JPH057971B2 - - Google Patents

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JPH057971B2
JPH057971B2 JP9436884A JP9436884A JPH057971B2 JP H057971 B2 JPH057971 B2 JP H057971B2 JP 9436884 A JP9436884 A JP 9436884A JP 9436884 A JP9436884 A JP 9436884A JP H057971 B2 JPH057971 B2 JP H057971B2
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JP
Japan
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vegetables
calcium
temperature
aqueous solution
softening
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JP9436884A
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JPS60237957A (ja
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Akira Sugisawa
Kazuya Sekiguchi
Naoto Tokuyama
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House Foods Corp
Original Assignee
House Food Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、野菜類の加熱による軟化防止法に関
し、更に詳しくは野菜類を殺菌、調理等を目的と
して加熱する際に生ずる野菜組織の軟化に原因し
た野菜類の食感の劣化を防止する方法に関する。
<従来の技術> 一般に人参、馬鈴薯、大根、玉葱、セロリ、キ
ヤベツ、ピーマンなどの野菜類は、加熱殺菌乃至
加熱調理によりその組織が軟化することが知られ
ている。このことは、野菜類を調理原料や加工原
料として使用する場合、保存性をこれら野菜類に
与える目的で加熱殺菌が行われるが、その際野菜
類が軟化してしまい、その商品価値を著しく低下
させることになる。
このような加熱による野菜類の軟化防止法とし
ては、野菜の罐詰で一般に使用されている塩化カ
ルシウム水溶液中で加熱する方法、40〜75℃の温
水中で野菜類を保持する方法(特開昭54−107542
号)などがある。しかし、前者の場合、充分な効
果が出現するまで塩化カルシウムの濃度を上げて
いくと、にがみの出現という風味的に大きな問題
が発生してくる。一方、後者の場合、ある程度の
効果は認められるが、野菜類の各部分を均一に効
果せしめるという点において未だ充分とはいえな
かつた。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者等は、加熱処理による野菜類の食感の
軟化を有効に防止すると共に塩化カルシウムなど
に原因するにがみのない好ましい風味が得られる
方法について鋭意研究した結果、野菜類をカルシ
ウム水溶液中に特定温度で浸漬した後、そのまま
の状態でカルシウム水溶液の温度を特定温度にま
で上昇させ、更に一定時間保持させることによつ
て、本発明の目的を完全に達成することができ
る、という知見を得た。
<問題を解決するための手段> 上記知見に基いて完成された本発明の要旨は、
野菜類をカルシウム水溶液中に低温下で浸漬した
後、その状態のまま該水溶液の温度を40〜70℃の
範囲に上昇させ一定時間保持することを特徴とす
る野菜類の軟化防止法である。
以下、本発明の内容について詳しく述べる。
本発明の対象となる野菜類としては、上述した
如く、人参、馬鈴薯、大根、玉葱、セロリ、キヤ
ベツ、ピーマンなど歯ごたえを大切にする野菜類
である。これらの野菜類をまず適当な大きさ、形
状に切断する。その後、該野菜類をカルシウム水
溶液中に浸漬するのであるが、カルシウム水溶液
としては、乳酸カルシウム、酢酸カルシウムなど
のカルシウム塩を単に水に溶解したもので充分で
あるが、カルシウム水溶液のカルシウム塩濃度と
しては1〜5重量%の範囲であることが好まし
い。そのカルシウム塩濃度が1重量%以下では、
本発明の効果を達成することができず、反対にカ
ルシウム塩濃度が5重量%以上の場合は軟化防止
効果が略一定になり、左程効果の顕著性が期待で
きない。こうしたカルシウム水溶液中に上記した
野菜類を浸漬する場合、低温下で浸漬することが
重要である。浸漬時における温度が高いと、例え
ば40〜75℃の温度である場合、野菜類中の酵素が
活性化して酵素反応が進むと共に野菜類の組織の
硬化も進行するが、該野菜類の組織の硬化が不均
一なものになつてしまう。そればかりでなく、野
菜類中の他の酵素すなわち野菜類の褐色を促進す
る酵素などの反応も同時に進行するために、その
ことを原因した野菜類の品質の劣化、即ち野菜類
の色や変化や風味の低下などを来たすことにな
る。従つて、野菜類をカルシウム水溶液中に浸漬
する場合は、前述したように低温下で実施するこ
とが重要になつてくる。具体的には0〜15℃の範
囲の温度で実施することが望ましい。浸漬時間は
カルシウム水溶液のカルシウム濃度によつて多少
異なつてくるが、概ね5時間以上であれば充分で
ある。これによつて、野菜類の組織中に均一にカ
ルシウムを含浸させることができる。
このようにして野菜類をカルシウム水溶液中に
浸漬した後、その状態のまま該カルシウム水溶液
の温度を40〜70℃の範囲に上昇させ一定時間保持
する。これによつて、野菜類の組織を均一に硬化
することができる。即ち、野菜類の組織中にカル
