ
る。 ライセート試薬の抽出調製時にアプロチニンを添加
して調製したアプロチニン含有ライセート試薬を使用す
る方法。 抽出したライセート試薬にアプロチニンを添加した
アプロチニン含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品をアプロチニン含有溶
液で溶解したアプロチニン含有ライセート試薬を使用す
る方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品を適当な溶解液で溶解
した溶液にアプロチニンを添加して調製したアプロチニ
ン含有ライセート試薬を使用する方法。 アプロチニンを添加して抽出調製したライセート試
薬またはライセート試薬中に予め必要量のアプロチニン
を共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当な溶解液で溶解
したアプロチニン含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬と合成基質の凍結乾燥品をアプロチ
ニン含有溶液で溶解するかまたは適当な溶液で溶解して
調製した溶液に、アプロチニンを添加する方法。 ライセート試薬と合成基質の混合液中に予め必要量
のアプロチニンを共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当
な溶解液で溶解して用いる方法。 必要量のアプロチニンを検体に添加する方法。 検体試料をライセート試薬に添加後、直ちに該アプ
ロチニンを添加する方法。
い。要するに、本発明のEtの測定法においては、ライ
セート試薬中のC因子系反応が正常あるいは一般性を失
わない範囲で機能し、Etの定量もしくは定性的測定が
可能であれば、アプロチニンの使用法は任意である。本
発明の測定剤を用いてエンドトキシンを測定するには、
図1のカスケード反応によって、活性化されて生成する
クロッティングエンザイムの活性を公知の方法で測定す
ればよい。
性の測定には、基質として、例えば前記の発色性残基を
有するペプチド合成基質、またはこれと同様の配列のペ
プチドであって、C末端のアルギニンのカルボキシル基
に前記発色性残基の代わりに公知の発蛍光性残基、発光
性残基、アンモニアなどがアミド結合により置換したペ
プチド合成基質を使用することができる。クロッティン
グエンザイムがこれらの合成基質に作用して生成する反
応生成物を測定することによって、アミダーゼ活性の測
定を行うことができる。具体的には、本発明の測定剤と
エンドトキシンを含む反応系に上記ペプチド合成基質を
共存させ、反応(カスケード反応および必要に応じて生
成物の他色素等への変換反応)によって生成する色素、
蛍光物質またはアンモニアをそれぞれ分光光度計、蛍光
光度計、化学発光測定装置、アンモニア検出用電極(特
開昭62−148860)等によって測定する方法を例
示することができる。
活性の測定には、本発明の測定剤中に含まれる(もしく
は別途添加した)コアギュローゲン(基質)にクロッテ
ィングエンザイムが作用してコアギュリンゲルが生成す
る際のゲル形成反応を、例えば適当な機器(例えば、濁
度測定装置、粘度測定装置等)で測定するか、または肉
眼で判定する方法を採用することができる。
ケード反応系の活性化に有効な2価金属塩を共存させる
必要がある。このような2価金属塩としては、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類
金属のハロゲン化水素酸塩(塩化物、硫酸塩等)が例示
される。また、本発明の測定剤は、上記金属塩はリムル
ス反応時に独立して添加してもよいが、通常ライセート
試薬に上記2価金属塩を共存させた状態で、非加熱条件
下での乾燥処理(例えば、凍結乾燥)を行って固体状態
にしたものが望ましい。さらに、上記アミダーゼ活性を
測定するための測定剤は、2価金属塩のほかに前記ペプ
チド合成基質を共存させたものであることが好ましく、
これを乾燥処理したものであってもよい。
は、基本的には特に制限なく、Et定量の必要があるも
のあるいはその存否を確認する必要があるものであれば
よい。例えば、生体試料、医薬品、医療分野で使用する
水等を挙げることができる。本発明は、特に、セリンプ
ロテアーゼを含む検体に有力であることは上記の通りで
ある。
プロテアーゼの種類としては、アプロチニンによりその
活性が阻害されるものであれば、特に限定されるもので
はない。該セリンプロテアーゼとしては、カリクレイ
ン、プラスミン、トリプシン、キモトリプシン、トロン
ビン等が例示できる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1:アプロチニンを、ライセート試薬に添加する
例 1)日本産カブトガニ(T.tridentatus) 血リンパ液1.
