JP3322700B2 - 固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤 - Google Patents
固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤Info
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Description
因子を不溶性担体に固定化した固定化エンドトキシン感
受性因子を含む固相系反応用エンドトキシン特異的測定
剤、該測定剤を含むキット、該測定剤を使用するエンド
トキシンの特異的測定法および該測定剤の製造法に関す
る。
変形細胞)の抽出物、すなわちカブトガニ・アメボサイ
ト・ライセート(以下単にライセートともいう)を用い
て、エンドトキシン(内毒素;以下Etということもあ
る)を測定する方法(一般的にこの測定法は「リムルス
テスト」と呼ばれ、この測定に関与するライセートの反
応は「リムルス反応」と呼ばれている)が従来から知ら
れており、検出感度が高いため、医薬品、水などの汚染
試験、臨床検査など多方面に汎用されている。この方法
は、微量のEtによりライセートが凝固することに基づい
ているが、その後の生化学的解明により、該反応はいく
つかの凝固因子の段階的活性化より成ることが明らかに
されている(中村隆範他、日本細菌学雑誌、38,781-803
(1983))。
chypleus tridentatus) から得られるライセートによ
り、図1を用いて説明すると、ライセートにEtが加わる
と、ライセート中に存在するC因子(Et感受性因子、分
子量123,000)が活性化され、生成した活性型C因子が
B因子(分子量 64,000)の特定箇所を限定水解して活
性型B因子を生成し、活性型B因子はプロクロッティン
グエンザイム(分子量 54,000)を活性化してクロッテ
ィングエンザイムに変換し、クロッティングエンザイム
はコアギュローゲン(凝固タンパク、分子量 19,723)
のジスルフィド結合で架橋されたループ内の特定箇所
を、すなわち…Arg18-Thr19 …の間および…Arg46-Gly
47…の間を限定水解して H-Thr19…Arg46-OHで表される
ペプチドC(アミノ酸28残基)を遊離しつつ残余の部分
がコアギュリンゲルに変換される、という一連の反応
(カスケード反応とも呼ばれる;以下、エンドトキシン
による活性化に起因するカスケード反応をC因子系反応
という)である。
よって起こるだけでなく、ライセートに(1→3)−β
−D−グルカン(以下β−グルカンということもある)
が加わると同様に生起する。すなわち、図1におけるG
因子が活性化され、生成する活性型G因子がプロクロッ
ティングエンザイムをクロッティングエンザイムに活性
化し、以下Etの場合と同様に反応してコアギュリンゲル
を生成する。
クロッティングエンザイムは、反応系に別に添加される
合成基質、例えばt−ブトキシカルボニル−ロイシル−
グリシル−アルギニン−パラニトロアニリド (Boc-Leu-
Gly-Arg-pNA)のアミド結合を水解してパラニトロアニリ
ンを遊離させるので、その生成した発色物質(パラニト
ロアニリン)の吸光度を測定することによりEtまたはβ
−グルカンの定量を行うことができる。
ート中のC因子系のみを用いることによりEtを特異的に
測定する方法が報告されている (Obayashi T. et al.,
Clin. Chim. Acta, 149, 55-65(1985))。しかし、この
方法は、ライセートをデキストラン硫酸を固定化したア
フィニティー担体を用いるクロマトグラフィーにより分
画し、β−グルカン感受性因子であるG因子を除去し
て、C因子、B因子およびプロクロッティングエンザイ
ムを再構成して、これとクロッティングエンザイムの合
成基質とでEtを特異的に測定する方法であって、極めて
煩雑な操作を必要とする方法である。また、Et感受性因
子であるC因子のみと活性型C因子の合成基質(例、B
oc−Val−Pro−Arg−pNA)とを用いてEt
を特異的に測定する方法も知られている(Nakamura T.
et al., Eur. J. Biochem., 154, 511-521(1986) )
が、いずれも煩雑な分離・精製操作を必要とする方法で
ある。
体あるいは一部を用いた液相系反応である。ところで、
試料には、種々のリムルステスト妨害物質が含まれてい
る場合が多く、リムルステストを行う際にはそれらを失
活あるいは除去する前処理が必要である。たとえば、重
金属や塩を高濃度に含む試料はリムルス反応を強く阻害
し、正しいEt量が求められない。この場合は、阻害がな
くなるまで蒸留水で希釈する必要があるが、リムルステ
ストの感度以下にまでは希釈できない欠点を有してい
る。また、試料を希釈しても濁っているものや着色して
いるものは測定できない場合が多く、また血液や乳汁で
は煩雑な前処理を施さなければならず、これらの試料中
のEtをリムルステストで測定するには多くの問題を残し
ている。
ロプレートのウェルに吸着固定化した例も知られている
が、これにはEt感受性因子だけでなくβ−グルカン感受
性因子も同時に吸着固定されるので、Etの特異的な測定
には使用できない(J. Clin.Microbiol., 17, 1050-105
3(1983)。また、濾紙にライセート、合成基質等を含有
させ、乾燥して試験具とした例も知られているが、ライ
セートに浸漬した後、洗浄操作を行っていないため、ラ
イセートの全ての成分が濾紙に含まれ、やはりEtの特異
的な測定には使用できない(特開昭62−13456
3)。
・アメボサイト由来のエンドトキシン感受性因子を不溶
性担体に固定化した固定化エンドトキシン感受性因子を
用いることによって、β−グルカンと反応せず、エンド
トキシンと特異的に反応する、エンドトキシンを定量的
または定性的に信頼性高く測定可能な固相系反応用エン
ドトキシン特異的測定剤、それを含むキット、該測定剤
を容易な手法で製造できる方法、および該測定剤を用い
る簡便・迅速なエンドトキシンの測定法を提供すること
を目的とする。
アメボサイト由来の少なくとも、エンドトキシンによる