シウムが均一に含浸した状態で浸漬溶液の温度を
野菜類中の酵素が活性化する温度に上昇すること
によつて、野菜類中の各部分における酵素反応を
均一にすることができる。そればかりでなく、原
因は定かではないが、低温で一定時間カルシウム
水溶液中に浸漬した野菜類は、褐色などの品質の
劣化を起す酵素による反応が抑制される。その結
果、上記酵素反応に原因した野菜組織の硬化をも
均一にすることができると共に野菜類の品質の劣
化をも防止することができるのである。従つて、
このことをより確実に実施するためには、上記カ
ルシウム水溶液の温度を40〜70℃に上昇せしめた
後、一定時間保持することが重要になる。保持時
間としては、10〜180分程度が好ましく、更には
人参や馬鈴薯など比較的組織の強固な野菜類の場
合は30〜60分の範囲、玉葱のような比較的組織の
柔かいものであれば10〜30分の範囲が最も好まし
い。上記保持時間が短すぎると、野菜類の組織の
硬化が不十分となり、反対に保持時間が長くなり
すぎてもその効果は飛躍的に増加せず上記条件の
範囲内で充分である。
このようにして処理された野菜類は、その後ブ
ランチング処理及び/又は殺菌のために加熱処理
される。これによつて、野菜類中の全ての酵素は
失活してしまう。
<発明の効果> 本発明の方法によると、予めカルシウムを野菜
類に均一に含浸せしめた後、酵素反応による野菜
組織への効果を実施させるために、得られた野菜
類に殺菌、調理等を目的とした加熱処理を施して
も、該野菜類の各部分における軟化を有効に防止
することができる。その結果、加熱処理に原因し
た野菜類の煮崩れがなく、極めて好ましい食感を
有する加熱殺菌済み野菜や加熱調理済み野菜を得
ることができるので、罐詰食品やレトルト食品、
無菌充填食品等の加工原料として広範囲に渡つて
利用することが可能である。
実施例 1 (本発明) 人参の皮を剥ぎ10mm角の大きさに切断する。切
断した人参を3重量%濃度の乳酸カルシウム水溶
液中に5℃で15時間浸漬した後、該乳酸カルシウ
ム水溶液の温度を60℃に上昇しその状態で1時間
保持した。その後、100℃、5分間の条件でブラ
ンチング処理を施した。
(比較例 1) 本発明と同様に切断した人参を3重量%濃度の
乳酸カルシウム水溶液中に60℃で1時間浸漬した
後、100℃、5分間の条件でブランチング処理を
施した。
(比較例 2) 本発明と同様に切断した人参を100℃、5分間
の条件でブランチング処理を施した。
上記方法によつて得られた各試料をそれぞれレ
トルトパウチに入れ、120℃、30分間の条件で加
熱処理した。このようにして得られた各試料の硬
度をレオメーターによつて測定した。レオメータ
ーの測定条件は、プランジヤー:5mmφ、上昇速
度:6cm/分、である。測定結果を第1表および
第2表に示す。
第 1 表 平均値 標準偏差値 本発明 11.08 2.74 比較例1 9.85 1.55 比較例2 2.02 0.48 第 2 表 官 能 評 価 本発明 形がしつかりしており、歯ごたえが充
分にある 比較例1 形はしつかりしているが、褐変、渋
味あり 比較例2 柔らかく煮崩れあり 第1表から明らかなように、本発明の方法によ
つて得られた人参は未処理のもの(比較例2)に
比し、その硬度において5倍以上の値を示すもの
であつた。このことは、第2表の評価と併せて本
発明の方法によつて得られた人参が加熱処理によ
つても軟化して食感の劣化を来たすことがない、
ということを意味する。一方、本発明と比較例1
とを対比すると、硬度において前者の方が若干優
れているだけにすぎないように見受けられるが、
第2表に示すごとく比較例1の場合は褐色や渋味
があるのに対し、本発明の方は全くそのようなこ
とが見られなかつた。
実施例 2 大根を厚さ1cm程度に輪切りした後、皮をむ
き、3重量%濃度の乳酸カルシウム水溶液中に5
℃で15時間浸漬した。その後、該乳酸カルシウム
水溶液の温度を60℃に上昇させた後、40分間保持
した。よつて得られた大根をレトルトパウチに入
れ、120℃で30分間加熱処理した。このようにし
て得られた加熱処理済み大根は、形がしつかりし
ており、歯ごたえも充分にあつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 野菜類をカルシウム水溶液中に低温下で浸漬
    した後、その状態のまま該水溶液の温度を40〜70
    ℃の範囲に上昇させ一定時間保持することを特徴
    とする野菜類の軟化防止法。 2 野菜の浸漬温度が0〜15℃で且つ浸漬時間が
    5時間以上であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の野菜類の軟化防止法。 3 40〜70℃での保持時間が10〜180分間である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の野菜類の軟化防止法。
JP59094368A 1984-05-10 1984-05-10 野菜類の軟化防止法 Granted JPS60237957A (ja)

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JP59094368A JPS60237957A (ja) 1984-05-10 1984-05-10 野菜類の軟化防止法

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JP59094368A JPS60237957A (ja) 1984-05-10 1984-05-10 野菜類の軟化防止法

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JPS60237957A JPS60237957A (ja) 1985-11-26
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