0Lを4℃、1,500rpm で10分間遠心し、その沈
殿部分(アメボサイト)約21g に0.02Mトリス−
塩酸緩衝液(pH8.0)210mLを加え、ホモゲナ
イザー(ポリトロンR PT10(商品名)、Kinemati
ca社製造)にて均一に破砕および抽出し、10,000
xGで30分間冷却遠心し、上澄液(ライセート試薬)
190mLを得た。
チニン0.5、1.0、2.0、4.0、6.0mgを
含有する0.5Mトリス−塩酸−0.4M硫酸マグネシ
ウム緩衝液(pH8.0)0.04mLと4.0mM
Boc−Leu−Gly−Arg−pNA 0.02m
Lを加え、アプロチニン含有ライセート試薬を得た(本
発明)。また別のライセート試薬0.04mLにアプロ
チニンを含有しない0.5Mトリス−塩酸−0.4M硫
酸マグネシウム緩衝液(pH8.0)0.04mLと
4.0mM Boc−Leu−Gly−Arg−pNA
0.02mLを加えた。それらに検体として、蒸留水
(以下、DWと記す。これをブランクとして用いる)、
後述により調製したβ−グルカン(500ng/mL)
を別々に0.1mL加えた。それらを37℃、30分間
加温して反応させ、生じたパラニトロアニリンを0.0
4%亜硝酸ナトリウム(0.48M塩酸溶液)、0.3
%スルファミン酸アンモニウム、0.07%N−1−ナ
フチルエチレンジアミン二塩酸塩を各々0.5mLずつ
順次加えてジアゾカップリングさせ、545nmで吸光
度を測定し、ブランクとの差を反応性として、表1に示
した(尚、以下の実施例の表もしくは図中においてもΔ
の意味はブランクとの差を意味する。)。
0.04mLに対して、アプロチニンを2.0mg以上
添加すれば、β−グルカンによるライセート試薬中のG
因子の活性化を完全に阻害することができることがわか
る。2)ライセート試薬に1)で求めたライセート試薬
中のβ−グルカンによるG因子系反応を完全に阻害した
アプロチニン(2.0、4.0、6.0mg)をそれぞ
れ含有する0.5Mトリス−塩酸−0.4M硫酸マグネ
シウム緩衝液(pH8.0)0.04mLと4.0mM
Boc−Leu−Gly−Arg−pNA0.02m
Lを加え、アプロチニン含有ライセート試薬を得た。ま
た別のライセート試薬0.04mLにアプロチニンを含
有しない0.5Mトリス−塩酸−0.4M硫酸マグネシ
ウム緩衝液(pH8.0)0.04mLと4.0mM
Boc−Leu−Gly−Arg−pNA0.02mL
を加えた。それらに検体として、DW(ブランク)、大
腸菌(Escherichia coli)0111:
B4株由来Et(シグマ社販売のWestphal t
ype;6.25、12.5、25.0、50.0pg
/mL)を別々に0.1mL加えた。それらを1)と同
様にして反応させ、Etの検量線を作成した。その結果
を図2に示した。この結果から、アプロチニンの添加量
が増加するとともにEtに対する反応性も低下すること
がわかる。これらの検量線より、検体中のEt濃度に応
じたライセート中のC因子系反応の活性を得るアプロチ
ニン量を任意に選ぶことができる。
アプロチニンを添加してリムルステスト試薬を調製し、
検体の測定に用いることによって、β−グルカンの影響
を受けずに、Etを特異的に測定することができること
がわかる。 (β−グルカンの調製法)PCT国際公開W090/0
2951に記載の方法に準じ、カードラン(和光純薬工
業(株)販売)の1gを約100mLの5mM NaO
H水溶液に懸濁し、氷冷下で音波発生機、ソニケーター
TM(大岳製作所、形式5202PZT、東京)により2
0KHZ、80Wで12分間音波処理による低分子化を
行った。処理液を5M NaOH水溶液を用い、最終
0.3M水溶液とし、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPCカラム:TSK gel G3000
PWXL2本、G2500PWXL 1本、移動相:0.3
M NaOH水溶液、流速0.5mL/min)により