カスケード反応を惹起するエンドトキシン感受性因子を
固定化した不溶性担体からなり、(1→3)−β−D−
グルカンに反応性を示さないことを特徴とするリムルス
反応を利用した固相系反応用エンドトキシン特異的測定
剤を提供するものである。そして、本発明は、前記測定
剤と活性型エンドトキシン感受性因子の合成基質または
クロッティングエンザイムの基質とを構成試薬として含
む固相系反応用エンドトキシン特異的測定キットを提供
する。
応用エンドトキシン特異的測定剤と接触させ、検体中の
エンドトキシンと該測定剤中の少なくともエンドトキシ
ン感受性因子とを反応させることにより、基質の変化を
測定することを特徴とするエンドトキシンの測定法、あ
るいは、検体溶液を該固相系反応用エンドトキシン特異
的測定剤と接触させ、次いで検体溶液を分離除去した
後、必要に応じて洗浄し、さらにカブトガニ・アメボサ
イト・ライセート単独または該ライセートおよびクロッ
ティングエンザイムの合成基質と接触させて、該ライセ
ートまたは合成基質の変化を測定することを特徴とする
エンドトキシンの測定法を提供するものである。
ト由来の少なくとも、エンドトキシンによるカスケード
反応を惹起するエンドトキシン感受性因子を、不溶性担
体に物理的または化学的に固定化することを特徴とする
リムルス反応を利用した固相系反応用エンドトキシン特
異的測定剤の製造法を提供するものである。本発明の第
1の製造法は、カブトガニ・アメボサイト・ライセート
またはそれを含む液体を、エンドトキシンによるカスケ
ード反応を惹起するエンドトキシン感受性因子を特異的
に吸着し、(1→3)−β−D−グルカン感受性因子を
吸着しない不溶性担体に接触させ、少なくとも該エンド
トキシン感受性因子を物理的に吸着固定化し、(1→
3)−β−D−グルカン感受性因子を実質的に含まず、
エンドトキシンと特異的に反応する不溶性担体を得るこ
とを特徴とするリムルス反応を利用した固相系反応用エ
ンドトキシン特異的測定剤の製造法である。
メボサイト・ライセートを(1→3)−β−D−グルカ
ン感受性因子除去処理に付すことによって得られた、
(1→3)−β−D−グルカン感受性因子を実質的に含
まず、エンドトキシンによるカスケード反応を惹起する
エンドトキシン感受性因子を含むカブトガニ・アメボサ
イト・ライセート処理物を用い、少なくとも該エンドト
キシン感受性因子を、不溶性担体に物理的または化学的
に固定化することを特徴とするリムルス反応を利用した
固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤の製造法であ
る。
3)−β−D−グルカン感受性因子活性化阻害剤をカブ
トガニ・アメボサイト・ライセートに添加した後、少な
くとも、エンドトキシンによるカスケード反応を惹起す
るエンドトキシン感受性因子を、不溶性担体に物理的ま
たは化学的に固定化することを特徴とするリムルス反応
を利用した固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤の
製造法を提供する。以下本発明を、より詳細に説明す
る。
感受性因子が固定化され、かつ特異的にEtと反応し、更
に、図1におけるG因子(以下、β−グルカン感受性因
子をG因子ということもある)とβ−グルカンとの反応
が生起し得ないよう調製されたものであるから、適当な
基質の変化からEtが定量できるのである。従って、該G
因子は、その活性化がG因子活性化阻害剤等(PCT国
際公開WO90/02951に記載のポリグリコシド、
あるいは特開平4−102064に記載の抗体など)に
より抑制されるならば、本発明のEt測定剤に含まれても
かまわない(前述の第3の製造法参照)。
くともEt感受性因子(日本産カブトガニではC因子;以
下Et感受性因子をC因子ということもある)が不溶性担
体に固定化された状態で含まれることが必要であり、図
1のエンドトキシンによるC因子の活性化を引き金とす
るカスケード反応のC因子以外の成分(B因子、プロク
ロッティングエンザイム、コアギュローゲン)のうちの
任意の1種以上の成分を含んでいてもよい。
ともEt感受性因子を物理的に固定化するのか、あるいは
化学的に固定化するかなどの固定化法の相違、Etの測定
法の相違、本測定剤の構成の相違等によって適宜選択さ
れ得る。本発明において、「固定化」とは、例えば、Et
感受性因子を例に取れば、Et感受性因子が不溶性担体に
物理的または化学的に結合し、Etと反応する活性が実質
的に低下せず、Etを測定する際の反応液に実質的に溶解
しない状態となることをいう。
定化法として公知の方法〔「固定化酵素」、107頁、
1975年、(株)講談社発行;「応用酵素学」、28
〜31頁、1980年、(株)講談社発行〕を用いてEt
感受性因子等を不溶性の担体に物理的または化学的に結
合することによって行うことができる。ここで、物理的
な結合とは、不溶性担体とEt感受性因子等を、一定時間
インキュベートすることによって生起する結合をいう。
この方法は、上記文献では「物理吸着法」または「イオ
ン結合法」と称されている。また、化学的な結合とは、
化学的架橋試薬を使用するか、担体またはEt感受性因子
等の官能基を化学的に活性化し、両者を不可逆的に結合
することをいう。この方法は、上記文献では「共有結合
法」と称されている。
固定化させる方法は、担体の種類によって異なる。担体
には、ライセートをそのまま単に担体と接触させるだ
けで少なくともEt感受性因子が特異的に担体に物理的に
固定化され、β−グルカン感受性因子は吸着されないも
の(第1の製造法)、ライセートをβ−グルカン感受
性因子除去処理に付し、β−グルカン感受性因子(G因
子)を実質的に含まないライセート処理物を調製し、こ
れと担体を接触させることによって少なくともEt感受性
因子が担体に物理的に固定化されるもの、または該ライ
セート処理物を使用し、化学的な固定化法(共有結合
法)を施すことによって少なくともEt感受性因子が担体
に化学的に固定化されるもの(第2の製造法)、 β−
グルカン感受性因子活性化阻害剤を含むライセートを使
用して、担体に少なくともエンドトキシン感受性因子が
物理的または化学的に固定化されるもの(第3の製造