分画採取し、再クロマトグラフィーにより分子量21
6,000画分を分画採取し、GPC分画精製標品β−
グルカン標品を得た。
ンも、上記と同様に調製されたものである。 実施例2:アプロチニンをライセート試薬の抽出調製時
に添加する例 日本産カブトガニ(T.tridentatus) 血リンパ液1.0L
を4℃、1,500rpm で10分間遠心し、その沈殿部
分(アメボサイト)約21gにアプロチニン12gを含
有する0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)2
10mLを加え、ポリトロンR PT10にて均一に破
砕および抽出し、10,000xGで30分間冷却遠心
し、上澄液(アプロチニン含有ライセート試薬)190
mLを得た。
発明例)と上記においてアプロチニンを添加しないで調
製したライセート試薬(比較例)各々0.04mLに2
Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.01mL、
0.4M塩化マグネシウム0.03mL、3.0mM
Boc−Leu−Gly−Arg−pNA0.02mL
を加え、さらに検体としてDW(ブランク)、Etまた
はβ−グルカンを別々に0.1mL加えた。また、それ
ぞれ2倍濃度のEtとβ−グルカンを0.05mLずつ
同時に添加した。それらを37℃、30分間加温して反
応させ、0.8M酢酸0.4mLを加えて反応を停止さ
せ、405nmの吸光度を測定して、生じたパラニトロ
アニリンを定量し、反応性を比較検討した。その結果を
表2に示した。この結果から、カブトガニ血リンパ液か
らライセート試薬を抽出する際にアプロチニンを添加し
て調製したアプロチニン含有ライセート試薬を用いれ
ば、β−グルカンの影響を受けずに、Etを特異的に測
定することができることがわかる。言い換えれば、本発
明による測定においては、C因子系反応が阻害されるこ
となくG因子系反応が実質的に抑制されていることが証
明された。
時にアプロチニンを添加する例 「パイロテル−T」(L.polyphemusより抽
出調製されたライセート試薬の凍結乾燥品;ゲル化法リ
ムルステスト試薬製品;ケープコッド社製造、生化学工
業販売)1バイアルを、あらかじめアプロチニン270
mgを溶かしたDW5.0mLで溶解した(本発明
例)。また、別の凍結乾燥品1バイアルはアプロチニン
を含有しないDW5.0mLで溶解した(比較例)。そ
れらの各0.1mLを反応用試験管に分注した。さらに
検体として、DW(ブランク)、Etまたはβ−グルカ
ンを別々に0.1mL加えた。また、それぞれに2倍濃
度のEtとβ−グルカンを0.05mLずつ同時に添加
した。静かに混和後、比濁時間分析装置「トキシノメー
ターETー201」(和光純薬工業販売)の専用アナリ
シスモジュールにセットし、37℃、60分間加温して
反応させ、ゲル化時間(Tg)を記録し、本発明の測定
剤の反応性を比較検討した。その結果を表3に示した。
この結果から、市販のライセート試薬の凍結乾燥品(ゲ
ル化法リムルステスト試薬)にアプロチニンを検体添加
前に添加することによって、β−グルカンの影響を受け
ずに、Etを特異的に測定することができることがわが
る。
結乾燥品の溶解時にアプロチニンを添加する例 「トキシカラーシステムLS−200セット」(T.trid
entatus より抽出調製されたライセート試薬とBoc−
Leu−Gly−Arg−pNA等との凍結乾燥品;発
色合成基質法リムルステスト試薬製品;生化学工業製造
販売)1バイアルを、あらかじめ、アプロチニン140
mgを溶かした0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)2.8mLで溶解し、本発明の測定剤を調製した。
また、別の凍結乾燥品1バイアルはアプロチニンを含有
しない0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)2.
8mLで溶解し、比較剤を調製した。それらの0.1m
Lに検体として、DW(ブランク)、Etまたはβ−グ
ルカンを別々に0.1mL加えた。また、それぞれに2
倍濃度のEtとβ−グルカンを0.05mLずつ同時に
添加した。それらを実施例1−1)と同様にして反応さ
せ、本発明の測定剤の反応性を比較検討した。その結果
を表4に示した。
ルステスト試薬(凍結乾燥品)にアプロチニンを検体添
加前に添加することによって、β−グルカンの影響を受
けずに、Etを特異的に測定することができることがわ
かる。 実施例5:アプロチニンを添加して抽出調製したライセ
ート試薬の凍結乾燥品を使用する例 実施例2と同様にアプロチニンを添加して抽出調製した
アプロチニン含有ライセート試薬2.0mLと0.4M
塩化マグネシウム0.4mLとを混和後、凍結乾燥して
本発明のエンドトキシン特異的測定剤を得た。また、同
じく実施例1−1)と同様に調製したアプロチニンを含
まないライセート試薬2.0mLと0.4M塩化マグネ
シウム0.4mLとを混和後、凍結乾燥して比較の測定
剤を得た。両凍結乾燥品をそれぞれDW2.0mLに溶
解し、その0.1mLに検体として、DW(ブラン
ク)、Etまたはβ−グルカンを別々に0.1mL加
え、静かに混和後、37℃、60分間静置加温し、18
0゜転倒してゲル形成の有無を肉眼で判定し、本発明の
測定剤の反応性を比較検討した。その結果を表5に示し
た。表中+はゲル化したことを、−はゲル化しなかった
ことを表す。
出調製したアプロチニン含有ライセート試薬を凍結乾燥
することによって、β−グルカンの影響を受けずに、E
tを特異的に測定することができることがわかる。 実施例6:ライセート試薬と合成基質とアプロチニンと
を混和後、凍結乾燥したEt特異的測定剤を使用する例 実施例1−1)で得たアプロチニン不含ライセート試薬
2.0mL、3.4mM発色合成基質(Boc−Leu
−Gly−Arg−pNA)0.9mL、0.8M硫酸
マグネシウム1.0mLならびにアプロチニン水溶液
(240mg/mL)0.5mLとを混和後、凍結乾燥
して本発明のEt特異的測定剤を得た。また、アプロチ
ニン水溶液の代わりにDW0.5mLを混和後、凍結乾
燥して比較の測定剤を得た。両凍結乾燥品をそれぞれ
0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)5.0mL
に溶解し、その0.1mLに検体として、DW(ブラン
ク)、Etまたはβ−グルカンを別々に0.1mL加え
た。また、それぞれ2倍濃度のEtとβ−グルカンを
0.05mLずつ添加した。以後、実施例1−1)と同
様に反応させ、本発明の測定剤の反応性を比較検討し
た。その結果を表6に示した。
とアプロチニンとを混和して凍結乾燥することによっ
て、β−グルカンの影響を受けずに、Etを特異的に測
定することができることがわかる。 実施例7:アプロチニンを事前に検体に添加する例 検体として、DW(ブランク)、Et、β−グルカンお
よびそれぞれ2倍濃度のEtとβ−グルカンの等量混合
液各々0.05mLを用意する。それらにアプロチニン
水溶液(100mg/mL)0.05mLを加え、次い
でそれらに0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
2.8mLで溶解した「トキシカラーシステム LS−
200セット」0.1mLを加え、以後、実施例1−
1)と同様にして反応させた。また、上記アプロチニン
水溶液の代わりにDWを同量使用して、反応性を比較検
討した。その結果を表7に示した。
かじめ添加することによって、β−グルカンの影響を受
けずに、Etを特異的に測定することができることがわ
かる。 実施例8:検体をライセート試薬に添加後、直ちにアプ
ロチニンを添加する例 「パイロテル」(L.polyphemusより抽出調
製されたライセート試薬の凍結乾燥品;ゲル化法リムル