法)等がある。第2及び第3の製造法におけるEt感受性
因子の固定化は、上記と同様の物理的または化学的方法
によって行うことができる。
ポリアミド系不溶性担体(酸アミド結合の繰り返しによ
って主鎖を構成する結晶性の線状高分子物質で、ジアミ
ンとジカルボン酸との重縮合物ないしは、ω−アミノカ
ルボン酸または相当するラクタムから重縮合によって合
成された化合物(例えばナイロン6、ナイロン66等))
およびセルロース系不溶性担体(セルロース、セルロー
スエステル(例、酢酸セルロース、硝酸セルロース
等)、アミノエチル−、ブロモアセチル−、ホスホ−、
カルボキシメチル−等の置換基を有するセルロース誘導
体、カルボキシメチルセルロースのヒドラジド誘導体
等)を挙げることができる。このような担体へのEt感受
性因子等の吸着固定化操作は、ライセートまたはそれを
含む液体(ライセートに、必要に応じてデキストラン、
2価金属塩、各種緩衝剤を添加したもの等)と上記担体
とを、Et感受性因子等が担体に吸着固定化されるに十分
な条件下(例えば、0〜40℃、数秒〜数日)で接触さ
せればよい。両者の接触方法は、公知の固液接触手段に
よればよく、例えば、フィルター状の担体にライセート
を通液させる方法;粒状の担体を充填したカラムにライ
セートを通液させる方法;マイクロプレート状の担体の
ウェルにライセートを入れ、一定時間静置した後、ライ
セートを除去する方法;任意の形状の担体をライセート
に添加し、一定時間振盪するか、静置し、通常の固液分
離手段(濾過、遠心分離、吸引、デカンテーション等)
によってライセートを除去する方法等を一例に挙げるこ
とができる。なお、この場合、ライセートを接触させる
際にライセート中にデキストランを添加しておくと、Et
感受性因子の吸着効果が高まる。デキストランとしては
平均分子量5,000〜5,000,000、好ましくは10,000〜100,
000の範囲を挙げることができる。第2または第3の方
法による場合は、単に接触させるだけでよい担体として
は、ポリアミド系、セルロース系、ポリスチレン系、ポ
リプロピレン系およびシリカ系の不溶性担体を挙げるこ
とができ、化学的な固定化方法を用いる担体としては、
ポリアミド系、セルロース系、アガロース系、ポリアク
リルアミド系、デキストラン系、ビニルポリマー系(グ
リシジルメタクリレートとエチレングリコールジメタク
リレートとの多孔性共重合体)の不溶性担体を挙げるこ
とができる。化学的な固定化法としては、担体の芳香族
アミノ基を利用してジアゾカップリングさせるジアゾ化
法、担体の水酸基をCNBrで活性化してペプチド結合
させるCNBr法、担体のヒドラジン誘導体等を用いて
ペプチド結合させる酸アジド法、ハロゲン等の反応性に
富む担体の官能基を利用して蛋白質をアルキル化するア
ルキル化法、グルタルアルデヒドのような遊離のアミノ
基と反応する架橋試薬によって担体と蛋白質の遊離のア
ミノ基の間を架橋する方法等の公知の固定化法から担体
の種類に応じて適宜に選択して本発明によるEt感受性因
子等の固定化に利用することができる。例えば、セルロ
ースゲル担体にホルミル基を導入したホルミル−セルロ
ファインや2−フルオロ−1−メチルピリジニウムトル
エン−4−スルホン酸(FMP)を導入したFMP活性
化セルロファイン(共に生化学工業(株)販売)の該ホ
ルミル基とEt感受性因子等のアミノ基とを結合させた
り、FMPとEt感受性因子等のアミノ基あるいはチオー
ル基と置換反応に供し、2級アミンあるいはチオエーテ
ル結合を形成することができる。
感受性因子等が吸着固定化された担体を製造する際に不
溶性担体とライセートもしくはその処理物との接触方法
も基本的には上記の第1の製造法の場合と同様である。
なお、ポリアミド系、セルロース系の不溶性担体のよう
なEt感受性因子が特異的に吸着固定化される担体を使用
する場合であっても、上記ライセート処理物を用いて化
学的な固定化方法で担体に固定化してもよい。
は、膜状(フィルター形、中空糸形、チューブ形、平膜
形等)、粒状、ラテックス、チップ状、粉末形、マイク
ロプレート状等の形態を有するものを挙げることができ
る。本発明の測定剤の必須固定化成分であるEt感受性因
子はカブトガニ・アメボサイトから得られる、Etと特異
的に反応する因子で、通常C因子と称され、カブトガニ
・アメボサイト・ライセートから製造される。該ライセ
ートとしては、リムルス・ポリフェムス(Limulus poly
phemus)、タキプレウス・トリデンタツス(Tachypleus
tridentatus)、タキプレウス・ギガス(Tachypleus g
igas)、カルシノスコルピウス・ロツンディカウダ(Ca
rcinoscorpius rotundicauda)等のカブトガニ血リンパ
液から、通常の方法(例えば、J. Biochem., 80, 1011-
1021(1976)参照)により調製した血球抽出物を挙げるこ
とができる。また、本発明の第2の製造法において、該
ライセートからβ−グルカン感受性因子(G因子)を実
質的に含まないライセート処理物を調製する際のライセ
ートの処理法は公知の方法から適宜に選択して利用する
ことができる。例えば、ゲル濾過、ヘパリンもしくはデ
キストラン硫酸を固定化したアフィニティー担体を用い
るクロマトグラフィー、スルホプロピル基を有するイオ
ン交換樹脂等により分画し、ライセートからG因子を実
質的に含まないライセート処理物を得ることができる
(特公平3-23869、Nakamura T. et al., Eur. J. Bioch
em., 154, 511-521(1986)、Clin. Chim. Acta,149,
55-65(1985)、特開平3-75565)。本発明によりEtを測定
する試料は、基本的には特に制限はなくEtの定量あるい
はその存否を測定あるいは確認する要請があるものであ
ればよい。例えば、生体試料、医薬品、医療分野で使用
する水等を挙げることができる。特に、乳汁、尿、その
他着色物等の濁り、色素等を有する検体であっても特別
な前処理なしにそのまま測定に供することができるとい
う利点を有する。
は、Etとの反応によるC因子の変化、またはC因子のEt
による活性化を引き金とするC因子系の変化を、酵素反