ステスト試薬製品;ケープコッド社製造、生化学工業販
売)1バイアルをDW5.0mLで溶解し、その0.1
mLを氷冷下で試験管に分注し、検体として、DW(ブ
ランク)、Etまたはβ−グルカンを別々に0.05m
L添加し、次いで直ちにアプロチニン水溶液(110m
g/mL)0.05mLを添加し、静かに混和後、37
℃、60分間静置加温して、ゲル形成の有無を実施例5
と同様にして判定した。また、上記アプロチニン水溶液
の代わりにDWを同量使用して、反応性を比較検討し
た。その結果を表8に示した。
加後、直ちにアプロチニンを添加することによってβ−
グルカンの影響を受けずに、Etを特異的に測定するこ
とができることがわかる。 実施例9:セリンプロテアーゼを有する検体にアプロチ
ニンを添加する例 トリプシン(ウシ膵臓由来、マイルス社製造、生化学工
業販売)溶液(100μg/mL)またはDW0.01
mLにDWまたはEt溶液(400pg/mL)を0.
01mL添加後、アプロチニン水溶液(5.0mg/m
L)を0.08mL加え、混合した。それらにEt特異
的発色合成基質法リムルステスト試薬(エンドスペシ
ー、生化学工業販売)を0.1mL加え、実施例1−
1)と同様にして反応させ、トリプシン検体へのEtの
添加回収率を求めた。また、別にアプロチニン水溶液の
代わりにDW0.08mLを加えたものも調製し、同様
に測定した。それらの結果を表9に示した。
あらかじめアプロチニンを添加し、リムルステストで測
定すれば、トリプシン中のEtが正確に定量できること
がわかる。 実施例10:セリンプロテアーゼを有する検体の測定に
おいて、アプロチニンをライセート試薬に添加する例 トキシカラーシステムLS−200セット0.1mLに
アプロチニン水溶液(8mg/mL)を0.08mL加
え、混合した。これに別途、トロンビン(ウシ血清由
来、シグマ社販売)溶液(10単位/mL)またはDW
に等容量のEt溶液(400pg/mL)を混合した溶
液0.02mLを加え、実施例1−1)と同様にして反
応させ、トロンビン検体へのEtの添加回収率を求め
た。また、別にアプロチニン水溶液の代わりにDW0.
08mLを加えたものも調製し、同様に測定した。それ
らの結果を表10に示した。
試薬にアプロチニンを共存させ、トロンビン検体を測定
すれば、トロンビン中のEtが正確に定量できることが
わかる。 実施例11:セリンプロテアーゼを有する検体をリムル
ステスト前に前処理剤により処理する例 トリプシン(ブタ膵臓由来、シグマ社製)溶液(200
μg/mL)10mLを、0.1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0、0.15M NaCl含有)で平衡化し
たEt不含のアプロチニン固定化セルロファイン(調製
方法は後記)カラム(1.2×4.0cm)に添加し、
0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0、0.15M
NaCl含有)にて洗浄後、素通り画分を集めた。そ
の0.1mLまたはDW0.1mLにEt溶液(400
pg/mL)を0.01mL添加後、エンドスペシーを
0.1mL加え、実施例1−1)と同様にして反応さ
せ、素通り画分へのEtの添加回収率を求めた。また、
別に無処理のトリプシン溶液0.1mLにDWまたはE
t溶液を0.01mL添加し、エンドスペシーを0.1
mL加え、同様に測定した。それらの結果を表11に示
した。
プロチニン固定化不溶性担体にあらかじめ接触させてか
ら、リムルステストで測定すれば、トリプシン中のEt
が正確に定量できることがわかる。 〔アプロチニン固定化セルロファインの調製方法〕ホル
ミルセルロファイン10gを0.1Mリン酸−Na緩衝
液(pH7.1)で充分洗浄し、アプロチニン溶液(2
0mg/mL0.1Mリン酸−Na緩衝液、pH7.
1)20mLに懸濁し、NaCNBH3 50mgを加
え、溶解させる。ひきつづき室温で8時間ゆるやかに攪
拌し、0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)で洗
浄、濾過し、10mgのNaCNBH3 を含む5mLの
上記緩衝液を加え、室温で3時間振盪する。その後、
0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0、0.15M
NaCl含有)で充分洗浄する。
患者から採取した多血小板血漿を過塩素酸処理後中和
し、その0.1mLを使用した以外は、実施例2と同様
に本発明法で検体中のEtを測定すると共に検体の培養
を行ったところ大腸菌の検出とEtの反応性の定量化が
対応していることが確認された。
じて行ったところ、本発明の測定剤あるいは本発明の方
法が有効であることが確認された。
ト試薬とアプロチニンを組み合わせるのみで容易に製造
ができるという経済性に優れ、かつEtの存在の有無が
明確でない感染症、敗血症を疑われている臨床検体を測
定する時に特に有用であり、真のグラム陰性菌感染症
(エンドトキセミア)を的確に判別できる利点に加える
に、従来リムルステストを強く妨害するためセリンプロ
テアーゼを含む検体は、リムルス試験ができなかった
か、非常に煩雑な前処理が必要であったが、本発明はセ
リンプロテアーゼを含む種々の検体に対しても容易かつ
正確にEtを測定できるという利点がある。
種々のアプロチニン添加量について示したもので、実施
例1−2)の結果を示す。
体の測定に使用されるアプロチニン量は、ライセート試
薬として、G因子を含むものを使用する場合は、その中
のG因子を阻害するに必要なアプロチニンと上記セリン
プロテアーゼを阻害するための必要量の総和になる。
(F)法において、不溶性担体に固定化されるアプロチ
ニン量は、検体中に含まれるセリンプロテアーゼ量等に
より適宜決定され得るが、通常、該セリンプロテアーゼ
量に対しモル比で2〜100倍の範囲が挙げられる。ま
た、不溶性担体としては、Etが存在しないものであっ
て、活性を損なわずにアプロチニンを化学的に固定でき
るものであれば、特に制限はなく、具体的にはポリアミ
ド系、セルロース系、アガロース系、ポリアクリルアミ
ド系、デキストラン系、ビニルポリマー系(グリシジル
メタクリレートとの多孔性共重合体)等を挙げることが
できる。形態は特に限定されない。例えば、ビーズ状、
チップ状、チューブ状、平膜状等に成型したものが例示
される。このような不溶性担体としては、市販のアフィ
ニティークロマトグラフィー用担体を使用することがで
き、例えば、臭化シアン処理によって活性化されたアガ
ロースゲル担体(例、セファロース(Sepharose:ファル
マシア製)など)、活性基としてホルミル基、カルボキ
シル基等を有するセルロース担体(例、ホルミル−セル
ロファイン、カルボキシセルロファイン(いずれも生化
学工業株式会社販売)など)が挙げられる。アプロチニ
ンの固定化法としては、従来公知の方法が適用でき、例
えば、セルロースゲルにホルミル基を導入して、NaC
NBH3 の存在下アプロチニンと結合させる方法、ジア
ゾ化法、CNBr法、酸アジド法等を挙げることができ
る。
含有検体をアプロチニンを固定化した不溶性担体に接触
させ、その非吸着液を使用するので、その前処理工程で
Etに汚染されないように注意する必要がある。従って、
(C)〜(E)法の方が、Et汚染の危険も少なく、か
つ簡便・迅速といえる。(F)法を除く、(A)〜
(E)等のエンドトキシンを測定する方法においてアプ
ロチニンをライセート試薬および/または検体中に共存
させる方法としては、例えば、下記〜等が挙げられ
る。 ライセート試薬の抽出調製時にアプロチニンを添加
して調製したアプロチニン含有ライセート試薬を使用す
る方法。 抽出したライセート試薬にアプロチニンを添加した
アプロチニン含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品をアプロチニン含有溶
液で溶解したアプロチニン含有ライセート試薬を使用す
る方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品を適当な溶解液で溶解
した溶液にアプロチニンを添加して調製したアプロチニ
ン含有ライセート試薬を使用する方法。 アプロチニンを添加して抽出調製したライセート試