応による基質の変化として測定できる。このような基質
としては、特に制限はないが、下記のペプチド合成基質
または天然基質であるコアギュローゲンが挙げられる。
子の活性型C因子への変換をいい、C因子系の変化とは
上記C因子の活性化とそれに続くB因子およびプロクロ
ティングエンザイムの連鎖的活性化(カスケード反応)
による反応系の変化をいう。従って、その測定とは、カ
スケード反応における活性型の各因子の任意のものの酵
素活性の定量的または定性的な測定を意味する。
は、従来公知の方法が適用でき、ペプチド合成基質とし
ては、例えば、ペプチドのC末端のアルギニンのカルボ
キシル基に公知の発色性残基、発蛍光性残基、発光性残
基あるいはアンモニアなどがアミド結合により置換した
ペプチド合成基質を使用することができる。具体的に
は、例えば、USP4188264、特公昭61−54
400、特公昭63−26871、特公平3−1176
0、特公昭59−19532、特公平3−66319、
特公平4−40340、WO82/02382、特開昭
58−77850、特開昭62−289767、特開平
3−220456、WO79/00602、EP−A−
0000063、EP−A−0018112等に記載さ
れたペプチド合成基質が挙げられる。代表的なペプチド
合成基質としては、活性型C因子の基質であるBoc-Val-
Pro-Arg-pNA 、Boc-Leu-Gly-Arg-pNA 等およびクロッテ
ィングエンザイムの基質で(も)あるBoc-Leu-Gly-Arg-
pNA 等が例示される。活性型C因子またはクロッティン
グエンザイム等の上記他の因子がこれらの合成基質に作
用して生成する反応生成物を測定することによって、そ
のアミダーゼ活性の測定を行うことができる。具体的に
は、合成基質として(A)活性型C因子に対するペプチ
ド合成基質を使用する方法、または(B)クロッティン
グエンザイムに対するペプチド合成基質を使用する方法
が例示される。より具体的には、例えば、上記(A)の
場合、(A−1)Etを含む測定試料と本発明の測定剤を
接触させて固相上でC因子を活性化し、測定試料を共存
させたまま、もしくは分離した後、活性化されたC因子
と基質とを接触させる方法、(A−2)測定試料と本発
明の測定剤と基質を同時に接触させ、C因子の活性化と
活性型C因子による基質の分解反応を同時に行う方法等
を採用することができる。また、上記(B)の場合、前
記カスケード反応によってプロクロッティングエンザイ
ムを活性化する必要があるので、測定に際して固定化さ
れたC因子以外にB因子およびプロクロッティングエン
ザイムを存在させる必要がある。これら他の因子は分画
されたものであってもよいが、G因子を除去するか、あ
るいはG因子の活性化が実質的に阻害されたライセート
をこれら因子の供給源として使用してもよい。さらに、
EtによるC因子の活性化後、測定試料を不溶性担体から
分離し、担体上の活性化されたC因子と上記他の因子を
接触させる場合には、G因子を含む通常のライセートを
上記他の因子の供給源として使用することも可能であ
る。従って、上記(B)の場合、具体的には、例えば、
(B−1)Etを含む測定試料と本発明の測定剤を接触さ
せて固相上でC因子を活性化し、測定試料を共存させた
ままの状態で、分画された上記他の因子もしくはG因子
の活性化が阻害された状態のライセートと基質とを活性
化されたC因子に接触させる方法、(B−2)測定試料
と本発明の測定剤を接触させて固相上でC因子を活性化
し、測定試料を分離した後、活性化されたC因子とライ
セートを接触させる方法、(B−3)測定試料と本発明
の測定剤と分画された上記他の因子もしくはG因子の活
性化が阻害された状態のライセートと基質を同時に接触
させ、カスケード反応によるプロクロッティングエンザ
イムの活性化とクロッティングエンザイムによる基質の
分解反応を同時に行う方法等を採用することができる。
等の活性化された因子による合成基質の分解反応(さら
に、必要に応じて分解反応生成物の他色素等への変換反
応)によって生成する色素、蛍光物質、発光物質または
アンモニアをそれぞれ分光光度計、蛍光光度計、化学発
光測定装置、アンモニア検出用電極(特開昭62-148860
、特開平3-75565 )等によって測定し、必要に応じて
その測定値をEt標準物質を用いて測定した結果と比較す
ることによってEtを定量もしくは検出することができ
る。
方法による場合、C因子が固定化された不溶性担体に合
成基質、必要に応じて上記他の因子を吸着させた系によ
る反応、いわゆるドライケミストリー方式によるEtの特
異的測定剤とすることができる。すなわち、少なくとも
Et感受性因子が固定化され、(1→3)−β−D−グル
カンと反応しない不溶性担体をドライケミストリー方式
の構成要素とすることができる。ドライケミストリー方
式は、文献に公知であり、例えば、〔化学と生物, 25
(6), 379-386(1987); Clin. Chem., 24, 1343(1978);
特開昭62−134563〕等に記載されている。この
ような文献には、本発明の不溶性担体に対応すると考え
られる試薬層のほかに、展開層、反射層、半透層、指示
層などの層および透明支持体を含む分析エレメントを開
示している。そして、例えば、展開層は展開層上に点着
された血液から血球成分を残し、試薬層に血漿成分のみ
を浸透させる機能を有し、反射層は酸化チタンが混入さ
れ試薬層の発色反応等の反応結果を反射測光するための
反射板の役割も兼ねるものであることが記載されてい
る。また、基質として、上記クロッティングエンザイム
の合成基質の代わりにコアギュローゲンを使用してもよ
い。この場合、C因子系の変化の測定は、酵素反応によ
るゲル形成の有無を肉眼的に判定するか、光学的に検知
すればよい。〔Stanley W. Watson ら編集、「Endotoxi
ns And Their Detection With The LimulusAmebocyte L
ysate Test 」, pp.161-171, 1982年, Alan R. Liss, I
NC. ;Chem.Pharm. Bull., 36(8), 3012-3019(1988); J.