薬またはライセート試薬中に予め必要量のアプロチニン
を共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当な溶解液で溶解
したアプロチニン含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬と合成基質の凍結乾燥品をアプロチ
ニン含有溶液で溶解するかまたは適当な溶液で溶解して
調製した溶液に、アプロチニンを添加する方法。 ライセート試薬と合成基質の混合液中に予め必要量
のアプロチニンを共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当
な溶解液で溶解して用いる方法。 必要量のアプロチニンを検体に添加する方法。 検体試料をライセート試薬に添加後、直ちに該アプ
ロチニンを添加する方法。上記、、、において、凍結乾燥品を溶解するた
めの溶解液としては、ライセート試薬中のC因子系反応
に関与する成分を安定に保持し、かつ、C因子系反応の
進行に適したpH範囲(例えば、pH7.0〜8.5)
に保持できる適当な緩衝剤(例えば、トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタンマレエート、1,4−ピペラジンジエタン
スルホン酸、モルホリノプロパンスルホン酸、N−2−
ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンスルホ
ン酸、トリエタノールアミン、イミダゾールおよびトリ
ス(ヒドロキシメチル)イミダゾールなど)を含む上記
pH範囲の緩衝液または水が挙げられる。これらはエン
ドトキシンを含まないものであることは言うまでもな
い。また、上記、で使用するアプロチニン含有液は
上記溶解液に必要量のアプロチニンを添加したものが挙
げられる。
性の測定には、基質として、例えば前記の発色性残基を
有するペプチド合成基質、またはこれと類似の配列のペ
プチドであって、C末端のアミノ酸のカルボキシル基に
前記発色性残基の代わりに公知の発蛍光性残基、発光性
残基、アンモニアなどがアミド結合により置換したペプ
チド合成基質を使用することができる。クロッティング
エンザイムがこれらの合成基質に作用して生成する反応
生成物を測定することによって、アミダーゼ活性の測定
を行うことができる。具体的には、本発明の測定剤とエ
ンドトキシンを含む反応系に上記ペプチド合成基質を共
存させ、反応(カスケード反応および必要に応じて生成
物の他色素等への変換反応)によって生成する色素、蛍
光物質またはアンモニアをそれぞれ分光光度計、蛍光光
度計、化学発光測定装置、アンモニア検出用電極(特開
昭62−148860)等によって測定する方法を例示
することができる。
ケード反応系の活性化に有効な2価金属塩を共存させる
必要がある。このような2価金属塩としては、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類
金属のハロゲン化水素酸塩(塩化物)、硫酸塩等が例示
される。また、本発明の測定剤は、上記金属塩はリムル
ス反応時に独立して添加してもよいが、通常ライセート
試薬に上記2価金属塩を共存させた状態で、非加熱条件
下での乾燥処理(例えば、凍結乾燥)を行って固体状態
にしたものが望ましい。さらに、上記アミダーゼ活性を
測定するための測定剤は、2価金属塩のほかに前記ペプ
チド合成基質を共存させたものであることが好ましく、
これを乾燥処理したものであってもよい。こえらの成分
を適宜組み合わせたキットを作製することにより、より
簡便で迅速なエンドトキシン測定を行うことができる。
キット形態としては、例えばカブトガニ・アメボサイト
・ライセート(凍結乾燥品)とその溶解液、G因子の活
性化を阻害する有効量のアプロチニン(凍結乾燥品)と
その溶解液、標準エンドトキシン(凍結乾燥品)とその
溶解液およびブランク用蒸留水を含む発色合成基質法キ
ットなどを例示することが出来る。
は、基本的には特に制限はなく、Et定量の必要がある
ものあるいはその存否を確認する必要があるものであれ
ばよい。例えば、生体試料、医薬品、医療分野で使用す
る水等を挙げることができる。本発明は、特に、セリン
プロテアーゼを含む検体に有力であることは上記の通り
である。
アプロチニンを添加してリムルステスト試薬を調製し、
検体の測定に用いることによって、β−グルカンの影響
を受けずに、Etを特異的に測定することができること
がわかる。 (β−グルカンの調製法)PCT国際公開W090/0
2951に記載の方法に準じ、カードラン(和光純薬工
業(株)販売)の1gを約100mLの5mM NaO
H水溶液に懸濁し、氷冷下で音波発生機、ソニケーター
TM(大岳製作所、形式5202PZT、東京)により2
0KHZ、80Wで12分間音波処理による低分子化を
行った。処理液を5M NaOH水溶液を用い、最終
0.3M水溶液とし、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPCカラム:TSK gel G3000
PWXL2本、G2500PWXL 1本、移動相:0.3
M NaOH水溶液、流速0.5mL/min)により
分画採取し、再クロマトグラフィーにより分子量21
6,000画分を分画採取し、GPC分画精製標品(β
−グルカン標品)を得た。
患者から採取した多血小板血漿をUSP4,495,2
94記載の方法に準じて過塩素酸処理後中和し、その
0.1mLを使用した以外は、実施例2と同様に本発明
法で検体中のEtを測定すると共に、常法に従って検体
の培養を行ったところ大腸菌の検出とEtの反応性の定
量化が対応していることが確認された。
Claims (10)
- 【請求項1】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬にアプロチニンを共存させることを特徴とするエン
ドトキシン特異的測定剤。 - 【請求項2】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬が(1→3)−β−D−グルカンによって活性化さ
れるG因子を含有し、アプロチニンが該G因子の活性化
を阻害するための有効量共存する請求項1記載のエンド
トキシン特異的測定剤。 - 【請求項3】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬とアプロチニンを有効成分とする試薬とを構成試薬
として含有するエンドトキシン特異的測定キット。 - 【請求項4】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬を用いて検体中のエンドトキシンを測定するに際
し、カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬中およ
び/または検体中にアプロチニンを共存させることを特
徴とするエンドトキシンの測定法。 - 【請求項5】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬中に含まれ、(1→3)−β−D−グルカンによっ
て活性化されるG因子の活性化を阻害するために有効な
量のアプロチニンをカブトガニ・アメボサイト・ライセ
ート試薬および/または検体中に共存させる請求項4記
載のエンドトキシンの測定法。 - 【請求項6】 検体がセリンプロテアーゼを含有するも
のであり、カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬
および/または検体中に、検体中のセリンプロテアーゼ
を阻害するために有効な量のアプロチニンを共存させる
請求項4記載のエンドトキシンの測定法。 - 【請求項7】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
試薬を用いてセリンプロテアーゼを含有する検体中のエ
ンドトキシンを測定するに際し、検体をアプロチニンを
固定化した不溶性担体と予め接触させることを特徴とす
るエンドトキシンの測定法。 - 【請求項8】 アプロチニンを固定化した不溶性担体か
らなることを特徴とする、セリンプロテアーゼを含有す
る検体中のエンドトキシンをカブトガニ・アメボサイト
・ライセート試薬を用いて測定する際に使用する前処理
剤。 - 【請求項9】 (1→3)−β−D−グルカンによって
活性化されるG因子を含有するカブトガニ・アメボサイ
ト・ライセート試薬にアプロチニンを共存させることを
特徴とするG因子の活性化を阻害する方法。 - 【請求項10】 アプロチニンを有効成分として含有
し、カブトガニ・アメボサイト中のG因子の(1→3)
−β−D−グルカンによる活性化を阻害することを特徴
とするG因子活性化阻害剤。
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