Parenteral Sci. Technol., 40(6), 284-286(1988)
〕。
際に、反応系にC因子の活性化に有効な2価金属塩を共
存させる必要がある。この共存形態としては、測定時に
基質溶液または測定試料等に添加しても、予め不溶性担
体に吸着させておいてもかまわない。このような2価金
属塩としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化水素酸塩(塩
化物など)、硫酸塩等が例示される。
活性が損なわれることなく、ライセート中のEt感受性因
子が物理的または化学的に固定化され、該担体によりEt
に特異的に反応する固相系でのEt測定剤が得られる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1 カブトガニ (T. tridentatus) 血リンパ液2.7Lを4℃、
1,500rpmで10分間遠心し、その沈殿部分(アメボサイ
ト)60gを20gずつに分割し、各々に200mLの0.02Mトリス
ー塩酸緩衝液 (pH8.0) を加え、ホモゲナイザー(ポリ
トロンR PT10(商品名)、Kinematica社製造)にて均一
に破砕および抽出し、10,000×Gで30分間冷却遠心し、
上澄液(ライセート)550mLを得た。このライセート2mL
を孔径0.20μmのポリアミド系膜であるナイロン膜フィ
ルター(ナルゲンシリンジフィルター(商品名)、直径
25mm、ナルジェ社製)に室温で5秒間かけて通過させた
後、0.02Mトリスー塩酸緩衝液 (pH8.0) を50mL通過させ
てよく洗浄し、ナイロン膜にEt感受性因子を吸着させた
(以下Et感受性因子吸着ナイロン膜という)。
し、各々ほぼ3mm角に細断して、4本の試験管に入れ、
その試験管3本に蒸留水(以下DW)、大腸菌 (Escheric
hia coli)Olll:B4 由来Et(シグマ社販売のWestphal t
ype)または下記調製法により調製したβ−グルカンを
それぞれ0.1mL加え、残り1本の試験管にはそれぞれ2
倍濃度のEtとβ−グルカンを0.05mLずつ添加した。この
すべての試験管に0.04M塩化マグネシウム含有0.3Mトリ
スー塩酸緩衝液 (pH8.0)0.1mLと2.2mM t-ブトキシカル
ボニル−バリル−プロリル−アルギニン−パラニトロア
ニリド (以下Boc-Val-Pro-Arg-pNA)0.1mLを添加し、37
℃、30分間加温して反応させた。加温中、5分ごとに試
験管ミキサーにて10秒間攪拌した。30分後に1.2M酢酸0.
3mLを加えて反応を停止させ、遊離したパラニトロアニ
リンの吸収を405nmの吸光度を測定して、本発明の測定
剤の反応性を検討した。
ライセートをポリアミド系膜であるナイロン膜フィルタ
ーを通過させて調製したEt感受性因子吸着担体を使用す
れば、β−グルカンの影響を受けずに、Etを特異的に測
定することができることがわかる。言い換えれば、本発
明の不溶性担体を含む測定剤には、G因子が実質的に含
まれないことを証明している。
ラン(和光純薬工業(株)販売)の1gを約100mLの5mM
NaOH水溶液に懸濁し、氷冷下で音波発生機、ソニケー
ターTM(大岳製作所、型式5202PZT、東京)により20K
HZ、80Wで12分間音波処理による低分子化を行った。処
理液を5M NaOH水溶液を用い、最終0.3M水溶液とし、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPCカラム:T
SK gel G3000PWXL 2本、G250OPWXL 1本、移動相:0.3
M NaOH水溶液、流速0.5mL/min)により分画採取し、再
クロマトグラフィーにより分子量216,000画分を分画採
取し、GPC分画精製標品(β−グルカン標品)を得た。
1,500rpmで10分間遠心し、その沈殿部分(アメボサイ
ト)19gに190mLの0.02Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)を加
え、ホモゲナイザー(ポリトロンR PT10)にて均一に
破砕および抽出し、10,000×Gで30分間冷却遠心し、上
澄液(ライセート)170mLを得た。
量40,000)水溶液を等容量加えて混合し(以下LD混
液)、以下の方法で3種のEt感受性因子吸着膜を調製し
た。このLD混液8mLを孔径0.22μmのセルロースエステル
膜フィルター(ステリフィルD-GS(商品名)、酢酸セル
ロースと硝酸セルロースとの混合物、直径47mm、ミリポ
ア社製)に室温で10秒間かけて通過させた後、0.02M
トリスー塩酸緩衝液(pH8.0) を50mL通過させてよく洗浄
し、セルロースエステル膜にEt感受性因子を吸着させた
(以下A剤という)。孔径0.20μmのセルロースアセテ
ート膜フィルター(ナルゲンフィルターウェア(商品
名)、直径47mm、ナルジェ社製)および孔径0.20μmの
セルロースニトレート膜フィルター(ナルゲンフィルタ
ーウェア(商品名)、直径47mm、ナルジェ社製)につい
ても同様にLD混液8mLをそれぞれ通過させ、緩衝液で
洗浄して、それぞれの膜にEt感受性因子を吸着させた
(以下B剤、C剤という)。
4本の試験管に入れ、その試験管各3本にDW、E. coli
Olll:B4由来Etまたはβ-グルカンを0.1mL加え、残り各
1本の試験管にはそれぞれ2倍濃度のEtとβ-グルカン
を0.05mLずつ添加した。このすべての試験管に0.08M塩
化マグネシウム含有0.3Mトリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)0.
1mLと1.2mM Boc-Val-Pro-Arg-pNA 0.1mLを添加し、37
℃、30分間振盪しながら加温した。30分後に生じたパラ
ニトロアニリンに0.04%亜硝酸ナトリウム(0.48M塩酸溶
液)、0.3%スルファミン酸アンモニウム、0.07% N-1-
ナフチルエチレンジアミンニ塩酸塩を各々0.5mL順次添
加してジアゾカップリングし、その発色液を取り出し、
545nmの吸光度を測定して本発明の測定剤の反応性を検
討した。
ライセートをセルロース系膜であるセルロースエステル
膜、セルロースアセテート膜、セルロースニトレート膜
にそれぞれ通過させて調製したEt感受性因子吸着担体を
使用すれば、G因子が除去され、β−グルカンの影響を
受けずに、Etを特異的に測定することができることがわ
かる。
に準じ、実施例1で調製したライセート400mLをデキス
トラン硫酸固定化セファロースCL-6Bカラム(5×23c
m、0.05M NaCl含有0.02Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)で
平衡化)に添加し、0.2M NaCl含有0.02Mトリスー塩酸緩
衝液 (pH8.0)2Lで溶出(G因子が溶出される)後、0.4
5M NaCl含有0.02Mトリスー塩酸緩衝液 (pH8.0) にて溶
出される画分、すなわち図1に示すBおよびC因子を含
むBC画分(G因子を実質的に含まない)を得た。その
40mLを10mLに減圧濃縮後、C,B両因子の活性化を防ぐ
ために0.23gのEDTA-4Naを添加した。
プレート(トキシペットプレート96F、生化学工業
(株)販売)の各ウェルに加え、4℃で3時間静置した
後、液を吸い取り、DWを0.3mL加え吸い取った。このDW
洗浄操作をさらに2回繰り返し、Et感受性因子吸着マイ
クロプレートを得た。
・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)由来Et(シ
グマ社販売のWestphal type)またはβ-グルカンを0.05
mL加え、また、他のウェルにそれぞれ2倍濃度のEtとβ
-グルカンを0.025mLずつ加えた。さらに、これらすべて
のウェルに0.03M硫酸マグネシウム含有0.4Mトリスー塩
酸緩衝液(pH8.0)0.025mLと2.0mM t−ブトキシカルボニ
ル−ロイシル−グリシル−アルギニン−パラニトロアニ
リド(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA)0.025mLを添加し、振盪して
混合し、ふたをしてドライ式マイクロプレート恒温槽に
セットして、37℃、30分間加温した。生じたパラニトロ
アニリンを0.04%亜硝酸ナトリウム(1.0M塩酸溶液)、
0.3%スルファミン酸アンモニウム、0.07%N−1−ナ
フチルエチレンジアミン二塩酸塩(14% N−1−メチル
−2−ピロリドン溶液)を各々0.05mL順次添加してジア
ゾカップリングし、マイクロプレートリーダーにより54
5nm(対照波長:630nm)で吸光度を測定して本発明の測
定剤の反応性を検討した。その結果を表3に示した。こ
の結果から、G因子を実質的に含まないEt感受性因子含
有画分をポリスチレンに単に接触させて調製したEt感受
性因子吸着担体を使用すれば、β-グルカンの影響を受
けずに、Etを特異的に測定することができることがわか
る。
因子含有画分(BC画分)10mL をビニルポリマー系粒状
担体であるTSKgelAFーホルミルトヨパール650(商品名、
東ソー(株)販売)10gに加え、4 ℃で一夜攪拌しなが
ら反応させ、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
1)で十分に洗浄し、ビニルポリマー粒子にEt感受性因
子を固定化させた(以下Et感受性因子固定化ビニルポリ
マー粒子という)。
05gを各々4本の試験管に入れ、その試験管3本にDW、
セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens) 由来Et
(シグマ社販売のWestphal type)またはβ−グルカン
を0.1mL加え、残りの1本の試験管にはそれぞれ2倍濃
度のEtとβ−グルカンを0.05mLずつ添加した。このすべ
ての試験管に0.002M塩化カルシウム含有0.3Mトリスー塩
酸緩衝液(pH8.0)0.1mLと1.2 mM Boc-Leu- Gly-Arg-pNA
0.1mLを添加し、37℃、30 分間振盪しながら加温した。3
0分後に生じたパラニトロアニリンを実施例1と同様に
してジアゾカップリングし、その発色液を取り出し、54
5nmの吸光度を測定して本発明の測定剤の反応性を検討
した。
Et感受性因子をビニルポリマーに固定化した担体を使用
すれば、β−グルカンの影響を受けずにEtを特異的に測
定することができることがわかる。
イクロプレートの各ウェルにDW、E.coli 0111:B4由来E
t、無菌的に採取した健常人の乳汁、またはその乳汁に
その1/10容量(濃度は10倍)のEt、もしくは1/20容量ず
つのEtとβ−グルカン(濃度はともに20倍)を添加した
検体を0.05mL加えた。さらにこれらすべてのウェルに0.
01M塩化マグネシウム含有0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0) を0.05mL加え、振盪して混合後、ふたをしてドライ
式マイクロプレート恒温槽にセットし、37℃で30分間加
温してEt感受性因子を活性化させた。その後、液を吸い
取り、DWを0.3mL加え、吸い取った。このDW洗浄をあと
2回繰り返した後、0.4mM Boc-Val-Pro-Arg-pNA 含有0.
05M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)0.1mLを加え、37℃、10
分間加温した。生じたパラニトロアニリンを実施例3と
同様にしてジアゾカップリングし、マイクロプレートリ
ーダーにより545nm (対照波長:630nm)で吸光度を測
定して本発明の測定剤の反応性を検討した。
来の液相系の反応では直接測定することができなかった
白濁した検体である乳汁中のEtが、本発明のEt感受性因
子吸着担体を用いれば、β−グルカンの影響も受けるこ
ともなく、簡単に特異的に測定できることがわかる。
なったウシの乳汁についても同様に該測定剤でEtを測定
したところ、明らかな高値を示した。従って、該測定剤
でEtを測定することにより、グラム陰性菌感染の診断が
できる。 実施例6 実施例3で調製したEt感受性因子吸着ポリスチレン製マ
イクロプレートの各ウェルにDW、E.coli 0111:B4由来の
Etまたはβ−グルカンを0.05mL加え、また、他のウェル
にはそれぞれ2倍濃度のEt、β−グルカンを0.025 mLず
つ加えた。これらの全てのウェルに0.01M 塩化マグネシ
ウム含有0.2Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.0) を0.05mL加え
た。ひきつづき、37℃で30分間加温してEt感受性因子を
活性化させた。その後、液を吸い取り、DWを0.3 mL加
え、吸い取った。このDW洗浄をあと2回繰り返した後、
リムルス・アメボサイト・ライセート(LAL) ゲル化法試
薬(パイロテル、ケープコッド社製造、生化学工業
(株)販売)0.2 mLを加え、37℃で30分間加温した。濁
度上昇を660nm で測定し、本発明の測定剤の反応性を検
討した。その結果を表6に示した。この結果から、Et感
受性因子吸着担体とLAL を使用すれば、β−グルカンの
影響を受けずにEtをLAL のゲル形成(濁度増加)により
容易にかつ特異的に測定できることがわかる。
イクロプレートの各ウェルにDW、サルモネラ・アボルタ
ス・イクイ(S.abortus equi)由来Et(Novo-Pyrexal en
dotoxin standard NP1, Pyroquant Diagnostik GmbH 販
売, Walldolf)、リボフラビン溶液(1mg/mL ) 、また
はそのリボフラビン溶液にその1/10容量(濃度は10倍)
のEt、もしくは1/20容量ずつのEt(濃度は20倍量)とβ
−グルカンを添加した検体を0.05mLずつを加えた。さら
にこれらすべてのウェルに0.01M塩化マグネシウム含有
0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0) を0.05mL加え振盪して
混合後、ふたをしてドライ式マイクロプレート恒温槽に
セットして、37℃で30分間加温してEt感受性因子を活性
化させた。その後、液を吸い取り、DWを0.3mL加え、吸
い取った。この洗浄操作を2回繰り返した後、リムルス
・アメボサイト・ライセート(LAL) に発色合成基質(Boc
-Leu-Gly-Arg-pNA) を加えて調製された発色合成基質法
LAL試薬(トキシカラー、生化学工業(株)製造販
売)0.2 mLを加え、恒温槽付きマイクロプレートリーダ
ー(ウェルリーダーSK601、生化学工業(株)販
売)にセットし、37℃で30分間反応させた。経時的に生
じるパラニトロアニリンの吸光度を405nm(対照波
長:492nm)で連続的に測定して(カイネティック
アッセイ)、本発明の測定剤の反応性を検討した。
来の液相系の発色合成基質法LAL反応では直接測定す
ることができなかったリボフラビンのような黄色検体中
のEtが、本発明のEt感受性因子吸着担体を用いれば、β
−グルカンの影響も受けることもなく、簡単にしかも高
感度で測定できることがわかる。
枚、シャーレの中に並べた。それらの膜の中央に0.01M
塩化マグネシウムと0.8mM Boc-Val-Pro-Arg-pNAとを含
む0.2Mトリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)0.05mLとDW、E.coli
0111:B4由来Etまたはβ−グルカンを含む試料0.05mLを
滴下し、シャーレのフタをした後、ふ卵器のなかで37
℃、60分間反応させ、着色(黄色)の有無を肉眼で判定
した。
Et感受性因子を膜状物質に吸着した担体を使用すれば、
Etを簡便かつ迅速にしかもβ−グルカンの影響を受けず
に検出できることがわかる。
載の方法に準じてカードランより調製したβ−グルカン
感受性因子活性化阻害剤(分子量 5,800)を添加
後、トキペツトプレート96Fの各ウェルに加え、実施
例3と同様にEt感受性因子を吸着させた。
測定したところ、β−グルカンの影響を受けずにEtを特
異的に測定することができた。次に本発明のキットの実
施例を示す。 実施例10 本実施例のキットは次の1〜3の要素からなる。
リーの0.02M トリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)浸漬、25枚)
1バイアル 2.発色合成基質 (Boc-Val-Pro-Arg-pNA・酢酸塩、4.1
mg 、Etフリー) 1 バイアル 3.緩衝液(0.02M 塩化マグネシウム含有0.15M トリス
ー塩酸緩衝液 (pH8.0)、5.5mL 、Etフリー) 1 バイアル 使用に際しては、Et感受性因子吸着ナイロン膜片1 枚に
試料0.1 mLを加え、それに発色合成基質1 バイアルを緩
衝液1 バイアルの全量(5.5mL) を加えて溶解した発色合
成基質混合液0.2 mLを加え、37℃で反応させる。
レート(Etフリーの0.02M トリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)
浸漬) 1枚 2.発色合成基質 (Boc-Leu-Gly-Arg-pNA・塩酸塩、3.0
mg 、Etフリー) 1 バイアル 3.緩衝液(0.015M 硫酸マグネシウム含有0.2Mトリスー
塩酸緩衝液 (pH8.0)、5.0mL 、Etフリー) 1 バイアル 使用に際しては、マイクロプレートの各ウェルに試料0.
05 mL を加え、それに発色合成基質1バイアルを緩衝液
1バイアルの全量(5.0mL)を加えて溶解した発色合
成基質混合液0.05mLを加え、37℃で反応させる。
レート(Etフリーの0.02M トリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)
浸漬) 1枚 2.緩衝液A(0.01M塩化マグネシウム含有0.2Mトリスー
塩酸緩衝液 (pH8.0)、5.0mL 、Etフリー) 1 バイアル 3.蒸留水(100mL、Etフリー)1バイアル 4.発色合成基質 (Boc-Val-Pro-Arg-pNA・酢酸塩、2.7
mg 、Etフリー) 1 バイアル 5.緩衝液B(0.05Mトリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)、10 m
L 、Etフリー) 1 バイアル 使用に際しては、マイクロプレートの各ウェルに試料0.
05 mL を加え、緩衝液AをO.O5mL加えて、37℃で活性化
させた後、液を吸い取り、蒸留水で洗浄後、緩衝液Bの
全量(10mL)を加えて溶解した発色合成基質混合液0.1
mLを加えて反応させる。
レート(Etフリーの0.02M トリスー塩酸緩衝液 (pH8.0)
浸漬) 1枚 2.緩衝液(0.01M塩化マグネシウム含有0.2Mトリスー塩
酸緩衝液 (pH8.0)、5.0mL 、Etフリー) 1 バイアル 3.蒸留水(100mL、Etフリー)1バイアル 使用に際しては、マイクロプレートの各ウェルに試料0.
05 mL を加え、緩衝液を0.05mL加えて、37℃で活性化さ
せた後、液を吸い取り、蒸留水で洗浄する。その後は、
リムルス・アメボサイト・ライセート(LAL)、市販
のLALゲル化法試薬、LALに種々の合成基質を組み
合わせたもの、市販の合成基質法LAL試薬等を加え、
それぞれの方法で反応させ測定する。
mg 、Etフリー) 1 バイアル 3.緩衝液(0.01M塩化マグネシウム含有0.2 M トリスー
塩酸緩衝液 (pH8.0)、2.7mL 、Etフリー) 1 バイアル 使用に際しては、Et感受性因子吸着ナイロン膜 1枚に、
緩衝液の全量(2.7 mL)を加えて溶解した発色合成基質混
合液 0.05 mLを滴下し、その上に試料 0.05 mLを滴下し
て、37℃で反応させる。
た固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤が初めて提
供された。該測定剤を使用して種々の反応妨害成分を含
有する検体中のEtを測定する際には、従来法のような煩
雑な前処理を必要としない。また、本発明の測定剤はEt
感受性因子を長期間安定に保持することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 カブトガニ・アメボサイト由来の少な
くとも、エンドトキシンによるカスケード反応を惹起す
るエンドトキシン感受性因子を固定化した不溶性担体か
らなり、(1→3)−β−D−グルカンに反応性を示さ
ないことを特徴とするリムルス反応を利用した固相系反
応用エンドトキシン特異的測定剤。 - 【請求項2】 不溶性担体が、ポリアミド系、セルロー
ス系、ポリスチレン系、ポリプロピレン系、シリカ系、
アガロース系、ポリアクリルアミド系、デキストラン系
およびビニルポリマー系化合物からなる群から選ばれた
少なくとも1種類の化合物を含み、エンドトキシンを測
定する際の反応液に不溶性の担体である請求項1記載の
固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤。 - 【請求項3】 前記測定剤は、エンドトキシン感受性因
子の活性化に有効な2価金属塩を含む請求項1の固相系
反応用エンドトキシン特異的測定剤。 - 【請求項4】 請求項1の測定剤と活性型エンドトキシ
ン感受性因子の合成基質またはクロッティングエンザイ
ムの基質とを構成試薬として含む固相系反応用エンドト
キシン特異的測定キット。 - 【請求項5】 構成試薬として、エンドトキシン感受性
因子の活性化に有効な2価金属塩を含有する緩衝剤をさ
らに含むことを特徴とする請求項4の固相系反応用エン
ドトキシン特異的測定キット。 - 【請求項6】 検体溶液を請求項1〜3のいずれかに記
載の固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤と接触さ
せ、検体中のエンドトキシンと該測定剤中の少なくとも
エンドトキシン感受性因子とを反応させ、基質の変化を
測定することを特徴とするエンドトキシンの測定法。 - 【請求項7】 検体溶液を請求項1〜3のいずれかに記
載の固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤と接触さ
せ、次いで検体溶液を分離除去した後、必要に応じて洗
浄し、さらにカブトガニ・アメボサイト・ライセート単
独または該ライセートおよびクロッティングエンザイム
の合成基質と接触させて、該ライセートまたは合成基質
の変化を測定することを特徴とするエンドトキシンの測
定法。 - 【請求項8】 カブトガニ・アメボサイト由来の少なく
とも、エンドトキシンによるカスケード反応を惹起する
エンドトキシン感受性因子を、不溶性担体に物理的また
は化学的に固定化することを特徴とするリムルス反応を
利用した固相系反応用エンドトキシン特異的測定剤の製
造法。 - 【請求項9】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
またはそれを含む液体を、エンドトキシンによるカスケ
ード反応を惹起するエンドトキシン感受性因子を特異的
に吸着し、(1→3)−β−D−グルカン感受性因子を
吸着しない不溶性担体に接触させ、少なくとも該エンド
トキシン感受性因子を物理的に吸着固定化し、(1→
3)−β−D−グルカン感受性因子を実質的に含まず、
エンドトキシンと特異的に反応する不溶性担体を得るこ
とを特徴とするリムルス反応を利用した固相系反応用エ
ンドトキシン特異的測定剤の製造法。 - 【請求項10】 カブトガニ・アメボサイト・ライセー
トを(1→3)−β−D−グルカン感受性因子除去処理
に付すことによって得られた、(1→3)−β−D−グ
ルカン感受性因子を実質的に含まず、エンドトキシンに
よるカスケード反応を惹起するエンドトキシン感受性因
子を含むカブトガニ・アメボサイト・ライセート処理物
を用い、少なくとも該エンドトキシン感受性因子を、不
溶性担体に物理的または化学的に固定化することを特徴
とするリムルス反応を利用した固相系反応用エンドトキ
シン特異的測定剤の製造法。 - 【請求項11】 (1→3)−β−D−グルカン感受性
因子活性化阻害剤をカブトガニ・アメボサイト・ライセ
ートに添加した後、少なくとも、エンドトキシンによる
カスケード反応を惹起するエンドトキシン感受性因子
を、不溶性担体に物理的または化学的に固定化すること
を特徴とするリムルス反応を利用した固相系反応用エン
ドトキシン特異的測定剤の製造法。
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